JPWO2007116756A1 - 撓み噛み合い式歯車装置及び車両用ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
固定側内歯車の各内歯の歯面上には、可撓性外歯車における各外歯の歯先端縁がウェーブ・ジェネレータの回転に基づいて移動する軌跡の一致する噛み合い面を設けた。これと同様に、可動側内歯車の各内歯の歯面上には、可撓性外歯車における各外歯の歯先端縁がウェーブ・ジェネレータの回転に基づいて移動する軌跡と一致する噛み合い面を設けた。
Description
この発明は、固定側内歯車及び可動側内歯車と、両内歯車に噛み合う可撓性外歯車と、可撓性外歯車をその内周から相対回転可能に支持するウェーブ・ジェネレータとを備えた撓み噛み合い式歯車装置、及び、同撓み噛み合い式歯車装置を備えた車両用ステアリング装置に関するものである。
従来、この種の撓み噛み合い式歯車装置の1タイプは、図1及び図2に示すような構成を備えている。すなわち、この撓み噛み合い式歯車装置16は、図示しないハウジングに固定支持された円環状の固定側内歯車20(図2に図示)と、この固定側内歯車20に隣接された同じく円環状の可動側内歯車21とを備え、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の内側には、この両内歯車20,21に噛み合い可能とされた可撓性外歯車22が配置されている。可撓性外歯車22は、その内側に配置されたウェーブ・ジェネレータ23によって、固定側内歯車20及び可動側内歯車21に噛み合った状態で支持されている。そして、ウェーブ・ジェネレータ23が回転されると、このウェーブ・ジェネレータ23によって、両内歯車20,21に対する可撓性外歯車22の噛み合い位置がウェーブ・ジェネレータ23の回転方向に移動される。この結果、可撓性外歯車22と、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の少なくとも一方との間の歯数の差に基づき、ウェーブ・ジェネレータ23に入力された回転が可動側内歯車21から出力される。
ここで、図17(a),(b)に示すように、可撓性外歯車60は固定側内歯車63に対して相対回転するため、可撓性外歯車60における外歯61の一方の歯先端縁62は、固定側内歯車63の内歯64に対し、破線で示すような内歯64を跨ぐ軌跡65上を移動する。このため、可撓性外歯車60の各外歯61は、固定側内歯車63における内歯64の歯面の一部に対し、その歯先端縁62をほぼ一点で当接させる動作を繰り返す。
また、図18(a),(b)に示すように、可撓性外歯車60と可動側内歯車66とが同歯数の場合は、可撓性外歯車60における外歯61の一方の歯先端縁62は、可動側内歯車66の各内歯67に対し、破線で示すような楕円状の軌跡68上を移動する。このため、可撓性外歯車60の各外歯61は、可動側内歯車66において対応する内歯67の歯元部の歯面に対し、その歯先端縁62をほぼ一点で繰り返し当接させる。なお、可撓性外歯車60と可動側内歯車66との歯数が相違する場合は、図17(a),(b)に示すような動作となる。
従って、固定側内歯車63と可撓性外歯車60、及び、可動側内歯車66と可撓性外歯車60は、それぞれ断続的に当接するので、ウェーブ・ジェネレータと可動側内歯車66との間には、周期的に角度伝達誤差が生じていた。
また、特許文献1,2に記載された撓み噛み合い式歯車装置においては、固定側内歯車、可動側内歯車及び外歯車の各歯末面の歯形が、各内歯に対する外歯のラック近似による運動軌跡に基づいて形成されるとともに、各内歯と外歯との接触の限界位置を原点とする縮比1/2の相似変換による写像曲線によって形成されている。そして、この構成により、外歯車の外歯の歯面が、各内歯車の内歯の歯面に対し、連続的に当接するとされている。従って、この構成によれば、角度伝達誤差が低減されることになる。
ところが、可撓性外歯車の各外歯は、ウェーブ・ジェネレータの回転に伴って揺動する。すなわち、図19に示すように、ウェーブ・ジェネレータの回転軸をZ軸とするX−Y座標系において、可撓性外歯車70の長軸が例えばY軸方向に一致する状態(破線で図示)となっているときには、可撓性外歯車70は、Y軸方向に向いた外歯71で、固定側内歯車72及び可動側内歯車73にそれぞれ噛み合う。ところが、ウェーブ・ジェネレータの回転により、前記の状態から可撓性外歯車70の長軸が時計方向に回動した状態(実線で図示)においては、外歯71の向きは、Y軸方向から反時計方向に回動した向きY0となる。すなわち、可撓性外歯車70の各外歯は、ウェーブ・ジェネレータの回転に伴い、固定側内歯車72及び可動側内歯車73の内歯に対して揺動する。
しかしながら、上記各特許文献1,2に記載された撓み噛み合い式歯車装置においては、各内歯に対する外歯の運動軌跡をラック近似によって求めている。すなわち、この運動軌跡には、各内歯に対する外歯の揺動運動成分が入っていない。このため、この運動軌跡と、可撓性外歯車における外歯の実際の運動軌跡との差は、固定側内歯車、可動側内歯車及び可撓性外歯車の歯数が少ないほど大きくなる。従って、実際には、上記特許文献1,2の撓み噛み合い式歯車装置においても、固定側内歯車及び可動側内歯車に対して可撓性外歯車が連続的に当接した状態とはならず、断続当接が繰り返されて角度伝達誤差が生じ、振動や騒音の面において満足すべきものではなかった。
特開昭63−115943号公報
特開平1−79448号公報
この発明の目的とするところは、角度伝達誤差が低減された撓み噛み合い式歯車装置、及び、同撓み噛み合い式歯車装置を備えた車両用ステアリング装置を提供することにある。
この発明の第1の様態にかかる撓み噛み合い式歯車装置においては、固定側内歯車と、この固定側内歯車と異なる歯数を有するとともに同固定側内歯車と同軸上において回転可能な可動側内歯車と、前記固定側内歯車及び可動側内歯車に対してそれぞれ噛み合い可能とされた環状の可撓性外歯車と、固定側内歯車及び可動側内歯車に対して噛み合うように前記可撓性外歯車内において同可撓性外歯車を相対回転可能に支持し、固定側内歯車及び可動側内歯車に対する可撓性外歯車の噛み合い位置を回転方向に移動させるウェーブ・ジェネレータとを備えた撓み噛み合い式歯車装置において、前記固定側内歯車及び可動側内歯車の各内歯の歯面上には、前記可撓性外歯車における各外歯の歯先端縁が前記ウェーブ・ジェネレータの回転に基づいて移動する軌跡と一致する噛み合い面を形成した。
この発明の第1の様態にかかる撓み噛み合い式歯車装置においては、外部からウェーブ・ジェネレータに回転が入力されると、ウェーブ・ジェネレータによって可撓性外歯車が撓み駆動される。そして、固定側内歯車及び可動側内歯車の各内歯に対する可撓性外歯車の各外歯の噛み合い位置が順次移動し、可動側内歯車が回転駆動される。この結果、外部からウェーブ・ジェネレータへの回転入力は、減速されて可動側内歯車から外部に出力される。また、固定側内歯車及び可動側内歯車の各内歯の歯面上には、可撓性外歯車における各外歯の歯先端縁が、ウェーブ・ジェネレータの回転に基づいて移動する軌跡と一致する噛み合い面が設けられている。このため、可撓性外歯車の各外歯が、固定側内歯車の内歯に噛み合うとき、各外歯の歯先端縁は、同内歯の噛み合い面に沿って連続摺接する。また、可撓性外歯車の各外歯が、可動側内歯車の各内歯に噛み合うときにも、各外歯の歯先端縁は、同内歯の噛み合い面に沿って連続摺接する。従って、固定側内歯車及び可動側内歯車の各内歯に対する可撓性外歯車の各外歯の当接が連続的になるので、ウェーブ・ジェネレータと可動側内歯車との間の角度伝達誤差が低減する。
第2の様態において、前記内歯と前記外歯との間には、前記噛み合い面を前記固定側内歯車及び可動側内歯車の中心軸回りの回転移動方向に後退させることによりバックラッシを設けた。
第3の様態においては、前記噛み合い面を、前記内歯の歯元側から歯先側に向かって後退量が徐々に大きくなるように後退させた。
第4の様態においては、前記歯先端縁を円弧状とした。
第4の様態においては、前記歯先端縁を円弧状とした。
第5の様態においては、前記外歯における歯先端縁の歯元側の端部に続く歯面領域の圧力角を、同端部の圧力角に等しくした。
第6の様態においては、前記可撓性外歯車の逃がし角θαを、前記噛み合い面上の任意の点における接線角θγと、可撓性外歯車の外歯の揺動角θβとに基づき、次式 θα+θβ≦θγ が成立するように設定する。
第6の様態においては、前記可撓性外歯車の逃がし角θαを、前記噛み合い面上の任意の点における接線角θγと、可撓性外歯車の外歯の揺動角θβとに基づき、次式 θα+θβ≦θγ が成立するように設定する。
第7の様態においては、前記固定側内歯車又は可動側内歯車の歯数と、前記可撓性外歯車の歯数とを一致させた。
第8の様態にかかる車両用ステアリング装置においては、ステアリングシャフトの回転をピニオンシャフトに伝達するとともに、電動モータの回転出力を減速機を介して前記ピニオンシャフトに伝達することにより、前記ステアリングシャフトに対するピニオンシャフトの回転比を調節可能に構成した車両用ステアリング装置であって、前記減速機として請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の撓み噛み合い式歯車装置を用いたことを特徴とする。
第8の様態にかかる車両用ステアリング装置においては、ステアリングシャフトの回転をピニオンシャフトに伝達するとともに、電動モータの回転出力を減速機を介して前記ピニオンシャフトに伝達することにより、前記ステアリングシャフトに対するピニオンシャフトの回転比を調節可能に構成した車両用ステアリング装置であって、前記減速機として請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の撓み噛み合い式歯車装置を用いたことを特徴とする。
第8の様態にかかる車両用ステアリング装置においては、前記構成をステアリング装置に組み込めば、アシスト用の電動モータの回転出力と、この回転出力に基づく撓み噛み合い式歯車装置を介したピニオンシャフトの回転との間における角度伝達誤差が低減する。このため、電動モータの制御に基づく操舵輪の操舵制御精度が向上するとともに、振動及び騒音が低下して操舵感が向上する。
以下に、この発明を具体化した第1実施形態について図1〜図9を用いて説明する。
図3は、車両に搭載されるステアリング装置1を示している。このステアリング装置1は、ステアリングシャフト10が接続されるユニバーサルジョイント11と、図示しないステアリングギヤボックスに接続されるピニオンシャフト12とを備えるとともに、ユニバーサルジョイント11とピニオンシャフト12とを連結する伝達比可変装置13を備えている。伝達比可変装置13は、ユニバーサルジョイント11に結合されたハウジング14を備え、このハウジング14の内部に、ピニオンシャフト12と同軸上に配置されたDCモータ(電動モータ)15、このDCモータ15の出力軸19から入力される回転を前記ピニオンシャフト12に出力する撓み噛み合い式歯車装置17等を備えている。以上のように構成されたステアリング装置1は、ステアリングシャフト10の回転をピニオンシャフトに伝達するとともに、DCモータ15の回転出力を撓み噛み合い式歯車装置17を介してピニオンシャフトに伝達することにより、ステアリングシャフト10に対するピニオンシャフト12の回転比を調節可能に構成されている。
図3は、車両に搭載されるステアリング装置1を示している。このステアリング装置1は、ステアリングシャフト10が接続されるユニバーサルジョイント11と、図示しないステアリングギヤボックスに接続されるピニオンシャフト12とを備えるとともに、ユニバーサルジョイント11とピニオンシャフト12とを連結する伝達比可変装置13を備えている。伝達比可変装置13は、ユニバーサルジョイント11に結合されたハウジング14を備え、このハウジング14の内部に、ピニオンシャフト12と同軸上に配置されたDCモータ(電動モータ)15、このDCモータ15の出力軸19から入力される回転を前記ピニオンシャフト12に出力する撓み噛み合い式歯車装置17等を備えている。以上のように構成されたステアリング装置1は、ステアリングシャフト10の回転をピニオンシャフトに伝達するとともに、DCモータ15の回転出力を撓み噛み合い式歯車装置17を介してピニオンシャフトに伝達することにより、ステアリングシャフト10に対するピニオンシャフト12の回転比を調節可能に構成されている。
図1及び図2に示すように、撓み噛み合い式歯車装置17は、ハウジング14側に固定支持される円環状の固定側内歯車(図2にのみ図示)20を備えている。この固定側内歯車20の歯数は、例えば102枚とされている。固定側内歯車20のピニオンシャフト12側には、固定側内歯車20よりも少ない歯数を有する可動側内歯車21が、固定側内歯車20と同軸上においてハウジング14に対し回転可能に支持されている。この可動側内歯車21の歯数は、例えば100枚とされている。
固定側内歯車20及び可動側内歯車21の内側には、可動側内歯車21と同じ歯数を有するとともに固定側内歯車20及び可動側内歯車21に対しそれぞれ噛み合う環状の可撓性外歯車22が配置されている。
さらに、可撓性外歯車22の内側には、可撓性外歯車22を内周側から相対回転可能に支持するとともに、この可撓性外歯車22を固定側内歯車20及び可動側内歯車21に対してそれぞれ対向する2位置で噛み合わせるようにした楕円形をなすウェーブ・ジェネレータ23が配置されている。ウェーブ・ジェネレータ23は、前記DCモータ15の出力軸19からの回転入力に基づき回転されて、可撓性外歯車22と、固定側内歯車20及び可動側内歯車21との噛み合い位置を変化させる。その結果、可動側内歯車21は、ウェーブ・ジェネレータ23の一回転につき、固定側内歯車20との歯数の差の分だけ回動する。
以上のように構成された伝達比可変装置13は、例えばステアリングホイールの操舵角及び車速に基づいてDCモータ15の回転角が制御されることにより、ステアリングホイールの操舵角及び車速に応じてフロントタイヤの転舵角を制御する。
すなわち、DCモータ15からウェーブ・ジェネレータ23に回転が入力されると、ウェーブ・ジェネレータ23によって可撓性外歯車22が駆動される。そして、可撓性外歯車22の各外歯25が、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の各内歯24,29に対し、噛み合い位置を移動させながら順次噛み合う。このとき、可動側内歯車21の歯数が固定側内歯車20の歯数よりも少なく、かつ、可動側内歯車21と可撓性外歯車22との歯数が同じなので、可動側内歯車21が回転する。この結果、DCモータ15の出力軸19からウェーブ・ジェネレータ23に入力された回転は、減速されて可動側内歯車21からピニオンシャフト12に出力される。従って、ステアリングホイールを回転操作した際に、DCモータ15が正逆いずれかに回転されることより、同DCモータ15の回転入力に応じてピニオンシャフト12が増速又は減速され、車両走行速度等に応じた操舵感の調整が可能となる。
次に、図4〜図7に基づいて前記固定側内歯車20及び可動側内歯車21の各内歯の形状について説明する。なお、可撓性外歯車22の各外歯は、例えば圧力角18度のインボリュート歯形とされている。また、図4〜図7においては、外歯25の歯先端縁26がエッジ形状に形成されているが、図8及び図9に示すように、歯先端縁26を円弧状に形成してもよい。
まず、固定側内歯車20の内歯24の形状について説明する。
図4(a),(b)及び図5は、ウェーブ・ジェネレータ23の回転に伴い、固定側内歯車20の内歯24の1つに対して、可撓性外歯車22の外歯25の1つが噛み合った状態を示している。固定側内歯車20の各内歯24の歯面上には、外歯25の歯先端縁26がウェーブ・ジェネレータ23の回転に伴って実際に移動する軌跡27上に、その軌跡27と一致する噛み合い面(太線で図示)28が形成され、この噛み合い面28の図4(b)における上下両側には、3次曲線による逃がし形状が形成されている。この噛み合い面28は、ウェーブ・ジェネレータ23が両方向に回転する場合に対応できるように、各内歯24の両側に形成されている。そして、この噛み合い面28は、内歯24の高さλ1に対して6分の1〜6分の4の範囲内である。
図4(a),(b)及び図5は、ウェーブ・ジェネレータ23の回転に伴い、固定側内歯車20の内歯24の1つに対して、可撓性外歯車22の外歯25の1つが噛み合った状態を示している。固定側内歯車20の各内歯24の歯面上には、外歯25の歯先端縁26がウェーブ・ジェネレータ23の回転に伴って実際に移動する軌跡27上に、その軌跡27と一致する噛み合い面(太線で図示)28が形成され、この噛み合い面28の図4(b)における上下両側には、3次曲線による逃がし形状が形成されている。この噛み合い面28は、ウェーブ・ジェネレータ23が両方向に回転する場合に対応できるように、各内歯24の両側に形成されている。そして、この噛み合い面28は、内歯24の高さλ1に対して6分の1〜6分の4の範囲内である。
そして、固定側内歯車20と可撓性外歯車22とは互いに歯数が異なるとともに、固定側内歯車20が固定状態にあることから、図4(b)及び図5に示すように、外歯25の歯先端縁26は、ウェーブ・ジェネレータ23の回転に伴い、固定側内歯車20の各内歯24に対し、破線で示す軌跡27上を移動する。そして、外歯25の歯先端縁26は、固定側内歯車20における各内歯24の噛み合い面28上を順次摺接する。
次に、可動側内歯車21の各内歯29の形状について説明する。
図6(a),(b)及び図7は、ウェーブ・ジェネレータ23の回転に伴い、可動側内歯車21の内歯29の1つに対して、可撓性外歯車22の外歯25の1つが噛み合った状態を示している。可動側内歯車21の各内歯29の歯面上には、外歯25の歯先端縁26がウェーブ・ジェネレータ23の回転に伴って実際に移動する軌跡30上に、その軌跡30と一致する噛み合い面(太線で図示)31が形成され、この噛み合い面31の図6(b)における上下両側には、3次曲線による逃がし形状が形成されている。この噛み合い面31は、ウェーブ・ジェネレータ23の両方向に回転する場合に対応できるように、各内歯29の両側に形成されている。そして、この噛み合い面31は、内歯29の高さλ2に対して6分の1〜6分の4の範囲内である。
図6(a),(b)及び図7は、ウェーブ・ジェネレータ23の回転に伴い、可動側内歯車21の内歯29の1つに対して、可撓性外歯車22の外歯25の1つが噛み合った状態を示している。可動側内歯車21の各内歯29の歯面上には、外歯25の歯先端縁26がウェーブ・ジェネレータ23の回転に伴って実際に移動する軌跡30上に、その軌跡30と一致する噛み合い面(太線で図示)31が形成され、この噛み合い面31の図6(b)における上下両側には、3次曲線による逃がし形状が形成されている。この噛み合い面31は、ウェーブ・ジェネレータ23の両方向に回転する場合に対応できるように、各内歯29の両側に形成されている。そして、この噛み合い面31は、内歯29の高さλ2に対して6分の1〜6分の4の範囲内である。
そして、可動側内歯車21と可撓性外歯車22とは共に歯数が同じであるとともに、可動側内歯車21が回転可能であることから、図6(b)及び図7に示すように、外歯25の歯先端縁26は、ウェーブ・ジェネレータ23の回転に伴い、可動側内歯車21の各内歯29に対し、破線で示す長円状の軌跡30上を移動する。そして、外歯25の歯先端縁26は、可動側内歯車21において対応する内歯29の噛み合い面31上を摺接する。
以上のように、ウェーブ・ジェネレータ23の回転によって可撓性外歯車22が駆動されるとき、可撓性外歯車22の各外歯25は、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の各内歯24,29の噛み合い面28,31に対して連続的に当接する。このため、ウェーブ・ジェネレータ23と可動側内歯車21との間の角度伝達誤差が低減する。
次に、図8に示すように、可撓性外歯車22における外歯25の歯先端縁26が円弧状に形成されている場合において、同歯先端縁26が固定側内歯車20の内歯24の噛み合い面28に対して摺接するときの状態を詳細に説明する。さて、外歯25の歯先端縁26が、内歯24の噛み合い面28上を摺接するとき、歯先端縁26の円弧中心点26μは、歯先端縁26の円弧の半径δ分だけ前記軌跡27から離れた軌跡32上を移動する。
また、図9に示すように、外歯25の円弧状の歯先端縁26が可動側内歯車21の内歯29の噛み合い面31に対して摺接するとき、歯先端縁26の円弧中心点26μは、歯先端縁26の円弧の半径δ分だけ前記軌跡30から離れた軌跡33上を移動する。
固定側内歯車20の内歯24、及び、可動側内歯車21の内歯29の各歯形は、可撓性外歯車22における外歯25の歯先端縁26の円弧に基づき以下のようにして設定される。
まず、外歯25における歯先端縁26の円弧中心点26μが、ウェーブ・ジェネレータ23の回転に基づいて移動する軌跡32,33から、歯先端縁26の円弧の半径δ分だけ外側に離れた軌跡27,30をそれぞれ決定する。
次に、固定側内歯車20の内歯24、及び、可動側内歯車21の内歯29の各歯面において、これらの軌跡27,30と一致させる範囲、すなわち、外歯25の歯先端縁26の噛み合い面28,31を決定し、最後に、可撓性外歯車22の外歯25の逃がし角θαを、次式が成立するように設定する。
θα+θβ≦θγ
但し、θβは、可撓性外歯車22の外歯25の揺動角、θγは、噛み合い面28,31における任意の位置の接線角である。
但し、θβは、可撓性外歯車22の外歯25の揺動角、θγは、噛み合い面28,31における任意の位置の接線角である。
このようにすれば、外歯25の歯先端縁26と固定側内歯車20及び可動側内歯車21の内歯24,29との干渉を避けつつ、それらの連続的な摺動接触を得ることができる。
以上のように、この実施形態においては、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の各内歯24,29の歯面上には、可撓性外歯車22における各外歯25の歯先端縁26が移動する軌跡27,30の一部と一致する噛み合い面28,31をそれぞれ形成した。このため、可撓性外歯車22の各外歯25が、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の各内歯24,29に対して連続的に当接するので、ウェーブ・ジェネレータ23と可動側内歯車21との間の角度伝達誤差を低減させて、振動や騒音を抑制することができる。
以上のように、この実施形態においては、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の各内歯24,29の歯面上には、可撓性外歯車22における各外歯25の歯先端縁26が移動する軌跡27,30の一部と一致する噛み合い面28,31をそれぞれ形成した。このため、可撓性外歯車22の各外歯25が、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の各内歯24,29に対して連続的に当接するので、ウェーブ・ジェネレータ23と可動側内歯車21との間の角度伝達誤差を低減させて、振動や騒音を抑制することができる。
また、DCモータ15の回転出力と、この回転出力に基づく撓み噛み合い式歯車装置17を介したピニオンシャフト12の回転との間における角度伝達誤差が低減するので、DCモータ15の制御に基づく操舵輪の操舵制御精度が向上し、振動や騒音の低減と相まって操舵時における操舵感が向上する。
次に、この発明を具体化した第1実施形態の変形例について図10及び図11を用いて説明する。この変形例は、以下のように構成している。
図10及び図11に示すように、外歯25の歯面先端部には、図4〜図9の外歯25の歯先端縁26に相当する円弧部34が形成されている。この円弧部34は、外歯25の摩耗耐久性を向上するために大きな半径で形成されている。すなわち、円弧部34は、外歯25における歯幅の2分の1以上の半径δ′を有する円弧上に形成されている。この円弧の中心点34νは、可撓性外歯車22の回転に伴って軌跡32,33を描く。外歯25の歯先は、固定側内歯車20の内歯24の歯元、及び、可動側内歯車21の内歯29の歯元に干渉しないようにカットされている。なお、円弧部34を、外歯25における歯幅以上の半径の円弧上に形成することもできる。
図10及び図11に示すように、外歯25の歯面先端部には、図4〜図9の外歯25の歯先端縁26に相当する円弧部34が形成されている。この円弧部34は、外歯25の摩耗耐久性を向上するために大きな半径で形成されている。すなわち、円弧部34は、外歯25における歯幅の2分の1以上の半径δ′を有する円弧上に形成されている。この円弧の中心点34νは、可撓性外歯車22の回転に伴って軌跡32,33を描く。外歯25の歯先は、固定側内歯車20の内歯24の歯元、及び、可動側内歯車21の内歯29の歯元に干渉しないようにカットされている。なお、円弧部34を、外歯25における歯幅以上の半径の円弧上に形成することもできる。
次に、この発明を具体化した第2実施形態について図12及び図13を用いて説明する。この実施形態は、第1実施形態における内歯車20,21の内歯24,29の形状を変更したことが異なる。
図12に実線で示すように、固定側内歯車20における内歯24の両歯面24νは、二点鎖線で示す第1実施形態の噛み合い面28に対し、隣り合う両内歯24の間の歯元における中央位置24μを回動中心として同噛み合い面28を回動させた形状に形成され、内歯24の歯先端縁において噛み合い面28から例えば後退量κ=2μm程度後退させられている。また、図示はしないが、可動側内歯車21における内歯29の両歯面は、内歯24の歯面24νと同様に、前記噛み合い面31に対し、隣り合う両内歯29の間の歯元における中央位置を回動中心として同噛み合い面31を回動させた形状に形成されている。
さて、可撓性外歯車22の外歯25、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の内歯24,29には、製造時のばらつきによる歯形誤差が存在する。例えば、固定側内歯車20の内歯24の実際の歯面24νが、噛み合い面28に対し、内歯24の歯先側から歯元側に向かって後退量が徐々に大きくなるように後退していたとする。この場合、可撓性外歯車22への入力角度に対する可動側内歯車21からの理想の出力角度と実際の出力角度との角度伝達誤差は、内歯24の歯面24νが噛み合い面28に一致する場合の角度伝達誤差に対して増大する。すなわち、内歯24に歯形誤差がなく、その歯面24νが噛み合い面28に一致する場合、同角度伝達誤差は、可撓性外歯車22への入力角度に対して図13(a)に示すように変化する。一方、実際の歯面24νが、噛み合い面28に対し、歯先側から歯元側に向かって後退量が徐々に大きくなるように後退していた場合、その角度伝達誤差は、図13(b)に示すように、可撓性外歯車22への入力角度の全域において増大する。なお、この角度伝達誤差は、計算によって求められる。これに対し、この実施形態のように、固定側内歯車20の内歯24の実際の歯面24νが、噛み合い面28に対し、歯元側から歯先側に向かって後退量が徐々に大きくなるように後退していたとすると、図13(c)に示すように、前記角度伝達誤差は、入力角度の全域において上記の場合よりも小さくなる。この実施形態によれば、内歯24の形状がばらついても、その実際の歯面24νが、歯先側から歯元側に向かって後退量が徐々に大きくなるように後退することはない。このため、撓み噛み合い式歯車装置17における角度伝達誤差の増大が抑制される。また、可動側内歯車21についても、固定側内歯車20と同様に、噛み合い面31を上記のように変形させることにより、可撓性外歯車22への入力角度に対する可動側内歯車21からの出力角度における角度伝達誤差の増大が抑制される。
以上のように、この実施形態においては、内歯24,29の実際の歯面24νを、噛み合い面28に対し、その歯元側から歯先側に向かって後退量が徐々に大きくなるように後退させた。従って、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の内歯24,29に歯形誤差が存在しても角度伝達誤差の増大が抑制されるため、撓み噛み合い式歯車装置17の角度伝達誤差の増大を招くことなく、固定側内歯車20及び可動側内歯車21の製造精度を落として生産性を向上することができる。
次に、この発明を具体化した第3実施形態について図14及び図15を用いて説明する。この実施形態は、図10及び図11に示す第1実施形態の変形例における可撓性外歯車22の外歯25の形状を変更したことが異なる。
図14に示すように、可撓性外歯車22の外歯25における円弧部34の歯元側の端部34εに続く歯面領域35の圧力角は、同円弧部34の端部34εの圧力角、すなわち、円弧部34における最小圧力角(例えば20度)と等しくなるようにされている。この歯面領域35の高さλ3は、外歯25の歯高λ4の6分の1〜3分の1の範囲に設定されている。
さて、図15に示すように、可動側内歯車21に対して可撓性外歯車22が高い圧力で当たると、可動側内歯車21及び可撓性外歯車22は弾性変形し、それらの間にラチェッティング(歯飛び)が発生し易くなる。一方、この実施形態においては、外歯25における円弧部34の歯元側の端部34εに続く歯面領域35の圧力角が、同円弧部34の端部34εと同じ最小圧力角に設定されている。このため、外歯25の同歯面領域35と、各内歯24,29の歯面とが噛み合っている部分において、可撓性外歯車22の弾性変形による外歯25の倒れにより噛み合い位置が外歯25の歯元側へ移動しても、最小圧力角が維持されているため、外歯25を乗り上げる分力は増加しない。この結果、可撓性外歯車22と、固定側内歯車20及び可動側内歯車21との間におけるラチェッティングの発生が抑制される。
以上のように、この実施形態においては、可撓性外歯車22の外歯25における円弧部34の歯元側の端部34εに続く歯面領域35の圧力角を、同端部34εの圧力角に等しく設定した。従って、可撓性外歯車22と、固定側内歯車20及び可動側内歯車21との間におけるラチェッティングの発生を抑制して、撓み噛み合い式歯車装置17の角度伝達ずれの発生を抑制することができる。
次に、この発明を具体化した第4実施形態について図16を用いて説明する。この実施形態は、第1実施形態における内歯車20,21の内歯24,29の形状を変更したことが異なる。
図16に示すように、内歯24の噛み合い面28を、理想歯形に対して、固定側内歯車20の中心軸回りの回転移動方向に6〜9分程度後退させることによりバックラッシが設けられている。このため、噛み合い面28,31を構成する歯形が、可撓性外歯車22の回転方向に移動されたことになる。従って、噛み合い面28,31を径方向に移動させてバックラッシを形成した場合とは異なり、ピッチ円等が変更されることを防止でき、角度伝達誤差を抑制して円滑な噛み合いを得ることができる。
以上のように、この実施形態においては、内歯24,29の噛み合い面28,31を固定側内歯車20及び可動側内歯車21の中心軸回りの回転移動方向に後退させることによってバックラッシを形成した。このため、ピッチ延等の変更を防止し、角度伝達誤差を抑制して、可撓性外歯車22と、固定側内歯車20及び可動側内歯車21とを円滑に噛み合わせることができる。
なお、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、固定側内歯車20の歯数を可撓性外歯車22の歯数と一致させるとともに、可動側内歯車21の歯数を可撓性外歯車22の歯数と異ならせてもよい。この場合には、可撓性外歯車22の外歯25の歯先端縁26は、固定側内歯車20において対応する内歯24の噛み合い面28上を摺接し、また、可動側内歯車21の各内歯29の噛み合い面31上を順次摺接する。
また、固定側内歯車20、可動側内歯車21及び可撓性外歯車22の歯数を互いに異ならせてもよい。この場合には、可撓性外歯車22の外歯25の歯先端縁26は、固定側内歯車20の内歯24の噛み合い面28上を順次摺接し、また、可動側内歯車21の各内歯29の噛み合い面31上を順次摺接する。
さらに、ウェーブ・ジェネレータ23を、偏心円、又は、略三角形、略四角形、略五角形等の多角形状に形成し、可撓性外歯車22を固定側内歯車20及び可動側内歯車21に対し、それぞれ1箇所、又は、3箇所、4箇所、5箇所等で噛み合わせてもよい。
【0013】
チェッティングの発生が抑制される。
[0046]
以上のように、この実施形態においては、可撓性外歯車22の外歯25における円弧部34の歯元側の端部34εに続く歯面領域35の圧力角を、同端部34εの圧力角に等しく設定した。従って、可撓性外歯車22と、固定側内歯車20及び可動側内歯車21との間におけるラチェッティングの発生を抑制して、撓み噛み合い式歯車装置17の角度伝達ずれの発生を抑制することができる。
[0047]
次に、この発明を具体化した第4実施形態について図16を用いて説明する。この実施形態は、第1実施形態における内歯車20,21の内歯24,29の形状を変更したことが異なる。
[0048]
図16に示すように、内歯24の噛み合い面28を、理想歯形に対して、固定側内歯車20の中心軸回りの回転移動方向に6〜9分程度後退させることによりバックラッシが設けられている。このため、噛み合い面28,31を構成する歯形が、可撓性外歯車22の回転方向に移動されたことになる。従って、噛み合い面28,31を径方向に移動させてバックラッシを形成した場合とは異なり、ピッチ円等が変更されることを防止でき、角度伝達誤差を抑制して円滑な噛み合いを得ることができる。
[0049]
以上のように、この実施形態においては、内歯24,29の噛み合い面28,31を固定側内歯車20及び可動側内歯車21の中心軸回りの回転移動方向に後退させることによってバックラッシを形成した。このため、ピッチ円等の変更を防止し、角度伝達誤差を抑制して、可撓性外歯車22と、固定側内歯車20及び可動側内歯車21とを円滑に噛み合わせることができる。
[0050]
なお、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、固定側内歯車20の歯数を可撓性外歯車22の歯数と一致させるとともに、可動側内歯車21の歯数を可撓性外歯車22の歯数と異ならせてもよい。この場合には、可撓性外歯車22の外歯25の歯先端縁26は、固定側内歯車20において対応する内歯24の噛み合い面28上を摺接し、また、可動側内歯車21の各内歯29の噛み合い面31上を順次摺接する。
[0051]
また、固定側内歯車20、可動側内歯車21及び可撓性外歯車22の歯数を互いに異ならせてもよい。この場合には、可撓性外歯車22の外歯25の歯先端縁26は、固定側内歯車20の内歯24の噛み合い面28上を順次摺接し、また、可動側内歯車21
チェッティングの発生が抑制される。
[0046]
以上のように、この実施形態においては、可撓性外歯車22の外歯25における円弧部34の歯元側の端部34εに続く歯面領域35の圧力角を、同端部34εの圧力角に等しく設定した。従って、可撓性外歯車22と、固定側内歯車20及び可動側内歯車21との間におけるラチェッティングの発生を抑制して、撓み噛み合い式歯車装置17の角度伝達ずれの発生を抑制することができる。
[0047]
次に、この発明を具体化した第4実施形態について図16を用いて説明する。この実施形態は、第1実施形態における内歯車20,21の内歯24,29の形状を変更したことが異なる。
[0048]
図16に示すように、内歯24の噛み合い面28を、理想歯形に対して、固定側内歯車20の中心軸回りの回転移動方向に6〜9分程度後退させることによりバックラッシが設けられている。このため、噛み合い面28,31を構成する歯形が、可撓性外歯車22の回転方向に移動されたことになる。従って、噛み合い面28,31を径方向に移動させてバックラッシを形成した場合とは異なり、ピッチ円等が変更されることを防止でき、角度伝達誤差を抑制して円滑な噛み合いを得ることができる。
[0049]
以上のように、この実施形態においては、内歯24,29の噛み合い面28,31を固定側内歯車20及び可動側内歯車21の中心軸回りの回転移動方向に後退させることによってバックラッシを形成した。このため、ピッチ円等の変更を防止し、角度伝達誤差を抑制して、可撓性外歯車22と、固定側内歯車20及び可動側内歯車21とを円滑に噛み合わせることができる。
[0050]
なお、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、固定側内歯車20の歯数を可撓性外歯車22の歯数と一致させるとともに、可動側内歯車21の歯数を可撓性外歯車22の歯数と異ならせてもよい。この場合には、可撓性外歯車22の外歯25の歯先端縁26は、固定側内歯車20において対応する内歯24の噛み合い面28上を摺接し、また、可動側内歯車21の各内歯29の噛み合い面31上を順次摺接する。
[0051]
また、固定側内歯車20、可動側内歯車21及び可撓性外歯車22の歯数を互いに異ならせてもよい。この場合には、可撓性外歯車22の外歯25の歯先端縁26は、固定側内歯車20の内歯24の噛み合い面28上を順次摺接し、また、可動側内歯車21
Claims (8)
- 固定側内歯車と、
この固定側内歯車と異なる歯数を有するとともに同固定側内歯車と同軸上において回転可能な可動側内歯車と、
前記固定側内歯車及び可動側内歯車に対してそれぞれ噛み合い可能とされた環状の可撓性外歯車と、
固定側内歯車及び可動側内歯車に対して噛み合うように前記可撓性外歯車内において同可撓性外歯車を相対回転可能に支持し、固定側内歯車及び可動側内歯車に対する可撓性外歯車の噛み合い位置を回転方向へ移動させるウェーブ・ジェネレータとを備えた撓み噛み合い式歯車装置において、
前記固定側内歯車及び可動側内歯車の各内歯の歯面上には、前記可撓性外歯車における各外歯の歯先端縁が前記ウェーブ・ジェネレータの回転に基づいて移動する軌跡と一致する噛み合い面を形成したことを特徴とする撓み噛み合い式歯車装置。 - 前記内歯と前記外歯との間には、前記噛み合い面を前記固定側内歯車及び可動側内歯車の中心軸回りの回転移動方向に後退させることによりバックラッシを設けたことを特徴とする請求項1に記載の撓み噛み合い式歯車装置。
- 前記噛み合い面を、前記内歯の歯元側から歯先側に向かって後退量が徐々に大きくなるように後退させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撓み噛み合い式歯車装置。
- 前記歯先端縁を円弧状としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の撓み噛み合い式歯車装置。
- 前記外歯における歯先端縁の歯元側の端部に続く歯面領域の圧力角を、同端部の圧力角に等しくしたことを特徴とする請求項4に記載の撓み噛み合い式歯車装置。
- 前記可撓性外歯車の逃がし角θαを、前記噛み合い面上の任意の点における接線角θγと、可撓性外歯車の外歯の揺動角θβとに基づき、次式
θα+θβ≦θγ
が成立するように設定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の撓み噛み合い式歯車装置。 - 前記固定側内歯車又は可動側内歯車の歯数と、前記可撓性外歯車の歯数とを一致させたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の撓み噛み合い式歯車装置。
- ステアリングシャフトの回転をピニオンシャフトに伝達するとともに、電動モータの回転出力を減速機を介して前記ピニオンシャフトに伝達することにより、前記ステアリングシャフトに対するピニオンシャフトの回転比を調節可能に構成した車両用ステアリング装置であって、
前記減速機として請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の撓み噛み合い式歯車装置を用いたことを特徴とする車両用ステアリング装置。
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