JPWO2009057295A1 - 脂質代謝改善剤 - Google Patents

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Abstract

安全性が高く、十分な効果を有する天然物由来の脂質代謝改善剤を提供する。本発明の脂質代謝改善剤は、メロン果肉の抽出物であって、85℃×20分間の熱処理に対して活性を維持する前記抽出物を有効成分として含有する。この脂質代謝改善剤は、抽出物の分子量10,000以上の分画物を有効成分とし、熱処理加工物であることが好ましい。脂質代謝改善剤は、LDLコレステロール値を低下させるので、高脂血症などの脂質代謝異常症の予防または治療に有効である。

Description

本発明は、天然植物由来の脂質代謝改善剤に関し、より詳細には高脂血症などの脂質異常症の予防または治療薬として有効な脂質代謝改善剤に関する。
日本の食生活が時代とともに変化するに従って、高脂血症などの脂質異常症の患者数が増大している。血液中にはコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類が存在し、併せて総コレステロールという。日常の管理基準として、総コレステロール(T-cho)の基準範囲は、150〜219mg/dlであり、中性脂肪(TG)の基準範囲は、50〜149mg/dlである。これらの値が正常値を超えると、脂質代謝異常や高脂血症と診断される。コレステロールや中性脂肪が基準値を上回る状態が続くと、動脈硬化が促進され、進行が進むと脳梗塞、脳卒中などの脳動脈疾患や、狭心症、心筋梗塞などの心疾患を引き起こす危険因子となる。
血液中のコレステロールには、LDLコレステロールとHDLコレステロールの2種類がある。LDLコレステロールは、肝臓から全身の組織に運ばれ、その量が多いと動脈壁に蓄積し動脈硬化を促進させるため、「悪玉コレステロール」とも呼ばれる。LDLコレステロール(LDL)の基準範囲の70〜139mg/dlであるが、日常生活におけるLDLの管理が非常に大事である。
一方、HDLコレステロール値は、余分なコレステロールを全身の組織から肝臓へ回収する働きがあり、「善玉コレステロール」とも呼ばれる。よって、HDLの割合が多いほど、前記疾患のリスクが減る。HDLコレステロール(HDL)の基準範囲は、通常、男性で40〜86mg/dl、女性で40〜96mg/dlである。LDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスが崩れ、LDLコレステロールが過剰な状態になると、動脈硬化を促進しやすい。
総コレステロール220mg/dl以上、中性脂肪150mg/dl以上、LDL140mg/dl以上のいずれか1つでも当てはまる場合は、脂質異常症と診断され、医薬の服用による治療や、食事療法、運動療法などの治療を始める必要がある。
脂質異常症や動脈硬化性疾患の治療法としては、現在、病院が処方する「コレステロール値を下げる薬」に依存する傾向が強い。コレステロール値を下げる薬のなかで多用されるものは、コレステロール合成阻害薬であるHMG-CoA還元酵素阻害剤(一般にスタチン系薬剤と言われる)である。市販されているものは、プラバスタチンナトリウム(商品名メバロチン(登録商標)、第一三共製薬(株)製)、シンバスタチン(商品名リポバス(登録商標)、万有製薬(株)製)、フルバスタチンナトリウム(商品名ローコール(登録商標)、日本チバガイギー(株)製)、アトルバスタチンカルシウム水和物(商品名リピトール(登録商標)、アステラス製薬(株)製)などが有名である。スタチン系薬剤の代表的な副作用として、横紋筋融解症が知られている。横紋筋融解症は、筋肉がとけてしまう疾病であり、具体的には手足の筋肉の痛み、脱力、赤褐色の尿が出るなどの症状が見られる。赤褐色の尿は、筋の成分であるミオグロビンが血液中に流れ出るために起こる症状であり、放っておくと腎不全になることもある。副作用が見られなくても、長期間服用したために、効き目が次第に低下することも多い。
従来の脂質代謝改善剤には、HMG-CoA還元酵素阻害作用に基づくスタチン系薬剤のほかに、腸内細胞血管へのコレステロール吸収阻害作用に基づくコレステロール吸収阻害剤、中性脂肪の合成を阻害してコレステロールや中性脂肪を含むリポタンパクを減らすフィブラート系薬剤、中性脂肪の合成を阻害してリポタンパクを代謝されやすい性質に変えるEPA製剤がある。
化学合成された薬剤の長期服用は好ましくないことから、現在、患者がより安心して服用できる天然素材の高脂血症の治療または予防剤が求められている。
天然由来の脂質代謝改善剤の報告例として、海草および薬草木の抽出物(特開2006-36681)、ライチ種子またはその抽出物(特開2007-070267)、リン含量が760ppm以上である馬鈴薯澱粉(特開2007-001925)、柑橘類搾汁粕(特開2006-225278)、細辛(特開2005-132835)、発酵豆乳(特開2003-081855、特開2002-326946、特開平10-229841など)、乳由来の塩基性タンパク質画分(特開2002-212097)、ローヤルゼリーのプロテアーゼによる分解物(特開2001-002577)、カンキツ類由来のリモノイド含有物(特開2000-072684)、タマリロ、ザクロ及びフェイジョアの抽出物(特開平10-298094)などがある。
ウリ科植物としては、カボチャ、スイカ、ヘチマタワシ、ヒョウタンおよびきゅうりから単離されたデヒドロジコニフェリルアルコール(特表2007-515407)、ならびにニガウリの粉砕物や抽出物(特開2001-278804および特開2005-232145)において脂質代謝改善作用が報告されている。
しかし、従来の天然由来の脂質代謝改善剤は、実際に使用しても効果があまりないか、効果が実際にあっても食品に加工する途中の殺菌工程で高温に加熱すると失活してしまい、実用性に乏しいという問題があった。食品として安全性をクリアした形で流通する上で、病原菌を殺菌するための高温加熱行程は必須であり、高温加熱しても効力が衰えず、かつ食品として重要な「風味」を損なわない素材の開発が望まれているのが現状である。
本発明者らは、繊維素溶解作用の知られているメロンに注目して、その生理活性や薬理活性を詳しく検討していたところ、メロン抽出物もしくはその熱処理加工物に、高脂血症(脂質異常症)のように血中の脂質成分、例えばLDLや中性脂肪の異常値(高値)を特徴とする病的状態の予防もしくは処置する機能があることを発見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、メロンの抽出物であって、85℃×20分間の熱処理に対して活性を維持する前記抽出物を有効成分として含有する脂質代謝改善剤を提供するものである。
メロン抽出物は、これまで繊維素溶解剤としては知られている(特開2005-314412)ものの、本発明のように脂質代謝改善剤として有効であることは、全く知られていなかった。
また、特開2005-289955には、マクワウリを含むウリ科植物の抽出物を有効成分とする肥満および糖尿病の予防および治療剤が記載されている。しかし、内臓脂肪の蓄積による肥満症と、コレステロール蓄積による高脂血症とは、発症のメカニズムが異なる。したがって、抗肥満剤と脂質代謝改善剤とを同等に考えることはできない。
本明細書において、「脂質代謝改善剤」という用語は、ヒトのコレステロール(総コレステロール、LDL、HDL)を基準範囲に収める機能を有する意義で使用する。すなわち、脂質異常症のように総コレステロール値、中性脂肪値、LDL値のいずれかが上記基準値より高かった患者に服用させると、異常値を基準値まで下げるが、健常者が服用しても、基準値より下がらないか、または極度に下回ることがない。
本発明の脂質代謝改善剤に有効成分として含有される前記抽出物は、分子量分画にて10,000以上の画分であることが好ましい。
本発明の脂質代謝改善剤に有効成分として含有される前記抽出物は、熱処理したものであることが好ましい。
本発明の脂質代謝改善剤は、LDLコレステロール値を低下させる機能を有することを特徴とすることが好ましい。
本発明の脂質代謝改善剤は、脂質異常症を予防または治療するために使用することが可能である。
本発明はまた、上記脂質代謝改善剤を含有する脂質代謝改善食品を提供する。
本発明は、また、生メロンの果肉を搾汁し、搾汁液を凍結してメロン果汁凍結体を得、メロン果汁凍結体を室温まで解凍した後、凍結乾燥機にて凍結乾燥させることにより得られるメロン果汁凍結乾燥体を、脂質代謝改善剤の有効成分として製剤することからなる、脂質代謝改善剤の製造方法を提供する。
前記メロン果汁凍結体の解凍液、あるいは、前記メロン果汁凍結乾燥体の溶液に対して分子量分画を行い、分子量10,000以上の画分を回収して、前記有効成分に使用することが好ましい。
本発明は、また、生メロンの果肉を裏こしし、裏こしされたメロン果肉を凍結してメロン果肉凍結体を得、次いで、メロン果肉凍結体を室温まで解凍しホモジュナイズした後、凍結乾燥機にて凍結乾燥させることにより得られるメロン果肉凍結乾燥体を、脂質代謝改善剤の有効成分として製剤することからなる、脂質代謝改善剤の製造方法を提供する。
前記メロン果肉凍結体の解凍物、あるいは前記メロン果肉凍結乾燥体を溶媒に溶かしたものに対して分子量分画にて分子量10,000以上の画分を回収して、前記有効成分に使用することが好ましい。
本発明の脂質代謝改善剤を、総コレステロール値、中性脂肪値、LDLコレステロール値の少なくとも一種が基準値よりも高い値を示す者に服用させると、その異常値を緩和することができる。しかも、この脂質代謝改善剤は、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDL値を有効に下げるが、善玉コレステロールと呼ばれるHDLは維持する。よって、上記三種類の値が高いことやLDLとHDLとのバランスがくずれることに起因する疾病、例えば高脂血症などの脂質異常症や動脈硬化症の治療または予防に有効であり、さらに脳梗塞、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの予防にも有効である。
特に、前記抽出物のうち分子量10,000以上の分画物を有効成分とする脂質代謝改善剤によれば、脂質代謝改善作用がより一層向上する。
本発明の脂質代謝改善剤は、天然に存在し食品として使用している植物由来成分であるために、従来の化学品のような副作用を心配する必要がない。さらに、本発明の脂質代謝改善剤を過度に服用しても、上記三種の値を基準値より下げるような心配もないか極度に少ない。したがって、本発明の脂質代謝改善剤は、従来の化学薬品よりも極めて安全性に優れる。
本発明の脂質代謝改善剤は、殺菌のため高温加熱しても、高脂血症(脂質異常症)改善剤としての効能を全く失わない。したがって、本発明の脂質代謝改善剤は、より一層安全な脂質代謝改善剤を市場に提供することができる。
本発明の脂質代謝改善剤は、食品として重要な「風味」を一切損なわないことから、コレステロール調整機能を有する健康食品としても優れている。
実施例2で行ったリンパ球の内因性ステロール合成酵素の確認試験の結果を示す図である。 実施例2で行ったコレステロール合成酵素活性の確認試験の結果を示す図である。
メロンは、東アフリカ地方、中近東地方を原産地とするウリ科キュウリ属に属する果実的野菜である。本発明の脂質代謝改善剤の原料となるメロンは、特に制限がなく、例えばアーバン・デリシャスメロン、あっさぶメロン、アンデスメロン、エイネアメロン、キスミーメロン、クインシーメロン、サッポロレッドメロン、タカミメロン、ハニーゴールデンメロン、肥後グリーンメロン、ビューレッドメロン、ルピアメロン、レッドメロン、イエローキングメロン、カナリアメロン、キンショーメロン、クレオパトラIIメロン、しらかばメロン、ハネジューメロン、ホームランメロン、ユウカメロン、プリンスメロン、坂井メロン、パパイヤメロンなどが挙げられる。これらの中で、ハネジューメロンおよびホームランメロン(ハネジューメロンの改良種)が、一年を通して大量に入手可能な点で好ましい。メロンの採取時期は問われないが、服用の対象者に応じて、嗜好性を高い濃縮果汁を得る点では完熟しているものが好ましく、糖尿病患者用に糖度を抑える必要のある場合には完熟していないものが好ましい。
メロンの使用部位に特に制限ないが、果実部を用いることが好ましい。果実部には、果皮、果肉、果汁、わた、種子などが含まれるが、より好ましくは果実部から種子やわたを除いた可食部を用いる。
メロンの抽出物は、例えば果実部を裏こしし、または絞汁し、適宜殺菌のための熱処理をし、乾燥後、必要に応じて剤形化することによって調製することができる。
これらは、途中で必要に応じて濃縮するかまたは適当な溶媒を用いてさらに抽出操作に供されてもよい。好ましくは分子量分画にて分子量10,000以上、より好ましくは10,000〜100,000の画分を分離して本発明の脂質代謝改善剤の有効成分に使用する。分子量分画の方法は、特に制限されず、透析、限外ろ過、遠心分離、カラムクロマトグラフィーなどが挙げられる。
メロン果汁凍結乾燥体(以下、果汁FDという)、および、繊維を含有するメロン果肉凍結乾燥体(以下、果肉FDという)からなる脂質代謝改善剤の製造方法を以下に説明する。
果汁FDの製法としては、例えば以下の工程による。まず、ハネジューメロン、ホームランメロンなどの生メロンを洗浄後、剥皮する。剥皮したメロン果肉を麻袋に詰めて、スクリュープレスなどの圧搾機で搾汁する。搾汁液をビニール袋内で凍結(例えば-25℃)し、生メロンの40%(w/w)のメロン果汁凍結体を得る。次いで、メロン果汁凍結体を室温まで解凍し、適宜、殺菌工程に付した後、凍結乾燥機にて凍結乾燥させる。こうして、搾汁液の20%(w/w)のメロン果汁凍結乾燥体(果汁FD)を得る。
好ましくは、前記メロン果汁凍結体の解凍液、あるいは、前記メロン果汁凍結乾燥体の溶液に対して分子量分画を行い、分子量10,000以上、より好ましくは10,000〜100,000の画分を回収する。回収物を本発明の脂質代謝改善剤の有効成分に使用する。
果肉FDの製法としては、例えば以下の工程による。まず、生メロンを洗浄、剥皮後、剥皮されたメロンを切開して、パルパーフィニッシャーなどの裏こし器にかける。裏こしされたメロン果肉をビニール袋内で凍結(例えば-25℃)し、メロン果肉凍結体を得る。次いで、メロン果肉凍結体を室温まで解凍し、ミキサーにてホモジュナイズする(均質化)。殺菌のための熱処理工程に付した後、凍結乾燥機に移して凍結乾燥させる。こうして、果肉の20%(w/w)のメロン果肉凍結乾燥体(果肉FD)を得る。
好ましくは、前記メロン果肉凍結体の解凍物、あるいは前記メロン果肉凍結乾燥体を溶媒(水性媒体や有機媒体)に溶かしたものに対して分子量分画にて分子量10,000以上、より好ましくは10,000〜100,000の画分を回収する。回収物を本発明の脂質代謝改善剤の有効成分に使用する。
メロン抽出物の乾燥方法は、本発明の薬効効果を損なわない方法であれば特に制限されず、凍結乾燥以外にも、熱風乾燥、遠赤外線乾燥、減圧乾燥、スプレードライなどを用いることができる。好ましくは、凍結乾燥である。
上記殺菌のための熱処理には、FDの棚上でスチーム(試料にはビニールを被せる)を使用し、85℃で10分間以上でよいが、通常、20分前後である。処理前後の温度の上昇・下降時間を入れると30〜40分間を要することもある。
メロン風味の甘味成分が濃縮された果汁メロン糖および果肉メロン糖からなる脂質代謝改善剤を提供する点で好ましい。果汁メロン糖を製造するには、完熟したメロンを用いてメロン果汁凍結体を得、それを例えば85℃にて濃縮乾涸すればよい。一方、果肉メロン糖を製造するには、同じくメロン果肉凍結体を85℃にて濃縮乾涸すればよい。
本発明の脂質代謝改善剤は、少量で脂質代謝改善効果を発揮するので、中性脂肪の高い者や肥満体質の者に脂質代謝改善剤を服用させても糖尿病の悪化を危惧する必要は少ない。それでも、甘味成分が低減した果汁メロンおよび果肉メロンからなる脂質代謝改善剤を提供することも可能である。それは、例えば、上記したように完熟していないメロンを保存中に完熟することのないように配慮しながらメロン抽出物に加工するか、あるいは通常の果汁メロンおよび果肉メロンから透析などの手段で糖分を除去してもよい。
本発明の脂質代謝改善剤の投与形態としては、例えば散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤、チュアブル錠、ドロップのような固形製剤や、ドリンク剤、水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ、ドライシロップのような液剤などの経口投与剤が挙げられる。
本発明の脂質代謝改善剤は、上記メロン抽出物またはその加熱処理物を単独で経口用の固体または液体状の経口用投与剤として調製されてもよい。あるいは、それに加えて製薬学的または食品学上許容される担体や助剤を配合してもよい。具体的には、経口投与剤の形態に応じて、汎用の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、ビタミン、キサンチン誘導体、アミノ酸、pH調整剤、清涼化剤、懸濁化剤、粘稠剤、溶解補助剤、抗酸化剤、コーティング剤、可塑剤、界面活性剤、水、アルコール類、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料、香料、着色剤などを発明の効果を損なわない質的および量的範囲で添加することが可能である。
本発明の脂質代謝改善剤には、本発明の有効成分に加えて他の脂質代謝改善作用を有する成分を配合することもできる。具体的には、本明細書の従来技術に記載した天然由来で脂質代謝改善機能の報告されている成分や、脂質代謝改善作用が知られている成分(例えば大豆タンパク質)などの少なくとも一種が挙げられる。
本発明は、また、上記脂質代謝改善剤を含有する食品を提供する。該食品は、脂質代謝改善機能を有する健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品などに利用することができる。さらに、本発明の脂質代謝改善剤を日常の栄養剤や食品素材に添加してもよい。具体的には、パン、ケーキ、クッキー、パイ、ベーカリーミックス、そば、うどん、ラーメン、スープなどの飲食品類;だし巻き、卵豆腐、プリンなどの卵製品;フレンチドレッシング、ソースなどの調味料;マヨネーズ、マーガリン、ピーナツバター、スプレッド、ホイップクリームなどの油脂加工品;バター、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、加工乳、脱脂乳などの乳製品;チョコレート、ガム、キャンディー、キャラメル、クッキー、ポテトチップス、スナック菓子、ゼリー、グミ、錠菓などの菓子類;ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、清涼飲料、スポーツ飲料などの飲料水;ハム、ソーセージ、ハンバーグ、ソーセージ、レバー、蒲鉾、竹輪、さつま揚げなどの魚肉加工品;冷凍食品のような食品素材が挙げられる。
本発明の脂質代謝改善剤の用量は、対象とする疾患や症状、患者の体重や年齢などにより異なるので特定できないが、メロンの果実部の摂取量に換算(一玉600gとして)して、成人1日あたり、通常、1/50〜1個分、好ましくは1/20〜1/2個分、特に好ましくは1/5〜1/3個分に相当する量が望ましい。一日一回服用しても、何回かに分けて服用してもよい。
以下、本発明の内容を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
生メロン(品種:ハネジューメロン)を洗浄後、剥皮した。剥皮したメロン果肉を麻袋に詰めて、圧搾機で搾汁した。搾汁液をビニール袋内で凍結(-25℃)し、メロン果汁凍結体を得た(生メロンの40%(w/w))。次いで、メロン果汁凍結体を室温まで解凍し、80℃×20分間の加熱処理にて殺菌した後、凍結乾燥機にて凍結乾燥させた。こうして、搾汁液の20%(w/w)のメロン果汁凍結乾燥体(果汁FD)を得た。なお、果汁FDの1.25gは、600gの生メロンの1/38個分に相当する。
コレステロールや中性脂肪が高めのボランティア(20歳以上で文書による同意能力のある者)16名に対して、上記果汁FDからなる脂質代謝改善剤を表1に示す投与量と投与期間で、朝夕食後30分以内に計二回水またはぬるま湯とともに飲用させた。
投与試験前後に採血を行い、総コレステロール(T-cho)を酵素法、中性脂肪(TG)を酵素法(遊離グリセロール消去法)、LDLコレステロール値(LDL)を酵素的測定法、そしてHDLコレステロール値(HDL)を選択阻害法(直接法)に従って測定した。また、LDLは、下記のFriedewaldの式:LDL = (T-cho) - (HDL) - (TG/5)に従う計算値である。投与試験前後のコレステロール値の変動を表1に示す。
Figure 2009057295

表1の結果から、本発明の脂質代謝改善剤の投与により、総コレステロール値およびLDLコレステロール値が有意に減少したことがわかる。一方、HDLコレステロールは維持された。したがって、本発明の脂質代謝改善剤は、総コレステロール値やLDLコレステロール値を下げるとともに、総コレステロールに対するHDL-コレステロールの割合を上げる脂質代謝改善効果を奏するといえる。さらに、総コレステロール値、中性脂肪値およびLDLコレステロール値の基準範囲に収まっている者に本発明の脂質代謝改善剤を与えても基準範囲を過度に下回ることがない。したがって、本発明の脂質代謝改善剤は、長期にわたって服用しても有効かつ安全であることが実証された。
〔実施例2〕
本発明の脂質代謝改善剤にスタチン系薬剤と同様のHMG-CoA還元酵素阻害作用があるかを調べた。具体的には、リンパ球の内因性ステロール合成酵素の確認試験、およびコレステロール合成酵素活性の確認試験を実施した。そして、陽性対照としてのスタチン系薬剤(商品名 シンバスタチン)と比較した。
(1)メロン抽出物の分子量分画による試料の調製
実施例1で調製したメロン果汁凍結乾燥体(果汁FD)を透析膜で分子量分画した。果汁FDの10%水溶液を分子量分画10,000の透析チューブ(Spectra/Por 6 10,000MWCO)に移し、蒸留水に対して、1夜透析を行った。分子量10,000以下の成分は透析膜を通過できるので、透析外液に殆ど移行した。
その透析外液を回収し、凍結乾燥して得た成分を、メロン抽出物の低分子量分画物(TSCM-LMW)として使用した。一方、透析チューブ内の透析内液は、未だ残存すると考えられる分子量10,000以下の微量成分を排除するため、新たな蒸留水に対してさらに1夜透析した。透析2夜を経て得られた透析内液を回収し、凍結乾燥して得た成分を、メロン抽出物の高分子量分画物(TSCM-HMW)として使用した。表2、4種類の測定試料を示す。
Figure 2009057295
TSCM、TSCM-LMW、TSCM-HMWの各試料を秤量し、1%DMSOを含む継代培地Aで溶解し、さらに1%DMSOを含む継代培地A[RPMI-1640 440mLに対し、非動化FBS 50mL、ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(10,000U/mLペニシリン、10,000μg/mLストレプトマイシン)]5mL、200mmol/Lグルタミン溶液5mLを添加したもの)で段階希釈することにより、最終濃度(5μg/mLおよび50μg/mL)の10倍濃度の溶液を調整した。
陽性対照であるSimvastatinを秤量し、DMSOで溶解し、DMSOで段階希釈することにより、最終濃度(1×10-7および1×10-6mol/L)の1000倍濃度の溶液を調製し、調製した濃度の溶液を継代培地Aで100倍希釈することにより、最終濃度の10倍濃度の溶液を調整した。
(2)リンパ球の内因性ステロール合成酵素の確認試験
(PBMCsの調製)
ヒト抹消血単核球(PBMCs)を以下の手順で調製した。まず、二人のヒト血液(検体AおよびB)を、それぞれ、真空採血管(EDTA-K)に採取し、生理食塩液で2倍希釈した。Lymphoprep 3mLをチューブに添加後、前記希釈液6mLを重層した。遠心分離(800×g,20℃,20min)後、画分を採取し、合した。遠心分離(800×g,20℃,20min)後、上清を除去し、PBSで3回洗浄した。継代培地Aを添加し、細胞数を確認後、PBMCsとした。
(トレーサーの準備)
[1,2-14C]-酢酸ナトリウムを継代培地Aで希釈することにより、最終濃度:1mmol/Lの5倍濃度に調製したトレーサーNo.1液を準備した。
(細胞懸濁液の準備)
PBMCsを継代培地Aで段階希釈することにより、最終濃度(1×105cells/mL)の2倍濃度に調製した。
(測定手順)
96ウェルプレートの各ウェルに細胞懸濁液100μLを添加し、バックグラウンド測定用ウェルには継代培地A、その他のウェルにはPHA溶液(継代培地A 1mLにPHA10μgを添加したもの)40μLを添加した。バックグラウンド測定用ウェルおよび100%活性測定用ウェルには継代培地Aを、その他のウェルには被験物質溶液または陽性対照物質溶液20μLを添加した。各ウェルを37℃、5%CO2で4日間インキュベートした。
各ウェルにトレーサーNo.1液40μLを添加後、37℃で2時間、インキュベート後、15%KOH-エタノール溶液を0.1mL添加した。全量をガラスチューブに採取し、15%KOH-エタノール溶液を0.9mL添加し、75℃で1時間インキュベートした。10分間放置したのち、石油エーテル5mLを添加し、石油エーテル層を採取して乾固した。
0.1% cholesterol-アセトン溶液2mLを添加し、沈さを溶解後、0.5% digitonin-50%エタノール溶液1mLを添加した。セルハーベスターにより濾過し(濾紙:GF/C,Whatman製)、50%エタノール2mLで2回洗浄した。濾紙を測定バイアルビンに移し、液体シンチレーター(Atomlight、登録商標)5mLを添加した。各検体について、液体シンチレーションカウンターで放射能を3回測定した。結果(平均値±標準偏差)を、表3および図1に示す。
Figure 2009057295
表3および図1から、TSCM-HMWにSimvastatinと似たような阻害性(すなわち、コントロールよりも放射能量が低い)が認められた。TSCMにも似た阻害性が若干認められるが、TSCM-LMWの混入によって阻害性が希薄化されていると考えられる。この結果から、脂質代謝改善剤の有効性分としては、メロン抽出物の分子量10,000以上の分画物を採用することが好ましいといえる。
(4)コレステロール合成酵素活性の確認試験
(酵素溶液の調製)
ラット雄性ラット〔名称Crl:CD(SD)、日本チャールス・リバー社より入手〕から肝臓を採取後、秤量(湿重量)した。10倍量のホモジネートバッファー(200mmol/Lリン酸緩衝液100mLに対し、50mmol/L MgCl2溶液を20mL、300mmol/Lニコチンアミド溶液を20mL、Milli-Q水を60mL混合したもの)を加え、氷冷下でホモジナイズしたのち、遠心分離(700×g,4℃,10分間)した。上清を採取し、更に遠心分離(15,000×g,4℃,20分間)した。上清を採取し、遠心分離(105000×g,4℃,60分間)後、上清(上清フラクション)および沈さをそれぞれ回収した。沈さを100mmol/Lリン酸緩衝液で懸濁し、ミクロソーム画分原液を調製した。上清フラクションに、40%飽和溶液となるように硫酸アンモニウムを添加し、遠心分離(12,000×g,4℃,20分間)した。上清を採取し、80%飽和硫酸アンモニウム溶液となるように硫酸アンモニウムを添加し、再び遠心分離(12,000×g,4℃,20分間)後,上清を除去した。沈さを100mmol/Lリン酸緩衝液で懸濁し、同溶液で透析(4℃,6時間)し、上清画分原液を調製した。
ミクロソーム画分原液および上清画分原液の蛋白濃度は、Albumin Standardを標準溶液とし、BCA(商標)Reagent AおよびBCA(商標)Reagent Bを使用して測定した。
ミクロソーム画分原液および上清画分原液をアッセイバッファー(200mmol/Lリン酸緩衝液100mLに対し、10mmol/L ATP溶液を20mL、50mmol/L MgCl2溶液を24mL、60mmol/Lグルタチオン溶液を20mL、4mmol/L coenzyme A溶液を2mL、25mmol/L NAD溶液を2mL、0.25mmol/L NADP溶液を2mL、Milli-Q水を30mL混合したもの)で希釈することにより、それぞれ、2 mg protein/mLのミクロソーム画分および上清画分を準備した。
(トレーサーの準備)
[1,2-14C]-酢酸ナトリウムをアッセイバッファーで希釈することにより最終濃度(92.5kBq/mL)の4倍濃度に調製したトレーサーNo.2液を準備した。
(測定手順)
バックグラウンド測定用チューブにはアッセイバッファーを、その他のチューブにはミクロソーム画分50μLを添加した。バックグラウンド測定用チューブにはアッセイバッファーを、その他のチューブには上清画分50μLを添加した。バックグラウンド測定用チューブおよび100%活性測定用チューブにはアッセイバッファーを、その他のチューブには被験物質溶液または陽性対照物質溶液50μLを添加した。
各液に、トレーサーNo.2液50μLを添加し、37℃で2時間インキュベートした後、15%KOH-エタノール溶液を1mL添加した。75℃で1時間インキュベート後、さらに室温で10分間放置し、石油エーテル5mLを添加した。石油エーテル層を採取し、乾固した。0.1% cholesterol-アセトン溶液2mLを添加して沈さを溶解後、0.5% digitonin-50%エタノール溶液1mLを添加した。
セルハーベスターにより濾過し(濾紙:GF/C,Whatman製)、50%エタノール2mLで2回洗浄した。濾紙を測定バイアルビンに移し、液体シンチレーター(Atomlight、登録商標)5mLを添加し、液体シンチレーションカウンターで放射能を3回測定した。測定時間は2分間とした。結果(平均値±標準偏差)を、表4および図2に示す。
Figure 2009057295
表4および図2から、TSCM-HMWにシンバスタチンと似たような阻害性(すなわち、コントロールよりも放射能量が低い)が認められた。TSCMにも似た阻害性が若干認められるが、TSCM-LMWの混入によって阻害性が希薄化されていると考えられる。この結果から、脂質代謝改善剤の有効性分としては、メロン抽出物の分子量10,000以上の分画物を採用することが好ましいといえる。
〔実施例3〕
本発明の脂質代謝改善剤にフィブラート系薬剤と同様の脂質代謝改善作用があるかどうかを調べた。具体的には、各種レセプターのリガンドスクリーニングシステムである RCAS(Receptor Cofactor Assay System)法を用いて核内受容体PPARαインタラクションの検出試験を実施した。
核内受容体の一種であるペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α(Peroxisome Proliferator-Activated Receptor α、以下、PPARαという)は、リポタンパク質リパーゼ(LPL)、PEPPCK、チトクロームP-450、アシルCoAシンターゼ、アシルCoAオキシダーゼ、脂肪酸輸送タンパク質(FAT、FATP)、アポリポタンパク質(A-1、C-III)などの脂質代謝遺伝子を制御している。これらの脂質遺伝子は、高脂血症、糖・脂質代謝異常、循環器系疾患等に関与する。
本発明の脂質代謝改善剤が、PPARαに作用しているか否かを、RCAS法を用いて調べた。細胞内においてリガンド(化合物)と核内受容体が結合することにより、リガンド・受容体複合体が形成され、そこにコファクターと呼ばれる転写因子が結合する。96穴マイクロタイタープレート上に固定化したコファクターとさらに結合して生成するリガンド・受容体・コファクター複合体の生成量を定量的に測定することにより、リガンドの受容体への作用を調べる。具体的な測定方法を以下に示す。
(リガンドの調製)
PPARαアゴニスト標準品であるGW7647(CALBIOCHEM社より入手)を、測定時終濃度が500, 50, 5, 0.5, 0.05nM, 0(blank)の6濃度となるように調製した。被験物質として、TSCM-LMWとTSCM-HMWの二種類を用意した。TSCM-LMWは、測定時最終濃度が6.4ng/mLから500μg/mLまで5倍希釈系列となるようにDMSOにて段階希釈し、8種類の濃度に調整した。TSCM-HMWは、測定時最終濃度が1.28ng/mLから100μg/mLまで5倍希釈系列となるようにDMSOにて段階希釈し、8種類の濃度に調整した。
(測定手順)
96ウェルプレートに、PPARαコファクターであるCBP(CREB binding protein)を固相化したウェル(以下、CBP(+))と、プレートへの受容体の非特異吸着を確認するためコファクターCBPを固相化していないウェル(以下、CBP(-))を準備した。
組換え核内受容体をレセプター希釈バッファーに溶解して得た核内受容体を95μL/wellとなるように添加した。次いで、被験物質(TSCM-LMWまたはTSCM-HMW)または標準アゴニスト物質(GW7647)を5μL/wellとなるように添加し、プレートを室温で振とう反応させた。反応後にプレートをWash bufferにて3回洗浄し、HRP標識抗体を添加後、室温で振とうした。反応後にプレートをWash bufferにて3回洗浄し、TMBを添加後、静置にて発色反応させた。発色を反応停止液で止め、OD450の吸光度をプレートリーダーで2回測定した。その結果(平均値)を表5に示す。
測定結果より下記の計算式:
B/Bmax(%)=(A-B)/(C-B)×100(%)
A:被験物質のCBP(+)OD値−被験物質のCBP(-)OD値
B:DMSOブランクのCBP(+)OD値−DMSOブランクのCBP(-)OD値)
C:(標準アゴニスト(GW7647)飽和濃度におけるCBP(+)のOD値−標準アゴニスト飽和濃度におけるCBP(-)のOD値
にて、相対活性値(B/Bmax%)を算出した。相対活性値の計算結果を表5に示す。
Figure 2009057295

※吸光度:CBP(+)-CBP(-)
表5において、B/Bmax (%)≧10%を活性値の上昇とみなした場合、TSCM-LMWには濃度依存的な相対活性値(B/Bmax)の上昇傾向は認められなかった。一方、TSCM-HMWの100μg/mLにおいて、相対活性値の上昇傾向(発色)が認められた。TSCM-HMWは、100μg/mL以上で、PPARαに対する結合性を有することから、ペルオキシソームの上昇を促し、血中中性脂肪を低下させる可能性を含んでいる。

Claims (10)

  1. メロンの抽出物であって、85℃×20分間の熱処理に対して活性を維持する前記抽出物を有効成分として含有する脂質代謝改善剤。
  2. 前記抽出物の分子量10,000以上の分画物を有効成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の脂質代謝改善剤。
  3. 前記抽出物を熱処理したものを有効成分として含有することを特徴とする、請求項1に記載の脂質代謝改善剤。
  4. LDLコレステロール値を低下させる機能を有することを特徴とする、請求項1に記載の脂質代謝改善剤。
  5. 脂質異常症を予防または治療するために使用することを特徴とする、請求項1に記載の脂質代謝改善剤。
  6. 請求項1に記載の脂質代謝改善剤を含有する脂質代謝改善食品。
  7. 生メロンの果肉を搾汁し、搾汁液を凍結してメロン果汁凍結体を得、メロン果汁凍結体を室温まで解凍した後、凍結乾燥機にて凍結乾燥させることにより得られるメロン果汁凍結乾燥体を、脂質代謝改善剤の有効成分として製剤することからなる、脂質代謝改善剤の製造方法。
  8. 前記メロン果汁凍結体の解凍液、あるいは、前記メロン果汁凍結乾燥体の溶液に対して分子量分画を行い、分子量10,000以上の画分を回収して、前記有効成分に使用することを特徴とする、請求項7に記載の脂質代謝改善剤の製造方法。
  9. 生メロンの果肉を裏こしし、裏こしされたメロン果肉を凍結してメロン果肉凍結体を得、次いで、メロン果肉凍結体を室温まで解凍しホモジュナイズした後、凍結乾燥機にて凍結乾燥させることにより得られるメロン果肉凍結乾燥体を、脂質代謝改善剤の有効成分として製剤することからなる、脂質代謝改善剤の製造方法。
  10. 前記メロン果肉凍結体の解凍物、あるいは前記メロン果肉凍結乾燥体を溶媒に溶かしたものに対して分子量分画にて分子量10,000以上の画分を回収して、前記有効成分に使用することを特徴とする、請求項9に記載の脂質代謝改善剤の製造方法。
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