JPWO2010026886A1 - 水酸化クロムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の水酸化クロムの製造方法は、従来の製造方法で得られた水酸化クロムよりも酸性水溶液に対する溶解性が高い水酸化クロムを得ることができ、その方法は、反応液温が0℃以上50℃未満の条件下で、無機アルカリ水溶液と三価のクロムを含む水溶液とを、水性媒体へ同時に添加して水酸化クロムを生成させることを特徴とする。三価のクロムを含む水溶液及び無機アルカリ水溶液を添加している間の反応液のpHを7.0〜12の範囲に維持することが好ましい。

Description

本発明は、水酸化クロムの製造方法に関する。本発明の方法に従い製造された水酸化クロムは、例えばクロムめっき又は金属の表面処理若しくは三価クロム化成処理に有用である。
クロムめっきは、装飾用及び工業用として多くの産業分野で用いられている。クロムめっきは大気中で腐食せず光沢を失わないので、装飾めっきとして広く用いられている。また高い硬度と低い摩擦係数を有するので、耐摩耗性を要する機械部品等に広く用いられている。このめっきに用いられるめっき液には多量の六価のクロムが用いられている。六価のクロムは人体への影響が懸念されるので、めっき廃液の処理の際に環境中に放出されないよう非常に厳重な条件下で三価のクロムに還元しなければならない。したがって六価のクロムに代えて、毒性の少ないクロムである三価のクロムを用いためっき液の開発が望まれている。
三価のクロムを用いためっき液として、例えば特許文献1には、装飾用めっきのめっき液として塩化クロム、硫酸クロム、スルファミン酸クロムなどの三価のクロム化合物を用いたクロムめっき液が記載されている。しかし塩化クロムや硫酸クロム等の無機塩の三価クロムをクロム源として用いた場合、クロムはめっきで消費されるのに対し、クロム塩の対アニオンである塩化物イオンや硫酸イオンはめっき液中に残存する。そして、めっき液はその液組成を一定に保つ必要性から、消費されるクロムに相当する量のクロム源を適宜追加して使用されるため、塩化物イオンや硫酸イオンがめっき液中に蓄積されていくことになる。したがって最終的には液組成を一定に保つことができなくなって全量を新規めっき液と交換し、使用済みめっき液は廃液として処理されることになる。
この問題を解決する方法として、特許文献2では、塩化クロム及び塩化アンモニウムを含むめっき液を用いて三価クロムめっきを行うに際し、めっき液の一部を冷却装置に循環させ、この冷却装置で塩化アンモニウムの一部を晶析させて取り除くことにより、めっき液中の塩化アンモニウム濃度を制御しながらめっきする三価クロムめっき方法が提案されている。
また三価クロム源として、対アニオンが蓄積しない化合物である水酸化クロムをその含水ゲルの状態で用いてこの問題を解決することも提案されている(特許文献3参照)。しかし水酸化クロムは一般的に水に不溶性で、通常のめっき液として用いられる酸性水溶液に対しても溶解性が低い。このため、めっき液の調製に加温下で長時間の攪拌を要する。また消費されたクロムを補充する際にも補充した水酸化クロムを溶解するのに長時間を要する。これらの理由により、その間めっき作業が中断され、めっき液の調製及びめっき作業において問題が生じていた。
従来の水酸化クロムの製造方法としては、次の(1)−(3)方法が知られている(特許文献4〜6参照)。
方法(1):
クロムめっき工程などから排出されるクロム酸イオンを含有する水性液体に、予め還元剤を添加して該液体中のクロム酸イオンを三価のクロムイオンに還元し、これに水酸化ナトリウムを添加して水酸化クロムの沈殿を得る方法である(特許文献4)。しかしこのようにして得られた水酸化クロムは、硫酸イオン等の不純物イオンが付着していることが多く、種々の用途に適用するためには精製することが必要である。特許文献4にはpH9.5以上の条件下で水洗することが記載されている。
方法(2):
三価クロムを含有する硫酸塩水溶液に尿素を添加し、この溶液を約90℃ないし該水溶液の沸点の範囲の温度に加熱して尿素の分解により液のpHを高め且つこの間該水溶液中の硫酸イオン濃度を約1モル/リットル以下に保持することによって塩基性硫酸クロムを析出及び/又は分離する。次に、生成した塩基性硫酸クロムを尿素と共に前記温度範囲に加熱するか又はアルカリ金属、アルカリ土類金属若しくはアンモニウムの水酸化物若しくは炭酸塩で中和して水酸化クロムを製造する(特許文献5)。特許文献5には、中和によって水酸化クロムを製造する場合には、クロムの塩化物水溶液から出発する方法が容易である旨が記載されている。しかし得られた水酸化クロムの溶解性及び中和の際の添加順序については記載がない。
方法(3):
三価のクロム塩水溶液を水酸化ナトリウム若しくはアンモニア水にて中和する。得られた水酸化クロムのスラリー液から沈殿物を濾過分離する。分離した沈殿物を水に懸濁させてスラリー液とする。このスラリー液をイオン交換樹脂に通液して水可溶性の不純物と吸着分離する(特許文献6)。特許文献6には、生成された硫酸クロム若しくは塩化クロムの水溶液を水酸化ナトリウム若しくはアンモニア水で中和し、得られた水酸化クロムのスラリー液から沈殿物を濾過分離した後、洗浄して不純物イオンを除去する方法が記載されている。しかし実際の製造は、硫酸クロム水溶液に水酸化ナトリウムを添加する方法を採用している。また得られた水酸化クロムの溶解性についての記載はない。
以上の製造方法とは別に、特許文献7には、種々の無機酸のクロム(III)塩についての開示があるものの、水酸化クロムに関する記載はない。
特開平9−95793号公報(第2頁) 特開2002−322599号公報(特許請求の範囲) 特開2006−249518号公報 特開昭52−35794号公報(特許請求の範囲、第1頁及び第2頁) 特開昭53−132499号公報(特許請求の範囲、第1頁及び第2頁) 特開平2−92828号公報(特許請求の範囲、第1頁及び第2頁) 国際公開第2005/056478号パンフレット
本発明の目的は、溶解性の高い水酸化クロムの製造方法を提供することにある。
本発明は、反応液温が0℃以上50℃未満の条件下で、無機アルカリ水溶液と三価のクロムを含む水溶液とを、水性媒体へ同時に添加して水酸化クロムを生成させることを特徴とする水酸化クロムの製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記の方法で水酸化クロムを生成させた後、該水酸化クロムを無機酸水溶液又は有機酸水溶液に溶解することを特徴とする無機酸クロム(III)水溶液又は有機酸クロム(III)水溶液の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、従来の製造方法で得られた水酸化クロムよりも酸性水溶液に対する溶解性が高い水酸化クロムを得ることができる。三価のクロム源として本発明の方法で製造された水酸化クロムを用いることで、三価クロムめっき液の調製時間を短縮することができ、また未溶解の水酸化クロムに起因するめっき皮膜への悪影響を防ぐことができる。また、本発明の方法で製造された水酸化クロムを用いた三価クロム含有液を、クロムめっき又は金属の表面処理若しくは三価クロム化成処理に用いると、三価クロム源の対アニオンがめっき液等中に蓄積しないことから、めっき液等の組成を一定に保つことが容易となる。まためっき液等の調製時間が大幅に短縮されるので、関連産業に及ぼす効果は大きいものである。
本発明の製造方法は、無機アルカリ水溶液と三価のクロムを含む水溶液との同時添加に特徴の一つを有する。これらの水溶液を、水性媒体へ同時添加することで、意外にも、酸性水溶液に対する溶解性の高い水酸化クロムを得ることができることを本発明者らは知見した。これに対して、従来の水酸化クロムの製造方法、例えば特許文献4及び6に記載の製造方法では同時添加は採用しておらず、その代わりに、三価のクロムを含む水溶液に水酸化ナトリウム等のアルカリを添加して水酸化クロムを生成させている。この方法で得られる水酸化クロムは、酸性水溶液に対する溶解性に劣るものである。なお以下の説明では、特に断らない限りクロムというときには、三価のクロムを意味する。
無機アルカリ水溶液及び三価のクロムを含む水溶液は、これらを実質的に連続的に水性媒体へ添加する。実質的に連続的にとは、製造上の条件の変動等に起因して、添加が不可避的に一時的に不連続になる場合を許容する趣旨である。
無機アルカリ水溶液及び三価のクロムを含む水溶液の同時添加においては、操作開始時に、両水溶液を実質的に同時に添加する。尤も、本発明の効果を損なわない限度において、無機アルカリ水溶液の添加の方が、三価のクロムを含む水溶液の添加に先んじてもよく、あるいはその反対に、三価のクロムを含む水溶液の添加の方が、無機アルカリ水溶液の添加に先んじてもよい。操作終了時においても同様であり、両水溶液の添加は実質的に同時に終了させるが、本発明の効果を損なわない限度において、無機アルカリ水溶液の添加終了の方が、三価のクロムを含む水溶液の添加終了に先んじてもよく、あるいはその反対に、三価のクロムを含む水溶液の添加終了の方が、無機アルカリ水溶液の添加終了に先んじてもよい。
無機アルカリ水溶液及び三価のクロムを含む水溶液は、水性媒体へ同時添加される。本発明において用いられる水性媒体は、好ましくはpHが中性域ないしアルカリ域のものである。pHが酸性域のものを用いることも可能ではあるが、生成する水酸化クロムの溶解性が良好になる点にかんがみると、pHが中性域ないしアルカリ域の水性媒体を用いることが有利である。
pHが中性域の水性媒体としては、例えば水(純水)や中性塩の水溶液を用いることができる。中性塩としては、例えば塩化ナトリウム等を用いることができる。中性塩の濃度は一般に1mol/l程度までとすることが好ましい。pHがアルカリ域の水性媒体としては例えばアンモニア水を用いることができる。アンモニア水の濃度は一般に0.01mol/l程度までとすることが好ましい。また、水性媒体は、そのpHが中性域かアルカリ域かを問わず、必要に応じ、低級アルコール等の水溶性有機溶剤を含有することもできる。これらの水性媒体のうち、クロムめっき液等の調製において不要な化学種の混入を防止し得る点から、水(純水)を用いることが好ましい。
生成する水酸化クロムの溶解性は、無機アルカリ水溶液及び三価のクロムを含む水溶液を同時添加することに加えて、反応液の温度にも影響される。ここで言う反応液とは、無機アルカリ水溶液及び三価のクロムを含む水溶液が、水性媒体に添加されてなる液のことである。反応液の温度は0℃以上50℃未満とすることが必要である。反応液の温度が50℃以上であると、生成する水酸化クロムが凝集体又は塊状になり易いことから、溶解性の高い水酸化クロムが得られない。反応液の温度が0℃未満であると、三価クロム塩及び/又は無機アルカリの析出のおそれがある。反応液の温度が10℃以上50℃未満、特に10〜40℃であると、溶解性の高い水酸化クロムが一層容易に得られるので好ましい。
無機アルカリ水溶液と三価のクロムを含む水溶液との反応は中和反応であるので、両水溶液を水性媒体中で混合することで、所望の特性を有する水酸化クロムが得られる。同時添加による反応中は、反応液を攪拌して反応を均一に行わせかつ反応を促進させることが好ましい。攪拌が不十分な場合には、反応液において局所的にアルカリの量に対して三価のクロムの量が過剰な状態になることがある。このような状態下に生成する水酸化クロムは、酸性水溶液に対する溶解性に劣るものである。したがって、三価のクロムを含む水溶液の添加を、アルカリの量に対して三価のクロムの量が局所的に過剰にならないように行うことが重要である。この観点から、攪拌条件を、局所的な停滞部分の発生を避け、均一混合ができるように調整することが好ましい。アルカリの量に対して三価のクロムの量が局所的に過剰になる状態とは、例えば、特許文献4及び6に記載されているように、三価のクロムを含む水溶液に無機アルカリ水溶液を添加した状態を言う。
無機アルカリ水溶液及び三価のクロムを含む水溶液の濃度、添加速度、添加比率等に特に制限はないが、反応中に不均一な混合が起きないよう撹拌機の能力や製造スケールに応じてこれらを調整することが、溶解性の高い水酸化クロムを得る点から好ましい。好ましい濃度としては、無機アルカリ水溶液における水酸化物イオンの濃度は1〜50重量%、特に5〜30重量%であり、三価のクロムを含む水溶液における三価のクロムの濃度は1〜40重量%、特に3〜20重量%である。好ましい添加速度は、水性媒体を例えば1リットル用いる場合には、濃度が上述の範囲であることを条件として、無機アルカリ水溶液が2〜150ml/分、特に10〜100ml/分であり、三価のクロムを含む水溶液が5〜300ml/分、特に10〜200ml/分である。添加比率、すなわち添加速度の比は、濃度及び添加速度が上述の範囲であることを条件として、無機アルカリ水溶液の添加速度に対して、三価のクロムを含む水溶液の添加速度が0.1〜20倍、特に0.5〜10倍である。
無機アルカリ水溶液及び三価のクロムを含む水溶液の濃度、添加比率や添加速度は、これらの水溶液を添加している間の反応液のpHが7.0〜12、特に7.5〜10に維持されるように調整することが好ましい。反応中のpHをこの範囲内に維持することで、目的する溶解性を有する水酸化クロムを首尾良く製造することができる。
三価のクロムを含む水溶液におけるクロム源としては、三価のクロムの水溶性塩を特に制限なく用いることができる。そのような塩としては、例えば塩化クロム、硫酸クロム、硫酸クロムアンモニウム、硫酸クロムカリウム、ギ酸クロム、フッ化クロム、過塩素酸クロム、スルファミン酸クロム、硝酸クロム、酢酸クロムなどが挙げられる。これらの塩は一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの塩は、水溶液の状態で用いてもよく、あるいは粉末の状態で用いても良い。例えば日本化学工業社製「35%液体塩化クロム」、「40%液体硫酸クロム」(製品名)や市販の塩化クロム(結晶品)を用いることができる。これらの塩のうち、塩化クロム、硫酸クロムを用いることが、有機物が残存しない点、排水処理が容易である点及び経済性の点から好ましい。
三価のクロムを含む水溶液としては、六価のクロムを含む水溶液における六価のクロムを三価に還元したものを用いることもできる。例えば重クロム酸塩の水溶液に亜硫酸ガスを通して六価のクロムを三価のクロムに還元した水溶液を用いることができる。あるいは、重クロム酸の水溶液に硫酸を加え、有機物で六価のクロムを三価のクロムに還元した水溶液を用いることもできる。
三価のクロムを含む水溶液と同時に添加される無機アルカリ水溶液に用いられる無機アルカリとしては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、アンモニア等を用いることができる。無機アルカリに代えて有機アルカリを用いると、有機アルカリがクロムと水溶性の錯塩を形成することに起因して、水酸化クロム生成後の濾過廃液中にクロムが残留するおそれがある。したがって有機アルカリの使用は避けるべきである。上述した無機アルカリのうち、特にアルカリ金属の水酸化物を用いると、酸性水溶液に対する水酸化クロムの良好な溶解性が長期間にわたって維持されるので好ましい。
三価のクロムを含む水溶液と無機アルカリ水溶液とを同時添加して水酸化クロムが生成したら、スラリーを濾過して固形物としての水酸化クロムを分離し、これを洗浄する。濾過には通常の方法を用いることができる。例えばブフナー漏斗を用いた吸引濾過を行うことができる。濾過後の洗浄は水を用いて行う。例えばブフナー漏斗上のケーキに水を加えてリパルプし、更に吸引濾過を行う等して洗浄を行うことができる。洗浄は、濾液の導電率が例えば5mS/cm以下となるまで行うことが好ましい。濾液の導電率が高いことは、洗浄後の水酸化クロムに原料に由来する副生塩が多く残存していることを意味する。かかる副生塩は、水酸化クロムを三価クロムめっき液のクロム源として用いた場合に、めっき液中に蓄積されてしまうので極力除去されるべきものである。したがって濾液の導電率が前記の値以下となるまで洗浄を行うことが好ましい。また、濾過及び洗浄は、好ましくは0〜50℃、更に好ましくは20〜40℃の低温で行うことが好ましい。クロムのオール化やオクソ化及びそれに起因する難溶性物の生成を防止することができるからである。
洗浄後、水酸化クロムを乾燥させて粉末状態とするか、あるいは水を加えて所定濃度のスラリーとする。
前記の反応中に、又は反応終了後に、還元剤を添加することが好ましい。これによって反応中に、又は保存中に(スラリー状態での保存中に)、酸化雰囲気下に置かれた場合でも、再酸化を防止できることから、六価のクロムが生成することを防止できる。特に、反応終了後に還元剤を添加することが、再酸化を確実に防止できる観点から好ましい。還元剤としては、当該技術分野において従来用いられている有機系又は無機系の還元剤を特に制限なく用いることができる。有機系の還元剤としては、例えばメチルアルコール、プロピルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の二価アルコールが好適に使用される。他の有機系の還元剤としては、グルコースなどの単糖類、マルトースなどの二糖類、でんぷんなどの多糖類等が挙げられる。無機系の還元剤としては、例えばヒドラジン、過酸化水素等が挙げられる。
本発明の方法に従い製造された水酸化クロム(以下、単に「本発明の水酸化クロム」とも言う。)は、純水に対しては不溶性又は難溶性であるが、酸性水溶液(例えばpH3以下の酸性水溶液)に対しては溶解性が高いことを特徴とするものである。かかる特徴を有する水酸化クロムは、その凝集度及び粒子径で特定される。具体的には、本発明の水酸化クロムは微粒子であり、その凝集度が低いものである。本発明において凝集度は、MV/Dで定義される。MVは、粒度分布測定装置により測定された体積平均粒子径を表し、Dは、走査型電子顕微鏡(SEM)像から測定された平均粒子径を表す。この定義によれば、凝集度の値が大きいほど凝集性が高い(つまり粒子が凝集している)ことを意味する。
凝集度の具体的な測定法は次のとおりである。生成した水酸化クロムを家庭用ミキサー等で水中に十分分散した後、レーザー回折散乱法式の粒度分布測定装置で体積平均粒子径(MV)を測定する。またSEM像で水酸化クロムの一次粒子200個の粒子径を測定し、その平均値をSEM像による平均粒子径Dとする。一次粒子が球形でない場合には、粒子を横切る最大長さを粒子径とする。このようにして測定されたMVをDで除した値を凝集度とする。
本発明の水酸化クロムは、前記の定義に基づき算出された凝集度が好ましくは10以上70未満である。水酸化クロムの凝集度が70を超えると、酸性水溶液に対する溶解性が低下する傾向にある。本発明の方法に従い製造された水酸化クロムは、その凝集度が低いほど酸性水溶液に対する溶解性が高まる。この観点からは、水酸化クロムの凝集度の値は小さいほど好ましい。本発明の製造方法で到達可能な凝集度の下限値には限界があることから、本発明においては水酸化クロムの凝集度の下限値を10と規定した。特に凝集度が10〜60であると、経時変化が少なくなり、一層良好な溶解性が保てることから更に好ましい。
本発明の水酸化クロムは、一次粒子の平均粒径Dが好ましくは40〜200nm、更に好ましくは50〜100nmという微粒のものである。かかる粒径を有する水酸化クロムは、上述の凝集度を満足することで、酸性水溶液に対する溶解性が向上したものとなる。一次粒子の平均粒径Dが40nm未満では、静電引力が強くなり、凝集しやすく、溶解性が低くなってしまう。一次粒子の平均粒径Dが200nm超では、比表面積が小さくなり、酸との反応箇所が少なくなるため、溶解性が低くとなってしまう。
本発明の水酸化クロムの粒子形状に特に制限はなく、例えば球状や塊状などの形状であり得る。
本発明の水酸化クロムは、一般に乾燥した粉末状態であるか、又は水に懸濁したスラリーの状態になっている。酸性水溶液に対する溶解性を高める観点からは、本発明の方法に従い製造した直後から引き続いてスラリーの状態としておくことが好ましい。スラリー中には水酸化クロム以外の成分が含まれていてもよく、あるいは含まれていなくてもよい。スラリー中に水酸化クロム以外の成分が含まれている場合、該成分としてはNa、K、Cl、SO4、NH4等が挙げられる。該スラリーを、クロムめっき又は金属の表面処理若しくは三価クロム化成処理に用いられるめっき液等の補充液として用いる場合には、該スラリーは不純物イオンを実質的に含まないことが好ましい。補充に起因する不要なイオンの蓄積を防止するためである。本明細書に言う「不純物イオン」とは、H+及びOH-イオン以外のイオンを意味する。「実質的に含まない」とは、水酸化クロムの調製及びそれを用いたスラリーの調製の間に、意図的に不純物イオンを添加しないことを意味し、不可避的に混入する微量の不純物イオンは許容する趣旨である。したがって、水酸化クロムの調製及びそれを用いたスラリーの調製に使用する水としては、純水、イオン交換水の他、不純物イオンを実質的に含まない水道水、工業用水等を用いても差し支えない。
既に述べたとおり、本発明の水酸化クロムは、酸性水溶液(例えばpH3以下の酸性水溶液)に対する溶解性が高いものである。しかも長期保存した後であっても、その溶解性が維持される。これに対して従来得られていた水酸化クロムは、長期保存中に経時変化を起こし、酸又はアルカリの水溶液に対して難溶性の水酸化物に移行し易い。この原因ははっきりとはわからないが、クロムのオール化やオクソ化により、難溶性の形態に移行するためと考えられる。このため、クロムめっき液を調製するときには、水酸化クロムが完全に溶解するまで長時間攪拌を行わなければならなかった。
本明細書において溶解性が高いとは、温度25℃でpHが0.2の塩酸水溶液1リットルに、Crとして1g含有に相当する水酸化クロムを加えたときに、その水酸化クロムが30分以内に完全溶解することを意味する。水酸化クロムの溶解の有無は目視で判断する。水酸化クロムの溶解時間は、液が透明になるまでの時間である。
前記の酸性水溶液としては、無機酸又は有機酸の水溶液が用いられる。無機酸水溶液としては、例えば硝酸、リン酸、塩酸、硫酸、フッ化水素酸等の無機酸の水溶液が挙げられる。有機酸水溶液としては、ギ酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、フマル酸、酪酸等の有機酸の水溶液が挙げられる。
本発明の方法に従い製造された水酸化クロムは、粉末状態のまま、又は水を加えてスラリーの状態として、無機酸水溶液又は有機酸水溶液に添加して溶解させることができ、それによって無機酸クロム(III)又は有機酸クロム(III)の水溶液が得られる。水酸化クロム及び無機酸水溶液又は有機酸水溶液の濃度及び使用量は、目的とする無機酸クロム又は有機酸クロムの種類(組成式)及びその最終水溶液中での目的濃度に応じて、適宜決定することができる。
水酸化クロムを容易にかつ確実に溶解する観点からは、無機酸水溶液又は有機酸水溶液はpHが低いことが好ましい。具体的には好ましくはpH2以下、更に好ましくはpH1.5以下である。無機酸水溶液又は有機酸水溶液における無機酸又は有機酸の濃度としては1〜50重量%、特に5〜50重量%の範囲であることが好ましい。また、容易にかつ確実に溶解させる観点からは、無機酸水溶液又は有機酸水溶液1リットルに対し、Crとして1g以下に相当する水酸化クロムを使用することが好ましい。
無機酸水溶液又は有機酸水溶液への水酸化クロムの溶解は、25〜90℃で行うことが好ましい。
このようにして得られた無機酸クロムとしては、塩酸クロム、硝酸クロム、リン酸クロム、硫酸クロム、フッ化クロム等が挙げられる。これらの無機酸クロムは、塩基性塩であってもよい。例えば硝酸クロムは、組成式Cr(OH)x(NO3)y(式中、0≦x≦2、1≦y≦3、x+y=3)で表される化合物であり、該化合物には、Cr(NO33で表される正塩である硝酸クロムの他に、Cr(OH)0.5(NO32.5、Cr(OH)(NO32、Cr(OH)2(NO3)等の塩基性硝酸クロムも含まれる。
また有機酸クロムは、一般式Crm(Axnで表される化合物である。前記の一般式中、Aは有機酸からプロトンを除いた残基を示す。Aは負の電荷を有している。xはAの電荷(負電荷)を表す。m及びnは3m+xn=0を満たす整数をそれぞれ表す。
有機酸クロムにおける有機酸は、R(COOH)yで表される。式中、Rは有機基、水素原子又は単結合若しくは二重結合を表す。yは有機酸におけるカルボキシル基の数を表し、1以上の整数であるが、好ましくは1ないし3である。前記の一般式におけるAはR(COO-yで表される。Rが有機基である場合、該有機基としては炭素数1〜10、特に1〜5の脂肪族基が好ましい。この脂肪族基は、他の官能基、例えば水酸基で置換されていてもよい。脂肪族基としては、飽和脂肪族基及び不飽和脂肪族基のいずれも用いることができる。
また、本発明の方法に従い製造された水酸化クロムは、粉末状態のまま、又は水を加えてスラリーの状態として、2種以上の酸水溶液に添加して溶解し、クロム(III)源を含む水溶液をすることもできる。水酸化クロム及び酸水溶液の濃度及び使用量、使用する酸の組み合わせ、各酸の配合割合は、目的とするクロム(III)源の種類及びその最終水溶液中での目的濃度に応じて、適宜決定することができる。
水酸化クロムを溶解する酸水溶液の種類は、有機酸同士の組み合わせ、無機酸同士の組み合わせ、あるいは有機酸と無機酸との組み合わせが挙げられる。使用できる有機酸及び無機酸としては、先に述べたものと同様のものが挙げられる。
本発明のクロム(III)源を含む2種以上の酸水溶液の製造方法は、上述した無機酸クロム又は有機酸クロム水溶液の製造方法に従えばよいので、ここではその詳細な説明を省略する。概略を観点に説明すると、水酸化クロムの酸水溶液への溶解には、例えば次の1)〜3)の方法を用いることができる。しかし、これらの方法に制限されるものではない。
1)所望の2種以上の酸を予め溶解した酸水溶液を調製し、これに水酸化クロムを添加して水酸化クロムを酸溶液に溶解処理する方法。
2)所望の酸のうちの1成分の酸を予め適宜選択し、次にこの選択した酸を水に溶解し酸水溶液を調製する。次に得られた酸水溶液に水酸化クロムを添加し1次溶解処理をする。これに残りの成分の酸を添加して第2次溶解処理をする方法。
3)あるいは所望の2種以上の酸の必要量の一部を予め水に溶解した酸水溶液を調製する。次に得られた酸水溶液に水酸化クロムを添加し1次溶解処理をする。これに残量の酸を添加して2次溶解処理し水酸化クロムを溶解する方法。
かくして得られる本発明のクロム(III)源としては、以下の式で表される、クロムと結合する酸根が2種以上の複合クロム(III)塩である。なお、クロムと結合する酸の種類は、有機酸同士の組み合わせ、無機酸同士の組み合わせ、あるいは有機酸と無機酸の両方から選ばれるものであってもよい。
Figure 2010026886
前記の式において、酸としてリン酸を用いた場合の前記H2PO4 -とHPO4 2-の存在割合は、反応条件や原料系等で任意に変化する。
本発明の方法に従い製造された水酸化クロムは、上述のとおり酸性水溶液に溶解性が高いので、以下に述べるように、例えば三価のクロムを用いたクロムめっき又は金属の表面処理液若しくは三価クロム化成処理液における三価クロム源として有用である。本発明の水酸化クロムを三価クロム源として用いることで、めっき液や処理液の調製時間を短縮化することが可能となる。また、めっき液や処理液中に未溶解の水酸化クロムが存在しないので、良質なめっき皮膜や三価クロム化成皮膜を形成することができる。なお、本明細書における「三価クロム化成処理」とは、三価クロム塩を主成分とする水溶液に被処理物を接触させ、該被処理物に、化学的に三価のクロムを含む皮膜を生成させる処理のことをいう。
本発明によれば、上述した溶解性の高い水酸化クロムをクロム源として用いた三価クロム含有液も提供される。本発明の三価クロム含有液は、装飾用の最終仕上げ及び工業用の三価クロムめっきに用いられる。また、ニッケルめっきの上層に施されるめっき等の各種金属の表面処理に用いられる。更に亜鉛めっきやすずめっき等の三価クロム化成処理に用いられる。即ち、本発明の三価クロム含有液は、三価クロムめっき液や三価クロムの化成処理液であり得る。以下の説明では、特に断らない限り、これらの液を総称して「めっき液等」という。
本発明の三価クロム含有液を三価クロムめっき液として用いる場合、該三価クロムめっき液は、上述の水酸化クロムに由来する三価のクロム及び有機酸等をはじめとする他の成分を含むものである。また本発明の三価クロム含有液を三価クロム化成処理用の処理液として用いる場合には、該処理液は、クロム源として上述の水酸化クロムを用い、更にコバルト化合物、珪素化合物、亜鉛化合物、種々の有機酸等を含むことができる。
前記の三価クロム化成処理液に用いられるコバルト化合物としては、塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、リン酸コバルト、酢酸コバルト等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることもできる。珪素化合物としては、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、珪酸カリ、珪酸リチウムが挙げられる。これらの珪素化合物は1種又は2種以上を混合して用いることもできる。亜鉛化合物としては、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、リン酸亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの亜鉛化合物は1種又は2種以上を混合して用いることもできる。有機酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、アジピン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリシン等が挙げられる。これらはキレート作用を示すことから、めっき液中で三価のクロムを安定な形に保持することができると考えられる。
前記の三価クロム化成処理液は、クロムを例えば0.005〜1.0モル/リットル含むことが好ましい。クロムと有機酸のモル比は、クロム1モルに対して1〜5モルであることが好ましい。
本発明によれば、上述のめっき液等に加えて、クロムめっき又は金属の表面処理若しくは三価クロム化成処理に用いられるめっき液等の補充液も提供される。この補充液は、上述の水酸化クロムを含むスラリーからなる。このスラリーには、上述のとおり不純物イオンが含まれていないことが好ましい。金属の表面処理や三価クロム化成処理等においては、無機アニオン、例えば硫酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオンなどは、皮膜中に取り込まれず液中に残存したままになる。したがって、めっき液等にクロム源を注ぎ足すと、そのクロム源の対アニオンである無機アニオンがめっき液等中に次第に蓄積していき、めっき液等の組成が変化してしまう。これに対して、上述の水酸化クロムを含むスラリーからなる補充液は、これらのアニオンを含まないので、該補充液をクロム供給源としてめっき液等に注ぎ足しても、めっき液等の組成の変化が少ない。その結果、めっき液等を頻繁に更新することなく、長期にわたりめっき液等を用いることができる。
前記の補充液によってクロム源が補充されるめっき液等の種類に特に制限はなく、従来用いられてきた三価のクロムを含有するめっき液等を用いることができる。
本発明の補充液は、めっきや三価クロム化成処理を行っている間、めっき液等中のクロムイオンの消耗の程度に応じて該めっき液等中に適量添加される。添加は連続的でもよく、あるいは断続的でもよい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されず、当該技術分野に属する通常の知識を有する者の常識の範囲内において種々の改変を行うことは何ら妨げられない。またそのような改変は本発明の範囲内のものである。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
〔実施例1〕
10%水酸化ナトリウム水溶液140gと、35%塩化クロム水溶液(日本化学工業株式会社製)55gに水を220g加えて希釈した7%塩化クロム水溶液とをそれぞれ容器に入れ準備した。次に水酸化ナトリウム水溶液を20℃に調整し、また塩化クロム水溶液を20℃に調整した。20℃に調整した純水中に、水酸化ナトリウム水溶液と塩化クロム水溶液を同時添加した。添加速度は、水酸化ナトリウム水溶液が2ml/分、塩化クロム水溶液が4.5ml/分であった。添加は連続的に行った。添加は60分間行った。添加の間、反応液のpHは7.5〜8.5の間に維持されていた。また、添加の間、反応液の温度は20〜25℃の間に維持されていた。また、添加の間、反応液を攪拌(700rpm)して、水酸化ナトリウムの量に対して三価のクロムの量が局所的に過剰にならないようにした。反応によって生成した沈殿を、濾液の導電率が1mS/cmになるまで30℃で濾過水洗し、水酸化クロムを得た。この水酸化クロムを純水に懸濁させて濃度8%のスラリーを得た。得られた水酸化クロムのMV及びD並びに凝集度MV/Dは表1に示すとおりであった。また、温度25℃でpHが0.2の塩酸水溶液1リットルに、Crとして1g含有に相当する水酸化クロムを加えたときの溶解性(水酸化クロムの生成直後及び水酸化クロムのスラリーを30日保存した後)は、以下の表1に示すとおりであった。
〔実施例2〕
実施例1において用いた10%水酸化ナトリウム水溶液に代えて、10%アンモニア水溶液59gを用いた。アンモニア水溶液の温度は20℃に調整した。それ以外は実施例1と同様にして水酸化クロムを得た。得られた水酸化クロムについて、実施例1と同様の測定を行った。その結果を、以下の表1に示す。
Figure 2010026886
〔比較例1及び2〕
20%水酸化ナトリウム水溶液70gと、35%塩化クロム水溶液(日本化学工業株式会社製)52gに水を208g加えて希釈した7%塩化クロム水溶液とをそれぞれ容器に入れ準備した。次に水酸化ナトリウム水溶液及び塩化クロム水溶液を表2に示す反応温度に調整した。実施例1及び2とは異なり、塩化クロム水溶液を撹拌しながら、そこへ水酸化ナトリウム水溶液を表2に示す速度で添加した。生成した沈殿を水で濾過洗浄し、水酸化クロム約12gを得た。これ以外は実施例1と同様の操作を行い、水酸化クロムのスラリーを得た。得られた水酸化クロムについて、実施例1と同様の測定を行った。その結果を、以下の表2に示す。ただし、溶解性については生成直後のみ測定した。
〔比較例3〕
実施例1において、反応液の温度を70℃とする以外は実施例1と同様の操作を行い、水酸化クロムのスラリーを得た。得られた水酸化クロムについて、実施例1と同様の測定を行った。その結果を、以下の表2に示す。ただし、溶解性については生成直後のみ測定した。
Figure 2010026886
以上の実施例及び比較例の結果から、実施例の方法で得られた水酸化クロムは、溶解性が高いことが判る。特に、実施例1と実施例2との対比から明らかなように、水酸化クロムの調製の際に用いる無機アルカリとしてアルカリ金属の水酸化物を用いると、長期保存後においても水酸化クロムの良好な溶解性が維持されていることが判る。
これに対して、三価のクロムを含む水溶液に無機アルカリ水溶液を添加して調製された比較例の水酸化クロムは、一次粒子の凝集が多く、溶解性が低いことが判る。無機アルカリ水溶液及び三価のクロムを含む水溶液を同時添加して水酸化クロムを調製したときであっても、反応温度が高い場合(比較例3)には、一次粒子が凝集し易く、溶解性が低いことが判る。
〔実施例3〕
実施例1と同様にして水酸化クロムを得た。この水酸化クロムを純水に懸濁させて濃度8%のスラリーを得た。次いで、得られたそれぞれの水酸化クロムのスラリーを、温度25℃で各種の無機酸水溶液1リットルに、又は温度50℃で各種の有機酸水溶液1リットルに、Crとして1g含有に相当する量添加し溶解させて、無機酸クロム水溶液又は有機酸クロム水溶液をそれぞれ得た。溶解に要した時間(単位:分)を表3に示す。
Figure 2010026886
〔実施例4〜6〕
実施例1と同様にして水酸化クロムを得た。この水酸化クロムを純水に懸濁させて濃度8%のスラリーを得た。次いで、温度25℃で2種の酸を含む水溶液1リットルに、Crとして1g含有に相当する量添加し溶解させて、クロム(III)源を含む水溶液をそれぞれ得た。溶解に要した時間(単位:分)を表4に示す。なお、各実施例で使用した酸水溶液の組成は以下のとおりである。
A液(pH0.2);塩酸 2.6重量%、硝酸 5.2重量%
B液(pH0.4);リン酸 3.3重量%、硫酸 2.5重量%
C液(pH0.3);塩酸 2.6重量%、シュウ酸2.2重量%
Figure 2010026886
〔使用例1〕
内容積8リットルの角型めっき槽に、以下の組成を有する三価クロムめっき用めっき液を調製した。被めっき物として軟鋼丸棒を用い、また陽極として炭素板を用い、浴温50℃、電流密度40A/dm2の条件でクロムめっきを行った。丸棒のめっき前後の重量測定から消費クロム量及び浴のクロム濃度を算出し、めっき液中のクロム濃度が1〜2g/リットル低下したら、実施例1で得られた水酸化クロムのスラリーを、電析した金属クロムに相当する分だけめっき液に添加し、充分に攪拌しながらクロムめっきを継続して行った。その結果、良好なクロムめっきが得られた。
(めっき液の組成)
塩化クロム六水和物 300g/L
ホウ酸 30g/L
グリシン 50g/L
塩化アンモニウム 130g/L
塩化アルミニウム六水和物 50g/L

Claims (8)

  1. 反応液温が0℃以上50℃未満の条件下で、無機アルカリ水溶液と三価のクロムを含む水溶液とを、水性媒体へ同時に添加して水酸化クロムを生成させることを特徴とする水酸化クロムの製造方法。
  2. 三価のクロムを含む水溶液の添加を、アルカリの量に対して三価のクロムの量が局所的に過剰にならないように行う請求項1記載の製造方法。
  3. 三価のクロムを含む水溶液及び無機アルカリ水溶液を添加している間の反応液のpHを7.0〜12の範囲に維持する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 水性媒体として、水、中性塩の水溶液又はアンモニア水を用いる請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 水酸化クロムの生成後に濾過を行い、濾液の導電率が5mS/cm以下となるまで水洗する請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 請求項1に記載の方法で水酸化クロムを生成させた後、該水酸化クロムを無機酸水溶液又は有機酸水溶液に溶解することを特徴とする無機酸クロム(III)水溶液又は有機酸クロム(III)水溶液の製造方法。
  7. 請求項1に記載の方法で水酸化クロムを生成させた後、該水酸化クロムを2種以上の酸水溶液に溶解することを特徴とするクロム(III)源を含む水溶液の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の製造方法により得られるクロム(III)源を含む水溶液であって、金属の表面処理又は三価クロム化成処理に用いるクロム(III)源を含む水溶液。
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