JPWO2009038151A1 - 装飾部品 - Google Patents

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Abstract

[課題] 表面にAuを含有する硬質膜を有する装飾部品であって、特に金固有の光沢と色調を有し、明度の高い高品位であることを特徴とした金色装飾部品を提供すること。[解決手段] Ti、Zr、Hfのうちから少なくとも一種類または二種類以上の金属からなる窒化物、炭化物もしくは炭窒化物で構成された下地層と、Au、または任意組成のAu−Ni合金、Au−Cu−Pd合金などAu合金からなる仕上層と、下地層と仕上層との間に仕上層よりも反射率の高い金属であるRu、Pd、Rh、Ag、Os、Ir、Ptなどから成る反射層とから構成される硬化層を形成させる。これにより、効果的に金固有の光沢と色調を有し、明度の高い高品位の金色装飾部品が達成される。

Description

本発明は、基材と、該基材上の硬化層とからなる装飾部品に関し、より詳しくは、表面、特に最外層に金を含有する、金色色調の硬化層を有した装飾部品に関するものである。
時計バンド、時計ケ−ス、べゼル、裏蓋、中留、尾錠、リューズ、ピアス、イヤリング、指輪、メガネフレーム、ペンダント、ブローチ、ネックレス、ブレスレットなどの装飾部品には、部品加工が容易な軟質基材であるステンレス、TiおよびTi合金、黄銅などが広く採用されている。しかしながらこれらの軟質基材を加工した装飾部品は使用中のキズ発生などによる外観品質の低下が大きな問題として指摘されている。これは主に、軟質基材自身の表面硬度がビッカ−ス硬度でHv=200程度の低硬度であることに起因するものであり、解決を目指して種々の表面硬化処理が試みられている。
また上記の時計バンド、時計ケ−ス、べゼル、裏蓋、中留、尾錠、リューズ、ピアス、イヤリング、指輪、メガネフレーム、ペンダント、ブローチ、ネックレス、ブレスレットなどの装飾部品には高い装飾性能・外観品質が要求され、特に高級感のある金色色調を確保した表面硬化処理技術が種々試みられている。
軟質基材の硬化方法の一つとして軟質基材表面に被膜を被覆形成する方法があり、手法としては湿式メッキ、イオンプレーティングなどがあげられる。特に装飾部品ではAuメッキ、Au−Niメッキ、Au−Pdメッキなどが広く行われているが、いずれのメッキ被膜も軟らかく使用中のキズが解消するまでには至っていない。
またイオンプレーティングでは窒化チタン膜などを被覆形成する手法があげられるが、窒化チタン膜は内部応力が高いため密着性に難点があり剥離が発生しやすいという欠点があり、いずれも膜剥離問題に対しては完全に解決するまでには至っていない。また剥離が発生した場合には、軟質材料そのものが露出してしまい、この部分で腐蝕が発生し、部品としての使用が不可能となってしまう。また、窒化チタン膜のみで被覆形成した場合、外観の色調は金色であるものの明度が低く、高級感に欠けるため、装飾品に適用するのは困難であった。
これらの問題点を解決するために被覆形成した窒化チタン膜上にAu合金仕上層を設け、外観の向上を図る金色装飾部品が提案されている(特許文献1または2参照)。これは軟質基材上に被覆形成した窒化チタン膜に、1μm以下の薄いAu合金層を設けるというものであり、Au色調を確保した金色装飾部品を達成することを目的としている。高硬度、高耐蝕性を実現している。
特開昭54−2942号公報(請求項1、3) 特開平2006−249510号公報(請求項1)
本発明の目的は金固有の光沢、色調を有し、明度の高い高品位の金色装飾部品を提供することにある。
本発明において上記課題を解決するため種々の表面処理方法を検討した結果、装飾部品の表面に金を含有する硬化層を形成させることにより、金固有の光沢と色調を有し、明度の高い高品位の金色色調の装飾部品が達成される。
硬化層の構造を種々検討した結果、以下に記す構造を採用することにより、効果的に金固有の色調を有し、明度の高い高品位の金色色調の硬化層を形成させられることを見出した。
すなわち本発明の装飾部品は、基材と、該基材上の硬化層とからなる装飾部品であって、上記硬化層は、Ti、ZrおよびHfのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属の窒化物、炭化物または炭窒化物で構成された下地層と、AuまたはAu合金からなる仕上層と、上記下地層と上記仕上層との間に形成された、上記仕上げ層を構成する金属よりも反射率の高い金属からなる反射層とから構成されることを特徴とする。
明度は、物体表面の反射率の高低を表す尺度であり明るさを表し、明度の数値が高いときには明るく、低いときには暗くなる。そして可視波長域全体において反射率が高ければその物体の明度は明るくなる。反射率からだけでは反射光としてどのような外観になるのかはわからず、反射率を視感度まで考慮して計算・設計することで、視覚的な明るさ、すなわち明度が得られる。この関係式はJIS Z 8701 (2)式とJIS Z 8701 8729 (1)により規定されている。
下地層であるTiN、TiCN層はいずれもL*=65〜70程度の暗い膜であり、下地層上に仕上層を被覆させても、最表面に被覆されている仕上層は膜厚が極めて薄く光を透過するため、明度の低い下地層の色を反映してしまう。そのため、明度はL*=81程度である。(なお、特許文献1および2において、色調に関してはJIS Z 8729で規定されるL*a*b*表示のうち明度L*の具体的な数値が挙げられていなかった。そこで本発明者らが追試験を行ったところ、Au合金層が1μm以下の場合、L*=65〜70である明度の低い窒化物層よりも明るく、L*=80程度であった。しかしながら、L*=86前後であるAuバルクと比較すると暗い膜であった。)そこで反射層を形成させることにより、すなわち、仕上層と明度の低い下地層との間に、仕上層よりも明度の高い、反射率の高い反射層を形成させることにより、外観の明度が高く、より美しい色調が実現する。本発明によればこのL*を、よりAuバルクの明度L*である86程度やAu−Cu−Pdバルクの明度L*である85程度の値に近づけることが可能である。具体的には、反射層を設けることによって、明度L*を82〜84にまで上昇させることができる。
これにより、金色色調の硬化層を有した装飾部品における仕上がりの色調改善および明度の向上にあたり格別な効果が得られる。
仕上層には、純金、任意組成のAu−Ni合金、Au−Cu合金、Au−Cu−Pd合金が好ましい。さらに高品位の金色色調と高い明度L*を得るためには、反射層には、反射率の高い金属であるRu、Pd、Rh、Ag、Os、Ir、Ptを用いることが好ましい。
また、本発明の装飾部品において仕上層の膜厚は0.002〜0.3μmであることが好ましく、0.01〜0.1μmであることがさらに好ましい。仕上層の膜厚が設定値範囲内である場合、被膜部分が薄いことが原因で島状に被膜する恐れはなく層状となり、外観がまだら状の色調にならない。また被膜部分が厚いことが原因で起こる硬度の低下も起こらない。
さらに、本発明の装飾部品において反射層の膜厚は0.001μm〜0.01μmであることが好ましい。反射層の膜厚が上記以外の場合、下限値未満の場合、L*の値に変化が小さくなり、上限値を超えると下地層に比べ低硬度の反射層と仕上層の膜厚が厚くなり、その結果、硬度が低くなってしまう。したがって、上記範囲の膜厚にすると、より一層本発明の効果が得られる。
(作用)
最表面に被覆されている仕上層は膜厚が極めて薄く光を透過するため、明度の低い下地層の色を反映してしまう。そこで、仕上層と下地層の間に、仕上層よりも反射率の高い金属からなる反射層を形成させることにより、外観の明度が高く、より美しい色調を実現することができる。また、外観の色調は下地層ではなく仕上層に依存する傾向にあるため、反射層に用いる金属の色調が仕上層と異なるものであっても、色調に影響を及ぼす可能性はほとんどない。
すなわち、本発明はたとえば以下の(1)〜(15)に関する。
(1)基材と、該基材上の硬化層とからなる装飾部品であって、上記硬化層は、Ti、ZrおよびHfのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属の窒化物、炭化物または炭窒化物で構成された下地層と、AuまたはAu合金からなる仕上層と、上記下地層と上記仕上層との間に形成された、上記仕上層を構成する金属よりも反射率の高い金属からなる反射層とから構成される装飾部品。
(2)上記反射層が、Pt、Ag、Pd、Rh、Os、IrおよびRuのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属から構成されることを特徴とする上記(1)に記載の装飾部品。
(3)上記反射層の厚さが、0.001〜0.02μmであり、上記仕上層の厚さが、0.001〜0.85μmであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の装飾部品。
(4)上記仕上層が、AuあるいはAu−Ni合金、Au−Cu合金またはAu−Cu−Pd合金からなることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の装飾部品。
(5)上記下地層が、Ti、ZrまたはHfの窒化物、あるいはTi、ZrまたはHfの炭窒化物で構成されたことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の装飾部品。
(6)上記基材が、ステンレス、Ti、Ti合金、Al、Al合金またはCu合金であること特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の装飾部品。
(7)上記基材が、Hf、TiまたはZrからなる金属層が形成されている基材であること特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の装飾部品。
(8)基材と、該基材側から下地層、反射層および仕上層が積層された硬化層とからなる装飾部品の製造方法であって、上記基材上に、Ti、ZrおよびHfのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属の窒化物、炭化物または炭窒化物で構成された下地層を積層する下地層積層工程と、上記下地層上に、金属からなる反射層を積層する反射層積層工程と、上記反射層上に、AuまたはAu合金からなる仕上層を積層する仕上層積層工程とを含み、上記反射層を構成する金属の反射率が、上記仕上層を構成する金属の反射率よりも高いことを特徴とする装飾部品の製造方法。
(9)上記反射層が、Pt、Ag、Pd、Rh、Os、IrおよびRuのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属から構成されることを特徴とする上記(8)に記載の装飾部品の製造方法。
(10)上記反射層の厚さが、0.001〜0.02μmであり、上記仕上層の厚さが、0.001〜0.85μmであることを特徴とする上記(8)または(9)に記載の装飾部品の製造方法。
(11)上記仕上層が、AuあるいはAu−Ni合金、Au−Cu合金またはAu−Cu−Pd合金からなることを特徴とする上記(8)〜(10)のいずれかに記載の装飾部品の製造方法。
(12)上記下地層が、Ti、ZrまたはHfの窒化物、あるいはTi、ZrまたはHfの炭窒化物で構成されたことを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれかに記載の装飾部品の製造方法。
(13)上記基材が、ステンレス、Ti、Ti合金、Al、Al合金またはCu合金であること特徴とする上記(8)〜(12)のいずれかに記載の装飾部品の製造方法。
(14)上記基材が、Hf、TiまたはZrからなる金属層が形成されている基材であること特徴とする上記(8)〜(13)のいずれかに記載の装飾部品の製造方法。
(15)上記下地層、上記反射層および上記仕上層が、スパッタリング法、イオンプレーティング法およびイオンビーム蒸着法の中から選ばれる乾式メッキ法により積層されることを特徴とする上記(8)〜(13)のいずれかに記載の装飾部品の製造方法。
以上述べてきたように本発明では、Ti、Zr、Hfのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属からなる窒化物、炭化物もしくは炭窒化物で構成された下地層と、AuまたはAu合金からなる仕上層と、下地層と仕上層との間に仕上層よりも反射率の高い金属から成る反射層とから構成される硬化層を基材上に形成させる。最表面に被覆されている仕上層は膜厚が極めて薄く光を透過するため、明度の低い下地層の色を反映してしまう。反射層を形成させることにより、すなわち仕上層と明度の低い下地層との間に、仕上層よりも明度の高い、反射率の高い反射層を形成させることにより、外観の明度が高く、より美しい色調が実現する。これにより、金合金硬質膜における仕上がりの色調改善および明度の向上にあたり格別な効果が得られる。
本発明の装飾部品の一実施形態である時計ケースの断面模式図である。
符号の説明
11 仕上層
12 反射層
13 下地層
14 基材
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は基材からなる平板の表面に下地層13、反射層12、仕上層11からなる硬化層を形成した断面模式図である。ステンレス、TiおよびTi合金などの材料からなる母材を各種装飾部品形状の基材に加工した後、下地層としてHf、Zr、Tiの窒化物、炭化物、炭窒化物であるHfN、TiN、ZrN、TiC、TiCNなどの下地層と、下地層上にAuまたはAu合金よりも反射率の高いPt,Ag、Pdなどの反射層と、最表面のAu合金層を形成させた硬化層を形成させる工程を経る手法を採用することにより明度が高く美的外観に優れた装飾部品が達成される。
Arと窒素の混合ガスプラズマ雰囲気中で軟質基材であるTi、Ti合金、SUS304、SUS316Lに、下地層としてHfN層、TiN層、TiCN層、またはZrN層を形成させ、その後Arと窒素の混合ガスプラズマ雰囲気中で反射層としてRu、Pd、Rh、Ag、Os、Ir、Ptを形成させ、引き続きArと窒素の混合ガスプラズマ雰囲気中で反射層上に仕上げ層としてAuまたはAu合金層を形成させる手法を採用した。
以下に本発明についてより詳しく説明する。
本発明に係る装飾部品は、基材14と、該基材上の硬化層とからなる装飾部品であって、硬化層は、下地層13、反射層12および仕上層11からなる。具体的には、基材14上に、下地層13、反射層12および仕上層11がこの順で積層されている。
<基材>
基材14には、ステンレス、Ti、Ti合金、Al、Al合金または銅合金、セラミックスあるいはプラスチックが用いられる。好ましくは、ステンレス、Ti、Ti合金、Al、Al合金または銅合金が用いられる。
ステンレス鋼としては、Fe−Cr系合金(具体的にはSUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F等)、Fe−Cr−Ni系合金(具体的にはSUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L等)などが挙げられる。セラミックスとしては、Al23、SiO2、TiO2、Ti23、ZrO2、Y23、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の酸化物系セラミックス、AlN、Si34、SiN、TiN、BN、ZrN、HfN、VN、TaN、NbN、CrN、Cr2N等の窒化物系セラミックス、グラファイト、SiC、ZrC、Al43、CaC5、WC、TiC、HfC、VC、TaC、NbC等の炭化物系のセラミックス、ZrB2、MoB等のホウ化物系のセラミックス、これらのうちの二種類以上を組み合わせた複合セラミックスが挙げられる。また、プラスチックとしては、従来公知の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられる。
基材14の形状は、所望の装飾部品が得られるような形状であれば特に制限されない。
<下地層>
下地層13は、Ti、ZrおよびHfのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属の窒化物、炭化物または炭窒化物で構成される。下地層13を設けることにより、硬度が大きくなり、装飾品の耐傷性が向上する。上記のうちで、色調の観点から、Ti、ZrまたはHfの窒化物(本明細書においてそれぞれTiN、ZrN、HfNともいう。)、あるいはTi、ZrまたはHfの炭窒化物(本明細書においてそれぞれTiCN、ZrCN、HfCNともいう。)が好適に用いられる。
TiNを用いるときは、層中において、Tiおよび窒素の合計を100質量%として、窒素の含有率は、通常12〜37質量%であり、残部はTiである。ZrNを用いるときは、層中において、Zrおよび窒素の合計を100質量%として、窒素の含有率は、通常7〜24質量%であり、残部はZrである。HfNを用いるときは、層中において、Hfおよび窒素の合計を100質量%として、窒素の含有率は、通常3〜14質量%であり、残部はHfである。
また、TiCNを用いるときは、層中において、Ti、窒素および炭素の合計を100質量%として、窒素の含有率は、通常6〜28質量%であり、炭素の含有率は、通常5〜24質量%であり、残部はTiである。ZrCNを用いるときは、層中において、Zr、窒素および炭素の合計を100質量%として、窒素の含有率は、通常3〜20質量%であり、炭素の含有率は、通常3〜17質量%であり、残部はZrである。HfCNを用いるときは、層中において、Hf、窒素および炭素の合計を100質量%として、窒素の含有率は、通常1〜12質量%であり、炭素の含有率は、通常1〜10質量%であり、残部はHfである。なお、含有率は、後述のようにX線マイクロアナリシスにより求められる。
下地層13の厚さは、硬度の観点から、0.3〜3.0μmであることが好ましい。なお、膜厚は、X線回折法および触針式表面粗さ計によって測定する。
基材14上に下地層13を形成した場合、明度L*は、通常55〜67であり、表面硬度は、通常1200〜2100Hvである。
<反射層および仕上層>
反射層12は、金属からなり、仕上層11は、AuまたはAu合金からなり、反射層12を構成する金属の反射率は、仕上層11を構成する金属の反射率よりも高い。仕上層の下に反射層を設けることにより、明度の高い高品位の金色色調を有する装飾部品が得られる。いいかえると、反射層12下の下地層13が有する色調の影響が抑えられ、明度の高い高品位の金色色調を有する装飾部品が得られる。
反射率は、具体的には可視光域の平均反射率を意味する。反射層12を構成する金属の可視光域の平均反射率は、通常89〜93%であり、仕上層11を構成するAuまたはAu合金の可視光域の平均反射率は、通常83〜86%である。なお、上記平均反射率は、可視光域分光光度計(日立U−3300型)に積分球を取り付けて測定した値である。
上記平均反射率を有し、反射層12を構成する金属としては、具体的にはRu、Pd、Rh、Ag、Os、Ir、Ptが挙げられる。また、上記金属は一種類を用いても二種類以上を用いてもよい。なお、二種類以上からなる合金の平均反射率も通常上記範囲にある。
上記平均反射率を有し、仕上層11を構成する金属としては、具体的には純金、任意組成のAu−Ni合金、Au−Cu合金、Au−Cu−Pd合金が挙げられる。上記合金としては、より具体的には、88〜97質量%のAuと3〜12質量%のNiとを含むAu−Ni合金(ここでAuおよびNiの合計を100質量%とする。)、75〜97質量%のAuと3〜25質量%のCuとを含むAu−Cu合金(ここでAuおよびCuの合計を100質量%とする。)、71.5〜89.5質量%のAuと10〜25質量%のCuと0.5〜3.5質量%のPdとを含むAu−Cu−Pd合金(ここでAu、CuおよびPdの合計を100質量%とする。)が好適に用いられる。このようなAuまたはAu合金を用いると、高品位の金色色調と高い明度L*を有する装飾部品が得られる。
反射層12の厚さは0.001〜0.02μmであり、仕上層11の厚さは0.001〜0.85μmであることが好ましい。反射層12および仕上層11の厚さが上記範囲にあると、装飾部品において、仕上層11を透過した光が反射層12で反射されるため、明度の高い高品位の金色色調が得られる(なお、膜厚が上記範囲にあると、金色色調を有しない反射層12による影響はほとんど見られず、明度の高い高品位の金色色調が得られる。)。また、反射層12の厚さが上記範囲にあると、仕上層11が傷ついて剥がれるときには、通常、仕上層11とともに反射層12も剥がれる。この場合、金色色調の下地層13が露出するため、異なる色調の反射層12が残存するよりも、傷が目立ち難くなる利点がある。なお、反射層12の厚さが上記範囲より小さすぎると、光を反射する効果に劣る場合がある。一方、上記範囲より大きすぎると、硬度が低くなり耐傷性に劣る場合がある。さらに、仕上層11が傷ついて剥がれるときに、異なる色調の反射層12は剥がれずに残存し、傷が視認されやすくなる場合がある。また、仕上層11の厚さが上記範囲より小さすぎると、被膜が島状に形成され色調に劣る場合がある。仕上層11の厚さが上記範囲より大きすぎると、硬度が低くなり耐傷性に劣る場合がある。
反射層12および仕上層11の厚さが上記範囲にあると、得られた装飾部品において、L*は通常82〜86であり、明度に優れる。また、表面硬度は、通常1000〜1925Hvであり、硬度に優れ、耐傷性も維持できる。
さらに、反射層12の厚さは0.001〜0.01μmであり、仕上層11の厚さは0.005〜0.10μmであることがより好ましい。反射層12および仕上層11の厚さが上記範囲にあると、より明度の高い高品位の金色色調が得られる。また、耐傷性もより高く維持できる。
反射層12および仕上層11の厚さが上記範囲にあると、得られた装飾部品において、L*は通常83〜86であり、表面硬度は、通常1500〜1885Hvであり、硬度および耐傷性のバランスがより優れる。
<装飾部品>
本発明に係る装飾部品は、上述したような硬化層を有し、時計バンド、時計ケ−ス、べゼル、裏蓋、中留、尾錠、リューズ、ピアス、イヤリング、指輪、メガネフレーム、ペンダント、ブローチ、ネックレス、ブレスレットなどとして使用される。
<製造方法>
本発明に係る装飾部品の製造方法は、基材と、該基材側から下地層、反射層および仕上層が積層された硬化層とからなる装飾部品の製造方法であって、上記基材上に、Ti、ZrおよびHfのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属の窒化物、炭化物または炭窒化物で構成された下地層を積層する下地層積層工程と、上記下地層上に、金属からなる反射層を積層する反射層積層工程と、上記反射層上に、AuまたはAu合金からなる仕上層を積層する仕上層積層工程とを含む。ここで、上記反射層を構成する金属の反射率は、上記仕上層を構成する金属の反射率よりも高い。
下地層積層工程、反射層積層工程および仕上層積層工程において、下地層、反射層および仕上層は、たとえばスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法等の乾式メッキ法により形成される。
スパッタリング法としては、RFスパッタ、DCスパッタ法、DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などが挙げられる。DCスパッタ法は、合金組成が制御しやすい利点を有する。
プラズマの発生手段としては、RF法、DC法のいずれの手法を採用してもよい。プラズマを発生させるために使用する不活性ガスとしては、Ar、He、Xe、Krガスが挙げられる。また、層を形成する際の圧力は特に制限されず、ガスプラズマが発生できればよい。
より具体的には、下地層積層工程においては、通常、金属であるTi、Zr、Hfの蒸発レートあるいはスパッタリングレートと、反応性ガスであるN2、CH4などの流量と、ガスプラズマへの投入電力とを適宜コントロールすることで、所望の含有率を有する層が得られる。また、金属であるTi、Zr、Hfの蒸発レートあるいはスパッタリングレートと、反応性ガスであるN2、CH4などの流量と、ガスプラズマへの投入電力と、成膜にかかる時間とを適宜変えることで膜厚を制御できる。
反射層積層工程においては、通常、高反射率金属の蒸発レートあるいはスパッタリングレートと、成膜にかかる時間とを適宜変えることで膜厚を制御できる。
仕上層積層工程においては、通常、仕上層に用いる金属であるAuまたはAu合金の組成と、その蒸発レートあるいはスパッタリングレートと、成膜にかかる時間とを適宜コントロールすることで、所望の含有率を有する層が得られる。また、成膜時間を適宜変えることで膜厚を制御できる。
なお、その他の実施形態として、あらかじめ基材上に金属層が形成されている基材14を用いた装飾部品が挙げられる。このような金属層を設けた基材14によれば、下地層13との密着性がより良好になる。
基材が、チタンおよびチタン合金以外の金属または合金、セラミックスあるいはプラスチックからなる場合、金属層はHf、TiまたはZrからなることが好ましい。この金属層の厚さは通常0.02〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmである。
基材が、チタンまたはチタン合金からなる場合には、金属層を形成する必要は特にないが、上記したような金属層を形成してもよい。
上記金属層は、スパッタリング法、イオンプレーティング法またはアーク式イオンプレーティング法などの乾式メッキ法により形成することができる。
また、基材が、Cu合金からなる場合、上記以外の金属層を形成してもよい。このような金属層としては、たとえば、この基材表面に湿式メッキ法により形成された厚み1〜10μm、好ましくは1〜5μmのニッケル被膜と、このニッケル被膜表面に湿式メッキ法により形成された厚み3〜10μm、好ましくは3〜5μmのアモルファスのニッケル−リン合金被膜とからなる金属層、さらには、この合金被膜表面に乾式メッキ法により厚み0.02〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmのチタン被膜を形成した3層からなる金属層が挙げられる。また、ニッケルアレルギー防止の面からは、湿式メッキ法により形成された、銅、パラジウム、銅−錫合金、銅−錫−亜鉛合金および銅−錫−パラジウムからなる群から選ばれる金属または合金からなる少なくとも1層の被膜からなる厚み2〜9μm、好ましくは2〜3μmの金属層、さらには、この被膜表面に乾式メッキ法により厚み0.02〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.1μmのチタン被膜を形成した金属層が挙げられる。
[実施例]
本発明の詳細を以下の実施例で説明する。
(実施例1)
任意の基材14を真空装置内に配置し、真空装置内を真空排気した後にArと窒素を導入してArと窒素の混合ガスプラズマを発生させ、圧力を0.2Paに保った混合ガスプラズマ雰囲気中で、Tiを使用しDCスパッタ法により任意の基材14の表面に下地層13としてTiN層を形成させた。さらに、同一圧力の同一ガスプラズマ雰囲気中でPtを使用し、DCスパッタ法により下地層13上に、反射層12を形成させた。さらに、同一圧力の同一ガスプラズマ雰囲気中で、Auを使用しDCスパッタ法により反射層12上に、Au層を形成して仕上層11を形成させた。膜厚は設定値で下地層13を構成するTiN層が0.8μmとなるように、Auからなる仕上層11が0.01μm(10nm)、合計で膜厚が0.81μmとなるように成膜時間を調整し成膜を行なった(表1参照)。任意の基材としては800番研磨紙により仕上げた算術平均粗さRa=200Åに相当するSUS304からなる時計ケースを使用した。
(実施例2〜24)
実施例1と同様に、真空装置内を真空排気した後にArと窒素を導入してArと窒素の混合ガスプラズマを発生させ(あるいはAr、窒素およびCH4を導入してAr、窒素および炭素または炭化水素の混合ガスプラズマを発生させ)、圧力を0.2Paに保った混合ガスプラズマ雰囲気中でHf、TiまたはZrを使用しDCスパッタ法により任意の基材の下地層としてHfN、HfCN、TiN、TiCN、ZrNまたはZrCN層を、形成して下地層13を形成させた。さらに、同一圧力の同一ガスプラズマ雰囲気中で、Ru、Pd、Rh、Ag、Os、Ir、Pt使用しDCスパッタ法により下地層13上に、反射層12を形成させた。さらに、同一圧力の同一ガスプラズマ雰囲気中で、AuまたはAu合金を使用しDCスパッタ法により反射層12上に、AuまたはAu合金を被覆して仕上層11を形成させた。膜厚は設定値で下地層13を構成するHfN、TiN、TiCNまたはZrN層が0.8μm、またRu、Pd、Rh、Ag、Os、Ir、Ptより構成される反射層12が0.001μm〜0.01μmとなるように、また、仕上層11を構成するAuまたはAu合金層が0.002μmから0.1μmとなるように調整し、合計で膜厚が0.803μmから0.910μmとなるように成膜時間を調整し成膜を行なった(表1参照)。
(実施例25〜47)
実施例1と同様、真空装置内を真空排気した後にArと窒素を導入してArと窒素の混合ガスプラズマを発生させ(あるいはAr、窒素およびCH4を導入してAr、窒素および炭素または炭化水素の混合ガスプラズマを発生させ)、圧力を0.2Paに保った混合ガスプラズマ雰囲気中でHf、TiまたはZrを使用しDCスパッタ法により任意の基材の下地層としてHfN、HfCN、TiN、TiCN、ZrNまたはZrCN層を、形成して下地層13を形成させた。さらに、同一圧力の同一ガスプラズマ雰囲気中で、Ru、Pd、Rh、Ag、Os、Ir、Pt使用しDCスパッタ法により下地層13上に、反射層12を形成させた。さらに、同一圧力の同一ガスプラズマ雰囲気中で、AuまたはAu合金を使用しDCスパッタ法により反射層12上に、AuまたはAu合金を被覆して仕上層11を形成させた。ここで反射層と仕上層の厚みは任意の厚みとして調整し、合計で膜厚が0.8μmから1.65μmとなるように成膜時間を調整し成膜を行なった(表3参照)。
(比較例1〜22)
本発明の比較例1〜22としてTi、Ti合金、SUS304及びSUS316Lからなる装飾部品である時計ケース、時計バンド、時計ベゼル、裏蓋、または中留の表面に、下地層としてTiN、ZrN、TiCN、HfCN,ZrCN、HfN層を形成し、反射層は設けずに組成任意のAuまたはAu合金を、0.81〜0.91μmとなるよう時間を調整してDCスパッタ法により被覆して仕上げ層を形成させた(表5参照)。
実施例1〜47、比較例1〜22で得られた装飾部品の硬度試験、測色評価試験の結果および総合評価結果を表1〜表6に示す。その他の測定結果は表7−1〜8−2にも示す。
<評価方法>
(下地層)
HfN層、TiN層およびZrN層などの下地層の組成は、EPMA(X線マイクロアナリシス)分析により求めた。EPMAは、対象物に電子線を照射することによって発生する蛍光X線の波長と強度から、対象物に含まれる元素を同定する測定装置であって、B(ホウ素)以上の原子量の元素を検出できる。本発明における組成分析方法は、Siウェハ基材面上にHfN、TiN、ZrN、HfCN、TiCN、ZrCNなどの各単層膜をDC反応性スパッタリング法で概ね0.3μm厚で形成した測定試料を、JXA−8200型EPMA(日本電子製)にて加速電圧15kV、プローブ電流50nAにて測定・分析した。
実施例1のTiNの組成は、具体的には以下のように求めた。まず、基材をSiウェハとし、成膜時間を短くして下地層の厚さを0.3μmとした他は、実施例1と同様の条件で下地層を形成した。次いで、このサンプルについて上述のEPMA測定を行い、TiNの組成を求めた。この値は、実施例1のTiNの組成と同じ値になるため、該値を実施例1のTiNの組成とした。実施例2〜47についても、実施例1と同様にして下地層の組成を求めた。
下地層の膜厚は、X線回折法および触針式表面粗さ計により求めた。本発明における下地層の膜厚は、Siウェハ基材上にHfN、TiN、ZrN、HfCN、TiCN、ZrCNなどの各単層膜をDC反応性スパッタリング法でマスク成膜形成し、X線回折装置としてはSmart Labo(日本電子製)を用いて、Cu−Kα線により成膜部膜厚を薄膜回折法で測定した。回折線の重なる場合は波形分離を行って回折角を決定した。触針式表面粗さ計としてアルファステップ IQ(テンコール社製)を用いて、針先端径12.5μm、針圧10mg重、スキャン速度50μm/秒の条件でマスク成膜部段差を測定した。薄膜回折法で求めた値および触針式表面粗さ計で求めた値を平均して、膜厚を得た。
実施例1の下地層の膜厚は、具体的には以下のように求めた。まず、基材をSiウェハとし、マスクを用いた他は、実施例1と同様の条件で部分的に下地層を形成した。次いで、このサンプルの成膜部について上述のX線回折測定を行い、膜厚を求めた。また、上記成膜部について上述の触針式表面粗さ計により段差(膜厚)を求めた。両者の値を平均して、膜厚を得た。この値は、実施例1の下地層の膜厚と同じ値になるため、該値を実施例1の下地層の膜厚とした。実施例2〜47についても、実施例1と同様にして下地層の膜厚を求めた。
下地層の硬度は、負荷荷重5mNでマイクロビッカース硬度計により測定した。
下地層のマイクロビッカース硬度においては、Siウェハ基板上に形成した下地層膜を被測定物とした。硬度測定器(フィッシャー・インストルメンツ社製 H100VP−HCU)を用いて、下記条件により圧痕深さと押し込み〜引き戻し間ヒステリシスから求めた。
圧子:ISO 14577準拠 面角136°のダイヤモンド四角錐
押し込み力:5mN
このときに得られるのは押し込み硬さHIVであるが、この値をISO 14577−1に従ってビッカース硬さHVに変換した。測定は試料面上5点で行い、平均値を採用した。
実施例1の下地層のマイクロビッカース硬度は、具体的には以下のように求めた。まず、基材をSiウェハとした他は、実施例1と同様の条件で下地層を形成した。次いで、このサンプルについて上述の測定を行い、マイクロビッカース硬度を求めた。この値を実施例1の下地層の硬度とした。実施例2〜47についても、実施例1と同様にして下地層の硬度を求めた。
下地層の明度は、分光測色計(コニカミノルタ社製、CM−2600d)を用いて測定した。使用した光源はJIS Z 8720で規定されるD65、視野角は10°で測定した。
実施例1の下地層の明度は、具体的には以下のように求めた。まず、基材をSiウェハとした他は、実施例1と同様の条件で下地層を形成した。次いで、このサンプルについて上述の測定を行い、明度を求めた。この値を実施例1の下地層の明度とした。実施例2〜47についても、実施例1と同様にして下地層の明度を求めた。
(反射層)
反射層を構成する金属の平均反射率は、可視光域分光光度計(日立U−3300型)に積分球を取り付けて測定した。分光光度計の片方の光学系に積分球を設置し、測定サンプル設置位置にφ20穴の開いた頂角10°のくさび形サンプルホールド治具を取り付けた。この治具を用いた理由は、測定時にサンプルからの反射光が入射光側に漏れずに積分球内部で捕捉できるようにするためであった。このようにして構成した測定系のくさび形サンプルホールド治具に、CIE推奨の標準白色板(硫酸バリウム白色板)を取り付けて、可視光帯域の波長光を照射し、反射光の強度を各波長にて取り込み、その値を反射率100%として記録した。実際にはコンピュータのメモリ内にデータを記憶させた。続いて、Siウェハ平面基板上に反射層を構成する金属の膜を形成した測定試料をくさび形サンプルホールド治具に取り付けて、可視光帯域の波長光を照射し、反射光の強度を各波長にて取り込み、各波長での標準白色板の反射率を100%としたときの測定試料の反射率を得た。実際には、標準白色板の反射率は100%ではなく、可視光範囲で約96%で一定しているから、測定試料のある波長での正確な反射率は、その波長での測定試料の反射率÷0.96、にて計算した。
また、本明細書で言う平均反射率とは、これまでに述べた方法で得られた波長ごとの分光反射率を、可視光範囲(380nm〜780nm)において重み付けなしで平均した値を言う。
実施例1に用いたPtの平均反射率は、具体的には以下のように求めた。まず、Siウェハ基材上に膜厚0.3μmのPt層を形成した。次いで、この測定試料について上述の測定を行い、平均反射率を求めた。この値を、Ptの平均反射率とした。実施例2〜47に用いた金属についても、同様にして金属の平均反射率を求めた。
反射層の膜厚は、X線回折法および触針式表面粗さ計により求めた。膜厚測定試料は、Siウェハ平面基板上の全面に下地層を形成した後、反射層をマスク成膜で部分形成して調製した。X線回折装置としてはSmart Labo(日本電子製)を用いて、Cu−Kα線により成膜部膜厚を薄膜回折法で測定した。回折線の重なる場合は波形分離を行って回折角を決定した。触針式表面粗さ計としてアルファステップ IQ(テンコール社製)を用いて、針先端径12.5μm、針圧10mg重、スキャン速度50μm/秒の条件でマスク成膜部段差を測定した。薄膜回折法で求めた値および触針式表面粗さ計で求めた値を平均して、膜厚を得た。
実施例1の反射層の膜厚は、具体的には以下のように求めた。まず、Siウェハ基材を用いた他は、実施例1と同様の条件で下地層を形成した。次いで、マスクを用いた他は、実施例1と同様の条件で部分的に反射層を形成した。このサンプルの成膜部について上述のX線回折測定を行い、膜厚を求めた。また、上記成膜部について上述の触針式表面粗さ計により段差(膜厚)を求めた。両者の値を平均して、膜厚を得た。この値は、実施例1の反射層の膜厚と同じ値になるため、該値を実施例1の反射層の膜厚とした。実施例2〜47についても、実施例1と同様にして反射層の膜厚を求めた。
(仕上層)
仕上層を構成する金属の平均反射率は、反射層の平均反射率と同様にして可視光域分光光度計(日立U−3300型)に積分球を取り付けて測定した。
実施例1に用いたAuの平均反射率は、具体的には以下のように求めた。まず、Siウェハ平面基板上に膜厚0.3μmのAu層を形成した。次いで、この測定試料を用いて、上述した反射層の平均反射率と同様の測定・計算によって平均反射率を求めた。この値を、Auの平均反射率とした。実施例2〜47に用いたAuまたはAu合金についても、同様にしてAuまたはAu合金の平均反射率を求めた。
Au合金層で形成されている仕上層の組成は、EPMA(X線マイクロアナリシス)分析により求めた。仕上層の組成は、仕上層を構成する金属の平均反射率測定に用いたものと同様な仕上層を有する試料について、JXA−8200型EPMA(日本電子製)にて加速電圧15kV、プローブ電流50nAにて測定・分析した。
実施例2のAu合金の組成は、具体的には以下のように求めた。まず、基材をSiウェハとし、成膜時間を調整して仕上層の厚さを0.3μmとした他は、実施例2と同様の条件で下地層、反射層および仕上層を形成した。次いで、このサンプルについて上述のEPMA測定を行い、Au合金の組成を求めた。この値は、実施例2のAu合金の組成と同じ値になるため、該値を実施例2のAu合金の組成とした。実施例3〜47についても、実施例2と同様にして仕上層の組成を求めた。
仕上層の膜厚は、X線回折法および触針式表面粗さ計により求めた。膜厚測定試料は、Siウェハ平面基板上の全面に下地層、反射層を積層した後、仕上層をマスク成膜で部分形成して調製した。X線回折装置としてはSmart Labo(日本電子製)を用いて、Cu−Kα線により成膜部膜厚を薄膜回折法で測定した。回折線の重なる場合は波形分離を行って回折角を決定した。触針式表面粗さ計としてはアルファステップ IQ(テンコール社製)を用いて、針先端径12.5μm、針圧10mg重、スキャン速度50μm/秒の条件でマスク成膜部段差を測定した。薄膜回折法で求めた値および触針式表面粗さ計で求めた値を平均して、膜厚を得た。
実施例1の仕上層の膜厚は、具体的には以下のように求めた。まず、Siウェハ基材上に、実施例1と同様の条件で下地層、反射層を形成した。次いで、マスクを用いた他は、実施例1と同様の条件で部分的に仕上層を形成した。このサンプルの成膜部について上述のX線回折測定を行い、膜厚を求めた。また、上記成膜部について上述の触針式表面粗さ計により段差(膜厚)を求めた。両者の値を平均して、膜厚を得た。この値は、実施例1の仕上層の膜厚と同じ値になるため、該値を実施例1の仕上層の膜厚とした。実施例2〜47についても、実施例1と同様にして仕上層の膜厚を求めた。
(装飾部品)
装飾部品の硬度は負荷荷重5mNでマイクロビッカース硬度計により測定し、ビッカース硬度Hv=1000未満のものを×、Hv=1000以上1500未満のものを○、ビッカース硬度Hv=1500以上のものを◎で合格とした。
本発明の装飾部品のマイクロビッカース硬度は、片面を鏡面に研磨したSUS316L平面基板上に下地層、反射層、仕上層をこの順に積層したものを被測定物とした。硬度測定器(フィッシャー・インストルメンツ社製 H100VP−HCU)を用いて、下記条件により圧痕深さと押し込み〜引き戻し間ヒステリシスから求めた。
圧子:ISO 14577準拠 面角136°のダイヤモンド四角錐
押し込み力:5mN
このときに得られるのは押し込み硬さHIVであるが、この値をISO 14577−1に従ってビッカース硬さHVに変換した。測定は試料面上5点で行い、平均値を採用した。
実施例1の装飾部品のマイクロビッカース硬度は、具体的には以下のように求めた。まず、基材を上記SUS316Lとした他は、実施例1と同様の条件で下地層、反射層および仕上層を形成した。次いで、このサンプルについて上述の測定を行い、マイクロビッカース硬度を求めた。この値を実施例1の装飾部品の硬度とした。実施例2〜47についても、実施例1と同様にして装飾部品の硬度を求めた。
装飾部品の色調の評価試験は分光測色計(コニカミノルタ社製、CM−2600d)を用いて測定した。使用した光源はJIS Z 8720で規定されるD65、視野角は10°で測定した。JIS Z 8729で規定されるL*a*b*表示の色度図において、L*が83以上のものを◎、82以上83未満のものを○で合格とした。82未満の場合は×で不合格とした。
実施例1の装飾部品の明度は、具体的には以下のように求めた。まず、基材を上記SUS316Lとした他は、実施例1と同様の条件で下地層、反射層および仕上層を形成した。次いで、このサンプルについて上述の測定を行い、明度を求めた。この値を実施例1の装飾部品の明度とした。実施例2〜47についても、実施例1と同様にして装飾部品の明度を求めた。
硬度試験および測色評価試験で合格したものを総合評価結果で合格とした。
Figure 2009038151
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表1、表2に示すようにTi、Ti合金、SUS304およびSUS316Lからなる時計ケース、時計バンドおよび時計ベゼルなどの装飾部品の表面に下地層としてHfN、TiN、TiCN、ZrNなどの下地層を形成させ、次いで反射層を形成させ、さらに仕上層としてAuおよびAu合金層を被覆することで硬化層を形成させた。これら実施例1〜24の全てが、硬度試験ではビッカ−ス硬度がHv=1500以上で合格、測色評価試験においても、使用した基板すなわち800番研磨紙にて仕上げた算術平均粗さRa=200ÅのTi、Ti合金、SUS304、SUS316Lを使用の下、L*=83以上で合格であり、従って総合評価は実施例1〜24の全てが◎での合格であった。
表3、表4に示すようにTi、Ti合金、SUS304およびSUS316Lからなる時計ケース、時計バンドおよび時計ベゼルなどの装飾部品の表面に下地層としてHfN、TiN、TiCN、ZrNなどの下地層を形成させ、次いで反射層を形成させ、さらに仕上層としてAuおよびAu合金層を被覆することで硬化層を形成させた。これら実施例25〜47において、実施例25〜27は硬度試験ではビッカ−ス硬度がHv=1500以上であり◎での合格であり、測色評価試験においてはL*=83以上で合格であった。実施例43〜47は硬度試験ではビッカ−ス硬度がHv=1500以上であり◎での合格であり、測色評価試験においてはL*=82以上83未満で○合格であった。実施例28〜42は硬度試験ではビッカ−ス硬度がHv=1000以上1500未満で○合格であり、測色評価試験においては、使用した基板すなわち800番研磨紙にて仕上げた算術平均粗さRa=200ÅのTi、Ti合金、SUS304、SUS316Lを使用の下、L*=83以上で合格であり、従って総合評価は実施例25〜47の全てが合格であった。
これらに対し、比較例1〜22は硬度試験では、ビッカース硬度がHv=1500以上で合格であったが、測色評価試験ではL*=82未満で不合格であった。よって合格総合評価は比較例1〜45の全てが不合格であった。
以上から、反射層の厚みは0.001μm〜0.01μmであることが好ましい。すなわち、L*値の増加が比較的小さい反射層の膜厚が0.001μm未満のものや、低硬度となってしまう膜厚が0.01μmより厚いものに比べ、反射層の厚みが0.001μm〜0.01μmであるものは、より高明度、高硬質膜を得ることができるのである。
また、仕上層の厚みは0.002〜0.3μmであることが好ましい。すなわちL*値の増加が比較的少なく外観はまだら状の色調を呈しやすい0.002μm未満のものや、色調明度L*の値はAuバルクと同様になるもの低硬度となってしまう、膜厚が0.3μmを超えるものに比べ、仕上層の厚みが0.002〜0.3μmであるものは、より高明度、高硬質膜を得ることができるのである。
基材材質として実施形態でTi、Ti合金、SUS304およびSUS316Lを使用したが、基材材質はこれらに限らずAlおよび各種のAl合金、各種のステンレス鋼、各種のTi合金、銅合金などからなる材料に適用可能である。
基材と下地層である窒化物、炭化物、炭窒化物層との密着性を良好にさせるために、Hf、TiまたはZrからなる金属層をあらかじめ形成させてもよい。
下地層として今回TiN、HfN、ZrN、TiCN,ZrCN,HfCNを用いたが、下地層材料はこれに限らずTi、Zr、Hfのうちから一種類または二種類以上の金属からなる窒化物、炭化物もしくは炭窒化物ならば適用可能である。
金属および金属の窒化物とAuまたはAu合金を蒸発させる手段として、実施形態ではDCスパッタ法を採用したが、これは合金組成が簡便に制御できるために採用したのであって、RFスパッタおよびDCスパッタ法に限定する必要はなく、DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法など任意のスパッタ法を用いてもよく。またスパッタ法に限らず、ドライプロセスであるならばイオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法などの他のPVD手法を採用しても差し支えがない。同様にプラズマの発生手段もRF法、DC法のいずれの手法を採用してもよい。
下地層を形成させる圧力条件として実施形態ではガスプラズマ雰囲気の圧力を0.2Paとしているが、ガスプラズマの圧力は同条件に限定する必要はなくガスプラズマが発生可能であれば圧力は任意の数値でよい。
実施形態では不活性ガスにArを、不活性ガスはプラズマを発生させるために使用したもので、ArやHeに限らずXe、Krなどの他の不活性ガスに替えても構わない。

Claims (15)

  1. 基材と、該基材上の硬化層とからなる装飾部品であって、
    前記硬化層は、Ti、ZrおよびHfのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属の窒化物、炭化物または炭窒化物で構成された下地層と、AuまたはAu合金からなる仕上層と、前記下地層と前記仕上層との間に形成された、前記仕上層を構成する金属よりも反射率の高い金属からなる反射層とから構成される装飾部品。
  2. 前記反射層が、Pt、Ag、Pd、Rh、Os、IrおよびRuのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属から構成されることを特徴とする請求項1に記載の装飾部品。
  3. 前記反射層の厚さが、0.001〜0.02μmであり、前記仕上層の厚さが、0.001〜0.85μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の装飾部品。
  4. 前記仕上層が、AuあるいはAu−Ni合金、Au−Cu合金またはAu−Cu−Pd合金からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装飾部品。
  5. 前記下地層が、Ti、ZrまたはHfの窒化物、あるいはTi、ZrまたはHfの炭窒化物で構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装飾部品。
  6. 前記基材が、ステンレス、Ti、Ti合金、Al、Al合金またはCu合金であること特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の装飾部品。
  7. 前記基材が、Hf、TiまたはZrからなる金属層が形成されている基材であること特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の装飾部品。
  8. 基材と、該基材側から下地層、反射層および仕上層が積層された硬化層とからなる装飾部品の製造方法であって、
    前記基材上に、Ti、ZrおよびHfのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属の窒化物、炭化物または炭窒化物で構成された下地層を積層する下地層積層工程と、
    前記下地層上に、金属からなる反射層を積層する反射層積層工程と、
    前記反射層上に、AuまたはAu合金からなる仕上層を積層する仕上層積層工程とを含み、
    前記反射層を構成する金属の反射率が、前記仕上層を構成する金属の反射率よりも高いことを特徴とする装飾部品の製造方法。
  9. 前記反射層が、Pt、Ag、Pd、Rh、Os、IrおよびRuのうちから選ばれる一種類または二種類以上の金属から構成されることを特徴とする請求項8に記載の装飾部品の製造方法。
  10. 前記反射層の厚さが、0.001〜0.02μmであり、前記仕上層の厚さが、0.001〜0.85μmであることを特徴とする請求項8または9に記載の装飾部品の製造方法。
  11. 前記仕上層が、AuあるいはAu−Ni合金、Au−Cu合金またはAu−Cu−Pd合金からなることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の装飾部品の製造方法。
  12. 前記下地層が、Ti、ZrまたはHfの窒化物、あるいはTi、ZrまたはHfの炭窒化物で構成されたことを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の装飾部品の製造方法。
  13. 前記基材が、ステンレス、Ti、Ti合金、Al、Al合金またはCu合金であること特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の装飾部品の製造方法。
  14. 前記基材が、Hf、TiまたはZrからなる金属層が形成されている基材であること特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の装飾部品の製造方法。
  15. 前記下地層、前記反射層および前記仕上層が、スパッタリング法、イオンプレーティング法およびイオンビーム蒸着法の中から選ばれる乾式メッキ法により積層されることを特徴とする請求項8〜14のいずれかに記載の装飾部品の製造方法。
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