JPWO2010001874A1 - 恒温装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 故障が少なく、メンテナンスが容易で、信頼性の高い培養・試験が行える恒温装置を提供する。【解決手段】 試料テーブル5と試料テーブル駆動機構6の駆動伝達手段として、非接触の磁気手段を用いることにより、恒温室15内から機械的・電気的構造物を排除し、故障の低減とメンテナンス性を向上させる。また、搬送機構11にはパスボックスを設け遮蔽板9を縦に積み重ね、搬送機構11に備えた係合手段により遮蔽板9と搬送機構11を連結し、走行機構12によって開閉可能とすることで、シンプルな構造とし、且つ搬送時の雰囲気の置換を最小限に抑える。試料テーブル駆動機構6と搬送機構11は恒温室15から着脱可能とし、高温での滅菌を可能とする。

Description

本発明は少なくとも温度を一定に保つ恒温装置に関するものである。
微生物や細胞などの培養や試験に用いられる装置として恒温装置が利用されている。恒温装置は培養や試験の対象となる多数の試料を収納する恒温室に温度や湿度、二酸化炭素濃度等の環境条件を維持する手段を備えたものである。また、培養や試験は長時間継続して行われるものであり、その過程においては、定期的に各試料の状態を把握する必要がある。そのため、定期的に試料を恒温室から取り出しての検査・分析工程が不可欠なものとなっている。そこで、記憶手段や演算手段並びに搬送機構を備え自動化された恒温装置が現在まで多数考案されている。これは、試料の入った容器の出し入れ、検査・分析工程への受け渡し、試料の状態管理等を自動で行う機能を備えたもので、この装置により、長期間にわたる培養・試験を効率良く行うことが可能となった。
特開2001−172号公報 特表2005−500522号公報
しかしながら、これまでの自動搬送機能を備えた恒温装置では機械的・電気的要素が恒温室内にある為、培養や試験を行うにあたって様々な問題が生じている。それは、培養時の温度や湿度といった環境に影響され、故障の頻度が高くなり、修理・メンテナンスを行うにしても、構造が複雑である為多大な時間を要し、それだけ培養や試験の開始が遅れてしまうという問題がある。また、故障が培養や試験の最中に発生した場合、培養や試験そのものの信頼性に致命的な影響を与えかねない。
一方、恒温室内は培養や試験の開始前に雑菌を除去する必要がある。空気中の雑菌や、以前行った培養や試験で使用した細胞や微生物が恒温室内に残留していると、次に培養や試験をする細胞や微生物に影響があり、長時間にわたる培養や試験の信頼性を損ねる危険性がある為である。そこで、従来のインキュベータでは紫外線滅菌、乾熱滅菌等の滅菌処理を行うか、或いは薬液で拭き取ることにより滅菌していた。
しかしながら、これまでの自動搬送機能を備えた恒温装置で上記滅菌作業を行おうとすると様々な問題が生じてくる。例えば、紫外線滅菌では構造物による影の部分は紫外線が届かず、様々な角度から何度も紫外線の照射を行わなければならない。また、乾熱滅菌を行う場合では、150℃から180℃という高温で電気部品やシール材を破損してしまうのである。そこで、部品を破損しない程度の低い温度での乾熱滅菌を行うか、もしくは、内部を分解して薬液による拭き取り作業を行うより方法がなかった。
また、自動搬送を行う場合、容器の出し入れの為に自動搬送専用の小さな開口部を持つ恒温装置の場合、扉を設けて外部とは隔離された室内を維持していても、容器の出し入れを行う際には扉を開放しなければならず、恒温室内の雰囲気が外部環境に影響され、培養や試験の信頼性を低下させてしまう可能性がある。培養・試験は長期間にわたり行われるものであり、上記した問題点の解決が強く望まれている
本発明は上記のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく考案されたものである
本発明の恒温装置は、多数の段を有する試料棚を内部に収容し、前記試料棚の各段の夫々に対応する位置が外部に対して開放されている開放部を有する恒温室と、前記開口部の側辺に沿って設けられたスライド枠と、前記開口部を閉鎖し、前記スライド枠に案内された複数の遮蔽板であって、各々は前記スライド枠に案内される過程で隣接する他の遮蔽版との間を閉鎖若しくは開放する遮蔽板と、前記開口部の側辺に沿って複数の遮蔽板上を移動し、前記遮蔽板に脱着する脱着片を有する搬送機構と、を備えること特徴とする。
本発明でいう恒温室とは、少なくとも室内の温度を一定にすることができる他に、湿度、酸素、窒素、炭酸ガスなどのガス濃度を制御する機能を有する恒温装置の一部であって、試料を収納する室を示す。特に、本発明の恒温装置は、生物学分野で使用される培養槽として最適である。
本発明の構成により、搬送機構には容器の搬送に必要な容積分の容量を持つパスボックスの範囲内内で、恒温室の内部へアクセスできることから、容器の搬入・搬出の際に温度や湿度等の一定に保たれた内部環境に悪影響を与えることがなく、安定した培養・試験環境を維持できる。
遮蔽板の開閉をスライド式としており、必要な開口部分以外は常に閉じられている構造により、開閉時の恒温室内部に余計な気流を起こすことがなく、安定した培養・試験環境を維持できる。
本発明の一実施形態に係る恒温装置を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る恒温装置の取り外し可能部分を示す図である。 本発明の一実施形態に係る恒温装置の断面図である。 搬送機構の一実施形態を説明する断面図である。 搬送機構と被搬送物の位置関係を説明するための図である。 搬送機構による被搬送物を搬送する順序を説明する図である。 遮蔽手段の係合手段を説明するための図である。 遮蔽板の断面形状を説明するための図である。 試料テーブル駆動機構に配置されるマグネットの形態を説明する図である。 試料テーブルに配置されるマグネットの形態を説明する図である。 搬送機構の一実施例を説明する図である。 搬送機構の他の実施例を説明する図である。 恒温室床面に設ける実施例の水溜め部を説明するための図である。 磁石の配置を説明するための図である。 電磁石を使用した駆動手段を説明するための図である。 パスボックス53の他の実施例を示す図である。 ドームの動作説明図である。
1…恒温装置
2…筐体
3…扉
4…試料棚
5…試料テーブル
6…試料テーブル駆動機構
7…大開口部
8…小開口部
9…遮蔽板
10…スライド枠
11…搬送機構
12…走行手段
13…恒温装置外壁
14…試料容器
15…恒温室
16…内壁
17…空間
18…ベース板
19…転動体
20…位置決め具
21…従動マグネット
22…断熱材
23…駆動プレート
24…ギアードモータ
25…プーリ25a・25b
26…ベルト
27…マグネットハウジング
28…スペーサ
29…軸受け
30…駆動マグネット
31…円形テーブル
32…シールド
33…フィンガ
34…スペーサ
35…旋回テーブル
36…ギアードモータ
37a…第1アーム
37b…第2アーム
38…軸受け
39…ベース棚
40…プレート
41…歯車
42…旋回モータ
43…歯車
44…シールド棚
45…固定ブロック
46…ブロック
47…天板
48…係合ピン
49…センサ
50…開閉扉
51…回転駆動源
52…側壁
53…パスボックス
54…昇降ギアードモータ
55…ピニオンギア
56…スライドガイド
57…移動子
58…昇降ベース
59…ラックギア
60…ラックベース
61…ソレノイド
62…微小開口部
63…ブラケット
64…ブラケット
65…上の遮蔽板
66…長穴
67…旋回シールド板
68…固定シールド板
69…プーリ
70…ネジ穴
71…シールド板
72…抜き穴
73…軸受け
74…プーリ
75…ベルト
76…係合穴
77…係合ユニット
78…ブラケット
79…水溜め部
80…電磁石ユニット
本発明の実施の形態について図面を参照して以下に説明する。図1は本発明の実施の形態の恒温装置1の斜視図であり、図2は恒温装置1から、取り外し可能な部分を分離させて描いたものである。恒温装置1は、筐体2と、扉3と、試料棚4を載せる試料テーブル5と、試料テーブル5を回転駆動させる試料テーブル駆動機構6からなっている。筐体2には開口部が2つ設けられており、一つは試料棚4や試料テーブル5の出し入れ、及びメンテナンスを行う為の大開口部7であり、もう一つは試料棚4の各段に搭載される試料容器14を出し入れする為小開口部8である。小開口部8は、試料棚4の各段を全て恒温装置1外部に露出する長さを有する縦長の開口である。大開口部7には開口部分を塞ぐことのできる扉3がヒンジを介して開閉自在に備えられている。
小開口部8には試料容器14を個別に出し入れするに十分な面積を有する遮蔽板9が、試料棚4の鉛直方向の段数に応じて、スライド枠10に沿って上下移動自在に鉛直方向に、複数積み上げられている。スライド枠10は、遮蔽板9を上下方向に案内する。この遮蔽板9により小開口部8は遮蔽され、恒温室15は外部と隔離された空間となっている。
また、遮蔽板9に対面する位置に、試料容器14を出し入れする機能を有する搬送機構11が着脱自在に備えられている。さらに、搬送機構11は搬送機構11の構成の一部である走行手段12により昇降移動させられる構造となっている。これにより、搬送機構11に備えられている各駆動手段の動作の組み合わせにより、遮蔽板9の開閉、試料容器14の持ち上げ、搬入搬出、及び、載置を行うことができる。また、搬送機構11は恒温装置外壁13に着脱自在に取り付けられており、前記恒温装置1から取り外すことが可能な構造となっている。
また、恒温室15を形成する内壁16と恒温装置外壁13によって出来た空間内17には、図示されていないが、恒温室15内の環境を維持するための手段が備えられており、恒温室16内部の温度や二酸化炭素濃度等の環境条件を所定の条件に維持するようになっている。
次に前記筐体2内部の構造と試料テーブル駆動機構6について図2、図3を用いて説明する。内壁16および外壁13はベース板18に固定されている。恒温室15を形成する内壁16は前記大開口部7と前記小開口部8を除いて、完全な隔壁の機能を有しており、恒温室15内には試料を入れた試料容器14と、その試料容器14を複数収納する試料棚4、及びその試料棚4を複数載置することが可能な試料テーブル5を収納出来るようになっている。
試料テーブル5の底の裏面にはボールキャスター等の転動体19が一定間隔で取り付けられており、これにより、試料テーブル5は恒温室15内床面上に移動自在に設置されることとなる。また、試料テーブル5裏面には従動マグネット21が所定の配置で固定されており、後述の試料テーブル駆動機構6に磁気発生手段として備えられた駆動マグネット30の動きに従動可能となっている。なお、本実施例では転動体19を使用しているが、転動可能な部材に代えて、摩擦抵抗の低い材質の部材を底面に取り付ける別の実施例で、本実施例と同様の効果を得ることが出来る。また、試料テーブル5上面には位置決め具20が備えられており、資料棚4を載置する際の位置決めを可能としている。
また、恒温室15底面には構造物が何もないため、図13(1)と(2)に示す実施例では、湿度維持のための水溜め部分79を設けている。(1)では転動体19の動作範囲外の床面を低くすることで、純水を溜める窪みを設けている。また、恒温室15の底部全体が純水を溜める機能を有するので、(2)の実施例では恒温室15の底部に純水を張り、湿度維持機能を持たせている。この場合、試料テーブル5の底部に設けられた転動体19に樹脂製のものを使うか、もしくは、試料テーブル5の底面全体を摩擦抵抗の小さい部材で覆うことで、耐水性を向上させている。
試料棚4を任意の方向・スピードで駆動する試料テーブル駆動手段6は、ベース板18の底の裏面に断熱材22を間に挟んで、取り付けられている。これにより、恒温室15内の環境が高温に維持される場合でも、恒温室15内の熱の試料テーブル駆動手段6を構成する部品への影響は最小限となる。試料テーブル駆動手段6はプレート状の駆動ハウジングユニット23、ギアードモータ24、プーリ25a・25b、ベルト26、マグネットハウジング27から構成されており、駆動ハウジングユニット23にはギアードモータ24が、スペーサ28を介して取り付けられている。試料テーブル駆動手段6は、これらの構成要素が駆動ハウジングユニット23に全て実装されており、駆動ハウジングユニット23を、ベース板18に螺子により外側から取付けることで試料テーブル駆動手段6が一体として試料テーブル駆動手段6が恒温室15に対して着脱自在となる。取付ける手段としては、螺子でもボルトでも良いが、容易にメンテナンスができるように手回し用のグリップの付いた螺子を使用しても良い。
ギアードモータ24は、図示されていない制御部と電気的に繋がっており、キーボード等の入力手段によって、動作パラメータの設定が可能となっている。また、ギアードモータ24の回転軸にはプーリ25aが固定されており、ギアードモータ24の回転力はベルト26によって、駆動ハウジングユニット23に軸受け29を介して回転自在に組み付けられたプーリ25bに伝えられる。
プーリ25bには複数の駆動マグネット30が固定されているマグネットハウジング27が取り付けられており、モータの回転がプーリ25a・25b、ベルト26を介して、一定の速度比でマグネットハウジング27に伝えられる。しかも、複数の駆動マグネット30は試料テーブル5底部に固定された複数の従動マグネット21の磁極に対しお互いに引き合う組み合わせで固定されている。これにより、マグネットハウジング27の動作が磁力を介して試料テーブル5に伝わり、試料テーブル5の動作となる。尚、ベース板18、恒温室15壁面の部材には磁性を持たない、若しくは、磁性の弱い部材を用いる。また、この構造により、試料テーブル5を恒温室15から外部に持ち出す時にも、工具を使う必要もなく、試料テーブル5を手で持ち上げるだけで、持ち出し可能である。
ところで、恒温室15の底面には位置決め材を含め、構造物が何も無いので、試料テーブル5を載置する際の位置決め手段をどうするかが問題となってくるが、試料テーブル5と試料テーブル駆動機構6に備えられたマグネットハウジング27に配置されたマグネットの互いの磁力によって、試料テーブル5と試料テーブル駆動機構6は引き合わされるので、脱着前とほぼ同じ位置に試料テーブル5を載置可能となる。しかも、マグネットハウジング27の回転動作に追従して試料テーブル5が回転動作していることで、自動調芯作用が働く。つまり、マグネットハウジング27の回転中心軸と試料テーブル5の回転中心軸が同一線上を通るように試料テーブル5が導かれていくことで、試料テーブル5の再設置時も高い位置再現性を持つことが可能となるのである。
試料テーブル駆動機構6の駆動力にステッピングモータやサーボモータを使用するので、停電やギアードモータ24の脱調等の発生で、ポジションデータが消失した場合、改めて位置確認の動作が必要となってくる。その際の位置確認の手段として、恒温室15の外部に位置検出手段を備え、試料テーブル5に検出物を備えることで、制御部は試料テーブル5の位置を把握することが可能である。
次に従動マグネット21と30について説明する。図9は試料テーブル駆動機構6の斜視図であり、図10は試料テーブル5の斜視図で、試料テーブル上面を透かして図示してある。図9(1)から(5)までと図10(1)から(5)までの同じ番号どうしが駆動力伝達の組み合わせとなっている。図9と図10の(1)は本実施例におけるもので長方形の磁石をN極・S極交互に配置した3個1組の磁石を組み合わせて使用している。磁石3個の並べ方はN極S極N極か、もしくはS極N極S極の2種類があり、実施例ではマグネットハウジング27に対する試料テーブル5の回転角度が、所定の角度の場合にのみ、マグネットハウジング27と試料テーブル5の磁石全てが引き合う配置としている。
これにより、手動で試料テーブル5を恒温室15から取り外し、再度恒温室15に設置する場合でも、試料テーブル5を恒温室15内で回転させ、最も磁力の強い回転位置に試料テーブル5を設置することで、取り外し前の回転位置を再現することが出来る。
図9と図10の(2)は図9と図10の(1)と同様に3個1組の磁石の形状をマグネットハウジング27の中心から扇形になるようにしたものである。図9と図10の(3)は3個1組の磁石を回転方向と半径方向とに振り分けることで、回転方向の力の伝達とマグネットハウジング27の回転中心に試料テーブル5の回転中心が近づいていくように、すなわち、自動調芯効果をより有効に得られるように配置されている。
図9と図10の(4)は扇型の磁石をマグネットハウジング27全体に設置することで、より強い磁力を得ることが出来る。図9と図10の(5)は大小取り混ぜた円形の磁石をマグネットハウジング27全体に設置することでより強い磁力を得ることが出来る。マグネットの形状や組み合わせは色々な形状や数、配列が可能であるが、試料テーブル5裏面にある従動マグネット21と、マグネットハウジング27上面にある駆動マグネット30の形状や数、配列は共通で、かつ、向かい合う位置の磁石どうしが、互いに引き合う磁極を有していることが望ましいのは言うまでもない。また、ヨークを使用することにより、駆動マグネット30の磁力はより強くなる。
次に、図4より搬送機構11について説明する。旋回テーブル35上にはギアードモータ36が固定されており、ギアードモータ36の回転軸には第1アーム37aの一端が取り付けてある。第1アーム37aの他端には第2アーム37bの基端が、また第2アーム37bの他端にはフィンガ33の基端が連結されている。第1アーム37a,第2アーム37bにより、フィンガ33を前進、後退させるアーム機構を構成する。ギアードモータ36と第1アーム37a、第2アーム37bは一定の速度比をもって取り付けられることにより、ギアードモータ36の回転運動が第1アーム37a,第2アーム37bを介して、一定の速度比をもって、フィンガ33の進退運動へと伝達されている。
旋回テーブル35と円形テーブル31とはスペーサ34によって固定されており、旋回テーブル35は軸受け38を介してベース棚39に回転自在に取り付けられて旋回機構を構成する。ベース棚39はプレート40に固定されている。旋回テーブル35には歯車41が備えられており、プレート40に固定された旋回モータ42の軸に固着された歯車43と歯合しており、これにより、旋回モータ42の駆動によって、旋回テーブル35に固定された円形テーブル31、ギアードモータ36、およびギアードモータ36に取り付けられている第1アーム37a,第2アーム37b、およびフィンガ33の回動動作が行われることとなる。
また、ベース棚39には円形テーブル31の直径より若干大きな直径の開口部を備えたシールド棚44が円形テーブル31と対向する位置に固定ブロック45を介して固定されている。これにより、円形テーブル31とシールド棚44は試料容器14の通過するパスボックス53と、駆動手段のある外部との隔壁の役目も果たしている。
シールド棚44上部にはブロック46を介して天板47が取り付けられており、天板47の上部には遮蔽板9の表面に設けられた凹部と係合する脱着片(実施例では係合ピン48)が、ソレノイド61による電磁力で進退可能に取り付けられている。係合ピン48はソレノイド61を貫通しており、遮光板9に係合する時はソレノイド61により前進させられ、係合を解除する時はソレノイド61により後退させられる。また、係合ピン48の後部にはセンサ49が備えられており、これによって係合ピン48の進退位置を把握できる構造となっている。
フィンガ33後方には開閉扉50がシールド棚44に開閉自在に取り付けられている。開閉動作は回転駆動源51により行われるが、回転駆動源51としてここではソレノイドを使用しているが、バネやエアシリンダ、モータなどを用いることが出来る。また、シールド棚44、天板47は遮蔽板9と微小な隙間をあけて対向しており、左右側面には側壁51が備えられている。これによって、遮蔽板9、天板47、開閉扉50、側壁52、旋回テーブル35、ベース棚39、シールド32から作られるパスボックス53は小開口部8が開放された際、恒温室15内部の雰囲気の変化を緩和する緩衝室としての機能を有する。また、より隔離性を高めるために、各接触部にゴム等による図示しないシール材を設けている。
ただし、上記実施例では円形テーブル31にフィンガ33の進退方向に沿って長穴66が設けられている。これは第2アーム37bとフィンガ33との連結部分の動作の為であるが、これによって、遮蔽板9の開口時に、恒温室15内の高温、多湿の雰囲気が長穴66を通ることで、モータ36の故障を引き起こしかねない。そこで、他の実施例として図11のように、モータ36と第1アーム37aの間に旋回シールド板67と固定シールド板68を設けることで、モータ36への雰囲気の侵入を防ぐことが出来る。
さらに、別の実施例として、図12に示す方法がある。モータ36の回転軸に第1アーム37aに代えて、プーリ69とシールド板71を同心円上に固定する。シールド板71には、第1アーム37aの旋回軌跡上に中心を持つ抜き穴72が設けられており、軸受け73を介して第2アーム37bがフィンガ33側から挿入されている。第2アーム37bの第1アーム37aとの連結には、プーリ75が取り付けられている。プーリ69とプーリ74の回転速度比を第1アーム37aと同一にしておけば、モータ36の回転動作により、プーリ69とシールド板71が回転させられ、また、プーリ69の回転動作がベルト75を介してプーリ74に伝えられ、第2アーム37bを介してフィンガ33が進退動作する。
この方法により、シールド棚44とシールド板71が隔壁の役目を果たし、第2アーム37bよりも下方にある機構を恒温室15内の高温、多湿の雰囲気から隔離することが可能となる。また、シールド板71とシールド棚44の間に軸受けを設けることで、より隔離性を高めることが可能となる。
次に搬送機構11の構成の一部である走行手段12について図4、図5から説明する。プレート40には昇降駆動用の昇降ギアードモータ54が取り付けられており、モータ軸にはピニオンギア55が固定されている。プレート40裏面にはスライドガイド56の移動子57が固定されており、昇降ベース58に取り付けられたスライドガイド56の軌道に沿って移動可能となっている。また、昇降ベース58にはピニオンギア55に歯合する形状の歯を有するラックギア59がラックベース60を介し、スライドガイド56に取り付けられている。
昇降ベース58、ラックベース60は一つ以上の係合ピン48が対面する遮蔽板9の係合穴76に係合するように、筐体2にブラケット63、64を介して着脱自在に取り付けられている。このことから、最下段から最上段までどの位置の遮蔽板9にでも係合ピン48が確実に係合できることが可能となる。なお、スライドガイド56とラックギア59は最下段から最上段までの全ての遮蔽板9について、一段分の持ち上げ動作が十分可能なストロークを有していることは言うまでもない。また、本実施例の昇降移動にはラックアンドピニオン方式を採用しているが、他の実施例ではボールネジにより昇降移動手段を設けており、また別の実施例ではリニアサーボによる昇降移動手段を設けている。
装置を上面から見た図5にある通り、ホームポジションではフィンガ33の中心線と遮蔽板9が直角となり、かつフィンガ33の中心線の延長線上に試料テーブル5の回転中心が通るように位置している。フィンガ33は、ギアードモータ36によって、小開口部8を通って恒温室15の中に前進させられ、試料棚4に載っている試料容器14の下方先端位置で停止し、ラックギア59が回転して上方に微小移動して試料容器14を載置した後、ギアードモータ36により後退させられる。また、ギアードモータ36、旋回モータ42、昇降ギアードモータ54、ソレノイド61およびセンサ49の入出力回路は全て図示されていない制御部と電気的に繋がれており、操作者がキーボード等の入力手段によって、任意の動作設定を行うことが出来るようになっている。
以上のことにより、作業者の設定した動作シーケンス通りに、自動で恒温室15内部の試料棚4に収納された試料容器14を取り出したり、外部から試料容器14を恒温室15内部の試料棚4に載置したりすることが可能となる。さらに、搬送機構11は前記筐体2から、ブラケット63とブラケット64を境目として取り外し可能となっており、恒温室15の乾熱滅菌を行う際には取り外すことで、乾熱滅菌時の熱の影響を受けなく出来、故障の要因を減少出来る。また、万が一の故障時には、恒温室15内部に影響を与える事無くメンテナンスが可能となるので、わざわざ培養・試験を中断しなくても済み、効率の良い培養・試験を行うことが出来る。
次に、搬送機構11による試料容器14の搬出の動作について図6の(1)から(6)を用いて説明していく。なお、図中の黒矢印は各駆動部分の動作方向を示している。
(1)作業者によって指示された試料容器14の載置されている試料棚4が試料テーブル駆動機構6によりフィンガ33を搬送可能な位置まで回転移動させられ停止する。また、搬送機構11上の係合ピン48が試料棚4の指定された段に対応する遮蔽板9の係合穴76と高さ位置が一致する地点まで、走行手段12によって昇降移動させられる。
(2)各モータの位置情報は随時制御部に送られ、所定の位置に到達したら、制御部から信号が送られ、ソレノイド61が係合ピン48を遮蔽板9の方向に移動させる。制御部は係合ピン48後方には設けられたセンサ49のオン、オフ信号により係合ピン48と係合穴76が十分係合しているかどうかを判断する。つまり、係合ピン48後端が係合穴76に係合した時の位置と、係合不十分な時の位置との間にセンサ49の光軸が通る様にしておくことで係合ピン48の位置を確認することが出来る。
仮に係合ピン48が十分に遮光していない場合、言い換えれば、センサ49の光軸が遮光されたままの状態であれば、次の動作に進めない様に設定しておけばよい。係合ピン48と係合穴76が十分に係合されたら、走行手段12が搬送機構11と、係合ピン48に係合された遮蔽板9と、その遮蔽板9から上部に積み上げられた全ての遮蔽板を任意の移動量だけ上昇方向に移動させるように、制御部から指令を出す。これにより、係合ピン48により係合された遮蔽板9より上の位置にある遮蔽板64は、昇降ギアードモータ54によって、スライド枠10内を上昇方向に移動させられ、微小開口部62が発生する。
なお、移動量は試料容器14の出し入れが可能な最小開口部分を発生させるだけあれば十分で、最大で、試料棚4の一段分である。この動作により、恒温室15内の密閉が開放されたことになるが、搬送機構11内のパスボックス53によって隔離された空間は試料容器14の搬送に必要な最小限の容積しかないので、恒温室15内の環境変動は最小限に抑えられる。
(3)昇降ギアードモータ54が所定の遮蔽板上昇動作を終了したら、制御部はギアードモータ36に、フィンガ33を所定の位置まで前進させるよう指令を出す。なお、フィンガ33と係合ピン48の縦方向の位置と遮蔽板9の開口のための移動量は試料容器14の高さによって決められる。フィンガ33が試料容器14下方の所定の位置まで前進移動完了したら、制御部は走行手段12に試料容器14を持ち上げるための微小上昇の指令を出す。
(4)昇降ギアードモータ54による上昇が完了しフィンガ33が試料容器14を持ち上げたら、制御部はギアードモータ36にフィンガ33を元の位置まで後退させる指令を出し、試料容器14が恒温室15からパスボックス53へ搬送される。フィンガ33が元の位置まで後退し、試料容器14がパスボックス53内へ搬送されたら、制御部は走行手段12に(1)の位置まで搬送機構11を下降させる指令を出す。これにより開放されていた微小開口部62が遮蔽され、恒温室15内は再び密閉された空間となる。
(5)走行手段12による、搬送機構11の下降方向への移動が終了したら、制御部はソレノイド61に係合ピン48を、係合状態から(1)の位置まで後退させるように指令を出す。センサ49の反応から後退動作の終了が確認されたら、走行手段12に、予め指定された、試料容器14の図示しない受け渡し位置まで、搬送機構11を上昇もしくは下降移動させる指令を出す。受け渡し位置までの移動終了後、制御部は旋回モータ42に指令を出し、旋回可動部分を180度反対方向に旋回させる。
(6)旋回動作終了後、制御部は開閉扉50の回転駆動源51に扉開放の指令を出す。扉開放完了の信号を受け取った後、制御部はギアードモータ36にフィンガ33を所定の受け渡し位置まで前進させる指令を出す。受け渡し位置までフィンガ33が前進したら、制御部は図面に記載しない試料容器置き台にフィンガ33を微小降下させて試料容器14を載置する指令を昇降ギアードモータ54に出す。受け渡しが終了した後、制御部はギアードモータ36にフィンガ33を元の位置に戻し、動作終了後、開閉扉48を閉める指令を出し、パスボックス53は再び閉じられた空間となり、搬出動作は完了となる。
この開放動作により、パスボックス53は外部に対し開放されることになるが、パスボックス53の体積を出来るだけ小さくしているため、外部との雰囲気置換は最小限に抑えられる。すなわち、パスボックス53を設けることにより、恒温室15内に浮遊している菌の外部への漏出を最小限に抑えられ、外部から恒温室15内への雑菌の流入も最小限に抑えることが出来る。
以上、試料容器14の搬出動作について順を追って説明したが、搬入動作を行う場合は先の(1)から(6)までの順を(6)から逆に行えば可能となる。
遮蔽板9に設けられた係合穴76に係合する形態については図7(1)から(5)のように5種類のものを実施した。(1)は本実施例におけるもので、係合穴76に対して係合ピン49、ソレノイド61、センサ49がそれぞれ2個設けられた形態である。(2)は係合ピン48先端に係合ユニット77を設け、ソレノイド61が一個での駆動を示したもの。(3)は係合穴76と係合ユニット77を長方形とした形態で、これにより、(1)に比べ部品点数の削減が可能となる。(4)は係合穴76をテーパー状にしたもので、係合動作をより確実に出来る。(5)は係合穴76に代えてブラケット78を設けたものであり、これにより、(1)から(4)に比べ、より確実な係合動作が可能となる。また、各遮蔽板9の係合ピン49と係合穴76との係合位置は制御部に教示データを入力する方法を採るが、センサを設け、係合穴76の位置を検知することも出来る。
次に、遮蔽板の断面形状についての実施例を図8(1)から(7)にて説明する。(1)は本実施例の遮蔽板9の断面形状であり、最も加工の容易な形態である。しかし、密閉性を向上させるためには、(2)以降の断面形状を採用する。(2)は上下部分に凹凸をつけることで、遮蔽板9どうしの接触部分を多くとることが出来、密閉度が高く出来る。(3)(4)は嵌合部分に傾斜をつけることで、開閉時の繰り返し精度を高めている。(5)(6)は(2)の密閉性と(3)(4)の繰り返し精度の向上の両立を図ったもので、凹凸部分に傾斜又は丸みを持たせて、より嵌合しやすくしたものである。
また、(7)の実施例では遮蔽板9を2列に配置し、他の遮蔽板9と接する部分を設けている。係合ピン48に面して前方に配置された遮蔽板9aの係合穴76aは貫通穴とし、係合ピン48は後方に配置された遮蔽板9の係合穴76に達するだけのストロークを持たせている。この構造によって、(1)から(6)と同等の開口面積を、より少ない枚数の遮蔽板9の移動で得る構造となっている。また、さらに実施例(1)から(7)の密閉性の向上を図る場合は、遮蔽板9を磁力に引き付けられる部材とし、閉鎖時は遮蔽板9に接するスライド枠10に電磁石で遮蔽板9を吸着させ、小開口部8を開放する際はこの電磁石への通電を遮断すればよい。
テーブル5裏面の従動マグネット21とマグネットハウジング27に配置された駆動マグネット30の位置を図14を参照して説明する。図14の(1−A)から(1−C)が本実施例における磁石の配置であり、(1−A)は試料テーブル5を裏面から見た図で、(1−B)はマグネットハウジング27を上面から見た図である。(1−C)は向かい合う磁石の垂直断面を概念的に示した図である。静止状態では向かい合う磁石どうしが引き合っており、マグネットハウジング27が移動方向に移動すると、向かい合う磁石どうしの引き合う力と、隣にある同じ磁極の磁石との反発し合う力との二つの力によって、試料テーブル5を移動させている。
また、別の実施例として、図14の(2−A)(2−B)(2−C)がある。(2−A)は試料テーブル5を裏面から見た図で、(2−B)はマグネットハウジング27を上面から見た図である。(2−B)ではマグネットハウジング27上に駆動マグネット30を等配位置に6個配置しており、試料テーブル5上には(2−A)のようにそれぞれ向かい合う従動マグネット21を等配よりも等しくずらした位置に配置している。(2−C)は向かい合う磁石の垂直断面を概念的に示した図である。上下の磁石どうしで正面に向かい合うことなく、且つ等間隔で磁力の均衡した位置に設置できるため、磁力の分散が減少し、少ない磁石の数で同等の磁力を得ている。
次に、図15を参照して、モータ24による駆動力を使わないで試料テーブル5を駆動させる実施例を説明していく。図15の(1)は試料テーブル5の底に円筒部を設けて、その周壁上に磁極の異なる従動マグネット21(永久磁石)を交互に配置したものであり、図15の(2)は試料テーブル5自体を円盤状として円盤の周壁上に磁極の異なる従動マグネット21を交互に配置している。一方、試料テーブル駆動手段6側は、従動マグネット21に対して電磁石ユニット80が対向する位置関係となるように周壁内面に配置した実施例である。図15の(3)は上下方向に平面円周状に従動マグネット21を配置し、一方試料テーブル駆動手段6側は、従動マグネット21に対して電磁石ユニット80が対向する位置関係となるように平面円周上に配置した実施例である。試料テーブル駆動手段6は、周壁内面に配置された電磁石ユニット80或いは平面円周状に配置された電磁石ユニット80が駆動ハウジングユニット23に全て実装されており、駆動ハウジングユニット23を、ベース板18に螺子により取付けることで一体として試料テーブル駆動手段6が恒温室15に対して着脱自在となる。図15の(1)(2)(3)すべての実施例において、電磁石ユニット80はベース板18底面より取り外し可能に取り付けられており、従動マグネット21のある恒温室15内と電磁石ユニット80のある外部とは内壁16によって隔絶されている。
図15の(1)(2)(3)の実施例全てにおいて、隣り合う或いは一定の個数間を空けて電磁石ユニット80同士が反対の磁極を持つように駆動ハウジングユニット23内で配線され、また、駆動ハウジングユニット23の外部或いは内部の制御ユニット(図示せず)によって電磁石ユニット80の磁気極性を順次切り替えることにより移動磁界を作り、試料テーブル5を動作させている。なお、従動マグネット21は試料テーブル5の全周に配置しなくとも、試料テーブル5を動作させるに十分な磁力が得られるだけあればよい。また、図14の(2)で説明したとおり、駆動側の電磁石ユニット80と従動側のマグネット19の位置を等間隔で磁力の均衡した位置に設置することで、電磁石ユニット80の磁界を切り替えた際に、試料テーブル5を確実に移動させている。しかも、電磁石ユニット80を構成する各電磁石を小さく、且つ数を多くし、従動マグネット21も前記電磁石と同じ大きさすることで、試料テーブル5の動作の円滑さと位置決めの精密さを向上させる。
本実施例においては、移動磁界として回転磁界を発生させたが、試料テーブル5を直線状に動かす際には、電磁石を直線状に配置して直線移動磁界を発生させる。
図16は、パスボックス53の他の実施例を示す図である。
図16(1)は、パスボックス53の内部に配置されるドーム90を示している。ドーム90は、天井部を有する円筒状であり、一箇所に窓部91が設けられている。ドーム90は円形テーブル31を覆うように取付けて、円形テーブル31と同体的に回転させて、所謂回転扉を構成する。シールド棚44上には、窓部の大きさに合わせて離隔された1対のスペーサ92、93が、恒温室15側及びその反対側に夫々設けられる。図17(1)
(2)に示すように、一対のスペーサ92により恒温室15側に窓部が位置付けられたとき、ドーム90内の空間がパスボックス53内の空間に連通しないようにし、また一対のスペーサ93により、その反対側での恒温室内の雰囲気が外部環境に影響するのを最小限としている。
以上に説明したように、本発明の実施においては、以下の態様がある。
(1)恒温室と、前記恒温室内の環境条件を調整する環境調整手段と、前記恒温室内に着脱自在に配置される試料テーブルと、試料を収容した容器を複数個収納し前記試料テーブルに脱着自在に取り付けられる試料棚と、前記試料テーブルを前記恒温室外部より駆動させる試料テーブル駆動機構と、前記恒温室の一面に設け前記試料テーブル及び又は前記試料棚を搬入搬出のための開閉自在に扉を備えた大開口部と、前記恒温室の一側面にあり試料容器の少なくとも1つが通り開閉自在な遮蔽板を備えた小開口部と、前記小開口部を通して少なくとも1つの前記容器を搬入搬出する搬送機構と、前記搬送機構および前記試料テーブル駆動機構の動作を制御する制御部とを備える恒温装置において、前記試料テーブル駆動機構は前記恒温室の外部にあって、嵌込み取り外し自在とする。
(2)前記搬送機構が前記恒温室外壁に着脱自在とする。
(3)さらに、前記試料テーブルは前記試料テーブル駆動機構と対応する面に、転動体もしくは低摩擦部材を備える。
(4)前記試料テーブル駆動機構には駆動源によって動作させられる磁気発生手段を備え、前記試料テーブルには前記恒温室を形成する部材を介して前記磁気発生手段に対応する位置に配置される従動マグネットを備えることにより、前記駆動源からの駆動力は前記恒温室を形成する部材を透過する磁力による非接触結合によって前記試料テーブルに伝達させる。
(5)前記試料テーブルに備えられる従動マグネットには永久磁石を使用し、前記試料テーブル駆動機構に備えられる磁気発生手段にも永久磁石を使用する。
(6)前記試料テーブルに備えられる従動マグネットには永久磁石を使用し、前記試料テーブル駆動機構に備えられる磁気発生手段には直流電磁石を使用する。
(7)可動部分のない前記試料テーブル駆動機構には交流電磁石または直流電磁石を固着させ、前記試料テーブルは前記恒温室内面を形成する部材を介して前記交流電磁石または直流電磁石に対向して配置される従動マグネットを備え、前記恒温室壁面を透過する磁力による非接触結合によって、前記恒温室内面を形成する部材の裏面に付着した前記交流電磁石または直流電磁石の位相の変化により生じる駆動力を、前記試料テーブルに伝達する。
(8)前記試料テーブル駆動機構は前記恒温室裏面に着脱自在に取り付けられ、前記試料テーブル駆動機構には駆動源によって動作させられる磁気発生手段を備え、前記試料テーブルには前記恒温室を形成する部材を介して前記磁気発生手段に対向して配置される従動マグネットを備えることにより、前記駆動源からの駆動力は前記恒温室を形成する部材を透過する磁力による非接触結合によって前記試料テーブルに伝達される。
(9)前記搬送機構は、フィンガと前記フィンガを前進後退させるアーム機構と、前記フィンガと前記アーム機構とを旋回させる旋回手段と、前記旋回手段を上下もしくは左右に移動させる走行機構を備える。
(10)前記搬送機構は少なくとも前記フィンガと前記容器を収納でき、前記容器の搬送経路内にパスボックスを備える。
(12)さらに、前記遮蔽板開閉手段を備える。
(13)前記遮蔽板は前記走行機構に並行して一つ以上配置され、前記搬送機構は前記遮蔽板との係合手段を備え、前記走行機構の移動動作により、前記遮蔽板の開閉動作を行うこと。
(14)前記恒温室の一側面は縦長開口部を有し、その外側の恒温装置外壁に設けた2つのスライドガイド内に前記遮蔽板の複数を縦に積み重ね、前記搬送機構が、対向する前記遮蔽板に係合して前記対面する遮蔽板を含む上方のすべての遮蔽板を持ち上げて、少なくとも1つの前記試料容器が通る小開口部を形成する。
(15)前記複数の遮蔽板は、小開口部の閉時にそれぞれ前記試料棚の各棚に対向している。
(16)前記遮蔽板が有する係合穴又はブラケットのいずれかと、前記搬送機構が有する係合手段よってこれらが係合する。
以上の態様により恒温装置は、前記試料テーブル駆動機構は回転板を有し、その回転中心に対し円状に永久磁石と直流電磁石のいずれか1種を前記回転板に配して前記試料テーブルを回転駆動させることができる。
(17)恒温室と、前記恒温室内の環境条件を調整する環境調整手段と、前記恒温室に着脱自在に載置された試料テーブルと、試料を収容した容器を複数個収納し試料テーブルに固定又は脱着自在に取り付けられる試料棚と、前記試料テーブルを前記恒温室外部より駆動させる試料テーブル駆動機構と、前記恒温室の一側面に設け前記試料テーブル及び又は前記試料棚を搬入搬出のための開閉自在に扉を備えた大開口部と、前記恒温室の一側面に設け試料容器の少なくとも1つが通り開閉自在な遮蔽板を備えた小開口部と、前記小開口部を通して少なくとも1つの前記容器を搬入搬出する搬送機構と、前記搬送機構および前記試料テーブル駆動機構の動作を制御する制御部とを備え、前記搬送機構が前記恒温室の外部にあって、前記恒温室外壁に着脱自在に取り付けられており、前記試料テーブルを外部から隔壁となる恒温室壁面を透過する磁力による非接触結合によって駆動力を伝達する手段を有する。
(18)恒温室とは、少なくとも室内の温度を一定にすることができる他に、湿度、酸素、窒素、炭酸ガスなどのガス濃度を制御する機能を有する恒温装置の一部であって、試料を収納する室を示す。特に、本発明の恒温装置は、生物学分野で使用される培養槽として最適である。
(19)前記磁力による非接触結合は、永久磁石と永久磁石、永久磁石と直流電磁石、永久磁石と交流電磁石のいずれか一つ以上の組み合わせで得られる。また、ヨークを各磁石に配して磁束の分散を排除することにより、より強力な磁力を得ることが出来る。
(20)前記試料テーブル駆動機構は回転もしくは直線移動するマグネットハウジングを有し、そのマグネットハウジングに磁気発生手段として永久磁石か直流電磁石のいずれか1種を配している。また前記試料テーブルには従動マグネットとして永久磁石を配している。そして、前記試料テーブル駆動機構に設けられた駆動源による前記マグネットハウジングの動きが前記磁力による非接触結合によって、恒温室内面を形成する部材を介して前記試料テーブルの追従動作となる。
(21)前記マグネットハウジングに配される磁気発生手段には直流電磁石もしくは交流電磁石を利用することも出来る。電磁石を利用することにより磁力の強さを調節することが可能となり、前記試料テーブルに駆動力を伝達するに最適の磁力を求めることが容易に出来る。
(22)また、モータによる回転駆動力を使わずとも前記試料テーブルを動作させることも可能となる。直流電磁石を使用する場合には、前記マグネットハウジングに前記永久磁石に代えて前記直流電磁石を固着、制御部によって前記直流電磁石の磁極を順次切り替えていくことで、前記試料テーブルのステップ動作による追従が可能である。この場合、前記直流電磁石の一定間隔内の密度を上げることにより、前記試料テーブルのより緻密な位置決めが可能となる。
(23)また、前記直流電磁石に代えて交流電磁石を使用することも可能である。この場合、前記試料テーブル裏面に配した永久磁石を移動子として駆動する、ダイレクトドライブモータ型とすることができる。また、どの駆動方法を採用したとしても、前記試料テーブル駆動機構は、嵌込み取り外し自在に取り付けられる構造とすることで、試験・培養中でも前記恒温室内の環境に影響を与えることなく、修理・メンテナンスが可能となる。さらに、前記恒温室内部と前記試料テーブル駆動機構の取り付け部分には断熱材を介しているので、培養・試験中の前記恒温室内の高温、高湿な雰囲気に前記試料テーブル駆動機構の構成要素が影響を受けることも回避できる。
(24)前記試料テーブルは、移動運動可能となるように恒温室に収納される。移動運動は回転であっても、小開口部に対して左右に直線運動であってもよい。好ましくは、恒温室の中心を通る垂線を中心として回転させる。
(25)前記試料テーブルの裏面は、前記試料テーブル駆動機構の動きに確実に従動するために、転動手段を設けるかもしくは摩擦抵抗の低い部材を支持体として使用する。前記試料テーブルの裏面に配した永久磁石は、恒温室床面と摩擦しないように一定の距離離すか、もしくは摩擦抵抗の低い部材にて覆われることが望ましい。同様に、試料テーブル駆動機構が永久磁石ないし直流電磁石を有する場合は、これら自体が運動するため、前記恒温室床の裏面との間を一定の距離離すことで摩擦負荷をなくすことが望ましい。
(26)前記試料棚は、試料容器を縦に複数段収納できるように配置し且つ横に複数列固定して配置した構造であっても、縦一列分ずつに切り離した構造であってもよい。前記試料テーブルが円盤状の場合は、前記試料棚は縦と円周にそって円筒状に一体化させた構造であっても、縦一列分ずつに切り離した構造であってもよい。後者の場合は、円盤状試料テーブル上に搬入搬出部分を外に向けて円形に並べることができる。前記試料テーブル上に設ける位置決め具などの上又は側面にこれら試料棚を載置するが、位置ずれを起こさないためにネジ止めやバネ止めして固定してもよい。
(27)恒温室の一面に取り付ける大開口部は、恒温装置運転中は開閉することがほとんどないため、蝶番型ないし嵌めこみ型の扉であってもよいし、その取り付け場所は側面であっても天井であってもよく、手動により開閉する。この扉は、好ましくは恒温室側面に設け、内部を観察できるようにガラス窓を嵌めこむこともできる。
(28)また、小開口部は、複数段ある試料棚の位置で開放するために、恒温室の側面の一定場所に設けるのではなく、任意の試料棚の直前にあることが好ましい。小開口部の開口面積は、搬送機構が試料容器の少なくとも1個を搬入搬出するに必要十分な大きさがあればよい。前記小開口部の有する遮蔽板は、公知の形状、方式であってもよいが、一般に上部又は下部に蝶番をもつ扉の場合、扉の開閉動作によって気流を起こし、恒温室内部の雰囲気と外部の雰囲気が攪拌され、恒温室内の雰囲気を乱してしまう危険性がある。
そこで、扉の開閉方式は上下若しくは左右にスライドして開閉する遮蔽板とすることにより、開閉動作による気流の乱れを無くしている。また、前記遮蔽板は搬送機構と恒温装置外壁との間を前記走行機構に並行して隙間なく、且つ前記試料棚の棚数だけ配置している。
(29)試料棚の各段は等しい高さ間隔で配置し、遮蔽板はこれに対応するものとしても良いし、例えば2段分の大きさの資料容器を資料棚に載せる場合は、段の間仕切りを取り除く。また、遮蔽板の大きさは試料棚の各段の高さと等しいものとしても良いし、しなくても良い。しかし、パスボックス及びドームについては、予め大きい資料容器を搭載することが判明している場合は、大きな容器を収容できる大きさのものとしておく必要がある。
(30)前記搬送機構は、フィンガと前記フィンガを進退運動させるアーム機構と前記フィンガと前記アーム機構を水平もしくは昇降移動させる走行手段とからなっている。また、前記搬送機構は前記試料容器の搬送に必要な最小限の容積を持つパスボックスを備えており、前記試料容器の搬入・搬出の際に内部環境に悪影響を与えない構造としている。また、前記パスボックスと前記遮蔽板との隙間は無いことが望ましいが、パッキン等、気密性を向上させる手段を設けてもよい。
(31)前記搬送機構は前記恒温室の前記小開口部に隣接する外部壁面に嵌込み取り外し自在に取り付けられる構造となっており、試験・培養中でも前記恒温室内の環境に影響を与えることなく、修理・メンテナンスが可能となっている。また、外部に取り付けられているので、前記搬送機構の構成要素は前記恒温室内部の高温、高湿の雰囲気の影響を受けることも回避できる。
(32)前記搬送機構には前記遮蔽板との係合手段を設けており、前記遮蔽板に開閉機構を設けなくとも、前記恒温室外部から前記遮蔽板の開閉を行える構造としている。つまり、前記係合手段によって前記搬送機構と前記遮蔽板とは一体に連動する構造となり、開閉専用の機構を設けなくとも、前記搬送機構の一部分である前記走行機構による前記遮蔽板の開閉が可能な構造としている。このことにより、部品点数が少なく、単純な構造とすることが出来、コストダウンや信頼性の向上を図ることが可能となる。前記係合手段には、棒状の物での機械的連結や磁力による連結が考えられる。
(33)前記遮蔽板はスライドガイドによって上下もしくは左右に移動自在に並べられてもよい。前記遮蔽板の隣接部分の気密性を向上させる手段として、前記遮蔽板の隣接部断面を嵌合可能な曲線もしくは複数の直線状とすることで可能となる。
(34)前記遮蔽板と前記恒温装置外壁との気密性を向上させるには、前記遮蔽板を磁力にひき付けられる部材とするか、もしくは磁力にひき付けられる部材を備え、かつ、前記恒温室外壁の前記遮蔽板と接する位置に磁石を設ける。これにより、前記遮蔽板と前記恒温室外壁は磁力により密着し、気密性を向上できる。
(35)前記搬送機構、前記試料テーブル駆動機構に用いる各種モータは、ステッピングモータ、サーボモータなどのパルスモータが好ましい。これらモータ類の自動制御のため、及び恒温室内の環境条件を制御するために制御装置を設ける。
(36)恒温装置の恒温室内部は、回転軸や固定棚などの突起物がなく、恒温室内部を清掃しやすくするために内面が滑らかであることが好ましい。但し、環境条件調整のための調湿空気、酸素、窒素、炭酸ガスなどのガス供給と排出のための穴、温度、湿度、各種ガス濃度などのセンサ類を設けることができる。この際、内部を陽圧として外部環境の影響を受けないようにしてもよい。
(37)恒温室室内に加湿のための水溜めや結露防止機構など公知の技術を用いてもよい。恒温室床に機械的要素が無く、フラットな面に出来ることから、恒温室に純水を溜めておくことが可能であり、また、恒温室床面の四隅に、滑らかな曲面をもつ窪みを設け水溜めとしたり、バットを置いたりなどして培養・試験中の湿度維持が出来る。
(38)資料テーブルを磁気結合により非接触に移動させた例を示したが、特許文献1、2に示すように、恒温室外に設置されたモータから、恒温室内に貫通させたシャフト等の機械要素により移動させても良い。
(39)脱着片として、係合ピンのような機械的結合の代わりに電磁石により遮蔽板を吸着する磁気的結合を利用するものでも良い。
これらの態様により、下記の様な効果を得ることが出来る。
まず、図2に示すように、恒温室15から、試料棚4、試料テーブル5、試料テーブル駆動機構6、搬送機構11、走行手段12といった電気的・機械的構造物を全て取り外すことが出来るため、恒温室15内の構造物全てを、従来の自動インキュベータでは難しかった高温での乾熱滅菌を行うことが可能となる。この際、前述の電機的・機械的構造物を取り外すことで、乾熱滅菌時の高温度による部品の故障も無くなる。
また、電気的・機械的構造物による凹凸が前記恒温室内に存在しない為、滅菌前後の拭き取りも簡単に行え、信頼性の高い滅菌が行える結果、信頼性の高い培養・試験が可能となる。また、試料棚4、試料テーブル5は恒温室15から簡単に取り外し可能な構造なので、試料棚4、試料テーブル5単独での滅菌液等による滅菌洗浄が可能となる。
恒温室15内に駆動部の電気的・機械的構造物がなく、恒温室15と試料テーブル駆動機構6との接合部分には断熱材22を介しているので、恒温室15内の高温、高湿といった雰囲気の影響を受けないですむことから、駆動部分の故障がほとんど無くなり、故障による培養・試験の中断や培養・試験が実施出来ないという不具合もなくなる。
また、万が一培養・試験中に電気的・機械的構造物が故障した場合でも、試料テーブル駆動機構6、搬送機構11と恒温室15内とは完全に隔離されているので、試料テーブル駆動機構6、もしくは搬送機構11だけ取り外して修理を行うことが出来るので、培養・試験の中断といったことも避けられる。さらに、培養・試験中の湿度維持手段も設けることが出来、良好な培養環境が維持される。
恒温室15の底面に機械的要素が無く、フラットな面に出来ることから、恒温室15に純水を溜めておくことが可能となり、培養・試験中の湿度維持が出来る。
搬送機構11には容器の搬送に必要な最小限の容積を持つパスボックスを備えていることから、容器の搬入・搬出の際に温度や湿度等の一定に保たれた内部環境に悪影響を与えることがなく、安定した培養・試験環境を維持できる。
遮蔽板の開閉をスライド式としており、必要な開口部分以外は常に閉じられている構造により、開閉時の恒温室内部に余計な気流を起こすことがなく、安定した培養・試験環境を維持できる。

Claims (15)

  1. 多数の段を有する試料棚を内部に収容し、前記試料棚の各段の夫々に対応する位置が外部に対して開放されている開放部を有する恒温室と、
    前記開口部の側辺に沿って設けられたスライド枠と、
    前記開口部を閉鎖し、前記スライド枠に案内された複数の遮蔽板であって、各々は前記スライド枠に案内される過程で隣接する他の遮蔽版との間を閉鎖若しくは開放する遮蔽板と、
    前記開口部の側辺に沿って複数の遮蔽板上を移動し、前記遮蔽板に脱着する脱着片を有する搬送機構と、
    を備えること特徴とする恒温装置。
  2. 請求項1の恒温装置において、前記搬送機構はさらに、パスボックスを有し、前記パスボックス内にフィンガと前記フィンガを進退運動させるアーム機構と、前記フィンガと前記アーム機構とを旋回させる旋回機構とが設けられ、前記脱着片は前記パスボックスの外部に取付けられていることを特徴とする恒温装置。
  3. 請求項1の恒温装置において、前記パスボックス内にさらに、一方側に開放部を有し、前記旋回機構と同体に回転するドームを有し、前記フィンガと前記アーム機構とは前記ドーム内に設置されていることを特徴とする恒温装置。
  4. 請求項2の恒温装置において、前記開口部は縦長の開口であって、前記スライド枠は上下方向に前記複数の遮蔽板を案内するものであり、前記脱着片がいずれかの遮蔽板に係合し、前記搬送機構が上方に移動することにより、当該係合した遮蔽板を含む上方のすべての遮蔽板を持ち上げて、前記パスボックス内の空間と前記試料棚内の空間とを連通することを特徴とする恒温装置。
  5. 請求項1の恒温装置において、前記複数の遮蔽板は、それぞれ前記試料棚の各段に対応して設けられていることを特徴とする恒温装置。
  6. 請求項1の恒温装置において、前記複数の遮蔽板には係合穴若しくはブラケットが設けられ、前記脱着は当該係合穴若しくはブラケットに係合することを特徴とする恒温装置。
  7. 請求項1の恒温装置において、前記恒温室外壁に前記搬送機構を着脱するブラケットが設けられていることを特徴とする恒温装置。
  8. 請求項1の恒温装置において、前記恒温室の底面に搭載される試料テーブルを有し、前記試料棚は前記試料テーブル上にさらに搭載されたものであり、外部より前記底面を介して前記試料テーブルを磁気結合により移動させる試料テーブル駆動機構とを備えることを特徴とする恒温装置。
  9. 請求項8の恒温装置において、前記試料テーブルは前記底面に対して、転動体もしくは低摩擦部材を備えることを特徴とする恒温装置。
  10. 請求項8の恒温装置において、前記試料テーブル駆動機構は磁気発生手段を備え、前記試料テーブルには前記底面介して前記磁気発生手段に対向して配置される従動マグネットが備えられ、前記磁気発生手段と前記従動マグネットが磁気結合して、追随動作をすることを特徴とする恒温装置。
  11. 請求項10の恒温装置において、前記従動マグネットは永久磁石であり、前記試料テーブル駆動機構には、前記従動マグネットに磁気結合する永久磁石が設けられることを特徴とする恒温装置。
  12. 請求項10の恒温装置において、前記従動マグネットは永久磁石であり、前記試料テーブル駆動機構には、前記従動マグネットに磁気結合する電磁石が設けられることを特徴とする恒温装置。
  13. 請求項13の恒温装置において、前記電磁石は移動磁界を発生させるものであることを特徴とする恒温装置。
  14. 請求項10の恒温装置において、前記試料テーブル駆動機構は回転板と、前記回転板の回転中心に対し円状に永久磁石または直流電磁石のいずれか1種とを有し、前記試料テーブルを回転駆動させることを特徴とする恒温装置。
  15. 請求項1の恒温装置において、前記恒温室の底面に搭載される試料テーブルを有し、前記試料棚は前記試料テーブル上にさらに搭載されたものであり、前記底面の外部より前記試料テーブルを移動させる試料テーブル駆動機構とを備えることを特徴とする恒温装置。
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