JP5366491B2 - 複層塗膜形成方法及び塗装物品 - Google Patents
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Description
形成性樹脂を含有する塗料を使用し、かつ、有機溶剤型ベース塗料として、特定の被膜形成性樹脂及び有機溶剤を含有する塗料を使用する場合に、フリップフロップ性が高く、メタリックムラが少ない優れた外観を有する複層塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の複層塗膜形成方法に従えば、まず、被塗物上に有機溶剤型中塗り塗料(X)が塗装される。
本発明の方法を適用し得る被塗物の素材としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ステンレス鋼、ブリキ、亜鉛メッキ鋼、合金化亜鉛(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Feなど)メッキ鋼などの金属材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂や各種のFRPなどのプラスチック材料;ガラス、セメント、コンクリートなどの無機材料;木材;繊維材料(紙、布など)などを挙げることができ、なかでも、金属材料及びプラスチック材料が好適である。
上記被塗物に塗装される有機溶剤型中塗り塗料(X)としては、被膜形成性樹脂(A)及び有機溶剤を含有し、さらに必要に応じて、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料、硬化触媒、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、消泡剤、表面調整剤、沈降防止剤などを配合してなる液状塗料を使用することができる。なお、本明細書において、有機溶剤型塗料とは溶媒の主成分が有機溶剤である塗料を指称する。
本発明において、有機溶剤型中塗り塗料(X)に使用される被膜形成性樹脂(A)は、水酸基、カルボキシル基などの架橋性官能基を有する、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物などの架橋剤とからなる塗料用樹脂組成物を指称する。なかでも、基体樹脂として、水酸基含有アクリル樹脂及び/又は水酸基含有ポリエステル樹脂を使用し、そして架橋剤として、アミノ樹脂を使用することが好ましい。
ロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基を有する不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなどのパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィンなどのフッ素化アルキル基を有する不飽和モノマー;マレイミド基などの光重合性官能基を有する不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニル化合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物などの含窒素不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩やアンモニウム塩などのスルホン酸基を有する不飽和モノマー;2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェートなどのリン酸基を有する不飽和モノマー;2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収性基を有する不飽和モノマー;4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの紫外線安定化性能を有する不飽和モノマー;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)などのカルボニル基を有する不飽和モノマー化合物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸などが挙げられ、上記モノエポキシ化合物としては、例えば、「カージュラE10P」(商品名、HEXION Specialty Chemicals社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)などが挙げられる。
とアミンとの塩を触媒として使用することができる。
Applied Polymer Science,VOL.12,2359〜2370(1968年)の記載参照)に従い算出される。
溶解性パラメーター値={(Vml)1/2×δH+(Vmh)1/2×δD}
/{(Vml)1/2+(Vmh)1/2}
ここで、Vml、Vmh、δH及びδDは、測定温度20℃において、試料0.5g(
固形分)をアセトン10mLに溶解した中に、n−ヘキサンを加えたときの濁点におけ
る滴定量H(mL)と、測定温度20℃において、試料0.5g(固形分)をアセトン
10mLに溶解した中に、脱イオン水を加えたときの濁点における滴定量D(mL)と
を、下記式に適用することにより算出される値である。
Vml=74.4×130.3/{(1−VH)×130.3+VH×74.4}
Vmh=74.4×18/{(1−VD)×18+VD×74.4}
VH=H/(10+H)
VD=D/(10+D)
δH=9.75×10/(10+H)+7.24×H/(10+H)
δD=9.75×10/(10+D)+23.43×D/(10+D)
量部の範囲内であることができる。
上記の如くして形成される中塗り塗膜上には、次いで、有機溶剤型ベース塗料(Y)が塗装される。
まず、被塗物上に有機溶剤型中塗り塗料(X)を被塗物に塗装すると同時に、予め質量(W1)を測定しておいたアルミホイル上にも有機溶剤型中塗り塗料(X)を塗装する。続いて、塗装後、有機溶剤型中塗り塗料(X)の塗膜に対するのと同じようにして放置(セッティング)などがされた該アルミホイルを有機溶剤型ベース塗料(Y)が塗装される直前に回収し、その質量(W2)を測定する。次に、回収したアルミホイルを110℃で60分間乾燥し、デシケーター内で室温まで放冷した後、該アルミホイルの質量(W3)を測定し、以下の式に従って固形分含有率を求める。
中塗り塗膜の固形分含有率(質量%)={(W3−W1)/(W2−W1)}×100
中塗り塗膜上に塗装される有機溶剤型ベース塗料(Y)としては、被膜形成性樹脂(B)及び有機溶剤(C)を含有し、さらに必要に応じて、該有機溶剤(C)以外の有機溶剤、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料、硬化触媒、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、消泡剤、表面調整剤、沈降防止剤などを配合してなる液状塗料を使用することができる。
上記被膜形成性樹脂(B)は、被膜形成性樹脂(A)の場合と同様に、水酸基、カルボキシル基などの架橋性官能基を有する、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物などの架橋剤とからなる塗料用樹脂組成物を指称する。なかでも、基体樹脂として、水酸基含有アクリル樹脂及び/又は水酸基含有ポリエステル樹脂を使用し、そして架橋剤として、アミノ樹脂を使用することが好ましい。
樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAと0.2以上異なる値を有する。すなわち、被膜形成性樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAと被膜形成性樹脂(B)の溶解性パラメーター値SPBとの差(SPA−SPB)の絶対値が0.2以上である。なかでも、(SPA−SPB)の絶対値が0.2〜3.0の範囲内であることが好ましく、0.25〜2.0の範囲内であることがさらに好ましい。また、被膜形成性樹脂(B)の溶解性パラメーター値SPBが、被膜形成性樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAより高いことが好ましい。
有機溶剤(C)は、被膜形成性樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAとの差が1以下の有機溶剤である。すなわち、被膜形成性樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAと有機溶剤(C)の溶解性パラメーター値SPCとの差(SPA−SPC)の絶対値が1以下となる。なかでも、(SPA−SPC)の絶対値が0.05〜0.95の範囲内であることが好ましく、0.1〜0.9の範囲内であることがさらに好ましい。また、有機溶剤(C)の溶解性パラメーター値SPCが、被膜形成性樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAより低いことが好ましい。
石油系芳香族炭化水素系溶剤)などを好適に使用することができる。
部の範囲内であることができる。
上記の如くして形成される有機溶剤型ベース塗料(Y)の未硬化塗膜上には、さらに、有機溶剤型クリヤー塗料(Z)が塗装される。
触媒、紫外線吸収剤、光安定化剤、消泡剤、増粘剤、表面調整剤などを適宜含有せしめることができる。
以上に述べた如くして形成される中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜の3層の塗膜からなる複層塗膜は、通常の塗膜の焼付け手段により、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱などにより、約80〜約170℃、好ましくは約120〜約160℃の温度で約20〜約40分間程度加熱して同時に硬化させることができる。
製造例1
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、キシレン50部及び酢酸ブチル20部を仕込み115℃に昇温後、スチレン5部、メチルメタクリレート50部、n−ブチルアクリレート15.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15部、「プラクセル FM3X」(商品名、ダイセル化学工業社製、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのε−カプロラクトン3mol付加体のキシレン希釈品、固形分80%)20部、ジメチルアミノエチルメタクリレート1.5部、アクリル酸1部、キシレン15部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を3時間かけて滴下し、滴下終了後1時間熟成した。その後さらにキシレン5部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1部の混合物を1時間かけて滴下し、滴下終了後1時間熟成した。さらにキシレン10部を加え、固形分50%の水酸基含有アクリル樹脂溶液を得た。得られた水酸基含有アクリル樹脂は溶解性パラメーター値が10.86、酸価が7.8mgKOH/g、水酸基価が69.5mgKOH/g、重量平均分子量が40,000であった。
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物107.8部、1,6−ヘキサンジオール85.8部及びトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート71.3部を、エステル化触媒のジブチル錫オキサイド0.063部の存在下に、230℃に加熱し、1時間保った後、キシレンを加え、同温度で約6時間水を留去しながら還流させて、水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(PE)を得た。得られた水酸基含有ポリエステル樹脂は、溶解性パラメーター値が9.5、水酸基価が194mgKOH/g、酸価が2mgKOH/g、重量平均分子量が8,000であった。
製造例3
製造例1で得た水酸基含有アクリル樹脂溶液(AC)80部、「JR−806」(商品名、テイカ社製、ルチル型二酸化チタン)40部、「カーボンMA−100」(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック)1.7部、「バリエースB−35」(商品名、堺化学工業社製、硫酸バリウム粉末)15部、「MICRO ACE S−3」(商品名、日本タルク社製、タルク)3部及びキシレン15部からなる混合物に、ガラスビーズを加え、ペイントシェーカーで30分間分散した後、ガラスビーズを除去して、顔料分散ペーストを得た。
次いで、上記顔料分散ペースト154.7部、製造例2で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(PE)43部、メラミン樹脂(MF−1)(メチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂、固形分含有率70%、溶解性パラメーター値9.06、重量平均分子量2,800)43部、キシレン20部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート64部を攪拌混合して塗料化を行い、固形分含有率49%の有機溶剤型中塗り塗料(X−1)を得た。得られた有機溶剤型中塗り塗料(X−1)中の被膜形成性樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAは9.91であった。
製造例3において、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート64部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート32部及び酢酸3−メトキシブチル32部からなる混合溶剤に変更する以外は製造例3と同様にして、固形分含有率49%の有機溶剤型中塗り塗料(X−2)を得た。得られた有機溶剤型中塗り塗料(X−2)中の被膜形成性樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAは9.91であった。
製造例3において、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート64部を、酢酸3−メトキシブチル64部に変更する以外は製造例3と同様にして、固形分含有率49%の有機溶剤型中塗り塗料(X−3)を得た。得られた有機溶剤型中塗り塗料(X−3)中の被膜形成性樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAは9.91であった。
製造例6
製造例1で得た水酸基含有アクリル樹脂溶液(AC)100部、製造例2で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(PE)29部、メラミン樹脂(MF−2)(ブチルエーテル化メラミン樹脂、固形分含有率60%、溶解性パラメーター値9.75、重量平均分子量2,000)50部、「スワゾール1500」(商品名、コスモ石油社製、石油系芳香族炭化水素系溶剤、溶解性パラメーター値9.02、沸点183〜207℃)30部、酢酸ブチル(溶解性パラメーター値8.69、沸点127℃)320部、キシレン(溶解性パラメーター値8.89、沸点138〜144℃)70部、「GX−180A」(旭化成メタルズ社製、金属含有量74%)16.2部及び「ディスパロン6900」(商品名、楠本化成社製、増粘剤、固形分含有率10%)3部を攪拌混合して塗料化を行い、固形分含有率18%の有機溶剤型ベース塗料(Y−1)を得た。得られた有機溶剤型ベース塗料(Y−1)のせん断速度230sec−1、温度20℃における粘度(VY1)は18mPa・secであった。また、得られた有機溶剤型ベース塗料(Y−1)中の被膜形成性樹脂(B)の溶解性パラメーター値SPBは10.26であった。
製造例6において、配合組成を下記表1に示す通り変更する以外は、製造例6と同様にして、有機溶剤型ベース塗料(Y−2)〜(Y−11)を得た。得られた有機溶剤型ベース塗料の固形分含有率、せん断速度230sec−1、温度20℃における粘度(VY1)及び得られた有機溶剤型ベース塗料中の被膜形成性樹脂(B)の溶解性パラメーター値
SPBを、製造例6で得た有機溶剤型ベース塗料(Y−1)と併せて、下記表1に示す。
前記製造例3〜5で得た有機溶剤型中塗り塗料(X−1)〜(X−3)及び上記製造例6〜16で得た有機溶剤型ベース塗料(Y−1)〜(Y−11)を用い、以下のようにしてそれぞれ試験塗板を作製し、評価試験を行なった。
リン酸亜鉛化成処理を施した冷延鋼板に、「エレクロンGT−10」(商品名、関西ペイント社製、カチオン電着塗料)を硬化膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させて試験用被塗物とした。
上記試験用被塗物及び前述した塗着塗膜の固形分含有率測定用のアルミホイル上に、それぞれ、製造例3で得た有機溶剤型中塗り塗料(X−1)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、硬化膜厚が20μmとなるように静電塗装し、中塗り塗膜を形成した。1分間放置(セッティング)後、該中塗り塗膜の固形分含有率を測定した。測定結果を表2に示す。
140℃で30分間加熱して、上記中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜を同時に硬化させ、試験塗板を作製した。
実施例1において、製造例3で得た有機溶剤型中塗り塗料(X−1)を表2に示す有機溶剤型中塗り塗料(X−1)〜(X−3)のいずれかに変更し、製造例6で得た有機溶剤型ベース塗料(Y−1)を表2に示す有機溶剤型ベース塗料(Y−2)〜(Y−11)のいずれかに変更する以外は、実施例1と同様にして試験塗板を作製した。
上記実施例1〜11及び比較例1〜2で得られた各試験塗板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を表2に示す。
フリップフロップ性: 各試験塗板について、X−Rite社製の多角度分光測色計「MA68II」を用いてFI値を測定した。FI値はFlop Indexの略であり、この値が大きいほどフリップフロップ性が高く、塗膜外観に優れていることを示す。
メタリックムラ: 各試験塗板を目視観察し、下記の基準でメタリックムラを評価した。
◎:メタリックムラが認められない、
○:メタリックムラがほとんど認められない、
△:メタリックムラが少し認められる、
×:メタリックムラが多く認められる。
Claims (3)
- 被塗物上に、被膜形成性樹脂(A)を含有する有機溶剤型中塗り塗料(X)、被膜形成性樹脂(B)及び有機溶剤(C)を含有する有機溶剤型ベース塗料(Y)及び有機溶剤型クリヤー塗料(Z)を順次塗装し、形成される中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜を同時に焼付け硬化させることを含んでなり、被膜形成性樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAと被膜形成性樹脂(B)の溶解性パラメーター値SPBとの差(SPA−SPB)の絶対値が0.2以上であり、かつ被膜形成性樹脂(A)の溶解性パラメーター値SPAと有機溶剤(C)の溶解性パラメーター値SPCとの差(SPA−SPC)の絶対値が1以下であり、そして有機溶剤型ベース塗料(Y)中の有機溶剤(C)の含有量が被膜形成性樹脂(B)の固形分100質量部を基準として20〜800質量部の範囲内にあることを特徴とする複層塗膜形成方法。
- 有機溶剤(C)の沸点が160〜230℃の範囲内にある請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
- 有機溶剤型ベース塗料(Y)の粘度(VY1)が、せん断速度230sec-1及び温度20℃の条件下で測定して、0.5〜100mPa・secの範囲内にあり、かつ、該有機溶剤型ベース塗料(Y)の塗着1分後の粘度(VY2)が、せん断速度1.15sec-1及び温度20℃の条件下で測定して、10,000〜50,000mPa・secの範囲内にある請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
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