JPWO2007145368A1 - 塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、被塗物上に、第1着色塗料(A)を塗装して第1着色塗膜を形成せしめ、形成される第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(B)を塗装して第2着色塗膜を形成せしめ、形成される第2着色塗膜上に、クリヤー塗料(C)を塗装してクリヤー塗膜を形成せしめ、形成される第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化せしめることにより複層塗膜を形成せしめる方法における第1着色塗料(A)として使用するための塗料組成物であって、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、15mgKOH/g以下の酸価を有する水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、及びポリイソシアネート化合物(b)を5〜70質量部含んでなる塗料組成物を使用することを含んでなる塗料組成物を提供する。
Description
本発明は、被塗物上に第1着色塗料、水性第2着色塗料及びクリヤー塗料を順次塗装し、得られる3層の塗膜を同時に加熱硬化する3コート1ベーク方式による複層塗膜形成方法における第1着色塗料として使用するための塗料組成物に関する。
自動車車体における塗膜形成方法としては、被塗物に電着塗膜を形成した後、中塗り塗料の塗装→焼き付け硬化→ベースコート塗料の塗装→クリヤー塗料の塗装→焼き付け硬化の3コート2ベーク(3C2B)方式により複層塗膜を形成する方法が広く採用されているが、近年、省エネルギーなどの観点から、中塗り塗料の塗装後の焼き付け硬化工程を省略し、被塗物に電着塗膜を形成した後、中塗り塗料の塗装→ベースコート塗料の塗装→クリヤー塗料の塗装→焼き付け硬化とする3コート1ベーク(3C1B)方式により複層塗膜を形成する方法も試みられている(例えば、特開平10−216617号公報参照)。
しかしながら、上記3C1B方式では、中塗り塗膜とベースコート塗膜との混層が起こりやすいため、得られる塗膜の平滑性や鮮映性が低下するなどの欠点があり、課題とされている。
しかしながら、上記3C1B方式では、中塗り塗膜とベースコート塗膜との混層が起こりやすいため、得られる塗膜の平滑性や鮮映性が低下するなどの欠点があり、課題とされている。
本発明の目的は、3C1B方式において、平滑性及び鮮映性に優れた塗膜を形成することができる第1着色塗料として使用するための塗料組成物を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、今回、3C1B方式による複層塗膜の塗装工程において、第1着色塗料として、低酸価の水酸基含有樹脂とポリイソシアネート化合物を含有する塗料を用いると、平滑性及び鮮映性に優れた複層塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、下記の工程(1)〜(4):
(1) 被塗物上に、第1着色塗料(A)を塗装して第1着色塗膜を形成せしめ、
(2) 形成される第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(B)を塗装して第2着色塗膜を形成せしめ、
(3) 形成される第2着色塗膜上に、クリヤー塗料(C)を塗装してクリヤー塗膜を形成せしめ、
(4) 形成される第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化せしめること
により複層塗膜を形成せしめる方法における第1着色塗料(A)として使用するための塗料組成物であって、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、15mgKOH/g以下の酸価を有する水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、及びポリイソシアネート化合物(b)を5〜70質量部含んでなることを特徴とする塗料組成物を提供するものである。
本発明によれば、3C1B方式により、平滑性及び鮮映性に優れた複層塗膜を容易に形成せしめることができる。
以下、本発明の塗料組成物を用いる複層塗膜形成方法についてさらに詳細に説明する。
工程(1)
本工程では、被塗物上に、第1着色塗料(A)を塗装して第1着色塗膜が形成せしめられる。
被塗物
本発明に従い第1着色塗料(A)を適用し得る被塗物としては、特に限定されるものではなく、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バスなどの自動車車体の外板部;自動車部品;携帯電話、オーディオ機器などの家庭電気製品の外板部などを挙げることができ、なかでも、自動車車体の外板部及び自動車部品が好ましい。
また、上記被塗物の素材としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、合金化亜鉛(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Fe等)メッキ鋼などの金属材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂類や各種のFRPなどのプラスチック材料;ガラス、セメント、コンクリートなどの無機材料;木材;繊維材料(紙、布等)などを挙げることができ、なかでも、金属材料及びプラスチック材料が好適である。
上記被塗物は、上記金属材料やそれから成形された車体等の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理などの表面処理が施されたものであってもよい。さらに、該被塗物は、上記金属基材、車体などに、各種電着塗料などの下塗り塗膜が形成されたものであってもよく、なかでも、カチオン電着塗料によって下塗り塗膜が形成された車体が特に好適である。
第1着色塗料(A)
本発明では、第1着色塗料(A)として、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、15mgKOH/g以下の酸価を有する水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、及びポリイソシアネート化合物(b)を5〜70質量部含んでなる塗料組成物(以下、本発明の塗料組成物という)が使用される。
なお、本明細書において、塗料(組成物)中の樹脂固形分は、塗料(組成物)中の基体樹脂と架橋剤との合計量である。
水酸基含有樹脂(a)
本発明の塗料組成物において基体樹脂として用いられる水酸基含有樹脂(a)は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有し且つ一般に酸価が15mgKOH/g以下、好ましくは1〜12mgKOH/g、さらに好ましくは3〜10mgKOH/gの範囲内にある樹脂であり、具体的には、例えば、水酸基を含有し且つ場合によりさらにカルボキシル基を含有する、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂が挙げられる。なかでも、水酸基含有アクリル樹脂及び水酸基含有ポリエステル樹脂が好ましく、水酸基含有ポリエステル樹脂が特に好ましい。
上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、例えば、多塩基酸成分と多価アルコ−ル成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができ、具体的には、例えば、多塩基酸成分中のカルボキシル基と多価アルコール成分中の水酸基の当量比(COOH/OH)を1未満とし、カルボキシル基に比べ水酸基が多い状態でエステル化反応を行うことによって製造することができる。上記水酸基含有ポリエステル樹脂の酸価は、例えば、酸価を追跡しながら、上記エステル化反応を行い、目的の酸価に達した時点で該エステル化反応を終了することによって調整することができる。
上記多塩基酸成分は、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多塩基酸;これらの多塩基酸の無水物;これらの多塩基酸の低級アルキルエステル化物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記多価アルコ−ル成分は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコ−ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,2−ブチレングリコ−ル、2,3−ブチレングリコ−ル、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、3−エトキシプロパン−1,2−ジオール、3−フェノキシプロパン−1,2−ジオールなどのα−グリコ−ル;ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−フェノキシプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−フェニルプロパン−1,3−ジオール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−エチル−1,3−オクタンジオール、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ブタンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ジメチロ−ルシクロヘキサン、トリシクロデカンジメタノール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート(これはヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコールとのエステル化物である)、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)メタン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記多塩基酸成分と多価アルコール成分のエステル化又はエステル交換反応はそれ自体既知の方法により行なうことができ、例えば、上記多塩基酸成分と多価アルコール成分とを約180〜約250℃の温度で重縮合させることによって行うことができる。
また、上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、該ポリエステル樹脂の調製中又はエステル化反応後に、必要に応じて、脂肪酸、モノエポキシ化合物などで変性することができる。上記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸などが挙げられ、上記モノエポキシ化合物としては、例えば、「カージュラE10P」(商品名、ジャパンエポキシレジン社製、合成高分岐脂肪酸のグリシジルエステル)などが挙げられる。
前記水酸基含有ポリエステル樹脂は、得られる塗膜の平滑性などの観点から、一般に15mgKOH/g以下、特には1〜12mgKOH/g、さらに特に3〜10mgKOH/gの範囲内の酸価、及び一般に500〜5,000、特に700〜3,000、さらに特に1,000〜2,000の範囲内の数平均分子量を有することが好適である。また、前記水酸基含有ポリエステル樹脂は、塗膜の硬化性などの観点から、一般に50〜200mgKOH/g、特に70〜170mgKOH/g、さらに特に100〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好適である。
なお、本明細書における樹脂又は重合体の「数平均分子量」及び「重量平均分子量」は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(東ソー社製、「HLC8120GPC」)で測定した樹脂又は重合体の数平均分子量又は重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。この測定は、カラムとして「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも商品名、東ソー社製)の4本を用い、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件を使用して行うことができる。
前記水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有重合性不飽和モノマー及び場合によりさらに該モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーを包含する少なくとも1種の重合性不飽和モノマー成分を通常の条件で(共)重合せしめることによって製造することができ、得られる塗膜の平滑性などの観点から、一般に15mgKOH/g以下、特に1〜12mgKOH/g、さらに特に3〜10mgKOH/gの範囲内の酸価、及び一般に1,000〜50,000、特に1,500〜30,000、さらに特に2,000〜10,000の範囲内の数平均分子量を有することが好適である。また、該水酸基含有アクリル樹脂は、塗膜の硬化性などの観点から、一般に20〜200mgKOH/g、特に30〜150mgKOH/g、さらに特に50〜100mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好適である。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ少なくとも1個有する化合物であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;アリルアルコール;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの総称であり、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸の総称である。
また、上記水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製)、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ−トなどのアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレートなどのイソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー;アダマンチル(メタ)アクリレートなどのアダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなどのパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィンなどのフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基などの光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニル化合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物などの含窒素重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩やアンモニウム塩などのスルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェートなどのリン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収性基を有する重合性不飽和モノマー;4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの紫外線安定化性能を有する重合性不飽和モノマー;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)などのカルボニル基を有する重合性不飽和モノマー化合物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記水酸基含有アクリル樹脂の酸価は、例えば、重合性不飽和モノマー成分として、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを使用し、その配合量を調節することにより調整することができる。
前記水酸基含有ポリエステル樹脂又は水酸基含有アクリル樹脂は、該樹脂中の水酸基の一部にポリイソシアネート化合物をウレタン化反応により伸長させ高分子量化した、いわゆるウレタン変性ポリエステル樹脂又はウレタン変性アクリル樹脂と併用してもよい。
また、水酸基含有樹脂(a)は、得られる塗膜の平滑性などの観点から、数平均分子量が一般に100〜2,000、特に200〜1,700、より特に400〜1,200、さらに特に400〜700の範囲内にあるポリオール化合物(c)と併用することが好適である。
ポリオール化合物(c)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオールなどが挙げられ、なかでも、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールが好ましく、ポリエステルポリオールが特に好ましい。これらのポリオール化合物(c)はそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの少なくとも2個の活性水素原子を有する化合物の1種またはそれ以上に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレンオキサイドなどの環状エーテルモノマーの1種またはそれ以上を常法により付加重合することにより得られるものを用いることができ、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコール成分と多塩基酸成分とをエステル化反応させることにより得られるポリエステルポリオールや、多価アルコール成分を開始剤としてラクトン化合物を開環反応させることにより得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。上記多価アルコール成分及び多塩基酸成分としては、例えば、前記水酸基含有ポリエステル樹脂の説明において例示したものを使用することができ、これらの多価アルコール成分及び多塩基酸成分はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。また、上記ラクトン化合物としては、例えば、ε−カプロラクトン、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトンなどが挙げられる。
また、上記ポリエステルポリオールは、一般に5mgKOH/g未満、特に0.001〜3mgKOH/g、さらに特に0.01〜2mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが好適であり、なかでも、数平均分子量が400〜700の範囲内にあり且つ酸価が5mgKOH/g未満、特に0.001〜3mgKOH/g、さらに特に0.01〜2mgKOH/gの範囲内にあるものが特に好適である。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物、環状炭酸エステル(アルキレンカーボネート等)の開環重合物などが挙げられる。上記多価アルコールとしては、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられ、上記環状炭酸エステルとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネートなどが挙げられる。また、該ポリカーボネートポリオールは、分子内にカーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。
ポリオール化合物(c)は、第1着色塗料(A)中の樹脂固形分100質量部を基準として、通常1〜50質量部、好ましくは5〜40質量部、さらに好ましくは10〜30質量部の割合で使用することができる。
ポリイソシアネート化合物(b)
本発明の塗料組成物において架橋剤として使用されるポリイソシアネ−ト化合物(b)は、イソシアネート基を1分子中に少なくとも2個有する化合物であり、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、該ポリイソシアネートの誘導体などを挙げることができる。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネート;リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタンなどの脂肪族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
上記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタンなどの脂環族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−もしくは1,4−キシリレンジイソシアネートまたはその混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼンなどの芳香脂肪族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
上記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4’−もしくは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネートまたはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリインシアナトトルエンなどの芳香族トリイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネートなどを挙げることができる。
また、前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)、クルードTDIなどを挙げることができる。
上記ポリイソシアネート及びその誘導体は、それぞれ単独で用いてもよく又は2種以上併用してもよい。また、これらポリイソシアネート化合物のうち、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体をそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて好適に使用することができる。
ポリイソシアネート化合物(b)は、一般に3,000以下、特に120〜1,500の範囲内の数平均分子量を有していることが好ましい。
水酸基含有樹脂(a)に対するポリイソシアネート化合物(b)の使用割合は、特に制限されるものではないが、塗膜の硬化性や塗料安定性などの面から、ポリイソシアネート化合物(b)のイソシアネート基と水酸基含有樹脂(a)の水酸基の当量比(NCO/OH)が一般に0.5〜2.0、特に0.8〜1.5、さらに特に0.9〜1.2の範囲内であることが好ましい。
塗料組成物
本発明の塗料組成物は、該塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、好ましくは40〜80質量部、さらに好ましくは50〜70質量部の範囲内及びポリイソシアネート化合物(b)を5〜70質量部、好ましくは10〜50質量部、さらに好ましくは20〜40質量部の範囲内で含有することができる。
また、本発明の塗料組成物は、ポリオール化合物(c)を含有することが好ましく、ポリオール化合物(c)の含有量としては、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、一般に1〜50質量部、特に5〜40質量部、さらに特に10〜30質量部の範囲内であることが好適である。
本発明の塗料組成物としては、なかでも、該塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、酸価が3〜15mgKOH/gの範囲内にあり且つ数平均分子量が1,000〜10,000の範囲内にある水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、ポリイソシアネ−ト化合物(b)を5〜40質量部、数平均分子量が400〜700の範囲内にあるポリオール化合物(c)を1〜30質量部含有する塗料組成物であることが好ましく、得られる塗膜が平滑性に優れているという理由から、該数平均分子量が400〜700であるポリオール化合物(c)として、特に、ポリエステルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオール、就中ポリエステルポリオールであることが好適である。
本発明の塗料組成物は、水酸基含有樹脂(a)の他に、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂などの改質用樹脂を含むことができ、特に、仕上り性や耐チッピング性などの点から、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことが望ましい。
本発明の塗料組成物は、また、補助架橋剤として、ポリイソシアネート化合物(b)に加えて、メラミン樹脂などを併用することができる。使用しうるメラミン樹脂としては、例えば、メラミンとアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化メラミン樹脂が挙げられる。上記アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなどが挙げられる。上記メチロール化メラミン樹脂のメチロール基の一部又は全部をモノアルコールによってエーテル化したものも使用することができ、エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
該メラミン樹脂の具体例としては、例えば、サイメル303、サイメル323、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル380、サイメル385、サイメル212、サイメル251、サイメル254、マイコート7768(以上、いずれも商品名、日本サイテックインダストリーズ社製);レジミン735、レジミン740、レジミン741、レジミン745、レジミン746、レジミン747(以上、いずれも商品名、モンサント社製);スミマールM55、スミマールM30W、スミマールM50W(以上、いずれも商品名、住友化学社製);三井化学社製のユーバン20SBなどのユーバンシリーズなどを挙げることができる。
上記メラミン樹脂を補助架橋剤として使用する場合には、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸、或いはこれらの酸とアミンとの塩を触媒として使用することができる。
上記メラミン樹脂は、水酸基含有樹脂(a)とポリイソシアネート化合物(b)の固形分合計100質量部あたり、一般に30質量部以下、好ましくは1〜20質量部の範囲内で使用することができる。
また、本発明の塗料組成物は、得られる塗膜の鮮映性などの観点から、二酸化ケイ素(d)を含有することが好ましく、得られる塗膜が平滑性に優れるため、二酸化ケイ素(d)としては、なかでも、炭素量が1.0質量%以下、特に0.5質量%以下、さらに特に0.1質量%以下である二酸化ケイ素が特に好適である。
なお、本明細書において、二酸化ケイ素の炭素量は、二酸化ケイ素が含有する炭素の二酸化ケイ素(d)に対する質量割合であって、固体中炭素分析装置EMIA−110(商品名、堀場製作所社製)を用いて測定することができる。具体的には、二酸化ケイ素をるつぼに仕込み、1,000℃まで加熱し、発生した気体成分を赤外線吸収法によって分析し、検出された一酸化炭素及び二酸化炭素の量から全炭素量を求め、その量の仕込んだ二酸化ケイ素に対する質量分率を二酸化ケイ素の炭素量とする。
本発明の塗料組成物が、炭素量が少ない、すなわち疎水基が少なく、比較的親水性の高い二酸化ケイ素(d)を含有する場合に、鮮映性に優れた塗膜が得られる理由は明確ではないが、本発明の塗料組成物上に水性第2着色塗料(B)が塗り重ねられた際に、この比較的親水性が高い二酸化ケイ素(d)が両塗膜の界面付近に移行して、塗膜間の混層を抑制することが推察される。
二酸化ケイ素(d)の配合量としては、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、一般に0.1〜5質量部、特に0.5〜2質量部の範囲内であることが好適である。
本発明の塗料組成物は、得られる塗膜の平滑性などの観点から、硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、70℃で5分間加熱したときの塗膜のゲル分率(G70)が一般に0〜20質量%、特に0.01〜15質量%、さらに特に3〜10質量%の範囲内となり、且つ硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、90℃で10分間加熱したときの塗膜のゲル分率(G90)が一般に30〜100質量%、特に50〜100質量%、さらに特に70〜100質量%、より一層特に85〜100質量%の範囲内となるようなものであることが望ましい。
なお、上記ゲル分率(G70)及びゲル分率(G90)は、以下の方法により測定することができる:まず、ポリプロピレン板上に本発明の塗料組成物を硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、70℃又は90℃で10分間加熱する。次に、該ポリプロピレン板上の塗膜を回収し、質量(Wa)を測定する。その後、該塗膜を200メッシュのステンレススチール製の網状容器に入れ、64℃に加温したアセトン中で5時間還流しながら抽出し、110℃で60分間乾燥した後の塗膜質量(Wb)を測定し、以下の式に従って算出される不溶塗膜残存率(質量%)をゲル分率とする。
ゲル分率(質量%)=(Wb/Wa)×100
本発明の塗料組成物のゲル分率(G70)及びゲル分率(G90)の調整は、例えば、塗料組成物中の硬化触媒の配合量を調節することにより行なうことができる。
本発明の塗料組成物は、通常塗料の分野で用いられる着色顔料及び/又は体質顔料を含有することができ、これらの顔料はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、合成黄色酸化鉄、透明べんがら(黄)、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、モノアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、べんがら、モノアゾレッド、キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレットなどが挙げられ、なかでも、二酸化チタン、カーボンブラックを好適に使用することができる。
本発明の塗料組成物が上記着色顔料を含有する場合の該着色顔料の配合量は、水酸基含有樹脂(a)及びポリイソシアネート化合物(b)の合計固形分100質量部を基準として、通常1〜120質量部、好ましくは3〜100質量部、さらに好ましくは5〜90質量部の範囲内とすることができる。
また、上記体質顔料としては、例えば、バリタ粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、マイカ粉などが挙げられ、なかでも硫酸バリウム及び/又はタルクを使用することが好ましい。
上記体質顔料として、平均一次粒子径が1μm以下、特に0.01〜0.8μmの範囲内にある硫酸バリウムを使用することにより、平滑性に優れた外観を有する複層塗膜を形成せしめることができる。
なお、硫酸バリウムの平均一次粒子径は、硫酸バリウムを走査型電子顕微鏡で観察し、電子顕微鏡写真上に無作為に引いた直線上にある硫酸バリウム20個の最大径を平均した値である。
本発明の塗料組成物が上記体質顔料を含有する場合の該体質顔料の配合量は、水酸基含有樹脂(a)及びポリイソシアネート化合物(b)の合計固形分100質量部を基準として、通常1〜120質量部、好ましくは11〜100質量部、さらに好ましくは16〜90質量部の範囲内とすることができ、また、上記平均一次粒子径が1μm以下の硫酸バリウムの配合量は、水酸基含有樹脂(a)及びポリイソシアネート化合物(b)の合計固形分100質量部を基準として、通常1〜100質量部、好ましくは11〜90質量部、さらに好ましくは16〜80質量部の範囲内とすることができる。
本発明の塗料組成物には、さらに必要に応じて、光輝性顔料、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、有機溶剤、表面調整剤、沈降防止剤、粘性調整剤などの通常の塗料用添加剤をそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて含有することができる。
上記光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、ガラスフレーク、ホログラム顔料などが挙げられる。
また、上記硬化触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫脂肪酸塩、2−エチルヘキサン酸鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、脂肪酸亜鉛類、ナフテン酸コバルト、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸銅、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネートなどの有機金属化合物;第三級アミン;りん酸化合物等が挙げられ、なかでも、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレートを好適に使用することができる。
本発明の塗料組成物が上記硬化触媒を含有する場合の該硬化触媒の配合量は、水酸基含有樹脂(a)及びポリイソシアネート化合物(b)の合計固形分100質量部を基準として、一般に0.001〜2質量部、好ましくは0.005〜0.5質量部、さらに好ましくは0.01〜0.1質量部の範囲内とすることができる。
本発明の塗料組成物は、一液型塗料の形態であってもよく、また、多液型塗料の形態であってもよいが、貯蔵安定性などの観点から、水酸基含有樹脂(a)を含有する主剤と、ポリイソシアネート化合物(b)を含有する硬化剤成分とからなる二液型塗料であることが好ましい。また、一般に、上記主剤が、さらに、顔料、硬化触媒及び溶媒を含有し、上記硬化剤成分が、さらに、溶媒を含有することが望ましい。
また、本発明の塗料組成物は、有機溶剤型塗料及び水性塗料のいずれの形態であってもよいが、貯蔵安定性などの観点から、有機溶剤型塗料であることが好適である。なお、本明細書において、水性塗料とは溶媒の主成分が水である塗料であり、有機溶剤型塗料とは溶媒として実質的に水を含有しない塗料である。
以上に述べた本発明の塗料組成物は、第1着色塗料(A)として、前記被塗物上に、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機などにより塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。塗装膜厚は、硬化膜厚で、通常10〜100μm、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは15〜35μmの範囲内とすることができる。
本発明の塗料組成物は、必要に応じて各種電着塗料の下塗り塗膜を形成せしめた金属部材と、パンパー等のプラスチック部材とが一体化された被塗物上に塗装することもでき、それにより、金属部材とプラスチック部材の塗色が一致し、且つ両部材上に平滑性に優れた複層塗膜が形成せしめることができるという利点が得られる。
工程(2)
本発明に従えば、上記工程(1)により形成される第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(B)が塗装される。
水性第2着色塗料(B)の塗装は、タレの抑制や得られる塗膜の平滑性などの観点から、第1着色塗膜の固形分含有率が、一般に70〜100質量%、特に80〜100質量%、さらに特に90〜100質量%の範囲内にある間に行なうことが好適であり、また、得られる塗膜の平滑性の観点から、第1着色塗膜のゲル分率が、一般に0〜70質量%、特に0.01〜30質量%、さらに特に1〜20質量%、より一層特に3〜10質量%の範囲内にある間に行なうことが好適である。第1着色塗膜の固形分含有率及びゲル分率は、水性第2着色塗料(B)を塗装する前に、例えば、予備加熱(プレヒート)、エアブローなどを行なうことにより調整することができる。上記予備加熱は、通常、第1着色塗料(A)が塗装された被塗物を乾燥炉内で約50〜約110℃、好ましくは約60〜約80℃の温度で約30秒〜約30分間、好ましくは約1〜約15分間、さらに好ましくは約2〜約10分間、特に好ましくは約3〜約5分間、直接的又は間接的に加熱することにより行うことができ、また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に常温又は約25℃〜約80℃の温度に加熱された空気を吹き付けることにより行うことができる。
なお、第1着色塗膜の固形分含有率は、以下の方法により測定することができる:まず、被塗物に本発明の塗料組成物を塗装すると同時に、予め質量(W1)を測定しておいたアルミホイル上にも本発明の塗料組成物を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、被塗物に水性第2着色塗料(B)が塗装される直前に該アルミホイルを回収し、その質量(W2)を測定する。次に、回収したアルミホイルを110℃で60分間乾燥し、デシケーター内で室温まで放冷した後、該アルミホイルの質量(W3)を測定し、以下の式に従って固形分含有率を求める。
固形分含有率(質量%)={(W3−W1)/(W2−W1)}×100
また、第1着色塗膜のゲル分率は、以下の方法により測定することができる:まず、被塗物に本発明の塗料組成物を塗装すると同時に、ポリプロピレン板上にも本発明の塗料組成物を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、被塗物に水性第2着色塗料(B)が塗装される直前に該ポリプロピレン板を回収し、次に、該ポリプロピレン板上の第1着色塗膜を回収し、質量(Wa)を測定する。その後、該塗膜を200メッシュのステンレススチール製の網状容器に入れ、64℃に加温したアセトン中で5時間還流しながら抽出し、110℃で60分間乾燥した後の塗膜質量(Wb)を測定し、以下の式に従って得られる不溶塗膜残存率(質量%)をゲル分率とする。
ゲル分率(質量%)=(Wb/Wa)×100
上記水性第2着色塗料(B)としては、例えば、自動車車体の塗装において通常使用されるそれ自体既知のものを使用することができる。具体的には、例えば、カルボキシル基、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂と、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤を、顔料、その他の添加剤と共に水に溶解ないし分散させて塗料化したものを使用することができる。なかでも、水酸基含有樹脂とメラミン樹脂を含んでなる熱硬化型水性塗料が好適である。
顔料としては、本発明の塗料組成物の説明において例示した着色顔料、体質顔料の他、光輝性顔料などを使用することが可能であり、顔料成分の少なくとも一部として光輝性顔料を用いることによって、メタリック調又はパール調の塗膜を形成せしめることができる。
上記光輝性顔料としては、例えば、ノンリーフィング型もしくはリーフィング型アルミニウム(蒸着アルミニウムも含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母などを挙げることができる。なかでも、アルミニウム、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母を用いることが好ましく、アルミニウムを用いることが特に好ましい。上記光輝性顔料はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記光輝性顔料はりん片状であることが好ましく、長手方向寸法が1〜100μm、特に5〜40μm、厚さが0.0001〜5μm、特に0.001〜2μmの範囲内にあるものが適している。
また、水性第2着色塗料(B)が上記光輝性顔料を含有する場合、該光輝性顔料の配合量は、水性第2着色塗料(B)中の樹脂固形分100質量部を基準として、一般に1〜40質量部、特に3〜30質量部、さらに特に5〜20質量部の範囲内にあることが好適である。
また、水性第2着色塗料(B)は、さらに、疎水性溶媒を含有することが好ましい。該疎水性溶媒は、20℃において、100gの水に溶解する質量が10g以下、好ましくは5g以下、さらに好ましくは1g以下の有機溶媒であって、例えば、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、トルオール、キシロール、ソルベントナフサなどの炭化水素系溶媒;n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなどのアルコール系溶媒;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、酢酸メチルアミル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエステル系溶媒;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルn−アミルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶媒を挙げることができ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記疎水性溶媒としては、得られる複層塗膜の平滑性及び鮮映性の観点から、アルコール系溶媒を用いることが好ましい。なかでも、炭素数7〜14のアルコール系溶媒、例えば、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテルが特に好適である。
水性第2着色塗料(B)が、上記疎水性溶媒を含有する場合、該疎水性溶媒の配合量は、水性第2着色塗料(B)中の樹脂固形分100質量部を基準として、一般に2〜70質量部、好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは10〜40質量部の範囲内とすることができる。
水性第2着色塗料(B)は、さらに必要に応じて、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、有機溶剤、表面調整剤、沈降防止剤などの通常の塗料用添加剤をそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて含有することができる。
水性第2着色塗料(B)の塗装は、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機などにより塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。塗装膜厚は、硬化膜厚で通常5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範囲内とすることができる。
工程(3)
上記の如くして形成される水性第2着色塗料(B)の塗膜上には、さらに、クリヤー塗料(C)が塗装される。
クリヤー塗料(C)の塗装は、タレの抑制や得られる塗膜の平滑性などの観点から、第2着色塗膜の固形分含有率が、一般に70〜100質量%、特に80〜100質量%、さらに特に90〜100質量%の範囲内にある間に行なうことが好適であり、また、得られる塗膜の平滑性の観点から、第2着色塗膜のゲル分率が、一般に0〜70質量%、特に0.01〜30質量%、さらにとくに1〜15質量%の範囲内にある間に行なうことが好適である。第2着色塗膜の固形分含有率及びゲル分率は、クリヤー塗料(C)を塗装する前に、例えば、予備加熱(プレヒート)、エアブローなどを行なうことにより調整することができる。上記予備加熱は、通常、水性第1着色塗料(A)及び水性第2着色塗料(B)が塗装された被塗物を乾燥炉内で約50〜約110℃、好ましくは約60〜約90℃の温度で約30秒〜約60分間、好ましくは約1〜約15分間、さらに好ましくは約2〜約10分間、特に好ましくは約3〜約5分間直接的又は間接的に加熱することにより行うことができ、また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に常温又は約25℃〜約80℃の温度に加熱された空気を吹き付けることにより行うことができる。
なお、第2着色塗膜の固形分含有率は、以下の方法により測定することができる:まず、第1着色塗膜上に水性第2着色塗料(B)を塗装すると同時に、予め質量(W4)を測定しておいたアルミホイル上にも水性第2着色塗料(B)を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、第2着色塗膜上にクリヤー塗料(C)が塗装される直前に該アルミホイルを回収し、その質量(W5)を測定する。次に、回収したアルミホイルを110℃で60分間乾燥し、デシケーター内で室温まで放冷した後、該アルミホイルの質量(W6)を測定し、以下の式に従って固形分含有率を求める。
固形分含有率(質量%)={(W6−W4)/(W5−W4)}×100
また、第2着色塗膜のゲル分率は、以下の方法により測定することができる:まず、第1着色塗膜上に水性第2着色塗料(B)を塗装すると同時に、ポリプロピレン板上にも水性第2着色塗料(B)を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、第2着色塗膜上にクリヤー塗料(C)が塗装される直前に該ポリプロピレン板を回収し、次に、該ポリプロピレン板上の第2着色塗膜を回収し、質量(WC)を測定する。その後、該塗膜を200メッシュのステンレススチール製の網状容器に入れ、64℃に加温したアセトン中で5時間還流しながら抽出し、110℃で60分間乾燥した後の塗膜質量(Wd)を測定し、以下の式に従って得られる不溶塗膜残存率(質量%)をゲル分率とする。
ゲル分率(質量%)=(Wd/Wc)×100
クリヤー塗料(C)としては、例えば、自動車車体の塗装において通常使用されるそれ自体既知のものを使用することができる。具体的には、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シラノール基等の架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、カルボキシル基含有化合物もしくは樹脂、エポキシ基含有化合物もしくは樹脂等の架橋剤を含有する有機溶剤系熱硬化型塗料、水性熱硬化型塗料、熱硬化粉体塗料などを使用することができる。なかでも、水酸基含有アクリル樹脂及びメラミン樹脂を含んでなる熱硬化型塗料、水酸基含有アクリル樹脂及びブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物を含んでなる熱硬化型塗料又はカルボキシル基含有樹脂及びエポキシ基含有樹脂を含んでなる熱硬化型塗料が特に好ましい。
クリヤー塗料(C)は、一液型塗料及び二液型ウレタン樹脂塗料などの二液型塗料のいずれの形態のものであってもよい。
クリヤー塗料(C)には、必要に応じて、透明性を阻害しない程度に着色顔料、光輝性顔料、染料などを含有させることができ、さらに、体質顔料、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、表面調整剤などを適宜含有せしめることができる。
クリヤー塗料(C)は、工程(2)で形成された水性第2着色塗料(B)の塗膜面に、それ自体既知の方法、例えば、エアレススプレー、エアスプレー、回転霧化塗装機などにより塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。クリヤー塗料(C)は、硬化膜厚で10〜60μm、好ましくは25〜50μmの範囲内になるように塗装することができる。
工程(4)
以上に述べた如くして形成される第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜の3層の塗膜からなる複層塗膜は、通常の塗膜の焼付け手段により、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱などにより、約80〜約170℃、好ましくは約120〜約160℃の温度で約20〜約40分間程度加熱して同時に硬化させることができ、それによって、第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜の3層の硬化塗膜からなる平滑性及び鮮映性に優れた複層塗膜を形成せしめることができる。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、今回、3C1B方式による複層塗膜の塗装工程において、第1着色塗料として、低酸価の水酸基含有樹脂とポリイソシアネート化合物を含有する塗料を用いると、平滑性及び鮮映性に優れた複層塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、下記の工程(1)〜(4):
(1) 被塗物上に、第1着色塗料(A)を塗装して第1着色塗膜を形成せしめ、
(2) 形成される第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(B)を塗装して第2着色塗膜を形成せしめ、
(3) 形成される第2着色塗膜上に、クリヤー塗料(C)を塗装してクリヤー塗膜を形成せしめ、
(4) 形成される第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化せしめること
により複層塗膜を形成せしめる方法における第1着色塗料(A)として使用するための塗料組成物であって、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、15mgKOH/g以下の酸価を有する水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、及びポリイソシアネート化合物(b)を5〜70質量部含んでなることを特徴とする塗料組成物を提供するものである。
本発明によれば、3C1B方式により、平滑性及び鮮映性に優れた複層塗膜を容易に形成せしめることができる。
以下、本発明の塗料組成物を用いる複層塗膜形成方法についてさらに詳細に説明する。
工程(1)
本工程では、被塗物上に、第1着色塗料(A)を塗装して第1着色塗膜が形成せしめられる。
被塗物
本発明に従い第1着色塗料(A)を適用し得る被塗物としては、特に限定されるものではなく、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バスなどの自動車車体の外板部;自動車部品;携帯電話、オーディオ機器などの家庭電気製品の外板部などを挙げることができ、なかでも、自動車車体の外板部及び自動車部品が好ましい。
また、上記被塗物の素材としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、合金化亜鉛(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Fe等)メッキ鋼などの金属材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂類や各種のFRPなどのプラスチック材料;ガラス、セメント、コンクリートなどの無機材料;木材;繊維材料(紙、布等)などを挙げることができ、なかでも、金属材料及びプラスチック材料が好適である。
上記被塗物は、上記金属材料やそれから成形された車体等の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理などの表面処理が施されたものであってもよい。さらに、該被塗物は、上記金属基材、車体などに、各種電着塗料などの下塗り塗膜が形成されたものであってもよく、なかでも、カチオン電着塗料によって下塗り塗膜が形成された車体が特に好適である。
第1着色塗料(A)
本発明では、第1着色塗料(A)として、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、15mgKOH/g以下の酸価を有する水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、及びポリイソシアネート化合物(b)を5〜70質量部含んでなる塗料組成物(以下、本発明の塗料組成物という)が使用される。
なお、本明細書において、塗料(組成物)中の樹脂固形分は、塗料(組成物)中の基体樹脂と架橋剤との合計量である。
水酸基含有樹脂(a)
本発明の塗料組成物において基体樹脂として用いられる水酸基含有樹脂(a)は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有し且つ一般に酸価が15mgKOH/g以下、好ましくは1〜12mgKOH/g、さらに好ましくは3〜10mgKOH/gの範囲内にある樹脂であり、具体的には、例えば、水酸基を含有し且つ場合によりさらにカルボキシル基を含有する、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂が挙げられる。なかでも、水酸基含有アクリル樹脂及び水酸基含有ポリエステル樹脂が好ましく、水酸基含有ポリエステル樹脂が特に好ましい。
上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、例えば、多塩基酸成分と多価アルコ−ル成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができ、具体的には、例えば、多塩基酸成分中のカルボキシル基と多価アルコール成分中の水酸基の当量比(COOH/OH)を1未満とし、カルボキシル基に比べ水酸基が多い状態でエステル化反応を行うことによって製造することができる。上記水酸基含有ポリエステル樹脂の酸価は、例えば、酸価を追跡しながら、上記エステル化反応を行い、目的の酸価に達した時点で該エステル化反応を終了することによって調整することができる。
上記多塩基酸成分は、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多塩基酸;これらの多塩基酸の無水物;これらの多塩基酸の低級アルキルエステル化物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記多価アルコ−ル成分は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコ−ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,2−ブチレングリコ−ル、2,3−ブチレングリコ−ル、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、3−エトキシプロパン−1,2−ジオール、3−フェノキシプロパン−1,2−ジオールなどのα−グリコ−ル;ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−フェノキシプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−フェニルプロパン−1,3−ジオール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−エチル−1,3−オクタンジオール、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ブタンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ジメチロ−ルシクロヘキサン、トリシクロデカンジメタノール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート(これはヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコールとのエステル化物である)、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)メタン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記多塩基酸成分と多価アルコール成分のエステル化又はエステル交換反応はそれ自体既知の方法により行なうことができ、例えば、上記多塩基酸成分と多価アルコール成分とを約180〜約250℃の温度で重縮合させることによって行うことができる。
また、上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、該ポリエステル樹脂の調製中又はエステル化反応後に、必要に応じて、脂肪酸、モノエポキシ化合物などで変性することができる。上記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸などが挙げられ、上記モノエポキシ化合物としては、例えば、「カージュラE10P」(商品名、ジャパンエポキシレジン社製、合成高分岐脂肪酸のグリシジルエステル)などが挙げられる。
前記水酸基含有ポリエステル樹脂は、得られる塗膜の平滑性などの観点から、一般に15mgKOH/g以下、特には1〜12mgKOH/g、さらに特に3〜10mgKOH/gの範囲内の酸価、及び一般に500〜5,000、特に700〜3,000、さらに特に1,000〜2,000の範囲内の数平均分子量を有することが好適である。また、前記水酸基含有ポリエステル樹脂は、塗膜の硬化性などの観点から、一般に50〜200mgKOH/g、特に70〜170mgKOH/g、さらに特に100〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好適である。
なお、本明細書における樹脂又は重合体の「数平均分子量」及び「重量平均分子量」は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(東ソー社製、「HLC8120GPC」)で測定した樹脂又は重合体の数平均分子量又は重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。この測定は、カラムとして「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも商品名、東ソー社製)の4本を用い、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件を使用して行うことができる。
前記水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有重合性不飽和モノマー及び場合によりさらに該モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーを包含する少なくとも1種の重合性不飽和モノマー成分を通常の条件で(共)重合せしめることによって製造することができ、得られる塗膜の平滑性などの観点から、一般に15mgKOH/g以下、特に1〜12mgKOH/g、さらに特に3〜10mgKOH/gの範囲内の酸価、及び一般に1,000〜50,000、特に1,500〜30,000、さらに特に2,000〜10,000の範囲内の数平均分子量を有することが好適である。また、該水酸基含有アクリル樹脂は、塗膜の硬化性などの観点から、一般に20〜200mgKOH/g、特に30〜150mgKOH/g、さらに特に50〜100mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好適である。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ少なくとも1個有する化合物であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;アリルアルコール;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの総称であり、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸の総称である。
また、上記水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製)、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ−トなどのアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレートなどのイソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー;アダマンチル(メタ)アクリレートなどのアダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなどのパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィンなどのフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基などの光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニル化合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物などの含窒素重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩やアンモニウム塩などのスルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェートなどのリン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収性基を有する重合性不飽和モノマー;4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの紫外線安定化性能を有する重合性不飽和モノマー;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)などのカルボニル基を有する重合性不飽和モノマー化合物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記水酸基含有アクリル樹脂の酸価は、例えば、重合性不飽和モノマー成分として、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを使用し、その配合量を調節することにより調整することができる。
前記水酸基含有ポリエステル樹脂又は水酸基含有アクリル樹脂は、該樹脂中の水酸基の一部にポリイソシアネート化合物をウレタン化反応により伸長させ高分子量化した、いわゆるウレタン変性ポリエステル樹脂又はウレタン変性アクリル樹脂と併用してもよい。
また、水酸基含有樹脂(a)は、得られる塗膜の平滑性などの観点から、数平均分子量が一般に100〜2,000、特に200〜1,700、より特に400〜1,200、さらに特に400〜700の範囲内にあるポリオール化合物(c)と併用することが好適である。
ポリオール化合物(c)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオールなどが挙げられ、なかでも、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールが好ましく、ポリエステルポリオールが特に好ましい。これらのポリオール化合物(c)はそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの少なくとも2個の活性水素原子を有する化合物の1種またはそれ以上に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレンオキサイドなどの環状エーテルモノマーの1種またはそれ以上を常法により付加重合することにより得られるものを用いることができ、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコール成分と多塩基酸成分とをエステル化反応させることにより得られるポリエステルポリオールや、多価アルコール成分を開始剤としてラクトン化合物を開環反応させることにより得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。上記多価アルコール成分及び多塩基酸成分としては、例えば、前記水酸基含有ポリエステル樹脂の説明において例示したものを使用することができ、これらの多価アルコール成分及び多塩基酸成分はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。また、上記ラクトン化合物としては、例えば、ε−カプロラクトン、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトンなどが挙げられる。
また、上記ポリエステルポリオールは、一般に5mgKOH/g未満、特に0.001〜3mgKOH/g、さらに特に0.01〜2mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが好適であり、なかでも、数平均分子量が400〜700の範囲内にあり且つ酸価が5mgKOH/g未満、特に0.001〜3mgKOH/g、さらに特に0.01〜2mgKOH/gの範囲内にあるものが特に好適である。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物、環状炭酸エステル(アルキレンカーボネート等)の開環重合物などが挙げられる。上記多価アルコールとしては、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられ、上記環状炭酸エステルとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネートなどが挙げられる。また、該ポリカーボネートポリオールは、分子内にカーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。
ポリオール化合物(c)は、第1着色塗料(A)中の樹脂固形分100質量部を基準として、通常1〜50質量部、好ましくは5〜40質量部、さらに好ましくは10〜30質量部の割合で使用することができる。
ポリイソシアネート化合物(b)
本発明の塗料組成物において架橋剤として使用されるポリイソシアネ−ト化合物(b)は、イソシアネート基を1分子中に少なくとも2個有する化合物であり、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、該ポリイソシアネートの誘導体などを挙げることができる。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネート;リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタンなどの脂肪族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
上記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタンなどの脂環族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−もしくは1,4−キシリレンジイソシアネートまたはその混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼンなどの芳香脂肪族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
上記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4’−もしくは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネートまたはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリインシアナトトルエンなどの芳香族トリイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネートなどを挙げることができる。
また、前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)、クルードTDIなどを挙げることができる。
上記ポリイソシアネート及びその誘導体は、それぞれ単独で用いてもよく又は2種以上併用してもよい。また、これらポリイソシアネート化合物のうち、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体をそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて好適に使用することができる。
ポリイソシアネート化合物(b)は、一般に3,000以下、特に120〜1,500の範囲内の数平均分子量を有していることが好ましい。
水酸基含有樹脂(a)に対するポリイソシアネート化合物(b)の使用割合は、特に制限されるものではないが、塗膜の硬化性や塗料安定性などの面から、ポリイソシアネート化合物(b)のイソシアネート基と水酸基含有樹脂(a)の水酸基の当量比(NCO/OH)が一般に0.5〜2.0、特に0.8〜1.5、さらに特に0.9〜1.2の範囲内であることが好ましい。
塗料組成物
本発明の塗料組成物は、該塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、好ましくは40〜80質量部、さらに好ましくは50〜70質量部の範囲内及びポリイソシアネート化合物(b)を5〜70質量部、好ましくは10〜50質量部、さらに好ましくは20〜40質量部の範囲内で含有することができる。
また、本発明の塗料組成物は、ポリオール化合物(c)を含有することが好ましく、ポリオール化合物(c)の含有量としては、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、一般に1〜50質量部、特に5〜40質量部、さらに特に10〜30質量部の範囲内であることが好適である。
本発明の塗料組成物としては、なかでも、該塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、酸価が3〜15mgKOH/gの範囲内にあり且つ数平均分子量が1,000〜10,000の範囲内にある水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、ポリイソシアネ−ト化合物(b)を5〜40質量部、数平均分子量が400〜700の範囲内にあるポリオール化合物(c)を1〜30質量部含有する塗料組成物であることが好ましく、得られる塗膜が平滑性に優れているという理由から、該数平均分子量が400〜700であるポリオール化合物(c)として、特に、ポリエステルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオール、就中ポリエステルポリオールであることが好適である。
本発明の塗料組成物は、水酸基含有樹脂(a)の他に、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂などの改質用樹脂を含むことができ、特に、仕上り性や耐チッピング性などの点から、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことが望ましい。
本発明の塗料組成物は、また、補助架橋剤として、ポリイソシアネート化合物(b)に加えて、メラミン樹脂などを併用することができる。使用しうるメラミン樹脂としては、例えば、メラミンとアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化メラミン樹脂が挙げられる。上記アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなどが挙げられる。上記メチロール化メラミン樹脂のメチロール基の一部又は全部をモノアルコールによってエーテル化したものも使用することができ、エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
該メラミン樹脂の具体例としては、例えば、サイメル303、サイメル323、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル380、サイメル385、サイメル212、サイメル251、サイメル254、マイコート7768(以上、いずれも商品名、日本サイテックインダストリーズ社製);レジミン735、レジミン740、レジミン741、レジミン745、レジミン746、レジミン747(以上、いずれも商品名、モンサント社製);スミマールM55、スミマールM30W、スミマールM50W(以上、いずれも商品名、住友化学社製);三井化学社製のユーバン20SBなどのユーバンシリーズなどを挙げることができる。
上記メラミン樹脂を補助架橋剤として使用する場合には、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸、或いはこれらの酸とアミンとの塩を触媒として使用することができる。
上記メラミン樹脂は、水酸基含有樹脂(a)とポリイソシアネート化合物(b)の固形分合計100質量部あたり、一般に30質量部以下、好ましくは1〜20質量部の範囲内で使用することができる。
また、本発明の塗料組成物は、得られる塗膜の鮮映性などの観点から、二酸化ケイ素(d)を含有することが好ましく、得られる塗膜が平滑性に優れるため、二酸化ケイ素(d)としては、なかでも、炭素量が1.0質量%以下、特に0.5質量%以下、さらに特に0.1質量%以下である二酸化ケイ素が特に好適である。
なお、本明細書において、二酸化ケイ素の炭素量は、二酸化ケイ素が含有する炭素の二酸化ケイ素(d)に対する質量割合であって、固体中炭素分析装置EMIA−110(商品名、堀場製作所社製)を用いて測定することができる。具体的には、二酸化ケイ素をるつぼに仕込み、1,000℃まで加熱し、発生した気体成分を赤外線吸収法によって分析し、検出された一酸化炭素及び二酸化炭素の量から全炭素量を求め、その量の仕込んだ二酸化ケイ素に対する質量分率を二酸化ケイ素の炭素量とする。
本発明の塗料組成物が、炭素量が少ない、すなわち疎水基が少なく、比較的親水性の高い二酸化ケイ素(d)を含有する場合に、鮮映性に優れた塗膜が得られる理由は明確ではないが、本発明の塗料組成物上に水性第2着色塗料(B)が塗り重ねられた際に、この比較的親水性が高い二酸化ケイ素(d)が両塗膜の界面付近に移行して、塗膜間の混層を抑制することが推察される。
二酸化ケイ素(d)の配合量としては、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、一般に0.1〜5質量部、特に0.5〜2質量部の範囲内であることが好適である。
本発明の塗料組成物は、得られる塗膜の平滑性などの観点から、硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、70℃で5分間加熱したときの塗膜のゲル分率(G70)が一般に0〜20質量%、特に0.01〜15質量%、さらに特に3〜10質量%の範囲内となり、且つ硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、90℃で10分間加熱したときの塗膜のゲル分率(G90)が一般に30〜100質量%、特に50〜100質量%、さらに特に70〜100質量%、より一層特に85〜100質量%の範囲内となるようなものであることが望ましい。
なお、上記ゲル分率(G70)及びゲル分率(G90)は、以下の方法により測定することができる:まず、ポリプロピレン板上に本発明の塗料組成物を硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、70℃又は90℃で10分間加熱する。次に、該ポリプロピレン板上の塗膜を回収し、質量(Wa)を測定する。その後、該塗膜を200メッシュのステンレススチール製の網状容器に入れ、64℃に加温したアセトン中で5時間還流しながら抽出し、110℃で60分間乾燥した後の塗膜質量(Wb)を測定し、以下の式に従って算出される不溶塗膜残存率(質量%)をゲル分率とする。
ゲル分率(質量%)=(Wb/Wa)×100
本発明の塗料組成物のゲル分率(G70)及びゲル分率(G90)の調整は、例えば、塗料組成物中の硬化触媒の配合量を調節することにより行なうことができる。
本発明の塗料組成物は、通常塗料の分野で用いられる着色顔料及び/又は体質顔料を含有することができ、これらの顔料はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、合成黄色酸化鉄、透明べんがら(黄)、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、モノアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、べんがら、モノアゾレッド、キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレットなどが挙げられ、なかでも、二酸化チタン、カーボンブラックを好適に使用することができる。
本発明の塗料組成物が上記着色顔料を含有する場合の該着色顔料の配合量は、水酸基含有樹脂(a)及びポリイソシアネート化合物(b)の合計固形分100質量部を基準として、通常1〜120質量部、好ましくは3〜100質量部、さらに好ましくは5〜90質量部の範囲内とすることができる。
また、上記体質顔料としては、例えば、バリタ粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、マイカ粉などが挙げられ、なかでも硫酸バリウム及び/又はタルクを使用することが好ましい。
上記体質顔料として、平均一次粒子径が1μm以下、特に0.01〜0.8μmの範囲内にある硫酸バリウムを使用することにより、平滑性に優れた外観を有する複層塗膜を形成せしめることができる。
なお、硫酸バリウムの平均一次粒子径は、硫酸バリウムを走査型電子顕微鏡で観察し、電子顕微鏡写真上に無作為に引いた直線上にある硫酸バリウム20個の最大径を平均した値である。
本発明の塗料組成物が上記体質顔料を含有する場合の該体質顔料の配合量は、水酸基含有樹脂(a)及びポリイソシアネート化合物(b)の合計固形分100質量部を基準として、通常1〜120質量部、好ましくは11〜100質量部、さらに好ましくは16〜90質量部の範囲内とすることができ、また、上記平均一次粒子径が1μm以下の硫酸バリウムの配合量は、水酸基含有樹脂(a)及びポリイソシアネート化合物(b)の合計固形分100質量部を基準として、通常1〜100質量部、好ましくは11〜90質量部、さらに好ましくは16〜80質量部の範囲内とすることができる。
本発明の塗料組成物には、さらに必要に応じて、光輝性顔料、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、有機溶剤、表面調整剤、沈降防止剤、粘性調整剤などの通常の塗料用添加剤をそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて含有することができる。
上記光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、ガラスフレーク、ホログラム顔料などが挙げられる。
また、上記硬化触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫脂肪酸塩、2−エチルヘキサン酸鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、脂肪酸亜鉛類、ナフテン酸コバルト、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸銅、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネートなどの有機金属化合物;第三級アミン;りん酸化合物等が挙げられ、なかでも、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレートを好適に使用することができる。
本発明の塗料組成物が上記硬化触媒を含有する場合の該硬化触媒の配合量は、水酸基含有樹脂(a)及びポリイソシアネート化合物(b)の合計固形分100質量部を基準として、一般に0.001〜2質量部、好ましくは0.005〜0.5質量部、さらに好ましくは0.01〜0.1質量部の範囲内とすることができる。
本発明の塗料組成物は、一液型塗料の形態であってもよく、また、多液型塗料の形態であってもよいが、貯蔵安定性などの観点から、水酸基含有樹脂(a)を含有する主剤と、ポリイソシアネート化合物(b)を含有する硬化剤成分とからなる二液型塗料であることが好ましい。また、一般に、上記主剤が、さらに、顔料、硬化触媒及び溶媒を含有し、上記硬化剤成分が、さらに、溶媒を含有することが望ましい。
また、本発明の塗料組成物は、有機溶剤型塗料及び水性塗料のいずれの形態であってもよいが、貯蔵安定性などの観点から、有機溶剤型塗料であることが好適である。なお、本明細書において、水性塗料とは溶媒の主成分が水である塗料であり、有機溶剤型塗料とは溶媒として実質的に水を含有しない塗料である。
以上に述べた本発明の塗料組成物は、第1着色塗料(A)として、前記被塗物上に、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機などにより塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。塗装膜厚は、硬化膜厚で、通常10〜100μm、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは15〜35μmの範囲内とすることができる。
本発明の塗料組成物は、必要に応じて各種電着塗料の下塗り塗膜を形成せしめた金属部材と、パンパー等のプラスチック部材とが一体化された被塗物上に塗装することもでき、それにより、金属部材とプラスチック部材の塗色が一致し、且つ両部材上に平滑性に優れた複層塗膜が形成せしめることができるという利点が得られる。
工程(2)
本発明に従えば、上記工程(1)により形成される第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(B)が塗装される。
水性第2着色塗料(B)の塗装は、タレの抑制や得られる塗膜の平滑性などの観点から、第1着色塗膜の固形分含有率が、一般に70〜100質量%、特に80〜100質量%、さらに特に90〜100質量%の範囲内にある間に行なうことが好適であり、また、得られる塗膜の平滑性の観点から、第1着色塗膜のゲル分率が、一般に0〜70質量%、特に0.01〜30質量%、さらに特に1〜20質量%、より一層特に3〜10質量%の範囲内にある間に行なうことが好適である。第1着色塗膜の固形分含有率及びゲル分率は、水性第2着色塗料(B)を塗装する前に、例えば、予備加熱(プレヒート)、エアブローなどを行なうことにより調整することができる。上記予備加熱は、通常、第1着色塗料(A)が塗装された被塗物を乾燥炉内で約50〜約110℃、好ましくは約60〜約80℃の温度で約30秒〜約30分間、好ましくは約1〜約15分間、さらに好ましくは約2〜約10分間、特に好ましくは約3〜約5分間、直接的又は間接的に加熱することにより行うことができ、また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に常温又は約25℃〜約80℃の温度に加熱された空気を吹き付けることにより行うことができる。
なお、第1着色塗膜の固形分含有率は、以下の方法により測定することができる:まず、被塗物に本発明の塗料組成物を塗装すると同時に、予め質量(W1)を測定しておいたアルミホイル上にも本発明の塗料組成物を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、被塗物に水性第2着色塗料(B)が塗装される直前に該アルミホイルを回収し、その質量(W2)を測定する。次に、回収したアルミホイルを110℃で60分間乾燥し、デシケーター内で室温まで放冷した後、該アルミホイルの質量(W3)を測定し、以下の式に従って固形分含有率を求める。
固形分含有率(質量%)={(W3−W1)/(W2−W1)}×100
また、第1着色塗膜のゲル分率は、以下の方法により測定することができる:まず、被塗物に本発明の塗料組成物を塗装すると同時に、ポリプロピレン板上にも本発明の塗料組成物を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、被塗物に水性第2着色塗料(B)が塗装される直前に該ポリプロピレン板を回収し、次に、該ポリプロピレン板上の第1着色塗膜を回収し、質量(Wa)を測定する。その後、該塗膜を200メッシュのステンレススチール製の網状容器に入れ、64℃に加温したアセトン中で5時間還流しながら抽出し、110℃で60分間乾燥した後の塗膜質量(Wb)を測定し、以下の式に従って得られる不溶塗膜残存率(質量%)をゲル分率とする。
ゲル分率(質量%)=(Wb/Wa)×100
上記水性第2着色塗料(B)としては、例えば、自動車車体の塗装において通常使用されるそれ自体既知のものを使用することができる。具体的には、例えば、カルボキシル基、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂と、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤を、顔料、その他の添加剤と共に水に溶解ないし分散させて塗料化したものを使用することができる。なかでも、水酸基含有樹脂とメラミン樹脂を含んでなる熱硬化型水性塗料が好適である。
顔料としては、本発明の塗料組成物の説明において例示した着色顔料、体質顔料の他、光輝性顔料などを使用することが可能であり、顔料成分の少なくとも一部として光輝性顔料を用いることによって、メタリック調又はパール調の塗膜を形成せしめることができる。
上記光輝性顔料としては、例えば、ノンリーフィング型もしくはリーフィング型アルミニウム(蒸着アルミニウムも含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母などを挙げることができる。なかでも、アルミニウム、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母を用いることが好ましく、アルミニウムを用いることが特に好ましい。上記光輝性顔料はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記光輝性顔料はりん片状であることが好ましく、長手方向寸法が1〜100μm、特に5〜40μm、厚さが0.0001〜5μm、特に0.001〜2μmの範囲内にあるものが適している。
また、水性第2着色塗料(B)が上記光輝性顔料を含有する場合、該光輝性顔料の配合量は、水性第2着色塗料(B)中の樹脂固形分100質量部を基準として、一般に1〜40質量部、特に3〜30質量部、さらに特に5〜20質量部の範囲内にあることが好適である。
また、水性第2着色塗料(B)は、さらに、疎水性溶媒を含有することが好ましい。該疎水性溶媒は、20℃において、100gの水に溶解する質量が10g以下、好ましくは5g以下、さらに好ましくは1g以下の有機溶媒であって、例えば、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、トルオール、キシロール、ソルベントナフサなどの炭化水素系溶媒;n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなどのアルコール系溶媒;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、酢酸メチルアミル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエステル系溶媒;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルn−アミルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶媒を挙げることができ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記疎水性溶媒としては、得られる複層塗膜の平滑性及び鮮映性の観点から、アルコール系溶媒を用いることが好ましい。なかでも、炭素数7〜14のアルコール系溶媒、例えば、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテルが特に好適である。
水性第2着色塗料(B)が、上記疎水性溶媒を含有する場合、該疎水性溶媒の配合量は、水性第2着色塗料(B)中の樹脂固形分100質量部を基準として、一般に2〜70質量部、好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは10〜40質量部の範囲内とすることができる。
水性第2着色塗料(B)は、さらに必要に応じて、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、有機溶剤、表面調整剤、沈降防止剤などの通常の塗料用添加剤をそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて含有することができる。
水性第2着色塗料(B)の塗装は、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機などにより塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。塗装膜厚は、硬化膜厚で通常5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範囲内とすることができる。
工程(3)
上記の如くして形成される水性第2着色塗料(B)の塗膜上には、さらに、クリヤー塗料(C)が塗装される。
クリヤー塗料(C)の塗装は、タレの抑制や得られる塗膜の平滑性などの観点から、第2着色塗膜の固形分含有率が、一般に70〜100質量%、特に80〜100質量%、さらに特に90〜100質量%の範囲内にある間に行なうことが好適であり、また、得られる塗膜の平滑性の観点から、第2着色塗膜のゲル分率が、一般に0〜70質量%、特に0.01〜30質量%、さらにとくに1〜15質量%の範囲内にある間に行なうことが好適である。第2着色塗膜の固形分含有率及びゲル分率は、クリヤー塗料(C)を塗装する前に、例えば、予備加熱(プレヒート)、エアブローなどを行なうことにより調整することができる。上記予備加熱は、通常、水性第1着色塗料(A)及び水性第2着色塗料(B)が塗装された被塗物を乾燥炉内で約50〜約110℃、好ましくは約60〜約90℃の温度で約30秒〜約60分間、好ましくは約1〜約15分間、さらに好ましくは約2〜約10分間、特に好ましくは約3〜約5分間直接的又は間接的に加熱することにより行うことができ、また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に常温又は約25℃〜約80℃の温度に加熱された空気を吹き付けることにより行うことができる。
なお、第2着色塗膜の固形分含有率は、以下の方法により測定することができる:まず、第1着色塗膜上に水性第2着色塗料(B)を塗装すると同時に、予め質量(W4)を測定しておいたアルミホイル上にも水性第2着色塗料(B)を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、第2着色塗膜上にクリヤー塗料(C)が塗装される直前に該アルミホイルを回収し、その質量(W5)を測定する。次に、回収したアルミホイルを110℃で60分間乾燥し、デシケーター内で室温まで放冷した後、該アルミホイルの質量(W6)を測定し、以下の式に従って固形分含有率を求める。
固形分含有率(質量%)={(W6−W4)/(W5−W4)}×100
また、第2着色塗膜のゲル分率は、以下の方法により測定することができる:まず、第1着色塗膜上に水性第2着色塗料(B)を塗装すると同時に、ポリプロピレン板上にも水性第2着色塗料(B)を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、第2着色塗膜上にクリヤー塗料(C)が塗装される直前に該ポリプロピレン板を回収し、次に、該ポリプロピレン板上の第2着色塗膜を回収し、質量(WC)を測定する。その後、該塗膜を200メッシュのステンレススチール製の網状容器に入れ、64℃に加温したアセトン中で5時間還流しながら抽出し、110℃で60分間乾燥した後の塗膜質量(Wd)を測定し、以下の式に従って得られる不溶塗膜残存率(質量%)をゲル分率とする。
ゲル分率(質量%)=(Wd/Wc)×100
クリヤー塗料(C)としては、例えば、自動車車体の塗装において通常使用されるそれ自体既知のものを使用することができる。具体的には、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シラノール基等の架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、カルボキシル基含有化合物もしくは樹脂、エポキシ基含有化合物もしくは樹脂等の架橋剤を含有する有機溶剤系熱硬化型塗料、水性熱硬化型塗料、熱硬化粉体塗料などを使用することができる。なかでも、水酸基含有アクリル樹脂及びメラミン樹脂を含んでなる熱硬化型塗料、水酸基含有アクリル樹脂及びブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物を含んでなる熱硬化型塗料又はカルボキシル基含有樹脂及びエポキシ基含有樹脂を含んでなる熱硬化型塗料が特に好ましい。
クリヤー塗料(C)は、一液型塗料及び二液型ウレタン樹脂塗料などの二液型塗料のいずれの形態のものであってもよい。
クリヤー塗料(C)には、必要に応じて、透明性を阻害しない程度に着色顔料、光輝性顔料、染料などを含有させることができ、さらに、体質顔料、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、表面調整剤などを適宜含有せしめることができる。
クリヤー塗料(C)は、工程(2)で形成された水性第2着色塗料(B)の塗膜面に、それ自体既知の方法、例えば、エアレススプレー、エアスプレー、回転霧化塗装機などにより塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。クリヤー塗料(C)は、硬化膜厚で10〜60μm、好ましくは25〜50μmの範囲内になるように塗装することができる。
工程(4)
以上に述べた如くして形成される第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜の3層の塗膜からなる複層塗膜は、通常の塗膜の焼付け手段により、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱などにより、約80〜約170℃、好ましくは約120〜約160℃の温度で約20〜約40分間程度加熱して同時に硬化させることができ、それによって、第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜の3層の硬化塗膜からなる平滑性及び鮮映性に優れた複層塗膜を形成せしめることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示す。
水酸基含有樹脂(a)の製造
製造例1
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン153部、ネオペンチルグリコール352部、アジピン酸228部、イソフタル酸297部及びヘキサヒドロ無水フタル酸103部を仕込み、加熱して生成する縮合水を除去しながら、230℃で、酸価が5となるまで反応を行い、キシレン/スワゾール1000(商品名、コスモ石油社製、石油系芳香族炭化水素系溶剤)=50/50(質量比)の混合溶剤で固形分60%となるよう希釈し、水酸基価118及び数平均分子量1,900の水酸基含有樹脂溶液(a−1)を得た。
製造例2〜5
製造例1と同様にして、下記表1に示す配合割合のモノマーを下記表1に示す酸価となるまで反応させることにより、水酸基含有樹脂溶液(a−2)〜(a−5)を得た。得られた各水酸基含有樹脂の酸価、水酸基価及び数平均分子量を製造例1で得た水酸基含有樹脂溶液(a−1)と併せて、下記表1に示す。
製造例6
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン109部、1,6−ヘキサンジオール141部、ヘキサヒドロ無水フタル酸126部及びアジピン酸120部を仕込み、160℃〜230℃の間を3時間かけて昇温させた後、230℃で4時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合反応生成物にカルボキシル基を付加するために、さらに、無水トリメリット酸38.3部を加え、170℃で30分間反応させた後、2−エチル−1−ヘキサノール(20℃において100gの水に溶解する質量:0.1g)で希釈し、酸価46mgKOH/g、水酸基価150mgKOH/g、固形分濃度70%及び数平均分子量1,400のポリエステル樹脂溶液(PE1)を得た。
製造例7
希釈溶剤の2−エチル−1−ヘキサノールをエチレングリコールモノn−ブチルエーテル(20℃において100gの水に溶解する質量:無限)に変更する以外は、製造例6と同様にして、ポリエステル樹脂(PE2)を得た。
アクリルエマルションの製造
製造例8
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水130部及びアクアロンKH−10(注1)0.52部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温した。次いで、下記のモノマー乳化物(1)のうちの全量の1%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部を反応容器内に導入し、80℃で15分間保持した。その後、残りのモノマー乳化物(1)を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。その後、下記のモノマー乳化物(2)を1時間かけて滴下し、1時間熟成した後、5%ジメチルエタノールアミン水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、平均粒子径100nm(サブミクロン粒度分布測定装置「COULTER N4型」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いて、脱イオン水で希釈し20℃で測定した。)、酸価33mgKOH/g、水酸基価25mgKOH/g及び固形分濃度30%のアクリルエマルションを得た。
(注1)アクアロンKH−10: ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩エステルアンモニウム塩:第一工業製薬株式会社製、有効成分97%。
モノマー乳化物(1): 脱イオン水42部、アクアロンKH−10 0.72部、アリルメタクリレート2.1部、スチレン2.8部、メチルメタクリレート16.1部、エチルアクリレート28部及びn−ブチルアクリレート21部を混合攪拌して、モノマー乳化物(1)を得た。
モノマー乳化物(2): 脱イオン水18部、アクアロンKH−10 0.31部、過硫酸アンモニウム0.03部、メタクリル酸5.1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.1部、スチレン3部、メチルメタクリレート6部、エチルアクリレート1.8部及びn−ブチルアクリレート9部を混合攪拌して、モノマー乳化物(2)を得た。
光輝性顔料濃厚液の製造例
製造例9
攪拌混合容器にエチレングリコールモノn−ブチルエーテル35部を入れ、アルミニウム顔料ペースト「GX−180A」(商品名、旭化成メタルズ社製、金属含有量74%)19部、リン酸基含有樹脂溶液(注2)8部及び2−(ジメチルアミノ)エタノール0.2部を均一に混合して、光輝性顔料濃厚液を得た。
(注2)リン酸基含有樹脂溶液: 温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、メトキシプロパノール27.5部及びイソブタノール27.5部の混合溶剤を入れ、110℃に加熱し、スチレン25部、n−ブチルメタクリレート27.5部、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製、分岐高級アルキルアクリレート)20部、4−ヒドロキシブチルアクリレート7.5部、リン酸基含有重合性モノマー(注3)15部、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート12.5部、イソブタノール10部及びt−ブチルパーオキシオクタノエート4部からなる混合物121.5部を4時間かけて上記の混合溶剤に加え、さらに、t−ブチルパーオキシオクタノエート0.5部とイソプロパノール20部からなる混合物を1時間で滴下した。その後、1時間攪拌熟成して固形分濃度50%のリン酸基含有樹脂溶液を得た。本樹脂のリン酸基による酸価は83mgKOH/g、水酸基価は29mgKOH/g、重量平均分子量は10,000であった。
(注3)リン酸基含有重合性モノマー: 温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、モノブチルリン酸57.5部及びイソブタノール41部を入れ、90℃に昇温後、グリシジルメタクリレート42.5部を2時間かけて滴下した後、さらに1時間攪拌熟成した。その後、イソプロパノ−ル59部を加えて、固形分濃度50%のリン酸基含有重合性モノマー溶液を得た。リン酸基による酸価は285mgKOH/gであった。
第1着色塗料(A)の製造
実施例1〜24、比較例1〜3
上記製造例1〜5で得られた水酸基含有樹脂溶液(a−1)〜(a−5)のいずれか、下記ポリイソシアネート化合物(b−1)〜(b−3)のいずれか、下記ポリオール化合物(c−1)〜(c−6)のいずれか、下記二酸化ケイ素(d−1)〜(d−3)のいずれか、下記顔料(P−1)〜(P−3)のいずれか、サイメル325(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分80%)、TPA−B80X(商品名、旭化成ケミカル社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのメチルエチルケトオキシムブロック化物、固形分80%)及びジブチル錫ジアセテートを、下記表2に示す配合割合にてディスパーを用いて攪拌混合して塗料化を行い、第1着色塗料(A−1)〜(A−27)を得た。なお、表2に示す第1着色塗料の配合割合は各成分の固形分質量比である。また、顔料成分の配合にあたっては、第1着色塗料中の水酸基含有樹脂溶液42部(樹脂固形分25部)及び表2中に示す量の顔料にキシレン7部を加えて混合し、ペイントシェーカーで30分間分散して顔料分散ペーストとし、他成分との攪拌混合に供した。
第1着色塗料は、さらに、キシレン/スワゾール1000(商品名、コスモ石油社製、石油系芳香族炭化水素系溶剤)=50/50(質量比)の混合溶剤を添加することにより、フォードカップNo.4を用いて20℃で20秒の粘度になるように調整した。 なお、下記表2におけるポリイソシアネート化合物(b−1)〜(b−3)、ポリオール化合物(c−1)〜(c−6)、二酸化ケイ素(d−1)〜(d−3)、及び顔料(P−1)〜(P−3)はそれぞれ以下の通りである。
ポリイソシアネート(b−1): スミジュールN3300(商品名、住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、固形分100%、NCO含有率21.8%)。
ポリイソシアネート(b−2): ディスモジュールN3400(商品名、住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン体、固形分100%、NCO含有率21.8%)。
ポリイソシアネート(b−3): ディスモジュールZ4470(商品名、住化バイエルウレタン社製、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、固形分70%、NCO含有率11.7%)。
ポリオール化合物(c−1): クラレポリオールP−510(商品名、クラレ社製、ポリエステルポリオール、数平均分子量500)。
ポリオール化合物(c−2): クラレポリエーテルP−1011(商品名、クラレ社製、ポリエステルポリオール、数平均分子量1,000)。
ポリオール化合物(c−3): クラレポリエーテルF−2010(商品名、クラレ社製、ポリエステルポリオール、数平均分子量2,000)。
ポリオール化合物(c−4): アデカポリエーテルP−1000(商品名、旭電化工業社製、ポリエーテルポリオール、数平均分子量1,000)。
ポリオール化合物(c−5): UH−CARB 50(商品名、宇部興産社製、ポリカーボネートポリオール、数平均分子量500)。
ポリオール化合物(c−6): T−5650J(商品名、旭化成ケミカルズ社製、ポリカーボネートポリオール、数平均分子量800)。
二酸化ケイ素(d−1): AEROSIL 200(商品名、日本アエロジル社製、炭素量0質量%)。
二酸化ケイ素(d−2): AEROSIL R−972(商品名、日本アエロジル社製、炭素量0.8質量%)。
二酸化ケイ素(d−3): AEROSIL R−104(商品名、日本アエロジル社製、炭素量1.1質量%)。
顔料(P−1): JR−806(商品名、テイカ社製、ルチル型二酸化チタン)。
顔料(P−2): MICRO ACE S−3(商品名、日本タルク社製、タルク)。
顔料(P−3): カーボンMA−100(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック)。
また、得られた第1着色塗料(A−1)〜(A−27)について、ポリプロピレン板上に硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、70℃で5分間加熱した後の塗膜のゲル分率(G70)、及びポリプロピレン板上に硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、90℃で10分間加熱した後の塗膜のゲル分率(G90)の測定結果を合わせて表2に示す。
水性第2着色塗料(B)の製造
製造例10
製造例6で得たポリエステル樹脂溶液(PE1)57部、製造例8で得たアクリルエマルション100部、製造例9で得た光輝性顔料濃厚液62部及び「サイメル325」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分80%)37.5部を均一に混合し、さらに、脱イオン水及び2−(ジメチルアミノ)エタノールを加えて、pH8.0、固形分濃度23%の水性第2着色塗料(B−1)を得た。
製造例11
ポリエステル樹脂溶液(PE1)57部を、製造例7で得たポリエステル樹脂溶液(PE2)57部に変更する以外は、製造例10と同様にして、水性第2着色塗料(B−2)を得た。
塗膜形成方法
前記実施例1〜24及び比較例1〜3で得た第1着色塗料(A−1)〜(A−27)、及び上記製造例10及び11で得た水性第2着色塗料(B−1)及び(B−2)を用い、以下のようにしてそれぞれ試験塗板を作製し、評価試験を行なった。
(試験用被塗物の作製)
リン酸亜鉛化成処理を施した冷延鋼板に、エレクロンGT−10(商品名、関西ペイント社製、カチオン電着塗料)を硬化膜厚が20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させて試験用被塗物とした。
実施例25
温度23℃及び湿度75%の塗装環境において、上記試験用被塗物に、それぞれ、上記実施例1で得た第1着色塗料(A−1)を、回転霧化型塗装機を用いて、硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、70℃で5分間プレヒートを行なった。次いで、第1着色塗膜上に、製造例10で得た水性第2着色塗料(B−1)を、回転霧化型塗装機を用いて、乾燥膜厚15μmとなるように塗装し、80℃で10分間プレヒートを行なった。次いで、該第2着色塗膜上に、マジクロンKINO−1210(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂系溶剤型上塗りクリヤー塗料、以下「クリヤー塗料(C−1)」ということがある)を硬化膜厚が40μmとなるように塗装し、7分間放置した後、140℃で30分間加熱して、上記第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜を同時に硬化させ、試験塗板を作製した。
実施例26〜49、比較例4〜6
実施例25において、実施例1で得た第1着色塗料(A−1)を表3に示す第1着色塗料(A−2)〜(A−27)に変更し、製造例10で得た水性第2着色塗料(B−1)を水性第2着色塗料(B−1)又は製造例11で得た水性第2着色塗料(B−2)に変更する以外は、実施例25と同様にして試験塗板を作製した。
上記実施例25〜49及び比較例4〜6で得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を表3に示す。
(試験方法)
平滑性: Wave Scan(商品名、BYK Gardner社製)によって測定されるLong Wave(LW)値を用いて評価した。Long Wave(LW)値は、1.2〜12mm程度の波長の表面粗度の振幅の指標であり、測定値が小さいほど塗面の平滑性が高いことを示す。
鮮映性: 上記Wave Scanによって測定されるShort Wave(SW)値を用いて評価した。Short Wave(SW)値は、0.3〜1.2mm程度の波長の表面粗度の振幅の指標であり、測定値が小さいほど塗面の鮮映性が高いことを示す。
水酸基含有樹脂(a)の製造
製造例1
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン153部、ネオペンチルグリコール352部、アジピン酸228部、イソフタル酸297部及びヘキサヒドロ無水フタル酸103部を仕込み、加熱して生成する縮合水を除去しながら、230℃で、酸価が5となるまで反応を行い、キシレン/スワゾール1000(商品名、コスモ石油社製、石油系芳香族炭化水素系溶剤)=50/50(質量比)の混合溶剤で固形分60%となるよう希釈し、水酸基価118及び数平均分子量1,900の水酸基含有樹脂溶液(a−1)を得た。
製造例2〜5
製造例1と同様にして、下記表1に示す配合割合のモノマーを下記表1に示す酸価となるまで反応させることにより、水酸基含有樹脂溶液(a−2)〜(a−5)を得た。得られた各水酸基含有樹脂の酸価、水酸基価及び数平均分子量を製造例1で得た水酸基含有樹脂溶液(a−1)と併せて、下記表1に示す。
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン109部、1,6−ヘキサンジオール141部、ヘキサヒドロ無水フタル酸126部及びアジピン酸120部を仕込み、160℃〜230℃の間を3時間かけて昇温させた後、230℃で4時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合反応生成物にカルボキシル基を付加するために、さらに、無水トリメリット酸38.3部を加え、170℃で30分間反応させた後、2−エチル−1−ヘキサノール(20℃において100gの水に溶解する質量:0.1g)で希釈し、酸価46mgKOH/g、水酸基価150mgKOH/g、固形分濃度70%及び数平均分子量1,400のポリエステル樹脂溶液(PE1)を得た。
製造例7
希釈溶剤の2−エチル−1−ヘキサノールをエチレングリコールモノn−ブチルエーテル(20℃において100gの水に溶解する質量:無限)に変更する以外は、製造例6と同様にして、ポリエステル樹脂(PE2)を得た。
アクリルエマルションの製造
製造例8
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水130部及びアクアロンKH−10(注1)0.52部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温した。次いで、下記のモノマー乳化物(1)のうちの全量の1%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部を反応容器内に導入し、80℃で15分間保持した。その後、残りのモノマー乳化物(1)を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。その後、下記のモノマー乳化物(2)を1時間かけて滴下し、1時間熟成した後、5%ジメチルエタノールアミン水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、平均粒子径100nm(サブミクロン粒度分布測定装置「COULTER N4型」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いて、脱イオン水で希釈し20℃で測定した。)、酸価33mgKOH/g、水酸基価25mgKOH/g及び固形分濃度30%のアクリルエマルションを得た。
(注1)アクアロンKH−10: ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩エステルアンモニウム塩:第一工業製薬株式会社製、有効成分97%。
モノマー乳化物(1): 脱イオン水42部、アクアロンKH−10 0.72部、アリルメタクリレート2.1部、スチレン2.8部、メチルメタクリレート16.1部、エチルアクリレート28部及びn−ブチルアクリレート21部を混合攪拌して、モノマー乳化物(1)を得た。
モノマー乳化物(2): 脱イオン水18部、アクアロンKH−10 0.31部、過硫酸アンモニウム0.03部、メタクリル酸5.1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.1部、スチレン3部、メチルメタクリレート6部、エチルアクリレート1.8部及びn−ブチルアクリレート9部を混合攪拌して、モノマー乳化物(2)を得た。
光輝性顔料濃厚液の製造例
製造例9
攪拌混合容器にエチレングリコールモノn−ブチルエーテル35部を入れ、アルミニウム顔料ペースト「GX−180A」(商品名、旭化成メタルズ社製、金属含有量74%)19部、リン酸基含有樹脂溶液(注2)8部及び2−(ジメチルアミノ)エタノール0.2部を均一に混合して、光輝性顔料濃厚液を得た。
(注2)リン酸基含有樹脂溶液: 温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、メトキシプロパノール27.5部及びイソブタノール27.5部の混合溶剤を入れ、110℃に加熱し、スチレン25部、n−ブチルメタクリレート27.5部、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製、分岐高級アルキルアクリレート)20部、4−ヒドロキシブチルアクリレート7.5部、リン酸基含有重合性モノマー(注3)15部、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート12.5部、イソブタノール10部及びt−ブチルパーオキシオクタノエート4部からなる混合物121.5部を4時間かけて上記の混合溶剤に加え、さらに、t−ブチルパーオキシオクタノエート0.5部とイソプロパノール20部からなる混合物を1時間で滴下した。その後、1時間攪拌熟成して固形分濃度50%のリン酸基含有樹脂溶液を得た。本樹脂のリン酸基による酸価は83mgKOH/g、水酸基価は29mgKOH/g、重量平均分子量は10,000であった。
(注3)リン酸基含有重合性モノマー: 温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、モノブチルリン酸57.5部及びイソブタノール41部を入れ、90℃に昇温後、グリシジルメタクリレート42.5部を2時間かけて滴下した後、さらに1時間攪拌熟成した。その後、イソプロパノ−ル59部を加えて、固形分濃度50%のリン酸基含有重合性モノマー溶液を得た。リン酸基による酸価は285mgKOH/gであった。
第1着色塗料(A)の製造
実施例1〜24、比較例1〜3
上記製造例1〜5で得られた水酸基含有樹脂溶液(a−1)〜(a−5)のいずれか、下記ポリイソシアネート化合物(b−1)〜(b−3)のいずれか、下記ポリオール化合物(c−1)〜(c−6)のいずれか、下記二酸化ケイ素(d−1)〜(d−3)のいずれか、下記顔料(P−1)〜(P−3)のいずれか、サイメル325(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分80%)、TPA−B80X(商品名、旭化成ケミカル社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのメチルエチルケトオキシムブロック化物、固形分80%)及びジブチル錫ジアセテートを、下記表2に示す配合割合にてディスパーを用いて攪拌混合して塗料化を行い、第1着色塗料(A−1)〜(A−27)を得た。なお、表2に示す第1着色塗料の配合割合は各成分の固形分質量比である。また、顔料成分の配合にあたっては、第1着色塗料中の水酸基含有樹脂溶液42部(樹脂固形分25部)及び表2中に示す量の顔料にキシレン7部を加えて混合し、ペイントシェーカーで30分間分散して顔料分散ペーストとし、他成分との攪拌混合に供した。
第1着色塗料は、さらに、キシレン/スワゾール1000(商品名、コスモ石油社製、石油系芳香族炭化水素系溶剤)=50/50(質量比)の混合溶剤を添加することにより、フォードカップNo.4を用いて20℃で20秒の粘度になるように調整した。 なお、下記表2におけるポリイソシアネート化合物(b−1)〜(b−3)、ポリオール化合物(c−1)〜(c−6)、二酸化ケイ素(d−1)〜(d−3)、及び顔料(P−1)〜(P−3)はそれぞれ以下の通りである。
ポリイソシアネート(b−1): スミジュールN3300(商品名、住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、固形分100%、NCO含有率21.8%)。
ポリイソシアネート(b−2): ディスモジュールN3400(商品名、住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン体、固形分100%、NCO含有率21.8%)。
ポリイソシアネート(b−3): ディスモジュールZ4470(商品名、住化バイエルウレタン社製、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、固形分70%、NCO含有率11.7%)。
ポリオール化合物(c−1): クラレポリオールP−510(商品名、クラレ社製、ポリエステルポリオール、数平均分子量500)。
ポリオール化合物(c−2): クラレポリエーテルP−1011(商品名、クラレ社製、ポリエステルポリオール、数平均分子量1,000)。
ポリオール化合物(c−3): クラレポリエーテルF−2010(商品名、クラレ社製、ポリエステルポリオール、数平均分子量2,000)。
ポリオール化合物(c−4): アデカポリエーテルP−1000(商品名、旭電化工業社製、ポリエーテルポリオール、数平均分子量1,000)。
ポリオール化合物(c−5): UH−CARB 50(商品名、宇部興産社製、ポリカーボネートポリオール、数平均分子量500)。
ポリオール化合物(c−6): T−5650J(商品名、旭化成ケミカルズ社製、ポリカーボネートポリオール、数平均分子量800)。
二酸化ケイ素(d−1): AEROSIL 200(商品名、日本アエロジル社製、炭素量0質量%)。
二酸化ケイ素(d−2): AEROSIL R−972(商品名、日本アエロジル社製、炭素量0.8質量%)。
二酸化ケイ素(d−3): AEROSIL R−104(商品名、日本アエロジル社製、炭素量1.1質量%)。
顔料(P−1): JR−806(商品名、テイカ社製、ルチル型二酸化チタン)。
顔料(P−2): MICRO ACE S−3(商品名、日本タルク社製、タルク)。
顔料(P−3): カーボンMA−100(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック)。
また、得られた第1着色塗料(A−1)〜(A−27)について、ポリプロピレン板上に硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、70℃で5分間加熱した後の塗膜のゲル分率(G70)、及びポリプロピレン板上に硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、90℃で10分間加熱した後の塗膜のゲル分率(G90)の測定結果を合わせて表2に示す。
製造例10
製造例6で得たポリエステル樹脂溶液(PE1)57部、製造例8で得たアクリルエマルション100部、製造例9で得た光輝性顔料濃厚液62部及び「サイメル325」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分80%)37.5部を均一に混合し、さらに、脱イオン水及び2−(ジメチルアミノ)エタノールを加えて、pH8.0、固形分濃度23%の水性第2着色塗料(B−1)を得た。
製造例11
ポリエステル樹脂溶液(PE1)57部を、製造例7で得たポリエステル樹脂溶液(PE2)57部に変更する以外は、製造例10と同様にして、水性第2着色塗料(B−2)を得た。
塗膜形成方法
前記実施例1〜24及び比較例1〜3で得た第1着色塗料(A−1)〜(A−27)、及び上記製造例10及び11で得た水性第2着色塗料(B−1)及び(B−2)を用い、以下のようにしてそれぞれ試験塗板を作製し、評価試験を行なった。
(試験用被塗物の作製)
リン酸亜鉛化成処理を施した冷延鋼板に、エレクロンGT−10(商品名、関西ペイント社製、カチオン電着塗料)を硬化膜厚が20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させて試験用被塗物とした。
実施例25
温度23℃及び湿度75%の塗装環境において、上記試験用被塗物に、それぞれ、上記実施例1で得た第1着色塗料(A−1)を、回転霧化型塗装機を用いて、硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、70℃で5分間プレヒートを行なった。次いで、第1着色塗膜上に、製造例10で得た水性第2着色塗料(B−1)を、回転霧化型塗装機を用いて、乾燥膜厚15μmとなるように塗装し、80℃で10分間プレヒートを行なった。次いで、該第2着色塗膜上に、マジクロンKINO−1210(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂系溶剤型上塗りクリヤー塗料、以下「クリヤー塗料(C−1)」ということがある)を硬化膜厚が40μmとなるように塗装し、7分間放置した後、140℃で30分間加熱して、上記第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜を同時に硬化させ、試験塗板を作製した。
実施例26〜49、比較例4〜6
実施例25において、実施例1で得た第1着色塗料(A−1)を表3に示す第1着色塗料(A−2)〜(A−27)に変更し、製造例10で得た水性第2着色塗料(B−1)を水性第2着色塗料(B−1)又は製造例11で得た水性第2着色塗料(B−2)に変更する以外は、実施例25と同様にして試験塗板を作製した。
上記実施例25〜49及び比較例4〜6で得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を表3に示す。
(試験方法)
平滑性: Wave Scan(商品名、BYK Gardner社製)によって測定されるLong Wave(LW)値を用いて評価した。Long Wave(LW)値は、1.2〜12mm程度の波長の表面粗度の振幅の指標であり、測定値が小さいほど塗面の平滑性が高いことを示す。
鮮映性: 上記Wave Scanによって測定されるShort Wave(SW)値を用いて評価した。Short Wave(SW)値は、0.3〜1.2mm程度の波長の表面粗度の振幅の指標であり、測定値が小さいほど塗面の鮮映性が高いことを示す。
Claims (14)
- 下記の工程(1)〜(4):
(1) 被塗物上に、第1着色塗料(A)を塗装して第1着色塗膜を形成せしめ、
(2) 形成される第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(B)を塗装して第2着色塗膜を形成せしめ、
(3) 形成される第2着色塗膜上に、クリヤー塗料(C)を塗装してクリヤー塗膜を形成せしめ、
(4) 形成される第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化せしめること
により複層塗膜を形成せしめる方法における第1着色塗料(A)として使用するための塗料組成物であって、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、15mgKOH/g以下の酸価を有する水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、及びポリイソシアネート化合物(b)を5〜70質量部含んでなることを特徴とする塗料組成物。 - 水酸基含有樹脂(a)が1〜12mgKOH/gの範囲内の酸価を有するものである請求の範囲第1項に記載の塗料組成物。
- 水酸基含有樹脂(a)が15mgKOH/g以下の酸価及び50〜200mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する水酸基含有ポリエステル樹脂又は15mgKOH/g以下の酸価及び20〜200mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有する水酸基含有アクリル樹脂である請求の範囲第1項に記載の塗料組成物。
- 塗料組成物が該塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として水酸基含有樹脂(a)を40〜80質量部含有する請求の範囲第1項に記載の塗料組成物。
- 塗料組成物がさらに該塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、数平均分子量が100〜2,000の範囲内にあるポリオール化合物(c)を1〜50質量部含有する請求の範囲第1項に記載の塗料組成物。
- ポリオール化合物(c)がポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールよりなる群から選ばれる請求の範囲第5項に記載の塗料組成物。
- 塗料組成物が該塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準としてポリイソシアネート化合物(b)を10〜50質量部含有する請求の範囲第1項に記載の塗料組成物。
- 塗料組成物がさらに該塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、二酸化ケイ素(d)を0.1〜5質量部含有する請求の範囲第1項に記載の塗料組成物。
- 二酸化ケイ素(d)が炭素量が1.0質量%以下の二酸化ケイ素である請求の範囲第8項に記載の塗料組成物。
- 塗料組成物が、該塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、酸価が3〜15mgKOH/gの範囲内にあり且つ数平均分子量が1,000〜10,000の範囲内にある水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、ポリイソシアネ−ト化合物(b)を5〜40質量部、及び数平均分子量が400〜700の範囲内にあるポリオール化合物(c)を1〜30質量部含有するものである請求の範囲第1項に記載の塗料組成物。
- 塗料組成物が、該塗料組成物を硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、70℃で5分間加熱した後の塗膜のゲル分率(G70)が0〜20質量%の範囲内とあり、且つ硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、90℃で10分間加熱した後の塗膜のゲル分率(G90)が30〜100質量%の範囲内となるようなものである請求の範囲第1項に記載の塗料組成物。
- 下記の工程(1)〜(4):
(1) 被塗物上に、第1着色塗料(A)を塗装して第1着色塗膜を形成せしめ、
(2) 形成される第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(B)を塗装して第2着色塗膜を形成せしめ、
(3) 形成される第2着色塗膜上に、クリヤー塗料(C)を塗装してクリヤー塗膜を形成せしめ、
(4) 形成される第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜を同時に焼き付け硬化せしめること
により複層塗膜を形成せしめる方法において、第1着色塗料(A)として、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、15mgKOH/g以下の酸価を有する水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、及びポリイソシアネート化合物(b)を5〜70質量部含んでなる塗料組成物を使用することを特徴とする複層塗膜形成方法。 - 請求の範囲第1項に記載の方法における第1着色塗料(A)としての、塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、15mgKOH/g以下の酸価を有する水酸基含有樹脂(a)を30〜95質量部、及びポリイソシアネート化合物(b)を5〜70質量部含んでなる塗料組成物の使用。
- 請求の範囲第12項に記載の方法により複層塗膜が形成された物品。
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