JPWO2009104381A1 - 測距装置および測距方法 - Google Patents

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Abstract

光軸が互いに平行に配置された複数のレンズ(3a、3b)を含み、複数のレンズが一体的に形成されたレンズ系(3)と、複数のレンズ(3a、3b)のそれぞれに対向する複数の撮像領域(4a、4b)を有し、複数の撮像領域において受けた光を電気信号に変換する撮像素子(4)と、撮像素子とレンズ系との間に設けられ、複数のレンズ(3a、3b)と実質的に同じ熱膨張係数を有する透明板(6)と、複数のレンズ(3a、3b)のそれぞれに対応して透明板に形成され、撮像領域(4a、4b)につき1つ映りこむ複数のマーカー(11a、11b)と、撮像素子から前記電気信号を受け取る信号取得部(21)と、複数の画像のそれぞれにおけるマーカー(11a、11b)の位置の情報を用いて前記複数のレンズの光軸の位置を補正し、前記補正された光軸の位置に基づいて三角測量により被写体までの距離を得る画像処理部(22)とを備える。

Description

本発明は、複数の撮像光学系間の視差によって対象物までの距離を測る測距装置、およびそれを用いた測距方法に関するものである。
対象物までの距離を測定する装置として、双眼測距装置が知られている。双眼測距装置は、自動車の車間距離測定や、カメラの自動焦点システム、3次元形状測定システム等に用いられている。
双眼測距装置には、対象物からの光が入射する双眼光学系と、双眼光学系に入射した光によって像がそれぞれ形成される撮像素子とが設けられている。双眼測距装置を用いれば、一対の双眼光学系に入射した光によって撮像素子に像を形成し、2つの画像の視差を利用して対象物までの距離を測定することができる。
従来、この双眼測距装置としては、一対のレンズが左右または上下に配置され、レンズの各々に1個ずつ対応して設けられた撮像素子にレンズが像を形成する装置が知られている(特許文献1)。
図10は双眼測距装置の三角測量を説明するための図である。図10に示すように、被写体9からの光が、第1のレンズ(光学系)3aおよび第2のレンズ(光学系)3bに入射し、第1の撮像面4aおよび第2の撮像面4bに、被写体9の像が形成される。
ここで、被写体9上の点Pを測定点とし、この点Pが第1のレンズ3aの光軸上に位置する場合、点Pは、第1の撮像面4aにおける第1のレンズ3aの光軸の位置に結像される。一方、第2の撮像面4bでは、第2のレンズ3bの光軸の位置から基線方向にΔだけ離れた点に点Pが結像され、このΔは、視差量と呼ばれる。ここで、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bから点Pまでの距離(光軸と平行な方向の距離)をzとし、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bとの光軸間距離である基線長をBとし、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bの焦点距離をfとし、視差量をΔとすると、次の様な近似式が成立する。
Figure 2009104381
基線長Bおよび焦点距離fは既知の値であるため、画像から視差量Δを抽出すれば、被写体9までの距離を得ることができる。視差量Δは、例えば、第1のレンズ3aから得られた画像(撮像面4aに形成される像)と第2のレンズ3bから得られた画像(撮像面4bに形成される像)との間でパターンマッチングを行うことによって抽出することができる。
しかし、測距装置の周辺の温度が変化すると、温度変化に伴って測距装置を構成する各部材が伸縮する。測距装置の構造が複雑であるほど、温度変化によって光軸が複雑に変化し、大きな誤差が発生する。そこで、レンズ間に温度センサを設けて温度計測を行い、この温度変化と、構成材料の線膨張係数とによって光軸間隔を算出し、補正を行う方法が提案されている(特許文献2)。
特開平4-43911号公報 特開平10-232128号公報
特許文献2のように線膨張係数と温度センサによって検出した温度とによって一義的に決まる値を用いて補正する方式では、温度センサの特性ばらつき、検出温度に対する基線長変化の遅延、構成材料の線膨張係数のばらつき等によって補正誤差が生じるという問題がある。
また、特許文献1、2の測距装置は、個別に形成された複数のレンズが、互いに離れて配置された構造を有する。これに対し、近年では、複数のレンズが一体的に形成されたレンズアレイ(レンズ系)を有する測距装置が開発されている。このような測距装置では、複数のレンズが離れて配置された測距装置と比較して、部品点数が少なく、取り付けが容易になる。また、小型化が可能になるといった利点もある。
複数のレンズが一体的に形成されたレンズアレイを有する測距装置では、温度変化によってレンズアレイ全体が膨張または収縮するため、温度変化による光軸の変化が大きくなってしまう。光軸の変化が測定値に与える影響は、測距装置が小型であるほど大きくなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、環境温度が変化しても、高精度の測距機能を実現することができる測距装置および測距方法を提供することにある。
本発明の測距装置は、光軸が互いに平行に配置された複数のレンズを含み、前記複数のレンズが一体的に形成されたレンズ系と、前記複数のレンズのそれぞれに対向する複数の撮像領域を有し、前記複数の撮像領域において受けた光を電気信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子と前記レンズ系との間に設けられ、前記複数のレンズと実質的に同じ熱膨張係数を有する透光性を有する平板と、前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、各撮像領域につき1つ映りこむ複数のマーカーと、前記撮像素子から前記電気信号を受け取り、前記複数の撮像領域のそれぞれに形成された複数の画像の画像信号を生成する信号取得部と、前記画像信号を受け取り、前記複数の画像のそれぞれにおける前記マーカーの位置の情報を用いて前記複数のレンズの光軸の位置を補正し、前記補正された光軸の位置に基づいて三角測量により被写体までの距離を得る画像処理部とを備える。
ある実施形態において、前記画像処理部は、マーカー検出処理部、比較演算処理部および補正処理部を備え、前記マーカー検出処理部は、前記複数の画像のそれぞれにおける前記マーカーの位置を、検出マーカー位置として検出し、前記比較演算処理部は、前記複数の画像における前記被写体の位置の相違から、検出視差量を算出し、前記補正処理部は、予め検出しておいた初期マーカー位置および初期光軸位置と、前記検出マーカー位置とから前記光軸の位置を補正し、前記補正した光軸の位置と前記検出視差量とを用いて前記三角測量により前記被写体までの距離を算出する。
ある実施形態において、前記初期マーカー位置および前記初期光軸位置は、前記レンズおよび前記透光性を有する平板が第1の温度のときの位置であり、前記検出マーカー位置は、前記レンズおよび前記透光性を有する平板が第2の温度のときの位置である。
ある実施形態において、前記マーカーは、前記複数の撮像領域のそれぞれの実質的な中心部に映りこむ。
ある実施形態において、前記マーカーは、前記各撮像領域の周辺部に映りこむ第1周辺部マーカーであって、前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、前記各撮像領域の周辺部につき1つ映りこむ複数の第2周辺部マーカーをさらに備え、前記第1周辺部マーカーの前記初期マーカー位置と前記第2周辺部マーカーの初期マーカー位置とを結ぶ直線と実質的に重なるように、前記初期光軸位置が配置されている。
ある実施形態において、前記レンズ系と、前記透光性を有する平板とが、同一の固定方法で、同一の部材によって固定されている。
ある実施形態において、前記マーカーは、前記透光性を有する平板の前記撮像領域側の面に配置されている。
本発明の測距方法は、光軸が互いに平行に配置された複数のレンズを含み、前記複数のレンズが一体的に形成されたレンズ系と、前記複数のレンズのそれぞれに対向する複数の撮像領域を有し、前記複数の撮像領域において受けた光を電気信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子と前記光学系との間に設けられ、前記複数のレンズと実質的に同じ熱膨張係数を有する透光性を有する平板と、前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、各撮像領域につき1つ映りこむ複数のマーカーとを備える測距装置を用いた測距方法であって、前記撮像素子から前記電気信号を受け取り、前記複数の撮像領域のそれぞれに形成された複数の画像の画像信号を生成するステップ(a)と、前記複数の画像のそれぞれにおける前記マーカーの位置を、検出マーカー位置として検出するステップ(b)と、前記複数の画像における被写体の位置の相違から、検出視差量を算出するステップ(c)と、予め検出しておいた初期マーカー位置および初期光軸位置と、前記検出マーカー位置とから前記複数のレンズの光軸の位置を補正し、前記補正された光軸の位置と前記検出視差量とを用いて三角測量により前記被写体までの距離を算出するステップ(d)とを包含する。
ある実施形態において、前記マーカーは、前記複数の撮像領域のそれぞれの実質的な中心部に映りこむ。
ある実施形態において、前記マーカーは、前記各撮像領域の周辺部に映りこむ第1周辺部マーカーであって、前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、前記各撮像領域の周辺部につき1つ映りこむ複数の第2周辺部マーカーをさらに備え、前記第1周辺部マーカーの前記初期マーカー位置と前記第2周辺部マーカーの初期マーカー位置とを結ぶ直線と実質的に重なるように、前記初期光軸位置が配置し、前記ステップ(b)において、前記第1周辺部マーカーおよび前記第2周辺部マーカーが前記各撮像領域に映りこむ位置を検出する。
本発明によると、測距装置の周辺の温度が変化しても、マーカーの位置の情報により、複数のレンズの光軸の位置の変化を追跡し、視差量の補正を行うことができる。これにより、周辺の温度変化による誤差が少なくなり、被写体までの距離を高精度に測定することができる。
(a)は、本発明による測距装置の第1の実施形態を示す断面図であり、(b)は、第1の実施形態における透明板6および撮像素子4の配置関係を示す斜視図である。 第1の撮像領域4aに形成される画像50aの例と、第2の撮像領域4bに形成される画像50bの例とを示す図である。 信号取得部21および画像処理部22内の構成を示すブロック図である 視差量抽出アルゴリズムの基本的な流れを示すフローチャート図である。 第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bから検出した画像50a、50bの検出ブロックを示す図である。 視差量評価値R(k)と第2の検出ブロック52の移動画素数kとの関係を示すグラフ図である。 (a)は、室温T1℃(初期値)において第1の撮像領域4aから検出される画像50aと、第2の撮像領域4bから検出される画像50bとを示す図であり、(b)は、室温T2℃(変化後の温度)において第1の撮像領域から検出される画像50aと、第2の撮像領域から検出される画像50bとを示す図である。 測距装置と被写体との間の距離を一定(1m)に保って周辺温度を変化させたときの、測距装置の測定結果を示すグラフ図である。 (a)は、室温T1℃(初期値)において第1の撮像領域4aから検出される画像50aと、第2の撮像領域4bから検出される画像50bとを示す図であり、(b)は、室温T2℃(変化後の温度)において第1の撮像領域から検出される画像50aと、第2の撮像領域から検出される画像50bとを示す図である。 双眼測距装置の三角測量を説明するための図である。
符号の説明
1 測距装置
2a 鏡筒下部
2b 鏡筒上部
3a 第1の光学系
3b 第2の光学系
4 撮像素子
4a 第1の撮像領域
4b 第2の撮像領域
5 回路基板
6 カバー材
7 遮光板
8a 第1の光学系の光軸
8b 第2の光学系の光軸
9 被写体
10a 第1の撮像領域に結像する光線が通過する領域
10b 第2の撮像領域に結像する光線が通過する領域
11a 第1のマーカー
11b 第2のマーカー
13a、13b、13c、13d マーカー像
21 信号取得部
22 画像処理部
23 キャリブレーション処理部
24 比較演算処理部
25 マーカー検出処理部
26 補正値演算部
27 補正処理部
28 結果出力部
14a、14b 撮像面における光軸の位置
50a 第1の撮像領域から検出した画像
50b 第2の撮像領域から検出した画像
51 第1の検出ブロック
52 第2の検出ブロック
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明による測距装置の第1の実施形態を示す断面図である。図1(a)に示すように、本実施形態の測距装置1は、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bを含むレンズ系3と、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bを有する撮像素子4と、撮像素子4とレンズ系3との間に撮像素子4に近接して設けられた透明板6とを備える。
透明板6は、レンズ系3と実質的に同じ熱膨張係数を有する材料から構成されている。例えば、レンズ系3と透明板6とは、同じ材料から構成されていてもよいし、異なる材料であって実質的に同じ熱膨張係数を有する材料から構成されていてもよい。ここで、「実質的に同じ熱膨張率を有する」とは、例えば、透明板6が、レンズ系3の熱膨張率の95%以上105%以下の熱膨張率を有することをいう。本実施形態では、温度変化によって透明板6およびレンズ系3のそれぞれの特性(主に体積)が変化する量の違いが、許容範囲内に収まる必要がある。本実施形態では、上記許容範囲を上下5%以内としたため、熱膨張率も上記範囲内となる。
第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bは、それぞれの光軸8a、8bが互いに平行になるように配置されている。また、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bは、光学樹脂や、プレス成形が可能な光学ガラス材から形成されており、一体的に形成されている。「一体的に形成されたレンズ系」とは、1つの金型を用いて形成された接続部を有さないレンズ系であってもよいし、別々に形成された複数の部材が、互いに接続されたレンズ系であってもよい。例えば、複数の薄いレンズを厚さ方向に重ねることにより、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bとを構成してもよい。
撮像素子4における第1の撮像領域4aは第1のレンズ3aに対向し、第2の撮像素子4bは第2のレンズ3bに対向する。撮像素子4は、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bに入射した光を光電変換によって電気信号に変換する。撮像素子4は、回路基板5上にダイボンドされ、ワイヤーボンディング等により、回路基板5上の回路(図示せず)と電気的に接続されている。
一方、レンズ系3および透明板6は、筒状の樹脂等から形成された鏡筒2に固定されている。鏡筒2は、回路基板5上に固定された鏡筒下部2aと、鏡筒下部2aの上端と連結された鏡筒上部2bとから構成されている。鏡筒下部2aと鏡筒上部2bは、同一の材料から形成されるか、または、熱的な特性(熱膨張率など)が類似した材料から形成され、接着剤によって互いに接着されている。鏡筒下部2aの下端は、筒の内側に突出しており、この突出部の上に、透明板6が載置されている。一方、鏡筒上部2bはフード部を有しており、フード部は、それぞれのレンズ系の有効径付近をリング状に保持しながら、レンズ径が一体で構成されたレンズアレイの縁を保持することによってレンズ系3を固定している。
鏡筒2内には、遮光壁7が設けられている。遮光壁7は、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bとの間の領域の下、すなわち、第1の撮像領域4aと第2の撮像領域4bとの境界領域の上に設けられている。遮光壁7は、第1のレンズ3aを通過した光が第2の撮像領域4bに入射すること、および第2のレンズ3bを通過した光が第1の撮像領域4aに入射することを防止する役割を果たす。
図1(b)は、第1の実施形態における透明板6および撮像素子4の配置関係を示す斜視図である。図1(b)に示すように、透明板6には、第1のマーカー11aおよび第2のマーカー11bが設けられている。
第1のマーカー11aは、第1のレンズ3aに対応した位置、すなわち、透明板6のうち第1の撮像領域4aに結像する光線が通過する領域10aに形成されている。一方、第2のマーカー11bは、第2のレンズ3bに対応した位置、すなわち、透明板6のうち第2の撮像領域4bに結像する光線が通過する領域10bに形成されている。第1のマーカー11aおよび第2のマーカー11bは、画素の大きさの数倍程度の大きさを有し、光線を透過しない特性を有する。第1のマーカー11aおよび第2のマーカー11bは、印刷等の工法によって形成されている。
第1の実施形態では、第1のマーカー11aは、透明板6における領域10aのほぼ中央に設けられている。同様に、第2のマーカー11bは、透明板6における領域10bのほぼ中央に設けられている。これにより、第1のマーカー11aは第1の撮像領域4aに映りこみ、第2のマーカー11bは、第2の撮像領域4bに映りこみ、それぞれの撮像領域4a、4bに形成される像に影を形成する。撮像領域4a、4bに形成されるマーカー11a、11bの影は、他の領域よりも暗く、典型的には黒である。
マーカー11a、11bが撮像素子4から離れすぎると、マーカー11a、11bの像を画像上で検出する事が不可能となるため、透明板6を設置する位置には配慮が必要である。本実施形態では、マーカー11a、11bが撮像面から0.3mm離れた位置に配置されるように透明板6を設置する。
なお、図1(b)には、ほぼ円形のマーカー11a、11bが示されている。しかしながら、マーカー11a、11bは、円形以外の形であってもよい。例えば、マーカーを十字などの幾何学的な形状にすれば、透明板6にゴミが付着した場合に、マーカー11a、11bとゴミとを識別することができる。なお、測距装置の組立時にゴミが混入するのを防ぐため、組み立ては、クリーンルームやクリーンブース等のゴミが殆ど存在しない環境下で行われる。
図2は、第1の撮像領域4aに形成される画像50aの例と、第2の撮像領域4bに形成される画像50bの例とを示す図である。画像50aにおける被写体12aの位置は、画像50bにおける被写体12bの位置と比べ、視差量の分だけずれている。それに対し、マーカー11a、11b(図1(b)に示す)は画像50a、50bに影を形成しているだけであるため、画像50aにおけるマーカーの影13aと、画像50bにおけるマーカーの影13bとの間に、視差量に起因するずれは生じない。したがって、透明板6におけるマーカーの位置が、そのまま画像50a、50b上に反映される。
第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bは、温度が変化すると、膨張または収縮する性質を有する。したがって、距離を測定するときの温度によって光軸の位置が変化し、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bにおける光軸の位置(画像50a、50bにおける原点)の位置も変化する。この光軸の変化が、画像50aおよび画像50bから算出される視差量および基線長の値に影響を与える。本実施形態では、透明板6が、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bと実質的に同じ熱膨張率を有しているため、温度が変化すると、透明板6は、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bと同じように膨張または収縮する。透明板6に付されたマーカー11a、11bは第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bの光軸と同様にふるまうため、マーカー11a、11bの位置の情報を用いて、視差量および基線長を補正することができる。この補正には、測距装置組み立て直後である初期のマーカーの影の位置と、撮像素子4における光軸の位置とを初期値として予め検出しておき、これらの値を初期値として用いる。
次に、撮像素子4で得られた画像50a、50bを処理する方法を具体的に説明する。
画像50a、50bは、撮像素子4の表面に近い部分に2次元的に配列されたフォトダイオード(図示せず)により、電気信号に変換される。撮像素子4には、信号取得部21および画像処理部22が接続されている。信号取得部21は、撮像素子4から電気信号を受け取り、画像50a、50bの画像信号を生成する。一方、画像処理部22は、画像信号を受け取り、画像50a、50bにおけるマーカー11a、11bの位置の情報を用いて処理を行うことにより、環境温度の変化に影響を受けず被写体までの距離を算出する。
図3は、信号取得部21および画像処理部22内の構成を示すブロック図である。図3に示すように、撮像素子4からの電気信号は、まず信号取得部21に入力され、演算処理が可能な状態に変換される。この信号取得部21では、例えば、CDS(相関2重サンプリング)回路によって電気信号のノイズが抑制され、画像信号が生成される。また、信号取得部21は、画像処理部22内のメモリに画像信号を配列するなどの他の役割を有していてもよい。
信号取得部21で生成された画像信号は、画像処理部22に入力される。画像処理部22では、まずキャリブレーション処理部23が、画像信号を演算処理しやすい状態に補正する。例えば、1つの撮像領域で2つの画像が検出された場合に、それぞれの画像を切り出し、それぞれのメモリに格納し、原点を設定するなどの処理を行った後、歪曲補正などの画像を整える処理を行う。例えば歪曲補正では、実際の像や設計値から得られる歪曲値に基づいて、得られた画像50a、50bの歪曲を補正する。
次に、比較演算処理部24が、画像50a、50bを、複数のブロックに分割した後、それぞれのブロックにおいて検出視差量Δx、Δy(実際に検出される視差量)を算出する。
次に、マーカー検出処理部25が、画像50a、50b上のマーカーの位置を検出する。
次に、補正値演算部26が、マーカーの位置の情報を用いて、第1の撮像素子4aにおける第1のレンズ3aの光軸の位置、および第2の撮像素子4bにおける第2のレンズ3bの光軸の位置を算出する。
次に、補正処理部27が、基線長Bおよび視差量Δを算出する。さらに、三角測量の原理式に基線長Bおよび視差量Δを代入することにより、被写体までの距離を算出する。
その後、被写体までの距離が、結果出力部28から出力される。
なお、結果出力部28に、画像50a、50bの一方のマーカーの位置の情報を他方のマーカーの位置の情報によって補完させる機能を持たせてもよい。たとえば、画像50a上にマーカーの影が現れなかった場合に、画像50a上のマーカーの位置を画像50b上のマーカーの位置の情報で補完して、出力画像を形成する処理を結果出力部28に付加すればよい。具体的な補完方法については後述する。
なお、比較演算処理部24は、マーカー検出処理部25および補正値演算部26の後(補正値演算部26と補正処理部27との間)に配置していてもよい。また、比較演算処理部24、補正値演算部26および補正処理部27の動作は、後に詳述する。
次に、図3における比較演算処理部24が、検出視差量Δx、Δyを算出するステップを、図4および図5を参照しながら説明する。ここでは、2つの画像50a、50bの比較演算処理を行うことによって検出視差量Δx、Δyを算出する。図4は、視差量抽出アルゴリズムの基本的な流れを示すフローチャート図である。図5は、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bから検出した画像50a、50bの検出ブロックを示す図である。
まず、ステップS101において、第1の撮像領域4aから検出した画像50aを複数のブロックに分割する。ブロックサイズは、4×4画素から64×64画素程度であり、被写体の大きさによって任意の大きさに設定される。なお、レンズの倍率を大きくした場合には、検出ブロックのサイズも大きくすることが好ましい。
次に、ステップS102において、画像50a上の複数のブロックのなかから、第1の検出ブロック51を選択する。画像50bにおける被写体の位置は、視差や温度変化に起因して、画像50aにおける被写体の位置からずれている。このずれがどの程度であるかを検出するために、第1の検出ブロック51と同じサイズの第2の検出ブロック52を画像50b上に配置し、第2の検出ブロック52を移動させてパターンマッチングを行う。具体的には、まず、画像50bのうち、画像50aにおける第1の検出ブロック51と相対的に同じ位置に、第2の検出ブロック52を配置し、レンズ系がx方向に並んで配置されている場合は、視差がx方向にのみ発生するため、x方向にk画素(kは任意の整数)だけ移動させる。
次に、ステップS103において、視差量評価値を計算する。具体的には、第1の検出ブロック51内の画素の出力から、第2の検出ブロック52の画素の出力を引いた値を計算する。第1の検出ブロック51および第2の検出ブロック52内の全ての画素に対して上記差の絶対値を合計したものを、視差量評価値とする。
第1の検出ブロック51内の画素(a,b)における画素からの出力値をGG1(a,b)とし、位置53における第2の検出ブロック52内の画素(a+k,b)における画素からの出力値をGG2(a+k,b)とすると、視差量評価値R(k)は(数2)から求められる。
Figure 2009104381
この視差量評価値R(k)は、k画素だけ移動された第2の検出ブロック52における画像が、第1の検出ブロック51における画像とどれだけ相関があるかを示している。1からnまでの複数の値をkに代入し、それぞれの値に対して、ステップS102およびS103を行い、視差量評価値R(k)を算出する。視差量評価値R(k)はkの値に応じて変化する。
図6は、視差量評価値R(k)と第2の検出ブロック52の移動画素数kとの関係を示すグラフ図である。図6の横軸はx方向の移動画素数kを示し、縦軸は視差量評価値R(k)を示す。
次に、ステップS104において、ステップS103で求めた視差量評価値R(k)の最小値を抽出する。視差量評価値R(k)の値が最小であることは、2つの検出ブロック51、52における画素の出力の差が最も小さいことを示す。したがって、視差量評価値R(k)が小さいほど、2つの検出ブロック51、52における画像が類似しているといえる。図6ではk=k1の時に視差量評価値R(k)は最小値をとっている。よって、k=k1のときに2つの検出ブロック51、52における画像が最も類似していることがわかる。
次に、ステップS105において、視差量評価値R(k)が最小値となったときの移動画素数k1を求める。そして、画像50b上の第2の検出ブロック52をx方向にk1画素だけ移動させたときに、第2の検出ブロック52内の画像は、第1の検出ブロック51内の画像と一致すると判断される。これにより、移動画素数k1が、第1の検出ブロック51と第2の検出ブロック52との間の視差量(Δx=k1)と決定される。
以上のステップS102〜ステップS105の一連の処理を、ステップS101で分割した全てのブロックに対して行い、画像50a全体における検出視差量Δx、Δyの分布を算出する。
次に、図3に示すマーカー検出処理部25、補正値演算部26および補正処理部27が被写体までの距離を算出する方法を、図7を参照しながら説明する。図7(a)は、室温T1℃(初期値)において第1の撮像領域4aから検出される画像50aと、第2の撮像領域4bから検出される画像50bとを示す図であり、図7(b)は、室温T2℃(距離測定時の温度)において第1の撮像領域から検出される画像50aと、第2の撮像領域から検出される画像50bとを示す図である。
図7(a)に示すように、温度T1℃では、画像50aにおける陰(マーカー像)13aの座標は(xa1, ya1)であり、画像50aにおいて、第1の撮像領域4aにおける光軸の位置14aの座標は、(Xa1, Ya1)である。一方、温度T1℃では、画像50bにおける陰(マーカー像)13bの座標は(xb1, yb1)であり、画像50bにおいて、第2の撮像領域4bにおける光軸の位置14bの座標は、(Xb1, Yb1)である。
図7(b)に示すように、温度T2℃では、画像50aにおける陰(マーカー像)13aの座標は(xa2, ya2)であり、画像50aにおいて、第1の撮像領域4aにおける光軸の位置14aの座標は、(Xa2, Ya2)である。一方、温度T2℃では、画像50bにおける陰(マーカー像)13bの座標は(xb2, yb2)であり、画像50bにおいて、第2の撮像領域4bにおける光軸の位置14bの座標は、(Xb2, Yb2)である。
本実施形態では、第1のマーカー11aおよび第2のマーカー11bが、それぞれ、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bの実質的に中央に映りこんでいる。なお、「実質的に中央に位置する」とは、完全に中央部に位置する場合だけでなく、誤差の分だけ中央とは異なる位置に、中央と近接して位置する場合も含む。そのため、影13aの位置と光軸の位置14aの位置とは近接すると共に、影13bの位置と光軸の位置14bの位置とは近接している。したがって、温度変化によって影13aが移動する距離と、光軸の位置14aが移動する距離も近似し、影13bが移動する距離と、光軸の位置14bが移動する距離も近似していると考えられる。このとき、下記の(数3)が成立する。
Figure 2009104381
(数3)に示す座標のうち、温度T1℃のときの光軸の位置14a、14bの座標(Xa1, Ya1)、(Xb1, Yb1)は、装置組立時の初期化処理(キャリブレーション処理)等において、初期値として検出することができる。また、温度T1℃のときの影13a、13bの座標(xa1, ya1)、(xb1, yb1)も、図7(a)に示す画像50a、50bから検出することができる。一方、温度T2℃のときの影13a、13bの座標(xa2, ya2)、(xb2, yb2)は、図7(b)に示す画像50a、50bから検出することができる。以上の値を(数3)に代入すると、温度T2℃のときの光軸の位置14a、14bの座標(Xa2,Ya2)、(Xb2,Yb2)を得ることができる。
(数3)で得られた座標(Xa2,Ya2)、(Xb2,Yb2)の値を用いて、下記(数4)により、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bとの光軸間距離である基線長Bを求める。一方、下記(数5)により、温度変化による光軸のずれが考慮された視差量Δを求める。
Figure 2009104381
Figure 2009104381
Δx、Δyは、図4に示すステップS105で求めた、画像50a、50b全体における検出視差量分布であり、それぞれのブロックに対して前式を用い視差量を補正する。
ここで、画像50a、50bのいずれかにマーカーの影13a、13bが現れなかった場合の、マーカーの位置の補完方法について具体的に説明する。温度T2℃のとき、画像50a上にマーカーの影13aが写りこんでいない場合を例とする。
温度が変化すると、図1(b)に示す透明板6は、透明板6の中心から放射状に膨張または収縮する。透明板6において、第2のマーカー11bは領域10b内のいずれかの位置に付される。領域10の全体は透明板6の中心よりもx方向の負側に配置されているため、第2のマーカー11bが領域10のどの位置に付されたとしても、T1℃からT2℃への温度変化によって第2のマーカー11bがx方向に移動する向きは同じである。一方、領域10は透明板6の中心からy方向の正側および負側の両方に配置されており、第2のマーカー11bが領域10のうち正側に配置された場合と負側に配置された場合とでは、第2のマーカー11bが移動する向きは異なる。すなわち、画像50bでは、温度がT1℃からT2℃に変化することによって、マーカーの影13bの位置はx方向に−(xb2−xb1)だけ移動し、y方向に+(yb2−yb1)または−(yb2−yb1)だけ移動することになる。
温度がT1℃からT2℃に変化したとき、画像50a上のマーカーの影13aが移動する量は、画像50b上のマーカーの影13bが移動する量とほぼ同じであることから、画像50b上のマーカーの影13bの移動量を基に画像50a上のマーカーの影13aの移動量を補完する。すなわち、温度T2℃のときのマーカーの影13aの位置を、温度T1℃のときのマーカーの影13aの位置に、画像50bにおけるマーカーの影13bの位置の移動量を足した位置、つまり(xa1−(xb2−xb1)、ya1±(yb2−yb1))として算出する。ここで、y座量の数式内に残る±符号については、出荷前に初期温度(T1℃)と異なる温度下に放置して測距を行なうことにより、「+」および「−」のいずれを選択すべきかを決定し、画像処理部の記憶部に情報を書き込む。以上のような算出結果から、画像50a、50bのいずれかのマーカーの影が現れなかった場合にも、温度変化の影響が補正された結果を得ることができる。
次に、得られた基線長Bおよび視差量Δを用いて、三角測量の原理から被写体距離を計算する。図10は、双眼測距装置の三角測量を説明するための図である。図10に示すように、被写体9からの光は、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bに入射し、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bに、被写体9の像が形成される。
ここで、被写体9上の点Pを測定点とし、この点Pが第1のレンズ3aの光軸上に位置する場合、点Pの像は、第1の撮像領域4aにおける第1のレンズ3aの光軸の位置に形成される。一方、第2の撮像面4bでは、第2のレンズ3bの光軸の位置から基線方向に視差量Δだけ離れた点に点Pの像が形成される。ここで、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bから点Pまでの距離(光軸と平行な方向の距離)をzとし、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bの焦点距離をfとすると、次の様な近似式(数6)が成立する。
Figure 2009104381
焦点距離fは既知の値であるため、基線長Bおよび視差量Δを代入することにより、P点までの距離zを得ることができる。これを全ての画像に対して計算することにより、被写体9までの距離を得ることができる。
図8は、測距装置と被写体との間の距離を一定(1m)に保って周辺温度を変化させたときの、測距装置の測定結果を示すグラフ図である。図8において、丸形でプロットされたプロファイル(a)は、樹脂のレンズを用い、本実施形態の測距方法で測定した結果を示し、四角形でプロットされたプロファイル(b)は、樹脂のレンズを用い、従来の方法で測定した結果を示す。プロファイル(b)では、温度が変化すると検出距離が大きく異なっているのに対し、プロファイル(a)では、温度が変化しても安定した検出距離が得られている。三角形でプロットされたプロファイル(c)は、ガラスのレンズを用い、従来の方法で測定した結果を示す。従来から、樹脂のレンズを用いた場合には、ガラスのレンズを用いた場合と比較して、温度によるレンズの体積変化に起因する測定値の変動が問題となっていたが、本実施形態では、樹脂のレンズを用いても、ガラスのレンズを用いた場合と同様の安定性が得られていることがわかる。
本実施形態では、測距装置の周辺の温度が変化しても、マーカー11a、11bの位置の情報により、2つのレンズ3a、3bの光軸の位置の変化を追跡し、視差量の補正を行うことができる。これにより、周辺の温度変化による誤差が少なくなり、被写体までの距離を高精度に測定することができる。
本実施形態は、レンズが2つ存在する2眼の構造を有していたが、本発明は、3眼、4眼、またはそれ以上の構成を有していてもよく、同様の効果が得られる。
本実施形態において、透明板6の表面のマーカー11a、11bは、撮像面側の表面に形成したほうが、撮像領域4a、4bによってマーカーの像を検出しやすくなるという利点がある。しかしながら、マーカー11a、11bの形状を撮像領域4a、4bによって検出できる場合は、レンズ系3側(反対側)の表面に形成してもよい。
さらに、本実施形態はマーカー11a、11bを透明板6に付した構成を有するが、透明板6の代わりに透光性を有する平板を用いてもよい。このように透光性を有する平板を用いた場合にも、測距装置としては同等の効果が得られる。ここでの「透光性を有する平板」は、一般的なNDフィルタで十分である。一般的なNDフィルタの透光率は10%以上であるが、透光率が10%以下の板を用いてもよい。その板を透過した光線を撮像素子で検出することができれば、測距を行なうことができるためである。さらに、透明板に波長選択性を持たせてもよい。
さらに、本実施形態では、測距結果の他に外部に画像を出力することが可能であるが、例えば画像50aを外部に出力した場合は、画像50a上にマーカーの影13aが生じ、影13aの部分の画像が欠落してしまう。そこで、画像50b上から影13aの部分の画像に該当する画像を切り出し、画像50a上のマーカーの影13a上に貼り付けることによって、画像欠けのない画像を外部に出力することができる。なお、影13aの部分の画像に該当する画像を探索する方法としては、図3に示す比較演算処理部24の処理によって得られるマーカーの影13a前後の画素の視差量と、図3に示すマーカー検出処理部25により得られるマーカー座標とを足し合わせることにより、マーカーの影13aの部分に相当する画像を画像50bより抽出すればよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明による第2の実施形態を説明する。本実施形態では、1つの撮像領域につき2つのマーカーが配置される。これら2つのマーカーは、撮像領域の中央ではなく、周辺部に映りこむ。本実施形態は、透明板に形成されるマーカーの数と配置を除けば、第1の実施形態と同様の構成である。
図9(a)は、室温T1℃(初期値)において第1の撮像領域4aから検出される画像50aと、第2の撮像領域4bから検出される画像50bとを示す図であり、図9(b)は、室温T2℃(測定時の温度)において第1の撮像領域から検出される画像50aと、第2の撮像領域から検出される画像50bとを示す図である。
図9(a)に示すように、温度T1℃では、画像50aにおける陰(マーカー像)13a、13cの座標は(xa1, ya1)、(xc1, yc2)であり、画像50aにおいて、第1の撮像領域4aにおける光軸の位置14aの座標は、(Xa1, Ya1)である。一方、温度T1℃では、画像50bにおける陰(マーカー像)13b、13dの座標は(xb1, yb1)、(xd1, yd1)であり、画像50bにおいて、第2の撮像領域4bにおける光軸の位置14bの座標は、(Xb1, Yb1)である。
図9(b)に示すように、温度T2℃では、画像50aにおける陰(マーカー像)13a、13cの座標は(xa2, ya2)、(xc2, yc2)であり、画像50aにおいて、第1の撮像領域4aにおける光軸の位置14aの位置の座標は、(Xa2, Ya2)である。一方、温度T2℃では、画像50bにおける陰(マーカー像)13b、13dの座標は(xb2, yb2)、(xd2, yd2)であり、画像50bにおいて、第2の撮像領域4bにおける光軸の位置14bの座標は、(Xb2, Yb2)である。
影13a、13cは、画像50aの中央ではなく、周辺部に映りこんでいる。また、影13a、13cを結ぶ直線(破線で示す)上に、内分点として、第1の撮像領域4aにおける光軸の位置14aが実質的に配置している。なお、「直線上に実質的に配置する」とは、完全に直線上に重なる場合だけでなく、誤差の分だけずれた位置に直線から近接して配置する場合も含む。一方、影13b、13dは、画像50bの中央ではなく、周辺部に映りこんでいる。また、影13b、13dを結ぶ直線(破線で示す)上に、内分点として、第2の撮像領域4bにおける光軸の位置14bが実質的に配置している。
本実施形態では、影13a、13b、13c、13dが、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bの中央ではなく、周辺部に映りこんでいる。これらの位置は、内分点に光軸の位置14a、14bを含む位置であればどこであってもよい。
温度T1℃のときの光軸の位置14a、14bの座標(Xa1, Ya1)、(Xb1, Yb1)は、装置組立時の初期化処理(キャリブレーション処理)等において、初期値として検出することができる。また、温度T1℃のときの影13a、13b、13c、13dの座標(xa1, ya1)、(xb1, yb1)、(xc1, yc1)、(xd1, yd1)も、図9(a)に示す画像50a、50bから検出することができる。一方、温度T2℃のときの影13a、13b、13c、13dの座標(xa2, ya2)、(xb2, yb2)、(xc2, yc2)、(xd2, xd2)は、図9(b)に示す画像50a、50bから検出することができる。
さらに、影13aと影13cとを結ぶ直線上には、内分点として光軸の位置14aが配置している。そして、影13aから光軸の位置14aまでの距離と、光軸の位置14aから影13cまでの距離との比(内分比)は、(s:1−s)で表される。一方、影13bから光軸の位置14bまでの距離と、光軸の位置14bから影13dまでの距離との比(内分比)は、(t:1−t)で表される。
温度がT1℃からT2℃に変化しても内分比が維持されると仮定すると、下記(数7)が成立する。
Figure 2009104381
上述した各値を(数7)に代入すると、温度T2℃のときの交点14a、14bの座標(Xa2,Ya2)、(Xb2,Yb2)を得ることができる。
(数7)で得られた座標(Xa2,Ya2)、(Xb2,Yb2)の値を用いて、下記(数8)から、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bとの光軸間距離である基線長Bを求める。一方、下記(数9)から、温度変化による光軸のずれが考慮された視差量Δを求める。
Figure 2009104381
Figure 2009104381
Δx、Δyは、第1の実施形態の図4に示すステップS105で求めた、画像50a、50b全体における検出視差量である。
(数8)(数9)から得られた基線長Bおよび視差量Δを(数6)に代入することにより、P点までの距離zを得ることができる。
本実施形態では、測距装置の周辺の温度が変化しても、マーカー11a、11b、11c、11dの位置の情報により、2つのレンズ3a、3bの光軸の位置の変化を追跡し、視差量の補正を行うことができる。これにより、周辺の温度変化による誤差が少なくなり、被写体までの距離を高精度に測定することができる。
一般的に、被写体は画像50a、50bの中央部に現れることが多い。本実施形態では、黒色の被写体が中央に映りこんだときでも、マーカーの識別が可能になるといった利点がある。
加えて、本実施形態では、マーカー11a、11b、11c、11dが2対(1つの撮像領域につき2つ)の場合を説明したが、3対、4対のマーカーを形成してもよい。マーカーの数を多くすることにより、被写体の影響によってマーカーを検出することができないといったケースを回避することができる。
また、3対の場合には、3つのマーカーを頂点とする三角形の内部に撮像面における光軸の位置14a、14bが配置するように、3つのマーカーの位置を規定すれば、内分比を用い、光軸の位置14a、14bの位置を一義的に決定することができる。また、マーカーが4対以上の場合は、任意の3つのマーカーを選択し複数の三角形を形成し、それぞれの三角形について光軸の位置14a、14bの位置を求めた後、平均値を求めるなどの統計的な処理を行うことが適当である。
本発明に係る測距装置は、車載用、監視カメラ用または立体形状測定等の測距装置として有用である。
本発明は、複数の撮像光学系間の視差によって対象物までの距離を測る測距装置、およびそれを用いた測距方法に関するものである。
対象物までの距離を測定する装置として、双眼測距装置が知られている。双眼測距装置は、自動車の車間距離測定や、カメラの自動焦点システム、3次元形状測定システム等に用いられている。
双眼測距装置には、対象物からの光が入射する双眼光学系と、双眼光学系に入射した光によって像がそれぞれ形成される撮像素子とが設けられている。双眼測距装置を用いれば、一対の双眼光学系に入射した光によって撮像素子に像を形成し、2つの画像の視差を利用して対象物までの距離を測定することができる。
従来、この双眼測距装置としては、一対のレンズが左右または上下に配置され、レンズの各々に1個ずつ対応して設けられた撮像素子にレンズが像を形成する装置が知られている(特許文献1)。
図10は双眼測距装置の三角測量を説明するための図である。図10に示すように、被写体9からの光が、第1のレンズ(光学系)3aおよび第2のレンズ(光学系)3bに入射し、第1の撮像面4aおよび第2の撮像面4bに、被写体9の像が形成される。
ここで、被写体9上の点Pを測定点とし、この点Pが第1のレンズ3aの光軸上に位置する場合、点Pは、第1の撮像面4aにおける第1のレンズ3aの光軸の位置に結像される。一方、第2の撮像面4bでは、第2のレンズ3bの光軸の位置から基線方向にΔだけ離れた点に点Pが結像され、このΔは、視差量と呼ばれる。ここで、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bから点Pまでの距離(光軸と平行な方向の距離)をzとし、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bとの光軸間距離である基線長をBとし、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bの焦点距離をfとし、視差量をΔとすると、次の様な近似式が成立する。
Figure 2009104381
基線長Bおよび焦点距離fは既知の値であるため、画像から視差量Δを抽出すれば、被写体9までの距離を得ることができる。視差量Δは、例えば、第1のレンズ3aから得られた画像(撮像面4aに形成される像)と第2のレンズ3bから得られた画像(撮像面4bに形成される像)との間でパターンマッチングを行うことによって抽出することができる。
しかし、測距装置の周辺の温度が変化すると、温度変化に伴って測距装置を構成する各部材が伸縮する。測距装置の構造が複雑であるほど、温度変化によって光軸が複雑に変化し、大きな誤差が発生する。そこで、レンズ間に温度センサを設けて温度計測を行い、この温度変化と、構成材料の線膨張係数とによって光軸間隔を算出し、補正を行う方法が提案されている(特許文献2)。
特開平4-43911号公報 特開平10-232128号公報
特許文献2のように線膨張係数と温度センサによって検出した温度とによって一義的に決まる値を用いて補正する方式では、温度センサの特性ばらつき、検出温度に対する基線長変化の遅延、構成材料の線膨張係数のばらつき等によって補正誤差が生じるという問題がある。
また、特許文献1、2の測距装置は、個別に形成された複数のレンズが、互いに離れて配置された構造を有する。これに対し、近年では、複数のレンズが一体的に形成されたレンズアレイ(レンズ系)を有する測距装置が開発されている。このような測距装置では、複数のレンズが離れて配置された測距装置と比較して、部品点数が少なく、取り付けが容易になる。また、小型化が可能になるといった利点もある。
複数のレンズが一体的に形成されたレンズアレイを有する測距装置では、温度変化によってレンズアレイ全体が膨張または収縮するため、温度変化による光軸の変化が大きくなってしまう。光軸の変化が測定値に与える影響は、測距装置が小型であるほど大きくなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、環境温度が変化しても、高精度の測距機能を実現することができる測距装置および測距方法を提供することにある。
本発明の測距装置は、光軸が互いに平行に配置された複数のレンズを含み、前記複数のレンズが一体的に形成されたレンズ系と、前記複数のレンズのそれぞれに対向する複数の撮像領域を有し、前記複数の撮像領域において受けた光を電気信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子と前記レンズ系との間に設けられ、前記複数のレンズと実質的に同じ熱膨張係数を有する透光性を有する平板と、前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、各撮像領域につき1つ映りこむ複数のマーカーと、前記撮像素子から前記電気信号を受け取り、前記複数の撮像領域のそれぞれに形成された複数の画像の画像信号を生成する信号取得部と、前記画像信号を受け取り、前記複数の画像のそれぞれにおける前記マーカーの位置の情報を用いて前記複数のレンズの光軸の位置を補正し、前記補正された光軸の位置に基づいて三角測量により被写体までの距離を得る画像処理部とを備える。
ある実施形態において、前記画像処理部は、マーカー検出処理部、比較演算処理部および補正処理部を備え、前記マーカー検出処理部は、前記複数の画像のそれぞれにおける前記マーカーの位置を、検出マーカー位置として検出し、前記比較演算処理部は、前記複数の画像における前記被写体の位置の相違から、検出視差量を算出し、前記補正処理部は、予め検出しておいた初期マーカー位置および初期光軸位置と、前記検出マーカー位置とから前記光軸の位置を補正し、前記補正した光軸の位置と前記検出視差量とを用いて前記三角測量により前記被写体までの距離を算出する。
ある実施形態において、前記初期マーカー位置および前記初期光軸位置は、前記レンズおよび前記透光性を有する平板が第1の温度のときの位置であり、前記検出マーカー位置は、前記レンズおよび前記透光性を有する平板が第2の温度のときの位置である。
ある実施形態において、前記マーカーは、前記複数の撮像領域のそれぞれの実質的な中心部に映りこむ。
ある実施形態において、前記マーカーは、前記各撮像領域の周辺部に映りこむ第1周辺部マーカーであって、前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、前記各撮像領域の周辺部につき1つ映りこむ複数の第2周辺部マーカーをさらに備え、前記第1周辺部マーカーの前記初期マーカー位置と前記第2周辺部マーカーの初期マーカー位置とを結ぶ直線と実質的に重なるように、前記初期光軸位置が配置されている。
ある実施形態において、前記レンズ系と、前記透光性を有する平板とが、同一の固定方法で、同一の部材によって固定されている。
ある実施形態において、前記マーカーは、前記透光性を有する平板の前記撮像領域側の面に配置されている。
本発明の測距方法は、光軸が互いに平行に配置された複数のレンズを含み、前記複数のレンズが一体的に形成されたレンズ系と、前記複数のレンズのそれぞれに対向する複数の撮像領域を有し、前記複数の撮像領域において受けた光を電気信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子と前記光学系との間に設けられ、前記複数のレンズと実質的に同じ熱膨張係数を有する透光性を有する平板と、前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、各撮像領域につき1つ映りこむ複数のマーカーとを備える測距装置を用いた測距方法であって、前記撮像素子から前記電気信号を受け取り、前記複数の撮像領域のそれぞれに形成された複数の画像の画像信号を生成するステップ(a)と、前記複数の画像のそれぞれにおける前記マーカーの位置を、検出マーカー位置として検出するステップ(b)と、前記複数の画像における被写体の位置の相違から、検出視差量を算出するステップ(c)と、予め検出しておいた初期マーカー位置および初期光軸位置と、前記検出マーカー位置とから前記複数のレンズの光軸の位置を補正し、前記補正された光軸の位置と前記検出視差量とを用いて三角測量により前記被写体までの距離を算出するステップ(d)とを包含する。
ある実施形態において、前記マーカーは、前記複数の撮像領域のそれぞれの実質的な中心部に映りこむ。
ある実施形態において、前記マーカーは、前記各撮像領域の周辺部に映りこむ第1周辺部マーカーであって、前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、前記各撮像領域の周辺部につき1つ映りこむ複数の第2周辺部マーカーをさらに備え、前記第1周辺部マーカーの前記初期マーカー位置と前記第2周辺部マーカーの初期マーカー位置とを結ぶ直線と実質的に重なるように、前記初期光軸位置が配置し、前記ステップ(b)において、前記第1周辺部マーカーおよび前記第2周辺部マーカーが前記各撮像領域に映りこむ位置を検出する。
本発明によると、測距装置の周辺の温度が変化しても、マーカーの位置の情報により、複数のレンズの光軸の位置の変化を追跡し、視差量の補正を行うことができる。これにより、周辺の温度変化による誤差が少なくなり、被写体までの距離を高精度に測定することができる。
(a)は、本発明による測距装置の第1の実施形態を示す断面図であり、(b)は、第1の実施形態における透明板6および撮像素子4の配置関係を示す斜視図である。 第1の撮像領域4aに形成される画像50aの例と、第2の撮像領域4bに形成される画像50bの例とを示す図である。 信号取得部21および画像処理部22内の構成を示すブロック図である 視差量抽出アルゴリズムの基本的な流れを示すフローチャート図である。 第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bから検出した画像50a、50bの検出ブロックを示す図である。 視差量評価値R(k)と第2の検出ブロック52の移動画素数kとの関係を示すグラフ図である。 (a)は、室温T1℃(初期値)において第1の撮像領域4aから検出される画像50aと、第2の撮像領域4bから検出される画像50bとを示す図であり、(b)は、室温T2℃(変化後の温度)において第1の撮像領域から検出される画像50aと、第2の撮像領域から検出される画像50bとを示す図である。 測距装置と被写体との間の距離を一定(1m)に保って周辺温度を変化させたときの、測距装置の測定結果を示すグラフ図である。 (a)は、室温T1℃(初期値)において第1の撮像領域4aから検出される画像50aと、第2の撮像領域4bから検出される画像50bとを示す図であり、(b)は、室温T2℃(変化後の温度)において第1の撮像領域から検出される画像50aと、第2の撮像領域から検出される画像50bとを示す図である。 双眼測距装置の三角測量を説明するための図である。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明による測距装置の第1の実施形態を示す断面図である。図1(a)に示すように、本実施形態の測距装置1は、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bを含むレンズ系3と、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bを有する撮像素子4と、撮像素子4とレンズ系3との間に撮像素子4に近接して設けられた透明板6とを備える。
透明板6は、レンズ系3と実質的に同じ熱膨張係数を有する材料から構成されている。例えば、レンズ系3と透明板6とは、同じ材料から構成されていてもよいし、異なる材料であって実質的に同じ熱膨張係数を有する材料から構成されていてもよい。ここで、「実質的に同じ熱膨張率を有する」とは、例えば、透明板6が、レンズ系3の熱膨張率の95%以上105%以下の熱膨張率を有することをいう。本実施形態では、温度変化によって透明板6およびレンズ系3のそれぞれの特性(主に体積)が変化する量の違いが、許容範囲内に収まる必要がある。本実施形態では、上記許容範囲を上下5%以内としたため、熱膨張率も上記範囲内となる。
第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bは、それぞれの光軸8a、8bが互いに平行になるように配置されている。また、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bは、光学樹脂や、プレス成形が可能な光学ガラス材から形成されており、一体的に形成されている。「一体的に形成されたレンズ系」とは、1つの金型を用いて形成された接続部を有さないレンズ系であってもよいし、別々に形成された複数の部材が、互いに接続されたレンズ系であってもよい。例えば、複数の薄いレンズを厚さ方向に重ねることにより、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bとを構成してもよい。
撮像素子4における第1の撮像領域4aは第1のレンズ3aに対向し、第2の撮像素子4bは第2のレンズ3bに対向する。撮像素子4は、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bに入射した光を光電変換によって電気信号に変換する。撮像素子4は、回路基板5上にダイボンドされ、ワイヤーボンディング等により、回路基板5上の回路(図示せず)と電気的に接続されている。
一方、レンズ系3および透明板6は、筒状の樹脂等から形成された鏡筒2に固定されている。鏡筒2は、回路基板5上に固定された鏡筒下部2aと、鏡筒下部2aの上端と連結された鏡筒上部2bとから構成されている。鏡筒下部2aと鏡筒上部2bは、同一の材料から形成されるか、または、熱的な特性(熱膨張率など)が類似した材料から形成され、接着剤によって互いに接着されている。鏡筒下部2aの下端は、筒の内側に突出しており、この突出部の上に、透明板6が載置されている。一方、鏡筒上部2bはフード部を有しており、フード部は、それぞれのレンズ系の有効径付近をリング状に保持しながら、レンズ径が一体で構成されたレンズアレイの縁を保持することによってレンズ系3を固定している。
鏡筒2内には、遮光壁7が設けられている。遮光壁7は、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bとの間の領域の下、すなわち、第1の撮像領域4aと第2の撮像領域4bとの境界領域の上に設けられている。遮光壁7は、第1のレンズ3aを通過した光が第2の撮像領域4bに入射すること、および第2のレンズ3bを通過した光が第1の撮像領域4aに入射することを防止する役割を果たす。
図1(b)は、第1の実施形態における透明板6および撮像素子4の配置関係を示す斜視図である。図1(b)に示すように、透明板6には、第1のマーカー11aおよび第2のマーカー11bが設けられている。
第1のマーカー11aは、第1のレンズ3aに対応した位置、すなわち、透明板6のうち第1の撮像領域4aに結像する光線が通過する領域10aに形成されている。一方、第2のマーカー11bは、第2のレンズ3bに対応した位置、すなわち、透明板6のうち第2の撮像領域4bに結像する光線が通過する領域10bに形成されている。第1のマーカー11aおよび第2のマーカー11bは、画素の大きさの数倍程度の大きさを有し、光線を透過しない特性を有する。第1のマーカー11aおよび第2のマーカー11bは、印刷等の工法によって形成されている。
第1の実施形態では、第1のマーカー11aは、透明板6における領域10aのほぼ中央に設けられている。同様に、第2のマーカー11bは、透明板6における領域10bのほぼ中央に設けられている。これにより、第1のマーカー11aは第1の撮像領域4aに映りこみ、第2のマーカー11bは、第2の撮像領域4bに映りこみ、それぞれの撮像領域4a、4bに形成される像に影を形成する。撮像領域4a、4bに形成されるマーカー11a、11bの影は、他の領域よりも暗く、典型的には黒である。
マーカー11a、11bが撮像素子4から離れすぎると、マーカー11a、11bの像を画像上で検出する事が不可能となるため、透明板6を設置する位置には配慮が必要である。本実施形態では、マーカー11a、11bが撮像面から0.3mm離れた位置に配置されるように透明板6を設置する。
なお、図1(b)には、ほぼ円形のマーカー11a、11bが示されている。しかしながら、マーカー11a、11bは、円形以外の形であってもよい。例えば、マーカーを十字などの幾何学的な形状にすれば、透明板6にゴミが付着した場合に、マーカー11a、11bとゴミとを識別することができる。なお、測距装置の組立時にゴミが混入するのを防ぐため、組み立ては、クリーンルームやクリーンブース等のゴミが殆ど存在しない環境下で行われる。
図2は、第1の撮像領域4aに形成される画像50aの例と、第2の撮像領域4bに形成される画像50bの例とを示す図である。画像50aにおける被写体12aの位置は、画像50bにおける被写体12bの位置と比べ、視差量の分だけずれている。それに対し、マーカー11a、11b(図1(b)に示す)は画像50a、50bに影を形成しているだけであるため、画像50aにおけるマーカーの影13aと、画像50bにおけるマーカーの影13bとの間に、視差量に起因するずれは生じない。したがって、透明板6におけるマーカーの位置が、そのまま画像50a、50b上に反映される。
第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bは、温度が変化すると、膨張または収縮する性質を有する。したがって、距離を測定するときの温度によって光軸の位置が変化し、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bにおける光軸の位置(画像50a、50bにおける原点)の位置も変化する。この光軸の変化が、画像50aおよび画像50bから算出される視差量および基線長の値に影響を与える。本実施形態では、透明板6が、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bと実質的に同じ熱膨張率を有しているため、温度が変化すると、透明板6は、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bと同じように膨張または収縮する。透明板6に付されたマーカー11a、11bは第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bの光軸と同様にふるまうため、マーカー11a、11bの位置の情報を用いて、視差量および基線長を補正することができる。この補正には、測距装置組み立て直後である初期のマーカーの影の位置と、撮像素子4における光軸の位置とを初期値として予め検出しておき、これらの値を初期値として用いる。
次に、撮像素子4で得られた画像50a、50bを処理する方法を具体的に説明する。
画像50a、50bは、撮像素子4の表面に近い部分に2次元的に配列されたフォトダイオード(図示せず)により、電気信号に変換される。撮像素子4には、信号取得部21および画像処理部22が接続されている。信号取得部21は、撮像素子4から電気信号を受け取り、画像50a、50bの画像信号を生成する。一方、画像処理部22は、画像信号を受け取り、画像50a、50bにおけるマーカー11a、11bの位置の情報を用いて処理を行うことにより、環境温度の変化に影響を受けず被写体までの距離を算出する。
図3は、信号取得部21および画像処理部22内の構成を示すブロック図である。図3に示すように、撮像素子4からの電気信号は、まず信号取得部21に入力され、演算処理が可能な状態に変換される。この信号取得部21では、例えば、CDS(相関2重サンプリング)回路によって電気信号のノイズが抑制され、画像信号が生成される。また、信号取得部21は、画像処理部22内のメモリに画像信号を配列するなどの他の役割を有していてもよい。
信号取得部21で生成された画像信号は、画像処理部22に入力される。画像処理部22では、まずキャリブレーション処理部23が、画像信号を演算処理しやすい状態に補正する。例えば、1つの撮像領域で2つの画像が検出された場合に、それぞれの画像を切り出し、それぞれのメモリに格納し、原点を設定するなどの処理を行った後、歪曲補正などの画像を整える処理を行う。例えば歪曲補正では、実際の像や設計値から得られる歪曲値に基づいて、得られた画像50a、50bの歪曲を補正する。
次に、比較演算処理部24が、画像50a、50bを、複数のブロックに分割した後、それぞれのブロックにおいて検出視差量Δx、Δy(実際に検出される視差量)を算出する。
次に、マーカー検出処理部25が、画像50a、50b上のマーカーの位置を検出する。
次に、補正値演算部26が、マーカーの位置の情報を用いて、第1の撮像素子4aにおける第1のレンズ3aの光軸の位置、および第2の撮像素子4bにおける第2のレンズ3bの光軸の位置を算出する。
次に、補正処理部27が、基線長Bおよび視差量Δを算出する。さらに、三角測量の原理式に基線長Bおよび視差量Δを代入することにより、被写体までの距離を算出する。
その後、被写体までの距離が、結果出力部28から出力される。
なお、結果出力部28に、画像50a、50bの一方のマーカーの位置の情報を他方のマーカーの位置の情報によって補完させる機能を持たせてもよい。たとえば、画像50a上にマーカーの影が現れなかった場合に、画像50a上のマーカーの位置を画像50b上のマーカーの位置の情報で補完して、出力画像を形成する処理を結果出力部28に付加すればよい。具体的な補完方法については後述する。
なお、比較演算処理部24は、マーカー検出処理部25および補正値演算部26の後(補正値演算部26と補正処理部27との間)に配置していてもよい。また、比較演算処理部24、補正値演算部26および補正処理部27の動作は、後に詳述する。
次に、図3における比較演算処理部24が、検出視差量Δx、Δyを算出するステップを、図4および図5を参照しながら説明する。ここでは、2つの画像50a、50bの比較演算処理を行うことによって検出視差量Δx、Δyを算出する。図4は、視差量抽出アルゴリズムの基本的な流れを示すフローチャート図である。図5は、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bから検出した画像50a、50bの検出ブロックを示す図である。
まず、ステップS101において、第1の撮像領域4aから検出した画像50aを複数のブロックに分割する。ブロックサイズは、4×4画素から64×64画素程度であり、被写体の大きさによって任意の大きさに設定される。なお、レンズの倍率を大きくした場合には、検出ブロックのサイズも大きくすることが好ましい。
次に、ステップS102において、画像50a上の複数のブロックのなかから、第1の検出ブロック51を選択する。画像50bにおける被写体の位置は、視差や温度変化に起因して、画像50aにおける被写体の位置からずれている。このずれがどの程度であるかを検出するために、第1の検出ブロック51と同じサイズの第2の検出ブロック52を画像50b上に配置し、第2の検出ブロック52を移動させてパターンマッチングを行う。具体的には、まず、画像50bのうち、画像50aにおける第1の検出ブロック51と相対的に同じ位置に、第2の検出ブロック52を配置し、レンズ系がx方向に並んで配置されている場合は、視差がx方向にのみ発生するため、x方向にk画素(kは任意の整数)だけ移動させる。
次に、ステップS103において、視差量評価値を計算する。具体的には、第1の検出ブロック51内の画素の出力から、第2の検出ブロック52の画素の出力を引いた値を計算する。第1の検出ブロック51および第2の検出ブロック52内の全ての画素に対して上記差の絶対値を合計したものを、視差量評価値とする。
第1の検出ブロック51内の画素(a,b)における画素からの出力値をGG1(a,b)とし、位置53における第2の検出ブロック52内の画素(a+k,b)における画素からの出力値をGG2(a+k,b)とすると、視差量評価値R(k)は(数2)から求められる。
Figure 2009104381
この視差量評価値R(k)は、k画素だけ移動された第2の検出ブロック52における画像が、第1の検出ブロック51における画像とどれだけ相関があるかを示している。1からnまでの複数の値をkに代入し、それぞれの値に対して、ステップS102およびS103を行い、視差量評価値R(k)を算出する。視差量評価値R(k)はkの値に応じて変化する。
図6は、視差量評価値R(k)と第2の検出ブロック52の移動画素数kとの関係を示すグラフ図である。図6の横軸はx方向の移動画素数kを示し、縦軸は視差量評価値R(k)を示す。
次に、ステップS104において、ステップS103で求めた視差量評価値R(k)の最小値を抽出する。視差量評価値R(k)の値が最小であることは、2つの検出ブロック51、52における画素の出力の差が最も小さいことを示す。したがって、視差量評価値R(k)が小さいほど、2つの検出ブロック51、52における画像が類似しているといえる。図6ではk=k1の時に視差量評価値R(k)は最小値をとっている。よって、k=k1のときに2つの検出ブロック51、52における画像が最も類似していることがわかる。
次に、ステップS105において、視差量評価値R(k)が最小値となったときの移動画素数k1を求める。そして、画像50b上の第2の検出ブロック52をx方向にk1画素だけ移動させたときに、第2の検出ブロック52内の画像は、第1の検出ブロック51内の画像と一致すると判断される。これにより、移動画素数k1が、第1の検出ブロック51と第2の検出ブロック52との間の視差量(Δx=k1)と決定される。
以上のステップS102〜ステップS105の一連の処理を、ステップS101で分割した全てのブロックに対して行い、画像50a全体における検出視差量Δx、Δyの分布を算出する。
次に、図3に示すマーカー検出処理部25、補正値演算部26および補正処理部27が被写体までの距離を算出する方法を、図7を参照しながら説明する。図7(a)は、室温T1℃(初期値)において第1の撮像領域4aから検出される画像50aと、第2の撮像領域4bから検出される画像50bとを示す図であり、図7(b)は、室温T2℃(距離測定時の温度)において第1の撮像領域から検出される画像50aと、第2の撮像領域から検出される画像50bとを示す図である。
図7(a)に示すように、温度T1℃では、画像50aにおける陰(マーカー像)13aの座標は(xa1, ya1)であり、画像50aにおいて、第1の撮像領域4aにおける光軸の位置14aの座標は、(Xa1, Ya1)である。一方、温度T1℃では、画像50bにおける陰(マーカー像)13bの座標は(xb1, yb1)であり、画像50bにおいて、第2の撮像領域4bにおける光軸の位置14bの座標は、(Xb1, Yb1)である。
図7(b)に示すように、温度T2℃では、画像50aにおける陰(マーカー像)13aの座標は(xa2, ya2)であり、画像50aにおいて、第1の撮像領域4aにおける光軸の位置14aの座標は、(Xa2, Ya2)である。一方、温度T2℃では、画像50bにおける陰(マーカー像)13bの座標は(xb2, yb2)であり、画像50bにおいて、第2の撮像領域4bにおける光軸の位置14bの座標は、(Xb2, Yb2)である。
本実施形態では、第1のマーカー11aおよび第2のマーカー11bが、それぞれ、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bの実質的に中央に映りこんでいる。なお、「実質的に中央に位置する」とは、完全に中央部に位置する場合だけでなく、誤差の分だけ中央とは異なる位置に、中央と近接して位置する場合も含む。そのため、影13aの位置と光軸の位置14aの位置とは近接すると共に、影13bの位置と光軸の位置14bの位置とは近接している。したがって、温度変化によって影13aが移動する距離と、光軸の位置14aが移動する距離も近似し、影13bが移動する距離と、光軸の位置14bが移動する距離も近似していると考えられる。このとき、下記の(数3)が成立する。
Figure 2009104381
(数3)に示す座標のうち、温度T1℃のときの光軸の位置14a、14bの座標(Xa1, Ya1)、(Xb1, Yb1)は、装置組立時の初期化処理(キャリブレーション処理)等において、初期値として検出することができる。また、温度T1℃のときの影13a、13bの座標(xa1, ya1)、(xb1, yb1)も、図7(a)に示す画像50a、50bから検出することができる。一方、温度T2℃のときの影13a、13bの座標(xa2, ya2)、(xb2, yb2)は、図7(b)に示す画像50a、50bから検出することができる。以上の値を(数3)に代入すると、温度T2℃のときの光軸の位置14a、14bの座標(Xa2,Ya2)、(Xb2,Yb2)を得ることができる。
(数3)で得られた座標(Xa2,Ya2)、(Xb2,Yb2)の値を用いて、下記(数4)により、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bとの光軸間距離である基線長Bを求める。一方、下記(数5)により、温度変化による光軸のずれが考慮された視差量Δを求める。
Figure 2009104381
Figure 2009104381
Δx、Δyは、図4に示すステップS105で求めた、画像50a、50b全体における検出視差量分布であり、それぞれのブロックに対して前式を用い視差量を補正する。
ここで、画像50a、50bのいずれかにマーカーの影13a、13bが現れなかった場合の、マーカーの位置の補完方法について具体的に説明する。温度T2℃のとき、画像50a上にマーカーの影13aが写りこんでいない場合を例とする。
温度が変化すると、図1(b)に示す透明板6は、透明板6の中心から放射状に膨張または収縮する。透明板6において、第2のマーカー11bは領域10b内のいずれかの位置に付される。領域10の全体は透明板6の中心よりもx方向の負側に配置されているため、第2のマーカー11bが領域10のどの位置に付されたとしても、T1℃からT2℃への温度変化によって第2のマーカー11bがx方向に移動する向きは同じである。一方、領域10は透明板6の中心からy方向の正側および負側の両方に配置されており、第2のマーカー11bが領域10のうち正側に配置された場合と負側に配置された場合とでは、第2のマーカー11bが移動する向きは異なる。すなわち、画像50bでは、温度がT1℃からT2℃に変化することによって、マーカーの影13bの位置はx方向に−(xb2−xb1)だけ移動し、y方向に+(yb2−yb1)または−(yb2−yb1)だけ移動することになる。
温度がT1℃からT2℃に変化したとき、画像50a上のマーカーの影13aが移動する量は、画像50b上のマーカーの影13bが移動する量とほぼ同じであることから、画像50b上のマーカーの影13bの移動量を基に画像50a上のマーカーの影13aの移動量を補完する。すなわち、温度T2℃のときのマーカーの影13aの位置を、温度T1℃のときのマーカーの影13aの位置に、画像50bにおけるマーカーの影13bの位置の移動量を足した位置、つまり(xa1−(xb2−xb1)、ya1±(yb2−yb1))として算出する。ここで、y座量の数式内に残る±符号については、出荷前に初期温度(T1℃)と異なる温度下に放置して測距を行なうことにより、「+」および「−」のいずれを選択すべきかを決定し、画像処理部の記憶部に情報を書き込む。以上のような算出結果から、画像50a、50bのいずれかのマーカーの影が現れなかった場合にも、温度変化の影響が補正された結果を得ることができる。
次に、得られた基線長Bおよび視差量Δを用いて、三角測量の原理から被写体距離を計算する。図10は、双眼測距装置の三角測量を説明するための図である。図10に示すように、被写体9からの光は、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bに入射し、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bに、被写体9の像が形成される。
ここで、被写体9上の点Pを測定点とし、この点Pが第1のレンズ3aの光軸上に位置する場合、点Pの像は、第1の撮像領域4aにおける第1のレンズ3aの光軸の位置に形成される。一方、第2の撮像面4bでは、第2のレンズ3bの光軸の位置から基線方向に視差量Δだけ離れた点に点Pの像が形成される。ここで、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bから点Pまでの距離(光軸と平行な方向の距離)をzとし、第1のレンズ3aおよび第2のレンズ3bの焦点距離をfとすると、次の様な近似式(数6)が成立する。
Figure 2009104381
焦点距離fは既知の値であるため、基線長Bおよび視差量Δを代入することにより、P点までの距離zを得ることができる。これを全ての画像に対して計算することにより、被写体9までの距離を得ることができる。
図8は、測距装置と被写体との間の距離を一定(1m)に保って周辺温度を変化させたときの、測距装置の測定結果を示すグラフ図である。図8において、丸形でプロットされたプロファイル(a)は、樹脂のレンズを用い、本実施形態の測距方法で測定した結果を示し、四角形でプロットされたプロファイル(b)は、樹脂のレンズを用い、従来の方法で測定した結果を示す。プロファイル(b)では、温度が変化すると検出距離が大きく異なっているのに対し、プロファイル(a)では、温度が変化しても安定した検出距離が得られている。三角形でプロットされたプロファイル(c)は、ガラスのレンズを用い、従来の方法で測定した結果を示す。従来から、樹脂のレンズを用いた場合には、ガラスのレンズを用いた場合と比較して、温度によるレンズの体積変化に起因する測定値の変動が問題となっていたが、本実施形態では、樹脂のレンズを用いても、ガラスのレンズを用いた場合と同様の安定性が得られていることがわかる。
本実施形態では、測距装置の周辺の温度が変化しても、マーカー11a、11bの位置の情報により、2つのレンズ3a、3bの光軸の位置の変化を追跡し、視差量の補正を行うことができる。これにより、周辺の温度変化による誤差が少なくなり、被写体までの距離を高精度に測定することができる。
本実施形態は、レンズが2つ存在する2眼の構造を有していたが、本発明は、3眼、4眼、またはそれ以上の構成を有していてもよく、同様の効果が得られる。
本実施形態において、透明板6の表面のマーカー11a、11bは、撮像面側の表面に形成したほうが、撮像領域4a、4bによってマーカーの像を検出しやすくなるという利点がある。しかしながら、マーカー11a、11bの形状を撮像領域4a、4bによって検出できる場合は、レンズ系3側(反対側)の表面に形成してもよい。
さらに、本実施形態はマーカー11a、11bを透明板6に付した構成を有するが、透明板6の代わりに透光性を有する平板を用いてもよい。このように透光性を有する平板を用いた場合にも、測距装置としては同等の効果が得られる。ここでの「透光性を有する平板」は、一般的なNDフィルタで十分である。一般的なNDフィルタの透光率は10%以上であるが、透光率が10%以下の板を用いてもよい。その板を透過した光線を撮像素子で検出することができれば、測距を行なうことができるためである。さらに、透明板に波長選択性を持たせてもよい。
さらに、本実施形態では、測距結果の他に外部に画像を出力することが可能であるが、例えば画像50aを外部に出力した場合は、画像50a上にマーカーの影13aが生じ、影13aの部分の画像が欠落してしまう。そこで、画像50b上から影13aの部分の画像に該当する画像を切り出し、画像50a上のマーカーの影13a上に貼り付けることによって、画像欠けのない画像を外部に出力することができる。なお、影13aの部分の画像に該当する画像を探索する方法としては、図3に示す比較演算処理部24の処理によって得られるマーカーの影13a前後の画素の視差量と、図3に示すマーカー検出処理部25により得られるマーカー座標とを足し合わせることにより、マーカーの影13aの部分に相当する画像を画像50bより抽出すればよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明による第2の実施形態を説明する。本実施形態では、1つの撮像領域につき2つのマーカーが配置される。これら2つのマーカーは、撮像領域の中央ではなく、周辺部に映りこむ。本実施形態は、透明板に形成されるマーカーの数と配置を除けば、第1の実施形態と同様の構成である。
図9(a)は、室温T1℃(初期値)において第1の撮像領域4aから検出される画像50aと、第2の撮像領域4bから検出される画像50bとを示す図であり、図9(b)は、室温T2℃(測定時の温度)において第1の撮像領域から検出される画像50aと、第2の撮像領域から検出される画像50bとを示す図である。
図9(a)に示すように、温度T1℃では、画像50aにおける陰(マーカー像)13a、13cの座標は(xa1, ya1)、(xc1, yc2)であり、画像50aにおいて、第1の撮像領域4aにおける光軸の位置14aの座標は、(Xa1, Ya1)である。一方、温度T1℃では、画像50bにおける陰(マーカー像)13b、13dの座標は(xb1, yb1)、(xd1, yd1)であり、画像50bにおいて、第2の撮像領域4bにおける光軸の位置14bの座標は、(Xb1, Yb1)である。
図9(b)に示すように、温度T2℃では、画像50aにおける陰(マーカー像)13a、13cの座標は(xa2, ya2)、(xc2, yc2)であり、画像50aにおいて、第1の撮像領域4aにおける光軸の位置14aの位置の座標は、(Xa2, Ya2)である。一方、温度T2℃では、画像50bにおける陰(マーカー像)13b、13dの座標は(xb2, yb2)、(xd2, yd2)であり、画像50bにおいて、第2の撮像領域4bにおける光軸の位置14bの座標は、(Xb2, Yb2)である。
影13a、13cは、画像50aの中央ではなく、周辺部に映りこんでいる。また、影13a、13cを結ぶ直線(破線で示す)上に、内分点として、第1の撮像領域4aにおける光軸の位置14aが実質的に配置している。なお、「直線上に実質的に配置する」とは、完全に直線上に重なる場合だけでなく、誤差の分だけずれた位置に直線から近接して配置する場合も含む。一方、影13b、13dは、画像50bの中央ではなく、周辺部に映りこんでいる。また、影13b、13dを結ぶ直線(破線で示す)上に、内分点として、第2の撮像領域4bにおける光軸の位置14bが実質的に配置している。
本実施形態では、影13a、13b、13c、13dが、第1の撮像領域4aおよび第2の撮像領域4bの中央ではなく、周辺部に映りこんでいる。これらの位置は、内分点に光軸の位置14a、14bを含む位置であればどこであってもよい。
温度T1℃のときの光軸の位置14a、14bの座標(Xa1, Ya1)、(Xb1, Yb1)は、装置組立時の初期化処理(キャリブレーション処理)等において、初期値として検出することができる。また、温度T1℃のときの影13a、13b、13c、13dの座標(xa1, ya1)、(xb1, yb1)、(xc1, yc1)、(xd1, yd1)も、図9(a)に示す画像50a、50bから検出することができる。一方、温度T2℃のときの影13a、13b、13c、13dの座標(xa2, ya2)、(xb2, yb2)、(xc2, yc2)、(xd2, xd2)は、図9(b)に示す画像50a、50bから検出することができる。
さらに、影13aと影13cとを結ぶ直線上には、内分点として光軸の位置14aが配置している。そして、影13aから光軸の位置14aまでの距離と、光軸の位置14aから影13cまでの距離との比(内分比)は、(s:1−s)で表される。一方、影13bから光軸の位置14bまでの距離と、光軸の位置14bから影13dまでの距離との比(内分比)は、(t:1−t)で表される。
温度がT1℃からT2℃に変化しても内分比が維持されると仮定すると、下記(数7)が成立する。
Figure 2009104381
上述した各値を(数7)に代入すると、温度T2℃のときの交点14a、14bの座標(Xa2,Ya2)、(Xb2,Yb2)を得ることができる。
(数7)で得られた座標(Xa2,Ya2)、(Xb2,Yb2)の値を用いて、下記(数8)から、第1のレンズ3aと第2のレンズ3bとの光軸間距離である基線長Bを求める。一方、下記(数9)から、温度変化による光軸のずれが考慮された視差量Δを求める。
Figure 2009104381
Figure 2009104381
Δx、Δyは、第1の実施形態の図4に示すステップS105で求めた、画像50a、50b全体における検出視差量である。
(数8)(数9)から得られた基線長Bおよび視差量Δを(数6)に代入することにより、P点までの距離zを得ることができる。
本実施形態では、測距装置の周辺の温度が変化しても、マーカー11a、11b、11c、11dの位置の情報により、2つのレンズ3a、3bの光軸の位置の変化を追跡し、視差量の補正を行うことができる。これにより、周辺の温度変化による誤差が少なくなり、被写体までの距離を高精度に測定することができる。
一般的に、被写体は画像50a、50bの中央部に現れることが多い。本実施形態では、黒色の被写体が中央に映りこんだときでも、マーカーの識別が可能になるといった利点がある。
加えて、本実施形態では、マーカー11a、11b、11c、11dが2対(1つの撮像領域につき2つ)の場合を説明したが、3対、4対のマーカーを形成してもよい。マーカーの数を多くすることにより、被写体の影響によってマーカーを検出することができないといったケースを回避することができる。
また、3対の場合には、3つのマーカーを頂点とする三角形の内部に撮像面における光軸の位置14a、14bが配置するように、3つのマーカーの位置を規定すれば、内分比を用い、光軸の位置14a、14bの位置を一義的に決定することができる。また、マーカーが4対以上の場合は、任意の3つのマーカーを選択し複数の三角形を形成し、それぞれの三角形について光軸の位置14a、14bの位置を求めた後、平均値を求めるなどの統計的な処理を行うことが適当である。
本発明に係る測距装置は、車載用、監視カメラ用または立体形状測定等の測距装置として有用である。
1 測距装置
2a 鏡筒下部
2b 鏡筒上部
3a 第1の光学系
3b 第2の光学系
4 撮像素子
4a 第1の撮像領域
4b 第2の撮像領域
5 回路基板
6 カバー材
7 遮光板
8a 第1の光学系の光軸
8b 第2の光学系の光軸
9 被写体
10a 第1の撮像領域に結像する光線が通過する領域
10b 第2の撮像領域に結像する光線が通過する領域
11a 第1のマーカー
11b 第2のマーカー
13a、13b、13c、13d マーカー像
21 信号取得部
22 画像処理部
23 キャリブレーション処理部
24 比較演算処理部
25 マーカー検出処理部
26 補正値演算部
27 補正処理部
28 結果出力部
14a、14b 撮像面における光軸の位置
50a 第1の撮像領域から検出した画像
50b 第2の撮像領域から検出した画像
51 第1の検出ブロック
52 第2の検出ブロック

Claims (10)

  1. 光軸が互いに平行に配置された複数のレンズを含み、前記複数のレンズが一体的に形成されたレンズ系と、
    前記複数のレンズのそれぞれに対向する複数の撮像領域を有し、前記複数の撮像領域において受けた光を電気信号に変換する撮像素子と、
    前記撮像素子と前記レンズ系との間に設けられ、前記複数のレンズと実質的に同じ熱膨張係数を有する透光性を有する平板と、
    前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、各撮像領域につき1つ映りこむ複数のマーカーと、
    前記撮像素子から前記電気信号を受け取り、前記複数の撮像領域のそれぞれに形成された複数の画像の画像信号を生成する信号取得部と、
    前記画像信号を受け取り、前記複数の画像のそれぞれにおける前記マーカーの位置の情報を用いて前記複数のレンズの光軸の位置を補正し、前記補正された光軸の位置に基づいて三角測量により被写体までの距離を得る画像処理部とを備える、測距装置。
  2. 前記画像処理部は、マーカー検出処理部、比較演算処理部および補正処理部を備え、
    前記マーカー検出処理部は、前記複数の画像のそれぞれにおける前記マーカーの位置を、検出マーカー位置として検出し、
    前記比較演算処理部は、前記複数の画像における前記被写体の位置の相違から、検出視差量を算出し、
    前記補正処理部は、予め検出しておいた初期マーカー位置および初期光軸位置と、前記検出マーカー位置とから前記光軸の位置を補正し、
    前記補正した光軸の位置と前記検出視差量とを用いて前記三角測量により前記被写体までの距離を算出する、請求項1に記載の測距装置。
  3. 前記初期マーカー位置および前記初期光軸位置は、前記レンズおよび前記透光性を有する平板が第1の温度のときの位置であり、
    前記検出マーカー位置は、前記レンズおよび前記透光性を有する平板が第2の温度のときの位置である、請求項2に記載の測距装置。
  4. 前記マーカーは、前記複数の撮像領域のそれぞれの実質的な中心部に映りこむ、請求項1または2に記載の測距装置。
  5. 前記マーカーは、前記各撮像領域の周辺部に映りこむ第1周辺部マーカーであって、
    前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、前記各撮像領域の周辺部につき1つ映りこむ複数の第2周辺部マーカーをさらに備え、
    前記第1周辺部マーカーの前記初期マーカー位置と前記第2周辺部マーカーの初期マーカー位置とを結ぶ直線と実質的に重なるように、前記初期光軸位置が配置されている、請求項2に記載の測距装置。
  6. 前記レンズ系と、前記透光性を有する平板とが、同一の固定方法で、同一の部材によって固定されている、請求項1または2に記載の測距装置。
  7. 前記マーカーは、前記透光性を有する平板の前記撮像領域側の面に配置されている、請求項1または2に記載の測距装置。
  8. 光軸が互いに平行に配置された複数のレンズを含み、前記複数のレンズが一体的に形成されたレンズ系と、前記複数のレンズのそれぞれに対向する複数の撮像領域を有し、前記複数の撮像領域において受けた光を電気信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子と前記光学系との間に設けられ、前記複数のレンズと実質的に同じ熱膨張係数を有する透光性を有する平板と、前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、各撮像領域につき1つ映りこむ複数のマーカーとを備える測距装置を用いた測距方法であって、
    前記撮像素子から前記電気信号を受け取り、前記複数の撮像領域のそれぞれに形成された複数の画像の画像信号を生成するステップ(a)と、
    前記複数の画像のそれぞれにおける前記マーカーの位置を、検出マーカー位置として検出するステップ(b)と、
    前記複数の画像における被写体の位置の相違から、検出視差量を算出するステップ(c)と、
    予め検出しておいた初期マーカー位置および初期光軸位置と、前記検出マーカー位置とから前記複数のレンズの光軸の位置を補正し、前記補正された光軸の位置と前記検出視差量とを用いて三角測量により前記被写体までの距離を算出するステップ(d)とを包含する、測距方法。
  9. 前記マーカーは、前記複数の撮像領域のそれぞれの実質的な中心部に映りこむ、請求項8に記載の測距方法。
  10. 前記マーカーは、前記各撮像領域の周辺部に映りこむ第1周辺部マーカーであって、
    前記複数のレンズのそれぞれに対応して前記透光性を有する平板に形成され、前記各撮像領域の周辺部につき1つ映りこむ複数の第2周辺部マーカーをさらに備え、
    前記第1周辺部マーカーの前記初期マーカー位置と前記第2周辺部マーカーの初期マーカー位置とを結ぶ直線と実質的に重なるように、前記初期光軸位置が配置し、
    前記ステップ(b)において、前記第1周辺部マーカーおよび前記第2周辺部マーカーが前記各撮像領域に映りこむ位置を検出する、請求項8に記載の測距方法。
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