JPWO2009150877A1 - 加熱定着ローラー及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

管状の基材、及び前記基材の外周面に直接又は接着層を介して設けられるフッ素樹脂層を有し、前記フッ素樹脂層が、リンドープ酸化錫を含有することを特徴とし、安定して静電オフセットの発生を有効に防止し得る表面抵抗を有するとともに、離型性にも優れる加熱定着ローラー、及び、管状の基材、又はその外周面に形成された接着層上に、リンドープ酸化錫の水分散液を含有するフッ素樹脂ディスパージョンを塗布した後、フッ素樹脂を焼結する工程を含むことを特徴とする前記加熱定着ローラーの製造方法を提供する。

Description

本発明は、管状の基材とその外周に設けられたフッ素樹脂層を有し、複写機やプリンターにおいて、複写紙上に形成したトナー像を定着するために用いられる加熱定着ローラー及びその製造方法に関する。
複写機やレーザービームプリンターにおいては、加熱源を内部に設けた加熱定着ローラーと加圧ロールの間に、トナー像を形成した複写紙を通過させて、未定着のトナーを加熱溶融させてトナー像を紙上に定着させる方式が広く採用されている。この加熱定着ローラーとしては、金属チューブやポリイミドチューブ等の耐熱プラスチックチューブ等を基材とし、その外周面に溶融したトナーの付着を防止するためのフッ素樹脂層(離型層)を設けたローラーが広く用いられている。
近年、複写の高速化にともない、静電気の発生による複写紙上のトナー画像の飛散や、静電オフセットの発生がより問題とされるようになった。静電オフセットには、離型層の表面抵抗が低い場合に発生しやすい全面静電オフセットと、逆に表面抵抗が高い場合に発生しやすい剥離オフセットがあり、両者をともに抑制するためには、表面抵抗の許容範囲が非常に狭くなる。そこで、前記の問題を防ぐために、加熱定着ローラーには、フッ素樹脂層(離型層)の表面抵抗の精密なコントロールが要求されてきている。
加熱定着ローラーの表面抵抗を低下させるために、離型層にカーボンブラック、金属粉、グラファイト等の導電材料を添加する方法が考えられている(特許文献1)。しかし、金属粉を用いると、フッ素樹脂層(離型層)を形成するためのディスパージョン(塗料)中の水分との反応や、フッ素樹脂層(離型層)形成時の高温焼成による酸化等により、フッ素樹脂の離型性などといった物性が低下しやすいとの問題があった。一方、カーボンブラックやグラファイトは、分散状態のバラツキや凝集(パーコレーション)が起こりやすく、目標とする表面抵抗を安定的に得ることが困難であり、近年の要求を満たすことは困難であった。
カーボンブラックやグラファイトの凝集を防ぐ方法として、電位安定剤としての半導電性無機物質との併用が知られている。特許文献1には、カーボンブラックやグラファイト等の良導電性物質(導電材料)0.3〜8重量%程度と、酸化チタン、酸化鉄、水酸化アルミニウム、タルク、チタン酸バリウム、酸化アンチモン、シリカ、炭酸カルシウム等の半導電性無機物質5〜50重量%の併用が開示されており、この併用によりカーボンブラックやグラファイト等の凝集をある程度防ぐことができる(特許文献1段落0024)。
特開2001−125404公報
しかし、半導電性無機物質の併用によりカーボンブラックやグラファイト等の凝集を防ぐためには、半導電性無機物質を前記のような量、すなわち5〜50重量%程度添加する必要がある。その結果、フッ素樹脂層(離型層)中の半導電性無機物質の配合量が多くなり、フッ素樹脂の離型性が低下するとの問題が生じる。
本発明は、安定して許容制御範囲内の表面抵抗、すなわち静電オフセットの発生を有効に防止し得る表面抵抗を有するとともに、離型性にも優れる加熱定着ローラー及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、フッ素樹脂層(離型層)中に添加する導電材料として、リンドープ酸化錫の水分散液を用いることにより、安定した表面抵抗(帯電特性)を容易に得ることができ、かつ多量の無機半導電物質の併用を要しないため、離型性に優れる加熱定着ローラーを作製できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は請求項1として、管状の基材、及び前記基材の外周面に直接又は接着層を介して設けられるフッ素樹脂層を有し、前記フッ素樹脂層が、リンドープ酸化錫を含有することを特徴とする加熱定着ローラーを提供する。
この加熱定着ローラーは、複写機やプリンターに従来使用されている加熱定着ローラー等と同様、管状の基材、及びその外周面に直接又は接着層を介して設けられるフッ素樹脂層を有しているが、このフッ素樹脂層が、導電材料としてのリンドープ酸化錫を含有することを特徴とする。
リンドープ酸化錫は分散性が良好であり、かつ、カーボンブラックやグラファイトほど凝集しないため、ローラーの安定した表面抵抗(帯電特性)を得ることが容易である。従って、前記本発明の加熱定着ローラーは、近年求められているような非常に狭い許容制御範囲内の表面抵抗を有することができる。その結果、全面静電オフセットと剥離オフセットの両者をともに抑制することができる。
又、凝集を防ぐために多量の無機半導電物質等を要しないため、無機半導電物質の含有量を抑えることができ、無機半導電物質の添加による離型性の低下も抑制されている。従って、静電オフセットの発生が抑制され、高速でかつ優れた複写を達成することができ、かつ耐摩耗性等の機械特性にも優れる加熱定着ローラーである。
酸化錫はアンチモンドープ品等も知られている(特開2007−253425号公報)が、環境面の問題が有る。しかし、リンドープ酸化錫は、環境面の問題もなく、かつ、導電材料として酸化錫単体を用いた場合より良好な導電特性が得られる。
フッ素樹脂層を構成するフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等を挙げることができ、単体で又は混合して使用できる。
フッ素樹脂層は、フッ素樹脂を含有するワニスやフッ素樹脂の分散液を、前記のようにして製造された基材(ポリイミドチューブ)の上に、又は基材上に形成された後述の接着層の上に塗布し、焼結する方法により形成することができる。本発明は、フッ素樹脂層がリンドープ酸化錫を含有することを特徴とするが、このリンドープ酸化錫の含有は、フッ素樹脂を含有するワニスやフッ素樹脂の分散液に、リンドープ酸化錫の水分散液(水ゾル)を添加することにより達成される。
請求項2に記載の発明は、フッ素樹脂層の表面電気抵抗率が、1×10Ω/□〜1×1016Ω/□の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の加熱定着ローラーである。リンドープ酸化錫の添加により調整されるフッ素樹脂層の表面電気抵抗率は、上記の範囲が好ましい。この範囲内とすることにより、静電気の発生による複写紙上のトナー画像の飛散を防ぐことができ、又、全面静電オフセット及び剥離オフセットをともに抑制することができる。より好ましくは1×1010Ω/□〜1×1016Ω/□、更に好ましくは×1010Ω/□〜1×1015Ω/□の範囲である。このような狭い範囲への表面電気抵抗率の調整は、カーボンブラックやグラファイト等の導電体を用いた場合は困難であったが、導電体としてリンドープ酸化錫を用いることにより、この範囲への精密な調整が容易になる。
リンドープ酸化錫とは、リンを含有する酸化錫であり、例えば、商品名セルナックスCX−S301H(日産化学社製)等として市販されているものが使用できる。リンドープ酸化錫の水分散液(水ゾル)は、例えば、ゾル−ゲル法で製造することができる。ゾル−ゲル法で製造した水分散液(水ゾル)は分散性に優れるため、好ましく用いられる。リンドープ酸化錫の水分散液中の酸化錫の含有量は、通常約30%であるが、特に限定されるものではない。酸化錫の粒径も特に限定されるものではないが、通常は5〜20nmである。
請求項3に記載の発明は、前記リンドープ酸化錫の含有量が、前記フッ素樹脂層中の3〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱定着ローラーである。リンドープ酸化錫の含有量は、フッ素樹脂層の表面電気抵抗率が上記の範囲になるような範囲が好ましい。従って、酸化錫中のリンドープ量等によりその好ましい範囲は変動するが、セルナックスCX−S301H等市販のリンドープ酸化錫を用いる場合、リンドープ酸化錫の含有量は、前記フッ素樹脂層中の3〜50重量%であることが好ましい。より好ましくは4〜30重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。
請求項4に記載の発明は、フッ素樹脂層の厚さが、5〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の加熱定着ローラーである。フッ素樹脂層の厚みが5μm未満ではローラーの耐久性に問題が生じやすくなる。一方、厚みが20μmを越えるとポリイミドチューブローラー全体としての熱伝導性が悪くなり定着性に問題が生じやすくなる(すなわち、正常な定着がされにくくなる。)。
本発明の加熱定着ローラーを構成する管状の基材としては、金属チューブもしくは耐熱プラスチックチューブ等のチューブからなる基材、又は金属チューブもしくは耐熱プラスチックチューブ等のチューブの外周面に、弾性層、例えばゴム層、を設けた基材等を挙げることができる。請求項5に記載の発明は、管状の基材が、金属チューブもしくは耐熱プラスチックチューブからなる基材、又は金属チューブもしくは耐熱プラスチックチューブを弾性層で被覆した基材であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の加熱定着ローラーである。
金属チューブとしては、SUSチューブを挙げることができる。耐熱プラスチックチューブとしては、ポリイミドチューブ等を挙げることができる。前記のチューブの中でも、ポリイミドチューブは、耐熱性、寸法安定性、化学的特性及び機械的特性に優れるので好ましい。請求項6に記載の発明は、管状の基材が、ポリイミドチューブからなる基材、又はポリイミドチューブを弾性層で被覆した基材であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の加熱定着ローラーである。
ポリイミドチューブとは、ポリイミド樹脂組成物からなる管状物であり、例えば、特開平7−76025号公報等に記載の製造方法により製造したものを用いることができる。ポリイミドチューブの厚み等は、所望の機械的強度や用途等に応じて適宜選択することができるが、通常の複写機に用いられる場合は、耐熱性、寸法安定性、化学的特性や機械的特性を達成するために20μm〜500μm程度が好ましい。
前記チューブの上には、弾性層以外の層が設けられる場合がある。例えば、弾性層でチューブを被覆した基材の場合は、弾性層と金属チューブもしくは耐熱プラスチックチューブ間に接着剤層が設けられていてもよい。
フッ素樹脂層は基材上に直接形成されてもよいが、基材とフッ素樹脂層との間の接着性を向上させるために中間層として接着層を設け、その上に形成されてもよい。接着層は、耐熱性の観点から、耐熱性樹脂により構成することが好ましい。接着層を構成する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フッ素樹脂とポリアミドイミド樹脂との混合物、フッ素樹脂とポリエーテルスルホン樹脂との混合物等が好ましく用いられる。接着層の厚みは、通常0.1〜20μm、好ましくは1〜10μm程度である。
本発明の加熱定着ローラーは、管状の基材又はその外周面に形成された接着層上に、リンドープ酸化錫の水分散液を含有するフッ素樹脂ディスパージョンを塗布した後、ディスパージョン中のフッ素樹脂を焼結する工程を含む方法により製造することができる。本発明は、請求項7としてこの製造方法も提供する。
管状の基材や接着層は、特開平7−76025号公報に記載の方法等の公知の方法と同様にして行なうことができる。フッ素樹脂ディスパージョンの塗布は、例えば、フッ素樹脂ディスパージョン中に、管状の基材又はその基材の外周面に接着層を設けたものを含浸させた後、引き上げることで行うことができる。フッ素樹脂ディスパージョンとしては、水に少量の有機溶媒を混合した分散媒中に、フッ素樹脂粒子を分散させたものを用いることができる。
本発明の加熱定着ローラーは、安定して静電オフセット等の発生を有効に防止し得る表面抵抗を有するとともに、離型性や耐摩耗性が優れる。又、この本発明の加熱定着ローラーは、本発明の製造方法により容易に製造することができ離型性や耐摩耗性の低下等の問題を生じることはない。
本発明の加熱定着ローラーの一例を示す断面図である。
符号の説明
11 基材
12 接着層
13 フッ素樹脂層
発明を実施するための形態
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明の範囲はこの形態に限定されない。
図1は、ポリイミド樹脂からなる基材11(ポリイミドチューブ)の外周面に、接着層12を介して、フッ素樹脂層13が形成された本発明の加熱定着ローラーの一例を示す断面図である。さらに、中間層に、接着層以外の樹脂層又はゴム層を付加的に配置してもよい。
基材11を構成するポリイミド樹脂としては、公知の熱可塑性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂を用いることができるが、例えば芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン成分を有機極性溶媒中で、反応させることによって得ることができる。芳香族テトラカルボン酸としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、又はこれらテトラカルボン酸エステル、上記各テトラカルボン酸類の混合物でも良い。一方、芳香族ジアミン成分としては、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシベンチジン、4,4’ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等が挙げられる。
ポリイミド樹脂が熱硬化型ポリイミド樹脂の場合、先ずポリイミド前駆体(「ポリアミド酸」又は「ポリアミック酸」ともいう)を合成し、このポリイミド前駆体の有機溶媒溶液(ポリイミドワニス)を円筒状芯体の外面若しくは内面に塗布し、乾燥後、最高温度350℃から450℃程度まで加熱する。加熱によりポリアミド酸が脱水閉環してポリイミド化して硬化して、管状の基材(ポリイミドチューブ)を得ることができる。
ここで用いられる有機極性溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、フェノール、O−,M−,P−クレゾール等が挙げられる。これらの有機極性溶媒にはキシレン、ヘキサン、トルエン等の炭化水素類(ハイドロカーボン)等を混合することもできる。又、ポリイミド前駆体液の中に窒化ホウ素、カーボン粉末、金属粉末等の熱伝導改良剤等を混合しても良い。
接着層12としては、前記例示の材料からなる樹脂層を用いることができるが、接着層12に、さらに導電性フィラーを含有せしめると、定着ベルト内面の摩擦帯電に対するシールド効果と外面の帯電防止効果を高めて、オフセットをより効果的に防止することができるので好ましい。接着層の導電性フィラーとしては、外層に使用するのと同じものが使用できる。導電性フィラーの配合割合は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%程度である。
フッ素樹脂層13は、前記例示のフッ素樹脂から構成されるものであり、リンドープ酸化錫を含有するものであるが、さらに、ケッチェンブラック等の導電性カーボンブラック、アルミニウム等の金属粉等の導電性フィラーや、酸化チタン、酸化鉄、水酸化アルミニウム、タルク、チタン酸バリウム、酸化アンチモン、シリカ、炭酸カルシウム等の半導電性無機物質を添加することができる。しかし、本発明では、半導電性無機物質の添加を少なくすることができ、その結果、離型性の低下の問題を防ぐことができる。
加熱定着ローラーの表面が粗い場合は、未定着トナーが複写紙から脱落して画質が低下する、所謂白抜け現象が発生しやすくなり、絵画像の品位の低下、又は画質の低下の問題が生じやすくなる。そこで、フッ素樹脂層13の表面粗さは小さい方が好ましく、具体的には(Rz)が3.5μm以下とすることが好ましい。そのため、フッ素樹脂層13に添加されるリンドープ酸化錫、その他のフィラー(無機半導電物質又は良導電性物質等)は、平均粒子径が3μm以下のものが好ましく用いられる。
実施例1〜8、比較例1〜4
基材の原料のポリイミド前駆体ワニスとして、「U−ワニスS−301」(比重1.446、宇部興産社製)を溶剤(N−メチルピロリドン)に濃度18%で溶解したワニス(以下、「UワニスS」との略号で示す。)を用いた。
外面にセラミックスをコーティングした外径20mmφのアルミニウム製円柱からなる芯体の外面に、ディスペンサーの供給部にセットしたノズル(吐出口)を接触させた。該芯体を回転させるとともに、ノズルを該芯体の回転軸方向に一定速度で移動させながら、ディスペンサー供給部のノズルからUワニスSを芯体の外面に定量供給し、芯体の外面上へのポリイミド前駆体ワニスの塗布を行った。ディスペンサー供給部のノズルとしては、内径2mm、外径4mmのPTFE製チューブを使用した。ノズルの移動は、芯体右端から20mm(供給開始時)の位置から、芯体左端から20mm(供給停止時)の位置まで行った。塗布後、芯体を回転させながら400℃まで段階的に加熱し、冷却、固化し、ポリイミド樹脂からなる基材を有する管状体を得た。基材の厚みは80μmであり、外径は24.2mmで、長さは233mmであった。
このようにして得られた管状体を、フッ素樹脂用プライマー液(デュポン社製855−040 CONDUCTIVE PRIMER BLACK)に浸漬しコーティングした。その後、200℃の温度で30分間加熱して、4μmの厚みの接着層を作製した。接着層が形成された管状体を、下記のようにして得たフッ素樹脂ディスパ−ジョンに浸漬した後、引き上げ、フッ素樹脂を焼結してフッ素樹脂層を形成した。
[フッ素樹脂ディスパ−ジョン]
フッ素樹脂(PTFE:デュポンフロロケミカル社製、EMX−62−1)に、リンドープ酸化錫水ゾル(日産化学社製、セルナックスCX−S301H)を表1、表2に示す割合で添加し、さらに必要に応じて、フィラー(カーボンブラック:ライオン社製ライオンペースト310A、酸化チタン:ライカ社製、TITANIX JR−600A)を表1、表2に示す割合で添加して、混合してフッ素樹脂ディスパ−ジョンを得た。又、比較例として、リンドープ酸化錫水ゾルの代わりにリンドープをしない単体の酸化錫を添加したフッ素樹脂ディスパ−ジョン(比較例3、4)、リンドープ酸化錫水ゾルを添加しないフッ素樹脂ディスパ−ジョン(比較例1、2)も得た。
以上のようにして形成したフッ素樹脂層を表面に有する管状体について、その表面電気抵抗率及びそのバラツキを下記の方法で測定するとともに、定着性試験、オフセット試験を行った。その結果を表1及び表2に示す。
(1)表面電気抵抗率の測定:
超高抵抗/微小電流計(アドバンテスト社製R8340A)を使用し、プローブはリング二重電極を用い測定時の印加電圧は50Vで測定した。
(2)表面電気抵抗率のバラツキの測定
サンプル10点について表面電気抵抗率を測定し、最大値と最小値の差をバラツキとした。
(3)定着性試験
アルミ板に前記の管状体(以下、管状体と略す。)を固定する。次に、管状体にトナーをまぶしサンプルが150℃になるまで加熱する。その後、トナーに紙を押し当て、5回ほどこすった後、紙を剥がして、トナーが紙に転移するかどうかを確認し、以下に示す基準で評価した。
◎:完全にトナーが紙に転移している。
○:殆どのトナーが紙に転移している。
×:多くのトナーが管状体に残留している。
(4)オフセット試験
管状体を定着器に組み入れ、オフセット発生の有無を、以下に示す基準で評価する。
○:オフセット発生せず
×:オフセット発生
Figure 2009150877
Figure 2009150877
フッ素樹脂層にリンドープ酸化錫を添加した実施例1〜8では、適切な表面抵抗が得られているとともに、表面電気抵抗率のバラツキも小さい。そして、優れた定着性が得られ、又静電オフセットを安定的に抑制できることが示されている。
一方、酸化錫の代りにカーボンブラックと半導電性フィラー(酸化チタン)を添加し、フィラーの添加量が多い比較例1では離型性が悪化し、静電オフセットが発生している。又、酸化錫の代りにカーボンブラックと半導電性フィラー(酸化チタン)を添加したが、フィラーの添加量を少なくした比較例2では、静電オフセットが発生は抑制されているが、表面電気抵抗率のバラツキが大きく、静電オフセットを防止できる表面電気抵抗率を安定的に得られないことが示された。リンドープ酸化錫の代りに単体の酸化錫を用いた比較例3では、適切な表面電気抵抗率を得ることができず、静電オフセットが発生している。又、リンドープ酸化錫の代りに単体の酸化錫を用い、単体の酸化錫量を増大させた比較例3では、離型性が悪化し静電オフセットが発生している。

Claims (7)

  1. 管状の基材、及び前記基材の外周面に直接又は接着層を介して設けられるフッ素樹脂層を有し、前記フッ素樹脂層が、リンドープ酸化錫を含有することを特徴とする加熱定着ローラー。
  2. フッ素樹脂層の表面電気抵抗率が、1×10Ω/□〜1×1016Ω/□の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の加熱定着ローラー。
  3. 前記リンドープ酸化錫の含有量が、前記フッ素樹脂層中の3〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱定着ローラー。
  4. フッ素樹脂層の厚さが、5〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の加熱定着ローラー。
  5. 管状の基材が、金属チューブもしくは耐熱プラスチックチューブからなる基材、又は金属チューブもしくは耐熱プラスチックチューブを弾性層で被覆した基材であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の加熱定着ローラー。
  6. 管状の基材が、ポリイミドチューブからなる基材、又はポリイミドチューブを弾性層で被覆した基材であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の加熱定着ローラー。
  7. 管状の基材、又はその外周面に形成された接着層上に、リンドープ酸化錫の水分散液を含有するフッ素樹脂ディスパージョンを塗布した後、フッ素樹脂を焼結する工程を含むことを特徴とする加熱定着ローラーの製造方法。
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