JPWO2009075375A1 - 導電性無機酸化物粒子の製造方法及びその製造方法で得られる導電性無機酸化物粒子 - Google Patents

導電性無機酸化物粒子の製造方法及びその製造方法で得られる導電性無機酸化物粒子 Download PDF

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Abstract

従来の導電性無機酸化物粉と比べ、より微粒で且つ良好な粉体抵抗を備える導電性無機酸化物粉の提供を目的とする。この目的を達成するため、無機酸化物粒子にドーパント金属成分をドーピングして導電性を付与した導電性無機酸化物粒子の製造方法であって、以下の工程A〜工程Dを経て製造することを特徴とした導電性無機酸化物粒子の製造方法。当該無機酸化物粒子を含有する無機酸化物粒子含有スラリーを調製し(工程A)、当該無機酸化物粒子含有スラリーの中に、ドーパント金属成分を共存させ、電解ドーピング装置1を用いて、電解法で無機酸化物粒子内にドーパント金属成分を電解ドーピングし(工程B)、電解ドーピングの終了したスラリーを、濾過し、乾燥して粒子を濾別採取し(工程C)、濾別採取した粒子を焼成して導電性無機酸化物粒子とする(工程D)製造方法を採用する。

Description

本件発明は、導電性無機酸化物粒子の製造方法及びその製造方法で得られる導電性無機酸化物粒子に関する。特に、透明電極形成材料としての利用に適した導電性酸化亜鉛粒子等に関する。
従来から、導電性無機酸化物粒子は、種々の用途で使用されてきた。中でも、特許文献1に開示されているように、液晶表示装置の中の透明電極の構成材料としての使用が積極的に行われてきた。特許文献1の記述をみると、例えば、結晶化されたITO(Indium Tin Oxide)膜を用いている。このようなITO膜は、所謂ITO粒子で構成されたITO粉を用いて形成されることが多くみられる。
このITO粒子は、特許文献2に開示されているように、酸化インジウム(In)粒子に対しスズ(Sn)をドーピングしたスズ含有酸化インジウムであり、導体膜としての抵抗率が100Ω・cm以下の電気導電性を備えており、導電性ペースト又は導電性インク等に加工する等して透明電極を形成には好適の材料である。
ところが、スズ含有酸化インジウムの芯材として用いる酸化インジウムの構成元素であるインジウムは、その埋蔵量にも限界がある希少金属であり、市場では高価な値段での売買が行われる。従って、酸化インジウムを使用した導電性無機酸化物粉を製造する限り、その製造コストの削減にも一定の限界があり、安価な製品としての市場への供給が不可能であった。
そこで、芯材として酸化インジウムを用いることなく、透明電極等の形成の可能な代替え製品が開発されてきた。例えば、特許文献2に開示されているように、アルミニウムをAl換算で0.01〜40重量%含有するアンチモンドープ酸化スズ粉末よりなる導電性粉末がある。そして、このアンチモンドープ酸化スズ粉末よりなる導電性粉末は、スズ化合物、アンチモン化合物及びアルミニウム化合物を含む溶液から、中和反応によって酸化スズ 、酸化アンチモン及び酸化アルミニウムの水和物の共沈物を生成させ、得られた共沈物を焼成することを特徴とする製造方法で得られるものである。このように、従来のITO粉は、湿式プロセスの中での化学的反応を利用して、導電性に欠ける無機酸化物粒子に導電性を付与するためのドーパント種をドーピングしている。
また、特許文献3に見られるように、無機粉末の表面に酸化アンチモンをドーピングした酸化錫を被覆する際、まず無機粉末が懸濁した水溶液中に塩化錫の塩酸水溶液とアルカリ水溶液とを前記無機粉末懸濁水溶液中に同時に添加し、加水分解により錫水和物を析出させて被覆し、つづいてこの溶液中に塩化錫 塩化アンチモンの混合塩酸水溶液とアルカリ水溶液とを同時に添加して前記錫水和物で被覆された無機粉末をさらに共沈したアンチモン水和物を含む錫水和物で被覆し、この様にして得られた被覆粉末を加熱焼成することからなる酸化アンチモンドープ酸化錫被覆を有する導電性粉末の製造方法を採用して、より安価な導電性無機粒子(粉)を製造する等が試みられてきた。
更に、近年は、より安価に製造できる導電性酸化亜鉛粉を、ITO粉の代替えとして使用することが行われている。例えば、特許文献4には、導電性酸化亜鉛の製造プロセス中に添加した硫酸アルミニウムに由来する硫酸アニオンの残留量を可及的に低減し、硫酸アニオンの混入による高抵抗化等の障害をなくすことを目的とした製造方法が開示されている。即ち、導電性付与対象成分である非導電性酸化亜鉛、賦活化成分である硫酸アルミニウム、侵食成分である炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素よりなる群から選択される1種以上の化合物を必須的に原料として用いる導電性酸化亜鉛の製造方法において、導電性酸化亜鉛の前駆体と硫酸根固定用カチオンを共存させ、前記硫酸アルミニウム由来の残留硫酸根を、不溶性硫酸塩として固定することを特徴とする導電性酸化亜鉛の製造方法を採用している。
特開2002−116455号公報 特開平8−12332号公報 特開平5−294631号公報 特開2000−53420号公報
しかしながら、上述のように湿式プロセスであっても、そのプロセス内で化学的反応を利用して得られる導電性無機酸化物粒子には、以下のような問題がある。
第1の問題は、酸化亜鉛にアルミニウムをドーピングする手法として、酸化亜鉛スラリーに硫酸アンモニウム等を加えアルミニウムイオンを結合させ、熱処理することにより製造する方法は、製造プロセスで使用する硫酸アンモニウムに由来する硫酸アニオンが、導電性無機酸化物粒子に残留して、粉体抵抗が上昇する等の種々の問題となる。従って、導電性無機酸化物粒子への硫酸アニオンの混入を抑制することが求められてきた。
第2の問題は、従来の導電性無機酸化物粒子の一次粒子径は、0.2μm程度と大きいことである。そのため、インク化又はペースト化する際等に樹脂成分への均一な混合ができず、これらを用いて形成したコーティング膜、フィルム等で透明性に優れた電極膜、塗膜等を得ることができない。仮に、導電性無機酸化物粒子の粒子径を小さくできれば、例えば、化粧品の分野での転用も可能となり、ファンデーション等の微粒の導電性無機酸化物粒子を添加することで、肌を透明にコーティングすることができ、UV遮蔽効果を飛躍的に高めることも容易になる。また、微粒の導電性無機酸化物粒子があれば、帯電防止、赤外線遮断を目的としたゴム製品、プラスチック製品、塗料製品に添加して用いる酸化亜鉛粉体の代替えとしての使用も可能となり、より少ない配合で高い導電率が得られるため、ゴム製品、プラスチック製品、塗料製品のコストダウン、透明性の向上も可能になる。
第3の問題は、従来の導電性無機酸化物粒子の粉体抵抗の値が、ほぼ200Ω・cm〜500Ω・cmの範囲にあり、大きな粉体抵抗を示す点である。導電性無機酸化物粉の粉体抵抗の値が低く、導電性に優れれば、酸化亜鉛粉のように赤外線領域の波長を遮断する効果を発揮する。このような微粒の酸化亜鉛粉を得ることができれば、この酸化亜鉛粉を自動車の塗料や、住宅の外壁塗料に含ませることにより、太陽光に含まれる赤外線を遮断できる。その結果、夏の強い日差しでも、室内や車内の温度上昇を効果的に防止でき、冬は暖房の熱を外部に漏らさないようにすることができ、省エネルギー的な観点からも好ましい。酸化亜鉛微粉末を化粧料に配合することにより、紫外線を吸収するのみならず、赤外線の透過を防止し、肌に対する熱線を和らげる事ができる。
以上のことから理解できるように、従来の導電性無機酸化物粉と比べ、より微粒で且つ良好な粉体抵抗を備える導電性無機酸化物粉が望まれてきた。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、以下に述べる導電性無機酸化物粒子の製造方法を採用することで、微粒の導電性無機酸化物粒子を得ることを可能とした。また、その製造方法で得られた導電性無機酸化物粒子は、その中に包含された不純物量が少ないため、粉体抵抗が低く、良好な導電性能を備える。以下、本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法及び導電性無機酸化物粒子の概要を説明する。
本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法: 本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法は、無機酸化物粒子にドーパント金属成分をドーピングして導電性を付与した導電性無機酸化物粒子の製造方法であって、無機酸化物粒子含有スラリーにドーパント金属成分を含有させた状態で電解することで、当該ドーパント金属成分と無機酸化物粒子の構成成分とを複合化させる電解ドーピングを行い、濾過し、乾燥して、濾別採取することを特徴としたものである。
そして、この本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法を、より具体的に表せば、無機酸化物粒子にドーパント金属成分をドーピングして導電性を付与した導電性無機酸化物粒子を得るものであり、以下の工程A〜工程Dを経て製造することを特徴とするものである。
工程A:当該無機酸化物粒子を含有する無機酸化物粒子含有スラリーを調製する工程。
工程B:当該無機酸化物粒子含有スラリーの中に、ドーパント金属成分を共存させ、電解法で無機酸化物粒子内にドーパント金属成分を電解ドーピングする工程。
工程C:電解ドーピングの終了したスラリーを、濾過し、乾燥して粒子を濾別採取する工程。
工程D:濾別採取した粒子を焼成して導電性無機酸化物粒子とする工程。
本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法において、前記工程Aで用いる無機酸化物粒子は、酸化亜鉛、酸化チタニウム、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、酸化セリウム、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化テルル、酸化バナジウムのいずれかを用いることが好ましい。
また、前記工程Aで用いる無機酸化物粒子は、その平均1次粒子径が1nm〜30nmのものを用いることが好ましい。
そして、前記工程Aで調製する無機酸化物粒子含有スラリーは、無機酸化物粒子を5wt%?30wt%含有したものを用いることが好ましい。
更に、前記工程Aで調製する無機酸化物粒子含有スラリーは、電解質を0.001mol/l〜0.05mol/lの濃度で含有したことが好ましい。
次に、本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法における前記工程Bで無機酸化物粒子含有スラリーに共存させるドーパント金属成分は、ドーパント金属成分の酸化物換算で0.1wt%〜20.0wt%の濃度で含有させることが好ましい。
そして、前記工程Bで用いる電解法は、陽極にドーパント金属製の溶解性アノード電極を用い、電解通電によりドーパント金属イオンを無機酸化物粒子含有スラリーに供給してドーパント金属イオン濃度を一定レベルに維持することが好ましい。
また、前記工程Bで用いる電解法は、陰極に陰極にドーパント金属製のカソード電極を用いることが好ましい。
更に、本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法における前記工程Bで用いる電解法の条件に関しても、一定の条件を採用することが好ましい。まず、スラリーの攪拌を行いつつ電解することが好ましい。
そして、前記工程Bで用いる電解法は、0.3mA/cm〜100mA/cmの電流密度で電解することが好ましい。
また、前記工程Bで用いる電解法は、スラリーの温度を30℃〜85℃の範囲として電解することが好ましい。
更に、前記工程Bは、電解が終了した後、1時間以上スラリー攪拌を継続することで、粒子分散性を向上させる補助攪拌を行うことも好ましい。
本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法において、前記工程Dの焼成に用いる還元雰囲気は、水素含有雰囲気、不活性ガス雰囲気、アンモニアガス雰囲気および真空のいずれかであることが好ましい。
前記工程Dの焼成に用いる焼成温度は、300℃〜800℃であることが好ましい。
そして、前記工程Bで用いる電解法では、電解通電時に炭酸ガスバブリングを行うことも好ましい。
前記炭酸ガスバブリングを行う際には、前記工程Cと工程Dとの間に、前記炭酸ガスバブリングにより生じた塩基性炭酸金属塩を熱分解する熱分解処理工程を設けることが好ましい。
本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法において、前記ドーパント金属成分は、ガリウム、イリジウム、銅、アンチモン、ヒ素、ホウ素、タリウム、ビスマス、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄から選ばれた一種又は2種以上の成分を用いることが好ましい。
本件発明に係る導電性無機酸化物粉: 本件発明に係る導電性無機酸化物粉は、上述のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法によって無機酸化物粒子にドーパント金属成分をドーピングして得られた導電性無機酸化物粒子で構成された導電性無機酸化物粉であって、当該導電性無機酸化物粉は、粒子径の平均1次粒子径が3nm〜40nmの導電性無機酸化物粒子で構成されたことを特徴とする。
この本件発明に係る導電性無機酸化物粉は、ドーパント金属成分を、ドーパント金属成分の酸化物換算で0.1wt%〜20.0wt%含有することが好ましい。
そして、本件発明に係る導電性無機酸化物粉は、その芯材として用いる前記無機酸化物粒子は、酸化亜鉛粒子、酸化チタニウム粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、マグネシア粒子、酸化セリウム粒子、酸化ニッケル粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化バナジウム粒子のいずれかを選択的に用いることが好ましい。
また、本件発明に係る導電性無機酸化物粉は、前記ドーパント金属成分は、ガリウム、イリジウム、銅、アンチモン、ヒ素、ホウ素、タリウム、ビスマス、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄から選ばれた一種又は2種以上の成分であることが好ましい。
更に、本件発明に係る導電性無機酸化物粉は、導電性無機酸化物粉を100wt%としたとき、無機酸化物粒子の構成金属成分量、ドーパント金属成分量、酸素成分量の各成分の合計成分量が99.9wt%以上であることが好ましい。
そして、本件発明に係る導電性無機酸化物粉は、当該導電性無機酸化物粉1.0gを円筒型の容器(内径18mm)に装填し、100kg/cmの圧力を加えた圧縮状態で、両端の抵抗を測定し得られる粉体抵抗率が500Ω・cm以下という低抵抗を示す。
本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法は、無機酸化物粒子に電解法でドーパントを粒子に導入し、その粒子を濾別採取し、焼成することにより得られるものである。この方法を採用すると、従来の湿式プロセスでの化学的反応を利用したドーピングと比べて、微細な無機酸化物粒子への安定したドーパントの導入が可能になる。しかも、電解法を採用すると、化学物質の化学的反応を利用しないため、液系の構成が単純化でき、不純物物成分の少ない液組成を採用できる。従って、本件発明に係る導電性無機酸化物粉を構成する導電性無機酸化物粒子は、不純物含有量が少なく、純度が向上する。その結果、この本件発明に係る導電性無機酸化物粒子で構成した導電性無機酸化物粉は、構成粒子の粒子径が小さくても、その粉体抵抗は小さく、良好な導電性能を示すようになる。
以下、本件発明に係る発明を実施するための形態に関して、本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造形態及び導電性無機酸化物粒子の形態の順で説明する。
<本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造形態>
本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法は、技術的思想として表現すると、無機酸化物粒子にドーパント金属成分をドーピングして導電性を付与した導電性無機酸化物粒子の製造方法であって、無機酸化物粒子含有スラリーにドーパント金属成分を含有させた状態で電解することで、当該ドーパント金属成分と無機酸化物粒子の構成成分とを複合化させる電解ドーピングを行い、濾過し、乾燥して、濾別採取することを特徴としたものと言える。そして、この技術的思想は、以下のように具体的に表現できる。以下、工程A〜工程Dに分けて、工程ごとに説明する。
工程A:この工程では、当該無機酸化物粒子を含有する無機酸化物粒子含有スラリーを調製する。最初に、無機酸化物粒子に関して説明する。ここで言う無機酸化物粒子とは、酸化亜鉛、酸化チタニウム、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、酸化セリウム、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化テルル、酸化バナジウムのいずれかを用いることが好ましい。ここに記載した無機酸化物粒子であれば、電解法を用いてドーパント金属成分のドーピングが可能だからである。ここで言う無機酸化物粒子に関しての製造方法には、特段の限定はない。例えば、湿式合成法、化学気相反応法、スパッタリング法、ゾル−ゲル法等の種々の方法を採用することができる。
そして、前記工程Aで用いる無機酸化物粒子は、その平均1次粒子径が1nm〜30nmのものを用いることが好ましい。ここで、無機酸化物粒子の平均1次粒子径の下限値を1nmとしているが、厳密に言えば1nm未満のものを完全に排除する意味で記載したのではない。平均1次粒子径が1nm未満の場合、透過型電子顕微鏡を使用して500000倍程度の倍率を採用しても、その粒子径の正確な測定が困難となるから、一応の下限値としている。一方、無機酸化物粒子の平均1次粒子径が30nmを超えても、特段の問題はないが、本件発明が目的としている微粒の導電性無機酸化物粒子を得るという目的を逸脱することになる。例えば、化粧品原料として用いる場合、1μm厚さ以下の薄く且つ微細な透明電極を形成する場合等の要求品質を満たさない場合がある。従って、無機酸化物粒子の製造安定性及びあらゆる分野での使用安定性を考えれば、5nm〜20nmの範囲の粒子径の無機酸化物粒子を使用することが好ましい。
そして、ここで明記しておくが、上述した平均1次粒子径の範囲を超える大きな粒径の粒子を用いることも可能である。この場合には、後述する炭酸ガスのバブリングにより無機酸化物粒子の溶解が起こり、炭酸亜鉛等の金属塩が生じる。この過程で、当初の無機酸化物粒子の粒径が小さくなるからである。この炭酸ガスバブリングに関しては、後述する。
次に、前記工程Aで調製する無機酸化物粒子含有スラリーは、無機酸化物粒子を5wt%?30wt%含有したものを用いることが好ましい。ここで、無機酸化物粒子含有スラリーとは、基本的に無機酸化物粒子を水に分散させたものである。ここで、無機酸化物粒子含有スラリー中の無機酸化物粒子が5wt%未満の場合には、無機酸化物粒子の含有量が少なく、得られる導電性無機酸化物粒子の量も少なくなるため、工業的に要求される生産性を満足しない。一方、無機酸化物粒子含有スラリー中の無機酸化物粒子が30wt%を超える場合には、スラリー濃度が高くなりすぎて、攪拌が困難となり、反応系内で不均一な反応が起こりやすく、且つ、粒子同士の凝集化も起こりやすくなる傾向がある。
また、本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造では、前記工程Aで調製する無機酸化物粒子含有スラリーに電極を浸漬して電解を行うのである、従って通電を可能とするための電解質を添加することが好ましい。この電解質には、無機酸としては塩酸を用いることも可能で好ましい。導電性無機酸化物粒子の純度に大きな影響を与えないからである。そして、電解質として、無機酸化物粒子の構成金属成分を含む電解質を用いることも好ましい。例えば、無機酸化物粒子に酸化亜鉛を用いる場合には塩化亜鉛、無機酸化物粒子に酸化チタニウムを用いる場合には硫酸チタン、無機酸化物粒子にシリカを用いる場合には珪酸ナトリウム、無機酸化物粒子にアルミナを用いる場合には水酸化アルミニウム、無機酸化物粒子にジルコニアを用いる場合には硫酸ジルコニウム、無機酸化物粒子にマグネシアを用いる場合には硫酸マグネシウムを用いる等である。その他、不純物とならず、導電性を阻害しない電解質を添加することも可能である。
そして、無機酸化物粒子含有スラリーの中に、電解質は0.001mol/l〜0.05mol/l濃度で含有することが好ましい。電解質が0.001mol/l未満の場合には、電解時に良好な通電ができず、ドーパント金属成分を均一に無機酸化物粒子へドーピング出来なくなる。一方、電解質が0.05mol/lを超えても、電解時の通電に何ら影響は出ないが、可溶性アノードとして陽極に配置したアルミニウム材の溶解が不均一になり、無機酸化物粒子へのドーパント金属成分のドーピングが不均一になると同時に、陰イオン量が適正でなければ、陰イオン自体が不純物成分を構成する。
工程B:この工程では、当該無機酸化物粒子含有スラリーの中に、ドーパント金属成分を共存させ、電解法で無機酸化物粒子内にドーパント金属成分を電解ドーピングする。ここで言う無機酸化物粒子含有スラリーの中にドーパント金属成分を共存させる方法としては、無機酸化物粒子含有スラリーの中にドーパント金属成分の水酸化物の如き化合物を当初から添加しておく方法、溶解性のドーパント金属成分で構成した電極を用い、通電することで無機酸化物粒子含有スラリーの中にドーパント金属成分を溶出させる方法、これらの双方を組み合わせた方法等の使用が可能である。例えば、無機酸化物粒子含有スラリーの中にアルミニウム化合物である水酸化アルミニウムを当初から添加するか、溶解性のアルミニウム電極を用い、通電により、無機酸化物粒子含有スラリーの中にアルミニウム成分を溶出させる方法等の使用が可能である。電解ドーピング時に無機酸化物粒子含有スラリーの中に、アルミニウム成分が共存していれば足りるからである。そして、溶解性のドーパント金属成分で構成した電極を用いる場合には、図1に示すように、無機酸化物粒子含有スラリーを、電解ドーピング装置1の電解槽2の中に入れ、アノード電極3、カソード電極4を配置して、通電して電解することにより、無機酸化物粒子10内にドーパント金属成分を電解ドーピングする。
この工程Bを説明するにあたり、最初に、電解ドーピングのメカニズムに関して、主に酸化亜鉛粒子にアルミニウムをドーピングする場合を例にとり説明する。ここで言う電解ドーピングとは、電極間に外部から電気エネルギーを与え、所定の電気分解反応を起させ、発生したイオンを、無機酸化物粒子に対して複合化させる方法である。このときの電解反応は、電極と酸化亜鉛スラリーとの境界面で起こる電極反応(1次反応)と、Al3+イオンとZnOが複合化する2次反応とに分けられる。この2次反応を利用して酸化亜鉛等の無機酸化物粒子にドーパント金属成分を複合化する。
このときの電解ドーピングは、陽極にアルミニウムで構成した可溶性アノードを用いる。このときの陽極は、電気分解時に陽極からAl3+イオンが溶出する。そして、この溶出したAl3+イオンは、活性化した状態にあるためスラリー中で水酸化アルミニウムとなる。そして、以下に述べる2プロセスのいずれか若しくは双方のプロセスが同時に起こることにより、無機酸化物粒子に対してドーパント金属成分のドーピングが可能になると考えられる。以下に述べるドーピングプロセスに関係なく、このような電解ドーピングは、薬品類の消費が非常に少ないことから、不純物の少ない状態でドーパント金属成分のドーピングを行うことができる点に特徴を備えている。以下、ドーパント金属成分として、アルミニウムを用いて説明する。
第1のプロセスは、電解を行うことで、無機酸化物粒子含有スラリーの中で、ドーパント金属成分であるアルミニウム製陽極から溶出したAl3+イオンが、水酸化アルミニウムへと転化し、この水酸化アルミニウムが無機酸化物粒子表面に付着し、その後、焼成を受けることにより、水酸化物が酸化物へと転化し、同時にドーパント金属成分であるアルミニウム成分が無機酸化物粒子の粒内に拡散することでドーピングが完了する。
第2のプロセスは、電解を行うことで、無機酸化物粒子含有スラリーの中で、ドーパント金属成分であるアルミニウム製陽極から溶出したAl3+イオンが水酸化アルミニウムへと転化する。また、一方では同時に、無機酸化物粒子含有スラリーに含まれる無機酸化物粒子を炭酸ガスバブリングを用いて、その一部又は全部を溶解し、塩基性炭酸金属塩(例えば、炭酸亜鉛)となる。そして、水酸化アルミニウムと塩基性炭酸金属塩とが複合した共析物を形成して、その後、焼成を受けることにより、水酸化物及び塩基性炭酸金属塩が酸化物へと転化し、ドーパント金属成分であるアルミニウム成分を均一に含んだ無機酸化物粒子となりドーピングが完了する。なお、この炭酸ガスバブリングは、電解ドーピングを行う前から無機酸化物粒子含有スラリーに対して行っていても良い。
このようにドーパント金属成分としてのアルミニウム成分を、無機酸化物粒子に対してドーピングすると、導電性の無い無機酸化物粒子に対して、以下のような理論で導電性を付与できる。酸化亜鉛粒子を例にとって説明する。即ち、酸化亜鉛粒子を構成する酸化亜鉛(ZnO)は、ウルツ鉱型結晶構造を備える。このウルツ鉱型結晶構造とは、陰イオンと陽イオンとが1:1の割合で結合したイオン結晶にみられる結晶構造の一種である。このときの酸化物イオンの形成する六方最密格子配列と亜鉛イオンの形成する六方最密格子配列とが組み合わさってできる構造と言える。即ち、一方の六方最密格子が、他方の六方最密格子の高さ方向に、六角柱の高さの3/8分ずれて重なり合ったものと見なせる。ドーパント金属成分を酸化亜鉛粒子にドーピングすると、酸化亜鉛粒子の亜鉛サイトにAl3+イオン等のドーパント金属イオンが置換すると考えられる。ここで、Zn2+イオンは最外郭電子が2個であるのに対し、置換したドーパント金属イオンは最外郭電子が1,3,5個あることを考えるに、例えば、Zn2+イオンがAl3+イオンに置換すると、相対的に電子が一つ余った状態になる。この余った電子が、自由電子となり、この自由電子が増加すると、電流が流れやすくなる。その結果、酸化亜鉛粒子の粉体抵抗が低下し、導電性を発揮することになる。
ここで、半導体の電気的導通理論を考え合わせてみる。純粋半導体の単結晶中に微少量の不純物を混入した物を不純物半導体と言う。そして、この不純物半導体には、n型半導体とp型半導体とに分別できる。このn型半導体は、高純度の半導体材料(主としてシリコン)に砒素等のシリコンより価数が一つ大きい元素を不純物として微量添加して製造される。このシリコンの結晶は、隣接したシリコン原子が互いの電子を共有して、それぞれの原子が8個の電子を持っている如き状態で結合している。この状態の電子は、原子に強く束縛され、殆ど電気伝導に寄与できない。従って、純粋なシリコン結晶は、導体でも絶縁体でもなく、電流が流れにくい「半導体」の状態にある。そこに、価電子を5個備える砒素を加えることで、外殻で1個の電子が余り、その電子は砒素原子からの束縛が弱くなり自由に動くことができるようになる。そして、電子自体は、マイナスの電荷を持っているので、電圧が加えられると、この電子がプラス電極に向かって流れることになる。
酸化亜鉛粒子にドーパント金属成分としてアルミニウム成分をドーピングすると、ここで述べたn型半導体の導電理論の適用が可能になる。酸化亜鉛のエネルギーバンドで考えれば、エネルギーギャップを越えて伝導帯に電子が励起されれば、伝導帯の電子は自由に動くことができ、電流を流すことができるようになる。酸化亜鉛の場合、価電子帯と伝導体とのエネルギーギャップは3.2eV程度の半導体である。従って、室温においては、熱的に価電子帯から伝導体へと励起される電子の数は少なく、粉体抵抗は非常に大きくなる。しかし、ドーパント金属成分をドーピングすることで、外殻に一つ余った自由電子、ホールは、ドナーレベルを形成し、室温程度でも電子が容易にドーパント金属イオンからはなれることができ、その結果,室温下で電気伝導体として機能する導電性亜鉛酸化物粒子となる。
そして、工程Bで用いる陽極には、ドーパント金属成分で構成した溶解性アノード電極(例えば、アルミニウム電極)を用いることが好ましい。このように溶解性アノード電極を用いることで、通電量に応じて、ドーパント金属イオンが溶出するため、電解に供している無機酸化物粒子含有スラリーの中でのドーパント金属イオン量を一定レベルに維持することが可能であり、電解の安定性が向上する。なお、ここで溶解性アノードとしてアルミニウム電極を用いる場合には、所謂純アルミニウムを用いることが好ましい。合金系のアルミニウム材を用いると、マンガン、鉄等の不純物元素量が増加して、得られる導電性無機酸化物粒子の純度が低下するため好ましくない。
ここで、電解液中でのドーパント金属濃度に関しては、ドーパント金属の酸化物(ドーパント金属がアルミニウムである場合には酸化アルミニウム(Al))換算で0.1wt%〜20.0wt%含有した範囲にあることが好ましい。このドーパント金属濃度が0.1wt%未満の場合には、ドーパント金属成分のドーピング速度が遅く、ドーピング量も少なくなるため、無機酸化物粒子から十分な導電性能を備えた導電性無機粒子を得ることが困難となる。一方、このドーパント金属濃度が20.0wt%を超える場合には、ドーピング量が過剰になり、得られる導電性無機酸化物粒子のキャリヤ濃度が過剰になるためキャリヤー移動度が減少し、ドーパント金属酸化物(例えば、Al)の形成も顕著となり、粉体抵抗が高くなるため好ましくない。
また、前記工程Bで用いる電解法は、陰極にもドーパント金属製のカソード電極を用いることが好ましい。電解においては、陽極と陰極との材質の組み合わせにより、その電解時の分極状態に変化が生じ、適正な電解を可能とするか否かの重要な要素となりうる。この点を考慮して、無機酸化物粒子にドーパント金属成分をドーピングする場合には、ドーパント金属製の溶解性アノード電極との組み合わせを考慮して、陰極にはアルミニウム、亜鉛等の最適なカソード電極を適宜選択使用することが、溶解性アノード電極からのドーパント金属成分の溶出を促し、適正なドーピング操作が可能になる。
本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法において、前記工程Bで用いる電解条件として、無機酸化物粒子含有スラリーの攪拌を行いつつ電解することが好ましい。静置した無機酸化物粒子含有スラリーの中では、当初攪拌をしていても、攪拌を停止すると無機酸化物粒子が沈降するため、電解による均一なドーピングが行えなくなるからである。
そして、前記工程Bで用いる電解法では、電解通電時に炭酸ガスバブリングを行うことも好ましい。これは炭酸ガスバブリングにより、無機酸化物粒子含有スラリー中で無機酸化物粒子の一部又は全部を溶解させ、塩基性炭酸金属塩を生成させ、ドーパント金属の水酸化と共析させ、熱分解することでより微細な導電性酸化金属粒子を得るためである。従って、酸化亜鉛粒子の場合には、無機酸化物粒子含有スラリー中で塩基性炭酸亜鉛Zn(CO)を生成させることになる。
また、前記工程Bの電解法では、0.3mA/cm〜100mA/cmの電流密度で電解することが好ましい。この電流密度が0.3mA/cm未満の場合には、無機酸化物粒子に対する所定量のドーパント金属成分のドーピング速度が遅く、ドーピング量が少なくなる。ドーピング量が少ないとキャリヤー濃度が少なく、導電性無機酸化物粒子に求められる導電性能が得られない。一方、電流密度が100mA/cmを超えるものとした場合には、無機酸化物粒子に対するドーパント金属成分のドーピング速度が過剰になり、ドーピング量が増加する。このドーピング量が多いと、導電性無機酸化物粒子としてのキャリヤ濃度が多くなり、キャリヤー移動度が減少する。また、Al等のドーパント金属酸化物が形成され抵抗が高くなる傾向がある。
更に、前記工程Bで用いる電解は、無機酸化物粒子含有スラリーの温度を30℃〜85℃の範囲として電解することが好ましい。液温が30℃未満の場合には、ドーピング反応の速度が遅くなり、且つ、上述の炭酸ガスバブリングを行った際の無機酸化物粒子含有スラリー中の塩基性炭酸金属塩の生成が困難となる。一方、液温が85℃を超える場合には、無機酸化物粒子含有スラリーの水分蒸発が顕著になり、無機酸化物粒子含有スラリーに含まれる成分の濃度を安定的に維持できないために、安定した電解ドーピングが行えないために好ましくない。
そして、前記工程Bでは、電解ドーピングが終了した後、1時間以上スラリー攪拌を継続することで、粒子分散性を向上させる補助攪拌を行うことも好ましい。仮に粒子同士が電解ドーピング時に再凝集しても、このような事後的な補助攪拌を行うことで、粒子同士の凝集状態を破壊して粒子分散性を向上させることが可能である。このときの攪拌方法としては、攪拌バネによる攪拌、緩やかな流体ミル攪拌、T.K.フィルミックスと称される装置等に代表される層流式攪拌等の採用が可能である。
工程C:この工程では、電解ドーピングの終了したスラリーを、濾過し、乾燥して粒子を濾別採取する。このときの濾過方法及び乾燥方法に関しては、特段の限定はなく、公知のいずれの方法、装置の使用も可能である。
工程D:この工程では、濾別採取した粒子を焼成して導電性無機酸化物粒子とする。本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法において、前記工程Dの焼成に用いる還元雰囲気は、水素含有雰囲気、不活性ガス雰囲気、アンモニアガス雰囲気および真空のいずれかであることが好ましい。ここで、還元雰囲気又は非酸化性雰囲気を採用したのは、大気中での焼成に比べ焼成速度が速く、その結果、無機酸化物の結晶格子の原子サイト(例えば、酸化亜鉛における亜鉛サイト)に対し、ドーパント金属イオンの置換が容易になり、ドーパント金属成分を十分に固溶した状態となり、無機酸化物から電子が1つ放出されるため導電性が発現し抵抗が下がるため、低抵抗の導電性酸化物を得やすくなるからである。
そして、前記工程Dの焼成に用いる焼成温度は、300℃〜800℃であることが好ましい。300℃未満の焼成温度の場合には、無機酸化物の結晶格子の原子サイト(例えば、酸化亜鉛における亜鉛サイト)に対し、アルミニウムイオンの置換が困難になり、その結果、良好な導電性を備える導電性酸化物が得られにくくなる。また、焼成に長時間を要するため、工業的に求められる生産性を満足し得ない。一方、500℃を超える焼成温度を採用した場合、無機酸化物の結晶格子の原子サイト(例えば、酸化亜鉛における亜鉛サイト)に対するアルミニウムイオンの置換は容易となるが、粒子同士の焼結が起こりやすくなり、粒子凝集を起こして粗大な2次粒子に成長するため好ましくない。以上の温度範囲で、導電性無機粒子として更に安定した品質と生産性とを考えると、300℃〜500℃の焼成温度を用いることが更に好ましい。
また、前記炭酸ガスバブリングを行う際には、前記工程Cと工程Dとの間に、前記炭酸ガスバブリングにより生じた塩基性炭酸金属塩を熱分解する熱分解処理工程を設けることが好ましい。この熱分解工程は、電解が終了し、焼成前の塩基性炭酸金属塩の付着した無機酸化物粒子に対して行うものである。例えば、無機酸化物粒子として酸化亜鉛粒子を用いた場合には、この酸化亜鉛粒子に付着した塩基性炭酸亜鉛Zn(CO)を熱分解させるためにおこなう。このときの塩基性炭酸金属塩の熱分解温度として250℃〜400℃、熱分解時間1時間〜3時間、焼成雰囲気は大気雰囲気という範囲の条件を使用することが好ましい。ここで、熱分解温度が250℃未満の場合には、迅速な塩基性炭酸金属塩の熱分解ができない。一方、熱分解温度が400℃を超えると、塩基性炭酸金属塩の熱分解の熱分解と同時に、前記工程Dの焼成で生ずる現象が同時に起こるため、良好な品質を備える導電性無機酸化物粒子が得られない。なお、熱分解時間は、選択した熱分解温度によって定められるものである。
<本件発明に係る導電性無機酸化物粒子の形態>
以上に述べてきた本件発明に係る導電性無機酸化物粉の製造方法は、従来に無い微粒の導電性無機酸化物粒子の製造に好適である。従って、原料として微粒の無機酸化物粒子を用いれば、平均1次粒子径が3nm〜40nmのドーパント金属成分をドーピングした導電性無機酸化物粒子が得られる。この粒子径の範囲は、原料として用いる無機酸化物粒子に、1nm〜30nmの平均1次粒子径のものを用いた場合に得られるものである。このレベルの平均1次粒子径を備える導電性無機酸化物粒子で構成した導電性酸化物粉は、従来の化学反応を利用した製造方法では得ることができず、その結果、現在の市場で流通している製品ではない。
そして、以上の製造方法をもって製造される本件発明に係る導電性無機酸化物粉は、ドーパント金属成分を、ドーパント金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム(Al))換算で0.1wt%〜20.0wt%で含有する製品の提供が可能である。ここで、導電性無機酸化物粉のドーパント金属成分が、ドーパント金属酸化物換算で0.1wt%未満の場合には、ドーパント金属成分の無機酸化物粒子に対するドーピング量が不足して、無機酸化物粒子への導電性の付与が困難となる。一方、導電性無機酸化物粉のドーパント金属成分が、ドーパント金属酸化物換算で換算で20.0wt%を超えてる場合、ドーパント金属成分のドーピング後の導電性無機酸化物粒子の導電性が更に向上していくものでもなく、資源の無駄遣いとなり好ましくない。
また、本件発明に係る導電性無機酸化物粉は、その芯材として用いる前記無機酸化物粒子は、酸化亜鉛粒子、酸化銅、酸化チタニウム粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、マグネシア粒子、酸化セリウム粒子、酸化ニッケル粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化バナジウム粒子のいずれかを選択的に用いることが好ましい。少なくとも、ここに列記した無機酸化物粒子は、ドーパント金属成分のドーピングに行うにあたり、上記製造方法を適用するのに適しており、効率の良いドーパント金属成分のドーピングが可能だからである。
更に、本件発明に係る導電性無機酸化物粉は、導電性無機酸化物粉を100wt%としたとき、無機酸化物粒子の構成金属成分量(亜鉛)、ドーパント金属成分量、酸素成分量の各成分の合計成分量が99.9wt%以上とすることが可能である。この各成分の合計成分量は、所謂純度と同一視できるものであり、以下「純度」と称する。従来の、化学的反応を用いた湿式合成法では、導電性無機酸化物粒子の製造に硫酸アルミニウムを使用するため、これに由来する硫酸アニオンの残留量が多く、得られた導電性無機酸化物粒子に対して硫酸アニオンが多く混入しており、粉体抵抗又は形成した導体の高抵抗化が発生していた。このときの純度は、99.8wt%が限度である。ところが、上述の本件発明に係る導電性無機酸化物粉の製造方法を用いると、導電性無機酸化物粒子に対する硫酸アニオンの混入が少なくなり、本件発明に係る導電性無機酸化物粉の粉体抵抗又はこれを用いて形成した導体抵抗も低くなる。
以上に述べてきた本件発明に係る導電性無機酸化物粉は、極めて微細な粒子から構成されていても、良好な粉体抵抗を備える。これはドーパントであるドーパント金属成分が、無機酸化物粒子内へ均一に分散し、且つ、導電性を阻害する不純物レベルが低いためであると考えられる。このときの粉体抵抗は、当該導電性無機酸化物粉1.0gを円筒型の容器(内径18mm)に装填し、100kg/cmの圧力を加えた圧縮状態で、両端の抵抗を測定して、算出可能な粉体抵抗率を用いて表している。そして、この粉体抵抗率が500Ω・cm以下という低抵抗を示すものになる。以下、本件発明の技術的思想の内容の理解が、より容易となるように実施例を示して説明する。
この実施例では、石原産業株式会社製の酸化亜鉛(ZnO)粒子(CP−1)にアルミニウム成分(Al3+)をドーピングさせた。ここでは、図1に示す電解ドーピング装置1を用いた。この電解ドーピング装置1は、電解槽2、アノード電極3(アルミニウム電極)、カソード電極4(アルミニウム電極)、攪拌手段5、外部電源6とから構成されている。なお、アノード電極3及びカソード電極4の双方共に6.0cm×6.0cmのアルミニウム板を用い、アノード電極3とカソード電極4との極間距離は、3.0cmとした。以下、工程ごとに説明する。
工程A: 電解ドーピング装置1の電解槽2に400mlのイオン交換水を入れ、ここに無機酸化物粒子として酸化亜鉛粉を10g、及び、電解質として0.05gの塩化亜鉛(ZnCl)を添加して、攪拌手段5で攪拌することで、酸化亜鉛粒子含有スラリー7を調製した。なお、ここで用いた酸化亜鉛粉は、平均1次粒子径が20nmの酸化亜鉛粒子で構成されたものである。そして、攪拌手段は、マグネティックスターラを用いた。
工程B: この工程では、当該酸化亜鉛粒子含有スラリーの中で、電解通電を開始して、アノード電極3であるアルミニウム電極からアルミニウムイオンの溶出を行い、溶出したアルミニウムイオンが当該酸化亜鉛粒子含有スラリー中で水酸化アルミニウムに転化して、水酸化アルミニウムの共存状態を形成する。なお、ここでの電解条件は、合成電流(200mA),合成時間(1時間),合成温度(40℃)の条件を採用した。
また、電解通電の開始と同時に、炭酸ガスバブリング(炭酸ガス流量100ml/min)を行い、当該酸化亜鉛粒子含有スラリー中の酸化亜鉛粒子の一部を溶解させ、当初の酸化亜鉛粒子を更に微細化すると同時に、塩基性炭酸亜鉛(Zn(CO))を生成させた。
即ち、微粒化して存在する未溶解の酸化亜鉛粒子は、陽極から溶出したAl3+イオンが水酸化アルミニウムへと転化し、この水酸化アルミニウムが粒子表面に付着させることを意図した。同時に、炭酸ガスバブリングにより生成した塩基性炭酸亜鉛は、水酸化アルミニウムと塩基性炭酸金属塩とが複合した共析物を形成させることを意図した。即ち、上述の第1のプロセスと第2のプロセスとを同時に行った。
そして、電解が終了した後、補助攪拌として24時間のスラリー攪拌を継続し、粒子分散性を向上させた。
工程C:ここでは、電解ドーピングが終了し、補助攪拌の終了したスラリーを、吸引ろ過し、乾燥機内で105℃×24時間の乾燥を行い、粒子を濾別採取した。
そして、この実施例では、炭酸ガスバブリングを行っているので、炭酸ガスバブリングにより生じた塩基性炭酸亜鉛を熱分解する熱分解処理工程を設けた。このときの熱分解条件には、分解温度300℃,加熱時間1時間,加熱雰囲気は大気雰囲気という条件を採用した。
工程D:ここでは、塩基性炭酸亜鉛の熱分解の終了した粒子を焼成して導電性無機酸化物粒子を得た。このときの焼成雰囲気には、還元性雰囲気として100%Hを用い、焼成温度には400℃、焼成時間は3時間とした。
この実施例では、石原産業株式会社製の酸化亜鉛(ZnO)粒子(CP−1)にガリウム分(Ga+)をドーピングさせた。ここでは、図1に示す電解ドーピング装置1を用いた。この電解ドーピング装置1は、電解槽2、アノード電極3(ガリウム電極)、カソード電極4(銅電極)、攪拌手段5、外部電源6とから構成されている。なお、アノード電極3及びカソード電極4の双方共に6.0cm×6.0cmの銅板を用い、アノード電極3とカソード電極4との極間距離は、3.0cmとした。以下、工程ごとに説明する。
工程A: 電解ドーピング装置1の電解槽2に400mlのイオン交換水を入れ、ここに無機酸化物粒子として酸化亜鉛粉を10g、及び、電解質として0.05gの塩化亜鉛(ZnCl)を添加して、攪拌手段5で攪拌することで、酸化亜鉛粒子含有スラリー7を調製した。なお、ここで用いた酸化亜鉛粉は、平均1次粒子径が20nmの酸化亜鉛粒子で構成されたものである。そして、攪拌手段は、マグネティックスターラを用いた。
工程B: この工程では、当該酸化亜鉛粒子含有スラリーの中で、電解通電を開始して、アノード電極3である銅電極からガリウムイオンの溶出を行い、溶出したガリウムイオンが当該酸化亜鉛粒子含有スラリー中で水酸化ガリウムに転化して、水酸化ガリウムの共存状態を形成する。なお、ここでの電解条件は、合成電流(100mA),合成時間(1時間),合成温度(40℃)の条件を採用した。
また、電解通電の開始と同時に、炭酸ガスバブリング(炭酸ガス流量100ml/min)を行い、当該酸化亜鉛粒子含有スラリー中の酸化亜鉛粒子の一部を溶解させ、当初の酸化亜鉛粒子を更に微細化すると同時に、塩基性炭酸亜鉛(Zn(CO))を生成させた。
即ち、微粒化して存在する未溶解の酸化亜鉛粒子は、陽極から溶出したGa+イオンが水酸化ガリウムへと転化し、この水酸化ガリウムが粒子表面に付着させることを意図した。同時に、炭酸ガスバブリングにより生成した塩基性炭酸亜鉛は、水酸化ガリウムと塩基性炭酸金属塩とが複合した共析物を形成させることを意図した。即ち、上述の第1のプロセスと第2のプロセスとを同時に行った。
そして、電解が終了した後、補助攪拌として24時間のスラリー攪拌を継続し、粒子分散性を向上させた。
工程C:ここでは、電解ドーピングが終了し、補助攪拌の終了したスラリーを、吸引ろ過し、乾燥機内で105℃×24時間の乾燥を行い、粒子を濾別採取した。
そして、この実施例では、炭酸ガスバブリングを行っているので、炭酸ガスバブリングにより生じた塩基性炭酸亜鉛を熱分解する熱分解処理工程を設けた。このときの熱分解条件には、分解温度300℃,加熱時間1時間,加熱雰囲気は大気雰囲気という条件を採用した。
工程D:ここでは、塩基性炭酸亜鉛の熱分解の終了した粒子を焼成して導電性無機酸化物粒子を得た。このときの焼成雰囲気には、還元性雰囲気として100%Hを用い、焼成温度には400℃、焼成時間は3時間とした。
この実施例では、石原産業株式会社製の酸化亜鉛(ZnO)粒子(CP−1)にインジウム分(Ir+)をドーピングさせた。ここでは、図1に示す電解ドーピング装置1を用いた。この電解ドーピング装置1は、電解槽2、アノード電極3(イリジウム電極)、カソード電極4(銅電極)、攪拌手段5、外部電源6とから構成されている。なお、アノード電極3及びカソード電極4の双方共に6.0cm×6.0cmの銅板を用い、アノード電極3とカソード電極4との極間距離は、3.0cmとした。以下、工程ごとに説明する。
工程A: 電解ドーピング装置1の電解槽2に400mlのイオン交換水を入れ、ここに無機酸化物粒子として酸化亜鉛粉を10g、及び、電解質として0.05gの塩化亜鉛(ZnCl)を添加して、攪拌手段5で攪拌することで、酸化亜鉛粒子含有スラリー7を調製した。なお、ここで用いた酸化亜鉛粉は、平均1次粒子径が20nmの酸化亜鉛粒子で構成されたものである。そして、攪拌手段は、マグネティックスターラを用いた。
工程B: この工程では、当該酸化亜鉛粒子含有スラリーの中で、電解通電を開始して、アノード電極3であるイリジウム電極からイリジウムイオンの溶出を行い、溶出したイリジウムイオンが当該酸化亜鉛粒子含有スラリー中で水酸化イリジウムに転化して、水酸化イリジウムの共存状態を形成する。なお、ここでの電解条件は、合成電流(100mA),合成時間(1時間),合成温度(40℃)の条件を採用した。
また、電解通電の開始と同時に、炭酸ガスバブリング(炭酸ガス流量100ml/min)を行い、当該酸化亜鉛粒子含有スラリー中の酸化亜鉛粒子の一部を溶解させ、当初の酸化亜鉛粒子を更に微細化すると同時に、塩基性炭酸亜鉛(Zn(CO))を生成させた。
即ち、微粒化して存在する未溶解の酸化亜鉛粒子は、陽極から溶出したIr+イオンが水酸化インジウムへと転化し、この水酸化インジウムが粒子表面に付着させることを意図した。同時に、炭酸ガスバブリングにより生成した塩基性炭酸亜鉛は、水酸化イリジウムと塩基性炭酸金属塩とが複合した共析物を形成させることを意図した。即ち、上述の第1のプロセスと第2のプロセスとを同時に行った。
そして、電解が終了した後、補助攪拌として24時間のスラリー攪拌を継続し、粒子分散性を向上させた。
工程C:ここでは、電解ドーピングが終了し、補助攪拌の終了したスラリーを、吸引ろ過し、乾燥機内で105℃×24時間の乾燥を行い、粒子を濾別採取した。
そして、この実施例では、炭酸ガスバブリングを行っているので、炭酸ガスバブリングにより生じた塩基性炭酸亜鉛を熱分解する熱分解処理工程を設けた。このときの熱分解条件には、分解温度300℃,加熱時間1時間,加熱雰囲気は大気雰囲気という条件を採用した。
工程D:ここでは、塩基性炭酸亜鉛の熱分解の終了した粒子を焼成して導電性無機酸化物粒子を得た。このときの焼成雰囲気には、還元性雰囲気として100%Hを用い、焼成温度には400℃、焼成時間は3時間とした。
この実施例では、石原産業株式会社製の酸化亜鉛(ZnO)粒子(CP−1)に銅成分(Cu+)をドーピングさせた。ここでは、図1に示す電解ドーピング装置1を用いた。この電解ドーピング装置1は、電解槽2、アノード電極3(銅電極)、カソード電極4(銅電極)、攪拌手段5、外部電源6とから構成されている。なお、アノード電極3及びカソード電極4の双方共に6.0cm×6.0cmの銅板を用い、アノード電極3とカソード電極4との極間距離は、3.0cmとした。以下、工程ごとに説明する。
工程A: 電解ドーピング装置1の電解槽2に400mlのイオン交換水を入れ、ここに無機酸化物粒子として酸化亜鉛粉を10g、及び、電解質として0.05gの塩化亜鉛(ZnCl)を添加して、攪拌手段5で攪拌することで、酸化亜鉛粒子含有スラリー7を調製した。なお、ここで用いた酸化亜鉛粉は、平均1次粒子径が20nmの酸化亜鉛粒子で構成されたものである。そして、攪拌手段は、マグネティックスターラを用いた。
工程B: この工程では、当該酸化亜鉛粒子含有スラリーの中で、電解通電を開始して、アノード電極3である銅電極から銅イオンの溶出を行い、溶出した銅イオンが当該酸化亜鉛粒子含有スラリー中で水酸化銅に転化して、水酸化銅の共存状態を形成する。なお、ここでの電解条件は、合成電流(100mA),合成時間(0.5時間),合成温度(40℃)の条件を採用した。
また、電解通電の開始と同時に、炭酸ガスバブリング(炭酸ガス流量100ml/min)を行い、当該酸化亜鉛粒子含有スラリー中の酸化亜鉛粒子の一部を溶解させ、当初の酸化亜鉛粒子を更に微細化すると同時に、塩基性炭酸亜鉛(Zn(CO))を生成させた。
即ち、微粒化して存在する未溶解の酸化亜鉛粒子は、陽極から溶出した銅イオンが、この水酸化銅が粒子表面に付着させることを意図した。同時に、炭酸ガスバブリングにより生成した塩基性炭酸亜鉛は、水酸化銅と塩基性炭酸金属塩とが複合した共析物を形成させることを意図した。即ち、上述の第1のプロセスと第2のプロセスとを同時に行った。
そして、電解が終了した後、補助攪拌として24時間のスラリー攪拌を継続し、粒子分散性を向上させた。
工程C:ここでは、電解ドーピングが終了し、補助攪拌の終了したスラリーを、吸引ろ過し、乾燥機内で105℃×24時間の乾燥を行い、粒子を濾別採取した。
そして、この実施例では、炭酸ガスバブリングを行っているので、炭酸ガスバブリングにより生じた塩基性炭酸亜鉛を熱分解する熱分解処理工程を設けた。このときの熱分解条件には、分解温度300℃,加熱時間1時間,加熱雰囲気は大気雰囲気という条件を採用した。
工程D:ここでは、塩基性炭酸亜鉛の熱分解の終了した粒子を焼成して導電性無機酸化物粒子を得た。このときの焼成雰囲気には、還元性雰囲気として100%Hを用い、焼成温度には400℃、焼成時間は3時間とした。
<導電性無機酸化物の評価結果>
抵抗測定: 得られた導電性酸化亜鉛粒子で構成した導電性酸化亜鉛粉を用いて、粉体抵抗の測定を行った。このときの粉体抵抗は、粉体1.0gを円筒型の容器(内径18mm)に装填し、上部より100kg/cmの圧力を加えた圧縮状態で、両端の抵抗を測定し、得られた抵抗値から粉体抵抗率を、以下の数1で算出した。
Figure 2009075375
その結果、従来の湿式反応法による塩類ドーピングで得られた市販品(ハクスイテック株式会社製:23−K)の導電性酸化亜鉛粒子の粉体抵抗は、500Ω・cmであった。これに対し、本件発明に係る電解ドーピング法で得られた導電性酸化亜鉛粒子の粉体抵抗は、100Ω・cmであった。即ち、本件発明に係る電解ドーピング法で得られた導電性酸化亜鉛粒子は、従来の市販品の導電性酸化亜鉛粒子と比べて、極めて低い粉体抵抗を備えることが理解できる。
成分含有量測定: 得られた導電性酸化亜鉛粒子に含まれるドーパント金属成分のドーピング率は、原子吸光法を用いて測定した。原子吸光用試料の調製方法については、得られた導電性酸化亜鉛粒子0.2gを、100mlのビーカーに入れ、ここに塩酸:水=1:1を50ml加え煮沸した。これを濾過して水で洗浄した。このときの濾液と洗液とは、100mlのメスフラスコに集め、水で標線まで希釈し、これを原子吸光分析用の試料とした。そして、原子吸光分析における吸光度の測定は,既知のドーパント金属成分濃度の標準試料を用いてドーパント金属成分と吸光度との関係を求めて検量線を作成し、未知試料で得られた吸光度を、この検量線に外挿してドーパント金属成分濃度を検量し、導電性酸化亜鉛粒子に含まれるドーパント金属成分含有量を算出した。
また、その他の成分に関しては、リガク製 波長分散型蛍光X線分析装置RIX−3000(管電圧:50KV、管電流:50mA)を用いて分析した。
その結果、上述の実施例1〜実施例4で得られた各導電性酸化亜鉛粒子のドーパント金属成分ドープ量は約1wt%であり、亜鉛、ドーパント金属成分及び酸素の各成分の合計成分量が99.9wt%以上であった。これに対し、上記市販品は、ドーパント金属成分ドープ量は約1wt%であるが、亜鉛、ドーパント金属成分及び酸素の各成分の合計成分量が99.8wt%であった。よって、市販品よりも、実施例に係る導電性酸化亜鉛粒子の純度が高いことが分かる。
平均1次粒子径の測定: 得られた導電性酸化亜鉛粒子の透過型電子顕微鏡の明視野像を用いて、粒子径の直接観察を行った。そして、30個以上の粒子の粒子径を測定して、その平均値を平均1次粒子径とした。その結果、従来の湿式反応法による塩類ドーピングで得られた市販品の導電性酸化亜鉛粒子の平均1次粒子径は、図3から理解できるように約200nmであった。これに対し、本件発明に係る電解ドーピング法で得られた導電性酸化亜鉛粒子の平均1次粒子径は、図2から理解できるように約20nmであった。即ち、本件発明に係る電解ドーピング法で得られた導電性酸化亜鉛粒子は、従来の市販品の導電性酸化亜鉛粒子と比べて、極めて微細な粒径を備えることが理解できる。
また、電解ドーピングによって得られた酸化亜鉛粒子と市販の酸化亜鉛粒子の中での、亜鉛、酸素、アルミニウムの分布状態を調べるため、透過型電子顕微鏡を用いて元素マッピングを行った。その結果を、図4に示している。図4(a)が本件発明に係る電解ドーピング法で得られた導電性酸化亜鉛粒子であり、図4(b)が市販の湿式反応法で得られた導電性酸化亜鉛粒子である。この図4(a)及び図4(b)において、左の観察像の大きな四角で囲った領域で、各元素のマッピングを行い、各元素ごとのマッピング状態を右側に並べて掲載している。この図4(a)及び図4(b)の対比から明らかなように、各元素共に、電解ドーピングを用いた場合の方が市販の導電性酸化亜鉛粒子と比べて、元素の偏在が少なく、均一な分布状態が得られていることが理解できる。
なお、以上の透過型電子顕微鏡観察用の試料は、導電性無機酸化亜鉛粒子をエポキシ系樹脂の中に混合分散させて硬化させた後、ミクロトームにより導電性無機酸化亜鉛粒子を含んだ70nm厚にスライスして薄膜試料とした。そして、この薄膜試料を、コロジオ膜に貼り付け透過型電子顕微鏡観察用試料として用いた。
本件出願に係る導電性無機酸化物粒子の製造方法は、従来の製造方法では製造不可能であった、微細で粉体抵抗の低い導電性無機酸化物粒子を得ることができる。従って、この製造方法で得られた微細な導電性無機酸化物粒子は、電子材料分野では透明電極を形成するためのペースト又はインク原料としての使用すると、インク化又はペースト化する際の樹脂への均一混合が可能で、これらを用いて形成したコーティング膜、フィルム等で透明性に優れた電極膜、塗膜等を得ることができる。また、導電性無機酸化物粒子としての粒子径が微細であるため、化粧品の分野での転用も可能となり、例えば、ファンデーションに使用すれば、素肌に薄く透明感のある状態であっても、十分なUV遮蔽効果を得ることができ、素肌感のある化粧状態を得ることが出来る。また、酸化亜鉛微粉末を化粧料に配合することにより、紫外線を吸収するのみならず、赤外線の透過を防止し、肌に対する熱線を和らげる事ができる。さらに、本件発明に係る導電性無機酸化物粒子は微粒であるため、帯電防止を目的としたゴム製品、プラスチック製品、塗料製品に添加して用いる酸化亜鉛粉体の代替えとしての使用も可能となり、より少ない配合で高い導電率が得られるため、ゴム製品、プラスチック製品、塗料製品のコストダウン、透明性の向上も可能にする。
電解ドーピング装置の構成を示す模式図である。 本件発明に係る導電性酸化亜鉛粒子の透過型電子顕微鏡観察像である。 市販の導電性酸化亜鉛粒子の透過型電子顕微鏡観察像である。 本件発明に係る導電性酸化亜鉛粒子と市販の導電性酸化亜鉛粒子との粒子内での各元素の分布状態を示す透過型電子顕微鏡を用いたマッピング図である。
符号の説明
1 電解ドーピング装置
2 電解槽
3 アノード電極
4 カソード電極
5 攪拌手段
6 外部電源
7 無機酸化物粒子含有スラリー(酸化亜鉛粒子含有スラリー)
10 無機酸化物粒子

Claims (24)

  1. 無機酸化物粒子にドーパント金属成分をドーピングして導電性を付与した導電性無機酸化物粒子の製造方法であって、
    無機酸化物粒子含有スラリーにドーパント金属成分を含有させた状態で電解することで、当該ドーパント金属成分と無機酸化物粒子の構成成分とを複合化させる電解ドーピングを行い、濾過し、乾燥して、濾別採取することを特徴とした導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  2. 無機酸化物粒子にドーパント金属成分をドーピングして導電性を付与した導電性無機酸化物粒子の製造方法であって、
    以下の工程A〜工程Dを経て製造することを特徴とした請求項1に記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
    工程A:当該無機酸化物粒子を含有する無機酸化物粒子含有スラリーを調製する工程。
    工程B:当該無機酸化物粒子含有スラリーの中に、ドーパント金属成分を共存させ、電解法で無機酸化物粒子内にドーパント金属成分を電解ドーピングする工程。
    工程C:電解ドーピングの終了したスラリーを、濾過し、乾燥して粒子を濾別採取する工程。
    工程D:濾別採取した粒子を焼成して導電性無機酸化物粒子とする工程。
  3. 前記工程Aで用いる無機酸化物粒子は、酸化亜鉛、酸化チタニウム、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、酸化セリウム、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化テルル、酸化バナジウムのいずれかからなる粒子を用いる請求項2に記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  4. 前記工程Aで用いる無機酸化物粒子は、その平均1次粒子径が1nm〜30nmである請求項2又は請求項3に記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  5. 前記工程Aで調製する無機酸化物粒子含有スラリーは、無機酸化物粒子を5wt%?30wt%含有したものである請求項2〜請求項4のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  6. 前記工程Aで調製する無機酸化物粒子含有スラリーは、電解質を0.001mol/l〜0.05mol/lの濃度で含有したものである請求項2〜請求項5のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  7. 前記工程Bで無機酸化物粒子含有スラリーに共存させるドーパント金属成分は、ドーパント金属成分の酸化物換算で0.1wt%〜20wt%の濃度で含有させるものである請求項2〜請求項6のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  8. 前記工程Bで用いる電解法は、陽極にドーパント金属製の溶解性アノード電極を用い、電解通電によりドーパント金属イオンを無機酸化物粒子含有スラリーに供給してドーパント金属イオン濃度を一定レベルに維持するものである請求項2〜請求項7のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  9. 前記工程Bで用いる電解法は、陰極にドーパント金属製のカソード電極を用いたものである請求項2〜請求項8のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  10. 前記工程Bで用いる電解法は、スラリーの攪拌を行いつつ電解するものである請求項2〜請求項9のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  11. 前記工程Bで用いる電解法は、0.3mA/cm〜100mA/cmの電流密度で電解するものである請求項2〜請求項10のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  12. 前記工程Bで用いる電解法は、スラリーの温度を30℃〜85℃の範囲として電解するものである請求項2〜請求項11のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  13. 前記工程Bは、電解が終了した後、1時間以上スラリー攪拌を継続することで、粒子分散性を向上させる補助攪拌を行うものである請求項2〜請求項12のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  14. 前記工程Dの焼成に用いる雰囲気は、水素含有雰囲気、不活性ガス雰囲気、アンモニアガス雰囲気および真空のいずれかである請求項1〜請求項13のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  15. 前記工程Dの焼成に用いる焼成温度は、250℃〜800℃である請求項1〜請求項14のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  16. 前記工程Bで用いる電解法は、電解通電時に炭酸ガスバブリングを行うものである請求項1〜請求項15のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  17. 前記工程Cと工程Dとの間に、前記炭酸ガスバブリングにより生じた塩基性炭酸金属塩を熱分解する熱分解処理工程を設けた請求項2〜請求項16のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  18. 前記ドーパント金属成分は、ガリウム、イリジウム、銅、アンチモン、ヒ素、ホウ素、タリウム、ビスマス、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄から選ばれた一種又は2種以上の成分である請求項1〜請求項16のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法。
  19. 請求項1〜請求項18のいずれかに記載の導電性無機酸化物粒子の製造方法によって無機酸化物粒子にドーパント金属成分をドーピングして得られた導電性無機酸化物粒子で構成された導電性無機酸化物粉であって、
    当該導電性無機酸化物粉は、粒子径の平均1次粒子径が3nm〜40nmの導電性無機酸化物粒子で構成されたことを特徴とした導電性無機酸化物粉。
  20. ドーパント金属成分を、ドーパント金属成分の酸化物換算で0.1wt%〜20.0wt%含有した請求項19に記載の導電性無機酸化物粉。
  21. 前記無機酸化物粒子は、酸化亜鉛粒子、酸化チタニウム粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、マグネシア粒子、酸化セリウム粒子、酸化ニッケル粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化バナジウム粒子のいずれかを用いる請求項19又は請求項20に記載の導電性無機酸化物粉。
  22. 前記ドーパント金属成分は、ガリウム、イリジウム、銅、アンチモン、ヒ素、ホウ素、タリウム、ビスマス、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄から選ばれた一種又は2種以上の成分である請求項19〜請求項21のいずれかに記載の導電性無機酸化物粉。
  23. 導電性無機酸化物粉を100wt%としたとき、無機酸化物粒子の構成金属成分量、ドーパント金属成分量、酸素成分量の各成分の合計成分量が99.9wt%以上である請求項19〜請求項22のいずれかに記載の導電性無機酸化物粉。
  24. 当該導電性無機酸化物粉1.0gを円筒型の容器(内径18mm)に装填し、100kg/cmの圧力を加えた圧縮状態で、両端の抵抗を測定し得られる粉体抵抗率が500Ω・cm以下である請求項19〜請求項23のいずれかに記載の導電性無機酸化物粉。
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