JPWO2007114468A1 - 噴霧乾燥器、噴霧乾燥方法及び重合体粉体 - Google Patents

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Abstract

本発明の乾燥器は、上端及び下端が開口している円筒状の第1直胴部、該第1直胴部の上端に連続して設けられた、上方に縮径する略円錐状の第1コーン部、該第1コーン部の上端に連続して設けられた円筒状の第2直胴部、固体の溶液または分散液を噴霧する噴霧装置、乾燥用ガスの流れを整流する整流器、及び乾燥用ガスを供給するガス供給口を備え、前記噴霧装置の噴霧口が前記第2直胴部内に配置され、前記整流器が前記第2直胴部内、かつ、前記噴霧口の上部に配置され、前記ガス供給口が前記整流器の上部に配置される。

Description

本発明は、固体の溶液または分散液の乾燥に用いる噴霧乾燥器、該噴霧乾燥器を用いる噴霧乾燥方法、及び該噴霧乾燥方法により得られる重合体粉体に関する。
本願は、2006年4月4日に出願された特願2006−102934号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
噴霧乾燥器を用いて、固体の溶液または分散液から乾燥粒子を得る方法は、食品産業、医薬品産業、化学産業等で多用されている。噴霧乾燥器は、有機材料や無機材料等、種々の材料の乾燥粒子を得るための装置として、従来から広く用いられている。
図4に示す従来の噴霧乾燥器は、固体の溶液または分散液を噴霧すると共に、乾燥用ガスを供給することにより、固体の溶液または分散液を乾燥することが可能な乾燥器100を主体として構成されている。
この乾燥器100の上部には、乾燥器100内に重合体ラテックスを噴霧する噴霧装置110と、乾燥器100内に乾燥用ガスを供給するガス供給口120が設けられており、乾燥器100の下部には粉体排出口130が形成されている。また、乾燥器100の側壁を貫通してガス排出管140が配設されており、該ガス排出管140は、乾燥用ガス中の粉体を捕集する捕集手段200に接続されている。この例において捕集手段200はサイクロン210とバグフィルタ220を備えている。
このような構成の噴霧乾燥器では、固体の溶液または分散液を乾燥して得られた乾燥粒子(粉体)の大部分は、乾燥器100の下部に形成された粉体排出口130から回収される。粉体排出口130から回収されなかった少量の粉体は、乾燥用ガスと共にガス排出管140から排出され、捕集手段200により捕集される(下記、非特許文献1参照。)。
図5は、固体の溶液または分散液を噴霧する噴霧装置310としてノズルアトマイザーを用いた噴霧乾燥器の例である。乾燥器300の上部には、略円錐状のコーン部301が設けられ、このコーン部301内に噴霧装置310が配置されている(下記、特許文献1参照。)。
図5において、符号320は乾燥用ガスを供給するガス供給口を示し、330は粉体排出口を示す。
しかしながら、乾燥器によっては、乾燥器内において乾燥用ガスの流れの乱れにより、乾燥用ガスの上昇流が発生し、これに同伴された乾燥粒子が壁面に付着する例や、噴霧装置に付着する例が見られる。
また、乾燥粒子が乾燥用ガスの上昇流に同伴され、高温の乾燥用ガスと接触するような状態が発生すると、その温度により、乾燥粒子の品質が著しく低下する場合がある。食品や医薬品では、乾燥粒子が必要以上に高温に曝されることによって、必要な成分の揮発や変質が生じる。あるいは、乾燥粒子同士が融着して粗大粒子となり、その品質を低下させる。乾燥粒子の機能として分散性が必要な場合は、その分散性を著しく低下させる。乾燥粒子の成分によっては酸化反応が促進されて着色が生じる。さらには、発火に達する場合もある。
非特許文献1に記載されている方法では、図4の乾燥器100の内壁に多量の粉体が付着した場合には、付着した粉体が塊となって落下するおそれがある。粉体が塊となって落下することにより、粉体排出口130が閉塞され、連続運転ができなくなる。また、粉体の収率が低下するため好ましくない。
噴霧装置110に粉体が付着した場合には、固体溶液または分散液の噴霧微粒化が不能となり、運転が出来なくなるため好ましくない。
特許文献1では、図5に示すように、乾燥器300の上部に略円錐状のコーン部301を設け、コーン部と直胴部の境界部に噴霧口を設けて、乾燥器内で発生する乾燥用ガスの上昇流及びこれによる粗大粒子の生成を防止する方法が記載されている。
特許文献1に記載のように、コーン部の開き角度、及び、コーン部入口径(DIN)と乾燥器直胴部の径(D)との比(DIN/D)を特定の範囲とすることで、上昇流の発生を低減させることはできる。
しかし、一般的にコーン部の上端から流入した乾燥用ガスは、乾燥器の直胴部に広がる過程で上昇流が発生しやすい。特許文献1に記載された方法でも、乾燥用ガスの吹き出し速度やノズルアトマイザーの微粒化用ガスの量によっては、上昇流が発生してしまう。このため、乾燥器300の内壁及び噴霧装置310への粉体の付着を防止することや、得られる粉体の品質の低下を防ぐことは困難であった。
また、コーン部から流入する乾燥用ガスを、上昇流を発生させずにコーン部や乾燥器の直胴部に供給するには、極めて高度に乾燥用ガスの流れを制御することが必要であり、高度な技術が必要となる。また、それを実現するための機構を必要とすることは、工業的に不利である。
ケイス・マスターズ(KEITH MASTERS)著,「スプレー・ドライイング・ハンドブック(Spray Drying Handbook)」,(発行国:アメリカ合衆国),第5版,発行所:Longman Scientific & Technical,発行日:1991年,p.353−362 特開平9−71608号公報
本発明は、乾燥器内壁及び噴霧装置への粉体の付着を防止し、熱による粉体の変質を防ぐことを課題とする。本発明は、さらに、噴霧装置近傍での乾燥用ガスの上昇流を発生させない噴霧乾燥器、該噴霧乾燥器を用いる噴霧乾燥方法、及び該噴霧乾燥方法により得られる、高分散性を有する重合体粉体を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の位置に噴霧装置の噴霧口と、乾燥用ガスの流れを整流する整流器と、乾燥用ガスを供給するガス供給口とを備えた噴霧乾燥器を用いることで、噴霧装置近傍での乾燥用ガスの上昇流を発生させず、乾燥器内壁及び噴霧装置への粉体の付着を防止し、熱による粉体の変質を防ぐことが可能であることを見出した。
即ち、本発明の噴霧乾燥器は、乾燥器内に乾燥用ガスを供給すると共に、固体の溶液または分散液を噴霧することにより、固体の溶液または分散液を乾燥させる噴霧乾燥器において、前記乾燥器が、上端及び下端が開口している円筒状の第1直胴部、該第1直胴部の上端に連続して設けられた、上方に縮径する略円錐状の第1コーン部、該第1コーン部の上端に連続して設けられた円筒状の第2直胴部、固体の溶液または分散液を噴霧する噴霧装置、乾燥用ガスの流れを整流する整流器、及び乾燥用ガスを供給するガス供給口を備え、前記噴霧装置の噴霧口が前記第2直胴部内に配置され、前記整流器が前記第2直胴部内、かつ、前記噴霧口の上部に配置され、前記ガス供給口が前記整流器の上部に配置されたことを主旨とする。
本発明の噴霧乾燥器は、第1コーン部の内周面の傾き角度θが下記式1を満たし、第1直胴部の内径Dと第2直胴部の内径Dtとの比(Dt/D)が下記式2を満たすことが好ましい。
式1: 70≦θ≦85 [度]
式2: 0.6≦Dt/D≦0.8
本発明の噴霧乾燥方法は、前記の噴霧乾燥器を用い、噴霧装置として二流体ノズル式噴霧装置を用い、第2直胴部内の乾燥用ガスの断面平均風速Utと、二流体ノズル式噴霧装置の噴霧用ガスの吹き出し断面平均風速Unとの比(Un/Ut)が下記式3を満たし、Unが式4を満たす。
式3: 10≦Un/Ut≦800
式4: 10≦Un≦400 [m/秒]
本発明の重合体粉体は、前記の噴霧乾燥方法により得られる。
本発明の噴霧乾燥器によれば、噴霧装置近傍での乾燥用ガスの上昇流を発生させず、乾燥器内壁及び噴霧装置への粉体の付着を防止することができる。
本発明の噴霧乾燥方法によれば、粉体の熱による変質を防ぎ、固体の溶液または分散液から粉体を得ることができる。
本発明の重合体粉体は、熱による変質がなく、必要とされる品質や分散性を有する。
本発明に係る実施形態の噴霧乾燥器の全体構造を示す、概略断面図である。 本発明に係る別の実施形態の噴霧乾燥機の全体構造を示す、概略断面図である。 本発明に係る別の実施形態の噴霧乾燥機の全体構造を示す、概略断面図である。 従来の噴霧乾燥器の全体構造の一例を示す、概略構成図である。 従来の噴霧乾燥器の全体構造の他の例を示す、概略構成図である。
符号の説明
10 乾燥器
11 第1コーン部
12 第1直胴部
13 噴霧装置
14 第2直胴部
15 粉体排出口
16 乾燥用ガス排出管
17 第2コーン部
18 整流器
30 サイクロン
31 粉体回収口
32 排出口
40 バグフィルタ
50 捕集手段
70 配管
80 排出管
以下、本発明に係る実施形態について詳述する。
図1は、本発明の固体溶液または分散液を乾燥させる噴霧乾燥器(以下、単に「噴霧乾燥器」と称することがある。)の一実施形態を示す概略断面図である。
本実施形態の噴霧乾燥器は、乾燥器10を主体として構成されている。乾燥器10は中空であり、その内部に乾燥用ガスを供給すると共に、固体の溶液または分散液を噴霧することにより、該乾燥器10内で固体の溶液または分散液を乾燥させることができる。
本実施形態において、乾燥器10は、上端及び下端が開口している円筒状の第1直胴部12、第1直胴部12の上端に連続して設けられた、上方に縮径する略円錐状の第1コーン部11、第1コーン部11の上端に連続して設けられた円筒状の第2直胴部14、固体の溶液または分散液を噴霧する噴霧装置13、乾燥用ガスの流れを整流する整流器18、及び乾燥用ガスを供給するガス供給口14aを備える。
また、第1直胴部12の下端には、下方に縮径する略円錐状の第2コーン部17が連続して設けられている。
第2直胴部14内には、固体の溶液または分散液を下に向かって噴霧する噴霧装置13の噴霧口、及び、整流器18が配置される。整流器18は、噴霧口の上部に配置される。
ガス供給口14aは、整流器18の上部に配置される。ガス供給口14aは、乾燥用ガス供給管20と連通している。
噴霧装置13の噴霧口が設けられている第2直胴部14内で、乾燥用ガスの風速が均一であることは特に重要である。乾燥用ガスの風速を均一とするため、噴霧口の上部に、整流器18を設ける。これにより、ガス供給口14aから乾燥器内へ流れる乾燥用ガスは、第2直胴部14内での風速が均一となる。
第2直胴部14内での乾燥用ガスの風速が均一な状態で、固体の溶液または分散液を噴霧することにより、噴霧口の下部で乾燥用ガスの逆流(上昇流)が発生しても、その上昇流が噴霧口よりも上部に達することを防ぐことができる。上昇流が噴霧口よりも上部に達しなければ、上昇流に同伴した乾燥粒子(粉体)が、高温の乾燥用ガスと接触する可能性のある噴霧口よりも上部の乾燥器内壁及び噴霧装置への付着が防止されるため、得られる粉体は熱による変質がなく、必要とされる品質や分散性を有する。
第2直胴部14内に、整流器18を設けることにより、ガス供給口14aの形状や大きさは、自由に選定することができる。さらには、乾燥用ガス供給管20の形状や大きさも自由に選定することができる。ガス供給口14aや、乾燥用ガス供給管20の形状や大きさに制限がなければ、乾燥用ガスの量や温度によって、ガス供給口や乾燥用ガス供給管の形状や大きさを自由に選定することができるので、工業的には極めて有益である。
整流器18としては、風速を均一にする効果を達成できればその形状や方式に制限はない。具体例としては、格子形状やハニカム形状を有する整流管やパンチングプレート等が挙げられる。整流器18は、その圧力損失を予め計算しておくことが好ましい。圧力損失が大きすぎると、所望のガス風量が得られない可能性がある。また、圧力損失が小さすぎるものは、整流効果が不十分となりやすい。従って、これらの不都合が生じないように、整流器の方式や形状等を選択することが好ましい。
第1コーン部11の内周面の傾き角度θは、第1コーン部11の内周面と、第1直胴部12の中心軸Pに垂直な面とのなす角度である。該傾き角度θは、70度以上、85度以下が好ましい。
該傾き角度θが70度以上であれば、第1コーン部11の内周面が下方に向かって急激に拡径することがないため、第2直胴部14から第1コーン部に流入するガスが均一に広がる。これにより、乾燥用ガスの上昇流が発生しなくなる。85度以下であれば、第2直胴部の内径が大きくならず、第2直胴部での整流器が大型化しない。
第1直胴部12の内径Dと第2直胴部14の内径Dtとの比(Dt/D)は、0.6以上、0.8以下が好ましい。
Dt/Dが0.6以上であれば、第1コーン部に流入する乾燥用ガスが第1直胴部に向けて流れる過程で均一に広がる。これにより、乾燥用ガスの上昇流が発生しなくなる。また、前述した第1コーン部の好ましい角度を満たす場合に、第1コーン部が長すぎることがない。0.8以下であれば、第2直胴部の内径が大きくならず、第2直胴部での整流器が大型化しない。
噴霧装置13としては、回転ディスク式、二流体ノズル式、加圧ノズル式等、噴霧乾燥に用いられる公知の噴霧装置を用いることができる。これらの中では、固体の溶液または分散液の微粒化の効率が高いことから、二流体ノズル式、加圧ノズル式等のノズル式噴霧装置が好ましく、二流体ノズル式がより好ましい。
但し、二流体ノズル式噴霧装置は、噴霧用ガスの吹き出し速度が大きく、乾燥器内の乾燥用ガスの流れに強く影響を与え、上昇流を発生させやすい。このため、乾燥用ガスの平均風速と、噴霧用ガスの平均風速を特定の範囲とすることが必要である。
本発明において、噴霧装置として二流体ノズル式噴霧装置を用いる場合、噴霧口が備えられた第2直胴部14内における乾燥用ガスの断面平均風速Utと、二流体ノズル式噴霧装置の噴霧用ガスの吹き出し断面平均風速Unとの比(Un/Ut)は、10以上、800以下が好ましい。
Un/Utが10以上であれば、噴霧用ガスの吹き出し速度が大きく、微粒化された粉体が得られる。または、乾燥用ガスの風速が大きすぎず、経済的である。800以下であれば、噴霧用ガスの吹き出しによる上昇流が、発生しなくなる。
Un/Utは50以上がより好ましい。また、400以下がより好ましい。
二流体ノズル式噴霧装置の噴霧用ガスの吹き出し断面平均風速Unは、10[m/秒]以上、400[m/秒]以下が好ましい。
Unが10[m/秒]以上であれば、噴霧用ガスの吹き出し速度が大きく、微粒化された粉体が得られる。Unが400[m/秒]以下であれば、噴霧用ガスの送風に多大なエネルギーを必要とせず、上昇流が発生しなくなる。
Unは80[m/秒]以上がより好ましい。また、300[m/秒]以下がより好ましい。
第2直胴部14内における乾燥用ガスの断面平均風速Utは、0.1[m/秒]以上、4.0[m/秒]以下が好ましく、0.5[m/秒]以上、2.0[m/秒]以下がより好ましい。
本発明におけるUn及びUtは、使用温度におけるガスの体積流量を断面積で割ったものを用いる。Unでは噴霧用ガスの吹き出し部の断面積を用い、Utでは第2直胴部14の断面積を用いる。
また、熱線風速計やピトー管式風速計等、公知の各種風速計を用いて測定することもできる。
本発明において、噴霧装置13の噴霧口は、第2直胴部14の空間に、固体の溶液または分散液を均一に噴霧できるように設けることが好ましい。噴霧口が1つの場合は、噴霧口の中心部が第2直胴部14の中心軸(第1直胴部12の中心軸)P上に位置するように設けることが好ましい。
噴霧口は2つ以上設けてもよく、さらに複数の噴霧口から、異なる種類の固体の溶液または分散液が噴霧されるように構成してもよい。噴霧口が2つ以上の場合は、固体の溶液または分散液を均一に噴霧するために、第2直胴部14の中心軸Pを中心とした同心円状に、均等な間隔をおいて配置することが好ましい。
第1直胴部12の内径(D)と第1直胴部の高さ(H)の比(H/D)は噴霧装置によって異なるが、0.6以上、5以下が好ましい。噴霧装置が回転ディスク式であれば、0.6以上、1以下が好ましい。ノズル式噴霧装置であれば、3以上、4以下が好ましい。
直胴部12の下端に設けられている第2コーン部17は、下方に縮径する略円錐状となっている。第2コーン部17の下部は、固体の溶液または分散液を乾燥して得られた乾燥粒子(粉体)を排出する粉体排出口15となっている。
第2コーン部17の内周面と、第1直胴部12の中心軸Pに垂直な面とのなす角度(コーン部内周面の傾き角度)βは、特に限定されないが、大きすぎると、粉体排出口15が大きくなりすぎ、粉体回収をするための大規模な設備が必要になる。また、粉体排出口径を小さくしようとすると、コーン部が長くなるため好ましくない。βが小さすぎると、乾燥粒子がコーン部から滑り落ちてこなくなるため好ましくない。従って、50度以上、70度以下が好ましく、60度以上、65度以下がより好ましい。
図1では、乾燥器10の外部に捕集手段50が設けられている。捕集手段50と第2コーン部17は、第2コーン部17の壁面を貫通して側方に延びる乾燥用ガス排出管16を介して連通している。これにより、粉体排出口15で回収されなかった粒子径の小さい粉体が、乾燥用ガスに同伴されて、乾燥用ガス排出管16から捕集手段50へ送られる。
本発明は、これに限定されるものではなく、乾燥用ガス排出管16は、第1直胴部12の壁面や、第1直胴部12と第2コーン部17の境界を含む壁面を貫通していても良い。
また、図2のように、第2コーン部17の下部に乾燥用ガス排出管16が直接に連通している場合や、図3のように、第2コーン部17の下部に粉体排出口15を有する短管を連通させ、該短管に乾燥用ガス排出管を連通させても良い。
捕集手段50は、乾燥用ガス排出管16から排出された乾燥用ガス中から、乾燥粒子を分離して回収する装置である。捕集手段50としては、例えば、サイクロン、バグフィルタ、スクラバー等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
例えば、図1では、乾燥用ガス排出管16はサイクロン30に接続されている。粉体排出口15から排出されなかった粒子径の小さい粉体は、乾燥用ガスと共にサイクロン30に流入する。サイクロン30に流入された粉体のうち、比較的大きい粒子は、サイクロン30の下部に設けられた粉体回収口31から回収される。比較的粒子径が小さい残りの粉体は、乾燥用ガスと共にサイクロン30の頭部に設けられた排出口32から排出される。
サイクロン30の排出口32は、配管70を介してバグフィルタ40に接続されている。サイクロン30の粉体回収口31から回収されなかった粒子径の小さい粉体は、乾燥用ガスと共にバグフィルタ40に流入する。バグフィルタ40では、残りのすべての粉体が捕集され、乾燥用ガスのみがバグフィルタ40の排出管80から排出される。
図1では、捕集手段50はサイクロン30とバグフィルタ40とから概略構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。
排出管80から排出された乾燥用ガスには粉体が含有されていないので、この排出ガスの一部もしくは全部を再度加熱して、乾燥器10に供給する乾燥用ガスとして再利用することができる。なお、乾燥用ガスの少なくとも一部を循環させて再利用する場合には、必要に応じて冷却操作等を行ない、乾燥によって気化した成分を循環経路から排出させることが好ましい。
本発明において噴霧乾燥の対象である固体の溶液または分散液は、特に限定されるものではない。噴霧装置により微粒化が可能であり、乾燥器内で溶媒や分散媒を揮発させることが可能であり、乾燥粒子を得ることができるものであれば、噴霧乾燥の対象とすることができる。例えば、食品、医薬品、洗剤や肥料等の合成化学品、合成樹脂、顔料やセラミック等の無機材料等の溶液または分散液が使用できる。溶媒や分散媒にも制限はなく、例えば、水や溶剤等が使用できる。
本発明は、乾燥用ガスの上昇流の発生を防止し、上昇流に同伴された乾燥粒子の乾燥器の内壁及び噴霧装置への付着を防止する。これにより、乾燥粒子の熱による変質を防止できるため、食品、医薬品、及び合成樹脂に対して好適である。
本発明で用いる固体の溶液または分散液は、重合体ラテックスであることが好ましい。本発明の噴霧乾燥方法により重合体粉体を得ることが、より好適である。
本発明における重合体ラテックスとしては、例えば、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、不飽和酸単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体等の単量体を、単独重合または共重合して得られる重合体ラテックス;前記の単量体を用いてシード重合またはグラフト重合して得られる重合体ラテックス等が挙げられる。
また、ジエン系共重合体、アクリル系ゴム質重合体、シリコーン系ゴム質重合体等のゴム質重合体に、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体等をグラフト重合して得られる重合体ラテックスも挙げられる。
これらの重合体ラテックスの重合方法としては、公知の乳化重合法等を用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩、有機過酸化物、アゾ化合物、前記過硫酸塩と還元剤の組み合わせからなるレドックス系開始剤、前記有機化酸化物と還元剤の組み合わせからなるレドックス系開始剤等が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤等が挙げられる。
また、重合体ラテックスの重合には、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレンジメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどの架橋剤や、メルカプタン類、テレペン類等の連鎖移動剤を用いることもできる。
乾燥器10内に供給される乾燥用ガスは、特に限定されるものではないが、空気、窒素、二酸化炭素等を例示することができる。また、水蒸気を含有するガスを用いてもよい。但し、水蒸気を含有するガスを用いる場合には、乾燥器10内で結露が発生しないように、乾燥用ガスの水蒸気圧を、乾燥器10内の飽和水蒸気圧よりも低くなるように設定する必要がある。
乾燥用ガスの温度は、乾燥させる固体の溶液または分散液の性質に応じて適宜設定される。合成樹脂の重合体ラテックスの場合であれば、一般的には、乾燥器10の入口温度、具体的には、乾燥用ガス供給管20からガス供給口14aを通じて供給される乾燥用ガスの温度は、100℃以上、400℃以下が好ましく、120℃以上、300℃以下がより好ましい。
乾燥器10の出口温度、具体的には乾燥用ガス排出管16を通る乾燥用ガスの温度は、60℃以上、80℃以下が好ましく、65℃以上、75℃以下がより好ましい。
乾燥器10は、本実施形態のものに限らず、本発明の範囲内で適宜設計の変更が可能である。
噴霧装置13の噴霧口を設ける位置は、第2直胴部の空間内であれば特に制限はない。本実施例においては、噴霧装置13の噴霧口を第1コーン部11と第2直胴部14との境界部近傍に設けたが、これに限定されるものではない。
本実施形態の噴霧乾燥方法によれば、噴霧装置13の噴霧口近傍での乾燥用ガスの上昇流を防ぐことができるため、乾燥器10の内壁および噴霧装置13への粉体の付着を防止することができる。その結果、長時間の安定した連続運転が可能であり、乾燥粒子の回収率が高い。
また、上昇流に同伴される乾燥粒子がなくなり、乾燥器10内での粉体の滞在時間が、乾燥粒子の粒子径に関わらず一定となる。これにより、噴霧装置13から噴霧される液滴径の分布に応じた、乾燥粒子の粒径分布が得られる。これは、乾燥粒子の粒径分布を制御する際に好適である。
さらに、乾燥器10内での滞在時間が一定であれば、安定した物性を有する乾燥粒子が得られると共に、乾燥粒子が乾燥用ガスに必要以上にさらされることがなくなる。これにより、乾燥粒子が必要以上の熱履歴を受けることがなくなり、乾燥粒子の持つ性能を充分に発揮させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下において、特に断りがない限り、「部」は質量部であり、「%」は質量%である。
<重合体ラテックスの固形分>
以下の手順により、重合体ラテックスの固形分を測定した。
1:電子天秤を用いて、アルミ皿の質量を測定する (質量1)
2:重合体ラテックス約10gをアルミ皿に取り、全体の質量を測定する (質量2)
3:熱風乾燥機を用い、上記の試料を120℃で2時間乾燥させる。
4:乾燥後の試料をデシケーターに取り、冷却する。
5:冷却後の試料の質量を測定する (質量3)
6:以下の計算により、重合体ラテックスの固形分を算出する。
重合体ラテックスの固形分=(質量2−質量1)/(質量3−質量1)×100[%]
<重合体ラテックスの質量平均粒子径>
以下の手順により、重合体ラテックスの質量平均粒子径を測定した。
得られたラテックスを脱イオン水で希釈し、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(LA−910:堀場製作所(株)製)を用いて測定した。
<製造例1>
重合体ラテックス(A)の製造:
温度計、冷却管、窒素導入管、攪拌翼を備えたセパラブルフラスコに、下記の原料混合物を仕込み、窒素置換を行なった後、攪拌しながら昇温を開始した。
原料混合物:
アルケニルコハク酸ジカリウム 1部
メチルメタクリレート 80部
ブチルアクリレート 20部
n−オクチルメルカプタン 0.03部
脱イオン水 260部
フラスコ内の温度が45℃に到達した時点で、下記の開始剤混合物をフラスコ内に投入し、重合を開始した。69℃で2時間保持し、重合を終了させた。
開始剤混合物:
過硫酸カリウム 2.0部
脱イオン水 10部
得られた重合体ラテックス(A)の固形分は26.9%、質量平均粒子径は90nmであった。
<製造例2>
重合体ラテックス(B)の製造:
温度計、冷却管、窒素導入管、攪拌翼を備えたセパラブルフラスコに、下記の原料混合物を仕込み、窒素置換を行なった後、攪拌しながら昇温を開始した。
原料混合物:
ラウリル硫酸ナトリウム 0.0017部
(エマール2Fニードル:花王(株)製)
メチルメタクリレート 11.9部
ブチルメタクリレート 5.1部
脱イオン水 52.9部
フラスコ内の温度が80℃に到達した時点で、下記の開始剤混合物をフラスコ内に投入し、重合を開始した。
開始剤混合物:
過硫酸カリウム 0.006部
脱イオン水 4部
重合開始から45分後に、下記の乳化分散液を、フラスコ内に100分かけて滴下した。乳化分散液の滴下中は、フラスコの内温を80℃以上、81℃以下の範囲に温度調整した。乳化分散液の滴下終了後、80℃で90分間保持し、重合を終了させた。
乳化分散液:
ラウリル硫酸ナトリウム 0.23部
(エマール2Fニードル:花王(株)製)
メチルメタクリレート 58.1部
ブチルメタクリレート 24.9部
脱イオン水 40.9部
(上記の原料混合物を、TKホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、3000rpmで1分間混合して調整した)
得られた重合体ラテックスの固形分は50.4%、質量平均粒子径は540nmであった。
噴霧乾燥条件が重合体ラテックス(A)と同じになるように、得られた重合体ラテックスを脱イオン水で希釈して固形分を26.9%に調整した。これを重合体ラテックス(B)とする。
<実施例1>
得られた重合体ラテックス(A)を用い、図1に示す構成の噴霧乾燥器を用いて噴霧乾燥した。
用いた噴霧乾燥器は、第1直胴部12の内径(D)が0.4m、第1直胴部の高さ(H)が1.25mである。
第1コーン部11の傾き角度(θ)、第2直胴部14の内径(Dt)は、表1に示す通りである。
整流器18として、孔径3.0mm、ピッチ5.0mm、孔形状は丸、厚み2.0mmの60度千鳥抜きのパンチングプレートを用いた。噴霧装置13として、二流体ノズル(BIMJ20075:いけうち(株)製)を用いた。
乾燥用ガスには、大気を熱風発生装置(TSK−41:竹綱製作所製)により加熱したものを用いた。乾燥用ガスの入口温度(乾燥用ガス供給管20の出口から出るガスの温度)は150℃である。噴霧乾燥中の、乾燥用ガスの出口温度(乾燥用ガス排出管16を通る乾燥用ガスの温度)は70℃であった。
乾燥用ガス供給口14aから乾燥器10内に導入される乾燥用ガスの風量は、表1に示す通りである。
先ず、乾燥用ガス供給管20から、乾燥器10内に乾燥用ガスを供給し、乾燥器10内に乾燥用ガスが充満した状態とした。重合体ラテックス(A)をローラーポンプ(RP−NB:古江サイエンス(株)製)を用いて、120ml/分の流量で噴霧装置13に供給した。また、微粒化用の空気を、圧力0.4MPaに調整して噴霧装置13に供給した。このときの、噴霧用ガスの吹き出し断面平均風速Unは、表1に示す通りである。
噴霧口の位置は、第2直胴部14と第1コーン部11の境界面より100mm上方である。
こうして、空気と混合された重合体ラテックス(A)を、乾燥器下方に向かって噴霧して重合体粉体を得た。噴霧乾燥器の運転は、3時間連続して行なった。
なお、重合体ラテックス(A)を噴霧する前の準備段階として、水の噴霧工程を設けた。この、水の噴霧工程中に、第2直胴部14内における乾燥用ガスの断面平均風速Utを、熱線風速計を用いて測定した。結果を表1に示す。
乾燥器10内における上昇流の発生の有無、乾燥器10の内壁及び噴霧装置への粉体の付着の有無を、後述の方法で評価した。結果を表1に示す。
<実施例2>
乾燥用ガスの風量を5.2m/分に変更した以外は、実施例1と同様にして重合体ラテックス(A)の噴霧乾燥を行なった。結果を表1に示す。
<実施例3>
第2直胴部14の内径Dtを0.174mに変更した以外は、実施例1と同様にして重合体ラテックス(A)の噴霧乾燥を行なった。結果を表1に示す。
<実施例4>
第1コーン部の内周面の傾き角度θを60度に変更した以外は、実施例1と同様にして重合体ラテックス(A)の噴霧乾燥を行なった。結果を表1に示す。
<比較例1>
整流器18(パンチングプレート)を取外したこと以外は、実施例1と同様にして重合体ラテックス(A)の噴霧乾燥を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
噴霧装置13の噴霧口の位置を第1コーン部の中央とした以外は、実施例1と同様にして重合体ラテックス(A)の噴霧乾燥を行なった。結果を表1に示す。
Figure 2007114468
<実施例5>
実施例1と同様の方法で、重合体ラテックス(B)の噴霧乾燥を行なった。得られた重合体粉体(超音波照射前)の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率は3.2%であった。
乾燥器10内における上昇流の発生の有無、乾燥器10の内壁及び噴霧装置への粉体の付着の有無、得られた重合体粉体の解砕性を、後述の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例6>
乾燥用ガスの風量を5.2m/分に変更した以外は、実施例5と同様にして重合体ラテックス(B)の噴霧乾燥を行なった。得られた重合体粉体(超音波照射前)の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率は3.8%であった。
結果を表2に示す。
<実施例7>
第2直胴部14の内径Dtを0.174mに変更した以外は、実施例5と同様にして重合体ラテックス(B)の噴霧乾燥を行なった。得られた重合体粉体(超音波照射前)の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率は3.8%であった。
結果を表2に示す。
<実施例8>
第1コーン部の内周面の傾き角度θを60度に変更した以外は、実施例5と同様にして重合体ラテックス(B)の噴霧乾燥を行なった。得られた重合体粉体(超音波照射前)の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率は2.9%であった。
結果を表2に示す。
<比較例3>
整流器18(パンチングプレート)を取外したこと以外は、実施例5と同様にして重合体ラテックス(B)の噴霧乾燥を行なった。得られた重合体粉体(超音波照射前)の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率は2.4%であった。
結果を表2に示す。
<比較例4>
噴霧装置13の噴霧口の位置を第1コーン部の中央とした以外は、実施例5と同様にして重合体ラテックス(B)の噴霧乾燥を行なった。得られた重合体粉体(超音波照射前)の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率は4.3%であった。
結果を表2に示す。
Figure 2007114468
各実施例及び比較例における評価項目は、以下の通りである。
<乾燥器内における上昇流の発生の有無>
乾燥用ガスの導入中に、乾燥器10内にスモークテスターを用いて連続的に煙を流し込み、乾燥器10内における乾燥用ガスの流動状態を目視により観察した。
噴霧装置13の噴霧口のある断面(第1直胴部12の中心軸Pに垂直な面)での、上昇流の発生の有無を、下記の判定基準に基づいて評価した。
判定基準:
A:上昇流がまったく発生しない。
B:瞬間的にわずかな上昇流がたびたび発生するが、下降流が主体である。
C:定常的に上昇流が発生している。
<乾燥器の内壁及び噴霧装置への粉体の付着の有無>
噴霧乾燥終了後に、乾燥器10内を目視により観察し、乾燥機の内壁及び噴霧装置への粉体の付着を、下記の判定基準に基づいて評価した。
判定基準:
A:粉体が全く付着していない。
B:粉体が付着しているが、付着した粉体の厚みは、運転時間の経過に伴って増加していない。
C:粉体が付着しており、付着した粉体が落下するくらい厚く付着している。
<重合体粉体の解砕性>
得られた重合体粉体を脱イオン水に分散させ、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(LA−910:堀場製作所(株)製)を用い、超音波照射(40W×5分)後の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率[%]を測定した。
脱イオン水に分散させる重合体粉体の量は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置の最適計測範囲となるように適宜調整した。重合体粉体の解砕性を、下記の判定基準に基づいて評価した。
A:35%を超える(分散性が良好な状態)
B:25%以上、35%以下(分散性が満足できる状態)
C:25%未満(分散性が低下し、品質に問題がある状態)
表1、2の結果より、実施例1、2及び実施例5、6では、乾燥器10内における上昇流の発生が見られなかった。また、乾燥器10の内壁及び噴霧装置への粉体の付着も見られなかった。
実施例5、6で得られた重合体粉体は、超音波照射(40W×5分)後の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率が47.0%、46.3%であり、解砕性が良好であった。
Dt/Dを0.435とした実施例3、実施例7では、噴霧装置13の噴霧口のある断面で、瞬間的にわずかな上昇流がたびたび発生した。この上昇流に同伴した重合体粉体が、噴霧装置近傍に到達したが、付着した粉体の厚みは、運転時間の経過に伴って増加することはなかった。
実施例7で得られた重合体粉体は、超音波照射(40W×5分)後の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率が30.5%であった。
第1コーン部の内周面の傾き角度θを60度とした実施例4、実施例8では、噴霧装置13の噴霧口のある断面で、瞬間的にわずかな上昇流がたびたび発生した。この上昇流に同伴した重合体粉体が、噴霧装置近傍に到達したが、付着した粉体の厚みは、運転時間の経過に伴って増加することはなかった。
実施例8で得られた重合体粉体は、超音波照射(40W×5分)後の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率が32.5%であった。
これに対して、整流器18(パンチングプレート)を取外した比較例1、比較例3では、噴霧装置13の噴霧口のある断面で、定常的に激しい上昇流が発生した。この上昇流に同伴した重合体粉体が、噴霧装置近傍に到達し、粉体の付着が見られた。粉体の付着は、運転時間の経過に伴って増加した。
比較例3で得られた重合体粉体は、超音波照射(40W×5分)後の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率が20.8%であり、解砕性が大幅に低下していた。
噴霧装置13の噴霧口の位置を第1コーン部の中央とした比較例2、比較例4では、噴霧装置13の噴霧口のある断面で、定常的に激しい上昇流が発生した。この上昇流に同伴した重合体粉体が、噴霧装置近傍に到達し、粉体の付着が見られた。粉体の付着は、運転時間の経過に伴って増加した。
比較例4で得られた重合体粉体は、超音波照射(40W×5分)後の、質量平均粒子径1μm未満の粒子の比率が23.4%であり、解砕性が大幅に低下していた。
本発明の噴霧乾燥器によれば、噴霧装置近傍での乾燥用ガスの上昇流を発生させず、乾燥器内壁及び噴霧装置への粉体の付着を防止することができる。
本発明の噴霧乾燥方法によれば、粉体の熱による変質を防ぎ、固体の溶液または分散液から粉体を得ることができる。
本発明の重合体粉体は、熱による変質がなく、必要とされる品質や分散性を有する。

Claims (4)

  1. 乾燥器内に乾燥用ガスを供給すると共に、固体の溶液または分散液を噴霧することにより、固体の溶液または分散液を乾燥させる噴霧乾燥器において、
    前記乾燥器が、上端及び下端が開口している円筒状の第1直胴部、該第1直胴部の上端に連続して設けられた、上方に縮径する略円錐状の第1コーン部、該第1コーン部の上端に連続して設けられた円筒状の第2直胴部、固体の溶液または分散液を噴霧する噴霧装置、乾燥用ガスの流れを整流する整流器、及び乾燥用ガスを供給するガス供給口を備え、
    前記噴霧装置の噴霧口が前記第2直胴部内に配置され、前記整流器が前記第2直胴部内、かつ、前記噴霧口の上部に配置され、前記ガス供給口が前記整流器の上部に配置された噴霧乾燥器。
  2. 第1コーン部の内周面の傾き角度θが下記式1を満たし、
    第1直胴部の内径Dと第2直胴部の内径Dtとの比(Dt/D)が下記式2を満たす、請求項1記載の噴霧乾燥器。
    式1: 70≦θ≦85 [度]
    式2: 0.6≦Dt/D≦0.8
  3. 噴霧装置として二流体ノズル式噴霧装置を用い、
    第2直胴部内の乾燥用ガスの断面平均風速Utと、二流体ノズル式噴霧装置の噴霧用ガスの吹き出し断面平均風速Unとの比(Un/Ut)が下記式3を満たし、
    Unが下記式4を満たす、請求項1又は2記載の噴霧乾燥器を用いる、噴霧乾燥方法。
    式3: 10≦Un/Ut≦800
    式4: 10≦Un≦400 [m/秒]
  4. 請求項3記載の噴霧乾燥方法により得られる重合体粉体。
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