JPWO2007032071A1 - 腰裏用すべり止め及びこのすべり止めを取り付けた腰裏 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】基布1の片面に、所定の加熱温度では溶融しないか、あるいは、溶融しにくい熱溶融性樹脂層3を形成する。次に、それとは反対側の面に、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を形成する。しかる後、前記熱溶融性樹脂層3の外面に、所定の温度で溶融する熱溶融性樹脂層4を形成する。【効果】このすべり止め部材をズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着し、この腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける。複数のすべり止め面2,2が複数列並んでいるので、複数個の突起の小さい面が点在するすべり止め部材の場合に比べて、極めて良好なすべり止め効果を長く維持することができる。水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。【選択図】 図5

Description

本発明は、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける腰裏用すべり止め及びこのすべり止めを取り付けた腰裏に関するものである。
ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける腰裏用のすべり止めとして、従来から種々のものが存在する。例えば、合成ゴム、ポリウレタンからなるすべり止め部材を成形し、これを腰裏部分に縫合又は接着するもの、合成ゴム、ポリウレタンの糸をテープ状に構成し、これをズボンやスカートに取り付けるものなどである。また、シリコーンゴムを印刷方式により腰裏部分に転写し、これを加熱して硬化させるものなども存在する(例えば、特許文献1参照)。さらに、シリコーンゴムからなるすべり止め用の突起を所定の間隔を置いて複数個配置したすべり止めも存在する(例えば、特許文献2参照)。
特開昭60−39403号公報
登録実用新案第3007977号公報
合成ゴム、ポリウレタンからなる成形物を成形し、これを腰裏部分に縫合又は接着した場合、あるいは、合成ゴム、ポリウレタンの糸をテープ状に構成し、これをズボンやスカートの腰の裏側に取り付けた場合には、すべり止め効果が余り認められない。
また、シリコーンゴムを印刷方式により腰裏部分に転写し、これを加熱して硬化させる方式を採った場合においては、印刷方式によりシリコーンゴムがズボンやスカートの腰の裏側に転写されているため、シリコーンゴム層を0.5mm程度の厚さにしか形成できないため、すべり止め機能が減殺されるという欠点を有している。
これらのものに対して、シリコーンゴムからなるすべり止め用の突起を所定の間隔を置いて複数個配置したすべり止めにあっては、上述したような欠点を解消することができるが、本発明は、この突起に代わる新しい形態の新規な腰裏用すべり止めを得ることを第一の目的とする。合わせて、本発明は、すべり止め部材が基布から剥離しないようにすることを目的とする。さらに、本発明は、極めて良好なすべり止め効果を発揮する腰裏を提供することを目的とする。
上記第一の目的を達成するために、本発明では、織物、編物あるいは不織布からなる方形もしくは横長方形状の基布1の片面に、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が、前記基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない方向を向いて複数列形成されている。
細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2は、印刷方式により転写されたものに比べて少なくとも盛り上りが大きく、しかも、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない方向を向いて複数列並んでいるので、複数個の突起の小さい面が点在するすべり止め部材の場合に比べて、すべり止め機能が大幅に向上する。
そして、これら複数のすべり止め面2,2が複数列形成されている基布1を、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着し、この腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けると、ズボン又はスカートをはいた時の着心地が良く、しかも、シャツおよびブラウスのずり上がりがなくなる。
基布1の片面に、所定の加熱温度では溶融しないか、あるいは、溶融しにくい熱溶融性樹脂層3を形成し、次に、それとは反対側の面に、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を形成し、しかる後、前記熱溶融性樹脂層3の外面に、所定の温度で溶融する熱溶融性樹脂層4を形成することが望ましい。
この場合には、熱溶融性樹脂層3となる溶融状態の熱溶融性樹脂が基布1の生地目に浸透するので、熱溶融性樹脂層3の基布1への付着性が増大する。また、この樹脂層3が存在するために、その外面に重ね合わせた熱溶融性樹脂層4の基布1への接着性が増大するのみならず、熱溶融性樹脂層4が熱溶融性樹脂層3に強固に接着して両者の接着性が増大し、熱溶融性樹脂層4が基布1から剥離することがない。
一方、熱溶融性樹脂層3形成後、その層3が形成されていない面において、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することにより基布1に細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が形成されるので、その際、織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に溶融状態のシリコーン樹脂が浸透するとともに、基布1の生地目に含浸せしめられた溶融状態のシリコーン樹脂が裏側の熱溶融性樹脂層3と協働してシリコーン樹脂からなる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性も増大する。
また、本発明のすべり止めにおける細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2は、溶融状態のシリコーン樹脂が織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に含浸せしめられるとともに、裏側の熱溶融性樹脂層3と協働して基布1に対して強固に接合されているところから、このすべり止めBをズボン又はスカートの腰の裏側やこの部分に装着する腰裏に取り付けることにより、極めて良好なすべり止め効果を長く維持することができる。しかも、水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。
なお、基布1の片面にはあらかじめ熱溶融性樹脂層3が形成されているから、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を形成するべく溶融状態のシリコーン樹脂を基布1に成形する際、溶融状態のこの樹脂が基布1の生地目に浸透して裏側からはみ出ることがない。
織物、編物あるいは不織布の少なくとも表面が起毛せしめられているものを、基布1として用いるのが好ましい。このようなものを用いると、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2となる溶融状態のシリコーン樹脂が、織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に浸透するとともに基布1の起毛部分を抱持することになるので、熱溶融性樹脂層3の基布1への付着性ならびに細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性がさらに増大し、その結果、熱溶融性樹脂層4ならびに細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が基布1から剥離することが一層なくなる。
溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が、前記基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない方向を向いて複数列形成されている基布1を、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着する。このようにすると、1つの腰裏Aを作製することができ、図5に示すようにこの腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けた場合には、極めて良好なすべり止め効果が得られる。
請求項1記載の腰裏用すべり止めによれば、印刷方式により転写されたものに比べて少なくとも盛り上りが大きく、しかも、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない方向を向いて複数列並んでいるので、複数個の突起の小さい面が点在するすべり止め部材の場合に比べて、すべり止め機能が大幅に向上する。そして、このすべり止めBをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着し、この腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けると、ズボン又はスカートをはいた時の着心地が良く、しかも、シャツおよびブラウスのずり上がりがなくなる。
請求項2記載の腰裏用すべり止めを用いた場合には、極めて良好なすべり止め効果を長く維持することができるのみならず、水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。
請求項3記載の腰裏用すべり止めを用いた場合には、熱溶融性樹脂層3の基布1への付着性及び細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性がさらに増大し、極めて良好なすべり止め効果を長く維持することができるのみならず、水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。
請求項4記載の腰裏をズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けた場合には、極めて良好なすべり止め効果が得られる。
本発明による腰裏用すべり止め及びこのすべり止めを取り付けた腰裏の一例を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2(b)〜(d)に示すように、基布1の片面(各図面の左側の面)に熱溶融性樹脂層3が形成されている。基布1は織物、編物あるいは不織布からなるものである。また、熱溶融性樹脂層3を形成する熱溶融性樹脂は、所定の温度に加熱した程度の熱では、すなわち、アイロン、プレス機その他の器具ですべり止め部材を加熱した程度の熱では、溶融しないか、あるいは、溶融しにくい樹脂である。
この熱溶融性樹脂層3が形成されている面と反対側の基布1の片面(図1、図2(c)、(d)の右側の面)において、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することにより細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を形成する。
シリコーンとは、有機酸を有するケイ素がシロキサン結合(Si−O−Si)により連なってできたポリマーで、人工的に合成することができる。シリコーンの性状はゴム、オイル、レジンの3つの基本形に分類されるが、ここでは、いわゆるゴム(液状ゴム)に分類される形態で用いられる。
特に、この液状シリコーンゴムは容易にゴム弾性体とすることができるのみならず、施工や加工が容易であるところから、様々な分野で利用されている。そして、ここでは、この液状シリコーンゴムを腰裏用すべり止めの素材として利用し、溶融状態の液状シリコーンゴムを細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を有するように成形する。これら複数のすべり止め面2,2が基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない方向を向いて複数列並んでいるので、複数個の突起の小さい面が点在するすべり止め部材の場合に比べて、すべり止め機能が大幅に向上する。
このすべり止め面2,2は様々な形態とすることができる。例えば、図3(a)に示すように、正八角形の窪み2a,2aが一定の間隔を置いて縦横に多数並べられ、それぞれの間の部分を細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2となるようにすると良い。そして、複数のすべり止め面2,2は前記基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない方向を向いて複数列形成する。図3(a)の場合には、その右半分において一点鎖線で示すように、複数のすべり止め面2,2の方向が互いに交差する斜め方向である。なお、上下両端に位置する窪み2a’,2a'のみ正八角形の半分の形と大きさである。
また、すべり止め面2,2を、図3(b)や図3(c)に示す形態としても良い。これらの場合においても、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2は基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない方向を向いて複数列形成されている。図3(b)の場合には、斜めに湾曲する窪み2a,2aが一定の間隔を置いて縦横に多数並べられ、それぞれの間の部分を細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2としてある。そして、これら複数のすべり止め面2,2の方向は斜めに湾曲する方向であり、その間に一部横方向に走る細幅のすべり止め面2,2が合わせて形成されている。
一方、図3(c)の場合には、V字形で連続する窪み2a,2aが一定の間隔を置いて上下に複数列並べられ、それぞれの間の部分を細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2としてある。したがって、複数のすべり止め面2,2が左右連続して、しかも、上下に複数列形成されており、細幅のすべり止め面2,2の方向は交互に反対となる斜め方向である。なお、上下両端に位置する窪み2a”,2a”のみV字形と倒V字形である。
細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2の形状は、図3(a)〜図3(c)に示すものだけに限定されない。要するに、基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない方向を向いて複数列形成されておれば、その方向は限定されないし、また、その形状も限定されない。
図面ではすべり止めが拡大して示されているが、基布1の大きさを例えば縦18mm、横45mm程度とし、基布1の片面に接合させてあるシリコーン樹脂製のすべり止め部材の大きさを例えば縦16mm、横43mm程度とするのが最適である。また、すべり止め全体の厚さを1.5mm程度とするのが最適である。ただし、基布1や基布1の片面に接合させてあるシリコーン樹脂製のすべり止め部材の大きさを多少大きくしたり、多少小さくすることは自由であり、また、すべり止め全体の厚さを多少厚くしたり、多少薄くすることも自由である。
上述したように、熱溶融性樹脂層3形成後、その層3が形成されていない他の片面において、基布1に溶融状態のシリコーン樹脂を成形することにより細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が形成される。その際、織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に溶融状態のシリコーン樹脂が浸透するとともに、基布1の生地目に含浸せしめられた溶融状態のシリコーン樹脂が裏側の熱溶融性樹脂層3と協働してシリコーン樹脂からなる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性も増大する。
細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を形成した後、図2(d)に示すように、前記熱溶融性樹脂層3の外面に、所定の温度に加熱したときの熱で、すなわち、アイロン、プレス機その他の器具ですべり止めBを加熱したときの熱で溶融する熱溶融性樹脂層4を形成する。熱溶融性樹脂からなるこれら2つの層3、4の形態をさらに詳しく述べると、基布1の片面において、基布1に近い方に、所定の温度に加熱した程度の熱では、すなわち、アイロン、プレス機その他の器具ですべり止めBを加熱した程度の熱では、溶融しないか、あるいは、溶融しにくい熱溶融性樹脂層3が、さらに、この熱溶融性樹脂層3の外面であって基布1から遠い方に、所定の温度に加熱したときの熱で、すなわち、アイロン、プレス機その他の器具ですべり止めBを加熱したときの熱で溶融する熱溶融性樹脂層4が形成されている。
熱溶融性樹脂層3は織物、編物あるいは不織布からなる基布1の片面に熱溶融性樹脂フィルムをラミネートするだけで、その層3を極めて簡単に形成することができる。また、熱溶融性樹脂層4も熱溶融性樹脂層3に熱溶融性樹脂フィルムをラミネートするだけで、その層4を極めて簡単に形成することができる。
アイロン、プレス機その他の器具ですべり止めBを加熱したとき溶融する温度、すなわち、熱溶融性樹脂層4の溶融温度を、例えば、90〜100℃程度の範囲に設定することができる。一方、この程度の温度(90〜100℃)ですべり止めBを加熱しても溶融しないか、あるいは、溶融しにくい温度、すなわち、熱溶融性樹脂層3の溶融温度を、例えば、120〜150℃程度の範囲に設定することができる。なお、溶融温度に応じた熱溶融性樹脂を2種類適宜選択することによって、上記設定温度をそれぞれ適宜変更することが可能である。
アイロン、プレス機その他の器具ですべり止めBを90〜100℃程度に加熱すると、熱溶融性樹脂層4が溶融せしめられてホットメルト層となり、例えば、図4に示すように、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を有するすべり止めBを極めて簡単に接着することができる。この帯状物を腰裏といい、図4、図5において図面符号Aで示されている。
一方、熱溶融性樹脂層3は上記の温度(90〜100℃)程度では溶融せしめられないか、あるいは、溶融状態となりにくいものであり、少なくとも層状態が保たれている。
上記腰裏Aは、例えば、図5に示すように、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けられる。図5では、ズボン又はスカートの表地6の裏側であって腰の裏側に相当する部分に、縫着7により腰裏Aが取り付けられている。なお、図5において、図面符号8は芯地、9はバイアス生地である。
基布1にシリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を有するすべり止めBを、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着することにより、1つの腰裏Aを作製することができ、図5に示すように、この腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けた場合には、極めて良好なすべり止め効果が得られる。また、図6に示すように、ズボン又はスカートの表地6の裏側であって腰の裏側に相当する部分に直接取り付けることもでき、この場合にも極めて良好なすべり止め効果が得られる。
基布1に溶融状態のシリコーン樹脂を成形するに際しては、通常、基布1の片面に目止め材としてのプライマーを塗布し、それによって基布1へのシリコーン樹脂の接着性を増大させていた(例えば、特開平10−317218号公報参照)。しかしながら、このプライマー中には、シランカップリング剤とともに種々の樹脂オリゴマーや溶剤などが配合されており、プライマー自体相当高価なものであるので、ここでは、それに代わるものとして熱溶融性樹脂を用い、この樹脂で層3を形成した。
また、シリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2は、溶融状態のシリコーン樹脂が織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に含浸せしめられるとともに、裏側の熱溶融性樹脂層3と協働して基布1に対して強固に接合されているところから、このすべり止めBを図5に示すようにズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着し、この腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けることにより、あるいは、このすべり止めBを図6に示すようにズボン又はスカートの腰の裏側に相当する部分に直接取り付けることにより、極めて良好なすべり止め効果を長く維持することができる。しかも、水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。
このように、基布1に溶融状態のシリコーン樹脂を成形するに際しては、例えば、特許第3417836号の技術を適用することができる。すなわち、基布1の片面に熱溶融性樹脂層3をあらかじめ形成しておき、しかる後、その反対側の片面に溶融状態のシリコーン樹脂を成形すれば、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を極めて容易に形成することができ、しかも、シリコーン樹脂からなる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性も増大する。
なお、基布1の片面にはあらかじめ熱溶融性樹脂層3が形成されているから、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を形成するべく溶融状態のシリコーン樹脂を基布1に成形する際、溶融状態のこの樹脂が基布1の生地目に浸透して裏側からはみ出ることがない。
基布1を構成する織物、編物あるいは不織布の少なくとも表面、換言すると、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を形成するべく溶融状態のシリコーン樹脂を接合させる面は、起毛せしめられているのが好ましい。
このような基布1を用いると、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2となる溶融状態のシリコーン樹脂が、織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に浸透するとともに基布1の起毛部分を抱持することになるので、熱溶融性樹脂層3の基布1への付着性ならびに細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性がさらに増大し、その結果、熱溶融性樹脂層4ならびに細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が基布1から剥離することが一層なくなる。
なお、従来のゴム又はビニール製のすべり止め部材では通気性がないから、これに蒸気や熱を加えてズボン又はスカートの腰の裏側などに接合しようとしても完全に接合させることはむつかしく、周囲を縫い付ける等の補助作業が必要であるが、ここに例示するすべり止めを用いれば、基布1の表側から熱を加えるだけでズボン又はスカートの腰の裏側などに容易に接合できるのみならず、その接合状態は極めて強固であり、水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。
本発明による腰裏用すべり止めの一例を示す拡大概略側面図である。 このすべり止めの製造方法の一例を工程順に示す拡大概略断面図で、(a)は、基布のみを、(b)は、この基布の片面に1つの熱溶融性樹脂層を形成した状態を、(c)は、それと反対側の面に溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面を形成した状態を、(d)は、熱溶融性樹脂層の外面にさらに熱溶融性樹脂層を形成した状態を示す。 溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面の一例を示す拡大平面図で、(a)は、正八角形の窪みが一定の間隔を置いて縦横に多数並べられ、それぞれの間の部分を細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面とした場合を、(b)は、斜めに湾曲する窪みが一定の間隔を置いて縦横に多数並べられ、それぞれの間の部分を細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面とした場合を、(c)は、V字形で連続する窪みが一定の間隔を置いて上下に複数列並べられ、それぞれの間の部分を細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面とした場合を示す。 図1、図2(d)に示すすべり止めを腰裏に適用した場合の一例を示す正面図で、その一部のみを示す。 図4に示す腰裏を、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けた状態を示す拡大断面図である。 図1、図2(d)に示すすべり止めを、ズボン又はスカートの腰の裏側に相当する部分に直接取り付けた状態を示す拡大断面図である。
符号の説明
1…基布、2…すべり止め面、2a、2a’、2a”…窪み、3、4…熱溶融性樹脂層、5…帯体、A…腰裏、B…すべり止め。
【0002】
できるが、本発明は、この突起に代わる新しい形態の新規な腰裏用すべり止めを得ることを第一の目的とする。合わせて、本発明は、すべり止め部材が基布から剥離しないようにすることを目的とする。さらに、本発明は、極めて良好なすべり止め効果を発揮する腰裏を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0008]
上記第一の目的を達成するために、本発明では、織物、編物あるいは不織布からなる方形もしくは横長方形状の基布1の片面に、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2が、前記基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない傾斜した方向に複数列形成されている。
面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2は、印刷方式により転写されたものに比べて少なくとも盛り上りが大きく、しかも、面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2が基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない傾斜した方向に複数列並んでいるので、複数個の突起の小さい面が点在するすべり止め部材の場合に比べて、すべり止め機能が大幅に向上する。
[0009]
そして、これら複数のすべり止め面2,2が複数列形成されている基布1を、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着し、この腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けると、ズボン又はスカートをはいた時の着心地が良く、しかも、シャツおよびブラウスのずり上がりがなくなる。
[0010]
基布1の片面に、所定の加熱温度では溶融しないか、あるいは、溶融しにくい熱溶融性樹脂層3を形成し、次に、それとは反対側の面に、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2を形成し、しかる後、前記熱溶融性樹脂層3の外面に、所定の温度で溶融する熱溶融性樹脂層4を形成することが望ましい。
[0011]
この場合には、熱溶融性樹脂層3となる溶融状態の熱溶融性樹脂が基布1の生地目に浸透するので、熱溶融性樹脂層3の基布1への付着性が増大する。また、この樹脂層3が存在するために、その外面に重ね合わせた熱溶融性樹脂層4の基布1への接着性が増大するのみならず、熱溶融性樹脂層4が熱溶融性樹脂層3に強固に接着して両者の接着性が増大し、熱溶融性樹脂層4が基布1から剥離することがない。
【0003】
[0012]
一方、熱溶融性樹脂層3形成後、その層3が形成されていない面において、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することにより基布1に面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2が形成されるので、その際、織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に溶融状態のシリコーン樹脂が浸透するとともに、基布1の生地目に含浸せしめられた溶融状態のシリコーン樹脂が裏側の熱溶融性樹脂層3と協働してシリコーン樹脂からなる面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性も増大する。
[0013]
また、本発明のすべり止めにおける面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2は、溶融状態のシリコーン樹脂が織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に含浸せしめられるとともに、裏側の熱溶融性樹脂層3と協働して基布1に対して強固に接合されているところから、このすべり止めBをズボン又はスカートの腰の裏側やこの部分に装着する腰裏に取り付けることにより、極めて良好なすべり止め効果を長く維持することができる。しかも、水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。
[0014]
なお、基布1の片面にはあらかじめ熱溶融性樹脂層3が形成されているから、面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2を形成するべく溶融状態のシリコーン樹脂を基布1に成形する際、溶融状態のこの樹脂が基布1の生地目に浸透して裏側からはみ出ることがない。
[0015]
織物、編物あるいは不織布の少なくとも表面が起毛せしめられているものを、基布1として用いるのが好ましい。このようなものを用いると、細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2となる溶融状態のシリコーン樹脂が、織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に浸透するとともに基布1の起毛部分を抱持することになるので、熱溶融性樹脂層3の基布1への付着性ならびに細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性がさらに増大し、その結果、熱溶融性樹脂層4ならびに細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が基布1から剥離することが一層なくなる。
[0016]
溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2が、前記基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない傾斜した方向に
【0004】
複数列形成されている基布1を、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着する。このようにすると、1つの腰裏Aを作製することができ、図5に示すようにこの腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けた場合には、極めて良好なすべり止め効果が得られる。
発明の効果
[0017]
請求項1記載の腰裏用すべり止めによれば、印刷方式により転写されたものに比べて少なくとも盛り上りが大きく、しかも、面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2が基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない傾斜した方向に複数列並んでいるので、複数個の突起の小さい面が点在するすべり止め部材の場合に比べて、すべり止め機能が大幅に向上する。そして、このすべり止めBをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着し、この腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けると、ズボン又はスカートをはいた時の着心地が良く、しかも、シャツおよびブラウスのずり上がりがなくなる。
[0018]
請求項2記載の腰裏用すべり止めを用いた場合には、極めて良好なすべり止め効果を長く維持することができるのみならず、水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。
[0019]
請求項3記載の腰裏用すべり止めを用いた場合には、熱溶融性樹脂層3の基布1への付着性及び面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性がさらに増大し、極めて良好なすべり止め効果を長く維持することができるのみならず、水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。
[0020]
請求項4記載の腰裏をズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けた場合には、極めて良好なすべり止め効果が得られる。
発明を実施するための最良の形態
[0021]
本発明による腰裏用すべり止め及びこのすべり止めを取り付けた腰裏の一例を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2(b)〜(d)に示すように、基布1の片面(各図面の左側の面)に熱溶融性樹脂層3が形成されている。基布1は織物、編物あるいは不織布からなるものである。また、熱溶融性樹脂層3を形成する熱溶融性樹脂は、所定の温度に加熱した程度の熱
【0005】
では、すなわち、アイロン、プレス機その他の器具ですべり止め部材を加熱した程度の熱では、溶融しないか、あるいは、溶融しにくい樹脂である。
[0022]
この熱溶融性樹脂層3が形成されている面と反対側の基布1の片面(図1、図2(c)、(d)の右側の面)において、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することにより面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2を形成する。
シリコーンとは、有機酸を有するケイ素がシロキサン結合(Si−O−Si)により連なってできたポリマーで、人工的に合成することができる。シリコーンの性状はゴム、オイル、レジンの3つの基本形に分類されるが、ここでは、いわゆるゴム(液状ゴム)に分類される形態で用いられる。
[0023]
特に、この液状シリコーンゴムは容易にゴム弾性体とすることができるのみならず、施工や加工が容易であるところから、様々な分野で利用されている。そして、ここでは、この液状シリコーンゴムを腰裏用すべり止めの素材として利用し、溶融状態の液状シリコーンゴムを面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2を有するように成形する。これら複数のすべり止め面2,2が基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない傾斜した方向に複数列並んでいるので、複数個の突起の小さい面が点在するすべり止め部材の場合に比べて、すべり止め機能が大幅に向上する。
[0024]
このすべり止め面2,2は様々な形態とすることができる。例えば、図3(a)に示すように、正八角形の窪み2a,2aが一定の間隔を置いて縦横に多数並べられ、それぞれの間の部分を面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2となるようにすると良い。そして、複数のすべり止め面2,2は前記基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない傾斜した方向に複数列形成する。図3(a)の場合には、その右半分において一点鎖線で示すように、複数のすべり止め面2,2の方向が互いに交差する斜め方向である。なお、上下両端に位置する窪み2a’,2a’のみ正八角形の半分の形と大きさである。
[0025]
また、すべり止め面2,2を、図3(b)や図3(c)に示す形態としても良い。これらの場合においても、面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2は基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない傾斜した方向に複数列形成されている。図3(b)の場合には、斜めに湾曲する窪み2a,2aが一定の間隔を置いて縦横に多数並べられ、それぞれの間の部分を面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2としてある。そして、こ
【0006】
れら複数のすべり止め面2,2の方向は斜めに湾曲する方向であり、その間に一部横方向に走る細幅のすべり止め面2,2が合わせて形成されている。
[0026]
一方、図3(c)の場合には、V字形で連続する窪み2a,2aが一定の間隔を置いて上下に複数列並べられ、それぞれの間の部分を面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2としてある。したがって、複数のすべり止め面2,2が左右連続して、しかも、上下に複数列形成されており、面積の異なる平坦面を有するすべり止め面2,2の方向は交互に反対となる斜め方向である。なお、上下両端に位置する窪み2a”,2a”のみV字形と倒V字形である。
[0027]
面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2の形状は、図3(a)〜図3(c)に示すものだけに限定されない。要するに、基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない傾斜した方向に複数列形成されておれば、その方向は限定されないし、また、その形状も限定されない。
[0028]
図面ではすべり止めが拡大して示されているが、基布1の大きさを例えば縦18mm、横45mm程度とし、基布1の片面に接合させてあるシリコーン樹脂製のすべり止め部材の大きさを例えば縦16mm、横43mm程度とするのが最適である。また、すべり止め全体の厚さを1.5mm程度とするのが最適である。ただし、基布1や基布1の片面に接合させてあるシリコーン樹脂製のすべり止め部材の大きさを多少大きくしたり、多少小さくすることは自由であり、また、すべり止め全体の厚さを多少厚くしたり、多少薄くすることも自由である。
[0029]
上述したように、熱溶融性樹脂層3形成後、その層3が形成されていない他の片面において、基布1に溶融状態のシリコーン樹脂を成形することにより面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2が形成される。その際、織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に溶融状態のシリコーン樹脂が浸透するとともに、基布1の生地目に含浸せしめられた溶融状態のシリコーン樹脂が裏側の熱溶融性樹脂層3と協働してシリコーン樹脂からなる面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性も増大する。
[0030]
面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2を形成した後、図2(d)に示すように、前記熱溶融性樹脂層3の外面に、所定の温度に加熱したときの熱で、すなわち、ア
【0007】
イロン、プレス機その他の器具ですべり止めBを加熱したときの熱で溶融する熱溶融性樹脂層4を形成する。熱溶融性樹脂からなるこれら2つの層3、4の形態をさらに詳しく述べると、基布1の片面において、基布1に近い方に、所定の温度に加熱した程度の熱では、すなわち、アイロン、プレス機その他の器具ですべり止めBを加熱した程度の熱では、溶融しないか、あるいは、溶融しにくい熱溶融性樹脂層3が、さらに、この熱溶融性樹脂層3の外面であって基布1から遠い方に、所定の温度に加熱したときの熱で、すなわち、アイロン、プレス機その他の器具ですべり止めBを加熱したときの熱で溶融する熱溶融性樹脂層4が形成されている。
[0031]
熱溶融性樹脂層3は織物、編物あるいは不織布からなる基布1の片面に熱溶融性樹脂フィルムをラミネートするだけで、その層3を極めて簡単に形成することができる。また、熱溶融性樹脂層4も熱溶融性樹脂層3に熱溶融性樹脂フィルムをラミネートするだけで、その層4を極めて簡単に形成することができる。
[0032]
アイロン、プレス機その他の器具ですべり止めBを加熱したとき溶融する温度、すなわち、熱溶融性樹脂層4の溶融温度を、例えば、90〜100℃程度の範囲に設定することができる。一方、この程度の温度(90〜100℃)ですべり止めBを加熱しても溶融しないか、あるいは、溶融しにくい温度、すなわち、熱溶融性樹脂層3の溶融温度を、例えば、120〜150℃程度の範囲に設定することができる。なお、溶融温度に応じた熱溶融性樹脂を2種類適宜選択することによって、上記設定温度をそれぞれ適宜変更することが可能である。
[0033]
アイロン、プレス機その他の器具ですべり止めBを90〜100℃程度に加熱すると、熱溶融性樹脂層4が溶融せしめられてホットメルト層となり、例えば、図4に示すように、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に、面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2を有するすべり止めBを極めて簡単に接着することができる。この帯状物を腰裏といい、図4、図5において図面符号Aで示されている。
一方、熱溶融性樹脂層3は上記の温度(90〜100℃)程度では溶融せしめられないか、あるいは、溶融状態となりにくいものであり、少なくとも層状態が保たれている。
[0034]
上記腰裏Aは、例えば、図5に示すように、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けられる。図5では、ズボン又はスカートの表地6の裏側であって腰の裏側に相当す
【0008】
る部分に、縫着7により腰裏Aが取り付けられている。なお、図5において、図面符号8は芯地、9はバイアス生地である。
基布1にシリコーン樹脂を成形することによる面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2を有するすべり止めBを、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着することにより、1つの腰裏Aを作製することができ、図5に示すように、この腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けた場合には、極めて良好なすべり止め効果が得られる。また、図6に示すように、ズボン又はスカートの表地6の裏側であって腰の裏側に相当する部分に直接取り付けることもでき、この場合にも極めて良好なすべり止め効果が得られる。
[0035]
基布1に溶融状態のシリコーン樹脂を成形するに際しては、通常、基布1の片面に目止め材としてのプライマーを塗布し、それによって基布1へのシリコーン樹脂の接着性を増大させていた(例えば、特開平10−317218号公報参照)。しかしながら、このプライマー中には、シランカップリング剤とともに種々の樹脂オリゴマーや溶剤などが配合されており、プライマー自体相当高価なものであるので、ここでは、それに代わるものとして熱溶融性樹脂を用い、この樹脂で層3を形成した。
[0036]
また、シリコーン樹脂を成形することによる面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2は、溶融状態のシリコーン樹脂が織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に含浸せしめられるとともに、裏側の熱溶融性樹脂層3と協働して基布1に対して強固に接合されているところから、このすべり止めBを図5に示すようにズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着し、この腰裏Aをズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けることにより、あるいは、このすべり止めBを図6に示すようにズボン又はスカートの腰の裏側に相当する部分に直接取り付けることにより、極めて良好なすべり止め効果を長く維持することができる。しかも、水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。
[0037]
このように、基布1に溶融状態のシリコーン樹脂を成形するに際しては、例えば、特許第3417836号の技術を適用することができる。すなわち、基布1の片面に熱溶融性樹脂層3をあらかじめ形成しておき、しかる後、その反対側の片面に溶融状態のシリコーン樹脂を成形すれば、面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2を極め
【0009】
て容易に形成することができ、しかも、シリコーン樹脂からなる面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性も増大する。
なお、基布1の片面にはあらかじめ熱溶融性樹脂層3が形成されているから、面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2を形成するべく溶融状態のシリコーン樹脂を基布1に成形する際、溶融状態のこの樹脂が基布1の生地目に浸透して裏側からはみ出ることがない。
[0038]
基布1を構成する織物、編物あるいは不織布の少なくとも表面、換言すると、面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2を形成するべく溶融状態のシリコーン樹脂を接合させる面は、起毛せしめられているのが好ましい。
このような基布1を用いると、面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2となる溶融状態のシリコーン樹脂が、織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に浸透するとともに基布1の起毛部分を抱持することになるので、熱溶融性樹脂層3の基布1への付着性ならびに面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性がさらに増大し、その結果、熱溶融性樹脂層4ならびに面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2が基布1から剥離することが一層なくなる。
[0039]
なお、従来のゴム又はビニール製のすべり止め部材では通気性がないから、これに蒸気や熱を加えてズボン又はスカートの腰の裏側などに接合しようとしても完全に接合させることはむつかしく、周囲を縫い付ける等の補助作業が必要であるが、ここに例示するすべり止めを用いれば、基布1の表側から熱を加えるだけでズボン又はスカートの腰の裏側などに容易に接合できるのみならず、その接合状態は極めて強固であり、水洗いやドライクリーニングしてもすべり止め部材が剥離しない。
図面の簡単な説明
[0040]
[図1]本発明による腰裏用すべり止めの一例を示す拡大概略側面図である。
[図2]このすべり止めの製造方法の一例を工程順に示す拡大概略断面図で、(a)は、基布のみを、(b)は、この基布の片面に1つの熱溶融性樹脂層を形成した状態を、(c)は、それと反対側の面に溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面を形成した状態を、(d)は、熱溶融性樹脂層の外面にさらに熱溶融性樹脂層を形成した状態を示す。
【0010】
[図3]溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面の一例を示す拡大平面図で、(a)は、正八角形の窪みが一定の間隔を置いて縦横に多数並べられ、それぞれの間の部分を面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面とした場合を、(b)は、斜めに湾曲する窪みが一定の間隔を置いて縦横に多数並べられ、それぞれの間の部分を面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面とした場合を、(c)は、V字形で連続する窪みが一定の間隔を置いて上下に複数列並べられ、それぞれの間の部分を面積の異なる平坦面を有する複数のすべり止め面とした場合を示す。
[図4]図1、図2(d)に示すすべり止めを腰裏に適用した場合の一例を示す正面図で、その一部のみを示す。
[図5]図4に示す腰裏を、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付けた状態を示す拡大断面図である。
[図6]図1、図2(d)に示すすべり止めを、ズボン又はスカートの腰の裏側に相当する部分に直接取り付けた状態を示す拡大断面図である。
符号の説明
[0041]
1…基布、2…すべり止め面、2a、2a’、2a”…窪み、3、4…熱溶融性樹脂層、5…帯体、A…腰裏、B…すべり止め。
織物、編物あるいは不織布の少なくとも表面が起毛せしめられているものを、基布1として用いるのが好ましい。このようなものを用いると、面積異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2となる溶融状態のシリコーン樹脂が、織物、編物あるいは不織布からなる基布1の生地目に浸透するとともに基布1の起毛部分を抱持することになるので、熱溶融性樹脂層3の基布1への付着性ならびに面積異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2の基布1への付着性がさらに増大し、その結果、熱溶融性樹脂層4ならびに面積異なる平坦面を有する複数のすべり止め面2,2が基布1から剥離することが一層なくなる。

Claims (4)

  1. 織物、編物あるいは不織布からなる方形もしくは横長方形状の基布1の片面に、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が、前記基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない方向を向いて複数列形成されていることを特徴とする腰裏用すべり止め。
  2. 基布1の片面に、所定の加熱温度では溶融しないか、あるいは、溶融しにくい熱溶融性樹脂層3を形成し、次に、それとは反対側の面に、溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2を形成し、しかる後、前記熱溶融性樹脂層3の外面に、所定の温度で溶融する熱溶融性樹脂層4を形成することを特徴とする請求項1記載の腰裏用すべり止め。
  3. 織物、編物あるいは不織布の少なくとも表面が起毛せしめられていることを特徴とする請求項1記載の腰裏用すべり止め。
  4. 溶融状態のシリコーン樹脂を成形することによる細幅の平坦面からなる複数のすべり止め面2,2が、前記基布1に対して垂直方向及び水平方向ではない方向を向いて複数列形成されている基布1を、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体5に装着したことを特徴とする腰裏。
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