本発明は、デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信システム、デジタル放送受信機および移動用通信装置に関する。
ビデオテープレコーダ等により番組を録画する際には、例えば新聞等の番組表にしたがって、目的とする番組を録画予約することにより、ユーザが屋外等にいる場合でも番組の録画が可能となる。
ところが、スポーツ中継等の番組は、予定された放送時間を延長して放送されることが多い。そのため、例えば新聞等の番組表にしたがってこのような番組を録画予約すると、放送時間が延長されることより、番組の延長部分が録画されないことがある。
このような課題を解決するため、例えば特許文献1に開示される録画予約システムにおいては、録画予約される番組、またはその前の番組の放送時間が延長される可能性があれば、その旨を示す警告画面がテレビジョン受像機に表示される。この場合、ユーザはこの警告表示に応じて録画予約の時間の延長を指定することができる。それにより、録画予約する番組またはその前の番組の放送時間が延長されたとしても、番組を最後まで録画することができる。
特開平10−21601号公報
しかしながら、延長される可能性のある番組と、その番組の放送予定時間の終了後に他のチャンネルで開始する番組とが録画予約されている場合、先の番組の放送時間が延長されると、その延長時間内において先の番組と後の番組とが重複して放送される。この場合、上記特許文献1の録画予約システムでは、いずれか一方の番組しか録画することができない。
本発明の目的は、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組を録画することが可能なデジタル放送受信システムを提供することである。
本発明の他の目的は、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組の録画を可能とするデジタル放送受信機および移動用通信装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、同時に選局可能な番組数を超える数の番組の番組データを出力することが可能なデジタル放送受信機を提供することである。
(1)
本発明の一局面に従うデジタル放送受信システムは、デジタル放送を受信するデジタル放送受信機と、デジタル放送の受信機能を有する移動用通信装置とを備え、デジタル放送受信機は、受信したデジタル放送の放送信号のうち選択された番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データを取得するn個(nは自然数)の第1の受信部と、録画予約された番組を示す録画予約情報を保持する情報保持部と、情報保持部に保持される録画予約情報に基づいてn個の第1の受信部により取得される番組の番組データを第1の番組の番組データとして記録する第1のデータ記録部と、情報保持部に保持された録画予約情報に基づいて同一時刻に録画が要求される番組の数を録画要求数として判別するとともに、録画要求数がn個を超える場合に、第1のデータ記録部に記録されない番組の番組データを第2の番組の番組データとして判別する第1の判別部と、録画要求数がn個を超える場合に、第2の番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報を移動用通信装置に送信する第1の通信部とを含み、移動用通信装置は、デジタル放送受信機から送信された録画指示情報を受信する第2の通信部と、第2の通信部により受信された録画指示情報に基づいて、受信したデジタル放送の放送信号のうち第2の番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データを取得する第2の受信部と、第2の受信部により取得される番組データを記録する第2のデータ記録部とを含むものである。
そのデジタル放送受信システムにおいては、デジタル放送受信機のn個の第1の受信部によりデジタル放送の放送信号のうち選択された番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データが取得される。また、情報保持部により録画予約された番組を示す録画予約情報が保持される。
情報保持部に保持される録画予約情報に基づいてn個の第1の受信部により取得される番組の番組データが第1のデータ記録部により第1の番組の番組データとして記録される。
第1の判別部により、録画予約情報に基づいて同一時刻に録画が要求される番組の数が録画要求数として判別されるとともに、録画要求数がn個を超える場合に、第1のデータ記録部に記録されない番組の番組データが第2の番組の番組データとして判別される。録画要求数がn個を超える場合には、第1の通信部により第2の番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報が移動用通信装置に送信される。
一方、移動用通信装置の第2の通信部により、デジタル放送受信機から送信された録画指示情報が受信されると、録画指示情報に基づいて、第2の受信部によりデジタル放送の放送信号のうち第2の番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データが取得される。第2の受信部により取得される番組データは第2のデータ記録部により記録される。
このように、デジタル放送受信機により同一時刻に録画が要求される番組の数がn個の第1の受信部の数を超える場合には、n個の第1の番組の番組データがデジタル放送受信機の第1のデータ記録部に記録されるとともに、移動用通信装置に残りの第2の番組の録画指示情報が送信される。それにより、第2の番組の番組データが移動用通信装置の第2のデータ記録部に記録される。したがって、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組を録画することが可能となる。その結果、使用者は、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組の数を超える数の番組を視聴することができる。
(2)
本発明の他の局面に従うデジタル放送受信機は、デジタル放送を受信するとともに、移動用通信装置と通信可能なデジタル放送受信機であって、受信したデジタル放送の放送信号のうち選択された番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データを取得するn個(nは自然数)の受信部と、録画予約された番組を示す録画予約情報を保持する情報保持部と、情報保持部に保持される録画予約情報に基づいてn個の受信部により取得される番組の番組データを第1の番組の番組データとして記録するデータ記録部と、情報保持部に保持された録画予約情報に基づいて同一時刻に録画が要求される番組の数を録画要求数として判別するとともに、録画要求数がn個を超える場合に、データ記録部に記録されない番組の番組データを第2の番組の番組データとして判別する判別部と、録画要求数がn個を超える場合に、第2の番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報を移動用通信装置に送信する通信部とを備えるものである。
そのデジタル放送受信機においては、n個の受信部によりデジタル放送の放送信号のうち選択された番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データが取得される。また、情報保持部により録画予約された番組を示す録画予約情報が保持される。
情報保持部に保持される録画予約情報に基づいてn個の受信部により取得される番組の番組データがデータ記録部により第1の番組の番組データとして記録される。
判別部により、録画予約情報に基づいて同一時刻に録画が要求される番組の数が録画要求数として判別されるとともに、録画要求数がn個を超える場合に、データ記録部に記録されない番組の番組データが第2の番組の番組データとして判別される。録画要求数がn個を超える場合には、通信部により第2の番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報が移動用通信装置に送信される。
このように、デジタル放送受信機により同一時刻に録画が要求される番組の数がn個の受信部の数を超える場合には、n個の第1の番組の番組データがデジタル放送受信機のデータ記録部に記録されるとともに、移動用通信装置に残りの第2の番組の録画指示情報が送信される。
この場合、デジタル放送受信機から送信された第2の番組の録画指示情報に応じて、移動用通信装置が第2の番組の番組データを記録することにより、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組を録画することが可能となる。その結果、使用者は、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組の数を超える数の番組を視聴することができる。
(3)
デジタル放送受信機は、受信したデジタル放送の放送信号から録画予約された番組の放送時間の延長を示す延長情報を抽出する抽出部をさらに備え、判別部は、抽出部により抽出された延長情報および情報保持部に保持された録画予約情報に基づいて録画要求数を判別するとともに、録画予約された番組の延長により録画要求数がn個を超える場合に、録画予約された番組の延長部分の番組データまたは他の番組の番組データを第2の番組の番組データとして判別してもよい。
この場合、録画予約された番組の延長により録画要求数がn個を超える場合に、録画予約された番組の延長部分の番組データまたは他の番組の番組データを移動用通信装置により記録することができる。
(4)
デジタル放送受信機は、地域、放送局および周波数の対応関係を示す対応情報を記録する対応情報記録部をさらに備え、通信部は、対応情報記録部に記録された対応情報に基づいて録画を指示する第2の番組の周波数を特定し、特定された周波数を含む録画指示情報を移動用通信装置に送信してもよい。
この場合、デジタル放送受信機の対応情報記録部に地域、放送局および周波数の対応関係を示す対応情報が記録されているので、対応情報に基づいて録画を指示する第2の番組の周波数が特定され、特定された周波数を含む録画指示情報が移動用通信装置に送信される。
それにより、移動用通信装置において、録画指示情報により録画が指示された第2の番組の周波数の特定が容易となる。また、特定された周波数に基づいて容易に第2の番組の放送信号を選択することが可能となる。
また、デジタル放送受信機に設けられる対応情報記録部の記録容量を大きくすることにより、多数の地域の対応情報を記録することが可能となる。
(5)
判別部は、録画指示情報により指示された第2の番組の番組データを移動用通信装置が取得することが不可能であることを示すデータ取得不可信号が通信部により受信された場合に、元の第1の番組のいずれかを新たな第2の番組に変更するとともに元の第2の番組を新たな第1の番組に変更し、通信部は、新たな第2の番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報を移動用通信装置に送信してもよい。
第2の番組の放送信号の受信強度が低い場合または第2の番組の放送信号の周波数が不明な場合には、移動用通信装置により第2の番組の番組データの取得が不可能となる。この場合、元の第1の番組のいずれかが新たな第2の番組に変更されるとともに元の第2の番組が新たな第1の番組に変更される。それにより、移動用通信装置において、新たな第2の番組の番組データの取得が行われる。
(6)
n個の受信部のうちいずれかの受信部は、第2の番組の放送信号を間欠的に選択し、受信部により選択された放送信号からIピクチャを抽出し、デジタル放送受信機は、抽出したIピクチャを記録するピクチャ記録部と、移動用通信装置により記録された第2の番組の番組データをピクチャ記録部により記録されたIピクチャを用いて補正することにより復元番組データを作成する補正部とをさらに備えてもよい。
この場合、データ記録部により第1の番組の番組データが記録されるとともに、ピクチャ記録部により第2の番組のIピクチャが記録される。そして、移動用通信装置により記録された第2の番組の番組データのBピクチャおよびPピクチャが高画質のIピクチャを用いて補正される。それにより、第2の番組の番組データから高画質の復元番組データを作成することが可能となる。
(7)
補正部は、ピクチャ記録部により記録されたIピクチャと移動用通信装置により記録された第2の番組の番組データのIピクチャとの差分に基づいて基準画像を作成し、作成された基準画像に基づいて第2の番組の番組データを補正してもよい。
この場合、高画質のIピクチャと第2の番組の番組データのIピクチャとの差分に基づいて基準画像が作成され、基準画像に基づいて第2の番組の番組データのBピクチャおよびPピクチャが高画質に補正される。それにより、第2の番組の番組データからより高画質の復元番組データを作成することが可能となる。
(8)
補正部は、移動用通信装置により記録された第2の番組の番組データから動きベクトルを算出し、算出された動きベクトルに基づいて基準画像のブロックの画素値を第2の番組の番組データのPピクチャにおいて対応するブロックの画素値に加算することにより復元番組データを作成してもよい。
この場合、動画におけるPピクチャが高画質に補正される。それにより、高画質の動画の復元番組データを作成することが可能となる。
(9)
補正部は、ピクチャ記録部により記録されたIピクチャおよび移動用通信装置により記録された第2の番組の番組データのPピクチャに基づいて復元番組データのBピクチャを生成してもよい。
この場合、高画質のIピクチャおよび第2の番組の番組データのPピクチャに基づいて高画質のBピクチャが生成される。それにより、高画質の復元番組データを作成することが可能となる。
(10)
デジタル放送受信機は、第2の番組の番組データのIピクチャの周期を予め算出する周期算出部をさらに備え、受信部は、周期算出部により算出された周期で第2の番組の放送信号を選択してもよい。
この場合、第2の番組の放送信号からIピクチャを正確に抽出することが可能となる。
(11)
デジタル放送受信機は、受信部により選択される第1の番組の放送信号のピクチャ間の差分値を検出するピクチャ差分検出部と、ピクチャ差分検出部により検出された差分値が所定のしきい値以下であるか否かを判定する差分値判定部とをさらに備え、受信部は、差分値がしきい値以下であるとピクチャ差分判定部により判定された場合に周期算出部により算出された周期で第2の番組の放送信号を選択してもよい。
この場合、第1の番組の放送信号のピクチャの変化が小さい場合に第2の番組の放送信号が選択される。それにより、データ記録部に記録される第2の番組の番組データが劣化することが防止される。
(12)
本発明のさらに他の局面に従うデジタル放送受信機は、デジタル放送を受信するデジタル放送受信機であって、受信したデジタル放送の放送信号のうち選択された第1の番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データを取得する受信部と、第1の番組と異なる第2の番組の放送信号をIピクチャの周期で間欠的に選択するように受信部を制御する制御部と、受信部により選択された第2の番組の放送信号からIピクチャを抽出する抽出部と、受信部により取得される第1の番組の番組データおよび抽出部により抽出される第2の番組のIピクチャを出力する出力回路とを備えたものである。
そのデジタル放送受信機においては、受信部により受信されたデジタル放送の放送信号のうち選択された第1の番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データが取得される。また、第2の番組の放送信号がIピクチャの周期で間欠的に選択されるように受信部が制御部により制御される。さらに、受信部により選択された第2の番組の放送信号からIピクチャが抽出部により抽出され、第1の番組の番組データおよび第2の番組のIピクチャが出力回路により出力される。
それにより、同時に選局可能な番組の数を超える数の番組のデータを出力することが可能になる。この場合、第1の番組の番組データを用いて第1の番組を高画質の映像で表示することが可能になるとともに、第2の番組のIピクチャを用いて第2の番組の映像を表示することが可能となる。その結果、使用者は、同時に選局可能な番組の数を超える数の番組を視聴することができる。
(13)
本発明のさらに他の局面に従う移動用通信装置は、デジタル放送の受信機能を有するとともに、デジタル放送受信機と通信可能な移動用通信装置であって、番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報をデジタル放送受信機から受信する通信部と、通信部により受信された録画指示情報に基づいて、受信したデジタル放送の放送信号のうち番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データを取得する受信部と、受信部により取得される番組データを記録するデータ記録部とを備えたものである。
その移動用通信装置においては、通信部によりデジタル放送受信機からの録画指示情報が受信されると、録画指示情報に基づいて、受信部によりデジタル放送の放送信号のうち録画指示情報により指示される番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データが取得される。受信部により取得される番組データはデータ記録部により記録される。
この場合、デジタル放送受信機において同時に選局可能な番組数を超える数の番組の録画が要求されたとしても、デジタル放送受信機から移動用通信装置に録画指示情報が送信されることにより、録画指示情報により指示される番組の番組データが移動用通信装置のデータ記録部により記録される。
したがって、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組を録画することが可能となる。その結果、使用者は、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組の数を超える数の番組を視聴することができる。
(14)
移動用通信装置は、地域、放送局および周波数の対応関係を示す対応情報を記録する対応情報記録部と、現在位置を検出する位置検出部とをさらに備え、受信部は、通信部により受信された録画指示情報、対応情報記録部に記録された対応情報および位置検出部により検出された現在位置に基づいて録画が指示された番組の周波数を特定し、特定された周波数に基づいて番組の放送信号を選択してもよい。
この場合、対応情報記録部に地域、放送局および周波数の対応関係を示す対応情報が記録され、かつ位置検出部により現在位置が検出されるので、録画指示情報、対応情報および現在位置に基づいて録画が指示された番組の周波数が特定される。したがって、特定された周波数に基づいて容易に録画が指示された番組の放送信号を選択することが可能となる。
(15)
移動用通信装置は、現在位置を検出する位置検出部をさらに備え、受信部は、記通信部により受信された周波数を含む録画指示情報および位置検出部により検出された現在位置に基づいて録画が指示された番組の周波数を特定し、特定された周波数に基づいて番組の放送信号を選択してもよい。
デジタル放送受信機から移動用通信装置に送信される録画指示情報に番組の周波数が含まれている場合、録画指示情報および位置検出部により検出された現在位置に基づいて録画が指示された番組の周波数を容易に特定することができる。また、特定された周波数に基づいて容易に番組の放送信号を選択することが可能となる。
(16)
移動用通信装置は、通信部により受信された録画指示情報により指示された番組の番組データの取得が可能か否かを判別する判別部をさらに含み、通信部は、録画指示情報により指示された番組の番組データの取得が不可能であると判別部により判別された場合に、デジタル放送受信機に録画指示情報により指示された番組の番組データの取得が不可能であることを示すデータ取得不可信号を送信してもよい。
録画指示情報により指示された番組の放送信号の受信強度が低い場合またはその番組の放送信号の周波数が不明な場合には、受信部によりその番組の番組データの取得が不可能となる。
この場合、デジタル放送受信機にデータ取得不可信号を送信することにより、デジタル放送受信機は、録画指示情報により指示された番組の番組データを移動用通信装置が取得することが不可能であることを認識し、移動用通信装置に録画を指示する番組を変更することができる。それにより、移動用通信装置において、新たな番組の番組データの取得が行われる。
本発明によれば、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組を録画することが可能となる。
また、同時に選局可能な番組数を超える数の番組の番組データを出力することが可能となる
図1は本発明に係るデジタル放送受信システムの概要を示す図
図2は第1の実施の形態に係るデジタル放送受信システムのデジタル放送受信機の構成を示すブロック図
図3は第1の実施の形態に係る移動用通信装置の構成を示すブロック図
図4は各放送局の放送信号に対応するチャンネルの一例を示す図
図5はデジタル放送受信機の制御部による第1の制御例を示すフローチャート
図6は移動用通信装置の制御部による第1の制御例を示すフローチャート
図7は番組の放送予定表の一例を示す図
図8はデジタル放送受信機の制御部による第2の制御例を示すフローチャート
図9はデジタル放送受信機の制御部による録画指示情報切替処理のフローチャート
図10は第2の実施の形態に係るデジタル放送受信システムのデジタル放送受信機の構成を示すブロック図
図11は周波数テーブルの一例を示す図
図12は第3の実施の形態に係るデジタル放送受信機の詳細な構成を示すブロック図
図13は制御部による番組サンプリング処理のフローチャート
図14は制御部によるIピクチャ監視処理のフローチャート
図15は制御部によるIピクチャ取得処理のフローチャート
図16は番組サンプリング処理時の選局状態を説明するためのタイミングチャート
図17は制御部による合成処理のフローチャート
図18は移動録画映像データおよび本体録画映像データの構成を説明するための模式図
図19は画像補正処理の処理過程を示す模式図
図20は画像補正処理の処理過程を示す模式図
図21は画像補正処理の処理過程を示す模式図
図22は番組データ結合処理について説明するための図
図23は第4の実施の形態に係るデジタル放送受信機の詳細な構成を示すブロック図
図24は制御部によるIピクチャ取得処理のフローチャート
図25は第4の実施の形態における番組サンプリング処理時の選局状態を説明するためのタイミングチャート
図26は第5の実施の形態に係るデジタル放送受信機の詳細な構成を示すブロック図
図27は2画面映像データに基づいて得られる映像の具体例を示す図
図28は制御部による2画面表示処理のフローチャート
以下、本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信システムおよびデジタル放送受信機について、図面を参照して説明する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)デジタル放送受信機の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るデジタル放送受信システムの概要を示すブロック図である。
図1に示すように、デジタル放送受信システム100は、デジタル放送受信機10および移動用通信装置40により構成される。
デジタル放送受信機10は、デジタル放送を受信可能なデジタルテレビまたはセットトップボックス(STB)等である。なお、本実施の形態では、デジタル放送受信機10は、例えば12セグメント放送信号を受信する。
移動用通信装置40は、デジタル放送を受信可能な携帯電話、PDA(携帯情報端末:Personal Digital Assistant)または車載型受信機等である。また、移動用通信装置40には、記録媒体50が装着される。記憶媒体50は、メモリカード等である。なお、本実施の形態では、移動用通信装置40は例えば1セグメント放送信号を受信する。
図2は、図1のデジタル放送受信機10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、デジタル放送受信機10は、チューナ11a,11b、番組記録部12、延長情報抽出部13、録画予約情報記録部14、タイマー15、情報送信部16、情報受信部19および制御部17を備える。
チューナ11a,11bは、それぞれ選局部111、復調部112、分離部113、デコーダ114および出力回路115を含む。
選局部111は、放送局から送信される放送信号の周波数を選択することにより選局を行い、選局された放送信号を出力する。
復調部112は、選局部111から出力された放送信号を復調し、MPEG(Moving Picture Experts Group)規格に準拠したトランスポートストリーム(以下、TSと呼ぶ)を出力する。
分離部113は、復調部112から出力されたTSにMPEG規格に準拠したフィルタリング処理を行うことにより特定の番組に対応する映像ストリームおよび音声ストリーム、ならびに各種情報等を分離する。
デコーダ114は、分離部113から出力される音声ストリームおよび映像スクリームを復号して音声データおよび映像データを出力する。なお、本実施の形態のデジタル放送受信機10においては、映像データは例えば水平走査線数1080本のプログレッシブ方式の映像フォーマットを有する。
出力回路115は、デコーダ114から出力される音声データおよび映像データをD/A(デジタル/アナログ)変換し、音声信号をスピーカ117に出力するとともに、映像信号をモニタ116に出力する。なお、スピーカ117およびモニタ116は、デジタル放送受信機10に内蔵されてもよく、あるいはデジタル放送受信機10とは別個に設けられてもよい。
また、出力回路115は、音声データおよび映像データを番組記録部12に出力する。
なお、デジタル放送受信機10により同時に選局可能な放送信号の数は、チューナの数に等しい。本実施の形態では、チューナ11aおよびチューナ11bの2つのチューナを備えるため、2つの放送信号を同時に選局することが可能である。
番組記録部12は、出力回路115から出力された音声データおよび映像データを記録する。なお、番組記録部12は、デジタル放送受信機10の外部に設けられてもよい。
延長情報抽出部13は、分離部113により分離された情報から延長開始情報および延長終了情報を抽出する。延長開始情報は、番組が延長されることを示し、番組の放送時間の延長が決定された際に放送局から送信される。延長終了情報は、延長された番組の終了時刻を示し、延長された番組の放送終了時刻が決定された際に放送局から送信される。以下、延長開始情報および延長終了情報を延長情報と総称する。
なお、延長情報抽出部13は、例えばEPG(電子番組案内:Electronic Program Guide)等の番組表から、番組の延長情報を抽出してもよい。
録画予約情報記録部14には、ユーザが録画を要求する番組に関する情報(以下、録画予約情報と呼ぶ)が記録される。すなわち、所望の番組の録画予約情報が録画予約情報記録部14に記録されることにより、その番組が録画予約される。
録画予約情報は、番組のチャンネル、番組名、番組の放送予定時間(放送開始予定時刻および放送終了予定時刻を含む)および番組内容等の番組を識別するための情報を含む。録画予約情報記録部14への録画予約情報の記録(録画予約)は、ユーザがリモコン18またはデジタル放送受信機10の操作パネル(図示せず)を操作することにより行われる。
なお、録画予約情報記録部14は、上記の番組記録部12と一体であってもよい。
タイマー15は、現在の時刻を示す時刻情報を制御部17に出力する。
情報送信部16は、図1に示した移動用通信装置40に録画指示情報を送信する。録画指示情報は、移動用通信装置40に録画を指示する番組の番組名および放送局を含む。詳細は後述する。
情報受信部19は、図1に示した移動用通信装置40から受信不可情報を受信する。受信不可情報は、移動用通信装置40が、録画指示情報により指示された番組の放送信号を受信することができないことを示す。詳細は後述する。
制御部17は、ユーザによるリモコン18の操作、延長情報抽出部13により抽出された延長情報、録画予約情報記録部14に記録された録画予約情報、タイマー15による時刻情報、および情報受信部19により受信した受信不可情報に基づいて、デジタル放送受信機10の各構成要素を制御する。制御部17による制御処理の詳細については後述する。
次に、図1の移動用通信装置40の構成について説明する。図3は、移動用通信装置40の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、移動用通信装置40は、放送信号受信部41、記録媒体入出力部42、情報受信部43、情報送信部48、位置検出部44、記録部45および制御部46を含む。
放送信号受信部41は、放送局から送信される放送信号の周波数を選択することにより選局を行うとともに、その放送信号から、指示された番組の音声データおよび映像データを復号する。なお、本実施の形態の移動用通信装置40においては、映像データは例えば水平走査線数525本のプログレッシブ方式の映像フォーマットを有する。
記録媒体入出力部42は、放送信号受信機41により得られた音声データおよび映像データを記録媒体50に入出力する。
なお、記録媒体入出力部42と記録媒体50とが一体に構成されてもよく、記録媒体入出力部42に対して記録媒体50が脱着可能に設けられてもよい。
情報受信部43は、デジタル放送受信機10の情報送信部16(図2)から送信される録画指示情報を受信する。
情報送信部48は、デジタル放送受信機10の情報受信部19(図2)に受信不可情報を送信する。
位置検出部44は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて、移動用通信装置40の現在位置を示す位置情報を出力する。
記録部45には、所望の放送局の放送信号に対応するチャンネル情報が記録される。
ここで、各放送局の放送信号に対応するチャンネルは、移動用通信装置40がどの地域に位置するかにより異なる。
図4は、各放送局の放送信号に対応するチャンネルの一例である。図4によれば、例えばA放送局の放送信号に対応するチャンネルは、a地域において3chであり、b地域において34chである。このように、同じ放送局の放送信号を受信する場合でも、移動用通信装置40が位置する地域によって異なるチャンネルを設定する必要がある。
なお、本実施の形態において、記録部45には、予め定められた地域に対応するチャンネル情報が記録される。例えば、図4におけるa地域およびb地域に対応するチャンネル情報が記録部45に記録される。
なお、各チャンネルには中心周波数が割り当てられている。例えば、13chには473.14MHzが割り当てられ、14chには479.14MHzが割り当てられ、15chには485.142MHzが割り当てられている。
制御部46は、情報受信部43により受信された録画指示情報、位置検出部44により検出された位置情報、および記録部45に記録されるチャンネル情報に基づいて、移動用通信装置40の各部を制御する。制御部46による制御処理については後述する。
(1−2)録画時における制御処理
次に、録画予約された番組(以下、予約番組と呼ぶ。)をデジタル放送受信システム100により録画する際の制御処理について説明する。
(1−2−1)第1の制御例
第1の制御例においては、放送時間が延長される可能性のある番組が、予約番組として録画予約されており、また、予約番組の放送予定時間内においては、他の番組が録画予約されていない場合について説明する。
図5は、デジタル放送受信機10の制御部17による第1の制御例を示すフローチャートである。図6は、移動用通信装置40の制御部46による第1の制御例を示すフローチャートである。
また、図7は、番組の放送予定表の一例である。図7において、予約番組は、例えばA放送局で18時から21時まで放送される野球中継である。
まず、図2および図5を参照して、デジタル放送受信機10の制御部17による第1の制御例について説明する。
制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて、番組記録部12による予約番組の録画を開始する(ステップS1)。
次に、制御部17は、延長情報抽出部13により延長開始情報が抽出されたか否かを判定する(ステップS2)。ここで、上述のように、延長開始情報は予約番組の放送時間の延長が決定した際に、放送局から送信される。すなわち、延長情報抽出部13により延長開始情報が抽出された場合は、予約番組の放送時間の延長が決定しており、延長情報抽出部13により延長開始情報が抽出されていない場合は、予約番組の放送時間の延長がまだ決定していない。
延長情報抽出部13により延長開始情報が抽出された場合、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録された録画予約情報に基づいて、予約番組の延長時間内に他の番組が録画予約されているか否かを判定する(ステップS3)。
他の番組が録画予約されている場合、制御部17は、録画予約されている他の番組と予約番組との合計数(以下、録画要求数と呼ぶ)がチューナ数よりも多いか否かを判定する(ステップS4)。
本実施の形態では、上述のように、デジタル放送受信機10が、2つのチューナ11a,11bを有する。したがって、録画要求数が3以上であれば、制御部17は、録画要求数がチューナ数よりも多いと判定し、録画要求数が2以下であれば、制御部17は、録画要求数がチューナ数以下であると判定する。
録画要求数がチューナ数よりも多い場合、制御部17は、情報送信部16により予約番組の録画指示情報を移動用通信装置40に送信する(ステップS5)。この場合、録画指示情報には、予約番組の番組名および放送局が含まれる。図7の例では、野球中継以外にB放送局のドラマおよびa放送局のサッカー中継が録画予約されている場合、制御部17は、予約番組の録画指示情報を移動用放送受信機40に送信する。この場合、録画指示情報には、番組名として野球中継が含まれ、放送局としてA放送局が含まれる。
次に、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が予約番組の放送終了予定時刻であるかを判定する(ステップS6)。
現時刻が予約番組の放送終了予定時刻である場合、制御部17は、予約番組の録画を終了する(ステップS7)。同時に、制御部17は、他の番組の録画を開始する。図7の例では、制御部17は、野球中継の録画を終了し、ドラマおよびサッカー中継の録画を開始する。
一方、ステップS2において、延長開始情報が抽出されていない場合、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が予約番組の放送終了予定時刻であるか否かを判定する(ステップS8)。
現時刻が録画予約の放送終了予定時刻である場合、制御部17は、番組記録部12による予約番組の録画を終了する(ステップS7)。図7の例では、制御部17は、野球中継の録画を終了する。
ステップS8において、現時刻が録画予約の放送終了予定時刻でない場合、制御部17は、ステップS2の処理に戻る。
また、ステップS3において、他の番組が録画予約されていない場合、制御部17は、予約番組の放送終了予定時刻後においても番組記録部12による予約番組の録画を継続して行う(ステップS9)。図7の例では、野球中継以外に録画予約されていない場合には、制御部17は、延長された野球中継の録画を継続する。
次に、制御部17は、延長情報抽出部13により予約番組の延長終了情報が抽出されたか否かを判定する(ステップS10)。
延長情報抽出部13により予約番組の延長終了情報が抽出された場合、制御部17は、予約番組の延長終了情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて現時刻が予約番組の放送終了時刻であるか否かを判定する(ステップS11)。
現時刻が予約番組の放送終了時刻である場合、制御部17は、番組記録部12による予約番組の録画を終了する(ステップS7)。図7の例では、制御部17は、野球中継の録画を終了する。
ステップS10において、延長情報抽出部13により予約番組の延長終了情報が抽出されていない場合、制御部17は、ステップS10の判定を繰り返す。
ステップS11において、現時刻が予約番組の放送終了時刻でない場合、制御部17は、現時刻が予約番組の放送終了時刻になるまで待機する。
また、ステップS4において、録画要求数がチューナ数以下の場合、制御部17は、予約番組の放送終了予定時刻後においても番組記録部12による予約番組の録画を継続して行うとともに(ステップS12)、録画予約情報および時刻情報に基づいて番組記録部12による他の番組の録画を開始する(ステップS13)。図7の例では、野球中継以外にB放送局のドラマのみが録画予約されている場合には、制御部17は、延長された野球中継の録画を継続するとともに、ドラマの録画を開始する。
その後、制御部17は、ステップS10およびステップS11の処理を介して、予約番組の録画を終了する(ステップS7)。図7の例では、制御部17は、延長された野球中継の録画を終了する一方で、ドラマの録画を継続する。
また、ステップS6において、現時刻が予約番組の放送終了予定時刻でない場合、制御部17は、現時刻が予約番組の放送終了予定時間になるまで待機する。
次に、図3および図6を参照して、移動用通信装置40の制御部46による制御処理について説明する。
まず、制御部46は、情報受信部43により録画指示情報が受信されたか否かを判定する(ステップS21)。なお、第1の制御例において、情報受信部43により受信される録画指示情報は、予約番組の番組名および放送局を含む。図7の例では、番組名として野球中継が含まれ、放送局としてA放送局が含まれる。
ステップS21において、録画指示情報が受信されていない場合、制御部46は、ステップS21の判定を繰り返す。
録画指示情報が受信された場合、制御部46は、位置検出部44により検出された位置情報を取得する(ステップS22)。
次に、制御部46は、位置検出部44から取得した位置情報、および記録部45に記録されているチャンネル情報に基づいて、録画指示情報に示される番組を受信するための周波数を特定可能か否かを判定する(ステップS23)。
この場合、録画指示情報に示される番組が、移動用通信装置40の現在地において放送されていれば、その放送信号を受信するための周波数を特定することができる。具体的には、位置情報から地域が特定され、その特定された地域における各放送局のチャンネルがチャンネル情報から特定される。それにより、録画指示情報に示される放送局の周波数を特定することができる。
一方、録画指示情報に示される番組が、移動用通信装置40の現在地において放送されていなければ、その放送信号を受信するための周波数を特定することができない。
図7の例において、録画指示情報に示される放送局はA放送局である。この場合、図4の例において、例えば、移動用通信装置40がa地域に位置すれば、周波数(チャンネル)は3chの周波数に特定することができる。
ステップS23において、周波数を特定可能な場合、制御部46は、周波数を特定し(ステップS24)、その特定された周波数に基づいて放送信号受信部41による選局を行う(ステップS25)。
なお、チャンネル情報として記録されている地域以外の地域に移動用通信装置40が位置する場合、ユーザが、制御部46の代わりにキー操作により周波数(チャンネル)を特定することにより選局してもよい。
次に、制御部46は、放送信号受信部41による受信強度がしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS26)。例えば、移動用通信装置50が高速で移動中の場合、または移動用通信装置50が電波の届かない場所にある場合には、放送信号受信部41による受信強度が低くなる。
受信強度がしきい値以上である場合、録画指示情報から特定される放送局の放送信号が、放送信号受信部41により正常に受信される。この場合、制御部46は、受信された番組(予約番組)を記録媒体入出力部42を通して記録媒体50に録画し(ステップS27)、録画終了後、処理を終了する。図7の例では、制御部46は、延長された野球中継を録画する。
一方、ステップS23において、周波数を特定することができない場合、制御部46は、移動用通信装置40の表示部(図示せず)により、録画指示情報に示される番組を受信することができない旨を表示し(ステップS28)、処理を終了する。
また、ステップS26において、放送信号受信部41による受信強度がしきい値より低い場合には、録画指示情報から特定される放送局の放送信号が放送信号受信部41により正常に受信されない。この場合、制御部46は、ステップS28の処理に進む。
以上のように、第1の制御例では、予約番組の放送時間の延長により録画要求数がチューナの数よりも多くなった場合、デジタル放送受信機10から移動用通信装置40に予約番組の録画指示情報が送信され、移動用通信装置40の記録媒体50による予約番組の録画が開始される。この場合、デジタル放送受信機10の番組記録部12により他の番組が録画される。それにより、延長された予約番組および他の番組を最後まで録画することができる。
なお、移動用通信装置40の記録媒体50による予約番組の録画の開始は、録画指示情報の受信時であってもよく、または予約番組の延長開始時であってもよい。例えば録画指示情報に延長開始時刻を加えることにより、記録媒体50による予約番組の録画の開始時刻を予約番組の延長開始時刻に合わせることができる。
また、本例では、予約番組を移動用通信装置40の記録媒体50により録画し、他の2つの番組をデジタル放送受信機10の番組記録部12により録画したが、他の2つの番組のうち一方の番組と予約番組とをデジタル放送受信機10の番組記録部12により録画し、他の2つの番組のうち他方の番組を移動用通信装置40の記録媒体50により録画してもよい。その場合、デジタル放送受信機10の制御部16は、他の2つの番組のうち他方の番組の録画指示情報を情報送信部16により移動用通信装置40に送信するとともに、番組記録部12により予約番組を継続して録画する。
(1−2−2)第2の制御例
第2の制御例においては、放送時間が延長される可能性のない番組を予約番組として録画予約している場合について説明する。図7において、予約番組は、例えばb放送局で18時から22時まで放送されるバラエティーである。
図8は、デジタル放送受信機10の制御部17による第2の制御例を示すフローチャートである。
以下、図2および図8を参照して、デジタル放送受信機10の制御部17による第2の制御例について説明する。
まず、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて番組記録部12による予約番組の録画を開始する(ステップS31)。
次に、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報に基づいて、予約番組の放送予定時間内に他の番組が録画予約されているか否かを判定する(ステップS32)。
予約番組の放送予定時間内に他の番組が録画予約されている場合、制御部17は、録画予約されている他の番組と予約番組との合計数(以下、予約重複数と呼ぶ)がチューナ数よりも多いか否かを判定する(ステップS33)。なお、上述のように、本実施の形態ではチューナ数は2である。
予約重複数がチューナ数よりも多い場合、制御部17は、情報送信部16により予約番組の録画指示情報を移動用通信装置40に送信する(ステップS34)。この場合、録画指示情報には、予約番組の番組名および放送局が含まれる。図7の例では、バラエティー以外にB放送局のドラマおよびa放送局のサッカー中継が録画予約されている場合、制御部17は、録画指示情報を移動用通信装置40に送信する。この場合、録画指示情報には、番組名としてバラエティーが含まれ、放送局としてb放送局が含まれる。
そして、制御部17は、録画予約情報および時刻情報に基づいて他の番組の放送の開始時刻に番組記録部12による予約番組の録画を終了する(ステップS35)。同時に、制御部17は、番組記録部12による他の番組の録画を開始する。図7の例では、制御部17は、バラエティーの録画を終了し、ドラマの録画を開始する。
一方、ステップS32において、他の番組が録画予約されていない場合、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が予約番組の放送終了予定時刻であるか否かを判定する(ステップS36)。図7の例では、バラエティーのみが録画予約されている場合、現在時刻がバラエティーの放送終了予定時刻であるか否かを判定する。
予約番組の放送終了予定時間である場合、制御部17は、番組記録部12による予約番組の録画を終了する(ステップS35)。図7の例では、制御部17は、バラエティーの録画を終了する。
ステップS36において、予約番組の放送終了予定時間でない場合、制御部17は、現時刻が予約番組の放送終了予定時刻になるまで待機する。
また、ステップS33において、予約重複数がチューナの数以下の場合、制御部17は、番組記録部12による予約番組の録画を継続して行うとともに、録画予約情報および時刻情報に基づいて、他の番組の録画を開始する(ステップS37)。図7の例では、バラエティー以外に例えばB放送局のドラマが録画予約されている場合に、制御部17は、バラエティーの録画を継続するとともに、ドラマの録画を開始する。その後、制御部17は、ステップS36の処理に進む。
移動用通信装置40の制御部46による制御処理は、上記第1の制御例における制御処理(図6参照)と同様である。
以上のように、第2の制御例では、予約番組の放送時間内に他の番組が録画予約されることにより録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合、デジタル放送受信機10から移動用通信装置40に予約番組の録画指示情報が送信され、移動用通信装置40の記録媒体50による予約番組の録画が開始される。この場合、デジタル放送受信機10の番組記録部12により他の1つの番組が録画される。それにより、予約番組および他の番組を最後まで録画することができる。
なお、第2の制御例では、他の番組の放送開始時に番組記録部12による予約番組の録画が終了されるが、デジタル放送受信機10の情報送信部16による録画指示情報の送信時に、番組記録部12による予約番組の録画が終了されてもよい。
また、本例では、予約番組を移動用通信装置40の記録媒体50により録画し、他の2つの番組をデジタル放送受信機10の番組記録部12により録画したが、他の2つの番組のうち一方の番組と予約番組とをデジタル放送受信機10の番組記録部12により録画し、他の2つの番組のうち他方の番組を移動用通信装置40の記録媒体50により録画してもよい。その場合、デジタル放送受信機10の制御部16は、他の2つの番組のうち他方の番組の録画指示情報を情報送信部16により移動用通信装置40に送信するとともに、番組記録部12により予約番組を継続して録画する。
(1−2−3)第3の制御例
第3の制御例では、図6のステップS23において、周波数を特定することができない場合、またはステップS26において、放送信号受信部41による受信強度がしきい値より低い場合に、移動用通信装置40の制御部46は、情報送信部48により受信不可情報をデジタル放送受信機10に送信する。なお、図6のステップS28の処理は、行われなくてもよい。
この場合、デジタル放送受信機10の制御部17は、図6のステップS11または図8のステップS36において情報送信部16により予約番組の録画指示情報を移動用通信装置40に送信した後、以下に示す録画指示情報切替処理を行う。
図9は、デジタル放送受信機10の制御部17による録画指示情報切替処理のフローチャートである。以下、図2および図9を参照して、デジタル放送受信機10の制御部17による録画指示情報切替処理について説明する。
制御部17は、図6のステップS11または図8のステップS36において、情報送信部16により予約番組の録画指示情報を移動用通信装置40に送信した後、情報受信機19により受信不可情報を受信したか否かを判定する(ステップS51)。
情報受信機19により受信不可情報を受信した場合には、情報送信部16により他の番組のうち一方の番組(例えば、図7において、B放送局のドラマ)の録画指示情報を移動用通信装置40に送信する(ステップS52)。
次に、制御部17は、情報受信機19により受信不可情報を再度受信したか否かを判定する(ステップS53)。
受信不可情報を再度受信した場合、制御部46は、情報送信部16により他の番組のうち他方の番組(例えば、図7において、a放送局のサッカー中継)の録画指示情報を移動用通信装置40に送信する(ステップS54)。
次に、制御部17は、番組記録部12により予約番組の延長部分の録画を継続して行うとともに(ステップS55)、他の番組のうち一方の番組の録画を開始する(ステップS56)。
その後、制御部17は、予約番組の放送終了時刻に合わせて、番組記録部12による予約番組の録画を終了する(ステップS57)。
一方、ステップS51において、受信不可情報を受信していない場合、制御部17は、図5のステップS6または図8のステップS35の処理へ進む。なお、情報受信機19により受信不可情報を受信していない場合において、制御部17は、ステップS51の判定を所定の期間繰り返し行ってもよい。
また、ステップS53において、受信不可情報を受信していない場合、制御部17は、番組記録部12により予約番組の録画を継続して行うとともに(ステップS58)、録画予約情報および時刻情報に基づいて他の番組のうち他方の番組(例えば、図7において、a放送局のサッカー中継)の録画を開始する(ステップS59)。その後、制御部17は、ステップS57の処理に進む。
以上のように、第3の制御例では、予約番組の放送信号が移動用通信装置40の放送信号受信部41により正常に受信されない場合、デジタル放送受信機10から移動用通信装置40に他の番組の録画指示情報が送信される。
この場合、移動用通信装置40の制御部46による制御処理(図6および図9参照)が再度行われる。すなわち、デジタル放送受信機10から予約番組の録画指示情報が送信された場合、およびデジタル放送受信機10から他の番組の録画指示情報が送信された場合のそれぞれにおいて、制御部46による制御処理が行われる。
それにより、放送信号受信部41により予約番組の放送信号を受信することができなくても、他の番組のうち少なくとも一方の番組の放送信号を受信することができる場合には、移動用通信装置40の記録媒体50により他の番組が録画される。これにより、予約番組および他の番組のいずれかが録画されない可能性を低減することができる。
(1−3)第1の実施の形態の効果
第1の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100においては、録画予約されている番組の放送時間の延長により録画が要求される番組の数がチューナ数よりも多くなった場合、デジタル放送受信機10から移動用通信装置40に一の番組の録画指示情報が送信され、移動用通信装置40の記録媒体50により一の番組が録画される。この場合、デジタル放送受信機10の番組記録部12により他の番組が録画される。それにより、延長された番組および他の番組を最後まで録画することができる。
また、録画予約されている番組の放送時間内に他の番組が録画予約されることにより録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合、デジタル放送受信機10から移動用通信装置40に一の番組の録画指示情報が送信され、移動用通信装置40の記録媒体50により一の番組が録画される。この場合、デジタル放送受信機10の番組記録部12により他の番組が録画される。それにより、複数の番組を最後まで録画することができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)デジタル放送受信機の構成
以下、第2の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100の構成について説明する。第2の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100は、デジタル放送受信機10の代わりに、以下に示すデジタル放送受信機10Bを備える。
図10は、デジタル放送受信システム100のデジタル放送受信機10Bの構成を示すブロック図である。以下、デジタル放送受信機10Bの構成において、図2に示したデジタル放送受信機10と異なる点について説明する。
図10に示すように、デジタル放送受信機10Bは、デジタル放送受信機10(図2)の各構成要素に加えて、周波数テーブル記録部21を含む。また、デジタル放送受信機10Bは、制御部17(図2)の代わりに制御部17bを含む。
周波数テーブル記録部21には、複数の地域(例えば、日本全国)における各放送局のチャンネルを示す周波数テーブルが記録されている。
図11は、周波数テーブルの一例である。図11によれば、例えばA放送局の放送信号に対応するチャンネルは、a地域において3chであり、b地域において34chである。また、e地域においては、A放送局の番組が放送されておらず、A放送局の放送信号を受信することができない。なお、上述したように、各チャンネルには、所定の中心周波数が割り当てられている。
制御部17bは、デジタル放送受信機10Bの各構成要素を制御する。制御部17bによる制御処理の詳細については後述する。
また、本実施の形態で用いられる移動用通信装置40の構成は、図3に示した移動用通信装置40と同様である。ただし、制御部46による制御処理に関しては、第1の実施の形態と異なる。制御部46による制御処理については後述する。なお、本実施の形態で用いられる移動用通信装置40においては、記憶部45(図3)はなくてもよい。
(2−2)録画時における制御処理
次に、予約番組を録画する際の第2の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100による制御処理について説明する。
まず、デジタル放送受信機10Bの制御部17bによる制御処理について、デジタル放送受信機10の制御部17(図2)による制御処理と異なる点を説明する。
制御部17bは、予約番組の放送時間の延長により録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合、または予約番組の放送時間内に他の番組が録画予約されることにより録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合に、周波数テーブル記憶部21に記録されている周波数テーブルに基づいて予約番組の周波数情報を生成し、その周波数情報を含む予約番組の録画指示情報を移動用通信装置40に送信する。
周波数情報は、番組が放送される地域、およびその地域におけるチャンネルを含む。例えば、図11において、A放送局の番組の周波数情報には、番組が放送される地域として、a〜d地域が含まれ、その地域におけるチャンネルとして、a地域における3ch、b地域における34ch、c地域における5ch、およびd地域における7chが含まれる。
次に、本実施の形態で用いられる移動用通信装置40の制御部46による制御処理について、第1の実施の形態における移動用通信装置40の制御部46による制御処理と異なる点を説明する。
制御部46は、録画指示情報に示される番組を受信するための周波数を特定可能か否かの判定(図6のステップS23参照)、および周波数の特定(図6のステップS24参照)を、位置検出部44(図3)から取得した位置情報および録画指示情報に含まれる周波数情報に基づいて行う。
この場合、移動用通信装置40が現在位置する地域が周波数情報に含まれていれば、番組を受信するための周波数を特定することが可能であり、周波数情報に含まれていなければ、番組を受信するための周波数を特定することができない。
また、移動用通信装置40が現在位置する地域が周波数情報に含まれている場合、周波数情報に示されるチャンネルの中から移動用通信装置40が現在位置する地域に対応するチャンネルを選択することにより周波数を特定することができる。
(2−3)第2の実施の形態の効果
第2の実施の形態においては、録画予約されている番組の放送時間の延長により録画が要求される番組の数がチューナ数よりも多くなった場合、または、録画予約されている番組の放送時間内に他の番組が録画予約されることにより録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合に、デジタル放送受信機10Bの周波数テーブル記録部21に記録される周波数テーブルに基づいて周波数情報が生成され、その周波数情報を含む録画指示情報が移動用通信装置40に送信される。
この場合、移動用通信装置40においては、周波数情報に基づいて、録画指示情報に示される番組の周波数を容易に特定することができる。それにより、録画指示情報が受信されてから録画指示情報に示される番組の録画を開始するまでの時間が短縮される。
また、第2の実施の形態における周波数テーブル記録部21としては、既存のデジタル放送受信機の構成をそのまま利用することができ、容易にかつ安価で迅速に録画を行うことが可能になる。
さらに、チャンネル情報として記録されている地域以外の地域に移動用通信装置40があっても、録画指示情報に示される番組の周波数の特定が制御部46により自動的に行われる。
そのため、移動用通信装置40の記録部45の容量を削減しつつ、迅速に録画を行うことが可能となる。
(3)第3の実施の形態
(3−1)デジタル放送受信機の構成
以下、第3の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100の構成について説明する。第3の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100は、図1に示したデジタル放送受信機10の代わりに、以下に示すデジタル放送受信機10Cを備える。
図12は、デジタル放送受信機10Cの詳細な構成を示すブロック図である。以下、デジタル放送受信機10Cの構成において、図2に示したデジタル放送受信機10と異なる点について説明する。
図12に示すように、デジタル放送受信機10Cは、図2に示したデジタル放送受信機10の各構成要素に加えて、Iピクチャ記録部31、ピクチャ監視部32、記録媒体入出力部33および合成部34を備える。また、デジタル放送受信機10Cは、図2に示した制御部17の代わりに制御部17cを有する。なお、図12においては、図2に示した延長情報抽出部13、情報送信部16および情報受信部19の図示を省略する。
Iピクチャ記録部31は、デコーダ114から出力される映像データに含まれるBピクチャ、PピクチャおよびIピクチャのうちIピクチャを記録する。詳細は後述する。なお、Iピクチャ記録部31は、番組記録部12と一体であってもよい。この場合、番組記録部12により、上記のIピクチャが記録される。
ピクチャ監視部32は、分離部113から出力される映像ストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを検出する。
記録媒体入出力部33は、図1の移動用通信装置40の記録媒体50に記録されている番組データ(音声データおよび映像データを含む)を入出力する。なお、本実施の形態においては、移動用通信装置40から取り出された記録媒体50をデジタル放送受信機10Cに接続することにより、記録媒体50内の番組データがデジタル放送受信機10に入力されるが、移動用通信装置40の記録媒体50内の番組データがネットワーク等の通信媒体を介してデジタル放送受信機10に伝送されてもよい。
合成部34は、Iピクチャ記録部31に記録されたIピクチャを用いて記録媒体入出力部33を介して入力された番組データを補正し、その補正した番組データを番組記録部12に記録されている番組データに結合する。詳細は後述する。
また、制御部17cは、図2の制御部17と同様の制御処理を行うとともに、番組記録部12、Iピクチャ記録部31、記録媒体入出力部33および合成部34を制御する。制御部17cによる制御処理の詳細については後述する。
(3−2)録画時における制御処理
次に、予約番組を録画する際のデジタル放送受信機10Cの制御部17cによる制御処理について説明する。なお、移動用通信装置40の制御部46による制御処理は、上記第1の実施の形態(図6参照)と同様である。
制御部17cは、制御部17と同様の処理(図5、図8および図9参照)を行うとともに、以下に示す番組サンプリング処理を行う。
図5または図8に示した第1、第2の制御例において、番組サンプリング処理は、情報送信部16(図2)により予約番組の録画指示情報が送信されてから予約番組の放送時間が終了するまでの期間に行われる。すなわち、図5に示した第1の制御例においては、ステップS5の処理の後であり、図8に示した第2の制御例においては、ステップS34の処理の後である。
また、図9に示した第3の制御例において、番組サンプリング処理は、情報受信部19により受信不可信号が受信されない場合に行われ、情報送信部16により予約番組または他の番組の録画指示情報が送信されてから、その予約番組または他の番組の放送時間が終了するまでの期間に行われる。
(3−2−1)番組サンプリング処理時の制御
図13は、制御部17cによる番組サンプリング処理のフローチャートである。
以下、図12および図13を参照して制御部17cによる番組サンプリング処理について説明する。なお、以下の説明においては、録画要求数がチューナ数よりも多い場合に、デジタル放送受信機10Cの番組記録部12により録画される番組を他の番組とし、移動用放送受信機40の記録部58(図3)により録画される番組を予約番組とする。
まず、制御部17cは、予約番組のIピクチャ監視処理を行う(ステップS91)。Iピクチャ監視処理については後述する。
次に、制御部17cは、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が他の番組の放送開始時刻であるか否かを判定する(ステップS92)。
ステップS92において、現時刻が他の番組の放送開始時刻でない場合、制御部17cは、ステップS92の判定を繰り返す。
現時刻が他の番組の放送開始時刻である場合、制御部17cは、Iピクチャ取得処理を行い(ステップS93)、処理を終了する。Iピクチャ取得処理については後述する。
ここで、図12および図14を参照して、上記のIピクチャ監視処理について説明する。なお、Iピクチャ監視処理が行われる期間は、予約番組が選局されている。図14には、制御部17cによるIピクチャ監視処理のフローチャートが示される。
まず、制御部17cは、ピクチャ監視部32により検出されたピクチャタイプを取得する(ステップS101)。
次に、制御部17cは、取得したピクチャタイプがIピクチャを示すか否かを判定する(ステップS102)。
ステップS102において、取得したピクチャタイプがIピクチャを示さない場合、制御部17cは、ステップS101の処理に戻る。
取得したピクチャタイプがIピクチャを示す場合、制御部17cは、タイマー15による時刻情報に基づいて、Iピクチャの出現時刻を取得する(ステップS103)。
次に、制御部17cは、Iピクチャ監視処理を開始してから現時刻までにおいて、Iピクチャの出現回数がしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS104)。
ステップS104において、Iピクチャの出現回数がしきい値以上でない場合、制御部17cは、ステップS101の処理に戻る。
Iピクチャの出現回数がしきい値以上になると、制御部17cは、取得した複数のIピクチャの出現時刻に基づいて、Iピクチャの出現周期を算出する(ステップS105)。
次に、制御部17cは、複数のIピクチャの出現時刻、および算出したIピクチャの出現周期に基づいて、以後のIピクチャの出現時刻(以下、Iピクチャ出現時刻と呼ぶ)を算出し(ステップS106)、Iピクチャ監視処理を終了する。
このように、Iピクチャ監視処理により、予約番組のIピクチャ出現時刻が算出される。ここで算出されたIピクチャ出現時刻を用いて、Iピクチャ取得処理が行われる。
以下、図12および図15を参照して、上記のIピクチャ取得処理について説明する。図15には、制御部17cによるIピクチャ取得処理のフローチャートが示される。
まず、制御部17cは、選局部111により他の番組を選局するとともに(ステップS111)、番組記録部12による他の番組の録画を開始する(ステップS112)。
次に、制御部17cは、タイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻であるか否かを判定する(ステップS113)。
現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻である場合、制御部17cは、選局111により予約番組を選局するとともに(ステップS114)、Iピクチャ記録部31により予約番組のIピクチャを記録する(ステップS115)。
次に、制御部17cは、現時刻が予約番組の放送終了時刻であるか否かを判定する(ステップS116)。なお、上述のように、予約番組の放送時間が延長された場合、予約番組の放送終了時刻は、延長情報抽出部(図2)により抽出される延長終了情報に基づいて決定される。また、予約時間の放送時間が延長されない場合、予約番組の放送終了時刻は、録画予約情報記録部14に記録された録画予約情報に基づいて決定される。
現時刻が予約番組の放送終了時刻である場合、制御部17cは、他の番組を選局し(ステップS117)、処理を終了する。
一方、ステップS113において、現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻でない場合、制御部17cは、選局部111により他の番組を選局するとともに(ステップS118)、番組記録部12により他の番組を録画する(ステップS119)。その後、制御部17cは、ステップS116の処理に進む。
また、ステップS116において、現時刻が予約番組の終了時刻でない場合、制御部17cは、ステップS113の処理に戻る。
(3−2−2)番組サンプリング処理時における選局状態
次に、上記の番組サンプリング処理時における選局部111(図12)の選局状態について、図16を用いて詳細に説明する。
図16は、番組サンプリング処理時の選局状態を説明するためのタイミングチャートである。図16において、横軸は時刻を示し、選局部111により選局されている状態をハイレベルで示し、選局部111により選局されていない状態をローレベルで示す。
ここでは、図7の放送予定表において、A放送局の野球中継が予約番組として録画予約され、B放送局のドラマが他の番組として録画予約されており、野球中継の放送時間が延長される場合について説明する。
図16に示すように、まず、野球中継の放送予定時間内(18時〜21時)においては、A放送局の放送信号が選局される。ここで、野球中継の放送終了予定時刻(21時)より前の時刻tSにおいて、A放送局から延長開始情報が送信される。この場合、時刻tSから21時までの間に、上記のIピクチャ監視処理が行われる。それにより、野球中継におけるIピクチャの出現周期T1およびIピクチャの出現時刻t1,t2,t3,t4,・・・,tn−1,tn,tn+1,・・・が算出される。
次に、野球中継の延長時間、すなわち21時から野球中継の放送が終了するまでの期間においては、上記のIピクチャ取得処理が行われる。なお、野球中継の放送終了時刻は、上記のように、放送局から送信される延長終了情報に基づいて決定される。図16の例において、野球中継の放送終了時刻は、時刻tnと時刻tn+1との間の時刻tEである。
この場合、野球中継のIピクチャの出現時刻t1,t2,t3,t4,・・・,tn−1,tnにおいてA放送局の放送信号が選局され、Iピクチャの出現時刻以外の期間においてB放送局の放送信号が選局される。そして、野球中継の放送終了後においては、B放送局の放送信号が選局される。
このように、予め算出した予約番組のIピクチャの出現時刻に基づいて、予約番組および他の番組が適切なタイミングで選局される。それにより、予約番組のIピクチャをIピクチャ記録部31により記録しつつ他の番組の番組データを番組記録部12により録画することができる。
(3−3)合成処理
ところで、移動用通信装置40の記録媒体50により記録される番組の映像データ(以下、移動録画映像データと呼ぶ)は、1セグメントの放送信号に基づいて得られたものであり、デジタル放送受信機10により記録される番組の映像データ(以下、本体録画映像データと呼ぶ)に比べてデータ量が少ない。そのため、移動録画映像データに基づいて得られる映像の画質は、本体録画映像データに基づいて得られる映像の画質に比べて劣る。
そこで、第3の実施の形態では、上記のIピクチャ取得処理により得られた予約番組のIピクチャを用いて、予約番組の移動録画映像データを補正する。それにより、予約番組の移動録画映像データに基づいて得られる映像の画質を向上させることができる。
図17は、制御部17cによる合成処理のフローチャートである。以下、図12および図17を参照して制御部17cによる合成処理について説明する。
まず、制御部17cは、記録媒体50に記録された番組データを記録媒体入出力部33を介して合成部34に入力する(ステップS121)。
次に、制御部17cは、Iピクチャ記録部31に記録されたIピクチャを合成部34に入力する(ステップS122)。
次に、制御部17cは、記録媒体入出力部33からの番組データとIピクチャ記録部31からのIピクチャとが同一の番組(予約番組)に対応しているか否かを判定する(ステップS123)。具体的には、番組の放送信号に含まれる放送識別子に基づいて、その放送信号から得られた各種データがどの番組に対応するかを特定することができる。それにより、記録媒体入出力部33からの番組データとIピクチャ記録部31からのIピクチャとが同一の番組に対応しているか否かを判定することができる。
記録媒体入出力部33からの番組データとIピクチャ記録部31からのIピクチャとが同一の番組(予約番組)に対応している場合、制御部17cは、合成部34により予約番組の移動録画映像データの画像補正処理を行い(ステップS124)、予約番組の移動録画映像データを補正する。画像補正処理の具体例については後述する。
次に、制御部17cは、合成部34により予約番組の番組データ結合処理を行い(ステップS125)、記録媒体50に記録された予約番組の番組データと番組記録部12に記録された予約番組の番組データとを結合する。その後、制御部17cは合成処理を終了する。なお、番組データ結合処理の詳細については後述する。
なお、ステップS123において、記録媒体入出力部33から出力された番組データとIピクチャ記録部31から出力されたIピクチャとが同一の番組に対応していない場合、制御部17cは、合成処理を終了する。
(3−3−1)画像補正処理
次に、移動録画映像データの画像補正処理について説明する。
まず、移動録画映像データおよび本体録画映像データの構成について説明する。図18は、移動録画映像データおよび本体録画映像データの構成を説明するための模式図である。
図18(a)に示すように、移動録画映像データVD1は、複数のIピクチャIP1、複数のPピクチャPP1および複数のBピクチャBP1から構成される。また、これらIピクチャIP1、PピクチャPP1およびBピクチャBP1の各々は、所定数の画素データEDから構成される。なお、各画素データは、カラー表示のためのR(赤色)信号、G(緑色)信号およびB(青色)信号から構成される。
また、図18(b)に示すように、本体録画映像データVD2は、複数のIピクチャIP2、複数のPピクチャPP2および複数のBピクチャBP2から構成される。また、これらIピクチャIP2、PピクチャPP2およびBピクチャBP2の各々は、それぞれ所定数の画素データEDから構成される。なお、各画素データEDは、カラー表示のためのR(赤色)信号、G(緑色)信号およびB(青色)信号から構成される。
移動録画映像データVD1の各ピクチャ(IピクチャIP1、PピクチャPP1およびBピクチャBP1を含む)を構成する画素データEDの数(以下、画素数と呼ぶ)は、本体録画映像データVD2の各ピクチャ(IピクチャIP2、PピクチャPP2およびBピクチャBP2を含む)を構成する画素数よりも少ない。
この場合、上述のように、移動録画映像データVD1に基づいて得られる映像の画質は、本体録画映像データVD2に基づいて得られる映像の画質に比べて劣る。以下、移動録画映像データVD1の画質向上のための画像補正処理について具体的に説明する。
図19は、移動録画映像データVD1の画像補正処理の処理過程を示す模式図である。
なお、図19において、各画素データEDには、R信号の値の一例が示される。なお、以下に示す図面においても同様とする。
まず、図19(a)および図19(b)に示すように、移動録画映像データVD1の各ピクチャにおいて、各画素データEDから複数の画素データEDaが複製され、移動録画映像データVD1の画素数が本体録画映像データVD2(図18)の画素数と等しくなるように調整される。
次に、図19(c)に示すように、各画素データEDaの値が、その画素データEDaの周囲に配置される複数の画素データEDの値の平均値となるように補正される。
以下、図19の処理により得られたIピクチャIP1、PピクチャPP1およびBピクチャBP1をそれぞれ第1処理IピクチャIP1a、第1処理PピクチャPP1aおよび第1処理BピクチャBP1aと呼ぶ。
次に、上記の番組サンプリング処理により得られたIピクチャIP2(以下、サンプリングIピクチャと呼ぶ)に基づいて、第1処理IピクチャIP1aが補正される。以下、図20を用いて具体的に説明する。
図20(a)は、サンプリングIピクチャIP2の一部を示す模式図であり、図20(b)は、第1処理IピクチャIP1aの一部を示す模式図である。なお、図20に示すサンプリングIピクチャIP2および第1処理IピクチャIP1aは、同一の標準時刻を示すPCR(標準時刻情報:Program Clock Reference)を有する。すなわち、これらのサンプリングIピクチャIP2および第1処理IピクチャIP1aは、同一時刻の画像に対応する。
図20に示すように、第1処理IピクチャIP1aの各画素データED,EDaの値がサンプリングIピクチャIP2の各画素データEDの値と等しくなるように、第1処理IピクチャIP1aの各画素データED,EDaが補正される(図20(c)参照)。
また、このとき、各画素データED,EDaの補正前の値と、各画素データED,EDaの補正後の値との差分値(以下、補正用差分値と呼ぶ)が算出される(図20(c)のかっこ内参照)。
以下、図20に示す処理により得られたIピクチャIP1を第2処理IピクチャIP1bと呼ぶ。なお、上記の処理により算出された補正用差分値の集合が、請求項における基準画像に相当する。
次に、第2処理IピクチャIP1bおよび補正用差分値を用いて、移動録画映像データVD1の第1処理PピクチャPP1a(図18)が補正される。以下、図21を参照して具体的に説明する。
図21は、第1処理PピクチャPP1aの補正方法について説明するための模式図である。なお、図21においては、第1処理PピクチャPP1aおよび第2処理IピクチャIP1bの12個の各画素データED,EDaを、画素データED1〜ED12として示す。
まず、図21に示すように、第2処理IピクチャIP1bと第1処理PピクチャPP1aとの間の動きベクトルV1が検出される。なお、動きベクトルV1を検出する方法としては、マッチング方法または勾配法等がある。
また、動きベクトルV1は、複数の画素データからなるブロック単位で検出される。図21においては、4つの画素データの集合が1ブロックに相当する。
動きベクトルV1は、第2処理IピクチャIP1bにおいて画素データED1,ED2,ED5,ED6により構成されるブロックBL1が、第1処理PピクチャPP1aでは画素データED10,ED11,ED14,ED15に移動したことを示す。
次に、検出した動きベクトルV1に基づいて、第2処理IピクチャIP1bの各画素データと第1処理PピクチャPP1aの画素データとの対応関係が算出される。
図21においては、第1処理PピクチャPP1aの画素データED10,11,14,15が第2処理IピクチャIP1bの画素データED1,ED2,ED5,ED6に対応する。
次に、算出した対応関係に基づいて、第1処理PピクチャPP1aの各画素データに補正用差分値が加算される。ここでは、図20(c)の領域H1のかっこ内に示される補正用加算値が、第2処理IピクチャIP1bの画素データED1,ED2,ED5,ED6における補正用差分値であるとする。
この場合、第2処理IピクチャIP1bの画素データED1,ED2,ED5,ED6に対応する第1処理PピクチャPP1aの画素データED10,ED11,ED14,ED15の値に図20(c)の領域H1の補正用差分値が加算される。
これにより、高画質の第1処理PピクチャPP1aを得ることができる。以下、図21の処理により補正された第1処理PピクチャPP1aを第2処理PピクチャPP1bとする。
次に、第2処理IピクチャIP1bおよび第2処理PピクチャPP1bに基づいて、同様に、BピクチャBP1の補正が行われる。
このようにして、移動録画映像データVD1の画像補正処理が行われ、移動録画映像データVD1のIピクチャIP1、PピクチャPP1およびBピクチャBP1が補正される。
なお、ここでは、R信号、G信号およびB信号のうちR信号の値を用いて説明したが、G信号およびB信号の値に関しても同様に補正される。
(3−3−2)番組データ結合処理
画像補正処理によって得られた移動録画映像データ(以下、復元映像データと呼ぶ)は、番組データ結合処理により、デジタル放送受信機10Cの番組記録部12に録画されている映像データと結合される。以下、図22を用いて番組データ結合処理について説明する。なお、図22においては、予約番組の番組データのうち映像データについて説明する。
図22は、番組データ結合処理について説明するための図である。図22において、上段はデジタル放送受信機10Cの番組記録部12に記録された予約番組の映像データ(本体録画映像データVD2)を示し、中段は、上述の画像補正処理により得られた予約番組の映像データ(復元映像データ)を示し、下段は、番組データ結合処理により得られた映像データを示す。
上述のように、本体録画映像データVD2および復元映像データに含まれる各ピクチャ(Iピクチャ、PピクチャおよびBピクチャを含む)は、標準時刻を示すPCRを有する。
図22においては、本体録画映像データVD2が、PCRとして“1”、“2”、・・・“100”を有し、復元映像データが、PCRとして“99”、“100”、・・・“200”を有する。この場合、本体録画映像データVD2および復元映像データに含まれるPCR“99”、“100”が互いに等しい標準時刻を示すため、制御部17cは、本体録画映像データVD2および復元映像データの時間的対応関係を認識することができる。それにより、本体録画映像データVD2および復元映像データを適切に結合することができる。
なお、ここでは、番組データのうち映像データの結合処理について説明したが、音声データの結合処理も映像データの結合処理と同様に行われる。
番組データ結合処理により得られた映像データは、デジタル放送受信機10の番組記録部12またはIピクチャ記録部31に記録される。
(3−4)第3の実施の形態の効果
第3の実施の形態においては、録画予約されている番組の放送時間の延長により録画が要求される番組の数がチューナ数よりも多くなった場合、または、録画予約されている番組の放送時間内に他の番組が録画予約されることにより録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合に、移動用通信装置40の記録媒体50により録画予約されている番組の延長部分または他の番組の番組データが記録されるとともに、デジタル放送受信機10CのIピクチャ記録部31により上記の録画予約されている番組の延長部分または他の番組のIピクチャが記録される。
この場合、Iピクチャ記録部31により記録されたIピクチャを用いて、移動用通信装置40の記録媒体50により記録された番組の画像データが補正される。それにより、移動用通信装置40の記録媒体50により記録された映像データから高画質の映像データを作成することができる。
また、第3の実施の形態においては、録画予約された番組の放送予定時間内の部分の番組データがデジタル放送受信機10Cの番組記録部12により記録され、その番組の延長部分のデータが移動用通信装置40の記録媒体50により記録された場合、移動用通信装置40の記録媒体50により記録された番組データが、デジタル放送受信機10Cの番組記録部12により記録された番組データに結合され、1つの番組データが作成される。
この場合、上記のように、移動用通信装置40の記録媒体50により記録された映像データから高画質の映像データを作成することにより、デジタル放送受信機10Cの番組記録部12により記録された映像データと移動用通信装置40の記録媒体50により記録された映像データとの画質の差が低減される。それにより、結合された番組データに基づく映像を違和感無く視聴することができる。
(4)第4の実施の形態
(4−1)デジタル放送受信機の構成
以下、第4の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100の構成について説明する。第4の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100は、図2に示したデジタル放送受信機10の代わりに、以下に示すデジタル放送受信機10Dを備える。
図23は、デジタル放送受信機10Dの詳細な構成を示すブロック図である。以下、デジタル放送受信機10Dの構成において、図12に示したデジタル放送受信機10Cと異なる点について説明する。
図23に示すように、デジタル放送受信機10Dは、図12に示したデジタル放送受信機10Cの各構成要素に加えて、差分検出部35を備える。また、デジタル放送受信機10Dは、制御部17cの代わりに制御部17dを備える。
差分検出部35は、出力回路115から番組記録部12に出力される映像データに含まれるピクチャ間の差分値(以下、ピクチャ差分値と呼ぶ)を検出する。具体的には、ピクチャ差分値は、例えばVPID(ビデオパケット識別子)内のBピクチャまたはPピクチャの有効データ数(動きベクトル等)に基づいて算出される。制御部17dは、デジタル放送受信機10Dの各構成要素を制御する。
(4−2)録画時における制御処理
次に、予約番組を録画する際のデジタル放送受信機10Dの制御部17dによる制御処理について説明する。デジタル放送受信機10Dの制御部17dは、図15に示したIピクチャ取得処理において、デジタル放送受信機10Cの制御部17c(図12)と異なる制御処理を行う。なお、移動用通信装置40の制御部46による制御処理は、上記第1の実施の形態(図6参照)と同様である。
以下、図23および図24を参照して、制御部17dによるIピクチャ取得処理について説明する。
図24は、制御部17dによるIピクチャ取得処理のフローチャートである。
図24に示すように、まず、制御部17dは、選局部111により他の番組を選局するとともに(ステップS131)、番組記録部12による他の番組の録画を開始する(ステップS132)。
次に、制御部17dは、差分検出部25により検出されたピクチャ差分値を取得する(ステップS133)。
次に、制御部17dは、取得したピクチャ差分値が予め設定されたしきい値以下であるか否かを判定する(ステップS134)。
取得したピクチャ差分値が予め設定されたしきい値以下である場合、他の番組の映像の変化が少なく、静止画に近い状態であることが意味している。この場合、制御部17dは、タイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻であるか否かを判定する(ステップS135)。
現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻である場合、制御部17dは、選局111により予約番組を選局するとともに(ステップS136)、Iピクチャ記録部31により予約番組のIピクチャを記録する(ステップS137)。
次に、制御部17dは、現時刻が予約番組の放送終了時刻であるか否かを判定する(ステップS138)。なお、上述のように、予約番組の放送時間が延長された場合、予約番組の放送終了時刻は、延長情報抽出部(図2)により抽出される延長終了情報に基づいて決定される。また、予約時間の放送時間が延長されない場合、予約番組の放送終了時刻は、録画予約情報記録部14に記録された録画予約情報に基づいて決定される。
現時刻が予約番組の放送終了時刻である場合、制御部17dは、他の番組を選局し(ステップS139)、処理を終了する。
一方、ステップS134において、取得したピクチャ差分値が予め設定されたしきい値より大きい場合、他の番組の映像の変化量が大きいことを意味する。この場合、制御部17dは、ステップS133の処理に戻る。
また、ステップS135において、現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻でない場合、制御部17dは、選局部111により他の番組を選局するとともに(ステップS140)、番組記録部12により他の番組を録画する(ステップS141)。
次に、制御部17dは、現時刻が予約番組の放送終了時刻であるか否かを判定する(ステップS142)。
現時刻が予約番組の放送終了時刻である場合、制御部17dは、ステップS139の処理に進む。
ステップS142において、現時刻が予約番組の放送終了時刻でない場合、制御部17dは、ステップS135の処理に戻る。
また、ステップS138において、現時刻が予約番組の放送終了時刻でない場合、制御部17dは、ステップS133の処理に戻る。
(4−2−a)番組サンプリング処理時における選局状態
次に、図24に示したIピクチャ取得処理が行われる場合の番組サンプリング処理時における選局部111の選局状態について、図25を用いて詳細に説明する。
図25は、第4の実施の形態における番組サンプリング処理時の選局状態を説明するためのタイミングチャートである。図25において、横軸は時刻を示し、選局部111により選局されている状態をハイレベルで示し、選局部111により選局されていない状態をローレベルで示す。また、下段に他の番組のピクチャ差分値を示す。
ここでは、図7の放送予定表において、A放送局の野球中継が予約番組として録画予約され、B放送局のドラマが他の番組として録画予約されており、野球中継の放送時間が延長される場合について説明する。
図25に示すように、まず、野球中継の放送予定時間内(18時〜21時)においては、A放送局の放送信号が選局される。ここで、野球中継の放送終了予定時刻(21時)より前の時刻tSにおいて、A放送局から延長開始情報が送信される。この場合、時刻tSから21時までの間に、上記のIピクチャ監視処理が行われる。それにより、野球中継におけるIピクチャの出現周期T1およびIピクチャの出現時刻t1,t2,t3,t4,・・・,tn−1,tn,tn+1,・・・が算出される。
次に、野球中継の延長時間、すなわち21時から野球中継の放送が終了するまでの期間においては、図24に示したIピクチャ取得処理が行われる。なお、野球中継の放送終了時刻は、時刻tnと時刻tn+1との間の時刻tEである。
第4の実施の形態では、ドラマのピクチャ差分値がしきい値以下となった場合にのみ、野球中継が選局される。図25の例では、時刻t2と時刻t3との間の時刻t11、時刻t3と時刻t4との間の時刻t12,・・・、および時刻tn−1と時刻tnとの間の時刻tmにおいて、ドラマのピクチャ差分値がしきい値以下となる。
この場合、時刻t11,t12,・・・,tmの直後の野球中継のIピクチャの出現時刻t3,t4,・・・,tnにおいてA放送局の放送信号が選局され、Iピクチャの出現時刻以外の期間、およびドラマのピクチャ差分値がしきい値より大きい期間には、B放送局の放送信号が選局される。そして、野球中継の放送終了後においては、B放送局の放送信号が選局される。
(4−3)第4の実施の形態の効果
第4の実施の形態では、録画予約されている一の番組のIピクチャをIピクチャ記録部31により記録しつつ録画予約されている他の番組の番組データを番組記録部12により録画する場合において、他の番組のピクチャ差分値がしきい値以下となった場合にのみ、Iピクチャの出現時刻に一の番組が選局され、他の番組のピクチャ差分値がしきい値より大きい場合には一の番組のIピクチャの出現時刻であっても他の番組の放送信号が選局される。
この場合、一の番組を選局するために他の番組の録画が中断されても、その期間においては、他の番組の映像の変化が小さく、静止画に近い状態である。それにより、番組記録部12により録画された他の番組を違和感無く視聴することができる。
(5)第5の実施の形態
(5−1)デジタル受信システムの構成
以下、第5の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100の構成について説明する。第5の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100は、図2に示したデジタル放送受信機10の代わりに、以下に示すデジタル放送受信機10Eを備える。
図26は、デジタル放送受信機10Eの詳細な構成を示すブロック図である。以下、デジタル放送受信機10Eの構成において、図12に示したデジタル放送受信機10Cと異なる点について説明する。
図26に示すように、デジタル放送受信機10Eは、図12に示したデジタル放送受信機10Cの各構成要素に加えて、フレームメモリ36、2画面生成部37および映像補完処理部38を備える。また、デジタル放送受信機10Eは、制御部17cの代わりに制御部17eを備える。
なお、第1、第2、第3および第4の実施の形態では、デジタル放送受信機10A,10B,10C,10Dが、2つのチューナ11a,11bを有する場合について説明したが、第5の実施の形態では、デジタル放送受信機10Eが、1つのチューナ11aを有する場合について説明する。
フレームメモリ36は、デコーダ114から出力される番組データ(音声データおよび映像データを含む)のIピクチャを一時的に記憶しつつそのIピクチャを2画面生成部37に出力する。
2画面生成部37は、フレームメモリ36から出力されるIピクチャとデコーダ114から出力される映像データとを合成し、Iピクチャに基づく映像および映像データに基づく映像をモニタ116上で同時に表示するための2画面映像データを生成する。また、2画面生成部37は、生成された2画面映像データを出力回路115に与える。
映像補完処理部38は、デコーダ114から出力される映像データの映像補完処理を行う。詳細は後述する。
制御部17eは、デジタル放送受信機10Eの各構成要素を制御する。制御部17eによる制御処理の詳細については後述する。
図27は、2画面映像データに基づいて得られる映像の具体例を示す図である。
図27に示すように、モニタ116上には、画面W1(斜線部)および画面W2からなる2画面映像が表示される。本実施の形態では、画面W1には映像補完処理部38から出力される映像データに基づく映像が表示され、画面W2にはフレームメモリ36から出力されるIピクチャに基づく映像が表示される。
以上の構成を有するデジタル放送受信機10Eにおいては、ユーザにより同時間内に2つの番組の視聴が要求された場合、その2つの番組をモニタ116上に同時に表示させることができる。
以下、ユーザにより同時間内に2つの番組の視聴が要求された場合における制御部17eによる制御処理の詳細について説明する。なお、以下の説明において、ユーザにより視聴が要求された2つの番組のうち一方の番組を第1の番組とし、他方の番組を第2の番組とする。
まず、制御部17eは、選局部111により第1の番組の放送信号を選局し、図14に示したIピクチャ監視処理を行う。これにより、制御部17eは、第1の番組のIピクチャ出現時刻を算出する。
次に、制御部17eは、算出した第1の番組のIピクチャ出現時刻を用いて2画面表示処理を行う。
以下、図26および図28を参照して2画面表示処理について説明する。図28は、制御部17eによる2画面表示処理のフローチャートである。
制御部17eは、タイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が第1の番組のIピクチャ出現時刻であるか否かを判定する(ステップS151)。
現時刻が第1の番組のIピクチャ出現時刻である場合、制御部17eは、選局部111により第1の番組を選局するとともに(ステップS152)、フレームメモリ36に記憶された第1の番組のIピクチャを更新する(ステップS153)。この場合、以前に記憶されたIピクチャが削除され、新たに得られたIピクチャがフレームメモリ36に記憶される。
次に、制御部17eは、映像補完処理部38により第2の番組の映像補完処理を行う(ステップS154)。映像補完処理では、選局部111により第1の番組が選局されている期間における第2の番組の映像データが、その直前および直後の第2の番組の映像データから動きベクトルを用いて補完される。
次に、制御部17eは、フレームメモリ36に新たに記憶されたIピクチャを2画面生成部37に入力するとともに(ステップS155)、映像補完処理後の第2の番組の映像データを2画面生成部37に入力する(ステップS156)。
次に、制御部17eは、フレームメモリ36からの第1の番組のIピクチャと映像補完処理後の第2の番組の映像データとを用いて2画面生成部37により2画面映像データを生成する(ステップS157)。
次に、制御部17eは、生成した2画面映像データを出力回路115を介してモニタ116に出力し(ステップS158)、ステップS151の処理に戻る。
一方、ステップS151において、現時刻が第1の番組のIピクチャ出現時刻でない場合、制御部17eは、選局部111により第2の番組を選局する(ステップS159)。
次に、制御部17eは、フレームメモリ36に記憶されている第1の番組のIピクチャを2画面生成部37に入力するとともに(ステップS160)、第2の番組の映像データを2画面生成部37に入力し(ステップS161)、ステップS157の処理に進む。この場合、映像補完処理部38による第2の番組の映像データの映像補完処理は行われない。
このように、第5の実施の形態においては、第1の番組のIピクチャおよび第2の番組の映像データを用いて、モニタ116上に第1および第2の番組を同時に表示させることができる。本例では、第2の番組の映像は連続的な変化を有する動画として表示される。一方、第1の番組の映像においては、Iピクチャに基づく画像がコマ送りで表示される。
なお、このような構成においても、第1の番組のIピクチャのみの映像については、図27に示すモニタ116の領域W2に表示されていることから、連続的な表示でない場合であっても、ユーザは違和感無く第1の番組および第2の番組を視聴することができる。
(6)変形例
(6−1)
上記第3の実施の形態のデジタル放送受信機10CにおけるIピクチャ記録部31、ピクチャ監視部32、記録媒体入出力部33および合成部34を上記第2の実施の形態のデジタル放送受信機10Bに設けてもよい。また、第4の実施の形態のデジタル放送受信機10Dにおける差分検出部35を、上記第2の実施の形態のデジタル放送受信機10Bに設けてもよい。
また、上記第5の実施の形態のデジタル放送受信機10Dにおけるフレームメモリ36、2画面生成部37および映像補正処理部38を上記第2の実施の形態のデジタル放送受信機10Bに設けてもよい。
(6−2)
上記第1〜第5の実施の形態の制御部17,46,17b,17c,17d,17e、延長情報抽出部13、位置検出部44、ピクチャ監視部32、合成部34、差分検出部35および2画面生成部37は、電子回路等のハードウェアにより実現してもよく、あるいはこれらの構成要素のうち一部または全てをCPU(中央演算処理装置)等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアにより実現してもよい。
(6−3)
上記第1〜第5の実施の形態の番組記録部12、録画予約情報記録部14、周波数テーブル記録部21、Iピクチャ記録部31は、ハードディスク、半導体メモリ、メモリカード、DVD等の種々の記録媒体により実現される。
(6−4)
上記第1〜第4の実施の形態では、デジタル放送受信機10,10B,10C,10Dが2つのチューナ11a,11bを有するが、これに限らず、1つまたは3つ以上のチューナを有してもよい。また、上記第5の実施の形態では、デジタル放送受信機10Eが1つのチューナ11aを有するが、2つ以上のチューナを有してもよい。
(6−5)
上記第3および第4の実施の形態のデジタル放送受信機10C,10Dは、上記第5の実施の形態と同様に、映像補完処理部38を備えてもよい。この場合、録画予約されている一の番組のIピクチャの記録時における他の番組の映像データが補完される。それにより、他の番組を違和感無く視聴することができる。
(6−6)
上記第1〜第5の実施の形態では、デジタル放送受信機10,10B,10C,10D,10Eが水平走査線数1080本のプログレッシブ方式の映像フォーマットを有する映像データを出力する例を示したが、これに限定されず、映像データが他の映像フォーマットを有してもよい。
また、上記第1〜第5の実施の形態では、移動用通信装置40が水平走査線数525本のプログレッシブ方式の映像フォーマットを有する映像データを出力する例を示したが、これに限定されず、映像データが他の映像フォーマットを有してもよい。
(6−7)
上記第1〜第5の実施の形態では、デジタル放送受信機10,10B,10C,10D,10Eが12セグメント放送信号を受信し、移動用通信装置40が1セグメント放送信号を受信する例を示したが、これに限らず、デジタル放送受信機10,10B,10C,10D,10Eまたは移動用通信装置40が他の伝送形式の放送信号を受信してもよい。
(6−8)
上記第1〜第5の実施の形態では、周波数の異なる複数の放送を同時に録画する場合について説明したが、これに限らず、1つの放送信号に含まれる複数のサブ放送を同時に録画してもよい。
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態のデジタル放送受信システム100においては、チューナ11a,11bが第1の受信部に相当し、録画予約情報記録部14が情報保持部に相当し、番組記録部12が第1のデータ記録部に相当し、制御部10,10b,10c,10d,10eが第1の判別部に相当し、制御部46が第2の判別部に相当し、情報送信部16が第1の通信部に相当し、情報受信部43が第2の通信部に相当し、放送信号受信部41が第2の受信部に相当し、記録媒体50が第2のデータ記録部に相当する。
また、デジタル放送受信機10においては、チューナ11a,11bが受信部に相当し、録画予約情報記録部14が情報保持部に相当し、番組記録部12が第1のデータ記録部に相当し、制御部10,10b,10c,10d,10eが判別部に相当し、情報送信部16が通信部に相当し、延長情報抽出部13が延長情報を抽出する抽出部に相当し、周波数テーブル記録部21が対応情報記録部に相当し、Iピクチャ記録部31がピクチャ記録部に相当し、合成部34が補正部に相当し、第2処理PピクチャPP1bが復元番組データに相当し、制御部10c,10d,10eが周期算出部に相当し、差分検出部35がピクチャ差分検出部に相当し、制御部10dが差分値判定部に相当する。
また、制御部10eが制御部に相当し、フレームメモリ36がIピクチャの抽出部に相当する。
また、移動用通信装置40においては、情報受信部43が通信部に相当し、放送信号受信部41が受信部に相当し、記録媒体50がデータ記録部に相当し、記録部45が対応情報記録部に相当し、制御部46が判別部に相当し、受信不可信号がデータ取得不可信号に相当する。
本発明は、一般的なテレビジョン受信機、パーソナルコンピュータ、DVDレコーダ、携帯電話等のデジタル放送受信機能を有する各種デジタル放送受信装置に利用可能である。
本発明は、デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信システム、デジタル放送受信機および移動用通信装置に関する。
ビデオテープレコーダ等により番組を録画する際には、例えば新聞等の番組表にしたがって、目的とする番組を録画予約することにより、ユーザが屋外等にいる場合でも番組の録画が可能となる。
ところが、スポーツ中継等の番組は、予定された放送時間を延長して放送されることが多い。そのため、例えば新聞等の番組表にしたがってこのような番組を録画予約すると、放送時間が延長されることより、番組の延長部分が録画されないことがある。
このような課題を解決するため、例えば特許文献1に開示される録画予約システムにおいては、録画予約される番組、またはその前の番組の放送時間が延長される可能性があれば、その旨を示す警告画面がテレビジョン受像機に表示される。この場合、ユーザはこの警告表示に応じて録画予約の時間の延長を指定することができる。それにより、録画予約する番組またはその前の番組の放送時間が延長されたとしても、番組を最後まで録画することができる。
特開平10−21601号公報
しかしながら、延長される可能性のある番組と、その番組の放送予定時間の終了後に他のチャンネルで開始する番組とが録画予約されている場合、先の番組の放送時間が延長されると、その延長時間内において先の番組と後の番組とが重複して放送される。この場合、上記特許文献1の録画予約システムでは、いずれか一方の番組しか録画することができない。
本発明の目的は、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組を録画することが可能なデジタル放送受信システムを提供することである。
本発明の他の目的は、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組の録画を可能とするデジタル放送受信機および移動用通信装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、同時に選局可能な番組数を超える数の番組の番組データを出力することが可能なデジタル放送受信機を提供することである。
(1)本発明の一局面に従うデジタル放送受信システムは、デジタル放送を受信するデジタル放送受信機と、デジタル放送の受信機能を有する移動用通信装置とを備え、デジタル放送受信機は、受信したデジタル放送の放送信号のうち選択された番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データを取得するn個(nは自然数)の第1の受信部と、録画予約された番組を示す録画予約情報を保持する情報保持部と、情報保持部に保持される録画予約情報に基づいてn個の第1の受信部により取得される番組の番組データを第1の番組の番組データとして記録する第1のデータ記録部と、情報保持部に保持された録画予約情報に基づいて同一時刻に録画が要求される番組の数を録画要求数として判別するとともに、録画要求数がn個を超える場合に、第1のデータ記録部に記録されない番組の番組データを第2の番組の番組データとして判別する第1の判別部と、録画要求数がn個を超える場合に、第2の番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報を移動用通信装置に送信する第1の通信部とを含み、移動用通信装置は、デジタル放送受信機から送信された録画指示情報を受信する第2の通信部と、第2の通信部により受信された録画指示情報に基づいて、受信したデジタル放送の放送信号のうち第2の番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データを取得する第2の受信部と、第2の受信部により取得される番組データを記録する第2のデータ記録部とを含むものである。
そのデジタル放送受信システムにおいては、デジタル放送受信機のn個の第1の受信部によりデジタル放送の放送信号のうち選択された番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データが取得される。また、情報保持部により録画予約された番組を示す録画予約情報が保持される。
情報保持部に保持される録画予約情報に基づいてn個の第1の受信部により取得される番組の番組データが第1のデータ記録部により第1の番組の番組データとして記録される。
第1の判別部により、録画予約情報に基づいて同一時刻に録画が要求される番組の数が録画要求数として判別されるとともに、録画要求数がn個を超える場合に、第1のデータ記録部に記録されない番組の番組データが第2の番組の番組データとして判別される。録画要求数がn個を超える場合には、第1の通信部により第2の番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報が移動用通信装置に送信される。
一方、移動用通信装置の第2の通信部により、デジタル放送受信機から送信された録画指示情報が受信されると、録画指示情報に基づいて、第2の受信部によりデジタル放送の放送信号のうち第2の番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データが取得される。第2の受信部により取得される番組データは第2のデータ記録部により記録される。
このように、デジタル放送受信機により同一時刻に録画が要求される番組の数がn個の第1の受信部の数を超える場合には、n個の第1の番組の番組データがデジタル放送受信機の第1のデータ記録部に記録されるとともに、移動用通信装置に残りの第2の番組の録画指示情報が送信される。それにより、第2の番組の番組データが移動用通信装置の第2のデータ記録部に記録される。したがって、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組を録画することが可能となる。その結果、使用者は、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組の数を超える数の番組を視聴することができる。
(2)本発明の他の局面に従うデジタル放送受信機は、デジタル放送を受信するとともに、移動用通信装置と通信可能なデジタル放送受信機であって、受信したデジタル放送の放送信号のうち選択された番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データを取得するn個(nは自然数)の受信部と、録画予約された番組を示す録画予約情報を保持する情報保持部と、情報保持部に保持される録画予約情報に基づいてn個の受信部により取得される番組の番組データを第1の番組の番組データとして記録するデータ記録部と、情報保持部に保持された録画予約情報に基づいて同一時刻に録画が要求される番組の数を録画要求数として判別するとともに、録画要求数がn個を超える場合に、データ記録部に記録されない番組の番組データを第2の番組の番組データとして判別する判別部と、録画要求数がn個を超える場合に、第2の番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報を移動用通信装置に送信する通信部とを備えるものである。
そのデジタル放送受信機においては、n個の受信部によりデジタル放送の放送信号のうち選択された番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データが取得される。また、情報保持部により録画予約された番組を示す録画予約情報が保持される。
情報保持部に保持される録画予約情報に基づいてn個の受信部により取得される番組の番組データがデータ記録部により第1の番組の番組データとして記録される。
判別部により、録画予約情報に基づいて同一時刻に録画が要求される番組の数が録画要求数として判別されるとともに、録画要求数がn個を超える場合に、データ記録部に記録されない番組の番組データが第2の番組の番組データとして判別される。録画要求数がn個を超える場合には、通信部により第2の番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報が移動用通信装置に送信される。
このように、デジタル放送受信機により同一時刻に録画が要求される番組の数がn個の受信部の数を超える場合には、n個の第1の番組の番組データがデジタル放送受信機のデータ記録部に記録されるとともに、移動用通信装置に残りの第2の番組の録画指示情報が送信される。
この場合、デジタル放送受信機から送信された第2の番組の録画指示情報に応じて、移動用通信装置が第2の番組の番組データを記録することにより、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組を録画することが可能となる。その結果、使用者は、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組の数を超える数の番組を視聴することができる。
(3)デジタル放送受信機は、受信したデジタル放送の放送信号から録画予約された番組の放送時間の延長を示す延長情報を抽出する抽出部をさらに備え、判別部は、抽出部により抽出された延長情報および情報保持部に保持された録画予約情報に基づいて録画要求数を判別するとともに、録画予約された番組の延長により録画要求数がn個を超える場合に、録画予約された番組の延長部分の番組データまたは他の番組の番組データを第2の番組の番組データとして判別してもよい。
この場合、録画予約された番組の延長により録画要求数がn個を超える場合に、録画予約された番組の延長部分の番組データまたは他の番組の番組データを移動用通信装置により記録することができる。
(4)デジタル放送受信機は、地域、放送局および周波数の対応関係を示す対応情報を記録する対応情報記録部をさらに備え、通信部は、対応情報記録部に記録された対応情報に基づいて録画を指示する第2の番組の周波数を特定し、特定された周波数を含む録画指示情報を移動用通信装置に送信してもよい。
この場合、デジタル放送受信機の対応情報記録部に地域、放送局および周波数の対応関係を示す対応情報が記録されているので、対応情報に基づいて録画を指示する第2の番組の周波数が特定され、特定された周波数を含む録画指示情報が移動用通信装置に送信される。
それにより、移動用通信装置において、録画指示情報により録画が指示された第2の番組の周波数の特定が容易となる。また、特定された周波数に基づいて容易に第2の番組の放送信号を選択することが可能となる。
また、デジタル放送受信機に設けられる対応情報記録部の記録容量を大きくすることにより、多数の地域の対応情報を記録することが可能となる。
(5)判別部は、録画指示情報により指示された第2の番組の番組データを移動用通信装置が取得することが不可能であることを示すデータ取得不可信号が通信部により受信された場合に、元の第1の番組のいずれかを新たな第2の番組に変更するとともに元の第2の番組を新たな第1の番組に変更し、通信部は、新たな第2の番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報を移動用通信装置に送信してもよい。
第2の番組の放送信号の受信強度が低い場合または第2の番組の放送信号の周波数が不明な場合には、移動用通信装置により第2の番組の番組データの取得が不可能となる。この場合、元の第1の番組のいずれかが新たな第2の番組に変更されるとともに元の第2の番組が新たな第1の番組に変更される。それにより、移動用通信装置において、新たな第2の番組の番組データの取得が行われる。
(6)n個の受信部のうちいずれかの受信部は、第2の番組の放送信号を間欠的に選択し、受信部により選択された放送信号からIピクチャを抽出し、デジタル放送受信機は、抽出したIピクチャを記録するピクチャ記録部と、移動用通信装置により記録された第2の番組の番組データをピクチャ記録部により記録されたIピクチャを用いて補正することにより復元番組データを作成する補正部とをさらに備えてもよい。
この場合、データ記録部により第1の番組の番組データが記録されるとともに、ピクチャ記録部により第2の番組のIピクチャが記録される。そして、移動用通信装置により記録された第2の番組の番組データのBピクチャおよびPピクチャが高画質のIピクチャを用いて補正される。それにより、第2の番組の番組データから高画質の復元番組データを作成することが可能となる。
(7)補正部は、ピクチャ記録部により記録されたIピクチャと移動用通信装置により記録された第2の番組の番組データのIピクチャとの差分に基づいて基準画像を作成し、作成された基準画像に基づいて第2の番組の番組データを補正してもよい。
この場合、高画質のIピクチャと第2の番組の番組データのIピクチャとの差分に基づいて基準画像が作成され、基準画像に基づいて第2の番組の番組データのBピクチャおよびPピクチャが高画質に補正される。それにより、第2の番組の番組データからより高画質の復元番組データを作成することが可能となる。
(8)補正部は、移動用通信装置により記録された第2の番組の番組データから動きベクトルを算出し、算出された動きベクトルに基づいて基準画像のブロックの画素値を第2の番組の番組データのPピクチャにおいて対応するブロックの画素値に加算することにより復元番組データを作成してもよい。
この場合、動画におけるPピクチャが高画質に補正される。それにより、高画質の動画の復元番組データを作成することが可能となる。
(9)補正部は、ピクチャ記録部により記録されたIピクチャおよび移動用通信装置により記録された第2の番組の番組データのPピクチャに基づいて復元番組データのBピクチャを生成してもよい。
この場合、高画質のIピクチャおよび第2の番組の番組データのPピクチャに基づいて高画質のBピクチャが生成される。それにより、高画質の復元番組データを作成することが可能となる。
(10)デジタル放送受信機は、第2の番組の番組データのIピクチャの周期を予め算出する周期算出部をさらに備え、受信部は、周期算出部により算出された周期で第2の番組の放送信号を選択してもよい。
この場合、第2の番組の放送信号からIピクチャを正確に抽出することが可能となる。
(11)デジタル放送受信機は、受信部により選択される第1の番組の放送信号のピクチャ間の差分値を検出するピクチャ差分検出部と、ピクチャ差分検出部により検出された差分値が所定のしきい値以下であるか否かを判定する差分値判定部とをさらに備え、受信部は、差分値がしきい値以下であるとピクチャ差分判定部により判定された場合に周期算出部により算出された周期で第2の番組の放送信号を選択してもよい。
この場合、第1の番組の放送信号のピクチャの変化が小さい場合に第2の番組の放送信号が選択される。それにより、データ記録部に記録される第2の番組の番組データが劣化することが防止される。
(12)本発明のさらに他の局面に従うデジタル放送受信機は、デジタル放送を受信するデジタル放送受信機であって、受信したデジタル放送の放送信号のうち選択された第1の番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データを取得する受信部と、第1の番組と異なる第2の番組の放送信号をIピクチャの周期で間欠的に選択するように受信部を制御する制御部と、受信部により選択された第2の番組の放送信号からIピクチャを抽出する抽出部と、受信部により取得される第1の番組の番組データおよび抽出部により抽出される第2の番組のIピクチャを出力する出力回路とを備えたものである。
そのデジタル放送受信機においては、受信部により受信されたデジタル放送の放送信号のうち選択された第1の番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データが取得される。また、第2の番組の放送信号がIピクチャの周期で間欠的に選択されるように受信部が制御部により制御される。さらに、受信部により選択された第2の番組の放送信号からIピクチャが抽出部により抽出され、第1の番組の番組データおよび第2の番組のIピクチャが出力回路により出力される。
それにより、同時に選局可能な番組の数を超える数の番組のデータを出力することが可能になる。この場合、第1の番組の番組データを用いて第1の番組を高画質の映像で表示することが可能になるとともに、第2の番組のIピクチャを用いて第2の番組の映像を表示することが可能となる。その結果、使用者は、同時に選局可能な番組の数を超える数の番組を視聴することができる。
(13)本発明のさらに他の局面に従う移動用通信装置は、デジタル放送の受信機能を有するとともに、デジタル放送受信機と通信可能な移動用通信装置であって、番組の番組データの録画を指示するための録画指示情報をデジタル放送受信機から受信する通信部と、通信部により受信された録画指示情報に基づいて、受信したデジタル放送の放送信号のうち番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データを取得する受信部と、受信部により取得される番組データを記録するデータ記録部とを備えたものである。
その移動用通信装置においては、通信部によりデジタル放送受信機からの録画指示情報が受信されると、録画指示情報に基づいて、受信部によりデジタル放送の放送信号のうち録画指示情報により指示される番組の放送信号から少なくとも映像データを含む番組データが取得される。受信部により取得される番組データはデータ記録部により記録される。
この場合、デジタル放送受信機において同時に選局可能な番組数を超える数の番組の録画が要求されたとしても、デジタル放送受信機から移動用通信装置に録画指示情報が送信されることにより、録画指示情報により指示される番組の番組データが移動用通信装置のデータ記録部により記録される。
したがって、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組を録画することが可能となる。その結果、使用者は、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組の数を超える数の番組を視聴することができる。
(14)移動用通信装置は、地域、放送局および周波数の対応関係を示す対応情報を記録する対応情報記録部と、現在位置を検出する位置検出部とをさらに備え、受信部は、通信部により受信された録画指示情報、対応情報記録部に記録された対応情報および位置検出部により検出された現在位置に基づいて録画が指示された番組の周波数を特定し、特定された周波数に基づいて番組の放送信号を選択してもよい。
この場合、対応情報記録部に地域、放送局および周波数の対応関係を示す対応情報が記録され、かつ位置検出部により現在位置が検出されるので、録画指示情報、対応情報および現在位置に基づいて録画が指示された番組の周波数が特定される。したがって、特定された周波数に基づいて容易に録画が指示された番組の放送信号を選択することが可能となる。
(15)移動用通信装置は、現在位置を検出する位置検出部をさらに備え、受信部は、記通信部により受信された周波数を含む録画指示情報および位置検出部により検出された現在位置に基づいて録画が指示された番組の周波数を特定し、特定された周波数に基づいて番組の放送信号を選択してもよい。
デジタル放送受信機から移動用通信装置に送信される録画指示情報に番組の周波数が含まれている場合、録画指示情報および位置検出部により検出された現在位置に基づいて録画が指示された番組の周波数を容易に特定することができる。また、特定された周波数に基づいて容易に番組の放送信号を選択することが可能となる。
(16)移動用通信装置は、通信部により受信された録画指示情報により指示された番組の番組データの取得が可能か否かを判別する判別部をさらに含み、通信部は、録画指示情報により指示された番組の番組データの取得が不可能であると判別部により判別された場合に、デジタル放送受信機に録画指示情報により指示された番組の番組データの取得が不可能であることを示すデータ取得不可信号を送信してもよい。
録画指示情報により指示された番組の放送信号の受信強度が低い場合またはその番組の放送信号の周波数が不明な場合には、受信部によりその番組の番組データの取得が不可能となる。
この場合、デジタル放送受信機にデータ取得不可信号を送信することにより、デジタル放送受信機は、録画指示情報により指示された番組の番組データを移動用通信装置が取得することが不可能であることを認識し、移動用通信装置に録画を指示する番組を変更することができる。それにより、移動用通信装置において、新たな番組の番組データの取得が行われる。
本発明によれば、デジタル放送受信機で同時に選局可能な番組数を超える数の番組を録画することが可能となる。
また、同時に選局可能な番組数を超える数の番組の番組データを出力することが可能となる
以下、本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信システムおよびデジタル放送受信機について、図面を参照して説明する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)デジタル放送受信機の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るデジタル放送受信システムの概要を示すブロック図である。
図1に示すように、デジタル放送受信システム100は、デジタル放送受信機10および移動用通信装置40により構成される。
デジタル放送受信機10は、デジタル放送を受信可能なデジタルテレビまたはセットトップボックス(STB)等である。なお、本実施の形態では、デジタル放送受信機10は、例えば12セグメント放送信号を受信する。
移動用通信装置40は、デジタル放送を受信可能な携帯電話、PDA(携帯情報端末:Personal Digital Assistant)または車載型受信機等である。また、移動用通信装置40には、記録媒体50が装着される。記憶媒体50は、メモリカード等である。なお、本実施の形態では、移動用通信装置40は例えば1セグメント放送信号を受信する。
図2は、図1のデジタル放送受信機10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、デジタル放送受信機10は、チューナ11a,11b、番組記録部12、延長情報抽出部13、録画予約情報記録部14、タイマー15、情報送信部16、情報受信部19および制御部17を備える。
チューナ11a,11bは、それぞれ選局部111、復調部112、分離部113、デコーダ114および出力回路115を含む。
選局部111は、放送局から送信される放送信号の周波数を選択することにより選局を行い、選局された放送信号を出力する。
復調部112は、選局部111から出力された放送信号を復調し、MPEG(Moving Picture Experts Group)規格に準拠したトランスポートストリーム(以下、TSと呼ぶ)を出力する。
分離部113は、復調部112から出力されたTSにMPEG規格に準拠したフィルタリング処理を行うことにより特定の番組に対応する映像ストリームおよび音声ストリーム、ならびに各種情報等を分離する。
デコーダ114は、分離部113から出力される音声ストリームおよび映像スクリームを復号して音声データおよび映像データを出力する。なお、本実施の形態のデジタル放送受信機10においては、映像データは例えば水平走査線数1080本のプログレッシブ方式の映像フォーマットを有する。
出力回路115は、デコーダ114から出力される音声データおよび映像データをD/A(デジタル/アナログ)変換し、音声信号をスピーカ117に出力するとともに、映像信号をモニタ116に出力する。なお、スピーカ117およびモニタ116は、デジタル放送受信機10に内蔵されてもよく、あるいはデジタル放送受信機10とは別個に設けられてもよい。
また、出力回路115は、音声データおよび映像データを番組記録部12に出力する。
なお、デジタル放送受信機10により同時に選局可能な放送信号の数は、チューナの数に等しい。本実施の形態では、チューナ11aおよびチューナ11bの2つのチューナを備えるため、2つの放送信号を同時に選局することが可能である。
番組記録部12は、出力回路115から出力された音声データおよび映像データを記録する。なお、番組記録部12は、デジタル放送受信機10の外部に設けられてもよい。
延長情報抽出部13は、分離部113により分離された情報から延長開始情報および延長終了情報を抽出する。延長開始情報は、番組が延長されることを示し、番組の放送時間の延長が決定された際に放送局から送信される。延長終了情報は、延長された番組の終了時刻を示し、延長された番組の放送終了時刻が決定された際に放送局から送信される。以下、延長開始情報および延長終了情報を延長情報と総称する。
なお、延長情報抽出部13は、例えばEPG(電子番組案内:Electronic Program Guide)等の番組表から、番組の延長情報を抽出してもよい。
録画予約情報記録部14には、ユーザが録画を要求する番組に関する情報(以下、録画予約情報と呼ぶ)が記録される。すなわち、所望の番組の録画予約情報が録画予約情報記録部14に記録されることにより、その番組が録画予約される。
録画予約情報は、番組のチャンネル、番組名、番組の放送予定時間(放送開始予定時刻および放送終了予定時刻を含む)および番組内容等の番組を識別するための情報を含む。録画予約情報記録部14への録画予約情報の記録(録画予約)は、ユーザがリモコン18またはデジタル放送受信機10の操作パネル(図示せず)を操作することにより行われる。
なお、録画予約情報記録部14は、上記の番組記録部12と一体であってもよい。
タイマー15は、現在の時刻を示す時刻情報を制御部17に出力する。
情報送信部16は、図1に示した移動用通信装置40に録画指示情報を送信する。録画指示情報は、移動用通信装置40に録画を指示する番組の番組名および放送局を含む。詳細は後述する。
情報受信部19は、図1に示した移動用通信装置40から受信不可情報を受信する。受信不可情報は、移動用通信装置40が、録画指示情報により指示された番組の放送信号を受信することができないことを示す。詳細は後述する。
制御部17は、ユーザによるリモコン18の操作、延長情報抽出部13により抽出された延長情報、録画予約情報記録部14に記録された録画予約情報、タイマー15による時刻情報、および情報受信部19により受信した受信不可情報に基づいて、デジタル放送受信機10の各構成要素を制御する。制御部17による制御処理の詳細については後述する。
次に、図1の移動用通信装置40の構成について説明する。図3は、移動用通信装置40の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、移動用通信装置40は、放送信号受信部41、記録媒体入出力部42、情報受信部43、情報送信部48、位置検出部44、記録部45および制御部46を含む。
放送信号受信部41は、放送局から送信される放送信号の周波数を選択することにより選局を行うとともに、その放送信号から、指示された番組の音声データおよび映像データを復号する。なお、本実施の形態の移動用通信装置40においては、映像データは例えば水平走査線数525本のプログレッシブ方式の映像フォーマットを有する。
記録媒体入出力部42は、放送信号受信機41により得られた音声データおよび映像データを記録媒体50に入出力する。
なお、記録媒体入出力部42と記録媒体50とが一体に構成されてもよく、記録媒体入出力部42に対して記録媒体50が脱着可能に設けられてもよい。
情報受信部43は、デジタル放送受信機10の情報送信部16(図2)から送信される録画指示情報を受信する。
情報送信部48は、デジタル放送受信機10の情報受信部19(図2)に受信不可情報を送信する。
位置検出部44は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて、移動用通信装置40の現在位置を示す位置情報を出力する。
記録部45には、所望の放送局の放送信号に対応するチャンネル情報が記録される。
ここで、各放送局の放送信号に対応するチャンネルは、移動用通信装置40がどの地域に位置するかにより異なる。
図4は、各放送局の放送信号に対応するチャンネルの一例である。図4によれば、例えばA放送局の放送信号に対応するチャンネルは、a地域において3chであり、b地域において34chである。このように、同じ放送局の放送信号を受信する場合でも、移動用通信装置40が位置する地域によって異なるチャンネルを設定する必要がある。
なお、本実施の形態において、記録部45には、予め定められた地域に対応するチャンネル情報が記録される。例えば、図4におけるa地域およびb地域に対応するチャンネル情報が記録部45に記録される。
なお、各チャンネルには中心周波数が割り当てられている。例えば、13chには473.14MHzが割り当てられ、14chには479.14MHzが割り当てられ、15chには485.142MHzが割り当てられている。
制御部46は、情報受信部43により受信された録画指示情報、位置検出部44により検出された位置情報、および記録部45に記録されるチャンネル情報に基づいて、移動用通信装置40の各部を制御する。制御部46による制御処理については後述する。
(1−2)録画時における制御処理
次に、録画予約された番組(以下、予約番組と呼ぶ。)をデジタル放送受信システム100により録画する際の制御処理について説明する。
(1−2−1)第1の制御例
第1の制御例においては、放送時間が延長される可能性のある番組が、予約番組として録画予約されており、また、予約番組の放送予定時間内においては、他の番組が録画予約されていない場合について説明する。
図5は、デジタル放送受信機10の制御部17による第1の制御例を示すフローチャートである。図6は、移動用通信装置40の制御部46による第1の制御例を示すフローチャートである。
また、図7は、番組の放送予定表の一例である。図7において、予約番組は、例えばA放送局で18時から21時まで放送される野球中継である。
まず、図2および図5を参照して、デジタル放送受信機10の制御部17による第1の制御例について説明する。
制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて、番組記録部12による予約番組の録画を開始する(ステップS1)。
次に、制御部17は、延長情報抽出部13により延長開始情報が抽出されたか否かを判定する(ステップS2)。ここで、上述のように、延長開始情報は予約番組の放送時間の延長が決定した際に、放送局から送信される。すなわち、延長情報抽出部13により延長開始情報が抽出された場合は、予約番組の放送時間の延長が決定しており、延長情報抽出部13により延長開始情報が抽出されていない場合は、予約番組の放送時間の延長がまだ決定していない。
延長情報抽出部13により延長開始情報が抽出された場合、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録された録画予約情報に基づいて、予約番組の延長時間内に他の番組が録画予約されているか否かを判定する(ステップS3)。
他の番組が録画予約されている場合、制御部17は、録画予約されている他の番組と予約番組との合計数(以下、録画要求数と呼ぶ)がチューナ数よりも多いか否かを判定する(ステップS4)。
本実施の形態では、上述のように、デジタル放送受信機10が、2つのチューナ11a,11bを有する。したがって、録画要求数が3以上であれば、制御部17は、録画要求数がチューナ数よりも多いと判定し、録画要求数が2以下であれば、制御部17は、録画要求数がチューナ数以下であると判定する。
録画要求数がチューナ数よりも多い場合、制御部17は、情報送信部16により予約番組の録画指示情報を移動用通信装置40に送信する(ステップS5)。この場合、録画指示情報には、予約番組の番組名および放送局が含まれる。図7の例では、野球中継以外にB放送局のドラマおよびa放送局のサッカー中継が録画予約されている場合、制御部17は、予約番組の録画指示情報を移動用放送受信機40に送信する。この場合、録画指示情報には、番組名として野球中継が含まれ、放送局としてA放送局が含まれる。
次に、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が予約番組の放送終了予定時刻であるかを判定する(ステップS6)。
現時刻が予約番組の放送終了予定時刻である場合、制御部17は、予約番組の録画を終了する(ステップS7)。同時に、制御部17は、他の番組の録画を開始する。図7の例では、制御部17は、野球中継の録画を終了し、ドラマおよびサッカー中継の録画を開始する。
一方、ステップS2において、延長開始情報が抽出されていない場合、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が予約番組の放送終了予定時刻であるか否かを判定する(ステップS8)。
現時刻が録画予約の放送終了予定時刻である場合、制御部17は、番組記録部12による予約番組の録画を終了する(ステップS7)。図7の例では、制御部17は、野球中継の録画を終了する。
ステップS8において、現時刻が録画予約の放送終了予定時刻でない場合、制御部17は、ステップS2の処理に戻る。
また、ステップS3において、他の番組が録画予約されていない場合、制御部17は、予約番組の放送終了予定時刻後においても番組記録部12による予約番組の録画を継続して行う(ステップS9)。図7の例では、野球中継以外に録画予約されていない場合には、制御部17は、延長された野球中継の録画を継続する。
次に、制御部17は、延長情報抽出部13により予約番組の延長終了情報が抽出されたか否かを判定する(ステップS10)。
延長情報抽出部13により予約番組の延長終了情報が抽出された場合、制御部17は、予約番組の延長終了情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて現時刻が予約番組の放送終了時刻であるか否かを判定する(ステップS11)。
現時刻が予約番組の放送終了時刻である場合、制御部17は、番組記録部12による予約番組の録画を終了する(ステップS7)。図7の例では、制御部17は、野球中継の録画を終了する。
ステップS10において、延長情報抽出部13により予約番組の延長終了情報が抽出されていない場合、制御部17は、ステップS10の判定を繰り返す。
ステップS11において、現時刻が予約番組の放送終了時刻でない場合、制御部17は、現時刻が予約番組の放送終了時刻になるまで待機する。
また、ステップS4において、録画要求数がチューナ数以下の場合、制御部17は、予約番組の放送終了予定時刻後においても番組記録部12による予約番組の録画を継続して行うとともに(ステップS12)、録画予約情報および時刻情報に基づいて番組記録部12による他の番組の録画を開始する(ステップS13)。図7の例では、野球中継以外にB放送局のドラマのみが録画予約されている場合には、制御部17は、延長された野球中継の録画を継続するとともに、ドラマの録画を開始する。
その後、制御部17は、ステップS10およびステップS11の処理を介して、予約番組の録画を終了する(ステップS7)。図7の例では、制御部17は、延長された野球中継の録画を終了する一方で、ドラマの録画を継続する。
また、ステップS6において、現時刻が予約番組の放送終了予定時刻でない場合、制御部17は、現時刻が予約番組の放送終了予定時間になるまで待機する。
次に、図3および図6を参照して、移動用通信装置40の制御部46による制御処理について説明する。
まず、制御部46は、情報受信部43により録画指示情報が受信されたか否かを判定する(ステップS21)。なお、第1の制御例において、情報受信部43により受信される録画指示情報は、予約番組の番組名および放送局を含む。図7の例では、番組名として野球中継が含まれ、放送局としてA放送局が含まれる。
ステップS21において、録画指示情報が受信されていない場合、制御部46は、ステップS21の判定を繰り返す。
録画指示情報が受信された場合、制御部46は、位置検出部44により検出された位置情報を取得する(ステップS22)。
次に、制御部46は、位置検出部44から取得した位置情報、および記録部45に記録されているチャンネル情報に基づいて、録画指示情報に示される番組を受信するための周波数を特定可能か否かを判定する(ステップS23)。
この場合、録画指示情報に示される番組が、移動用通信装置40の現在地において放送されていれば、その放送信号を受信するための周波数を特定することができる。具体的には、位置情報から地域が特定され、その特定された地域における各放送局のチャンネルがチャンネル情報から特定される。それにより、録画指示情報に示される放送局の周波数を特定することができる。
一方、録画指示情報に示される番組が、移動用通信装置40の現在地において放送されていなければ、その放送信号を受信するための周波数を特定することができない。
図7の例において、録画指示情報に示される放送局はA放送局である。この場合、図4の例において、例えば、移動用通信装置40がa地域に位置すれば、周波数(チャンネル)は3chの周波数に特定することができる。
ステップS23において、周波数を特定可能な場合、制御部46は、周波数を特定し(ステップS24)、その特定された周波数に基づいて放送信号受信部41による選局を行う(ステップS25)。
なお、チャンネル情報として記録されている地域以外の地域に移動用通信装置40が位置する場合、ユーザが、制御部46の代わりにキー操作により周波数(チャンネル)を特定することにより選局してもよい。
次に、制御部46は、放送信号受信部41による受信強度がしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS26)。例えば、移動用通信装置50が高速で移動中の場合、または移動用通信装置50が電波の届かない場所にある場合には、放送信号受信部41による受信強度が低くなる。
受信強度がしきい値以上である場合、録画指示情報から特定される放送局の放送信号が、放送信号受信部41により正常に受信される。この場合、制御部46は、受信された番組(予約番組)を記録媒体入出力部42を通して記録媒体50に録画し(ステップS27)、録画終了後、処理を終了する。図7の例では、制御部46は、延長された野球中継を録画する。
一方、ステップS23において、周波数を特定することができない場合、制御部46は、移動用通信装置40の表示部(図示せず)により、録画指示情報に示される番組を受信することができない旨を表示し(ステップS28)、処理を終了する。
また、ステップS26において、放送信号受信部41による受信強度がしきい値より低い場合には、録画指示情報から特定される放送局の放送信号が放送信号受信部41により正常に受信されない。この場合、制御部46は、ステップS28の処理に進む。
以上のように、第1の制御例では、予約番組の放送時間の延長により録画要求数がチューナの数よりも多くなった場合、デジタル放送受信機10から移動用通信装置40に予約番組の録画指示情報が送信され、移動用通信装置40の記録媒体50による予約番組の録画が開始される。この場合、デジタル放送受信機10の番組記録部12により他の番組が録画される。それにより、延長された予約番組および他の番組を最後まで録画することができる。
なお、移動用通信装置40の記録媒体50による予約番組の録画の開始は、録画指示情報の受信時であってもよく、または予約番組の延長開始時であってもよい。例えば録画指示情報に延長開始時刻を加えることにより、記録媒体50による予約番組の録画の開始時刻を予約番組の延長開始時刻に合わせることができる。
また、本例では、予約番組を移動用通信装置40の記録媒体50により録画し、他の2つの番組をデジタル放送受信機10の番組記録部12により録画したが、他の2つの番組のうち一方の番組と予約番組とをデジタル放送受信機10の番組記録部12により録画し、他の2つの番組のうち他方の番組を移動用通信装置40の記録媒体50により録画してもよい。その場合、デジタル放送受信機10の制御部16は、他の2つの番組のうち他方の番組の録画指示情報を情報送信部16により移動用通信装置40に送信するとともに、番組記録部12により予約番組を継続して録画する。
(1−2−2)第2の制御例
第2の制御例においては、放送時間が延長される可能性のない番組を予約番組として録画予約している場合について説明する。図7において、予約番組は、例えばb放送局で18時から22時まで放送されるバラエティーである。
図8は、デジタル放送受信機10の制御部17による第2の制御例を示すフローチャートである。
以下、図2および図8を参照して、デジタル放送受信機10の制御部17による第2の制御例について説明する。
まず、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて番組記録部12による予約番組の録画を開始する(ステップS31)。
次に、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報に基づいて、予約番組の放送予定時間内に他の番組が録画予約されているか否かを判定する(ステップS32)。
予約番組の放送予定時間内に他の番組が録画予約されている場合、制御部17は、録画予約されている他の番組と予約番組との合計数(以下、予約重複数と呼ぶ)がチューナ数よりも多いか否かを判定する(ステップS33)。なお、上述のように、本実施の形態ではチューナ数は2である。
予約重複数がチューナ数よりも多い場合、制御部17は、情報送信部16により予約番組の録画指示情報を移動用通信装置40に送信する(ステップS34)。この場合、録画指示情報には、予約番組の番組名および放送局が含まれる。図7の例では、バラエティー以外にB放送局のドラマおよびa放送局のサッカー中継が録画予約されている場合、制御部17は、録画指示情報を移動用通信装置40に送信する。この場合、録画指示情報には、番組名としてバラエティーが含まれ、放送局としてb放送局が含まれる。
そして、制御部17は、録画予約情報および時刻情報に基づいて他の番組の放送の開始時刻に番組記録部12による予約番組の録画を終了する(ステップS35)。同時に、制御部17は、番組記録部12による他の番組の録画を開始する。図7の例では、制御部17は、バラエティーの録画を終了し、ドラマの録画を開始する。
一方、ステップS32において、他の番組が録画予約されていない場合、制御部17は、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が予約番組の放送終了予定時刻であるか否かを判定する(ステップS36)。図7の例では、バラエティーのみが録画予約されている場合、現在時刻がバラエティーの放送終了予定時刻であるか否かを判定する。
予約番組の放送終了予定時間である場合、制御部17は、番組記録部12による予約番組の録画を終了する(ステップS35)。図7の例では、制御部17は、バラエティーの録画を終了する。
ステップS36において、予約番組の放送終了予定時間でない場合、制御部17は、現時刻が予約番組の放送終了予定時刻になるまで待機する。
また、ステップS33において、予約重複数がチューナの数以下の場合、制御部17は、番組記録部12による予約番組の録画を継続して行うとともに、録画予約情報および時刻情報に基づいて、他の番組の録画を開始する(ステップS37)。図7の例では、バラエティー以外に例えばB放送局のドラマが録画予約されている場合に、制御部17は、バラエティーの録画を継続するとともに、ドラマの録画を開始する。その後、制御部17は、ステップS36の処理に進む。
移動用通信装置40の制御部46による制御処理は、上記第1の制御例における制御処理(図6参照)と同様である。
以上のように、第2の制御例では、予約番組の放送時間内に他の番組が録画予約されることにより録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合、デジタル放送受信機10から移動用通信装置40に予約番組の録画指示情報が送信され、移動用通信装置40の記録媒体50による予約番組の録画が開始される。この場合、デジタル放送受信機10の番組記録部12により他の1つの番組が録画される。それにより、予約番組および他の番組を最後まで録画することができる。
なお、第2の制御例では、他の番組の放送開始時に番組記録部12による予約番組の録画が終了されるが、デジタル放送受信機10の情報送信部16による録画指示情報の送信時に、番組記録部12による予約番組の録画が終了されてもよい。
また、本例では、予約番組を移動用通信装置40の記録媒体50により録画し、他の2つの番組をデジタル放送受信機10の番組記録部12により録画したが、他の2つの番組のうち一方の番組と予約番組とをデジタル放送受信機10の番組記録部12により録画し、他の2つの番組のうち他方の番組を移動用通信装置40の記録媒体50により録画してもよい。その場合、デジタル放送受信機10の制御部16は、他の2つの番組のうち他方の番組の録画指示情報を情報送信部16により移動用通信装置40に送信するとともに、番組記録部12により予約番組を継続して録画する。
(1−2−3)第3の制御例
第3の制御例では、図6のステップS23において、周波数を特定することができない場合、またはステップS26において、放送信号受信部41による受信強度がしきい値より低い場合に、移動用通信装置40の制御部46は、情報送信部48により受信不可情報をデジタル放送受信機10に送信する。なお、図6のステップS28の処理は、行われなくてもよい。
この場合、デジタル放送受信機10の制御部17は、図6のステップS11または図8のステップS36において情報送信部16により予約番組の録画指示情報を移動用通信装置40に送信した後、以下に示す録画指示情報切替処理を行う。
図9は、デジタル放送受信機10の制御部17による録画指示情報切替処理のフローチャートである。以下、図2および図9を参照して、デジタル放送受信機10の制御部17による録画指示情報切替処理について説明する。
制御部17は、図6のステップS11または図8のステップS36において、情報送信部16により予約番組の録画指示情報を移動用通信装置40に送信した後、情報受信機19により受信不可情報を受信したか否かを判定する(ステップS51)。
情報受信機19により受信不可情報を受信した場合には、情報送信部16により他の番組のうち一方の番組(例えば、図7において、B放送局のドラマ)の録画指示情報を移動用通信装置40に送信する(ステップS52)。
次に、制御部17は、情報受信機19により受信不可情報を再度受信したか否かを判定する(ステップS53)。
受信不可情報を再度受信した場合、制御部46は、情報送信部16により他の番組のうち他方の番組(例えば、図7において、a放送局のサッカー中継)の録画指示情報を移動用通信装置40に送信する(ステップS54)。
次に、制御部17は、番組記録部12により予約番組の延長部分の録画を継続して行うとともに(ステップS55)、他の番組のうち一方の番組の録画を開始する(ステップS56)。
その後、制御部17は、予約番組の放送終了時刻に合わせて、番組記録部12による予約番組の録画を終了する(ステップS57)。
一方、ステップS51において、受信不可情報を受信していない場合、制御部17は、図5のステップS6または図8のステップS35の処理へ進む。なお、情報受信機19により受信不可情報を受信していない場合において、制御部17は、ステップS51の判定を所定の期間繰り返し行ってもよい。
また、ステップS53において、受信不可情報を受信していない場合、制御部17は、番組記録部12により予約番組の録画を継続して行うとともに(ステップS58)、録画予約情報および時刻情報に基づいて他の番組のうち他方の番組(例えば、図7において、a放送局のサッカー中継)の録画を開始する(ステップS59)。その後、制御部17は、ステップS57の処理に進む。
以上のように、第3の制御例では、予約番組の放送信号が移動用通信装置40の放送信号受信部41により正常に受信されない場合、デジタル放送受信機10から移動用通信装置40に他の番組の録画指示情報が送信される。
この場合、移動用通信装置40の制御部46による制御処理(図6および図9参照)が再度行われる。すなわち、デジタル放送受信機10から予約番組の録画指示情報が送信された場合、およびデジタル放送受信機10から他の番組の録画指示情報が送信された場合のそれぞれにおいて、制御部46による制御処理が行われる。
それにより、放送信号受信部41により予約番組の放送信号を受信することができなくても、他の番組のうち少なくとも一方の番組の放送信号を受信することができる場合には、移動用通信装置40の記録媒体50により他の番組が録画される。これにより、予約番組および他の番組のいずれかが録画されない可能性を低減することができる。
(1−3)第1の実施の形態の効果
第1の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100においては、録画予約されている番組の放送時間の延長により録画が要求される番組の数がチューナ数よりも多くなった場合、デジタル放送受信機10から移動用通信装置40に一の番組の録画指示情報が送信され、移動用通信装置40の記録媒体50により一の番組が録画される。この場合、デジタル放送受信機10の番組記録部12により他の番組が録画される。それにより、延長された番組および他の番組を最後まで録画することができる。
また、録画予約されている番組の放送時間内に他の番組が録画予約されることにより録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合、デジタル放送受信機10から移動用通信装置40に一の番組の録画指示情報が送信され、移動用通信装置40の記録媒体50により一の番組が録画される。この場合、デジタル放送受信機10の番組記録部12により他の番組が録画される。それにより、複数の番組を最後まで録画することができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)デジタル放送受信機の構成
以下、第2の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100の構成について説明する。第2の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100は、デジタル放送受信機10の代わりに、以下に示すデジタル放送受信機10Bを備える。
図10は、デジタル放送受信システム100のデジタル放送受信機10Bの構成を示すブロック図である。以下、デジタル放送受信機10Bの構成において、図2に示したデジタル放送受信機10と異なる点について説明する。
図10に示すように、デジタル放送受信機10Bは、デジタル放送受信機10(図2)の各構成要素に加えて、周波数テーブル記録部21を含む。また、デジタル放送受信機10Bは、制御部17(図2)の代わりに制御部17bを含む。
周波数テーブル記録部21には、複数の地域(例えば、日本全国)における各放送局のチャンネルを示す周波数テーブルが記録されている。
図11は、周波数テーブルの一例である。図11によれば、例えばA放送局の放送信号に対応するチャンネルは、a地域において3chであり、b地域において34chである。また、e地域においては、A放送局の番組が放送されておらず、A放送局の放送信号を受信することができない。なお、上述したように、各チャンネルには、所定の中心周波数が割り当てられている。
制御部17bは、デジタル放送受信機10Bの各構成要素を制御する。制御部17bによる制御処理の詳細については後述する。
また、本実施の形態で用いられる移動用通信装置40の構成は、図3に示した移動用通信装置40と同様である。ただし、制御部46による制御処理に関しては、第1の実施の形態と異なる。制御部46による制御処理については後述する。なお、本実施の形態で用いられる移動用通信装置40においては、記憶部45(図3)はなくてもよい。
(2−2)録画時における制御処理
次に、予約番組を録画する際の第2の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100による制御処理について説明する。
まず、デジタル放送受信機10Bの制御部17bによる制御処理について、デジタル放送受信機10の制御部17(図2)による制御処理と異なる点を説明する。
制御部17bは、予約番組の放送時間の延長により録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合、または予約番組の放送時間内に他の番組が録画予約されることにより録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合に、周波数テーブル記憶部21に記録されている周波数テーブルに基づいて予約番組の周波数情報を生成し、その周波数情報を含む予約番組の録画指示情報を移動用通信装置40に送信する。
周波数情報は、番組が放送される地域、およびその地域におけるチャンネルを含む。例えば、図11において、A放送局の番組の周波数情報には、番組が放送される地域として、a〜d地域が含まれ、その地域におけるチャンネルとして、a地域における3ch、b地域における34ch、c地域における5ch、およびd地域における7chが含まれる。
次に、本実施の形態で用いられる移動用通信装置40の制御部46による制御処理について、第1の実施の形態における移動用通信装置40の制御部46による制御処理と異なる点を説明する。
制御部46は、録画指示情報に示される番組を受信するための周波数を特定可能か否かの判定(図6のステップS23参照)、および周波数の特定(図6のステップS24参照)を、位置検出部44(図3)から取得した位置情報および録画指示情報に含まれる周波数情報に基づいて行う。
この場合、移動用通信装置40が現在位置する地域が周波数情報に含まれていれば、番組を受信するための周波数を特定することが可能であり、周波数情報に含まれていなければ、番組を受信するための周波数を特定することができない。
また、移動用通信装置40が現在位置する地域が周波数情報に含まれている場合、周波数情報に示されるチャンネルの中から移動用通信装置40が現在位置する地域に対応するチャンネルを選択することにより周波数を特定することができる。
(2−3)第2の実施の形態の効果
第2の実施の形態においては、録画予約されている番組の放送時間の延長により録画が要求される番組の数がチューナ数よりも多くなった場合、または、録画予約されている番組の放送時間内に他の番組が録画予約されることにより録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合に、デジタル放送受信機10Bの周波数テーブル記録部21に記録される周波数テーブルに基づいて周波数情報が生成され、その周波数情報を含む録画指示情報が移動用通信装置40に送信される。
この場合、移動用通信装置40においては、周波数情報に基づいて、録画指示情報に示される番組の周波数を容易に特定することができる。それにより、録画指示情報が受信されてから録画指示情報に示される番組の録画を開始するまでの時間が短縮される。
また、第2の実施の形態における周波数テーブル記録部21としては、既存のデジタル放送受信機の構成をそのまま利用することができ、容易にかつ安価で迅速に録画を行うことが可能になる。
さらに、チャンネル情報として記録されている地域以外の地域に移動用通信装置40があっても、録画指示情報に示される番組の周波数の特定が制御部46により自動的に行われる。
そのため、移動用通信装置40の記録部45の容量を削減しつつ、迅速に録画を行うことが可能となる。
(3)第3の実施の形態
(3−1)デジタル放送受信機の構成
以下、第3の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100の構成について説明する。第3の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100は、図1に示したデジタル放送受信機10の代わりに、以下に示すデジタル放送受信機10Cを備える。
図12は、デジタル放送受信機10Cの詳細な構成を示すブロック図である。以下、デジタル放送受信機10Cの構成において、図2に示したデジタル放送受信機10と異なる点について説明する。
図12に示すように、デジタル放送受信機10Cは、図2に示したデジタル放送受信機10の各構成要素に加えて、Iピクチャ記録部31、ピクチャ監視部32、記録媒体入出力部33および合成部34を備える。また、デジタル放送受信機10Cは、図2に示した制御部17の代わりに制御部17cを有する。なお、図12においては、図2に示した延長情報抽出部13、情報送信部16および情報受信部19の図示を省略する。
Iピクチャ記録部31は、デコーダ114から出力される映像データに含まれるBピクチャ、PピクチャおよびIピクチャのうちIピクチャを記録する。詳細は後述する。なお、Iピクチャ記録部31は、番組記録部12と一体であってもよい。この場合、番組記録部12により、上記のIピクチャが記録される。
ピクチャ監視部32は、分離部113から出力される映像ストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを検出する。
記録媒体入出力部33は、図1の移動用通信装置40の記録媒体50に記録されている番組データ(音声データおよび映像データを含む)を入出力する。なお、本実施の形態においては、移動用通信装置40から取り出された記録媒体50をデジタル放送受信機10Cに接続することにより、記録媒体50内の番組データがデジタル放送受信機10に入力されるが、移動用通信装置40の記録媒体50内の番組データがネットワーク等の通信媒体を介してデジタル放送受信機10に伝送されてもよい。
合成部34は、Iピクチャ記録部31に記録されたIピクチャを用いて記録媒体入出力部33を介して入力された番組データを補正し、その補正した番組データを番組記録部12に記録されている番組データに結合する。詳細は後述する。
また、制御部17cは、図2の制御部17と同様の制御処理を行うとともに、番組記録部12、Iピクチャ記録部31、記録媒体入出力部33および合成部34を制御する。制御部17cによる制御処理の詳細については後述する。
(3−2)録画時における制御処理
次に、予約番組を録画する際のデジタル放送受信機10Cの制御部17cによる制御処理について説明する。なお、移動用通信装置40の制御部46による制御処理は、上記第1の実施の形態(図6参照)と同様である。
制御部17cは、制御部17と同様の処理(図5、図8および図9参照)を行うとともに、以下に示す番組サンプリング処理を行う。
図5または図8に示した第1、第2の制御例において、番組サンプリング処理は、情報送信部16(図2)により予約番組の録画指示情報が送信されてから予約番組の放送時間が終了するまでの期間に行われる。すなわち、図5に示した第1の制御例においては、ステップS5の処理の後であり、図8に示した第2の制御例においては、ステップS34の処理の後である。
また、図9に示した第3の制御例において、番組サンプリング処理は、情報受信部19により受信不可信号が受信されない場合に行われ、情報送信部16により予約番組または他の番組の録画指示情報が送信されてから、その予約番組または他の番組の放送時間が終了するまでの期間に行われる。
(3−2−1)番組サンプリング処理時の制御
図13は、制御部17cによる番組サンプリング処理のフローチャートである。
以下、図12および図13を参照して制御部17cによる番組サンプリング処理について説明する。なお、以下の説明においては、録画要求数がチューナ数よりも多い場合に、デジタル放送受信機10Cの番組記録部12により録画される番組を他の番組とし、移動用放送受信機40の記録部58(図3)により録画される番組を予約番組とする。
まず、制御部17cは、予約番組のIピクチャ監視処理を行う(ステップS91)。Iピクチャ監視処理については後述する。
次に、制御部17cは、録画予約情報記録部14に記録されている録画予約情報およびタイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が他の番組の放送開始時刻であるか否かを判定する(ステップS92)。
ステップS92において、現時刻が他の番組の放送開始時刻でない場合、制御部17cは、ステップS92の判定を繰り返す。
現時刻が他の番組の放送開始時刻である場合、制御部17cは、Iピクチャ取得処理を行い(ステップS93)、処理を終了する。Iピクチャ取得処理については後述する。
ここで、図12および図14を参照して、上記のIピクチャ監視処理について説明する。なお、Iピクチャ監視処理が行われる期間は、予約番組が選局されている。図14には、制御部17cによるIピクチャ監視処理のフローチャートが示される。
まず、制御部17cは、ピクチャ監視部32により検出されたピクチャタイプを取得する(ステップS101)。
次に、制御部17cは、取得したピクチャタイプがIピクチャを示すか否かを判定する(ステップS102)。
ステップS102において、取得したピクチャタイプがIピクチャを示さない場合、制御部17cは、ステップS101の処理に戻る。
取得したピクチャタイプがIピクチャを示す場合、制御部17cは、タイマー15による時刻情報に基づいて、Iピクチャの出現時刻を取得する(ステップS103)。
次に、制御部17cは、Iピクチャ監視処理を開始してから現時刻までにおいて、Iピクチャの出現回数がしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS104)。
ステップS104において、Iピクチャの出現回数がしきい値以上でない場合、制御部17cは、ステップS101の処理に戻る。
Iピクチャの出現回数がしきい値以上になると、制御部17cは、取得した複数のIピクチャの出現時刻に基づいて、Iピクチャの出現周期を算出する(ステップS105)。
次に、制御部17cは、複数のIピクチャの出現時刻、および算出したIピクチャの出現周期に基づいて、以後のIピクチャの出現時刻(以下、Iピクチャ出現時刻と呼ぶ)を算出し(ステップS106)、Iピクチャ監視処理を終了する。
このように、Iピクチャ監視処理により、予約番組のIピクチャ出現時刻が算出される。ここで算出されたIピクチャ出現時刻を用いて、Iピクチャ取得処理が行われる。
以下、図12および図15を参照して、上記のIピクチャ取得処理について説明する。図15には、制御部17cによるIピクチャ取得処理のフローチャートが示される。
まず、制御部17cは、選局部111により他の番組を選局するとともに(ステップS111)、番組記録部12による他の番組の録画を開始する(ステップS112)。
次に、制御部17cは、タイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻であるか否かを判定する(ステップS113)。
現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻である場合、制御部17cは、選局111により予約番組を選局するとともに(ステップS114)、Iピクチャ記録部31により予約番組のIピクチャを記録する(ステップS115)。
次に、制御部17cは、現時刻が予約番組の放送終了時刻であるか否かを判定する(ステップS116)。なお、上述のように、予約番組の放送時間が延長された場合、予約番組の放送終了時刻は、延長情報抽出部(図2)により抽出される延長終了情報に基づいて決定される。また、予約時間の放送時間が延長されない場合、予約番組の放送終了時刻は、録画予約情報記録部14に記録された録画予約情報に基づいて決定される。
現時刻が予約番組の放送終了時刻である場合、制御部17cは、他の番組を選局し(ステップS117)、処理を終了する。
一方、ステップS113において、現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻でない場合、制御部17cは、選局部111により他の番組を選局するとともに(ステップS118)、番組記録部12により他の番組を録画する(ステップS119)。その後、制御部17cは、ステップS116の処理に進む。
また、ステップS116において、現時刻が予約番組の終了時刻でない場合、制御部17cは、ステップS113の処理に戻る。
(3−2−2)番組サンプリング処理時における選局状態
次に、上記の番組サンプリング処理時における選局部111(図12)の選局状態について、図16を用いて詳細に説明する。
図16は、番組サンプリング処理時の選局状態を説明するためのタイミングチャートである。図16において、横軸は時刻を示し、選局部111により選局されている状態をハイレベルで示し、選局部111により選局されていない状態をローレベルで示す。
ここでは、図7の放送予定表において、A放送局の野球中継が予約番組として録画予約され、B放送局のドラマが他の番組として録画予約されており、野球中継の放送時間が延長される場合について説明する。
図16に示すように、まず、野球中継の放送予定時間内(18時〜21時)においては、A放送局の放送信号が選局される。ここで、野球中継の放送終了予定時刻(21時)より前の時刻tSにおいて、A放送局から延長開始情報が送信される。この場合、時刻tSから21時までの間に、上記のIピクチャ監視処理が行われる。それにより、野球中継におけるIピクチャの出現周期T1およびIピクチャの出現時刻t1,t2,t3,t4,・・・,tn−1,tn,tn+1,・・・が算出される。
次に、野球中継の延長時間、すなわち21時から野球中継の放送が終了するまでの期間においては、上記のIピクチャ取得処理が行われる。なお、野球中継の放送終了時刻は、上記のように、放送局から送信される延長終了情報に基づいて決定される。図16の例において、野球中継の放送終了時刻は、時刻tnと時刻tn+1との間の時刻tEである。
この場合、野球中継のIピクチャの出現時刻t1,t2,t3,t4,・・・,tn−1,tnにおいてA放送局の放送信号が選局され、Iピクチャの出現時刻以外の期間においてB放送局の放送信号が選局される。そして、野球中継の放送終了後においては、B放送局の放送信号が選局される。
このように、予め算出した予約番組のIピクチャの出現時刻に基づいて、予約番組および他の番組が適切なタイミングで選局される。それにより、予約番組のIピクチャをIピクチャ記録部31により記録しつつ他の番組の番組データを番組記録部12により録画することができる。
(3−3)合成処理
ところで、移動用通信装置40の記録媒体50により記録される番組の映像データ(以下、移動録画映像データと呼ぶ)は、1セグメントの放送信号に基づいて得られたものであり、デジタル放送受信機10により記録される番組の映像データ(以下、本体録画映像データと呼ぶ)に比べてデータ量が少ない。そのため、移動録画映像データに基づいて得られる映像の画質は、本体録画映像データに基づいて得られる映像の画質に比べて劣る。
そこで、第3の実施の形態では、上記のIピクチャ取得処理により得られた予約番組のIピクチャを用いて、予約番組の移動録画映像データを補正する。それにより、予約番組の移動録画映像データに基づいて得られる映像の画質を向上させることができる。
図17は、制御部17cによる合成処理のフローチャートである。以下、図12および図17を参照して制御部17cによる合成処理について説明する。
まず、制御部17cは、記録媒体50に記録された番組データを記録媒体入出力部33を介して合成部34に入力する(ステップS121)。
次に、制御部17cは、Iピクチャ記録部31に記録されたIピクチャを合成部34に入力する(ステップS122)。
次に、制御部17cは、記録媒体入出力部33からの番組データとIピクチャ記録部31からのIピクチャとが同一の番組(予約番組)に対応しているか否かを判定する(ステップS123)。具体的には、番組の放送信号に含まれる放送識別子に基づいて、その放送信号から得られた各種データがどの番組に対応するかを特定することができる。それにより、記録媒体入出力部33からの番組データとIピクチャ記録部31からのIピクチャとが同一の番組に対応しているか否かを判定することができる。
記録媒体入出力部33からの番組データとIピクチャ記録部31からのIピクチャとが同一の番組(予約番組)に対応している場合、制御部17cは、合成部34により予約番組の移動録画映像データの画像補正処理を行い(ステップS124)、予約番組の移動録画映像データを補正する。画像補正処理の具体例については後述する。
次に、制御部17cは、合成部34により予約番組の番組データ結合処理を行い(ステップS125)、記録媒体50に記録された予約番組の番組データと番組記録部12に記録された予約番組の番組データとを結合する。その後、制御部17cは合成処理を終了する。なお、番組データ結合処理の詳細については後述する。
なお、ステップS123において、記録媒体入出力部33から出力された番組データとIピクチャ記録部31から出力されたIピクチャとが同一の番組に対応していない場合、制御部17cは、合成処理を終了する。
(3−3−1)画像補正処理
次に、移動録画映像データの画像補正処理について説明する。
まず、移動録画映像データおよび本体録画映像データの構成について説明する。図18は、移動録画映像データおよび本体録画映像データの構成を説明するための模式図である。
図18(a)に示すように、移動録画映像データVD1は、複数のIピクチャIP1、複数のPピクチャPP1および複数のBピクチャBP1から構成される。また、これらIピクチャIP1、PピクチャPP1およびBピクチャBP1の各々は、所定数の画素データEDから構成される。なお、各画素データは、カラー表示のためのR(赤色)信号、G(緑色)信号およびB(青色)信号から構成される。
また、図18(b)に示すように、本体録画映像データVD2は、複数のIピクチャIP2、複数のPピクチャPP2および複数のBピクチャBP2から構成される。また、これらIピクチャIP2、PピクチャPP2およびBピクチャBP2の各々は、それぞれ所定数の画素データEDから構成される。なお、各画素データEDは、カラー表示のためのR(赤色)信号、G(緑色)信号およびB(青色)信号から構成される。
移動録画映像データVD1の各ピクチャ(IピクチャIP1、PピクチャPP1およびBピクチャBP1を含む)を構成する画素データEDの数(以下、画素数と呼ぶ)は、本体録画映像データVD2の各ピクチャ(IピクチャIP2、PピクチャPP2およびBピクチャBP2を含む)を構成する画素数よりも少ない。
この場合、上述のように、移動録画映像データVD1に基づいて得られる映像の画質は、本体録画映像データVD2に基づいて得られる映像の画質に比べて劣る。以下、移動録画映像データVD1の画質向上のための画像補正処理について具体的に説明する。
図19は、移動録画映像データVD1の画像補正処理の処理過程を示す模式図である。
なお、図19において、各画素データEDには、R信号の値の一例が示される。なお、以下に示す図面においても同様とする。
まず、図19(a)および図19(b)に示すように、移動録画映像データVD1の各ピクチャにおいて、各画素データEDから複数の画素データEDaが複製され、移動録画映像データVD1の画素数が本体録画映像データVD2(図18)の画素数と等しくなるように調整される。
次に、図19(c)に示すように、各画素データEDaの値が、その画素データEDaの周囲に配置される複数の画素データEDの値の平均値となるように補正される。
以下、図19の処理により得られたIピクチャIP1、PピクチャPP1およびBピクチャBP1をそれぞれ第1処理IピクチャIP1a、第1処理PピクチャPP1aおよび第1処理BピクチャBP1aと呼ぶ。
次に、上記の番組サンプリング処理により得られたIピクチャIP2(以下、サンプリングIピクチャと呼ぶ)に基づいて、第1処理IピクチャIP1aが補正される。以下、図20を用いて具体的に説明する。
図20(a)は、サンプリングIピクチャIP2の一部を示す模式図であり、図20(b)は、第1処理IピクチャIP1aの一部を示す模式図である。なお、図20に示すサンプリングIピクチャIP2および第1処理IピクチャIP1aは、同一の標準時刻を示すPCR(標準時刻情報:Program Clock Reference)を有する。すなわち、これらのサンプリングIピクチャIP2および第1処理IピクチャIP1aは、同一時刻の画像に対応する。
図20に示すように、第1処理IピクチャIP1aの各画素データED,EDaの値がサンプリングIピクチャIP2の各画素データEDの値と等しくなるように、第1処理IピクチャIP1aの各画素データED,EDaが補正される(図20(c)参照)。
また、このとき、各画素データED,EDaの補正前の値と、各画素データED,EDaの補正後の値との差分値(以下、補正用差分値と呼ぶ)が算出される(図20(c)のかっこ内参照)。
以下、図20に示す処理により得られたIピクチャIP1を第2処理IピクチャIP1bと呼ぶ。なお、上記の処理により算出された補正用差分値の集合が、請求項における基準画像に相当する。
次に、第2処理IピクチャIP1bおよび補正用差分値を用いて、移動録画映像データVD1の第1処理PピクチャPP1a(図18)が補正される。以下、図21を参照して具体的に説明する。
図21は、第1処理PピクチャPP1aの補正方法について説明するための模式図である。なお、図21においては、第1処理PピクチャPP1aおよび第2処理IピクチャIP1bの12個の各画素データED,EDaを、画素データED1〜ED12として示す。
まず、図21に示すように、第2処理IピクチャIP1bと第1処理PピクチャPP1aとの間の動きベクトルV1が検出される。なお、動きベクトルV1を検出する方法としては、マッチング方法または勾配法等がある。
また、動きベクトルV1は、複数の画素データからなるブロック単位で検出される。図21においては、4つの画素データの集合が1ブロックに相当する。
動きベクトルV1は、第2処理IピクチャIP1bにおいて画素データED1,ED2,ED5,ED6により構成されるブロックBL1が、第1処理PピクチャPP1aでは画素データED10,ED11,ED14,ED15に移動したことを示す。
次に、検出した動きベクトルV1に基づいて、第2処理IピクチャIP1bの各画素データと第1処理PピクチャPP1aの画素データとの対応関係が算出される。
図21においては、第1処理PピクチャPP1aの画素データED10,11,14,15が第2処理IピクチャIP1bの画素データED1,ED2,ED5,ED6に対応する。
次に、算出した対応関係に基づいて、第1処理PピクチャPP1aの各画素データに補正用差分値が加算される。ここでは、図20(c)の領域H1のかっこ内に示される補正用加算値が、第2処理IピクチャIP1bの画素データED1,ED2,ED5,ED6における補正用差分値であるとする。
この場合、第2処理IピクチャIP1bの画素データED1,ED2,ED5,ED6に対応する第1処理PピクチャPP1aの画素データED10,ED11,ED14,ED15の値に図20(c)の領域H1の補正用差分値が加算される。
これにより、高画質の第1処理PピクチャPP1aを得ることができる。以下、図21の処理により補正された第1処理PピクチャPP1aを第2処理PピクチャPP1bとする。
次に、第2処理IピクチャIP1bおよび第2処理PピクチャPP1bに基づいて、同様に、BピクチャBP1の補正が行われる。
このようにして、移動録画映像データVD1の画像補正処理が行われ、移動録画映像データVD1のIピクチャIP1、PピクチャPP1およびBピクチャBP1が補正される。
なお、ここでは、R信号、G信号およびB信号のうちR信号の値を用いて説明したが、G信号およびB信号の値に関しても同様に補正される。
(3−3−2)番組データ結合処理
画像補正処理によって得られた移動録画映像データ(以下、復元映像データと呼ぶ)は、番組データ結合処理により、デジタル放送受信機10Cの番組記録部12に録画されている映像データと結合される。以下、図22を用いて番組データ結合処理について説明する。なお、図22においては、予約番組の番組データのうち映像データについて説明する。
図22は、番組データ結合処理について説明するための図である。図22において、上段はデジタル放送受信機10Cの番組記録部12に記録された予約番組の映像データ(本体録画映像データVD2)を示し、中段は、上述の画像補正処理により得られた予約番組の映像データ(復元映像データ)を示し、下段は、番組データ結合処理により得られた映像データを示す。
上述のように、本体録画映像データVD2および復元映像データに含まれる各ピクチャ(Iピクチャ、PピクチャおよびBピクチャを含む)は、標準時刻を示すPCRを有する。
図22においては、本体録画映像データVD2が、PCRとして“1”、“2”、・・・“100”を有し、復元映像データが、PCRとして“99”、“100”、・・・“200”を有する。この場合、本体録画映像データVD2および復元映像データに含まれるPCR“99”、“100”が互いに等しい標準時刻を示すため、制御部17cは、本体録画映像データVD2および復元映像データの時間的対応関係を認識することができる。それにより、本体録画映像データVD2および復元映像データを適切に結合することができる。
なお、ここでは、番組データのうち映像データの結合処理について説明したが、音声データの結合処理も映像データの結合処理と同様に行われる。
番組データ結合処理により得られた映像データは、デジタル放送受信機10の番組記録部12またはIピクチャ記録部31に記録される。
(3−4)第3の実施の形態の効果
第3の実施の形態においては、録画予約されている番組の放送時間の延長により録画が要求される番組の数がチューナ数よりも多くなった場合、または、録画予約されている番組の放送時間内に他の番組が録画予約されることにより録画要求数がチューナ数よりも多くなった場合に、移動用通信装置40の記録媒体50により録画予約されている番組の延長部分または他の番組の番組データが記録されるとともに、デジタル放送受信機10CのIピクチャ記録部31により上記の録画予約されている番組の延長部分または他の番組のIピクチャが記録される。
この場合、Iピクチャ記録部31により記録されたIピクチャを用いて、移動用通信装置40の記録媒体50により記録された番組の画像データが補正される。それにより、移動用通信装置40の記録媒体50により記録された映像データから高画質の映像データを作成することができる。
また、第3の実施の形態においては、録画予約された番組の放送予定時間内の部分の番組データがデジタル放送受信機10Cの番組記録部12により記録され、その番組の延長部分のデータが移動用通信装置40の記録媒体50により記録された場合、移動用通信装置40の記録媒体50により記録された番組データが、デジタル放送受信機10Cの番組記録部12により記録された番組データに結合され、1つの番組データが作成される。
この場合、上記のように、移動用通信装置40の記録媒体50により記録された映像データから高画質の映像データを作成することにより、デジタル放送受信機10Cの番組記録部12により記録された映像データと移動用通信装置40の記録媒体50により記録された映像データとの画質の差が低減される。それにより、結合された番組データに基づく映像を違和感無く視聴することができる。
(4)第4の実施の形態
(4−1)デジタル放送受信機の構成
以下、第4の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100の構成について説明する。第4の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100は、図2に示したデジタル放送受信機10の代わりに、以下に示すデジタル放送受信機10Dを備える。
図23は、デジタル放送受信機10Dの詳細な構成を示すブロック図である。以下、デジタル放送受信機10Dの構成において、図12に示したデジタル放送受信機10Cと異なる点について説明する。
図23に示すように、デジタル放送受信機10Dは、図12に示したデジタル放送受信機10Cの各構成要素に加えて、差分検出部35を備える。また、デジタル放送受信機10Dは、制御部17cの代わりに制御部17dを備える。
差分検出部35は、出力回路115から番組記録部12に出力される映像データに含まれるピクチャ間の差分値(以下、ピクチャ差分値と呼ぶ)を検出する。具体的には、ピクチャ差分値は、例えばVPID(ビデオパケット識別子)内のBピクチャまたはPピクチャの有効データ数(動きベクトル等)に基づいて算出される。制御部17dは、デジタル放送受信機10Dの各構成要素を制御する。
(4−2)録画時における制御処理
次に、予約番組を録画する際のデジタル放送受信機10Dの制御部17dによる制御処理について説明する。デジタル放送受信機10Dの制御部17dは、図15に示したIピクチャ取得処理において、デジタル放送受信機10Cの制御部17c(図12)と異なる制御処理を行う。なお、移動用通信装置40の制御部46による制御処理は、上記第1の実施の形態(図6参照)と同様である。
以下、図23および図24を参照して、制御部17dによるIピクチャ取得処理について説明する。
図24は、制御部17dによるIピクチャ取得処理のフローチャートである。
図24に示すように、まず、制御部17dは、選局部111により他の番組を選局するとともに(ステップS131)、番組記録部12による他の番組の録画を開始する(ステップS132)。
次に、制御部17dは、差分検出部25により検出されたピクチャ差分値を取得する(ステップS133)。
次に、制御部17dは、取得したピクチャ差分値が予め設定されたしきい値以下であるか否かを判定する(ステップS134)。
取得したピクチャ差分値が予め設定されたしきい値以下である場合、他の番組の映像の変化が少なく、静止画に近い状態であることが意味している。この場合、制御部17dは、タイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻であるか否かを判定する(ステップS135)。
現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻である場合、制御部17dは、選局111により予約番組を選局するとともに(ステップS136)、Iピクチャ記録部31により予約番組のIピクチャを記録する(ステップS137)。
次に、制御部17dは、現時刻が予約番組の放送終了時刻であるか否かを判定する(ステップS138)。なお、上述のように、予約番組の放送時間が延長された場合、予約番組の放送終了時刻は、延長情報抽出部(図2)により抽出される延長終了情報に基づいて決定される。また、予約時間の放送時間が延長されない場合、予約番組の放送終了時刻は、録画予約情報記録部14に記録された録画予約情報に基づいて決定される。
現時刻が予約番組の放送終了時刻である場合、制御部17dは、他の番組を選局し(ステップS139)、処理を終了する。
一方、ステップS134において、取得したピクチャ差分値が予め設定されたしきい値より大きい場合、他の番組の映像の変化量が大きいことを意味する。この場合、制御部17dは、ステップS133の処理に戻る。
また、ステップS135において、現時刻が予約番組のIピクチャ出現時刻でない場合、制御部17dは、選局部111により他の番組を選局するとともに(ステップS140)、番組記録部12により他の番組を録画する(ステップS141)。
次に、制御部17dは、現時刻が予約番組の放送終了時刻であるか否かを判定する(ステップS142)。
現時刻が予約番組の放送終了時刻である場合、制御部17dは、ステップS139の処理に進む。
ステップS142において、現時刻が予約番組の放送終了時刻でない場合、制御部17dは、ステップS135の処理に戻る。
また、ステップS138において、現時刻が予約番組の放送終了時刻でない場合、制御部17dは、ステップS133の処理に戻る。
(4−2−a)番組サンプリング処理時における選局状態
次に、図24に示したIピクチャ取得処理が行われる場合の番組サンプリング処理時における選局部111の選局状態について、図25を用いて詳細に説明する。
図25は、第4の実施の形態における番組サンプリング処理時の選局状態を説明するためのタイミングチャートである。図25において、横軸は時刻を示し、選局部111により選局されている状態をハイレベルで示し、選局部111により選局されていない状態をローレベルで示す。また、下段に他の番組のピクチャ差分値を示す。
ここでは、図7の放送予定表において、A放送局の野球中継が予約番組として録画予約され、B放送局のドラマが他の番組として録画予約されており、野球中継の放送時間が延長される場合について説明する。
図25に示すように、まず、野球中継の放送予定時間内(18時〜21時)においては、A放送局の放送信号が選局される。ここで、野球中継の放送終了予定時刻(21時)より前の時刻tSにおいて、A放送局から延長開始情報が送信される。この場合、時刻tSから21時までの間に、上記のIピクチャ監視処理が行われる。それにより、野球中継におけるIピクチャの出現周期T1およびIピクチャの出現時刻t1,t2,t3,t4,・・・,tn−1,tn,tn+1,・・・が算出される。
次に、野球中継の延長時間、すなわち21時から野球中継の放送が終了するまでの期間においては、図24に示したIピクチャ取得処理が行われる。なお、野球中継の放送終了時刻は、時刻tnと時刻tn+1との間の時刻tEである。
第4の実施の形態では、ドラマのピクチャ差分値がしきい値以下となった場合にのみ、野球中継が選局される。図25の例では、時刻t2と時刻t3との間の時刻t11、時刻t3と時刻t4との間の時刻t12,・・・、および時刻tn−1と時刻tnとの間の時刻tmにおいて、ドラマのピクチャ差分値がしきい値以下となる。
この場合、時刻t11,t12,・・・,tmの直後の野球中継のIピクチャの出現時刻t3,t4,・・・,tnにおいてA放送局の放送信号が選局され、Iピクチャの出現時刻以外の期間、およびドラマのピクチャ差分値がしきい値より大きい期間には、B放送局の放送信号が選局される。そして、野球中継の放送終了後においては、B放送局の放送信号が選局される。
(4−3)第4の実施の形態の効果
第4の実施の形態では、録画予約されている一の番組のIピクチャをIピクチャ記録部31により記録しつつ録画予約されている他の番組の番組データを番組記録部12により録画する場合において、他の番組のピクチャ差分値がしきい値以下となった場合にのみ、Iピクチャの出現時刻に一の番組が選局され、他の番組のピクチャ差分値がしきい値より大きい場合には一の番組のIピクチャの出現時刻であっても他の番組の放送信号が選局される。
この場合、一の番組を選局するために他の番組の録画が中断されても、その期間においては、他の番組の映像の変化が小さく、静止画に近い状態である。それにより、番組記録部12により録画された他の番組を違和感無く視聴することができる。
(5)第5の実施の形態
(5−1)デジタル受信システムの構成
以下、第5の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100の構成について説明する。第5の実施の形態に係るデジタル放送受信システム100は、図2に示したデジタル放送受信機10の代わりに、以下に示すデジタル放送受信機10Eを備える。
図26は、デジタル放送受信機10Eの詳細な構成を示すブロック図である。以下、デジタル放送受信機10Eの構成において、図12に示したデジタル放送受信機10Cと異なる点について説明する。
図26に示すように、デジタル放送受信機10Eは、図12に示したデジタル放送受信機10Cの各構成要素に加えて、フレームメモリ36、2画面生成部37および映像補完処理部38を備える。また、デジタル放送受信機10Eは、制御部17cの代わりに制御部17eを備える。
なお、第1、第2、第3および第4の実施の形態では、デジタル放送受信機10A,10B,10C,10Dが、2つのチューナ11a,11bを有する場合について説明したが、第5の実施の形態では、デジタル放送受信機10Eが、1つのチューナ11aを有する場合について説明する。
フレームメモリ36は、デコーダ114から出力される番組データ(音声データおよび映像データを含む)のIピクチャを一時的に記憶しつつそのIピクチャを2画面生成部37に出力する。
2画面生成部37は、フレームメモリ36から出力されるIピクチャとデコーダ114から出力される映像データとを合成し、Iピクチャに基づく映像および映像データに基づく映像をモニタ116上で同時に表示するための2画面映像データを生成する。また、2画面生成部37は、生成された2画面映像データを出力回路115に与える。
映像補完処理部38は、デコーダ114から出力される映像データの映像補完処理を行う。詳細は後述する。
制御部17eは、デジタル放送受信機10Eの各構成要素を制御する。制御部17eによる制御処理の詳細については後述する。
図27は、2画面映像データに基づいて得られる映像の具体例を示す図である。
図27に示すように、モニタ116上には、画面W1(斜線部)および画面W2からなる2画面映像が表示される。本実施の形態では、画面W1には映像補完処理部38から出力される映像データに基づく映像が表示され、画面W2にはフレームメモリ36から出力されるIピクチャに基づく映像が表示される。
以上の構成を有するデジタル放送受信機10Eにおいては、ユーザにより同時間内に2つの番組の視聴が要求された場合、その2つの番組をモニタ116上に同時に表示させることができる。
以下、ユーザにより同時間内に2つの番組の視聴が要求された場合における制御部17eによる制御処理の詳細について説明する。なお、以下の説明において、ユーザにより視聴が要求された2つの番組のうち一方の番組を第1の番組とし、他方の番組を第2の番組とする。
まず、制御部17eは、選局部111により第1の番組の放送信号を選局し、図14に示したIピクチャ監視処理を行う。これにより、制御部17eは、第1の番組のIピクチャ出現時刻を算出する。
次に、制御部17eは、算出した第1の番組のIピクチャ出現時刻を用いて2画面表示処理を行う。
以下、図26および図28を参照して2画面表示処理について説明する。図28は、制御部17eによる2画面表示処理のフローチャートである。
制御部17eは、タイマー15による時刻情報に基づいて、現時刻が第1の番組のIピクチャ出現時刻であるか否かを判定する(ステップS151)。
現時刻が第1の番組のIピクチャ出現時刻である場合、制御部17eは、選局部111により第1の番組を選局するとともに(ステップS152)、フレームメモリ36に記憶された第1の番組のIピクチャを更新する(ステップS153)。この場合、以前に記憶されたIピクチャが削除され、新たに得られたIピクチャがフレームメモリ36に記憶される。
次に、制御部17eは、映像補完処理部38により第2の番組の映像補完処理を行う(ステップS154)。映像補完処理では、選局部111により第1の番組が選局されている期間における第2の番組の映像データが、その直前および直後の第2の番組の映像データから動きベクトルを用いて補完される。
次に、制御部17eは、フレームメモリ36に新たに記憶されたIピクチャを2画面生成部37に入力するとともに(ステップS155)、映像補完処理後の第2の番組の映像データを2画面生成部37に入力する(ステップS156)。
次に、制御部17eは、フレームメモリ36からの第1の番組のIピクチャと映像補完処理後の第2の番組の映像データとを用いて2画面生成部37により2画面映像データを生成する(ステップS157)。
次に、制御部17eは、生成した2画面映像データを出力回路115を介してモニタ116に出力し(ステップS158)、ステップS151の処理に戻る。
一方、ステップS151において、現時刻が第1の番組のIピクチャ出現時刻でない場合、制御部17eは、選局部111により第2の番組を選局する(ステップS159)。
次に、制御部17eは、フレームメモリ36に記憶されている第1の番組のIピクチャを2画面生成部37に入力するとともに(ステップS160)、第2の番組の映像データを2画面生成部37に入力し(ステップS161)、ステップS157の処理に進む。この場合、映像補完処理部38による第2の番組の映像データの映像補完処理は行われない。
このように、第5の実施の形態においては、第1の番組のIピクチャおよび第2の番組の映像データを用いて、モニタ116上に第1および第2の番組を同時に表示させることができる。本例では、第2の番組の映像は連続的な変化を有する動画として表示される。一方、第1の番組の映像においては、Iピクチャに基づく画像がコマ送りで表示される。
なお、このような構成においても、第1の番組のIピクチャのみの映像については、図27に示すモニタ116の領域W2に表示されていることから、連続的な表示でない場合であっても、ユーザは違和感無く第1の番組および第2の番組を視聴することができる。
(6)変形例
(6−1)
上記第3の実施の形態のデジタル放送受信機10CにおけるIピクチャ記録部31、ピクチャ監視部32、記録媒体入出力部33および合成部34を上記第2の実施の形態のデジタル放送受信機10Bに設けてもよい。また、第4の実施の形態のデジタル放送受信機10Dにおける差分検出部35を、上記第2の実施の形態のデジタル放送受信機10Bに設けてもよい。
また、上記第5の実施の形態のデジタル放送受信機10Dにおけるフレームメモリ36、2画面生成部37および映像補正処理部38を上記第2の実施の形態のデジタル放送受信機10Bに設けてもよい。
(6−2)
上記第1〜第5の実施の形態の制御部17,46,17b,17c,17d,17e、延長情報抽出部13、位置検出部44、ピクチャ監視部32、合成部34、差分検出部35および2画面生成部37は、電子回路等のハードウェアにより実現してもよく、あるいはこれらの構成要素のうち一部または全てをCPU(中央演算処理装置)等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアにより実現してもよい。
(6−3)
上記第1〜第5の実施の形態の番組記録部12、録画予約情報記録部14、周波数テーブル記録部21、Iピクチャ記録部31は、ハードディスク、半導体メモリ、メモリカード、DVD等の種々の記録媒体により実現される。
(6−4)
上記第1〜第4の実施の形態では、デジタル放送受信機10,10B,10C,10Dが2つのチューナ11a,11bを有するが、これに限らず、1つまたは3つ以上のチューナを有してもよい。また、上記第5の実施の形態では、デジタル放送受信機10Eが1つのチューナ11aを有するが、2つ以上のチューナを有してもよい。
(6−5)
上記第3および第4の実施の形態のデジタル放送受信機10C,10Dは、上記第5の実施の形態と同様に、映像補完処理部38を備えてもよい。この場合、録画予約されている一の番組のIピクチャの記録時における他の番組の映像データが補完される。それにより、他の番組を違和感無く視聴することができる。
(6−6)
上記第1〜第5の実施の形態では、デジタル放送受信機10,10B,10C,10D,10Eが水平走査線数1080本のプログレッシブ方式の映像フォーマットを有する映像データを出力する例を示したが、これに限定されず、映像データが他の映像フォーマットを有してもよい。
また、上記第1〜第5の実施の形態では、移動用通信装置40が水平走査線数525本のプログレッシブ方式の映像フォーマットを有する映像データを出力する例を示したが、これに限定されず、映像データが他の映像フォーマットを有してもよい。
(6−7)
上記第1〜第5の実施の形態では、デジタル放送受信機10,10B,10C,10D,10Eが12セグメント放送信号を受信し、移動用通信装置40が1セグメント放送信号を受信する例を示したが、これに限らず、デジタル放送受信機10,10B,10C,10D,10Eまたは移動用通信装置40が他の伝送形式の放送信号を受信してもよい。
(6−8)
上記第1〜第5の実施の形態では、周波数の異なる複数の放送を同時に録画する場合について説明したが、これに限らず、1つの放送信号に含まれる複数のサブ放送を同時に録画してもよい。
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態のデジタル放送受信システム100においては、チューナ11a,11bが第1の受信部に相当し、録画予約情報記録部14が情報保持部に相当し、番組記録部12が第1のデータ記録部に相当し、制御部10,10b,10c,10d,10eが第1の判別部に相当し、制御部46が第2の判別部に相当し、情報送信部16が第1の通信部に相当し、情報受信部43が第2の通信部に相当し、放送信号受信部41が第2の受信部に相当し、記録媒体50が第2のデータ記録部に相当する。
また、デジタル放送受信機10においては、チューナ11a,11bが受信部に相当し、録画予約情報記録部14が情報保持部に相当し、番組記録部12が第1のデータ記録部に相当し、制御部10,10b,10c,10d,10eが判別部に相当し、情報送信部16が通信部に相当し、延長情報抽出部13が延長情報を抽出する抽出部に相当し、周波数テーブル記録部21が対応情報記録部に相当し、Iピクチャ記録部31がピクチャ記録部に相当し、合成部34が補正部に相当し、第2処理PピクチャPP1bが復元番組データに相当し、制御部10c,10d,10eが周期算出部に相当し、差分検出部35がピクチャ差分検出部に相当し、制御部10dが差分値判定部に相当する。
また、制御部10eが制御部に相当し、フレームメモリ36がIピクチャの抽出部に相当する。
また、移動用通信装置40においては、情報受信部43が通信部に相当し、放送信号受信部41が受信部に相当し、記録媒体50がデータ記録部に相当し、記録部45が対応情報記録部に相当し、制御部46が判別部に相当し、受信不可信号がデータ取得不可信号に相当する。
本発明は、一般的なテレビジョン受信機、パーソナルコンピュータ、DVDレコーダ、携帯電話等のデジタル放送受信機能を有する各種デジタル放送受信装置に利用可能である。
図1は本発明に係るデジタル放送受信システムの概要を示す図
図2は第1の実施の形態に係るデジタル放送受信システムのデジタル放送受信機の構成を示すブロック図
図3は第1の実施の形態に係る移動用通信装置の構成を示すブロック図
図4は各放送局の放送信号に対応するチャンネルの一例を示す図
図5はデジタル放送受信機の制御部による第1の制御例を示すフローチャート
図6は移動用通信装置の制御部による第1の制御例を示すフローチャート
図7は番組の放送予定表の一例を示す図
図8はデジタル放送受信機の制御部による第2の制御例を示すフローチャート
図9はデジタル放送受信機の制御部による録画指示情報切替処理のフローチャート
図10は第2の実施の形態に係るデジタル放送受信システムのデジタル放送受信機の構成を示すブロック図
図11は周波数テーブルの一例を示す図
図12は第3の実施の形態に係るデジタル放送受信機の詳細な構成を示すブロック図
図13は制御部による番組サンプリング処理のフローチャート
図14は制御部によるIピクチャ監視処理のフローチャート
図15は制御部によるIピクチャ取得処理のフローチャート
図16は番組サンプリング処理時の選局状態を説明するためのタイミングチャート
図17は制御部による合成処理のフローチャート
図18は移動録画映像データおよび本体録画映像データの構成を説明するための模式図
図19は画像補正処理の処理過程を示す模式図
図20は画像補正処理の処理過程を示す模式図
図21は画像補正処理の処理過程を示す模式図
図22は番組データ結合処理について説明するための図
図23は第4の実施の形態に係るデジタル放送受信機の詳細な構成を示すブロック図
図24は制御部によるIピクチャ取得処理のフローチャート
図25は第4の実施の形態における番組サンプリング処理時の選局状態を説明するためのタイミングチャート
図26は第5の実施の形態に係るデジタル放送受信機の詳細な構成を示すブロック図
図27は2画面映像データに基づいて得られる映像の具体例を示す図
図28は制御部による2画面表示処理のフローチャート