図1は実施例に係るマルチビュー表示装置の基本構成を説明するための図である。この表示装置は、図1に示すように、表示制御部10、表示手段としての表示部100等から構成されている。表示制御部10は、供給源としての第1の画像ソース300Aから画像データDT1が供給されると共に供給源としての第2の画像ソース300Bから画像データDT2が供給されて、これら第1及び第2の画像データDT1,DT2からなる画像データADTを共通の表示部100へ出力する。尚、表示制御部10の具体的な構成については後述する。また、第1及び第2の画像ソース300A,300Bは、後述するカメラ、TV受信部、DVD再生部、HD再生部、ナビゲーション部等で構成される。
表示部100は、後述するように、液晶パネル、バックライト、視差バリア等から構成されており、第1の画像データDT1に基づく第1の画像IM1を右方向から観察者OBRが視認できると共に第2の画像データDT2に基づく第2の画像IM2を左方向から観察者OBLが視認できるように共通の表示画面に表示する。尚、表示部100の具体的な構成については後述する。
図2は実施例1に係る表示装置を車両へ適用した例を示す斜視図である。表示部100は、図2に示すように、車両のダッシュボード部分の運転席DSと助手席ASとの間に配置される。また、表示部100には、表示装置を手動で操作するための操作部150が設けられている。図2に示すケースにおいては、運転席DSに着席した乗員が上記の観察者OBRとなり、助手席ASに着席した乗員が上記の観察者OBLとなる。そして、これらの搭乗者は、それぞれ運転席DS側又は助手席AS側から表示部100に表示された異なる第1の画像IM1及び第2の画像IM2を同時に観ることができる。
図3ないし図9は実施例1に係る表示装置の具体的な構成を示す図であって、図3は表示装置の機能ブロック図、図4は制御部の構成を示す機能ブロック図、図5は第1及び第2の画質調整回路の機能ブロック図、図6は画像出力部の機能ブロック図、図7は液晶パネルの断面構造及び作用を説明するための図、図8は液晶パネルの正面図、及び図9はTFT基板の回路図である。
この表示装置は、図3に示すように、表示部100加えて、制御部20、分配回路30、第1及び第2の画質調整回路50A,50B、画像出力部70等から構成されている。尚、上記した表示制御部10は、制御部20、分配回路30、第1及び第2の画質調整回路50A,50B、画像出力部70等から構成される。
制御部20は、図4に示すように、プロセッサ(CPU)21、インターフェース22、ROM23、RAM24等から構成され、ROM23に記憶されたプログラムに従って表示装置を総合的に制御する。また、制御部20は、後述するように、表示部100に表示される第1の画像IM1及び第2の画像IM2の重なりにより互いに隔てられた第1の画像IM1の可視範囲と第2の画像IM1の可視範囲とを、第1の画像IM1及び第2の画像IM2の少なくとも一方の画質を調整して所定範囲になるように制御する。
制御部20は、図3に示すように、車両に搭載されて画像や音声を供給する供給源としての、車両の周囲等を撮像するカメラ310、音楽や画像を再生するCD/MD(コンパクトディスク/ミニディスク)再生部320、アンテナからラジオ放送波を受信するラジオ受信部330、アンテナからセレクタ341を介してTV放送波を受信するTV受信部340、DVD(ディジタルバーサタイルディスク)から音楽情報や画像を再生するDVD再生部350、HD(ハードディスク)に記録された画像や音楽情報を再生するHD再生部360、VICS情報受信部371が受信した道路情報やGPS情報受信部372が受信した地理情報に基づいて地図やルート案内画像を出力するナビゲーション部370等と接続されて、これらとの間でデータを授受すると共にこれらをコントロールする。
また、制御部20には、各種データを記憶する外部メモリ140、表示装置を操作するための操作部150、表示装置をリモコン操作するためのリモコン171との間で赤外線信号や無線信号を送受するリモコン送受信部170、車両に備わるライトスイッチや光センサで構成されて車両内の明るさを検知する明るさ検知センサ190、運転席や助手席に設けられる感圧センサ等で構成されて車両の乗員を検出する乗員検知センサ200等が接続され、制御部20は、これらから得られる各種データに基づいて各種制御が可能となっている。
分配回路30は、図3に示すように、上記したカメラ310、CD/MD再生部320、ラジオ受信部330、TV受信部340、DVD再生部350、HD再生部360、ナビゲーション部370等から供給される音声データや画像データを、制御部20からの制御指令に応じて、音声調整回路60、第1の画質調整回路50A、あるいは、第2の画質調整回路50Bへ分配する。
音声調整回路60は、図3に示すように、分配回路30から供給された音声データを調整してスピーカ61へ出力する。
第1及び第2の画質調整回路50A,50Bは、図5に示すように、それぞれコントラスト調整部51、輝度調整部52、色調調整部53、ガンマ値調整部54等から構成され、制御部20からの制御指令に応じて、第1及び第2の画像データの画質(コントラスト、輝度、色調、ガンマ値)をそれぞれ調整する。
画像出力部70は、図6に示すように、第1及び第2の画質調整回路50A,50Bにおいてそれぞれ画質調整された第1及び第2の画像データがそれぞれ書き込まれる第1及び第2の書込回路71,72、VRAM(Video RAM)73、液晶パネル駆動部74等から構成されている。第1及び第2の書込回路71、72は、第1及び第2の画質調整回路50A,50Bで画質調整された第1及び第2の画像データを合成すべく、VRAM73の所定アドレスにそれぞれ書き込む。
VRAM73は、第1及び第2の画像データを合成した画像データを保持する。この合成した画像データは、表示部100の各画素にそれぞれ対応している。液晶パネル駆動部74は、後述する液晶パネル110を駆動する回路であり、VRAM73に保持されている合成画像データに基づいて、液晶パネル110の対応する画素を駆動する。
表示部100は、図3に示すように、液晶パネル110、液晶パネル110の背面側から照明光を当てるバックライト120、表示装置を操作する信号を入力するためのタッチパネル130等から構成されている。尚、タッチパネル130は、図示しないが、透明なシート状に形成されて液晶パネル110の前面に貼着される。
液晶パネル110は、図7に示すように、バックライト120側から順に配置された、偏光板111、TFT(Thin Film Transistor)基板112、液晶層113、RGBの3原色の画素をもつカラーフィルタ基板114、視差バリア115、ガラス板116、偏光板117等から構成された周知の構造を有する。
この液晶パネル110は、図7及び図8に示すように、例えば、水平方向に800画素、垂直方向に480画素が配列された表示画面を有すると共に、この表示画面には、水平方向において左側表示用画素118(以下、助手席側表示用画素118ともいう。)と右側表示用画素119(以下、運転席側表示用画素119ともいう。)とが交互に配列されて構成されている。
視差バリア115は、図7及び図8に示すように、ストライプ状に形成されて遮蔽部と透光部を有し、その遮蔽部は隣接する左側表示用画素118と右側表示用画素119との間に配置される。視差バリア115をカラーフィルタ基板114の前面に配置することにより、左側表示用画素118を透過した照明光は、左側に向かう照明光のみ選択的に視差バリア115の透光部を通過し、右側表示用画素119を透過した照明光は、右側に向かう照明光のみが選択的に視差バリア115の透光部を通過する。これにより、図7に示すように、液晶パネル110の右側(運転席側)からは第1の画像IM1が視認でき、左側(助手席側)からは第2の画像IM2が視認できるようになっている。尚、視差バリア115は、特開平10−123461号公報や特開平11−84131号公報等に開示されているものと同様のものを使用できる。
TFT基板112は、図9に示すように、データ線駆動回路DR1、走査線駆動回路DR2、垂直方向に配列された走査線SCL、水平方向に配列されたデータ線DTL、走査線SCLとデータ線DTLとの交差する領域毎に形成されたTFT素子EL、に対応して形成された画素電極EP等を備え、走査線SCL及びデータ線DTLで囲まれた各領域がサブピクセルSBPを構成しており、データ線DTLに沿う各列のサブピクセルSBPは交互に左側表示用画素118と右側表示用画素119とに割り当てられる。データ線駆動回路DR1は、液晶パネル駆動部74によりその駆動タイミングを制御されて、画素電極EPへの印加電圧を制御する。走査線駆動回路DR2は、液晶パネル駆動部74によりその駆動タイミングを制御されて、TFT素子ELを選択走査する。
図10は実施例1に係る表示装置の外観図である。表示装置は、表示画面102(表示パネル)および操作部150を有する表示部100と本体部152を備える。なお、表示部100は操作部150を備えていなくてもよい。表示部100は、本体部152の前面の周囲に設けられたフレーム154に収められた状態で使用する。図10のように表示部100を斜動させることにより本体部152の前面を開放することができ、本体部152の前面にはCD、DVD等の記憶媒体やHDDに対し情報の書き込みまたは読み込みを行うためのコネクタの挿抜口が設けられており、これら記憶媒体やコネクタの挿抜を操作することができる構造となっている。
実施例1に係る表示装置を検査、確認、調整する際、検査画像(確認画像、調整画像)を表示画面上に表示する制御部20(表示制御手段)の行う制御を説明する。まず、各検査、各確認、各調整について説明する。図7において、例えば運転席側で第1の画像IM1を観る際に、第2の画像IM2が第1の画像IM1に重なって観える。クロストークの検査、確認、調整とは、この異なる方向(例えば運転席側および助手席側)から視認したときの前記第1の画像と前記第2の画像の重なりを検査、確認、調整し、検査結果や確認結果に基づいてクロストークを調整することである。図11は、クロストークを説明するための模式図である。横軸は表示画面102の正面を0°とし、各角度から表示画面102を観たときの表示画面102の輝度を表している。図12は表示画面102に対する正面、運転席側30°、助手席側30°から表示画面102を観たときの位置関係を示している。図11において、右側の曲線、左側の曲線はそれぞれ第1の画像および第2の画像の輝度である。例えば運転席側30°では、第1の画像の輝度が大きいが、第2の画像の輝度も0ではない。これにより、運転席側30°から観た第1の画像に第2の画像が重ねって見えることとなる。また、クロストークは、画像の輝度によっても目立ち方が異なる。例えば、自画像より相手画像の輝度が高い場合、クロストークは目だって見えることとなる。なお、上記で例示した角度に限られるものではない。
輝度の検査、確認、調整とは、表示画面102の第1の画像と第2の画像の輝度を検査、確認し、検査結果や確認結果に基づいて輝度を調整するものである。色合いの検査、確認、調整とは、表示画面102の色が正しく表示されているかを検査、確認し、検査結果や確認結果に基づいて色合いを調整するものであり、3原色(赤、緑、青:RGB)の各光の強度の比率を検査、確認し、検査結果や確認結果に基づいて各光の強度の比率を調整するものである。電気的特性の検査、確認、調整とは表示画面102に画像を表示した際、表示部100の消費電流等の電気的特性を検査、確認し、検査結果や確認結果に基づいて電気的特性を調整するものである。デュアルモードとは、第1の画像と第2の画像に、それぞれ異なる画像を表示するモードであり、シングルモードとは第1の画像と第2の画像とを同じ画像を表示するモードである。
図13は実施例1に係る表示装置の制御部20が行う検査の際の制御方法を示すフローチャートである。なお、確認や調整の際も同様の制御を行うため、検査の際の制御方法のみ説明する。まず、検査モードに移行するための所定の条件を満足するか判断する(ステップS8)。所定の条件を満足しなければ終了する。所定の条件を満たせばステップS10に進む。
所定の条件としては、例えば、操作部150またはタッチパネル130の所定の複数の操作スイッチが同時に押された場合、または所定の順番で操作された場合等、操作手段である操作部150や表示画面102に設けられたタッチパネル130等から入力された操作が、予め定められた入力操作の組み合わせと一致する場合とすることができる。このように、予め決めた所定の条件を満たした場合に、検査モードとすることにより、誤動作により検査モードとなってしまうことを防止することができる。制御部20は、所定の条件が満された場合、後述のように各検査を行うことができる。
制御部20は、表示画面102に検査メニュー画像を表示する(ステップS10)。この画像を見ながら、操作者が操作部150またはタッチパネル130を用い検査モードを選択する。図14は表示画面102に表示された検査モードのメニューを表す例である。操作者が図14の「クロストーク検査」M1を選択するとクロストーク検査を行うことができる。同様に、「輝度検査」M2、「色合い検査」M3および「電気的検査」M4を選択することにより、それぞれの検査を行うことができる。このように、制御部20は、検査メニュー画像より選択されたメニューに基づいて後述するような各検査用画像を表示する。
次に、制御部20はクロクトーク検査が選択されているか判断する(ステップS11)。Yesの場合、制御部20は表示部100をデュアルモードとし(ステップS12)、クロストーク用パターンを表示する(ステップS14)。Noの場合、ステップS16に進む。クロストーク検査では、制御部20は図15(a)のように、第1の画像(運転席側)が表示される領域に第1の検査画像(第1の確認画像)として黒単色画像を、第2の画像(助手席側)が表示される領域に第2の検査画像(第2の確認画像)として白単色画像を出力させる。操作者は図12の運転席より表示部100を見て、表示画面102の色を確認する。運転席より表示部100をみると、図11より第1の検査画像の黒単色画像に第2の検査画像の白単色画像が重なり暗いグレーとなる。このグレーの度合いを検査基準のグレーと比較することにより、クロストークに問題ないか検査する。同様に、制御部20が第1の画像(運転席側)が表示される領域に白単色画像を、第2の画像(助手席側)が表示される領域に黒単色画像を出力させる。操作者が、助手席からグレーの度合いを検査する。このようにしてクロストークの検査を行う。なお、グレーの度合いを操作者が確認するのでなく、カメラや検知器で検出することもできる。また、無彩色ではなく有彩色のパターンや色彩の異なる模様を有するパターンを第1の画像および第2の画像に表示し、クロストーク検査を行うこともできる。
このように、制御部20は、クロストーク検査のために、第1の画像が表示される領域に第1の検査画像を表示させ、第2の画像が表示される領域に第2の検査画像を表示させることができる。そして、クロストーク検査として、第1の画像を視認できる方向(例えば運転席)から表示状態を検査し、第2の画像を視認できる方向(例えば助手席)から表示状態を検査する。このように検査を行うことにより、簡単にクロストーク検査を行うことができ、検査工数を削減することができる。
また、制御部20は、クロストーク検査のために、第1の画像が表示される領域に第1の検査画像として黒単色画像を表示させ、第2の画像が表示される領域に第2の検査画像として白単色画像を表示させていたが、第1の検査画像として単色画像を表示し、第2の検査画像として第1の検査画像とは異なる単色画像を表示させてもよい。
さらに、制御部20は、クロストーク検査のために、第1の画像が表示される領域に第1の検査画像として単色画像を表示させ、前記第2の検査画像として3原色(赤、緑、青)の各色の単色画像が順次切り替えて表示させることもできる。これにより、各3原色についてクロストーク検査を行うと共に各画素の検査も行うことができる。
さらに、制御部20は、クロストーク検査のために、第1の検査画像として、図7に示したナビゲーション部370からのナビゲーション画像を表示させ、第2の検査画像としてナビゲーション画像と異なる比較的明るい画像(例えば、DVD画像、テレビ画像、ビデオ画像等)を表示させることができる。これにより、ナビゲーション画像のように比較的暗い画像と、比較的明るい画像のように実際使用される画像を用いクロストーク検査を行うことができる。
図16(a)は、制御部20がクロストーク検査のため表示させる画像の変形例を示している。第1の検査画像として黒単色画像、第2の検査画像として黒単色画像上を白い検査用図形が白矢印のように移動する画像(映像)を表示させる。運転席側から表示部100を視認すると図16(b)のように、黒単色画像上をグレーの検査用図形が移動しているように見える。このように、検査用図形を動かす(つまり動画とする)ことにより、検査用図形の視認が容易となる。また、検査用図形周辺部は第1の検査用画像と第2の検査用画像が同じ単色画像のため、クロストークがなく、検査用画像周辺部と検査用図形との比較が容易となる。本変形例は黒単色画像に白い検査用図形を用いたが、他の無彩色あるいは有彩色を用いることができる。例えば、有彩色とその捕色とを用いることもできる。このように、制御部20は、クロストーク検査のため、第1の検査画像として単色画像を表示させ、第2の検査画像として第1の検査画像と同じ単色画像上に異なる色の図形が表示された動画を表示させることもできる。
次に、図13において、制御部20は輝度検査が選択されているか判断する(ステップ16)。Yesの場合、制御部20は表示部100をデュアルモードとし(ステップS18)、輝度検査用パターンを表示する(ステップS20)。Noの場合、ステップS22に進む。輝度検査では、制御部20は図15(a)と同様に第1の画像(運転席側)が表示される領域に黒単色画像、第2の画像(助手席側)が表示される領域に白単色画像を表示させる。操作者は図12の運転席より表示部100の輝度を測定する。同様に、制御部20が第1の画像(運転席側)が表示される領域に白単色画像、第2の画像(助手席側)が表示される領域に黒単色画像を表示させる。操作者が、助手席から輝度を測定する。このようにして輝度検査を行う。実施例1では、制御部20はクロストーク検査と輝度検査で同じ画像を表示させているが異なっていてもよい。
次に、図13において、制御部20は色合い検査が選択されているか判断する(ステップ22)。Yesの場合、制御部20は表示部100をシングルモードとする(ステップS24)、色合い検査用パターンを表示する(ステップS26)。Noの場合、ステップS28に進む。色合い検査では、制御部20は図15(b)のように第1の画像(運転席側)が表示される領域と第2の画像(助手席側)が表示される領域に同じ画像を表示させる。例えば赤等の有彩色を表示させる。操作者は、図12の正面より表示部100を視認し、表示部100の色合いが検査基準の色合いか検査する。なお、色合いを操作者が確認するのでなく、カメラや検知器で検出することもできる。また、色彩の異なる模様を有する色合い検査用パターンを表示し、色合い検査を行うこともできる。
次に、図13において、制御部20は電気的検査が選択されているか判断する(ステップ28)。Yesの場合、制御部20は表示部100をシングルモードとする(ステップS30)、電気的検査用パターンを表示する(ステップS32)。Noの場合、検査モードを終了する。電気的検査では、制御部20は図15(c)のように第1の画像(運転席側)が表示される領域と第2の画像(助手席側)が表示される領域に同じ画像を表示させる。操作者は、表示部100の消費電流等の電気的特性を検査する。
クロストーク検査は第1の画像と第2の画像との重なりを検査するものであるからデュアルモードで行うことが好ましい。輝度検査はシングルモードでは表示画面102の正面またはその他の一方向から検査することも可能である。しかし、図7の視差バリア115とカラーフィルタ基板114の位置関係がずれるなどした場合、第1の画像と第2の画像で輝度が異なることがある。そこで、実施例1のようにデュアルモードで検査することが好ましい。
表示画面102の色合いは、3原色の各色の強度の比率で決まる。よって、例えば視差バリア115とカラーフィルタ基板114の位置関係がずれた場合も第1の画像と第2の画像で色合いが異なることがない。そこで、色合い検査はシングルモードで表示画面102の正面またはその他の方向から検査することが好ましい。シングルモードで検査することにより、デュアルモードで検査するのに比べ、1方向からの検査で行うことができ、検査回数を減らし検査工数を削減することができる。電気的特性は、例えば視差バリア115とカラーフィルタ基板114の位置関係がずれた場合も変わらない。そこで、電気的検査はシングルモードで検査することが好ましい。これにより、第1の画像と第2の画像の2回検査を行う必要が無く、検査工数を削減することができる。同様な理由により、色調、コントラストまたはガンマ値の設定を変え、画像の色調、コントラストまたはガンマ値が変わるかを調べる検査も、シングルモードでの検査が好ましい。
このように、表示パネルや表示パネルを有する表示装置において、制御部20(表示制御手段)は、デュアルモードでの検査が必要または好ましい検査(第1の検査)を行う場合、第1の画像が表示される領域と第2の画像が表示される領域に異なる画像を表示させ、デュアルモードでの検査が必要ない検査(第2の検査)を行う場合、第1の画像が表示される領域と第2の画像が表示される領域に同じ画像を表示させる。これにより、デュアルモードでの検査を必要としない検査をシングルモードで行うため検査工数を削減することが可能となる。
なお、実施例1においては、表示装置内で検査用の検査画像を生成したが、外部に検査画像出力装置を設け、その画像信号(第1の検査画像、第2の検査画像)を表示装置の画像入力端子に入力する構成で実現することもできる。また、前述のように、製造工程での表示装置の性能を確認、調整する場合も検査画像と同様の確認画像を表示させることにより表示装置の確認、調整を行うこともできる。さらに、表示パネル102がフレームに組み付けられていない状態で、表示パネル102の検査や確認や調整する際には、制御部20を備えた検査用装置、確認用装置や調整用装置等を設け、該装置から出力される画像信号を表示パネル102に与えるようにすることで、表示パネル102の検査、確認や調整を実現することができる。
本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。