JPWO2009011422A1 - X線発生装置及びこれを用いたx線ct装置 - Google Patents

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Abstract

高エネルギーと低エネルギーのX線ビームを高速に切替え可能なX線発生装置及びそれを用いて高速かつ高画質のマルチエネルギー撮影可能なX線CT装置を提供する。二つの陰極200a、200bと、これらの陰極フィラメントから放出される電子ビームによってX線焦点からX線を放射する回転陽極204と、前記電子ビームの放出を制御する二つのグリッド電極202a、202bとを備えたX線管9と、X線の条件を制御する管電圧発生部9a及び管電圧制御部9d1と、フィラメント加熱部9b及び管電流制御部9d2と、グリッド電圧発生部9c及びグリッド開閉制御部9d3と、グリッド切替部9eとを備えてX線発生装置を構成する。このX線発生装置からの高エネルギーX線と低エネルギーX線を隣り合う投影角度毎に切り替えて被検体に照射して投影データを収集する。

Description

本発明は、X線発生装置に係り、特にマルチエネルギー撮影に好適なX線発生装置及びこのX線発生装置を用いてマルチエネルギー撮影を行う機能を備えたX線CT装置に関する。
X線CT装置には、1回のX線曝射で、一つの断層画像が得られるシングルスライス型X線CT装置と、同時に複数の断層画像が得られるマルチスライス型X線CT装置とがある。
前記シングルスライス型X線CT装置は、多数のX線検出素子が1列、すなわち一次元方向(チャネル方向)に配列されたX線検出器を用い、ファンビーム、すなわち扇形のX線ビームをX線管から被検体に照射し、前記被検体透過後のX線を計測して被検体の投影データを得る。
これに対して、マルチスライス型X線CT装置は、コーンビーム、すなわち円錐形もしくは角錐形のX線ビームをX線管から被検体に照射し、多数のX線検出素子が二次元方向(チャネル方向と列方向)に配列されたX線検出器によって被検体透過後のX線を計測して投影データを得る。
いずれのX線CT装置においても、対向するX線管とX線検出器とを被検体の周囲に回転させて多方向から投影データを収集し、この収集した投影データにぼけ補正のための再構成フィルタ処理を行った上で逆投影して被検体の断層像を再構成する。
前記投影データは、X線管から放射されるX線ビームの離散的な投影角度(以下、「ビュー」と呼ぶ)において収集され、この収集された投影データを「該当ビューにおける投影データ」と呼ぶ。1枚のCT画像を再構成するために必要な被検体の周囲を回転するX線管とX線検出器の1回転あたりのビュー数は、通常、数百から1000程度である。また、1ビュー分の投影データは、X線検出器のチャネル数×列数分のデータから成る(シングルスライス型X線CT装置は前記のとおり列数=1の場合である)。
このようなX線CT装置において、近年、複数の異なるエネルギーのX線ビームを同一断層面に照射して撮影した撮影像に基づき被検体の組成を分析する方法が利用されており、マルチエネルギー撮影法と呼ばれている。
特に異なる2種類のエネルギーを用いて撮影を行う場合は、デュアルエネルギー撮影法と呼ばれている。
前記デュアルエネルギー撮影法を適用して被検体の平均原子番号、及び平均密度の断層画像を計測する方法が非特許文献1に開示されている。
また、前記X線管の陽極と陰極間の電圧(以下、管電圧と記す)をX線の投影角度毎に変化させながらX線のエネルギースペクトルを変化させてデュアルエネルギー撮影を行う方法(以下,管電圧変調法と記す)が特許文献1に開示されている。
R.E. Alvarez and A. Macovski, "Energy-selective Reconstructions in X-ray Computed Tomography," Phys. Med. Biol., Vol. 21, No. 5, pp.733-744, (1976) 特開平10-73544号公報
近年、医療用のX線CT装置においては、心臓や冠動脈等、動きの速い被検体部位を撮影するために、X線管とX線検出器の対からなる撮影系の回転速度、すなわちスキャン速度の高速化が進み、現在、0.33〜0.4[秒/回転]程度のものが実用化されている。
このように、スキャン速度が高速化されたX線CT装置において、通常のX線CT撮影における前記撮影系の1回転当りのビュー数は1000前後であり、スキャン速度が0.33秒の場合は、0.36度(=360度/1000)の回転毎に1回の撮影が行われる。
このような、従来のX線CT装置に上記特許文献1の技術を用いてデュアルエネルギー撮影を行うと、以下の問題が発生する。
(1)管電圧の大きさに拘わらずX線管の陽極と陰極間に流れる電流(以下、管電流と記す。)は一定である。
これは、X線管のフィラメント温度の熱慣性により、管電流を高速に切り替えることが困難であるために、高エネルギー(高管電圧)と低エネルギー(低管電圧)とで、管電流は一定になるように制御されており、管電流は切り替えていない。
通常,低管電圧で撮影を行う際には,被検体中で吸収されるX線量が増大するために、X線検出器で十分な投影データを取得するためには高管電圧時に比べて管電流を多くする必要がある。
また、低管電圧時の管電流が不足すると、撮影画像中の量子ノイズが増大して撮影画像の画質が低下する。
また、高管電圧時には十分な投影データの取得が可能であるために、被曝低減の点から管電流を低管電圧時よりも少なくする方が望ましい。
以上の理由から,本来は管電圧の変化(高管電圧・低管電圧)に伴って管電流も変化(低管電流・高管電流)させることが望ましい。
(2)特許文献1に記載された技術では、特許文献1の段落番号{0058}に記載されているように、スキャナが1回転する間に高エネルギーと低エネルギーのそれぞれについて取得されるビュー数が600と少ない。したがって、高エネルギーと低エネルギーとで得られた各ビューデータをそれぞれ画像再構成すると、画像上に放射状アーチファクトが発生することが懸念される。
これは、電源部からX線管に管電圧を供給する過程で、配線が有する寄生インピーダンス(寄生インダクタンス及び寄生静電容量)により遅延が発生するために、管電圧の切替えの高速化に限界があり、これによってビュー数が制限されるからである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、管電圧変調法を用いたマルチエネルギー撮影において,高エネルギーと低エネルギーのX線ビームを高速に切り替えることができるX線発生装置及びこのX線発生装置を用いて高速かつ高画質のマルチエネルギー撮影画像が得られるX線CT装置を提供することを目的とする。
上記目的は、複数の陰極から発生する電子ビームによる異なるエネルギーのX線をグリッドの開閉により交互に切り替えて発生するX線管及びこのX線管から発生する前記異なるエネルギーのX線を制御するX線制御手段とを備えてX線発生装置を構成し、このX線発生装置により前記異なるエネルギーのX線を隣接するビュー毎に交互に切り替えて照射して投影データを取得し、この投影データから画像を再構成するもので、具体的には以下の手段によって達成される。
すなわち、本発明によるX線発生装置は、X線を放射するX線管と、このX線管の管電流を制御する管電流制御手段及び管電圧を制御する管電圧制御手段による高エネルギーX線と低エネルギーX線を制御するX線制御手段とを備えたX線発生装置において、前記X線管は、それぞれがフィラメントを有する複数の陰極と、前記複数の陰極に対向して設けられた陽極と、陰極から放出される電子ビームの放出を制御するために各陰極毎に個別に設けられたグリッド電極とを備えたX線管であって、前記各グリッド電極に印加する電圧を発生するグリッド電圧発生手段と、このグリッド電圧発生手段で発生したグリッド電圧を前記各グリッド電極に交互に印加して前記電子ビームの放出を制御する電子ビーム放出制御手段とを備えたものである。
前記X線管は、前記複数のフィラメントから複数の電子ビームを放出して前記陽極上の所定の距離だけ離れた位置に複数のX線焦点を形成するX線管でも良いし、さらに前記陽極と前記複数の陰極間に設けた偏向コイルと、この偏向コイルに前記電子ビームの方向を偏向するための電流を供給する偏向電流供給手段とを備えた前記複数のフィラメントから発生する電子ビームの方向を偏向する電子ビーム偏向手段を備えたX線管でも良い。
前記管電圧制御手段は、前記高エネルギーX線に対応する高管電圧を制御する第1の管電圧制御手段と、前記低エネルギーX線に対応する低管電圧を制御する第2の管電圧制御手段とを備え、前記管電流制御手段は、高エネルギーX線に対応する管電流を制御する第1の管電流制御手段と、低エネルギーX線に対応する管電流を制御する第2の管電流制御手段とを備えたものである。
また、前記第2の管電流制御手段で制御される管電流は、前記第1の管電流制御手段で制御される管電流よりも大きいことを特徴とする。
上記のX線発生装置を用いたマルチエネルギー撮影機能を備えた本発明のX線CT装置は、被検体にX線を照射するX線管と、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線管及びX線検出器を搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転手段と、前記被検体の同一スライス位置に前記X線管から放射される複数の異なるエネルギーのX線を投影角度毎に切り替えて照射するX線制御手段と、前記X線検出器で検出した投影データを再構成してCT画像を得る画像再構成手段を備えたマルチエネルギー撮影機能を有するX線CT装置であって、前記X線管は、それぞれがフィラメントを有する複数の陰極と、該複数の陰極に対向して設けられた陽極と、陰極から放出される電子ビームの放出を制御するために各陰極毎に個別に設けられたグリッド電極とを備え、前記X線制御手段は、前記X線管の陰極フィラメントを加熱して陽極と陰極間に流れる管電流を制御する管電流制御手段と、前記陽極と陰極間に印加する管電圧を制御する管電圧制御手段と、前記各グリッド電極に印加する電圧を発生するグリッド電圧発生手段と、このグリッド電圧発生手段で発生したグリッド電圧を前記各グリッド電極に前記投影角度毎に交互に切り替えて印加して前記電子ビームの放出を制御する電子ビーム放出制御手段とを備えて構成される。
前記X線CT装置のX線管は、前記複数のフィラメントから複数の電子ビームを放出して前記陽極上の所定の距離だけ離れた位置に複数のX線焦点を形成するX線管でも良いし、さらに前記陽極と前記複数の陰極間に設けた偏向コイルと、この偏向コイルに前記電子ビームの方向を偏向するための電流を供給する偏向電流供給手段とを備えた前記複数のフィラメントから発生する電子ビームの方向を偏向する電子ビーム偏向手段を備えたX線管でも良い。
前記X線CT装置の前記管電圧制御手段は、前記高エネルギーX線に対応する高管電圧を制御する第1の管電圧制御手段と、前記低エネルギーX線に対応する低管電圧を制御する第2の管電圧制御手段とを備え、前記管電流制御手段は、高エネルギーX線に対応する管電流を制御する第1の管電流制御手段と、低エネルギーX線に対応する管電流を制御する第2の管電流制御手段とを備えたものである。
また、前記第2の管電流制御手段で制御される管電流は、前記第1の管電流制御手段で制御される管電流よりも大きくして、被曝低減と量子ノイズ低減による高画質化を図るものである。
前記投影データを検出する投影角度数は、通常のCT撮影時よりも多くして該通常CT画像の画質を従来と同等にする。
本発明によれば、複数の陰極と、この複数の陰極のフィラメントから放出される電子ビームによりX線焦点を形成する陽極と、前記複数の電子ビームの放出を制御する前記複数の陰極に対応した複数のグリッド電極とを有するX線管を用い、前記グリッド電極に印加する電圧を制御して高エネルギーX線と低エネルギーX線を高速に切替え可能なX線発生装置を提供することができる。
このX線発生装置により、前記高エネルギーX線と低エネルギーX線とを隣接するビュー毎に交互に切り替えて照射して投影データを取得するので、ビュー数を通常のCT撮影の2倍にすることも可能で、放射状のアーチファクトが発生しないため、画像の高画質化が達成でき、明確に人体組織を弁別することができる。
また、高い管電圧による高エネルギーX線発生時は、被曝低減の点から管電流を小さくし、低い管電圧による低エネルギーX線発生時は、画像中の量子ノイズが増大しない程度に管電流を大きくしてX線を発生するようにしたので、画像の高画質化と低被曝化が達成される。
本発明が適用されるX線CT装置の概観図。 本発明が適用されるX線CT装置の全体構成図。 本発明が適用されるX線CT装置のX線検出器の構成及びX線照射との関係の説明図。 本発明の第1の実施形態に用いるX線管の構成図。 本発明の第1の実施形態に用いるX線管の構造を示す図。 本発明の第1の実施形態に用いるX線管の陰極近傍の拡大図。 本発明の第1の実施形態に用いるX線管の陰極の詳細構造図。 本発明の第1の実施形態に用いるX線管の陽極に実焦点を形成させる場合の電子ビーム軌道の例を示す図。 本発明の第1の実施形態における投影データを収集するスキャナ回転回転板上のX線焦点位置とX線検出器との位置関係を示す図。 本発明が適用されるX線CT装置の画像処理装置の構成図。 本発明によるX線発生装置のX線制御装置の構成図。 本発明によるX線発生装置のX線制御装置における管電圧発生部と管電圧制御部の構成図。 本発明によるX線発生装置のX線制御装置におけるフィラメント加熱部と管電流制御部の構成図。 本発明によるX線発生装置のX線制御装置におけるグリッド電圧発生部とグリッド切替部の構成図。 本発明の第1の実施形態におけるX線CT装置の物質を判別する機能の動作を説明するフロー図。 本発明の第2の実施形態に用いるX線管の構成図。 本発明の第2の実施形態における投影データを収集するスキャナ回転板上のX線焦点位置とX線検出器との位置関係を示す図。 本発明の第3の実施形態に用いるX線管の構成図。
符号の説明
1 スキャナガントリ、4 操作コンソール、5 操作装置、6 表示装置、8 X線制御装置、9 X線管、9a 管電圧発生部、9b フィラメント加熱部、9c グリッド電圧発生部、9d 制御部、9d1 管電圧制御部、9d2 管電流制御部、9d3 グリッド開閉制御部、9e グリッド切替部、12 X線検出装置、15 データ収集装置、16 スキャナ回転板、20 システム制御装置、21 画像処理装置、21a フレームメモリ、21b 投影データ加算部、21c 画像再構成部、21d データ変換部、21e 物質判別部、200a 第1の陰極、200b 第2の陰極、201a 第1のグリッド電極、201b 第2のグリッド電極、202a 第1の電子ビーム、202b 第2の電子ビーム、203 X線焦点、204 回転陽極、300 スキャナ回転板上のX線焦点位置、600 偏向コイル、701 X線管の外囲器、702 フィラメント、702a 第1のフィラメント、702b 第2のフィラメント、β 陰極と陽極間の距離、θ 陽極に対向する陰極の角度
以下、本発明に係るX線発生装置及びこれを用いてマルチエネルギー撮影を行うX線CT装置の好ましい実施の形態について添付図面を用いて詳細に説明する。
《第1の実施形態》
図1は本発明が適用されるX線CT装置の概略構成を示す図、図2はその全体構成図を示すブロック図である。図1に示すX線CT装置は、被検体にX線を照射して前記被検体の透過X線データを収集し、この収集したX線データを再構成演算して断層像を得るもので、スキャナガントリ1と、被検体を載置する天板2を備えたテーブル3と、操作コンソール4とで構成される。
前記スキャナガントリ1の中心部には、被検体が挿入される開口部7が設けられ、該ガントリ1の前面に、テーブル3が配置されている。
前記テーブル3の高さは電動で調節できるように構成され、該テーブル3の上面には前記天板2が設けられている。この天板2は被検体を撮影位置に位置決めするためにガントリ1に対して電動でスライドできるように構成されている。
前記操作コンソール4上には、キーボードやマウス等の操作装置5と、患者情報、撮影条件等の各種情報と撮影された断層画像を表示する表示装置6が配備されている。この操作コンソール4の内部には、後述の画像処理装置やシステム全体を制御するシステム制御装置(CPU)が収納されている。これらのガントリ1、テーブル2は前記システム制御装置(CPU)によって制御される。
前記スキャナガントリ1は、図2に示すように、X線制御装置8によって制御されてX線を発生するX線管9と、X線管9から放射されたX線を所定の照射野へ絞るコリメータ11と、X線検出器12とを有する。X線管9から放射されたX線はコリメータ制御装置10によって制御されるコリメータ11により、例えば角錐形のX線ビーム、すなわちコーンビームとされ、被検体23に照射されて該被検体23を透過したX線はX線検出器12に入射する。
X線制御装置8は、管電圧、管電流が前記操作装置5で設定したスキャン条件に対応する管電圧、管電流になるように制御する。このために、X線管9の陽極と陰極間に印加される管電圧とX線管9の陽極と陰極間に流れる電流を検出する管電圧・管電流検出装置13が設けられている。
前記X線検出器12は、図3に示すようにチャネル方向と列方向に二次元的に配列された複数のX線検出素子14を有する。
このX線検出素子14は、例えばシンチレータとフォトダイオードとの組み合わせによって構成され、全体として円筒面状若しくはチャネル方向に関して折れ線状に湾曲したX線入射面を構成している。なお、本発明においてシングルスライス型のX線検出器が除外されることはない。
ここで、コーンビームX線のチャネル方向の広がり角度、すなわちファン角度はαであり、また列方向の広がり角度、すなわちコーン角度はγである。
このように構成されたX線検出器12にはデータ収集装置15が接続され、このデータ収集装置15はX線検出器12を構成するX線検出素子14の検出データを収集する。
上記のX線制御装置8からデータ収集装置15までの構成要素は、スキャナガントリ1の回転板16(スキャナ回転手段)に搭載されている。この回転板16は回転制御装置17によって制御される回転板駆動装置18からの駆動力が駆動力伝達系19により伝達されて被検体23の周囲を回転する。
前記被検体テーブル3は、被検体テーブル制御装置3aと、被検体テーブル上下移動装置3bと、天板移動装置3cとを備え、被検体テーブル制御装置3aによって被検体テーブル上下移動装置3bを制御して適切なテーブル高さにすると共に天板移動装置3cを制御して天板2を前後に移動させて被検体23をスキャナガントリ1のX線照射空間(開口部)7に搬入および搬出する。なお、天板位置センサ3dは、体軸方向および鉛直方向の天板位置を検知するものであり、その情報をもとに被検体テーブル制御装置3aが正しい天板位置になるように天板移動装置3c及び被検体テーブル上下移動装置3bを制御する。
このように構成されたスキャナガントリ1において、被検体テーブル3の天板2に載置された被検体23がスキャナガントリ1の開口部7に搬入された後、前記コリメータ11の開口幅によりコーン角度γを調整されたコーンビームX線が被検体23に照射されると、コーンビームX線を照射された被検体23のX線像はX線検出器12に投影され、該X線検出器12によって被検体23を透過したX線が検出される。
前記操作コンソール4は、本発明によるX線CT装置のマルチエネルギー撮影機能を備えたCTシステム全体を制御するシステム制御装置(CPU)20を備え、このシステム制御装置(CPU)20には、スキャナガントリ1と被検体テーブル3が接続されている。すなわち、このシステム制御装置(CPU)20により、スキャナガントリ1内のX線制御装置8、コリメータ制御装置10、データ収集装置15、回転制御装置17及び被検体テーブル3内の被検体テーブル制御装置3aが制御される。
前記データ収集装置15で収集された透過X線検出データは、システム制御装置(CPU)20の制御によって画像処理装置21に取り込まれる。
この画像処理装置21は、データ収集装置15で収集した複数ビューの検出データに対して各種の補正処理を施して投影データを生成し、この投影データを用いてCT画像再構成を行う。
スキャン条件の設定に必要なスキャノグラム画像や各種データ、及びX線CT装置の機能を実現するためのプログラム等は、システム制御装置(CPU)20に接続された記憶装置22に格納されている。なお、前記画像処理装置21で再構成されたCT画像も記憶装置22へ格納される。また、前記システム制御装置(CPU)20には、操作装置5と表示装置6とがそれぞれ接続されている。
前記操作装置5は、操作者が各種の指示や情報並びに画像再構成モード等をシステム制御装置(CPU)20に入力し、前記表示装置6を使用して対話的に本X線CT装置を操作するものである。
前記表示装置6は、画像処理装置21から出力される再構成画像やシステム制御装置(CPU)20が取り扱う種々の情報を表示するものである。
前記システム制御装置(CPU)20は、操作者が前記操作装置5を操作して入力した操作指令と前記記憶装置22から読み出したスキャノグラム画像を用いてスキャン条件をスキャン開始前に予め決定するものである。すなわち、前記記憶装置22から読み出されたスキャノグラム画像が表示装置6に表示され、操作者が表示された被検体スキャノグラム画像上で操作装置5を用いてCT画像再構成位置(以下、スライス位置と記す)の座標を指定することにより、スライス位置を設定することができる。なお、前記スライス位置はスキャノグラム画像を用いないで設定する場合もある。ここで設定されたスライス位置の情報は記憶装置22に保存されると共にX線条件(管電圧、管電流)等を設定するために用いられる。
上記のように構成されたスキャナガントリ1に搭載された各要素への電力は、図示省略のスキャナガントリ1の固定部に設けたブラシとスキャナガントリ1の回転部(回転板16)に設けたスリップリングブラシとからなる電力伝達手段により商用交流電源から供給され、また前記データ収集装置15で収集した透過X線検出データの画像処理装置21への伝達は、前記と同様のスリップリング桟構又は光学的信号伝達手段により行われる。
このように構成されたX線CT装置を用いて、本発明は、上記X線管9から高エネルギーX線と低エネルギーX線を投影角度(ビュー)毎に交互に切り替えてデュアルエネルギー撮影を行うもので、本発明の第1の実施形態は図4に示すX線管が用いられる。
図4において、X線管9は、高エネルギーX線発生用電子ビーム202aを発生する第1の陰極200a及び低エネルギーX線発生用電子ビーム202bを発生する第2の陰極200bと、前記電子ビーム202aと電子ビーム202bとを交互に切り替えるための前記第1の陰極200aに対応する第1のグリッド201a及び前記第2の陰極200bに対応する第2のグリッド201bと、前記陰極200aと200bより放出される電子ビーム202a及び202bがフォーカスされて同一の焦点203を形成する回転陽極204とを備えている。前記焦点203は陰極200a、200bと回転陽極204の間の距離及び前記陽極204に対向する陰極200a、200bの角度を調整して同一位置に形成される。
このように構成されたX線管9の構造の一例を図5に、該X線管9の陰極200a、200bの近傍を拡大したものを図6に、該陰極の詳細構造の一例を図7に、前記焦点203の位置に実焦点を形成させる場合の電子ビーム軌道の一例を図8に示す。
図5に示すように、X線管9は、電子ビームを放射する陰極200a及び200bと,これらに対向して配置された回転陽極204と,前記陰極200a及び200bと回転陽極204を真空気密に封入する外囲器701とから成り、前記陰極200aと200bは、図6に示すように互いに電気的に絶縁されて配置され、前記焦点203は陰極200a、200bと回転陽極204間の距離βと前記陽極204に対向する陰極200a、200bの角度θを調整して同一位置に形成される。
また、図7に示すように、前記陰極200a及び200bは共に電子ビームを放射するフィラメント702(後述する第1の陰極200aにおける第1のフィラメント702a、第2の陰極200bにおける第2のフィラメント702b)と、該フィラメント702からの電子ビーム202a及び202b(図4を参照のこと)を集束する集束溝部を有する集束体703(後述の陰極200aの集束体703a、陰極200bの集束体703b)とから成り、前記フィラメント702は集束体703及びグリッド201(陰極200aに対応するグリッド201a、陰極200bに対応するグリッド201b)とは電気的に絶縁されて配置される。
前記第1のグリッド201aが開かれた場合は、前記第1のフィラメント702aから電子ビーム202aが放射され、図8(a)に示すように、第1の陰極200aと回転陽極204間の電位勾配により加速集束されて焦点位置203に実焦点が形成される。同様に、前記第2のグリッド201bが開かれた場合は、前記第2のフィラメント702bから電子ビーム202bが放射され、図8(b)に示すように、第2の陰極200bと回転陽極204間の電位勾配により加速集束されて前記焦点位置203に実焦点が形成される。
前記第1のグリッド201aと第2のグリッド201bの開閉は、該グリッドの電極に印加する電圧の制御により行なわれ、前記グリッドを開く場合は該グリッドの電極と陰極間の電圧を0とし、前記グリッドを閉じる場合は該グリッドの電極と陰極間に数kVの負の電圧を印加することにより為される。
図9は、上記図4のX線管9を用いて該X線管9の焦点より高エネルギーX線と低エネルギーX線を隣り合う投影角毎に交互に切り替えて照射して投影データを収集する場合の回転板16の回転に伴う該回転板上のX線焦点位置300とX線検出器12との位置関係を示す図である。
図9において、投影角度毎の各撮影時におけるX線焦点203の回転板上の位置を300(1)、300(2)、300(3)、300(4)、・・・とし、このときのX線検出器3の位置を12(1)、12(2)、・・・とする。なお、Oは回転板16の回転中心である。本例では、X線焦点203の回転板上の奇数位置300(1)、300(3)、300(5)、・・・で高エネルギーX線を照射し、偶数の位置300(2)、300(4)、300(6)、・・・で低エネルギーX線を照射し、これらのX線照射位置に対応するX線検出器12の位置も奇数と偶数で表し、それぞれ実線と点線で示す。
このように構成することにより、高エネルギーX線と低エネルギーX線が同時に放射されることはなく、X線焦点203が回転板16の位置300(1)にある場合は高エネルギーX線が被検体23に照射され、該被検体を透過したX線は図9の実線で示す12(1)の位置にあるX線検出器12で検出される。
回転板16が回転してX線焦点203が回転板16の位置300(2)に到達すると、低エネルギーX線が被検体23に照射され、該被検体を透過したX線は図9の破線で示す12(2)の位置にあるX線検出器12で検出される。
このように、隣り合う投影角度毎に高エネルギーX線と低エネルギーX線とを照射して、当該投影角度に対応するX線検出器12の位置で前記被検体を透過したX線を検出し、この検出したデータをデータ収集装置15で収集し、この収集したデータを画像処理装置21に転送して該画像処理装置21でデュアルエネルギー撮影画像が生成される。
図10は、前記データ収集装置15で収集されたデータを用いてデュアルエネルギー撮影画像を生成する部分のブロック構成図である。
図10において、画像処理装置21は、前記データ収集装置15で収集されたX線検出データを補正(オフセット補正、ゲイン補正等)するデータ補正部21aと、このデータ補正部21aで補正された投影データを記憶するメモリ21bと、前記メモリ21bに記憶された高エネルギーX線撮影における投影データと低エネルギーX線撮影における投影データとを操作装置5へ操作者によって入力された再構成モード指令に応じて読み出すデータ読出部21cと、前記メモリ21bから読み出された高エネルギーX線撮影の投影データと低エネルギーX線撮影の投影データの隣合うビューの組(図3の300(1)と300(2)、300(3)と300(4)、・・・・)を加算するデータ加算部21eと、前記再構成モード指令に応じてメモリ21bから読み出された投影データを用いてフィルタリングおよびバックプロジェクション等の公知の再構成演算を行い、被検体23のCT画像を再構成する画像再構成部21fと、前記メモリ21bに記憶された隣り合うビューにおける高エネルギーX線撮影における投影データと低エネルギーX線撮影における投影データとを読み出して、非特許文献1に開示されている公知の方法を用いて光電効果によるX線減弱像(以下,光電効果像と記す)及びコンプトン散乱によるX線減弱像(以下,コンプトン像と記す)を作成するためのデータに変換するデータ変換部21dと、このデータ変換部21dで変換して得られたデータを用いて前記再構成部21fで作成された光電効果像及びコンプトン像のCT画像に基づいて、非特許文献1に開示されている公知の方法を用いて被検物の平均原子番号と平均密度を求め、前記平均原子番号と平均密度の情報に基づき前記CT画像中の各画素に対して物質の判別を行ない、その情報を表示装置6へ出力する物質判別部21gとを備えて構成される。
図10において、操作装置5へ入力される再構成モードは、
(1)高エネルギーX線撮影の投影データと低エネルギーX線撮影の投影データとを別個に画像再構成するセパレートモード、
(2)データ加算部21eを動作させて、高エネルギーX線撮影の投影データと低エネルギーX線撮影の投影データとを上記の如く加算(又は減算)したデータを画像再構成する画像加算モードと、
(3)別記物質の判別を行う物質判別モードが選択可能とされている。
なお、前記データ加算部21e、画像再構成部21f、データ変換部21d、物質判別部21gには専用プロセッサ、又は公知の汎用プロセッサ等が適用される。
また、前記高エネルギーX線と低エネルギーX線を照射する投影角、すなわちビューは、放射状のアーチファクトを抑制して人体組織を弁別すめたに、通常のCT撮影時よりも多い方が望ましく、典型的には通常のCT撮影時における1024ビューの2倍の2048ビューが好適である。
このように、前記ビュー数を2048にした場合、前記回転板16が1回転する時間、すなわち1スキャン時間を0.33秒とすると、前記回転板16が0.17[deg]回転する毎に高エネルギーX線と低エネルギーX線とを交互に被検体23に照射して撮影が行なわれることになり、したがって前記高エネルギーX線と低エネルギーX線との切替えを高速に行う必要がある。
図11は、上記構成のX線管9から高エネルギーX線と低エネルギーX線を交互に高速に切り替えてデュアルエネルギー撮影を行うためのX線制御装置8(図2)の構成を示すブロック図の一例である。
このX線制御装置8は、前記陽極204と第1の陰極200a間に印加される高管電圧及び前記陽極204と第2の陰極200b間に印加される低管電圧とを発生する管電圧発生部9aと、前記高管電圧と低管電圧に対応する管電流になるように前記第1のフィラメント702aと第2のフィラメント702bを加熱するフィラメント加熱部9bと、前記第1のグリッド201aと第2のグリッド201bを開閉する電圧を発生するグリッド電圧発生部9c(クリッド電圧発生手段)と、前記第1のグリッド201aと第2のグリッド201bを切り替えるグリッド切替部9e(電子ビーム放出制御手段)と、前記管電圧発生部9aとフィラメント加熱部9bとグリッド電圧発生部9cとグリッド切替部9eとを制御する制御部9dとを備えて構成される。
前記制御部9dは、前記管電圧発生部9aから高管電圧と低管電圧とを出力させる制御を行う管電圧制御部9d1と、前記高管電圧と低管電圧に対応して設定された管電流になるようにフィラメント電流を制御する管電流制御部9d2と、前記グリッド電圧発生部9cの出力電圧を0(グリッドを開ける)と-1000V程度の高電圧(グリッドを閉じる)に制御するグリッド電圧制御部9d3とにより構成される。
前記管電圧制御部9d1は、操作コンソール4の操作装置5から前記高管電圧設定値と低管電圧設定値とが設定されてシステム制御装置(CPU)20に入力すると、これらの設定値に対応する管電圧設定信号がシステム制御装置(CPU)20の管電圧・管電流設定信号生成部20aで生成されて、この生成された高管電圧設定信号及び低管電圧設定信号と前記管電圧・管電流検出装置13(図2)で検出されたX線管9の実際の高管電圧・低管電圧とが一致するように、制御を行う。
図12は、前記管電圧発生部9aと管電圧制御部9d1(管電圧制御手段)の回路構成の一例である。
図12において、管電圧制御部9d1は、3相交流電源25の交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ回路9d11と、このコンバータ回路9d11の出力直流電圧(3相全波整流電圧)を平滑する平滑コンデンサ9d12と、この平滑コンデンサ9d12の直流電圧を前記3相交流電源周波数よりもはるかに高い周波数(例えば、20kHz以上)の交流電圧に変換すると共に高管電圧を制御する第1のインバータ回路9d13と、前記平滑コンデンサ9d12の直流電圧を高い周波数(例えば、20kHz以上)の交流電圧に変換すると共に低管電圧を制御する第2のインバータ回路9d14と、前記第1のインバータ回路9d13の高管電圧制御信号及び前記第2のインバータ回路9d14の低管電圧制御信号を生成する管電圧制御信号生成部9d15とにより構成され、該管電圧制御信号生成部9d15は、前記システム制御装置(CPU)20の管電圧・管電流設定信号生成部20a(図11参照)で生成された管電圧設定信号(高管電圧設定信号及び低管電圧設定信号)と前記管電圧・管電流検出装値13で検出された管電圧検出値が一致するように前記第1のインバータ回路9d13及び第2のインバータ回路9d14の動作位相を制御するための高管電圧制御信号と低管電圧制御信号を生成する。
前記管電圧発生部9aは、高管電圧を発生する高管電圧発生部と低管電圧を発生する低管電圧発生部とから成り、前記高管電圧発生部は、前記第1のインバータ回路9d13の出力電圧を高管電圧に昇圧する二つの2次巻線を有する第1の高電圧変圧器9a1と、この第1の高電圧変圧器9a1の二つの2次巻線電圧を直流電圧に変換する高電圧整流回路9a2及び9a3とを備え、該高電圧整流回路9a2と9a3とは直列に接続され、その接続点は接地されている。
一方、前記低管電圧発生部は、前記第2のインバータ回路9d14の出力電圧を昇圧する第2の高電圧変圧器9a4と、この第2の高電圧変圧器9a4の2次巻線電圧を直流電圧に整流する高電圧整流回路9a5を備え、前記高電圧整流回路9a2の出力電圧と前記高電圧整流回路9a5の出力電圧とにより低管電圧が生成される。この場合、前記高電圧整流回路9a5の正の直流出力端は接地されている。
そして、前記高電圧整流回路9a2の正の直流出力端はX線管9の回転陽極204に接続され、該X線管9の第1の陰極200aには前記高電圧整流回路9a3の負の直流出力端が、前記X線管9の第2の陰極200bには前記高電圧整流回路9a5の負の直流出力端が接続される。
このように構成された管電圧制御手段(第1の管電圧制御手段、第2の管電圧制御手段)により、X線管9の外囲器701が接地されているので、例えば、前記高電圧整流回路9a2の出力電圧を70kV、高電圧整流回路9a3の出力電圧を-70kV、高電圧整流回路9a5の出力電圧を-10kVになるように第1のインバー回路9d13及び第2のインバータ回路9d14を制御することにより、X線管9の陽極204と第1の陰極200a間には140kV{=70kV-(-70kV)}の高管電圧が、X線管9の陽極204と第2の陰極200b間には80kV{=70kV-(-10kV)}の低管電圧が印加されることになる。
この場合、フィラメント加熱部9bで前記高管電圧及び低管電圧に対応した管電流になるように第1のフィラメント702aと第2のフィラメント702bは加熱制御される。
図13は、前記フィラメント加熱部9bと前記管電流制御部9d2(管電流制御手段)の回路構成の一例である。
図13において、フィラメント加熱部9bは、第1のフィラメント702aを加熱する第1のフィラメント加熱部9b1と、第2のフィラメント702bを加熱する第2のフィラメント加熱部9b2と、直流電源9b3とから成る。
前記第1のフィラメント加熱部9b1は、前記直流電源9b3の電圧を高い周波数の交流電圧に変換すると共にX線管9の第1のフィラメント702aを加熱するためのフィメント電流を可変制御する第1のフィラメント加熱インバータ回路9b11と、この第1のフィラメント加熱インバータ回路9b11の出力を絶縁して前記第1のフィラメント702aに供給する第1のフィラメント加熱変圧器9b12とを備えて構成され、同様に前記第2のフィラメント加熱回路9b2は、前記直流電源9b3の電圧を高い周波数の交流電圧に変換すると共に前記X線管9の第2のフィラメント702bを加熱するためのフィメント電流を可変制御する第2のフィラメント加熱インバータ回路9b21と、この第2のフィラメント加熱インバータ回路9b21の出力を絶縁して前記第2のフィラメント702bに供給する第2のフィラメント加熱変圧器9b22とを備えて構成される。
前記管電流制御部9d2は、前記システム制御装置(CPU)20の管電圧・管電流設定信号生成部20aで生成された管電流設定信号(高管電圧に対応する低管電流及び低管電圧に対応する高管電流設定信号)と前記管電圧・管電流検出装値13で検出した管電流検出値が一致するように前記第1のフィラメント加熱インバータ回路9b11及び第2のフィラメント加熱インバータ回路9b21の動作位相を制御するための前記低管電流に対応する第1のフィラメント702aのフィラメント電流を制御する第1のフィラメント電流制御信号と、前記高管電流に対応する第2のフィラメント702bのフィラメント電流を制御する第2のフィラメント電流制御信号とを生成する。
このように構成されたフィラメント加熱部9bと管電流制御部9d2とにより、予め設定した管電流になるように第1のフィラメント702a及び第2のフィラメント702bの温度を加熱しておくことにより(第1の管電流制御手段、第2の管電流制御手段)、前記第1のグリッド201a及び201bの開閉と同時に設定した管電流を流すことができ、従来のフィラメント温度の熱慣性による問題が解消されて該管電流を高速に切り替えることが可能となる。
図14は、前記グリッド電圧発生部9cと前記グリッド切替部9eの回路構成の一例である。
図14において、前記グリッド電圧発生部9cは、X線管9の第1のグリッド201aを閉じるための1000V程度の負の高電圧を発生する第1のグリッド電圧発生部9c1と、第2のグリッド201bを閉じるための1000V程度の負の高電圧を発生する第2のグリッド電圧発生部9c2とを備えて成り(グリッド電圧発生手段)、前記グリッド切替部9e(電子ビーム放出制御手段)は、前記第1のグリッド201aを開閉制御する第1のグリッド開閉スイッチ9e1と、前記第2のグリッド201bを開閉制御する第2のグリッド開閉スイッチ9e2とを備えて構成される。
前記グリッド切替部9eは、前記システム制御装置(CPU)20のグリッド切替信号生成部20b(図11参照)で生成されたグリッド切替開閉信号を前記制御部9dのグリッド開閉制御部9d3を介して、第1のグリッド201aを開く場合は、前記第1のグリッド開閉スイッチ9e1のaをcに接続して第1のグリッド201aに印加する電圧を0とし、前記第1のグリッド201aを閉じる場合は、前記第1のグリッド開閉スイッチ9e1のaをbに接続して第1のグリッド201aに1000V程度の負の電圧を印加する。
同様に、前記グリッド切替開閉信号により、第2のグリッド201bを開く場合は、前記第2のグリッド開閉スイッチ9e2のdをfに接続して第2のグリッド201bに印加する電圧を0とし、前記第2のグリッド201bを閉じる場合は、前記第2のグリッド開閉スイッチ9e2のdをeに接続して第2のグリッド201bに1000V程度の負の電圧を印加する。
前記第1のグリッド開閉スイッチ9e1及び第2のグリッド開閉スイッチ9e2は、該開閉スイッチを高速に切り替えるようにするために、例えば、「高電圧半導体スイッチによる高速パルス透視システム(高野・他)、日本放射線技術学会雑誌第 57 卷、第 10 号、Fig. 2 Structure of MOSFET super-cascade high-voltagesemiconductor switching module.(2001年10月)」に開示されている半導体スイッチや特開2003-317996号の図8〜図11に開示されている光信号による切替え制御手段を用いることにより為される。
このように構成されたグリッド電圧発生部9cとグリッド切替部9eとにより、グリッド切替信号生成部20bで生成したグリッド切替信号によって第1のグリッド201aと第2のグリッド201bを交互に切り替えて、前記第1及び第2のグリッドに対応する陰極から発生される電子ビームにより高エネルギーX線と低エネルギーX線とを発生することができる。
次に、上記構成のX線CT装置の動作について図15のフロー図を用いて説明する。
(1)開始(S10)
撮影(マルチエネルギーCT撮影)を開始するために、操作者は操作コンソール4の電源スイッチをオンする。
(2)スキャン条件の設定(S11)
先ず、操作者はは撮影に先立って操作コンソール4の操作装置5を用いてスキャン条件を設定する。
主なスキャン条件としては、X線管9から放射される2種類のX線エネルギー発生用のX線条件AとX線条件B、スキャン速度(回転板16の回転速度),被検体23のスライス位置及びスライス範囲等、さらには先に述べた再構成モード等がある。
前記X線条件は、高管電圧と、この高管電圧に対応した被検体の被曝線量が極力少ない管電流とによるX線条件A(高エネルギーX線)と、低管電圧と、この低管電圧に対応した撮影画像中の量子ノイズが増大して撮影画像の画質が低下しない程度の前記X線条件Aの管電流よりも大きな管電流とによるX線条件B(低エネルギーX線)とである。
(3)スキャン(撮影)開始(S12)
次に、操作者は操作コンソール4の操作装置5を操作して回転板16の回転を開始させる。この回転板16は、回転制御装置17によって制御される回転板駆動装置18からの駆動力が駆動力伝達系19により伝達されて被検体23の周囲を回転する。この回転板16の回転開始と同時にX線管1の回転陽極204と第1の陰極200a及び第2の陰極200bとの間に前記X線条件A及びBに対応する管電圧を印加する共に前記X線条件A及びBの管電流に対応するフィラメントの温度になるように前記フィラメント702a及び702bを加熱し、これらのフィラメントから電子ビームが放射しないようにするために前記第1のグリッド201a及び第2のグリッド201bを電気的に閉じておく。
そして、回転板16の回転速度が設定したスキャン速度(例えば、1回転/0.33秒に対応する回転速度)に達した時点から前記第1のグリッド201aを開いてX線条件AのX線を被検体23へ照射して撮影を開始する。
(4)投影データ収集(S13)
撮影が開始されると、システム制御装置(CPU)20は前記第1のグリッド201aと第2のグリッド201bとをそれぞれ対応する前記回転板16の投影角(例えば、ビュー数が2048で1スキャン時間を0.33秒に設定した場合は、0.17[deg])毎に交互に開閉する。これにより、X線条件AのX線とX線条件BのX線とが交互に被検体23へ照射される。
この撮影により被検体23を透過したX線は、X線検出器12で検出されてデータ収集装置15で投影データとして順次収集され、画像処理装置21に転送される。
この画像処理装置21に転送されたデータは、データ補正部21aで各種の補正処理を施された後、これらの投影データは順次メモリ21bに記録される。
システム制御装置(CPU)20は、S11において操作者により操作コンソール4へ入力設定された再構成モードに応じて、S21〜S24と、S31〜S34と、S41〜S45のいずれかの処理と画像再構成並びに処理結果の表示装置6への表示を行う。
(5)セパレートモードが選択された場合
S11においてセパレートモードが選択されていると、システム制御装置(CPU)20は以下のS21〜S24の各ステップを実行する。
(5-1)投影データの分離読出し(S21)
このモードが選択されているとシステム制御装置(CPU)20は、データ読出部21cに対し、メモリ21bから高エネルギーX線撮影のビュー300(1)、300(3)、300(5)、・・・の投影データと、低エネルギーX線撮影のビュー300(2)、300(4)、300(6)、・・・の投影データをそれぞれ別個の組として読み出すように指令を送る。これにより、メモリ21bから高エネルギーX線撮影の投影データ(スキャンデータ)と、低エネルギーX線撮影データの投影データ(スキャンデータ)が順次画像再構成部21fへ送られる。
(5-2)画像再構成(S22、S23)
画像再構成部21fは、メモリ21bから順次供給された高エネルギーX線撮影の投影データについての画像再構成と、低エネルギーX線撮影の投影データについての画像再構成とを順次実行し、二つのCT画像(第1のCT像と第2のCT像)を作成する。これらのCT画像はコンソール装置4内の記憶装置22へ格納される。
(5-3)画像表示(S24)
再構成された二つのCT像は表示装置6の画面へ表示され、医師の画像診断に供される。 画像の表示の態様としては、二つの画像の選択的表示や二つの画像を画面へ並列配置する方式を適用可能である。そのような技術は当技術分野では周知であるので、その説明は省略する。
以上説明したセパレートモードによれば、被検体内の臓器又は組織をX線吸収特性に応じて画像化することができる。また、得られた二つのCT像は同時相のものとなるので、運動臓器のマルチエネルギーCT像による診断を短時間で、かつ低被爆で行うことができる。
(6)画像加算モードが選択された場合
S11において画像加算モードが選択されていると、システム制御部(CPU)20は以下のS31〜S34の各ステップを実行する。
(6-1)投影データの読出し(S31)
このモードが選択されていると、システム制御部(CPU)20はデータ読出部21cに対し、メモリ21bから隣合う高エネルギーX線撮影のビューと低エネルギーX線撮影のビューとを対として、例えば300(1)と300(2)の対、300(3)と300(4)の対、300(5)と300(6)の対・・・のようにデータを順次読み出すように指令を送る。これにより前記の投影データの対がデータ加算部21eへ順次送られる。
(6-2)合成投影データの作成(S32)
データ加算部21eは送られてきた投影データの対をなしているデータ同士を加算処理(単純加算、加算平均、減算のいずれか)を実行し、合成投影データを作成する。そして合成投影データのビュー数は高エネルギーX線撮影のビュー数と低エネルギーX線撮影のビュー数の合計の1/2のビュー数とされ、それらが画像再構成部21fへ送られる。
(6-3)画像策構成(S33)
画像再構成部21fは、データ加算部21eから送られて来た合成投影データに基いて再構成演算を実行し、CT画像(第3のCT像)を作成する。そして作成された第3のCT像はコンソール装置4内の記憶装置22へ格納される。
(6-4)画像表示(S34)
再構成された第3のCT像は、表示装置6の画面へ表示され、医師の画像診断に供される。
以上説明した画像加算モードによれば、高エネルギーX線撮影又は低エネルギーX線撮影の一方のみで被検体を撮影した場合に不足していたコントラスト分解能が補償された画像が得られる。
なお、本画像加算モードは、前述のセパレートモードで得られた二つのCT像を加算処理、加算平均処理、減算処理することで達成することも可能である。
(7)物質判別モードが選択された場合
S11において、物質判別モードが選択されると、システム制御部(CPU)20は以下のS41〜S45の各ステップを実行する。
(7-1)光電効果像及びコンプトン像再構成用データの生成(S41)
このモードが選択されていると、システム制御部(CPU)20は、前記メモリ21bに記録された隣接する2ビューにおける高エネルギーX線で撮影した投影データと低エネルギーX線で撮影した投影データとを読み出して、非特許文献1に開示されている公知の方法を用いて、光電効果による光電効果像及びコンプトン散乱によるコンプトン像とを再構成するためのデータをデータ変換部21dで作成する。
(7-2)光電効果像及びコンプトン像の再構成(S42)
前記データ変換部21dで生成された光電効果像及びコンプトン像の再構成用データを用いて前記画像再構成部21fで光電効果像及びコンプトン像のそれぞれのCT画像を再構成する(第4のCT像及び第5のCT像)。
(7-3)平均原子番号と平均密度のCT画像再構成(S43)
前記光電効果像及びコンプトン像の再構成CT画像に基づいて、非特許文献1に開示されている公知の方法を用いて被検体23の平均原子番号と平均密度のCT画像(第6のCT像)を前記再構成装置21fで再構成する。
(7-4)物質の判別(S44)
再構成した平均原子番号と平均密度の第6のCT像に基づいて物質判別部21g(物質判別手段)で各画素に対して公知の方法を用いて物質の判別を行う。
(7-5)判別結果の表示(S45)
S44にて求められた判別結果は、表示装置6の画面へ表示される。判別結果の表示態様としては、組織毎又は材質毎に異なる色相情報を付与したウィンドウ情報を表示すると供に、第6のCT画像中の組織、材質が異なるものへウィンドウに対応した色相を付与して表示することが考えられる。
この場合,物質毎に色を変えることにより,複数の判別結果を同時に表示できる。なお、判別される物質の代表例としては,人体の骨組織,肺組織,筋肉,脂肪,造影剤等が挙げられる。
(8)終了(S50)
以上、各モードの処理が終了したら、操作者はコンソール装置4の電源スイッチをオフする。なお、指定された撮影範囲の撮影(スキャン)が終了すると同時に、システム制御装置(CPU)20は、X線制御装置8と回転板制御装置に撮影終了を指示して、X線管1からのX線の放射を終了させ、回転板16の回転を停止させる。
また、上記の撮影と,各種処理(画像再構成処理,加算処理,光電効果像及びコンプトン像データ作成処理,物質判別処理)は並行して行われ,結果は順次表示装置6に表示される。
以上、第1の実施形態によれば、二つの陰極と、この二つの陰極のフィラメントから放出される電子ビームにより一つのX線焦点を形成する陽極と、前記複数の電子ビームの放出を制御する前記二つの陰極に対応した二つのグリッド電極とを有するX線管を用いて前記グリッド電極に印加する電圧を制御して高エネルギーX線と低エネルギーX線を高速に切り替えるX線発生装置を備え、このX線発生装置により前記高エネルギーX線と低エネルギーX線とを隣接するビュー毎に交互に切り替えて照射して投影データを取得するので、ビュー数を通常のCT撮影の2倍にすることも可能で放射状のアーチファクトが発生しないため、画像の高画質化が達成でき、明確に人体組織を弁別することができる。
この場合、ビュー数を通常のCT撮影時の2倍にしたので、CT画像の画質を従来と同等の画質とすることができる。
また、高い管電圧による高エネルギーX線発生時は、被曝低減の点から管電流を小さくし、低い管電圧による低エネルギーX線発生時は、画像中の量子ノイズが増大しない程度に大きくしてX線を発生するようにしたので、画像の高画質化と低被爆化が達成できる。
また、前記第1の管電圧制御手段と第2の管電圧制御手段で高管電圧と低管電圧とをそれぞれ独立に制御することができるので、任意の高エネルギーX線と低エネルギーX線との組み合わせによるデュアルエネルギー撮影が可能となる。
《第2の実施形態》
本発明の第2の実施形態は、図16に示すX線管9´を用いてデュアルエネルギー撮影を行うものである。
図16において、X線管9´は、高エネルギーX線発生用電子ビーム202a´を発生する第1の陰極200a´及び低エネルギーX線発生用電子ビーム202b´を発生する第2の陰極200b´と、前記電子ビーム202a´と電子ビーム202b´とを交互に切り替えるための前記第1の陰極200a´に対応する第1のグリッド201a´及び前記第2の陰極200b´に対応する第2のグリッド201b´と、前記陰極200a´と200b´より放出される電子ビーム202a´及び202b´がフォーカスされて第1のX線焦点203a´及び第2のX線焦点203b´の二つの焦点を形成する回転陽極204´とを備えている。前記第1の焦点203a´及び第2の焦点203b´は、陰極200a´及び200b´と回転陽極204´との間の距離及び前記回転陽極204´に対する前記陰極200a´及び200b´の角度を調整して距離dだけ離れた位置に形成される。
なお、702a´は電子ビーム202a´を発生させるための第1のフィラメント、702b´は電子ビーム202b´を発生させるための第2のフィラメントである。
このように構成されたX線管9´は、第1と第2の二つの焦点203a´及び203b´を形成するために、陰極200a´及び200b´と回転陽極204´との間の距離及び前記回転陽極204´に対する前記陰極200a´及び200b´の角度が異なるのみで、該X線管9´の構造、該X線管9´の陰極200a´、200b´の近傍を拡大した図、該陰極の詳細構造、及び前記焦点203a´及び203b´の位置に実焦点を形成させる場合の電子軌道は、前記第1の実施形態の図5、図6、図7、図8とほぼ同様であるので、その説明は省略する。
図17は、上記図16のX線管9´を用いて該X線管9´二つのの焦点203a´、203b´より高エネルギーX線と低エネルギーX線を隣り合う投影角毎に交互に切り替えて照射して投影データを収集する場合の回転板16の回転に伴う該回転軌跡上のX線焦点位置とX線検出器12の位置関係を示す図である。
図17において、投影角度毎の各撮影時における第1のX線焦点203a´の回転軌跡上の位置を500(1)、500(3)、500(5)、・・・とし,このときのX線検出器12の位置を12(1)、12(3)、・・・とする。
一方、第2のX線焦点203b´の回転軌跡上の位置を500(2)、500(4)、500(6)、・・・とし,このときのX線検出器12の位置を12(2)、12(4)、・・・とする。なお、図16には、12(1)と12(2)のみを図示し、これらは実線と点線で示してある。
本第2の実施形態では、回転軌跡上の奇数の位置500(1)、500(3)、500(5)、・・・で第1のX線焦点203a´から高エネルギーX線を照射し、回転板16が回転して前記第1のX線焦点203a´から距離dだけ離れた位置にある第2のX線焦点203b´から前記回転板16上の500(1)+d、500(3)+d、500(5)+d、・・・に対応する偶数の位置500(2)、500(4)、500(6)、・・・で低エネルギーX線を照射して、これらのX線照射位置に対応するX線検出器12の位置12(1)、12(2)、・・・で被検体23の透過X線を検出する。
そして、前記第1の実施形態と同様に、高エネルギーX線と低エネルギーX線を隣り合う投影角度毎に照射して、当該投影角度に対応するX線検出器12の位置で前記被検体を透過したX線を検出し、この検出したデータをデータ収集装置15で収集し、この収集したデータを画像処理装置21に転送して該画像処理装置でデュアルエネルギー撮影画像を生成する。
このように構成することにより、上記第1の実施形態と同様の効果が得られ、さらにdだけ離れた位置で確実に第2の焦点203b´からX線を照射することができるので、前記500(2)、500(4)、500(6)、・・・における位置とX線焦点位置との位置ずれに起因して発生することが懸念される解像度の低下を防止できる。
《第3の実施形態》
本発明の第3の実施形態は、図18に示すX線管9´´を用いてデュアルエネルギー撮影を行うものである。
前記第2の実施形態のX線管9´との相違は、陰極から放出される電子ビームの方向を偏向する偏向コイル600及びこのコイルに電流を流して磁場を発生させる図示省略の磁場発生電流供給源(偏向電流供給手段)とによる電子ビーム偏向手段を備えた点にある。
図18において、X線管9´´は、高エネルギーX線発生用電子ビーム601aを発生する第1の陰極200a´及び低エネルギーX線発生用電子ビーム601bを発生する第2の陰極200b´と、前記電子ビーム601aと電子ビーム601bとを交互に切り替えるための前記第1の陰極200a´に対応する第1のグリッド201a´及び前記第2の陰極200b´に対応する第2のグリッド201b´と、前記電子ビーム601a、601bの進行方向を変える偏向コイル600と、前記陰極200a´と200b´より放出される電子ビーム601a及び601bがフォーカスされて第1のX線焦点602a及び第2のX線焦点602bの二つの焦点602a、602bを形成する回転陽極204´とを備えて構成される。
なお、702a´は電子ビーム202a´を発生させるための第1のフィラメント、702b´は電子ビーム202b´を発生させるための第2のフィラメントである。
前記偏向コイル600は、紙面垂直方向に磁場を発生し、この磁場の強度を制御することにより電子ビーム601a、601bの進行方向を紙面上下方向に調整できる。特に電子ビーム601a及び電子ビーム601bに対して互いに逆向きの磁場を印加することにより、各電子ビームの進行方向を反対方向に変化させることができる。すなわち、前記磁場の強度及び印加方向を調整することによって、前記電子ビーム601a、601bで形成される第1のX線焦点602aと第2のX線焦点602bの位置及びこれらの焦点間の距離を任意に調整することができる。
もちろん,距離dを0として,焦点位置を単一にすることも可能である。
前記焦点間距離dは、スキャン速度に対応して変えることがより好ましいの
で、このような場合には、例えば、スキャン速度が速い場合は距離dが大きくなるように前記電子ビーム偏向手段により距離dを可変制御すれば良い。
そして、前記第1の実施形態と同様に、高エネルギーX線と低エネルギーX線を隣り合う投影角度毎に照射して、当該投影角度に対応するX線検出器12の位置で前記被検体を透過したX線を検出し、この検出したデータをデータ収集装置15で収集し、この収集したデータを画像処理装置21に転送して該画像処理装置でデュアルエネルギー撮影画像を生成する。
このように構成されたX線管9´´を用いたデュアルエネルギーX線撮影においても、上記第1の実施形態、第2の実施形態と同様の効果が得られると共に、前記図17に示したように、円弧501上でシフトする必要がある焦点位置の距離dは、1回転当りのプロジェクション数により変化するが,上記図18に示したX線管9´´を用いることにより、種々のプロジェクション数に応じて焦点位置を変化できるという利点がある。
以上、高エネルギーX線と低エネルギーX線とを高速に切り替えるX線発生装置を用いて前記高エネルギーX線と低エネルギーX線とを隣り合うビュー毎に交互に切り替えてデュアルエネルギー撮影を行う第1〜第3の実施形態について説明したが、本発明はデュアルエネルギー撮影に限定するものではなく、三つ以上のX線エネルギーによるマルチエネルギーにも適用することが可能である。
前記マルチエネルギー撮影時には、以下の(1)、(2)、(3)のX線発生装置が適用される。
(1)三つ以上の複数の陰極からの電子ビームで一つの焦点を形成する陽極及び前記複数の陰極からの電子ビームを切り替える前記陰極に対応した複数のグリッドとを備えたX線管と、このX線管から発生する複数のX線エネルギーを制御する複数X線エネルギー制御手段とを備えたX線発生装置。
(2)三つ以上の複数の陰極からの電子ビームで三つ以上のX線焦点を形成する陽極及び前記複数の陰極からの電子ビームを切り替える前記陰極に対応した複数のグリッドとを備えたX線管と、このX線管から発生する複数のX線エネルギーを制御する複数X線エネルギー制御手段とを備えたX線発生装置。
(3)上記(2)のX線管に電子ビームの方向を偏向する電子ビーム偏向手段を設け、この電子ビーム偏向手段で電子ビームの方向を偏向して複数のX線焦点を形成して成るX線管と、このX線管から発生する複数のX線エネルギーを制御する複数X線エネルギー制御手段とを備えたX線発生装置。
また、上記実施形態では、1回のスキャンにより高エネルギーX線と低エネルギーX線とを隣り合うビュー毎に切り替えてデュアルエネルギー撮影を行う例について示したが、前記スキャンに引き続いて同一スライス位置を前記スキャンとは異なるX線エネルギーで撮影するようにしてもよい。
なお、本発明によるX線発生装置及びこれを用いたX線CT装置は、人体を対象とした例について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば荷物の中の爆薬、すなわち爆発物の存在を検知するための荷物スキャナにも適用可能である。

Claims (13)

  1. X線を放射するX線管と、このX線管の管電流を制御する管電流制御手段及び管電圧を制御する管電圧制御手段による高エネルギーX線と低エネルギーX線の放射を制御するX線制御手段とを備えたX線発生装置において、前記X線管は、それぞれがフィラメントを有する複数の陰極と、前記複数の陰極に対向して設けられた陽極と、陰極から放出される電子ビームの放出を制御するために各陰極毎に個別に設けられたグリッド電極とを備えたX線管であって、前記各グリッド電極に印加する電圧を発生するグリッド電圧発生手段と、このグリッド電圧発生手段で発生したグリッド電圧を前記各グリッド電極に交互に印加して前記電子ビームの放出を制御する電子ビーム放出制御手段とを備えたことを特徴とするX線発生装置。
  2. 前記X線管は、前記複数のフィラメントから複数の電子ビームを放出して前記陽極上の所定の距離だけ離れた位置に複数のX線焦点を形成するX線管であることを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  3. 前記X線管は、さらに前記複数のフィラメントから発生する電子ビームの方向を偏向する電子ビーム偏向手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線発生装置。
  4. 前記電子ビーム偏向手段は、前記陽極と前記複数の陰極間に設けた偏向コイルと、この偏向コイルに前記電子ビームの方向を偏向するための電流を供給する偏向電流供給手段とを備えたことを特徴とする請求項3に記載のX線発生装置。
  5. 前記管電圧制御手段は、前記高エネルギーX線に対応する高管電圧を制御する第1の管電圧制御手段と、前記低エネルギーX線に対応する低管電圧を制御する第2の管電圧制御手段とを備え、前記管電流制御手段は、高エネルギーX線に対応する管電流を制御する第1の管電流制御手段と、低エネルギーX線に対応する管電流を制御する第2の管電流制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のX線発生装置。
  6. 前記第2の管電流制御手段で制御される管電流は、前記第1の管電流制御手段で制御される管電流よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載のX線発生装置。
  7. 被検体にX線を照射するX線管と、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線管及びX線検出器を搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転手段と、前記被検体の同一スライス位置に前記X線管から放射される複数の異なるエネルギーのX線を投影角度毎に切り替えて照射するX線制御手段と、前記X線検出器で検出した投影データを再構成してCT画像を得る画像再構成手段を備えたマルチエネルギー撮影機能を有するX線CT装置であって、前記X線管は、それぞれがフィラメントを有する複数の陰極と、前記複数の陰極に対向して設けられた陽極と、陰極から放出される電子ビームの放出を制御するために各陰極毎に個別に設けられたグリッド電極とを備え、前記X線制御手段は、前記X線管の陰極フィラメントを加熱して陽極と陰極間に流れる管電流を制御する管電流制御手段と、前記陽極と陰極間に印加する管電圧を制御する管電圧制御手段と、前記各グリッド電極に印加する電圧を発生するグリッド電圧発生手段と、このグリッド電圧発生手段で発生したグリッド電圧を前記各グリッド電極に前記投影角度毎に交互に切り替えて印加して前記電子ビームの放出を制御する電子ビーム放出制御手段とを備えたことを特徴とするX線CT装置。
  8. 前記X線管は、前記複数のフィラメントから複数の電子ビームを放出して前記陽極上の所定の距離だけ離れた位置に複数のX線焦点を形成するX線管であることを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
  9. 前記X線管は、さらに前記複数のフィラメントから発生する電子ビームの方向を偏向する電子ビーム偏向手段を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載のX線CT装置。
  10. 前記電子ビーム偏向手段は、前記陽極と前記複数の陰極間に設けた偏向コイルと、この偏向コイルに前記電子ビームの方向を偏向するための電流を供給する偏向電流供給手段とを備えたことを特徴とする請求項9に記載のX線CT装置。
  11. 前記管電圧制御手段は、前記高エネルギーX線に対応する高管電圧を制御する第1の管電圧制御手段と、前記低エネルギーX線に対応する低管電圧を制御する第2の管電圧制御手段とを備え、前記管電流制御手段は、前記高エネルギーX線に対応する管電流を制御する第1の管電流制御手段と、前記低エネルギーX線に対応する管電流を制御する第2の管電流制御手段とを備えたことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のX線発生装置。
  12. 前記第2の管電流制御手段で制御される管電流は、前記第1の管電流制御手段で制御される管電流よりも大きいことを特徴とする請求項11に記載のX線発生装置。
  13. 前記投影データを検出する投影角度数は、通常のCT撮影時よりも多いことを特徴とする請求項7乃至12のいずれか1項に記載のX線CT装置。
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