JPWO2008146856A1 - サーメット - Google Patents

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Abstract

耐熱衝撃性、耐欠損性に優れたサーメットを提供する。周期表第4、5および6族金属のうちの1種以上の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上の硬質粒子2を、CoおよびNiの少なくとも1種の結合相3にて結合してなり、0.1〜3nm厚みの結合相層5を介して硬質粒子2同士がネック部4を形成して連結した連結部6が存在しているサーメット1である。

Description

本発明は、切削工具部材、耐摩耗性工具部材等に適する靱性と硬度をともに備えたサーメットに関するものである。
耐摩耗性工具や切削工具用合金として用いられるサーメットは、TiCNを主成分とする硬質粒子をCoやNiの結合相にて結合した構造からなるものが多用されている。かかるサーメットは硬質粒子間を結合相にて結合した構成からなるものが知られている。例えば、特許文献1では、低硬度の結合相を強化してサーメットの耐摩耗性を高めるために結合相中に侵入型金属炭化物の結晶粒を分布させた構造としたサーメットが記載されている。
また、従来のサーメットの他の構成として、硬質相は硬質粒子同士が連続的に繋がった、いわゆる硬質粒子の骨格構造(スケルトン構造)を構成し、結合相はこの硬質相のスケルトン構造の空隙を埋めるように存在したものも知られている。このスケルトン構造においては、硬質粒子の連結部には結合相が介在しなかった。そのために、サーメットはクラックの伝播に対して抵抗力がなくて脆く、切削工具として用いた場合には苛酷な切削条件で切削すると欠損が発生していた。そこで、特許文献2では、原料粉末として表面を結合相で被覆した硬質粒子の原料粉末を用いること、および混合工程を経ることなく、圧力のかかる方向性の少ない静水圧(CIP)法や条件をコントロールしたプレス成形法等の成形方法を用いて成形体を作製することを採用した。これによって、原料粉末中に被覆された結合相層が剥離しない成形体を作製できた。そのために、これを焼成することによって、結合相が硬質粒子の周囲に均一に存在した焼結体を作製でき、抗折力および断続切削による工具寿命の向上が見られたことが記載されている。
特開平11−50181号公報 特開平4−157132号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に記載されるようなサーメットでは、いずれも硬質粒子同士が焼結し難くてネック部の成長が阻害される場合があった。このような場合においては、サーメットの硬度および塑性変形性が低くて、切削工具としての耐摩耗性や耐欠損性に劣るものであった。また、逆に、硬質粒子同士の焼結が進んでネック部が成長した場合にはネック部が硬質粒子で連続的に繋がった脆いスケルトン構造となってしまい、サーメットの耐欠損性が悪いという問題があった。
本発明は上記課題に対し、サーメットの耐塑性変形性および耐欠損性の向上を図ることを目的とする。
本発明のサーメットは、周期表第4、5および6族金属のうちの1種以上の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上の硬質粒子を、CoおよびNiの少なくとも1種の結合相にて結合してなるサーメットにおいて、0.1〜3nm厚みの結合相層を介して前記硬質粒子同士がネック部を形成して連結した箇所が存在しているものである。
ここで、上記構成において、断面組織の顕微鏡写真において観察される複数の前記硬質粒子の外周総長さLに対して、前記ネック部に介在している結合相層の総長さLctの比(Lct/L)が0.1以上であることが望ましい。

なお、上記構成において、前記硬質粒子の平均粒径が0.1〜0.9μmであることが望ましい。また、前記硬質粒子の内部にTiN微粒子が存在していることが望ましい。さらに、上記構成において、RuまたはReを0.1〜5質量%の割合で含有することが望ましい。 また、Mnを、結合相中に0.5〜1質量%で、硬質相中に0.004〜0.01質量%で含有することが望ましい。
本発明のサーメットによれば、0.1〜3nm厚みの結合相層を介して前記硬質粒子同士がネック部を形成して連結した箇所が存在している。これによって、サーメットの耐塑性変形性が高く、かつ耐欠損性を高めることができる。
ここで、断面組織の顕微鏡写真において観察される複数の前記硬質粒子の外周総長さLに対して、前記ネック部に介在している結合相層の総長さLctの比(Lct/L)が0.1以上であることによって、サーメットの耐塑性変形性と靭性をともに高く維持できる。
また、前記硬質粒子の平均粒径が0.1〜0.9μmであることが、サーメットの硬度を高める点で望ましい。
さらに、前記硬質粒子の内部にTiN微粒子が存在していることが、サーメットの靭性をさらに高める点で望ましい。
また、RuまたはReを0.1〜5質量%の割合で含有することが望ましい。これによって、結合相を強化してクラックの進展を抑制できる。また、高温においても硬質粒子の連結状態に生じるずれを小さくできる。これらよって、耐塑性変形性および耐欠損性を高めることができる。
さらに、本発明のサーメットによれば、RuまたはReの一部または全部に代えてMnを含有させてもよい。Mnの含有量は、結合相中に0.5〜1質量%で、硬質相中に0.004〜0.01質量%で含有することが、サーメットの靭性が向上する点で望ましい。
本発明のサーメット(以下、単にサーメットと略す。)について、その任意箇所についての透過型電子顕微鏡写真(TEM像)である図1(a)を基に説明する。なお、図1(b)は従来のサーメットの一例についての透過型電子顕微鏡写真(TEM像)である。図2は図1(a)の要部拡大写真である。図3は、図2の点a、点b、点cについて、エネルギー分散型X線分析(EDS)による組成分析結果を示すチャートである。
図1〜3によれば、本発明のサーメット1は、周期表第4、5および6族金属のうちの1種以上の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上の硬質粒子2を、CoおよびNiの少なくとも1種の結合相3にて結合してなる。そして、0.1〜3nm厚みの結合相層5を介して硬質粒子2同士がネック部4を形成して連結した箇所(以下、連結部6と称す。)が存在している。
これによって、硬質粒子2間が強固に連結されるとともに、硬質粒子2間での衝撃吸収力も高い。その結果、サーメット1の硬度および耐塑性変形性が高く、かつ耐欠損性を高めることができる。
すなわち、硬質粒子2間の連結状態が悪くてネック部4を形成しない場合には、サーメット1の硬度および耐塑性変形性が低下する。また、ネック部4に結合相層5が存在しないか、存在しても結合相層5の厚みが0.1nmより薄い場合には、ネック部4における衝撃吸収力が弱い。逆に、結合相層5の厚みが3nmより厚い場合には、サーメット1の硬度が低下して耐摩耗性が低下する。しかも、高温で力が加わると硬質粒子2間の連結状態にずれが生じてしまいサーメット1の表面が塑性変形してしまうおそれがある。
なお、本発明におけるネック部4とは、隣接する硬質粒子2(図1の2a、2b)のうちの小さいほうの硬質粒子2(2a)において、硬質粒子2(2a)内に引き得る最長の線分長さL(以後、長径と称す。L、Lはそれぞれ硬質粒子2a、2bの長径を示し、L≦Lである。)に対して、硬質粒子2同士(2a、2b)が接する長さLの比(L/L)が0.3以上である箇所を指す。また、ネック部4に結合相層5が存在するか否かについては、図2に示すようにネック部4の顕微鏡でネック部4を拡大して観察を行い、図3に示すように、結合相層5の位置(点b)の組成を透過型電子顕微鏡(TEM)に付随のエネルギー分散型X線分析(EDS)にて測定する。この場合、硬質粒子2の位置(点a、点c)の組成に比較してCoやNiの結合相のピーク強度が高くなるので、結合相層5が存在するか否かを確認することができる。なお、点bでの組成分析においては、分析する領域が狭いために結合相層5に隣接する硬質粒子2の成分も検出されている。
また、図3から明らかなとおり、Ruは点a、cの硬質粒子2よりも点bの結合相層5中に多く存在していることがわかる。これによって、結合相層5が強化されて高温になっても変形しにくく、サーメット1の耐塑性変形性に寄与している。
ここで、断面組織の顕微鏡写真において観察される複数の硬質粒子2の外周総長さLに対して、ネック部4に介在している結合相層の総長さLctの比(Lct/L)が0.1(10%)以上、望ましくは0.3〜0.5(30〜50%)であることによって、サーメット1の硬度と靭性をともに高く維持できる点で望ましい。なお、本発明における測定に際しては顕微鏡写真中に存在する任意10個の硬質粒子2について測定する。具体的には、硬質粒子2が10〜15個ぐらい観察される程度の倍率の顕微鏡写真を撮り、この顕微鏡写真中に存在する任意10個の硬質粒子2について、10個の硬質粒子2の外周総長さLを算出するとともに、隣接する硬質粒子との間でネック部4を形成している硬質粒子2については顕微鏡でネック部4を拡大して観察を行い結合相層5が存在するか否かを確認する。
また、硬質粒子2の平均粒径が0.1〜0.9μmであることが、サーメットの硬度を高める点で望ましい。
さらに、硬質粒子2の内部にTiN微粒子(図示せず。)が存在していることによって、サーメット1の靭性をさらに高めることができる。
また、サーメット1中にはRuまたはReを0.1〜5質量%の割合で含有することで、結合相を強化してクラックの進展を抑制できるとともに、高温においても硬質粒子の連結状態に生じるずれを小さくできる。これによって耐塑性変形性および耐欠損性を高めることができる。
さらに、上記RuまたはReの一部または全部をMnに代えて含有させても、サーメットの耐塑性変形性および耐欠損性の向上を図ることができる。このとき、Mnの含有量は、結合相中に0.5〜1質量%で、硬質相中に0.004〜0.01質量%であることが望ましい。これによって、サーメットの焼結性が改善される。そして、靭性を維持したまま硬度が向上する。その結果、例えば切削工具として用いた場合には、切削工具としての耐摩耗性が向上する。
このとき、結合相3の含有量が5質量%以上であると靱性がよくて耐欠損性が高い。また、結合相3の含有量が15質量%以下であるとサーメット1の耐摩耗性および耐塑性変形性が高い。よって、結合相3の含有比率は5〜15質量%であることが望ましい。
なお、顕微鏡にて断面組織観察した場合、硬質粒子2の少なくとも一部が芯部と周辺部の有芯構造粒子になっていることが望ましい。かかる有芯構造粒子をなす硬質粒子2は、粒成長制御効果を有し、サーメット1が微細で均一な組織となる。また、結合相3との濡れ性に優れるために、サーメット1の高強度化に寄与する。
また、サーメット1中の炭素量は、硬度および耐熱衝撃性を高めるとともに、良好な表面状態を達成する点で、6〜9質量%、特に6.5〜7.5質量%であることが望ましい。
なお、本発明のサーメットによれば、切削工具、掘削工具、刃物等の工具等の各種用途へ応用可能である。とりわけ、すくい面と逃げ面との交差稜線部に形成された切刃を被切削物に当てて切削加工する切削工具として用いた場合には上述した優れた効果を発揮することができる。もちろん、他の用途に用いた場合であっても優れた機械的信頼性を有するものである。
(製造方法)
次に、本発明のサーメットの製造方法について説明する。
まず、原料粉末を調合し混合する。
原料粉末として、TiCN粉末と、TiN粉末、W、Mo、Ta、VおよびNbのうちの1種以上の金属元素を含有する炭化物粉末、窒化物粉末、炭窒化物粉末の少なくとも1種の原料粉末と、Co粉末およびNi粉末の少なくとも一方とを混合して混合粉末を調整する。
この時、各原料粉末のマイクロトラック法による平均粒径について、TiCN粉末が2μm以下、特に0.05〜1.5μmであり、Co粉末および/またはNi粉末の平均粒径は2μm以下、特に0.05〜1.5μmであることが望ましい。これによって、サーメットの焼結性を高めることができる。さらには、結合金属原料粉末として、CoおよびNiを所定の比率で含有する固溶体粉末を用いることが、さらに焼結性を高める点で望ましい。なお、他の原料粉末の平均粒径は0.05〜3μmであることが望ましい。
そして、この混合粉末にバインダーを添加して、プレス成形、押出成形、射出成形等の公知の成形方法によって所定形状に成形する。
次に、本発明によれば、下記の条件にて焼成することにより、上述した所定の形状、サイズ、密度のTiN微粒子を硬質粒子中に析出、分散させることができる。
焼成条件としては、Mnを添加しない場合には、(a)窒素分圧200〜900kPaの雰囲気下にて、1100〜1200℃の第1の焼成温度から1300℃〜1400℃の第2の焼成温度までを0.1℃/分〜3℃/分昇温し、(b)次いで、前記第2の焼成温度に到達した時点で、焼成炉内の雰囲気ガスを真空引きして真空雰囲気を維持するか、または真空引きした後に焼成炉へのガスの出入りを遮断した自生雰囲気(窒素分圧2kPa以下とする。)とした中で、前記第2の焼成温度から1450〜1600℃の第3の焼成温度まで5℃/分〜15℃/分で昇温して、(c)(b)の雰囲気を維持した状態で焼成温度にて1〜2時間保持し、(d)窒素分圧0.01〜100kPaの雰囲気下にて降温する、(a)〜(d)の条件にて行うことが、上述した構造のサーメットを作製できる点で望ましい。
一方、Mnを添加する場合の焼成条件は、(a’)真空中にて室温から1200℃まで昇温する工程、(b’)真空中にて1200℃から1330〜1380℃の焼成温度(温度Tと称す)まで0.1〜2℃/分の昇温速度rで昇温する工程、(c’)温度Tにて焼成炉内の雰囲気を30〜2000Paの不活性ガス雰囲気に切り替えて温度Tから1450〜1600℃の焼成温度(温度Tと称す)まで4〜15℃/分の昇温速度rで昇温する工程、(d’)30〜2000Paの不活性ガス雰囲気中のまま温度Tにて0.5〜2時間保持する工程、(e’)この焼成温度に保ったまま炉内の雰囲気を真空に変えてさらに30〜60分間保持する工程、(f’)温度Tから1100℃まで冷却速度5〜15℃/分で真空冷却する工程、(g’)1100℃に下がった時点で不活性ガスを0.1MPa〜0.9MPaのガス圧で導入して急速冷却する工程の(a’)〜(g’)の工程を順に行う焼成パターンにて焼成する。
表1に示すTiCN粉末、TiN粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC粉末、MoC粉末、NbC粉末、WC粉末、Ni粉末、Co粉末、NiとCoの固溶体粉末、上記TiCN粉末の表面にCoとNiとの混合メッキを施した粉末を用いて表1に示すような成分組成に配合した。次に、これをステンレス製ボールミルと超硬ボールを用いて、水にて湿式混合し、パラフィンを3質量%添加、混合した後、この混合粉末を200MPaでCNMG120408にプレス成形した。そして、真空中、1200℃(第1の焼成温度)までを10℃/分で昇温し、次に焼成炉内を表2のガス圧pまで高めて1300℃(第2の焼成温度)までを0.8℃/分で昇温し、さらに焼成炉内を真空または自生雰囲気で表2のガス圧pとして表2に示す焼成温度(第3の焼成温度)まで8℃/分で昇温し、この焼成温度で1時間焼成後、冷却する表2の条件で焼成した。
得られた焼結体表面をダイヤモンド砥石によって加工し、下記条件にて切削性能を評価した。また、各試料について透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行い、硬質粒子について観察し、硬質粒子間のネック部形成の有無、およびネック部形成部における結合相層の有無を確認した。結果は表2または3に示した。
切削条件1(耐摩耗性試験)
切削速度:250m/分
送り :0.25mm/rev(+0.05mm/rev)
切込み :2.0mm
被削材 :SCM435
切削状態:湿式(エマルジョン)
評価項目:逃げ面における摩耗量が0.2mmに達するまでの切削時間(分)
切削条件2(耐欠損性試験)
切削速度:150m/分
送り :0.05mm/rev(+0.05mm/rev)
切込み :2.0mm
被削材 :S45C
切削状態:湿式(エマルジョン)
評価項目:欠損に至るまでの衝撃回数(回)
表1〜3より、1200℃〜1300℃までの焼成雰囲気において窒素分圧200kPa以下の試料No.12、および焼成温度が1600℃より高い試料No.16では、ネック部は見られるもののネック部に結合相層が形成されず、耐欠損性が劣るものであった。また、CoおよびNiの含有量が多い試料No.13では、硬度および塑性変形性が低くて耐摩耗性が低下した。さらに、1200℃〜1300℃までの焼成雰囲気において窒素分圧900kPaを超える試料No.14、1300℃〜焼成温度までの焼成雰囲気において窒素分圧2kPaを超える試料No.17では、結合相層の厚みが3nmを超えてしまい耐摩耗性が悪化した。また、焼成温度が1500℃より低い試料No.15、および表面にCoとNiの複合メッキを施したTiCN原料粉末を用いた試料No.18では、L/Lが0.3以上のネック部が形成されず、耐摩耗性、耐塑性変形性および耐欠損性とも低いものであった。
これに対して、本発明に従った結晶組織を有する試料No.1〜11では、いずれも耐摩耗性、耐塑性変形性および耐欠損性とも良好な特性であった。
表4に示す原料粉末を用いて表4に示すような成分組成に配合し、実施例1と同様に混合、プレス成形し、表5の焼成条件以外は実施例1と同じ条件で焼成してサーメットを得た。得られたサーメットを実施例1と同様に加工して切削性能を評価した。また、各試料について透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行い、硬質粒子について観察し、硬質粒子間のネック部形成の有無、およびネック部形成部における結合相層の有無を確認した。結果は表6に示した。
表4〜6から明らかなとおり、(b)工程の焼成雰囲気が真空ではなくて不活性ガス雰囲気であり、かつ(e)工程を経ずに焼成した試料No.22では、切削評価において耐摩耗性および耐欠損性がともに低下した。これに対して、本発明に従った結晶組織を有する試料No.19〜21では、いずれも耐摩耗性、耐塑性変形性および耐欠損性とも良好な特性であった。
(a)は本発明のサーメットの任意箇所における透過型電子顕微鏡写真(TEM像)であり、(b)は従来のサーメットの任意箇所における透過型電子顕微鏡写真(TEM像)である。 図1(a)の要部拡大写真である。 図2の点a、点b、点cについて、X線分散分光分析による組成分析結果を示すチャートである。
符号の説明
1:サーメット(サーメット)
2(2a、2b):硬質粒子
3:結合相
4:ネック部
5:結合相層
6:連結部

Claims (6)

  1. 周期表第4、5および6族金属のうちの1種以上の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上の硬質粒子を、CoおよびNiの少なくとも1種の結合相にて結合してなるサーメットにおいて、0.1〜3nm厚みの結合相層を介して前記硬質粒子同士がネック部を形成して連結した箇所が存在しているサーメット。
  2. 断面組織の顕微鏡写真において観察される複数の前記硬質粒子の外周総長さLに対して、前記ネック部に介在している結合相層の総長さLctの比(Lct/L)が0.1以上である請求項1記載のサーメット。
  3. 前記硬質粒子の平均粒径が0.1〜0.9μmである請求項1記載のサーメット。
  4. 前記硬質粒子の内部にTiN微粒子が存在している請求項1記載のサーメット。
  5. RuまたはReを0.1〜5質量%の割合で含有する請求項1記載のサーメット。
  6. Mnを、結合相中に0.5〜1質量%で、硬質相中に0.004〜0.01質量%で含有することを特徴とする請求項1記載のサーメット。
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