JPWO2008013047A1 - 光学素子、光学素子の製造方法及び光ピックアップ装置 - Google Patents

光学素子、光学素子の製造方法及び光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

波長板間の間隔や波長板間の分割領域の境界の相対位置合わせや分割領域の境界自体の高精度化を実現可能でありかつ光学系に組み込むときの工数を大幅に削減可能な光学素子及びその製造方法を提供するために、この光学素子は、微細周期構造の方向が異なる2つの領域を同一面内に備えるとともに、微細周期構造を両面に備え、微細周期構造の一方の面が1/4波長板として機能し、微細周期構造の他方の面が偏光分離素子として機能し、一方の面における2つの領域の境界と他方の面における2つの領域の境界とが一致することを特徴とする。

Description

本発明は、1/4波長板や偏光分離素子として機能する微細周期構造を有した光学素子、該光学素子の製造方法及び該光学素子を有した光ピックアップ装置に関するものである。
下記特許文献1は、光の偏光状態を変化させる波長板において、誘電体平板が微細周期で配置された微細周期構造で形成され、同一基板上で微細周期構造を形成する誘電体平板の厚さ、誘電体平板の高さ、誘電体平板の配置される周期のうち少なくとも1つが異なる領域が2つ以上あり、且つ、各領域において、さらに光学軸の向きが異なる領域が少なくとも2つ以上ある領域分割型波長板を開示している。
また、下記非特許文献1は、3次元周期構造(フォトニック結晶)を用いた領域分割型波長板の応用例として多層光ディスクの読み出し用波長板を開示している。この波長板99,100は図15(a)のような周期構造を有し分割ライン(境界)103で分割された領域101,102を備え、図15(b)のような光ピックアップ用の光学系に配置される。すなわち、分割された領域101,102を有する2枚の波長板99,100を図15(b)のように配置し、波長板99と100の間に焦点を結ぶ光線(実線)と、外側に結ぶ光線(破線)とで偏波を90°変えることで両光線を偏光板104で分離する。このようにして実線で示す光線が偏光板104を通過することで、図15(b)のように多層光ディスクのある深さ位置からの反射光のみを透過させている。
特開2005−352378号公報 「フォトニック結晶の実用化の前線で」川上彰二郎(O plus E Vol.28,No4 2006年4月)
しかし、上述のような領域分割型波長板は、2枚の波長板99と100の間隔k、波長板99と100の分割領域の境界103の相対位置合わせ、及び境界103自体についてそれぞれ精度が要求され、光ピックアップ装置に適用された場合に、上記精度は検出能力に大きく影響を与える。このため、2枚の波長板99と100のアライメント調整が複雑となり手間がかかり、組立工数が増えてしまう。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、波長板間の間隔や波長板間の分割領域の境界の相対位置合わせや分割領域の境界自体の高精度化を実現した、微細周期構造を有する光学素子、該光学素子の製造方法を提供し、かつ光学系に組み込むときの工数が大幅に削減されることによる低コスト化が可能な光ピックアップ装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の光学素子は、微細周期構造を有する光学素子であって、前記微細周期構造の方向が異なる2つの領域を同一面内に備えるとともに、前記微細周期構造を両面に備え、前記微細周期構造の一方の面が1/4波長板として機能し、前記微細周期構造の他方の面が偏光分離素子として機能し、一方の面における前記2つの領域の境界と他方の面における前記2つの領域の境界とが一致していることを特徴とする。
この光学素子によれば、(1)境界幅をより小さくするのに適した微細周期構造により偏光機能を付加するので、分割領域の境界自体を高精度化できる。(2)両面に微細周期構造を有し、従来のように光学系に2枚の波長板等の光学素子を配置する必要がなく、1枚の光学素子を配置するだけでよいので、間隔調整が不要となり、1/4波長板として機能する面と偏光分離素子として機能する面の間隔の高精度化を実現できる。(3)微細周期構造の方向が異なる2つの領域の境界が両面においてほぼ一致して略同一位置にあるので、偏光素子間の分割領域の境界の相対位置合わせが不要となる。このため、分割領域の境界の相対位置が精度よく調整された光学素子とすることが可能である。(4)1/4波長板として機能する面と偏光分離素子として機能する面のアライメントの高精度化及び安定性を実現できるので、他の光学部品と組み合わせて光学系に組み込むときの工数を大幅に削減できる。
また、上記光学素子に形成された一方の面における、2つの領域の一方の領域の微細周期構造が−1/4波長板として機能し、他方の領域の微細周期構造が+1/4波長板として機能するように構成することが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法は、微細周期構造を有し、前記微細周期構造の方向が異なる2つの領域を同一面内に備えるとともに前記微細周期構造を両面に備える光学素子を製造する方法であって、前記微細周期構造に対応する微細周期構造を有する一対の型を対向して配置し、前記一対の型の間に基材を配置してからプレスし、前記基材の両面に前記型の微細周期構造を転写することを特徴とする。
この光学素子の製造方法によれば、微細周期構造を有し、該微細周期構造の方向が異なる2つの領域を同一面内に備えるとともに微細周期構造を両面に備える光学素子をインプリント法により簡単に製造することができる。更に、予め高精度にアライメントされた上型と下型等の一対の型を用いて基材の両面に微細周期構造を形成できるので、両面における2つの領域の境界位置及び間隔の調整が不要な光学素子を得ることができる。このようにして上述の(1)乃至(4)の作用効果を奏する光学素子を製造できる。
上記光学素子の製造方法において、2つの領域の境界に対応する境界位置がほぼ一致するように一対の型の相対位置を調整することで、一対の型を高精度にアライメントすることができる。
なお、この型のアライメント調整のために、インプリント成形装置に型の平面を観察可能なモニタ装置を取り付け、2つの領域の境界に対応する型の境界位置を観察しながら、一対の型の境界位置がほぼ一致するように一対の型の相対位置を調整することができる。また、予備的なインプリント成形を行い、光学素子の両面において2つの領域の境界がほぼ一致するまで一対の型の相対位置を調整することができる。
また、型をプレス前に加熱することが好ましい。また、基材が熱可塑性樹脂からなることが好ましく、基材の両面を凹凸変形させて微細周期構造を形成することができる。
また、型は紫外線を透過するように構成され、型と基材との間に紫外線硬化性樹脂を配置し、型を基材に押し当てた状態で型を通して紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射することで、型の微細周期構造を基材上の紫外線硬化性樹脂に転写することができる。この場合、基材の両面に紫外線硬化性樹脂で微細周期構造を形成できる。なお、基材はガラス材料から構成できる。
また、基材の一方の面に金属層を有し、型の微細周期構造を金属層上に転写してから金属層をエッチング加工することで、微細周期構造を金属層に形成することができる。これにより、例えば一方の面の微細周期構造が1/4波長板として機能し、他方の面の微細周期構造が偏光分離素子として機能する光学素子を製造できる。
また本発明の光ピックアップ装置は、所定の波長の光束を出射する光源と、該光束を記録媒体の記録面上で光スポットに集光する対物レンズと、前記記録媒体の記録面からの反射光を受光する受光素子と、前記光源からの光束を前記対物レンズへ導くと共に前記記録媒体の記録面からの反射光を前記受光素子へ導くよう配置されたビームスプリッタと、請求の範囲第1項又は第2項に記載の光学素子と、を有し、前記光学素子は、前記ビームスプリッタと前記受光素子の間であって、前記受光素子側に前記偏光分離素子として機能する面を向けて配置されていることを特徴とする。
この光ピックアップ装置によれば、片側の面に複数の記録層を有する光ディスクの再生や記録に際し、光スポットが形成された記録層からの反射光のみを受光素子に到達させることができるようになり、記録層の情報をより正確に受光できるようになる。また上記の光学素子の組み込み工数が大幅に削減できるため、低コスト化することができる。
本発明の光学素子によれば、1/4波長板として機能する面と偏光分離素子として機能する面との間隔、両面それぞれに形成された分割領域の境界の相対位置合わせ、及び分割領域の境界自体の高精度化を実現でき、光学系に組み込むときの工数を大幅に削減できる。
第1の実施の形態に係る光学素子の模式的な平面図(a)、その模式的な断面図(b)及び拡大した模式的な部分断面図(c)である。 図1の光学素子10を配置した第2の実施の形態の光学系を概略的に示す図である。 第2の実施の形態による別の光学系を概略的に示す図である。 図3に示す光学素子10’を用いた光ピックアップ装置の光学系の概略を示す図である。 第3の実施の形態によるインプリント法を行うためのインプリント装置を概略的に示す図である。 第3の実施の形態のインプリント法で被成形物となる基材の断面図である。 第3の実施の形態によるインプリント法を行うためのインプリント装置の要部を概略的に示す側断面図である。 第3の実施の形態によるインプリント法による製造方法の工程S01〜S08を説明するためのフローチャートである。 第4の実施の形態のインプリント法で被成形物となる基材の断面図である。 第4の実施の形態によるインプリント法による製造方法の工程S11〜S16を説明するためのフローチャートである。 第5の実施の形態のインプリント法で被成形物となる基材の断面図である。 第5の実施の形態によるインプリント法による製造方法の工程S21〜S29を説明するためのフローチャートである。 図12に示す工程中における被成形物の断面の状態を示す模式図である。 図3に示す光学系の光学素子10’をレンズ21側から見た模式的な平面図である。 従来の領域分割型偏光素子の境界部近傍の平面図(a)及び従来の領域分割型偏光素子を用いた光学系を示す図(b)である。
符号の説明
10,10’ 光学素子
10a 一方の面
10b 他方の面
11 第1の領域
12 第2の領域
13,19 境界部(境界)
14 基材
15,16 微細周期構造部(微細周期構造)
17,18 微細周期構造部(微細周期構造)
21,23 レンズ
22 偏光板
30 インプリント装置
37 取付孔
38,39 取付部
40 多層光ディスク
40a 記録層
a,d,g 基材
b 上型
c 下型
e ガラス板
f 紫外線硬化性樹脂層
h 金属層
i1 熱可塑性樹脂層
i2 熱可塑性樹脂層
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
〈第1の実施の形態〉
図1は、第1の実施の形態に係る光学素子の模式的な平面図(a)、その模式的な断面図(b)及び拡大した模式的な部分断面図(c)である。
図1(a)の平面図に示すように、円板状の光学素子10は、直線状に延びる微細周期構造部15を有する第1の領域11と、第1の領域11と異なる方向に延びる微細周期構造部16を有する第2の領域12と、を直線状の境界部13を挟んで備えており、両微細周期構造部15,16が第1の領域11と第2の領域12との境界部13で交差するように形成されている。
光学素子10は、第1の領域11と第2の領域12が基材14の両面10a,10bに形成されている。すなわち、図1(b)に示すように、第1の領域11の裏面側に第2の領域12が位置し、第2の領域12の裏面側に第1の領域11が位置するようにして両面10a,10bに微細周期構造が形成されている。
図1(b)、(c)に示すように、光学素子10の、一方の面10aの第1の領域11は、凹凸状の微細周期構造部15を有し、凸部15aと凹部15bが周期的に繰り返して形成されている。一方の面10aの第2の領域12は、凹凸状の微細周期構造部16を有し、凸部と凹部が周期的に繰り返して形成されている。
同じく、他方の面10bの第2の領域12は、凹凸状の微細周期構造部17を有し、凸部17aと凹部17bが周期的に繰り返して形成されている。他方の面10bの第1の領域11は、凹凸状の微細周期構造部18を有している。
光学素子10は、一方の面10aで第1の領域11と第2の領域12とが図1(a)、(b)のように境界部13で分割され、他方の面10bでも同様に第1の領域11と第2の領域12とが境界部19で分割されているが、一方の面10a及び他方の面10bの境界部13,19は、図1(b)のようにほぼ一致して略同一位置にある。すなわち、両面10a、10bの境界部13,19は、一方の面10aの直線状の境界部13がその面に対し直交する方向(図1(a)の紙面垂直方向)に投影されると、他方の面10bの直線状の境界部19とほぼ重なるような投影位置関係にある。
図1(a)乃至(c)に示した光学素子10において、両面10a、10bの微細周期構造部15〜18を樹脂で形成し、例えば、凹凸の周期ピッチpを300nm程度、各凸部の幅wを200nm程度、凹凸の深さHを1000nm程度とすることにより、構造性複屈折波長素子として機能するように構成することができる(図2の光学素子10参照)。即ち、両面の第1の領域11が−1/4波長板として機能し、両面の第2の領域12が+1/4波長板として機能する。+1/4波長板は、+90°の位相差を与え、−1/4波長板は、−90°の位相差を与え、円偏光を直線偏光に変換する(または、その逆)が、その偏光方向が互いに異なるものである。なお、上記寸法例は一例であって、他の寸法であってもよいのは勿論である。
また、一方の面10aの微細周期構造部15と16を樹脂で形成し、例えば、凹凸の周期ピッチpを300nm程度、各凸部の幅wを200nm程度、凹凸の深さHを1000nm程度とすることにより、−1/4波長板及び+1/4波長板として機能するようにし、他方の面10bの微細周期構造部17と18を、例えば、アルミニウム等の金属材料で形成し、例えば、周期ピッチpを150nm程度、各凸部の幅wを100nm程度、凹凸の深さHを150nm程度とすることにより、偏光分離素子として機能するように構成することができる(図3の光学素子10’参照)。なお、上記寸法例は一例であって、他の寸法であってもよいのは勿論である。
上記で説明した光学素子10及び光学素子10’によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)形成された微細周期構造により1/4波長板、偏光分離素子等の偏光機能を付加されるが、かかる微細周期構造によれば、領域11と12間の境界部13,19の幅をより小さくできるので、分割された領域間の境界部自体を高精度化できる。
(2)両面に微細周期構造を有することで、従来のように光学系に2枚の波長板等の偏光機能を有する素子を配置する必要がなく、1枚の当該光学素子を配置するだけでよいので、2枚の素子間の間隔調整が不要となり、間隔の高精度化を実現できる。
(3)微細周期構造の方向が異なる2つの領域11,12の境界が両面においてほぼ一致して略同一位置にあるので、偏光機能を有する素子間の分割領域11,12の境界部13,19の相対位置合わせが不要となる。分割領域の境界の相対位置が精度よく調整された光学素子にできる。
〈第2の実施の形態〉
次に、図1に示す光学素子10を用いた第2の実施の形態による光学系について図2を参照して説明する。図2は、図1に示す光学素子10を配置した第2の実施の形態の光学系を概略的に示す図である。
図2に示す光学素子10は、両面10a、10bの微細周期構造部15〜18を樹脂で形成し、構造性複屈折波長素子として機能するようにしたものであり、一方の面10a及び他方の面10bの第1の領域11が−1/4波長板として機能し、一方の面10a及び他方の面10bの第2の領域12が+1/4波長板として機能するように構成されている。図2のように、レンズ21と23との間に光学素子10を配置し、光学素子10とレンズ23との間に偏光板22を配置している。
図2に示す光学系において、レンズ21からの実線で示す直線偏光の光(波長λ)が光学素子10の第1の領域11,11(−1/4波長板)を通過して−90°−90°の位相差を与え、偏光方向が変化し、また第2の領域12,12(+1/4波長板)を通過して+90°+90°の位相差を与え、偏光方向が変化し、偏光板22を通過する。この場合、破線で示すように、レンズ21からの光が光学素子10の一方の面10aの手前で焦点を結ぶと、光学素子10の第2の領域12,第1の領域11を通過し、或いは第1の領域11,第2の領域12を通過するが、偏光方向も位相差も変化せず、偏光板22を通過することができない。これに対し、レンズ21からの光が光学素子10の一方の面10aと他方の面10bの間で焦点を結ぶ場合には、上述のように、±180°の位相差が与えられて偏光方向が変化し、偏光板22を通過することができる。
以上のように、図2に示す光学系によれば、レンズ21からの光が光学素子10の一方の面10aと他方の面10bの間で焦点を結ぶように光学素子10を配置することで、例えば多層光ディスク等の所定の深さ位置の反射光のみを透過させるようにできる。図2に示す光学系において2枚の波長板を配置した場合、2枚の波長板間に焦点を結ぶように2枚の波長板の光軸方向の各位置を調整しなければならず、更に、各面の分割領域の境界位置を両面で一致するように調整する必要があり、このため調整が複雑で組立に手間取ってしまうのに対し、図2に示すように1枚の光学素子10の両面に波長板の機能を備え、2つの領域11,12の境界部13,19が一方の面10a及び他方の面10bにおいてほぼ一致しているので、分割領域11,12の境界部13,19の相対位置合わせが不要となる。
以上のことから、光学素子10の両面におけるアライメントの高精度化及び安定性を実現できるので、他の光学部品と組み合わせて光学系に組み込むときの工数を大幅に削減できる。
次に、図3,図14を参照して第2の実施の形態による別の光学系について説明する。図3は、第2の実施の形態による別の光学系を概略的に示す図である。図14は、図3に示す光学系の光学素子10’をレンズ21側から見た模式的な平面図である。
図3に示す光学系はレンズ21と23との間に光学素子10’を配置し、図2の偏光板22を省略して構成されている。
図3に示す光学素子10’は、一方の面10aの第1の領域11が−1/4波長板として機能し、第2の領域12が+1/4波長板として機能し、また、他方の面10bの第1の領域11が第1の偏光分離素子として機能し、第2の領域12が第2の偏光分離素子として機能するものである。
すなわち、図3に関し、紙面の奥行き方向を+X、紙面の上方向を+Yとする座標系(図14に関し、横軸をX、縦軸をYとする座標系)を考え、+X軸を0度、+Y軸を90°とすると、例えば、光学素子10’に入射する円偏光を右回りの円偏光としたとき、図14の実線で示すように一方の面10aの第2の領域12の微細周期構造の方向を+45°、第1の領域11の微細周期構造の方向を−45°とし、図14の破線で示すように他方の面10bの第1の領域11の微細周期構造の方向を90°、第2の領域12の微細周期構造の方向を0°とすることで、他方の面10bの領域11,12が上記第1及び第2の偏光分離素子の各機能を発揮できる。
また、入射光が左回りの円偏光の場合は一方の面10aの領域11,12における微細周期構造の方向が図14の実線のとおりであれば、他方の面10bの第1の領域11の微細周期構造の方向を0°、第2の領域12の微細周期構造の方向を90°とすることで、他方の面10bの領域11,12が上記第1及び第2の偏光分離素子の各機能を発揮できる。
上述の組合せは1例であり、第1及び第2の領域11と12で微細周期構造が直交し、一方の面10aの領域11(12)及び他方の面10bの領域11(12)における各微細周期構造の各方向がなす角度が相対的に45°であり、かつ、一方の面10aの領域11を通過した光が他方の面10bの領域11を透過し、一方の面10aの領域12を通過した光が他方の面10bの領域12を透過する配置になっていれば、他の組み合わせであってもよい。
図3に示す光学系において、レンズ21からの実線で示す円偏光の光(波長λ)が光学素子10’の一方の面10aの第1の領域11(−1/4波長板)を通過して直線偏光に変換され、他方の面10bの第1の偏光分離素子(領域11)を通過し、レンズ23に入射する。また、一方の面10aの第2の領域12(+1/4波長板)を通過して直線偏光(−1/4波長板を通過した光と偏光方向が異なる)に変換され、他方の面10bの第2の偏光分離素子(領域12)を通過し、レンズ23に入射する。
この場合、図3の破線で示すように、光が例えば光学素子10’の手前で焦点を結ぶと、一方の面10aの第1の領域11を通過しても他方の面10bの第2の偏光分離素子(領域12)で反射し、また一方の面10aの第2の領域12を通過しても他方の面10bの第1の偏光分離素子(領域11)で反射し、光学素子10’を通過することができない。これに対し、レンズ21からの光が光学素子10’の一方の面10aと他方の面10bの間で焦点を結ぶことで、上述のように、光学素子10’を通過することができる。
以上のように、図3に示す光学系によれば、1枚の光学素子10’の一方の面に1/4波長板としての機能を有し、他方の面に偏光分離素子としての機能を備え、2つの領域11,12の境界部13,19が両面においてほぼ一致しているので、分割領域11,12の境界部13,19の相対位置合わせが不要となる。このため、光学素子10’の両面におけるアライメントの高精度化及び安定性を実現できるので、他の光学部品と組み合わせて光学系に組み込むときの工数を大幅に削減できる。更に、図3に示す光学素子10’を用いる光学系の場合、図2に示す光学系では必要であった偏光板22を省略でき、部品点数の削減を図ることができる。
次に、図4を参照して図3に示した光学系を光ピックアップ装置に適用した例について説明する。図4は、図3に示す光学素子10’を用いた光ピックアップ装置の光学系の概略を示す図である。
図4に示す光ピックアップ装置の光学系は、多層光ディスク40の所定の深さ位置にある記録層40aに記録された情報を読み取る場合を示している。
光源であるレーザダイオード41から出射された直線偏光状態のレーザ光は、コリメータレンズ42で平行光とされ、偏光ビームスプリッタ43で反射された後、1/4波長板44で円偏光状態とされ、対物レンズ45により多層光ディスク40の所定の深さ位置の記録層40aに合焦する。この記録層40aからの反射光は、対物レンズ45を通過し、1/4波長板44で偏光方向を90°回転させられ、偏光ビームスプリッタ43を通過して、1/4波長板46で円偏光状態にされる。この後、コリメータレンズ47を介して光学素子10’の面10aと面10bの間に焦点を結び、更に、コリメータレンズ48、コリメータレンズ49及びシリンドリカルレンズ50を介して、受光素子であるフォトダイオード51に入射する。これにより、記録層40aに記録された情報を光信号から電気信号に変換して読み取ることができるようになっている。
図4において、例えば、多層光ディスク40の記録層40aよりも深い位置にある記録層40bから反射した光は、光学素子10’の一方の面10aの手前で合焦するため、図3の破線と同様に、光学素子10’の他方の面10bの第1の偏光分離素子及び第2の偏光分離素子で反射され、光学素子10’を通過できず、フォトダイオード51に到達しない。また、多層光ディスク40の記録層40aよりも浅い位置にある記録層40cから反射した光は、光学素子10’の他方の面10bを越えた位置で合焦する方向に進むが、この場合も同様に、他方の面10bの第1の偏光分離素子及び第2の偏光分離素子で反射され、光学素子10’を通過できず、フォトダイオード51に到達しない。
即ち、図4に示す、光ピックアップ装置の光学系によれば、多層光ディスク40の複数の記録層のうち、対物レンズ45により光スポットが形成されている記録層からの反射光のみが、光学素子10’を透過し、フォトダイオード51に到達することになる。
図4に示す光ピックアップ装置の光学系によれば、S/N比の高い情報検出が可能となると共に、上述のように光学素子10’の両面におけるアライメントの高精度化及び安定性を実現できるので、光学素子10’を光ピックアップ装置の光学系に他の光学部品と組み合わせて組み込むときの工数を大幅に削減できる。
なお、図4では、レーザダイオード41から出射される光束をビームスプリッタ43で反射させ、記録層からの反射光はビームスプリッタ43を通過して1/4波長板46〜フォトダイオード51へ導くよう構成された光ピックアップ装置の光学系で説明したが、これに限るものでない。例えば、レーザダイオード41から出射された光束を通過させ、記録層からの反射光を反射させるようビームスプリッタ43を構成し、記録層からの反射光を1/4波長板46〜フォトダイオード51へ導くような構成でもよい。
〈第3の実施の形態〉
次に、第3の実施の形態として図1に示した光学素子10のインプリント法による製造方法について図5乃至図8を参照して説明する。
図5は、第3の実施の形態によるインプリント法を行うためのインプリント装置を概略的に示す図である。図6は第3の実施の形態のインプリント法で被成形物となる基材の断面図である。図7は第3の実施の形態によるインプリント法を行うためのインプリント装置の要部を概略的に示す側断面図である。図8は第3の実施の形態によるインプリント法による製造方法の工程S01〜S08を説明するためのフローチャートである。
図5に示すように、インプリント装置30は、モータ36を取り付け固定するフレーム31と、上型bの上方に位置し上型bを加熱するヒータ32と、ヒータ32や取付部39を取り付ける横部材35と、横部材35を固定するガイド部33と、ガイド部33や取付部38を固定するベース部34と、を備える。
インプリント装置30は、上型bを取付部39に取り付け、下型cを上型bと対向するようにベース部34の上側の取付部38に取り付け、下型cと上型bとの間に被成形物である基材aを配置してから、モータ36の回転により上型bを下型cに向けて鉛直方向下方vに降下させてプレスすることで成形を行うように構成されている。
また、上型bの取付部39にはX−Y−θステージが設けられており、取付部39に取り付けられた上型bと、取付部38に取り付けられた下型cとの相対的な平面位置の調整を行うことができる。
また、ベース部34にはモニタ装置のカメラ部や紫外線照射装置の照射ノズル部が取り付け可能な取付孔37が設けられており、下型cが取り付けられる取付部38が例えばガラス等の光透過材料から構成されて光透過可能になっている。このため、取付孔37に取り付けたモニタ装置のカメラ部で取付部38を介して下型c、上型bを観察でき、また、紫外線照射装置の照射ノズル部から取付部38を介して下型cに向けて紫外線を照射できる。
基材aは、図6に示すようにシート状の熱可塑性樹脂であり、この樹脂として、ポリオレフィン樹脂やノルボルネン系樹脂等の光学用樹脂材料が好ましく、具体的には、例えば、三井化学(株)製のアペル、JSR(株)製のアートン、日本ゼオン(株)製のゼオノア、ゼオネックスなどを使用できる。
図7に示すように、上型bは、図1(a)〜(c)の第1の領域11の微細周期構造部15及び第2の領域12の微細周期構造部16に対応した凹凸部b1を有し、下型cは、同じく微細周期構造部17及び微細周期構造部18に対応した凹凸部c1を有する。上型bは凹凸部b1に図1(a)、(b)の一方の面10aにおける2つの領域11,12の境界部13と対応した直線状の境界を有し、同じく下型cは凹凸部c1に図1(b)の他方の面10bにおける2つの領域11,12の境界部19と対応した直線状の境界を有する。
次に、図8を参照して図1(a)乃至(c)の光学素子10を製造するインプリント法の工程S01〜S08について説明する。
まず、図7に示すような上型b及び下型cを用意し、図5のインプリント装置30の取付部39,38にそれぞれ取り付けてから、上型bと下型cとの位置合わせをする(S01)。
すなわち、上記位置合わせは、上型bの2つの領域11,12の境界部13(図1(a)、(b)参照)と対応した直線状の境界と、下型cの2つの領域11,12の境界部19(図1(b)参照)と対応した直線状の境界とが重なるように位置調整することで高精度に行うことができる。この位置調整は、図5のベース部34の取付孔37にモニタ装置のカメラ部を取り付け、光透過可能な取付部38を介して下型cの凹凸部と上型bの凹凸部とを観察しながら、上型bの取付部39に設けられたX−Y−θステージにより上型bを平面的に微調整することで行うことができる。
なお、上型bと下型cの位置合わせは、以下の工程により成形を予備的に行い、得られた成形品の境界部13,19の位置を測定して微調整することで、更に高精度に行うことができる。また、かかる予備的成形を繰り返して微調整を繰り返すことで上型bと下型cの位置合わせを高精度にできるので、上述のようなモニタ装置による観察工程を省略してもよい。
次に、図6の基材aを上型bと下型cの間にセットする(S02)。そして、上型bを所定温度まで昇温してから(S03)、モータ36を回転させて上型bを鉛直方向下方、矢印v方向に降下させ(S04)、基材aを上型bと下型cとの間で一定以上の圧力となるまでプレスし(S05)、この圧力状態で一定時間上型bと下型cを保持する(S06)。
次に、上型bと下型cを冷却してから(S07)、上型bを鉛直方向上方、矢印v’方向に上昇させ、また、基材aを下型cから取り去ることで剥離して離型することで(S08)、光学素子10を得ることができる。
なお、上型b、下型cは、例えば、ガラスからなる型基材上にレジストを均一に塗布してレジストマスクを形成してから電子ビームにより所定の微細パターンを描画し、所定の現像材料により現像し、この微細パターンが形成された型基材に対しプラズマ等のドライエッチングを行うことで凹凸部b1,c1を形成して製造できる。この電子ビーム描画は、本発明者等が、例えば特開2004−107793号公報や特開2004−54218号公報等で提案した電子ビーム描画装置により行うことができる。これにより、所望の描画パターンを電子ビームによる3次元描画でサブミクロンオーダーの高精度でレジスト膜上に形成できる。
以上のようにして、構造性複屈折波長板として機能する微細周期構造の方向が異なる2つの領域11,12を同一面内に備えるとともに微細周期構造を両面10a,10bに備える光学素子10をインプリント法により簡単に製造できる。また、上型b及び下型cは領域11,12の境界部13,19と対応した直線状の境界同士が高精度に位置合わせされており、このように予め高精度にアライメントされた上型b及び下型cを用いて基材の両面10a,10bに同時に微細周期構造を形成するので、両面における2つの領域の境界部13,19の位置及び間隔の調整が不要な光学素子10を得ることができる。
〈第4の実施の形態〉
次に、第4の実施の形態として図1の光学素子10のインプリント法による別の製造方法について図9,図10を参照して説明する。
図9は、第4の実施の形態のインプリント法で被成形物となる基材の断面図である。図10は、第4の実施の形態によるインプリント法による製造方法の工程S11〜S16を説明するためのフローチャートである。
第4の実施の形態に係る光学素子10の製造方法は、図9に示すような基材dを用いて図5のインプリント装置により実行できる。基材dは、図9に示すように、ガラス板eの両面に、それぞれ形成された紫外線硬化性樹脂層fを有する。
図10を参照して図1の光学素子10を製造するインプリント法の工程S11〜S16について説明する。
まず、図7と同様の上型b及び下型cを用意し、図5のインプリント装置30の取付部39,38にそれぞれ取り付けてから、第3の実施の形態と同様にして上型bと下型cとの位置合わせをする(S11)。
次に、図9の基材dを上型bと下型cの間にセットする(S12)。そして、モータ36を回転させて上型bを鉛直方向下方矢印v方向に降下させ(S13)、基材dを上型bと下型cとの間で一定以上の圧力となるまでプレスし(S14)、この圧力状態で取付孔37に取り付けた紫外線照射装置の照射ノズル部から取付部38を介して下型cと上型bとの間の基材dに紫外線を所定時間照射する(S15)。
次に、上型bを鉛直方向上方矢印v’方向に上昇させ、基材dを下型cから取り去ることで剥離して離型することで(S16)、光学素子10を得ることができる。
以上のようにして、構造性複屈折波長板として機能する微細周期構造の方向が異なる2つの領域11,12を同一面内に備えるとともに微細周期構造を両面10a,10bに備える光学素子10をインプリント法により簡単に製造できるが、上述のように、プレス工程S14で基材dのガラス板eの両面に形成された紫外線硬化性樹脂層fに上型b及び下型cから微細周期構造が転写され、紫外線照射工程S15で両面の紫外線硬化性樹脂層fが硬化される。このように、図8と同様に予め高精度にアライメントされた上型b及び下型cを用いて基材の両面10a,10bに同時に微細周期構造を形成するので、両面10a,10bにおける2つの領域の境界部13,19の位置及び間隔の調整が不要な光学素子10を得ることができる。
〈第5の実施の形態〉
次に、第5の実施の形態として図3,図14の光学素子10’のインプリント法による更に別の製造方法について図11、図12、図13を参照して説明する。
図11は、第5の実施の形態のインプリント法で被成形物となる基材の断面図である。図12は、第5の実施の形態によるインプリント法による製造方法の工程S21〜S29を説明するためのフローチャートである。図13は、図12に示す工程中における被成形物の断面の状態を示す模式図である。
第5の実施の形態による光学素子10’の製造方法は、図11に示すような基材gを用いて図5のインプリント装置により実行できる。基材gは、図11に示すように、ガラス板eの一面に熱可塑性樹脂層i1を有し、他面に金属層hを有し、更に金属層hの上に熱可塑性樹脂層i2を有している。
光学素子10’は、一方の面10aに形成された熱可塑性樹脂層i1が、以下の方法で格子状の微細周期構造部15,16に形成されて、構造性複屈折波長板として機能し、他方の面10bに形成された金属層hが、以下の方法で格子状の微細周期構造部17,18に形成されて、偏光分離素子として機能するものである。
図12及び図13を参照して、光学素子10’を製造するインプリント法の工程S21〜S29について説明する。
まず、図7と同様の上型b及び下型cを用意し、図5のインプリント装置30の取付部39,38にそれぞれ取り付けてから、第2の実施の形態と同様にして上型bと下型cとの位置合わせをする(S21)。なお、上型bの凹凸部b1は、光学素子10’の一方の面10aの格子状の微細周期構造部15,16と対応した形状となっており、下型cの凹凸部c1は、光学素子10’の他方の面10bの格子状の微細周期構造部17,18と対応した形状となっている。
次に、図11に示す基材gを上型bと下型cの間にセットする(S22)。そして、上型bを所定温度まで昇温してから(S23)、モータ36を回転させて上型bを鉛直方向下方矢印v方向に降下させ(S24)、基材gを上型bと下型cとの間で一定以上の圧力となるまでプレスし(S25)、この圧力状態で一定時間上型bと下型cを保持する(S26)。
次に、上型bと下型cを冷却してから(S27)、上型bを鉛直方向上方矢印v’方向に上昇させ、基材gを下型cから取り去ることで剥離して離型する(S28)。このとき、基材gの断面形状は、図13(a)に示すような形状となっている。即ち、金属層hはそのままで、熱可塑性樹脂層i1と熱可塑性樹脂層i2は、それぞれ上型bと下型cの形状が転写された状態となる。
次に、離型した基材gの他方の面の熱可塑性樹脂層i2(下型cから微細周期構造が転写されたエッチング用マスクの役割を果たす)に対しエッチングを行うことで(S29)、熱可塑性樹脂層i2とガラス板eとの間の金属層hを例えば格子状に加工する。エッチング後の断面形状は、図13(b)に示すような形状となっている。即ち、金属層hのうち、露出している部分が溶出して無くなった状態となる。
次いで、残存している熱可塑性樹脂層i2を取り除くことで、図13(c)に示すように、熱可塑性樹脂層i2に転写された微細周期構造に対応した格子状の微細周期構造が金属層hに形成された状態となる。
上述のようにして得られた光学素子10’は、一方の面10aの熱可塑性樹脂層i1に形成された微細周期構造部が構造性複屈折波長板として機能し、他方の面10bの金属層hに形成された微細周期構造部が図3の第1の偏光分離素子及び第2の偏光分離素子として機能する。図示の各部の寸法は、例えば、一方の面10aの微細周期構造部の凹凸の周期ピッチpを300nm程度、各凸部の幅wを200nm程度、凹凸の深さHを1000nm程度とすることにより、−1/4波長板及び+1/4波長板として機能するようにし、他方の面10bの微細周期構造部を、例えば、アルミニウム等の金属材料で形成し、周期ピッチpを150nm程度、各凸部の幅wを100nm程度、凹凸の深さHを150nm程度とすることにより、偏光分離素子として機能するように構成することができる。なお、上記寸法例は一例であって、他の寸法であってもよいのは勿論である。
以上のようにして、微細周期構造の方向が異なる2つの領域11,12を同一面内に備えるとともに、この微細周期構造を両面に備える光学素子10’をインプリント法により簡単に製造することができるが、この場合、図11の基材gの一方の面10aの熱可塑性樹脂層i1に上型bから微細周期構造が転写され、他方の面10bの金属層hに格子状の微細周期構造が形成されることで、予め高精度にアライメントされた上型b及び下型cを用いて基材の両面に微細周期構造を形成できるので、両面10a,10bにおける2つの領域の境界部13,19の位置及び間隔の調整が不要な光学素子10’を得ることができる。
なお、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図4の光ピックアップ用光学系において図2の光学系を配置してもよく、図3の場合と同様の効果を得ることができる。
また、図11の基材gは、ガラス板eの一面に紫外線硬化性樹脂層を有し、他面に金属層hを有し、更に金属層hの上に紫外線硬化性樹脂層を有し、図10と同様に、基材gを上型bと下型cとの間で一定以上の圧力となるまでプレスした圧力状態で下型cと上型bとの間の基材gに紫外線を所定時間照射するようにしてもよく、これにより硬化した金属層h上の紫外線硬化性樹脂層をエッチング用マスクとしてエッチングを行い、金属層hを格子状にエッチング加工しても同様の光学素子10’を得ることができる。

Claims (9)

  1. 微細周期構造を有する光学素子であって、
    前記微細周期構造の方向が異なる2つの領域を同一面内に備えるとともに、前記微細周期構造を両面に備え、前記微細周期構造の一方の面が1/4波長板として機能し、前記微細周期構造の他方の面が偏光分離素子として機能し、一方の面における前記2つの領域の境界と他方の面における前記2つの領域の境界とが一致していることを特徴とする光学素子。
  2. 前記1/4波長板として機能する面に形成された2つの領域のうち一方の領域の微細周期構造が−1/4波長板として機能し、他方の領域の微細周期構造が+1/4波長板として機能することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光学素子。
  3. 微細周期構造を有し、前記微細周期構造の方向が異なる2つの領域を同一面内に備えるとともに前記微細周期構造を両面に備える光学素子を製造する方法であって、
    前記微細周期構造に対応する微細周期構造を有する一対の型を対向して配置し、前記一対の型の間に基材を配置してからプレスし、前記基材の両面に前記型の微細周期構造を転写することを特徴とする光学素子の製造方法。
  4. 前記2つの領域の境界に対応する境界位置が一致するように前記一対の型の相対位置を調整することを特徴とする請求の範囲第3項に記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記型を前記プレス前に加熱することを特徴とする請求の範囲第3項または第4項に記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記基材が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求の範囲第3項乃至第5項のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  7. 前記型は紫外線を透過するように構成され、
    前記型と前記基材との間に紫外線硬化性樹脂を配置し、前記型を前記基材に押し当てた状態で前記型を通して前記紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射することを特徴とする請求の範囲第3項乃至第5項のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  8. 前記基材の一方の面に金属層を有し、
    前記型の微細周期構造を前記金属層上に転写してから前記金属層をエッチング加工することを特徴とする請求の範囲第3項乃至第7項のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  9. 所定の波長の光束を出射する光源と、該光束を記録媒体の記録面上で光スポットに集光する対物レンズと、前記記録媒体の記録面からの反射光を受光する受光素子と、前記光源からの光束を前記対物レンズへ導くと共に前記記録媒体の記録面からの反射光を前記受光素子へ導くよう配置されたビームスプリッタと、請求の範囲第1項又は第2項に記載の光学素子と、を有し、
    前記光学素子は、前記ビームスプリッタと前記受光素子の間であって、前記受光素子側に前記偏光分離素子として機能する面を向けて配置されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
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