JPWO2008038504A1 - 発泡性樹脂粒子、発泡粒子及び発泡体ならびにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面にゴム成分を10重量%以上含む同心状の層構造を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子、これを用いて得られる発泡粒子、発泡体、およびその製造方法に関する。プラスチック軽量化部材、自動車用部材、建築用断熱部材、繰り返し落下の多い緩衝包装材料等に適した高い耐割れ性と高い圧縮強度が両立した発泡体を提供できる。

Description

本発明はプラスチック軽量化部材、自動車用部材、建築用断熱部材、繰り返し落下の多い緩衝包装材料等に適した高い耐割れ性と高い圧縮強度が両立した発泡体、並びにその原料である熱可塑性樹脂粒子、発泡粒子、発泡性樹脂粒子、およびこれらの製造方法に関する。
ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形して得られるポリスチレン系発泡体は汎用的な熱可塑性樹脂発泡体の中では安価であり、よく使用されているが、他の発泡体よりも割れやすいことはよく知られている。
ポリスチレン系発泡体の耐割れ性を改善するべく、共役ジエン系重合体の存在下にスチレンを重合して得られる耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)を用いる方法(特許文献1〜9参照)、粒子状スチレン系重合体に共役ジエン単量体等を含浸させて重合する含浸重合法(特許文献10〜12参照)、ポリエチレン−ポリスチレン共重合体を用いる方法(特許文献13〜15参照)、ブタジエン系のゴムにアクリル酸エステル系単量体をグラフト重合し続いてスチレン系単量体とシアン化ビニル化合物をグラフト重合させて得られたグラフト重合体をアクリロニトリル−スチレン系樹脂に押出し機等を用いて分散させたいわゆるAAS樹脂を用いる方法(特許文献16)などが活用されている。
しかし、これらの方法で得られた発泡体はポリスチレン系発泡体よりも耐割れ性は向上するが、ポリスチレンよりも柔軟な成分を導入した結果、これらの方法で得られた発泡体の圧縮強度はポリスチレン系発泡体よりも小さくなる傾向があった。
一方、ポリスチレン系樹脂粒子の表面にポリオレフィン系樹脂からなる被膜を形成させて、ポリスチレン系樹脂の剛性とポリオレフィン系樹脂の柔軟性を併せ持つ発泡体を得る方法(特許文献17〜19)が開示されている。この方法では樹脂粒子表面に被膜を形成させる工程が必要であり製造コストは非常に高い。また、発泡体表面がポリオレフィン系樹脂の被膜で覆われてしまうため、発泡体に触れたときの触感がポリスチレン系発泡体のように硬くはなく、柔らかくなる。
また、より簡単にポリスチレン系樹脂粒子の表面に柔軟成分の被膜を作製する方法として発泡性ポリスチレン系樹脂粒子等にゴム状ラテックスを塗布する方法(特許文献20)または発泡粒子に軟質樹脂エマルジョンを塗布する方法(特許文献21)がある。
これらの方法においても塗布する工程が必要で製造コストが高くなる。また耐割れ性向上効果が不十分である場合や、予備発泡時のブロッキング(発泡粒子同士が複数個接着する現象)を防ぐために柔軟成分が限られる場合がある。さらにこれらの発泡体も触れたときの触感がポリスチレン系発泡体のように硬くはなく、柔らかくなる。
したがって、従来の方法で圧縮強度が大きくかつ耐割れ性が高いという発泡体の製造は困難であった。
特公昭47−18428号公報 特開平7−90105号公報 特開平11−279368号公報 特開平11−228720号公報 特開平11−147970号公報 特開平11−21367号公報 特開平8−188669号公報 特開平7−11043号公報 特開平7−188452号公報 特開平6−49263号公報 WO98/29485号パンフレット WO2001/048068号パンフレット 特開平8−059754号公報 特公昭58−051010号公報 特開昭62−280237号公報 特開2001−247709号公報 特公昭58−42210号公報 特公昭59−7729号公報 特公昭63−24538号公報 特開2005−220174号公報 特開2005−264121号公報
本発明はプラスチック軽量化部材、自動車用部材、建築用断熱部材、繰り返し落下の多い緩衝包装材料等に適した、高い耐割れ性と高い圧縮強度が両立した発泡体、並びにその原料である熱可塑性樹脂粒子、発泡粒子、発泡性樹脂粒子、およびこれらの製造方法に関する。
本発明者らは鋭意検討の結果、発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面において同心状の層構造を有し、少なくとも一つの層がゴム成分を10重量%以上含む層である発泡性熱可塑性樹脂粒子が、発泡成形体とした際に高い耐割れ性と高い圧縮強度を両立させることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち本発明の第1は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面において同心状の層構造を有し、少なくとも一つの層がゴム成分を10重量%以上含む層である発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
前記発泡性熱可塑性樹脂粒子の好ましい態様としては、
(1)ゴム成分を10重量%以上含む層の外側に、ゴム成分を10重量%未満含む層が少なくとも1層存在する発泡性熱可塑性樹脂粒子、
(2)発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面において、発泡性熱可塑性粒子の表面と表面から直径方向に直径の10%の深さとの間にゴム成分を10重量%以上含む層を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子、
(3)層構造が中心層と中間層と外層の3層構造であり、中間層がゴム成分を10重量%以上含む層であり、中心層と外層がゴム成分を10重量%未満含む層である発泡性熱可塑性樹脂粒子、
(4)ゴム成分を10重量%以上含む層がミクロ相分離構造を有している発泡性熱可塑性樹脂粒子、
(5)ゴム成分のガラス転移温度が−20℃以下である発泡性熱可塑性樹脂粒子、
(6)マクロモノマーを含む単量体組成物を重合させてなる熱可塑性樹脂に発泡剤を含浸して得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子、
などである。
更に前記記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子に関連する、別の好ましい態様としては、前記記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させた発泡粒子であり、さらに別の好ましい態様としては、前記記載の発泡粒子を型内成形した発泡体である。
次に、本発明の第2は、発泡粒子の表面セル膜中にゴム成分を10重量%以上含む層を有する発泡粒子に関する。
前記発泡粒子の好ましい態様としては、
(1)発泡粒子の表面セル膜が層構造を有しており、該層構造が、内層と中間層と外層の3層構造であり、中間層がゴム成分を10重量%以上含む層であり、中心層と外層がゴム成分を10重量%未満含む層である発泡粒子、
(2)ゴム成分のガラス転移温度が−20℃以下である発泡粒子、
(3)マクロモノマーを含む単量体組成物を重合させてなる発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡して得られる発泡粒子、などである。
更に前記記載の発泡粒子に関連する、別の好ましい態様としては、前記記載の発泡粒子を型内成形した発泡体である。
本発明の第3は、マクロモノマーを含む単量体組成物を水系重合する、熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面において同心状の層構造を有し、少なくとも一つの層がゴム成分を10重量%以上含む層である層構造を有する熱可塑性樹脂粒子の製造方法に関し、好ましい態様としては、前記マクロモノマーが少なくとも2つの分子末端に重合性の反応基を各々1個以上有するマクロモノマーである前記記載の層構造を有する熱可塑性樹脂粒子の製造方法に関する。
本発明の第4は、前記記載の製造方法で得られる、熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面において同心状の層構造を有し、少なくとも一つの層がゴム成分を10重量%以上含む層である層構造を有する熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明の第5は、前記記載の熱可塑性樹脂粒子に発泡剤を含有させた層構造を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明の第6は、前記記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡して得られる発泡粒子に関する。
本発明の第7は、前記記載の発泡粒子を型内成形して得られる発泡体に関する。
本発明によれば、高い耐割れ性と高い圧縮強度が両立した発泡体を提供することができる。この様な発泡体は、プラスチック軽量化部材、自動車用部材、建築用断熱部材、繰り返し落下の多い緩衝包装材料として好適に使用することが出来る。
本発明の熱可塑性樹脂粒子ないしは発泡性熱可塑性樹脂粒子である層構造を有する粒子の層構造を説明するための模式図であり、図1(a)が熱可塑性樹脂粒子ないしは発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心を通る面で略半分に切断した場合の断面を斜め上から見た斜視図であり、図1(b)が前記断面を上から見た平面図である。 一般的な発泡性スチレン樹脂粒子を発泡させた発泡粒子の断面を示す図であり、図2(a)がその走査型電子顕微鏡写真、図2(b)がその一部を拡大した走査型電子顕微鏡写真、図2(c)が図2(b)に対応する部分を概念化して描いた模式図である。 本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子断面の表面付近の透過型電子顕微鏡写真。 図3の表面付近をさらに拡大した透過型電子顕微鏡写真。 本発明の発泡粒子の断面の透過型電子顕微鏡写真。
符号の説明
1 第一層:白色部分
2 第二層:黒色部分
3 第三層:白色部分
4 表面セル膜
5 発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面
6 第二層(濃いところ)
7 第三層(薄いところ)
8 第一層(薄いところ)
9 第二層:ミクロ相分離構造
<発泡性熱可塑性樹脂粒子>
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面において同心状の層構造を有し、少なくとも一つの層が、ゴム成分を10重量%以上含む層(以下、単に「ゴム層」と称す場合がある)である。ゴム層中のゴム成分量の好ましい範囲は15重量%以上であり、更に好ましい範囲は20重量%以上である。ゴム成分量の多い方が、耐割れ性を向上させやすい傾向がある。ゴム層中のゴム成分量の上限に特に限定はないが、ゴム層中のゴムをミクロ相分離構造になりやすくするためには98%以下が好ましく、90%以下がさらに好ましく、75重量%以下が特に好ましい。
本発明でいう同心状の層構造とは、発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面が例えば、図1に示されるような構造をとることをいう。なお、図1では、球状の粒子を示したが、楕円の回転体状、円柱状などであってもよい。発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心とは、通常、発泡性熱可塑性樹脂粒子の重心に相当する。なお、発泡剤が含浸される前の本発明でいう同心状の層構造を有する熱可塑性樹脂粒子の層構造も同様である。
図1においては、1が第一層、2が第二層、3が第三層を示している。従って、図1に示した発泡性熱可塑性樹脂粒子の場合は3層構造のものである。すなわち図1の発泡性熱可塑性樹脂粒子の場合には、第三層である内層3と第一層である外層1の間に第二層である中間層2が存在し、これら3つの層が同心状に形成されている。
このような層構造は、発泡性熱可塑性樹脂粒子断面を光学顕微鏡で観察する方法や発泡性熱可塑性樹脂粒子断面から超薄切片を採取し、透過型電子顕微鏡で観察する方法などで確認することができる。透過型電子顕微鏡を用いる場合には、樹脂成分の種類によってRuO4染色法、OsO4染色法を使い分けて使用することで層構造を確認することができる。層を構成する樹脂やゴム成分の種類によりどちらが濃く染色されるかは異なってくるが、ゴム成分を10重量%以上含む層とそれ以外の層とで染色された場合の色の濃さが異なってくるので、それぞれの層を分析することにより、ゴム成分を10重量%以上含む層とか、ゴム成分を10重量%未満含む層とかを見分けることもできる。
本発明のゴム成分とは、ガラス転移温度が室温よりも低い樹脂成分のことを指し、ゴム成分を10重量%以上含むとは、ガラス転移温度が室温よりも低い樹脂成分が層の中に10重量%以上含有されている状態を指す。本発明のゴム成分は、ガラス転移温度が−20℃以下であることが好ましく、−40℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度が当該範囲であると耐割れ性向上効果が特に高い。なお、ゴム成分のガラス転移温度とは、ゴム成分100重量%の場合のゴム成分のガラス転移温度である。
ゴム成分含有量の確認方法としては、慣用の方法が使用できるが、例えば、顕微赤外分光法(μIR)などで同心状の層の組成を分析する方法等が使用できる。また、未知成分が含まれている場合には、例えば先にNMRやその他の方法で成分を特定してから、顕微赤外分光法で層の成分量を特定する方法などが使用できる。
ゴム層を含んだ層構造を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子は、該発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させて発泡粒子とし、さらにその発泡粒子を型内成形して発泡体とした場合に、高い耐割れ性を付与することができる。
また、通常の発泡性熱可塑性樹脂粒子においては、ゴム成分ではない樹脂からなる基材樹脂成分にゴム成分を導入した場合、ゴム成分を導入していない基材樹脂成分の場合よりも発泡体としたときの圧縮強度が低下する傾向にあるが、同心状のゴム層の形態を採用することで、圧縮強度の低下が起こらない、もしくは、非常に軽微な低下にとどまることができる。
従って、ゴム層を含んだ層構造を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子は、高い耐割れ性と高い圧縮強度が両立した発泡体を提供することができる。
ゴム層の厚みとしては特に限定はないが、より安価に発泡体を製造するために発泡スチレンで通常使用する予備発泡機及び成形機を使用する場合には発泡性熱可塑性樹脂粒子の粒径の10%以下のゴム層厚みであることが好ましく、さらに好ましくは7%以下であり、特に好ましくは5%以下である。また耐割れ性の観点からゴム層厚みは発泡性熱可塑性樹脂粒子の粒径の0.5%以上が好ましく、さらに好ましくは1.0%以上であり、特に好ましくは1.5%以上である。
発泡性熱可塑性樹脂粒子全体のゴム含有量としては特に限定はないが、より安価に発泡体を製造するために発泡スチレンで通常使用する予備発泡機及び成形機を使用する場合には30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下である。またゴムの含有量は耐割れ性の観点から1重量%以上が好ましく、2重量%以上がさらに好ましく、4重量%以上が特に好ましい。
またゴム層は耐割れ性に影響を与えない程度であれば一部に欠陥(ゴム層が欠落している部分など)があっても良く、同心状の層構造の断面において欠陥部分が面積で50%未満であれば良い。欠陥部分は、好ましくは30%未満であり、さらに好ましくは20%未満であり、特に好ましくは10%未満である。
さらに本発明の趣旨に反しない範囲でゴム層を有していないもしくはゴム層の欠陥部分が50%以上の発泡性熱可塑性樹脂粒子が混在してもよく、このような発泡性熱可塑性樹脂粒子の混在割合は、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、ゴム層の外側に、ゴム成分を10重量%未満含む層(以下、単に「非ゴム層」と称す場合がある)が少なくとも1層存在することが好ましい。非ゴム層は、ゴム成分を全く含まない樹脂成分からなる層であっても良い。この様な構成とすることで、発泡粒子同士の融着性を悪化させることなく、また、発泡体の表面の触感もしっかりしたものとなる傾向にある。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面において、発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面と表面から直径方向に直径の10%の深さとの間に、ゴム成分を10重量%以上含む層を有することがより好ましい。
発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面と表面から直径方向に直径の10%の深さとの間にゴム層が存在している場合、発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心部にゴム層が存在している場合よりも該発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡成形して発泡体とした場合、発泡体の断面に存在する層構造の存在確率が増し、ゴム成分の導入方法として効率が良い傾向にある。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、層構造が中心層と中間層と外層の3層構造であり、中間層がゴム成分を10重量%以上含む層であることが好ましい。図1を引用して説明するなら、第三層である中心層3と第一層である外層1の間に第二層である中間層2が同心状に形成されていて中間層2がゴム成分を10重量%以上含む層であることが好ましい。さらに、中心層と外層がゴム成分を10重量%未満含む層であることが好ましい。このような構成を採ることで、ゴム層による発泡粒子同士の融着性の悪化を招くことなく発泡体の表面の触感変化が発生しにくく、かつ、ゴム成分の導入方法として効率が良い傾向にある。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、ゴム成分を10重量%以上含む層がミクロ相分離構造を有していることが特に好ましい。ミクロ相分離構造とは、2種類以上の高分子を含む混合物において2種以上の高分子が相分離しており、この相の大きさが概ね数〜数十nm程度の大きさであるような状態であることを言う。ゴム層がミクロ相分離構造を有している場合には、ゴム成分を10重量%未満含む層とのはがれなどが起こりにくい。
上述のような発泡性熱可塑性樹脂粒子は、マクロモノマーを含む単量体組成物を重合させてなる熱可塑性樹脂に発泡剤を含浸して得られたものが好ましい。
マクロモノマーを含む単量体組成物を重合させることによって層構造を有する熱可塑性樹脂粒子を作製する方法は、一般的な多段階重合法で層構造を有する熱可塑性樹脂粒子を製造する方法よりも非常に効率が良く、製造設備を簡素化できる傾向にある。
マクロモノマーを含む単量体組成物を用いて層構造を有する熱可塑性樹脂粒子を製造するには、後述するように、マクロモノマーと、ゴム成分以外の樹脂成分となる基材樹脂成分を構成するためのモノマー(マクロモノマー以外のラジカル反応性の単量体、例えばビニル系モノマーなど)を水系重合することにより、樹脂粒子とすれば、層構造を有する熱可塑性樹脂粒子を製造できる。この際マクロモノマーの量があまりに少なすぎたり、あまりに多すぎると層構造を形成しにくくなるので、目的とする層構造に応じてマクロモノマーの使用量を調節することが好ましい。
特にゴム成分であるマクロモノマーを含む単量体組成物を重合させてなる熱可塑性樹脂に発泡剤を含浸する方法がゴム成分を導入する製造方法として安価であり好ましい。
本発明におけるマクロモノマーとは、重合体の末端に重合性の反応基を有する高分子量のモノマーであり、数平均分子量に特に制約はないが、1000以上200000以下の範囲が好ましい。更に好ましくは、100000以下であり、最も好ましくは40000以下である。分子量が200000より大きいと、マクロモノマーの粘度が高くなり、ハンドリングが困難になる傾向がある。
本発明では、ゴム成分以外の樹脂成分を基材樹脂成分と呼ぶ。本発明で使用される基材樹脂成分について得に限定はないがポリスチレン系樹脂であることが好ましい。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体などのスチレン系単量体を重合させたものが挙げられる。これらの単量体を単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。この中でスチレンが特に好ましい。また、アクリル酸系単量体、メタクリル酸系単量体、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、マレイミド系モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマーなどの各種単量体を本発明の趣旨を外さない範囲で共重合させても良い。なかでも、スチレン系単量体とシアン化ビニル系単量体とを共重合させた、アクリロニトリル−スチレン共重合系樹脂であることがさらに好ましい。発泡性熱可塑性樹脂粒子の発泡性の観点から基材樹脂成分中のスチレン量は40重量%以上が好ましく、50重量%以上がさらに好ましく、65重量%以上が特に好ましい。
さらに具体的に、アクリロニトリル−スチレン共重合系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体などのスチレン系単量体と、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体とを共重合させたものが挙げられる。これらの単量体をそれぞれ単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。この中でも、スチレン系単量体としてスチレン、シアン化ビニル系単量体としてアクリロニトリルを用いることが特に好ましい。上記のような共重合系樹脂とする場合には、スチレン量は40重量%以上が好ましく、50重量%以上がさらに好ましく、65重量%以上が特に好ましく、通常、95重量%以下が好ましく、92重量%以下がさらに好ましく、90重量%以下が特に好ましい。
また、アクリル酸系単量体、メタクリル酸系単量体、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、マレイミド系モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマーなどの各種単量体を本発明の趣旨を外さない範囲で共重合させても良い。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、粒径が0.3〜3mmであることが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜2mm、特に好ましくは、0.7〜1.5mmである。粒径が0.3mmよりも小さい場合には発泡剤の逸散速度が速くなる傾向にある。3mmよりも大きい場合には発泡粒子とした場合、型内成形をする時の充填性が悪くなる傾向がある。なお、本発明の発泡剤を含有させる以前の熱可塑性樹脂粒子の粒径も、上記とほぼ同様の範囲のものが好ましい。
本発明で使用されるゴム成分について、特に限定はなく、イソプレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、クロロプレン系ゴム、ニトリル系ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムなどが例示でき、これらゴム成分は単独或いは複数併用してもかまわない。この中でも、アクリルゴムを使用することが好ましく、アクリル酸エステル系重合体からなるゴムがさらに好ましく、アクリル酸エチル系重合体からなるゴムまたはアクリル酸ブチル系重合体からなるゴムが特に好ましい。
またマクロモノマーを使用する場合、マクロモノマーの分子末端に存在する重合性の反応基は、特に限定されず、例えば、アリル基、ビニルシリル基、ビニルエーテル基、ジシクロペンタジエニル基等があげられるが、他の単量体との共重合反応性から、少なくとも一つが炭素−炭素二重結合であることが好ましく、更には下記一般式
−OC(O)C(R)=CH2
で表される基が好ましい。
式中、Rは水素または炭素数1以上20以下の有機基であればとくに限定はなく、中でも、−H、−CH3、−CH2CH3、−(CH2nCH3(nは2以上19以下の整数を表す)、−C65、−CH2OH、−CNの中から選ばれる基が好ましく、更に好ましくは−H、−CH3である。
本発明で使われるマクロモノマーの主鎖である重合体の製造方法は特に限定されないが、ラジカル重合によって製造されることが好ましい。
マクロモノマーの重合体主鎖を構成するモノマーとしては、特に制約はなく、各種のものを用いることができる。アクリル酸エステルモノマーが好ましく、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアルキル基の炭素数が1〜10のアクリル酸アルキルエステルモノマーが好ましく使用できる。特に好ましくはアクリル酸ブチルである。本発明においては、上記のモノマーを上記記載外のモノマーと共重合させても構わなく、その際は、上記のモノマーが40重量%以上含まれていることが好ましい。
マクロモノマーは一般的なモノマーよりも高価な場合が多いため、マクロモノマーを使用する場合には単量体組成物中に含まれるマクロモノマーの含有量を30重量%以下にすることが好ましく、20重量%以下がさらに好ましく、10重量%以下が特に好ましい。マクロモノマーの含有量の下限は、1重量%以上にすることが好ましく、2重量%以上がさらに好ましく、3重量%以上が特に好ましい。
<発泡粒子>
本発明の発泡粒子は、発泡粒子の表面セル膜中にゴム成分を10重量%以上含む層を有する発泡粒子である。
図2に一般的な発泡性ポリスチレン樹脂粒子を発泡させた発泡粒子の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させて発泡粒子にした場合には、図2のようなセル構造を有する。このセル構造において発泡粒子の最外層に位置するのが表面セル膜と呼ばれる部分である。図2(a)が発泡性スチレン樹脂粒子を発泡させた発泡粒子の断面の走査型電子顕微鏡写真であり、図2(b)が図2(a)の四角形の枠で囲んだ部分を拡大した走査型電子顕微鏡写真、図2(c)が図2(b)に対応する部分を概念化して描いた模式図である。図2(c)の模式図で符号4で示される発泡粒子の最外層に位置するのが表面セル膜と呼ばれる部分である。
発泡粒子の表面セル膜中に、ゴム成分を10重量%以上含む層を有する場合には、発泡粒子の内部に有する場合よりも、型内成形した場合に発泡体の断面に存在する層構造の存在確率が上昇する。本発明の発泡粒子においては、発泡粒子の表面セル膜4中に、ゴム成分を10重量%以上含む層を有するものが好ましい。
また本発明の発泡粒子は、前記表面セル膜4自体が層構造を有しており、該層構造が内層と中間層と外層の3層構造であり、中間層がゴム成分を10重量%以上含む層であり、内層と外層がゴム成分を10重量%未満含む層であることが好ましい。この様な構成を採ることにより、発泡粒子同士の融着性を悪化することなく発泡体の表面の触感変化が発生せずかつゴム成分の導入方法として効率が良い傾向にある。
本発明の発泡粒子は、用いるゴム成分のガラス転移温度が−20℃以下であることが好ましく、−40℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度が−20℃以下のゴム成分は、耐割れ性向上効果が特に高い傾向にある。
そして、本発明は、マクロモノマーを含む単量体組成物を重合させてなる発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡して得られる発泡粒子であることが好ましい。マクロモノマーを含む単量体組成物を重合させることによって層構造を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子を作製する方法は一般的な多段階重合法で層構造を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する方法よりも非常に効率が良く、製造設備を簡素化できる傾向にある。
本発明の発泡粒子は、粒径が0.3〜10mmであることが好ましい。さらに好ましくは0.5〜8mm、特に好ましくは0.7〜7mmである。粒径が0.3mmよりも小さい場合には、型内成形時の発泡粒子同士の融着が悪くなる傾向がある。10mmよりも大きい場合には発泡粒子として型内成形をする時の充填性が悪くなる傾向がある。
<製造方法>
本発明はマクロモノマーを含む単量体組成物を水系重合させる層構造を有する熱可塑性樹脂粒子の製造方法を含む。従来、層構造を有する熱可塑性樹脂粒子の製造方法としては、乳化重合において多段階に重合させる方法が一般的であった。しかし、本発明者らはマクロモノマーを含む単量体組成物を水系重合させることによって容易に層構造を有する熱可塑性樹脂粒子を製造する方法を見出した。本発明の熱可塑性樹脂粒子の製造方法は、ラジカル反応性の官能基を有するマクロモノマーと前記マクロモノマー以外のラジカル反応性単量体(マクロモノマー以外のラジカル反応性単量体を、以下、単に「ラジカル反応性単量体」と略称する)からなる単量体組成物を水系重合させることが好ましい。ラジカル反応性の単量体組成物を用いると水系重合の反応コントロールが容易となる。
さらに本発明の製造方法は水系重合が、懸濁重合、乳化重合、ソープフリー重合、分散重合であることが好ましい。これらの中で懸濁重合が特に好ましい。これらの重合方法であれば既存の重合設備を使用することができ、発泡性樹脂粒子として好ましい平均粒径を製造するためには懸濁重合が最も好ましい製造方法である。
本発明の製造方法において用いるマクロモノマーは、少なくとも2つの分子末端に重合性の反応基を各々1個以上有することが好ましい。2つの分子末端に重合性の反応基を各々1個以上有するマクロモノマーであれば、層構造の形成が容易となる傾向にある。マクロモノマーとともに用いられるゴム成分以外の基材樹脂成分を構成するためのモノマー(マクロモノマー以外のラジカル反応性の単量体、例えばビニル系モノマーなど)の種類や使用割合は前述したとおりである。
(重合)
本発明においては、上記のように単量体組成物を重合させ熱可塑性樹脂を得る。その重合方法は特に限定するものではないが、上述したように懸濁重合または微細懸濁重合から選ばれる重合方法で重合させることが特に好ましい。
本発明に使用される懸濁安定剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子、ピロリン酸マグネシウム、燐酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト等の難溶性無機塩等を用いることができ、また界面活性剤を併用してもよい。なお,難溶性無機塩を用いる場合は、アルキルスルホン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニオン性界面活性剤を併用するのが好ましい。懸濁安定剤の使用量によって熱可塑性樹脂粒子及び発泡性熱可塑性樹脂粒子の粒径を調節することができる。
本発明において単量体組成物を熱可塑性樹脂に重合する場合に使用する重合開始剤としては、一般に熱可塑性重合体の製造に用いられるラジカル発生型重合開始剤を用いることができ、代表的なものとしては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。
本発明における前記単量体組成物の重合においては、更に、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等メルカプタン系の連鎖移動剤やアクリロニトリル−スチレン系樹脂の重合に一般的に用いられるα−メチルスチレンダイマー等を重合調整剤として使用しても良い。α−メチルスチレンダイマーを用いると発泡体の臭気が低減されるため好ましい。
また、本発明の発泡性熱可塑性樹脂には、発泡性等を調整するために可塑剤を添加しても良い。慣用の可塑剤が使用できるが、発泡体からの揮発性有機成分の放散を少なくする必要がある場合には沸点の高い可塑剤もしくは常温で沸点の存在しない可塑剤を使用した方が良い。具体的にはジオクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル、ジブチルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソブチルアジペート等の脂肪酸エステル、やし油、パーム核油、パーム油、菜種油、菜種硬化分別油、硬化大豆油等のグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。これらは単独もしくは2種以上混合して用いられる。
さらに、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、導電化剤、粒度分布調整剤等の一般的に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造に使用されている添加剤を適宜添加することができる。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子を得る一つの具体的な方法としては、マクロモノマーとスチレン系単量体とシアン化ビニル系単量体を重合開始剤及びその他の添加剤の存在下で水性媒体中に分散させた後に重合反応を開始し、重合中に発泡剤を添加するか、又は重合後に発泡剤を含浸させる方法等が挙げられる。
すなわち、以上のようにして得られた熱可塑性樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより、層構造を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子が得られる。発泡剤を含浸させる方法は公知の方法でよく、例えば懸濁重合中もしくは重合後に発泡剤を追加する方法で発泡性熱可塑性樹脂粒子を得ることができる。
(発泡剤)
本発明で使用する発泡剤としては、一般によく知られているプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類およびシクロヘキサン、シクロペンタン、シクロブタン等の脂環族炭化水素さらにはトリフロロモノクロロエタン、ジフロロジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等の沸点が80℃以下の揮発性発泡剤が使用できる。また、これらは、単独もしくは2種以上を併せて用いることができる。成形時の収縮・変形を少なくするには発泡剤としてブタンまたは/及びペンタンを用いるのが好ましく、ブタンが特に好ましい。
本発明においては、粒子状の熱可塑性樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性熱可塑性樹脂粒子とすることが好ましい。その方法としては、前述したように重合工程中に発泡剤を添加してもよいし、重合工程終了後に添加してもよい。
発泡剤は、通常、発泡性熱可塑性樹脂粒子の発泡剤含有量が、好ましくは3重量%以上15重量%以下になる程度の量が供給される。更に好ましくは4重量%以上10重量%以下である。3重量%未満では、十分な発泡性が得られず、15重量%を越えると発泡成形時の収縮、変形が大きくなる傾向になる。
前記発泡性樹脂粒子を、例えば発泡スチロールの製造で使用されている予備発泡機で蒸気を使用する等の方法によって、発泡させ発泡粒子とすることができ、さらに該発泡粒子を型内成形することにより、発泡体を得ることができる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」「%」は重量基準である。
(製造例1)アクリロイル基両末端ポリアクリル酸n−ブチルの合成
日本特開2004−203932号公報(対応米国特許公開公報:US20060160973A1)の製造例2及び実施例2記載の方法に基づきアクリロイル基両末端ポリアクリル酸n−ブチルを合成した。精製後のマクロモノマーの数平均分子量は25600、分子量分布は1.25、ガラス転移温度−54℃であった。
なお、数平均分子量および分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
また、マクロモノマーのガラス転移温度はDSCで測定した。
(実施例1)
<発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造>
6Lの回転撹拌機付きオートクレーブ内に、蒸留水2250g、第三リン酸カルシウム3.5g、α―オレフィンスルホン酸ソーダ0.14gを仕込んだ。次いで、スチレン1777.5g、アクリロニトリル337.5g、製造例1で作製した両末端にアクリロイル基を有するマクロモノマー135gの混合溶液にベンゾイルパーオキサイド6g、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン3.5g、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン4.5g、ヤシ油22.5gを溶解させ、オートクレーブに仕込んだ。次に、該オートクレーブを85℃の温度まで昇温し、同温度で4時間重合させた後、混合ブタン(重量比:ノルマルブタン/イソブタン=75/25)を180g圧入し、その後、オートクレーブを115℃の温度まで昇温させて、生成重合体粒子中に混合ブタンを8時間かけて含浸させた。この後、反応系を30℃の温度にまで徐冷し、重合を終了させた。
得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子を、遠心分離器にて脱水し、乾燥した。平均粒径を測定したところ0.95mmであった。
この発泡性熱可塑性樹脂粒子を粒径0.84〜1.19mmに分級した。
<発泡粒子の製造>
発泡性熱可塑性樹脂粒子を0.1MPaの水蒸気(温度約100℃)を使用して嵩密度33.3kg/m3に予備発泡させて予備発泡粒子を得た。
<発泡体の製造>
予備発泡粒子を室温で1日養生させた後、300×600×25mmの金型キャビティ内に充填し、0.1MPaの水蒸気(温度約100℃)で20秒間加熱して発泡体を得た。
<物性の測定>
(圧縮強度)
発泡体の圧縮強度を調べる試験はJIS K 7220に準拠して行う。発泡体から50mm×50mm×25mmの試験片を切出す。25mmの厚さは上記で成形した発泡体の厚さのままとする。すなわち50mm×50mmの面2ヶ所は表面スキンのままであり、50mm×25mmの面4ヶ所はバーチカルスライサーで切出した面となる。
表面スキンのある面が上下になるようにして10mm/minの試験速度で圧縮試験を実施する。
圧縮強度の値A(MPa)は試験片が25%圧縮された時の応力で表す。
圧縮強度測定用発泡体の「密度」はJIS K 6767に準拠して以下の式により発泡体の密度C(kg/m3)を求めた。
C=G/V
(ただし、G:発泡体の重量(kg)、V:発泡体の体積(m3))
G及びVは圧縮強度試験サンプルの重量及びタテ、ヨコ、高さ寸法を測定し算出した。測定用具、および精度はJIS K 6767による。
(落球衝撃試験)
発泡体の耐割れ性の強さを示す落球衝撃試験は、JIS K 7211−1967に準拠して行う。発泡体から200mm×40mm×20mmの試験片をバーチカルスライサーで切出す。この試験片は200mm×40mmの面が2ヶ所存在するが、このうち片方は発泡体の表面スキンそのままとし、もう片方はバーチカルスライサーで切出した面とする。ここで、発泡体の表面スキンとは、発泡体を成形した時の発泡体の表面に露出している部分であり、バーチカルスライサーで切出された発泡体内部とは異なる。また、200mm×20mmの面2ヶ所と40mm×20mmの面2ヶ所はバーチカルスライサーで切出した面とする。試験片を20個用意する。
試験片の表面スキンがある面を落球が衝突する面として321gの剛球を落とす。下記の計算式で半数破壊高さB(cm)を求める。数値が大きいほど耐割れ性が大きいことを示す。
50:半数破壊高さ(cm)
i:高さ水準(i)が0のときの試験高さ(cm)であり、試験片が破壊することが予測される高さ。
d:試験高さを上下させるときの高さ間隔(cm)
i:H1のときを0とし、1つずつ増減する高さ水準(i=…−3、−2、−1、0、1、2、3、…)
i:各水準において破壊した(または破壊しなかった)試験片の数
N:破壊した(または破壊しなかった)試験片の総数(N=Σni)。いずれか多いほうのデータを使用する。なお、同数の場合はどちらを使用してもよい。
±0.5:破壊したデータを使用するときは負を、破壊しなかったデータを使用するときは正とする。
半数破壊高さを測定する場合、実際には、20個の試験片とは別途必要数の試験片を用意する。別途用意した試験片を用いて前述した321gの剛球を試験片上に落とす。この時、試験高さ(剛球を落とす高さ)をd(cm)間隔で変えて試験を実施して試験片が割れた最低の高さをHiとして予め最初の試験高さをHiを決めておく。次に測定対象となる20個の試験片を用い、落球衝撃試験は高さHiからはじめて、n番目の試験片の落球衝撃試験において、n−1番目の前の試験片が割れた場合には試験高さをd(cm)だけ減らして試験し、またn−1番目の前の試験片が割れなかった場合には試験高さをd(cm)だけ増して、同様に試験をする。試験高さを上下させるときの高さ間隔d(cm)は不都合がない限り5cmとする。
落球衝撃試験用発泡体の「密度」はJIS K 6767に準拠して以下の式により発泡体の密度C(kg/m3)を求めた。
C=G/V
(ただし、G:発泡体の重量(kg)、V:発泡体の体積(m3))
GおよびVは落球衝撃試験の試験片の重量およびタテ、ヨコ、高さ寸法を測定し、20個の試験片の平均値を採用した。測定用具、および精度はJIS K 6767による。
<層構造の観察>
透過型電子顕微鏡(日本電子社製“JEM−1200EX”、加速電圧80kV、RuO4染色超薄切片法)を使用して発泡性熱可塑性樹脂粒子及び発泡粒子の断面の層構造を観察した。
発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面付近の観察結果を図3、さらに表面部分を拡大した観察結果を図4示す。尚、図3において、透過型電子顕微鏡写真の左側に示されているのは、発泡性熱可塑性樹脂粒子の断面の外形線のみを模式的に描いた図であり、その図のおよそ四角形で囲まれた部分の一部であって発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面近傍に相当する部分を透過型電子顕微鏡で観察した写真が、図3右側に示された写真である。5は発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面を示し、6は第二層(濃いところ)、7は第三層(薄いところ)であり、6の第二層がゴム成分を10重量%以上含む層に該当し、7の第三層は、ゴム成分を10重量%未満含む層に該当する。図3の符号6の部分から符号5の部分までを更に拡大した透過型電子顕微鏡写真が図4である。
発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面近傍に同心状に他の部分よりも濃く染色された部分が観察されており、拡大すると表面側から第一層8は濃く染色されていない部分、第二層6は濃く染色されている部分、第三層7は濃く染色されていない部分となっていることがわかった。
他の部分よりも濃く染色されている第二層の厚さは約22μmであった。
また、他の部分よりも濃く染色されている第二層6は図4の符号9で示される部分から明らかな様にミクロ相分離構造であることがわかった。
次に、上記のような発泡性熱可塑性樹脂粒子を予備発泡させて得られる発泡粒子の表面セル膜の観察結果を図5に示す。発泡粒子の表面セル膜とは、図2(c)における符号5の部分であり、図5は符号5に相当する部分の本発明の実施例の発泡粒子の観察結果である。
図5において、表面セル膜中に他の部分よりも濃く染色されている層が存在しており、厚さは2μmであった。表面セル膜中で他の部分よりも濃く染色されている層がゴム成分を10重量%以上含む層に該当し、その左側(内部側)の層と、右側(外部側)の層は、それぞれゴム成分を10重量%未満含む層に該当する。このように本発明の発泡粒子は、その表面セル膜がゴム成分を10重量%未満含む内層とゴム成分を10重量%以上含む中間層とゴム成分を10重量%未満含む外層との3層構造からなるものが得られている。
<ゴム成分量の測定>
装置:Perkin Elmer社 AutoIMAGEシステム “Paragon1000”(顕微赤外分光装置:μIR)
測定領域:4000〜700cm-1
分解能:4cm-1
検出器:MCT(HgCdTe)
積算回数:50回
スチレン由来ピーク:1493cm-1近傍
アクリロニトリル由来ピーク:2236cm-1近傍
アクリル酸ブチル由来ピーク:1734cm-1近傍
アクリロニトリルとスチレンの配合割合が既知のアクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)と製造例1で作製したアクリロイル基両末端ポリアクリル酸n−ブチルを様々な割合で配合しクロロホルムに溶解させて5重量%溶液とした。この溶液を顕微赤外分光法(μIR)用KBr板に塗布・乾燥後、n=3でμIR測定を行い検量線を作成した。すなわち、1種類の配合につきそれぞれ3回ずつμIR測定を行い検量線を作成した。図3の発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面近傍に同心状に他の部分よりも濃く染色された部分(第二層:6)はアクリル酸ブチル成分を26重量%含有していた。また図3の第三層(7)部分はアクリル酸ブチル成分の含有率が3重量%であった。
(実施例2)
スチレンの仕込量を1609.5g、アクリロニトリルの仕込量を505.5gとした以外は実施例1と同様に行った。
(実施例3)
スチレンの仕込量を1732.5g、両末端にアクリロイル基を有するマクロモノマーの仕込量を180gとした以外は実施例1と同様に行った。
(実施例4)
スチレンの仕込量を1678g、アクリロニトリルの仕込量を527g、両末端にアクリロイル基を有するマクロモノマーの仕込量を45gとした以外は実施例1と同様に行った。
(比較例1)
樹脂部分が100重量%ポリスチレンからなる発泡性ポリスチレン樹脂粒子((株)カネカ製、製品名:“カネパールNSG”)を使用する以外は実施例1と同様に行い、成形体を作製した。
(比較例2)
WO2001/048068号パンフレット(対応米国特許US6,770,682B2)の実施例2の記載に準じて発泡性改質スチレン系樹脂粒子を得た。その他は実施例1〜4と同様に行い、成形体を作製した。
(比較例3)
スチレンの仕込量を2250g、アクリロニトリルの仕込量を0g、両末端にアクリロイル基を有するマクロモノマーの仕込量を0gとし、ジビニルベンゼンを0.45g加えた以外は実施例1と同様に行い、成形体を作製した。
(比較例4)
スチレンの仕込量を2250g、アクリロニトリルの仕込量を0g、両末端にアクリロイル基を有するマクロモノマーの仕込量を0gとし、ジビニルベンゼンを1.35g加えた以外は実施例1と同様に行い、成形体を作製した。
(比較例5)
スチレンの仕込量を1707.1g、アクリロニトリルの仕込量を536.1g、両末端にアクリロイル基を有するマクロモノマーの仕込量を6.75gとした以外は実施例1と同様に行い、成形体を作製した。
(比較例6)
スチレンの仕込量を1198.6g、アクリロニトリルの仕込量を376.4g、両末端にアクリロイル基を有するマクロモノマーの仕込量を675gとした以外は実施例1と同様に行った。予備発泡させたが嵩倍率3.2倍までしか発泡できなかった。この予備発泡粒子で成形を実施したが、全く融着せず、評価可能な発泡体は得られなかった。
尚、表1の落球衝撃試験及び圧縮試験の欄の“kg/m3”の項は、当該試験に用いた発泡体の密度を示す。
表1に示すように、本発明で得られた発泡体は圧縮強度が高くかつ耐割れ性が高い性能を有している。
本発明は高い耐割れ性と高い圧縮強度が両立した発泡体を提供できるので、プラスチック軽量化部材、自動車用部材、建築用断熱部材、繰り返し落下の多い緩衝包装材料等に有効に利用できる。

Claims (20)

  1. 発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面において同心状の層構造を有し、少なくとも一つの層がゴム成分を10重量%以上含む層である発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  2. ゴム成分を10重量%以上含む層の外側に、ゴム成分を10重量%未満含む層が少なくとも1層存在する請求項1に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  3. 発泡性熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面において、発泡性熱可塑性粒子の表面と表面から直径方向に直径の10%の深さとの間にゴム成分を10重量%以上含む層を有する請求項1または2に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  4. 層構造が中心層と中間層と外層の3層構造であり、中間層がゴム成分を10重量%以上含む層であり、中心層と外層がゴム成分を10重量%未満含む層である請求項1〜3何れか一項に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  5. ゴム成分を10重量%以上含む層がミクロ相分離構造を有している請求項1〜4何れか一項に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  6. ゴム成分のガラス転移温度が−20℃以下である請求項1〜5何れか一項に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  7. マクロモノマーを含む単量体組成物を重合させてなる熱可塑性樹脂に発泡剤を含浸して得られる請求項1〜6何れか一項に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  8. 請求項1〜7何れか一項に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させた発泡粒子。
  9. 請求項8記載の発泡粒子を型内成形した発泡体。
  10. 発泡粒子の表面セル膜中にゴム成分を10重量%以上含む層を有する発泡粒子。
  11. 発泡粒子の表面セル膜が層構造を有しており、該層構造が、内層と中間層と外層の3層構造であり、中間層がゴム成分を10重量%以上含む層であり、中心層と外層がゴム成分を10重量%未満含む層である請求項10に記載の発泡粒子。
  12. ゴム成分のガラス転移温度が−20℃以下である請求項10または11に記載の発泡粒子。
  13. マクロモノマーを含む単量体組成物を重合させてなる発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡して得られる請求項10〜12何れか一項に記載の発泡粒子。
  14. 請求項10〜13いずれか一項に記載の発泡粒子を型内成形した発泡体。
  15. マクロモノマーを含む単量体組成物を水系重合する、熱可塑性樹脂粒子の中心を通る断面において同心状の層構造を有し、少なくとも一つの層がゴム成分を10重量%以上含む層である層構造を有する熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
  16. マクロモノマーが、少なくとも2つの分子末端に重合性の反応基を各々1個以上有するマクロモノマーである請求項15に記載の層構造を有する熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
  17. 請求項16記載の製造方法で得られる層構造を有する熱可塑性樹脂粒子。
  18. 請求項17に記載の熱可塑性樹脂粒子に発泡剤を含有させた層構造を有する発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  19. 請求項18に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡して得られる発泡粒子。
  20. 請求項19に記載の発泡粒子を型内成形して得られる発泡体。
JP2008536319A 2006-09-26 2007-09-06 発泡性樹脂粒子、発泡粒子及び発泡体ならびにその製造方法 Pending JPWO2008038504A1 (ja)

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