JPWO2006085464A1 - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
撮像装置1は、入射光を電気信号に線形変換する線形変換モードと、対数変換する対数変換モードとを入射光量に基づいて切り換える複数の画素G11〜Gmnを有する撮像素子2と、電気信号に対して信号処理を行う信号処理部3とを備え、信号処理部3は、撮像素子2の露光時間に起因して当該撮像素子2の入出力特性が変動する場合に、この撮像素子2から出力される電気信号の変動補正を行う変動補正部30と、対数変換モードに由来の電気信号を、線形変換モードに由来の状態に変換する特性変換を行う線形化部31とを有する。
Description
本発明は、入射光を電気信号に変換する撮像素子を有する撮像装置に関する。
従来、デジタルカメラ等の撮像装置には、入射光を電気信号に変換する複数の画素を有する撮像素子が設けられている。これら複数の画素は、入射光量に基づいて電気信号への変換モードを切り換えるようになっており、より詳細には、入射光を電気信号に線形変換する線形変換モードと、対数変換する対数変換モードとを切り換えるようになっている。また、撮像素子の後段には、対数変換モード由来の電気信号を線形変換モード由来の状態に変換するか、或いは線形変換モード由来の電気信号を対数変換モード由来の状態に変換する特性変換を行う信号処理部が設けられており、電気信号全体を線形変換モード由来または対数変換モード由来の状態に統一して電気信号の処理を容易化するようになっている。
このような撮像素子によれば、線形変換モードのみを行う撮像素子と比較して電気信号のダイナミックレンジが広くなるため、輝度範囲の広い被写体を撮影した場合であっても、全輝度情報を電気信号で表現することができる。
ところで、上記の複数の画素は、画素の違いに起因して、入出力特性にばらつきを有している。そのため、このようなばらつきを解消する方法として、各画素からの出力を補正して基準出力値に一致させる方法がある(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平11−298799号公報
特開平5−30350号公報
しかしながら、上記特許文献に開示の補正方法では、撮影条件や環境条件などの駆動条件によって入出力特性が変動する場合に、基準条件における基準出力値と、実際の画素の出力値とのズレを補正することができない。そのため、電気信号全体を正確に線形変換モードまたは対数変換モード由来の状態に統一することができない。
本発明の課題は、電気信号を正確に線形変換または対数変換由来の状態に統一することができる撮像装置を提供することである。
請求の範囲第1項に記載の発明は、撮像装置において、
入射光を電気信号に線形変換する線形変換モードと、入射光を電気信号に対数変換する対数変換モードとを入射光量に基づいて切り換える複数の画素を有する撮像素子と、
撮像素子から対数変換されて出力された基準電気信号を、対数変換する前の電気信号を線形変換して得られる電気信号に変換して出力する変換部と、
撮像素子から対数変換されて出力される電気信号が、前記基準電気信号からずれている場合、前記基準電気信号に合うように補正する補正部と、
補正された電気信号を前記変換部に与える回路と、
を有することを特徴とする。
また、請求の範囲第8項に記載の発明は、撮像装置において、
所定光量までの間、入射光量に基づいた電気信号に線形変換して出力し、その後、入射光量に基づいた電気信号に対数変換して出力する複数の画素を有する撮像素子と、
撮像素子から対数変換されて出力された基準電気信号を、対数変換する前の電気信号を線形変換して得られる電気信号に変換して出力する変換部と、
撮像素子から対数変換されて出力される電気信号が、前記基準電気信号からずれている場合、前記基準電気信号に合うように補正する補正部と、
補正された電気信号を前記変換部に与える回路と、
を有することを特徴とする。
入射光を電気信号に線形変換する線形変換モードと、入射光を電気信号に対数変換する対数変換モードとを入射光量に基づいて切り換える複数の画素を有する撮像素子と、
撮像素子から対数変換されて出力された基準電気信号を、対数変換する前の電気信号を線形変換して得られる電気信号に変換して出力する変換部と、
撮像素子から対数変換されて出力される電気信号が、前記基準電気信号からずれている場合、前記基準電気信号に合うように補正する補正部と、
補正された電気信号を前記変換部に与える回路と、
を有することを特徴とする。
また、請求の範囲第8項に記載の発明は、撮像装置において、
所定光量までの間、入射光量に基づいた電気信号に線形変換して出力し、その後、入射光量に基づいた電気信号に対数変換して出力する複数の画素を有する撮像素子と、
撮像素子から対数変換されて出力された基準電気信号を、対数変換する前の電気信号を線形変換して得られる電気信号に変換して出力する変換部と、
撮像素子から対数変換されて出力される電気信号が、前記基準電気信号からずれている場合、前記基準電気信号に合うように補正する補正部と、
補正された電気信号を前記変換部に与える回路と、
を有することを特徴とする。
また、請求の範囲第12項に記載の発明は、撮像装置において、
所定光量までの間、入射光量に基づいた電気信号に線形変換して出力し、その後、入射光量に基づいた電気信号に対数変換して出力する複数の画素を有する撮像素子と、
線形変換から対数変換に切り換わる点での変曲点信号を導出する導出部と、
導出部で導出された変曲点信号と撮像素子から出力された電気信号とを比較する比較部と、
比較の結果、変曲点信号が大きい場合、撮像素子から対数変換されて出力された基準電気信号を、対数変換する前の電気信号を線形変換して得られる電気信号に変換して出力する変換部と、
撮像素子から対数変換されて出力される電気信号が、前記基準電気信号からずれている場合、前記基準電気信号に合うように補正する補正部と、
補正された電気信号を前記変換部に与える回路と、
を有することを特徴とする。
所定光量までの間、入射光量に基づいた電気信号に線形変換して出力し、その後、入射光量に基づいた電気信号に対数変換して出力する複数の画素を有する撮像素子と、
線形変換から対数変換に切り換わる点での変曲点信号を導出する導出部と、
導出部で導出された変曲点信号と撮像素子から出力された電気信号とを比較する比較部と、
比較の結果、変曲点信号が大きい場合、撮像素子から対数変換されて出力された基準電気信号を、対数変換する前の電気信号を線形変換して得られる電気信号に変換して出力する変換部と、
撮像素子から対数変換されて出力される電気信号が、前記基準電気信号からずれている場合、前記基準電気信号に合うように補正する補正部と、
補正された電気信号を前記変換部に与える回路と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、対数変換された電気信号を正確に、線形変換由来の状態に統一することができる。さらに、本発明によれば、対数変換された電気信号を複雑な回路を使用することなく、線形変換由来の状態に統一することができる。
1 撮像装置
2 撮像素子
3 信号処理部
30 変動補正部
31 線形化部(特性変換部)
32 係数導出部
32a ルックアップテーブル
33 演算処理部
34 変曲信号導出部
34a ルックアップテーブル
G11〜Gmn 画素
2 撮像素子
3 信号処理部
30 変動補正部
31 線形化部(特性変換部)
32 係数導出部
32a ルックアップテーブル
33 演算処理部
34 変曲信号導出部
34a ルックアップテーブル
G11〜Gmn 画素
[実施の形態]
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る撮像装置1の概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、撮像装置1は、レンズ群10及び絞り11を介して入射光を受光する撮像素子2を備えている。これらレンズ群10及び絞り11としては、従来より公知のものが用いられている。
撮像素子2は、図2に示すように、行列配置(マトリクス配置)された複数の画素G11〜Gmn(但し、n,mは1以上の整数)を有している。
各画素G11〜Gmnは、入射光を光電変換して電気信号を出力するものである。これら画素G11〜Gmnは、入射光量に基づいて電気信号への変換モードを切り換えるようになっており、本実施の形態においては、図3に実線で示すように、所定入射光量th未満の入射光量に対しては入射光を線形変換する線形変換モードを、所定入射光量th以上の入射光量に対しては入射光を対数変換する対数変換モードを行うようになっている。
ここで、線形変換モードと対数変換モードとが切り換えられる境界、いわゆる変曲点は撮像素子2における画素G11〜Gmnの駆動条件、例えば撮影時での露光時間や制御電圧などによって変化するようになっている。具体的には、図4に示すように、露光時間が「t1」〜「t3」の順に短くなるほど、変曲点での出力信号値(以下、変曲出力信号値Hとする)と前記所定入射光量thとは「I」〜「III」の順に大きくなる。また、図5に示すように、制御電圧が「V1」〜「V3」の順に小さくなるほど、画素G11〜Gmnの変曲出力信号値Hは「IV」〜「VI」の順に大きくなる。なお、図4,図5中、「a1」〜「a3」,「b」〜「d」,「a」,「d1」〜「d3」はそれぞれ定数である。このうち、露光時間t1〜t3の駆動条件下での線形変換モードにおける入出力特性の傾きa1〜a3は、当該露光時間t1〜t3に対して比例関係を有している。また、制御電圧V1〜V3の駆動条件下での対数変換モードにおける入出力特性の切片d1〜d3は、当該制御電圧V1〜V3に対して比例関係を有している。以下、所定入射光量thが最も小さいとき、つまり、線形変換モードの行われる割合が最も小さく、対数変換モードの行われる割合が最も大きいときの露光時間t1を、基準露光時間とする。
これら画素G11〜Gmnのレンズ群10側には、それぞれレッド(Red)、グリーン(Green)及びブルー(Blue)のうち何れか1色のフィルタ(図示せず)が配設されている。また、画素G11〜Gmnには、図2に示すように、電源ライン20や信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCn、信号読出ラインLD1〜LDmが接続されている。なお、画素G11〜Gmnには、クロックラインやバイアス供給ライン等のラインも接続されているが、図2ではこれらの図示を省略している。
信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnは画素G11〜Gmnに対して信号φv,φVPS(図6参照)を与えるようになっている。これら信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnには、垂直走査回路21が接続されている。この垂直走査回路21は、後述の信号生成部48(図1参照)からの信号に基づいて信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnに信号を印加するものであり、信号を印加する対象の信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnをX方向に順次切り換えるようになっている。
信号読出ラインLD1〜LDmには、各画素G11〜Gmnで生成された電気信号が導出されるようになっている。これら信号読出ラインLD1〜LDmには定電流源D1〜Dm及び選択回路S1〜Smが接続されている。
定電流源D1〜Dmの一端(図中下側の端部)には、直流電圧VPSが印加されるようになっている。
選択回路S1〜Smは、各信号読出ラインLD1〜LDmを介して画素G11〜Gmnから与えられるノイズ信号と撮像時の電気信号とをサンプルホールドするものである。これら選択回路S1〜Smには、水平走査回路22及び補正回路23が接続されている。水平走査回路22は、電気信号をサンプルホールドして補正回路23に送信する選択回路S1〜Smを、Y方向に順次切り換えるものである。また、補正回路23は、選択回路S1〜Smから送信されるノイズ信号及び撮像時の電気信号に基づき、当該電気信号からノイズ信号を除去するものである。
なお、選択回路S1〜Sm及び補正回路23としては、特開平2001−223948号公報に開示のものを用いることができる。また、本実施の形態においては、選択回路S1〜Smの全体に対して補正回路23を1つのみ設けることとして説明するが、選択回路S1〜Smのそれぞれに対して補正回路23を1つずつ設けることとしても良い。
以上の撮像素子2には、図1に示すように、アンプ12及びADコンバータ13を介して、黒基準設定部14及び信号処理部3がこの順に接続されている。
黒基準設定部14は、デジタル信号の最低レベルを設定するものである。
信号処理部3は、対数変換モードによって撮像素子2から出力される電気信号に対して信号処理を行うものであり、線形化部31及び変動補正部30を備えている。
線形化部31は、本発明における特性変換部であり、撮像素子2からの出力信号を線形変換モード由来の状態に統一するようになっている。この線形化部31は、図7に示すように、セレクタ31b、基準変換テーブル31a及び出力部31cを備えている。なお、図7では、ADコンバータ13や制御装置46等の図示を省略している。
セレクタ31bは、撮像素子2からの電気信号と前記変曲出力信号値Hとの大小を判別し、撮像素子2からの電気信号が前記変曲出力信号値Hより大きい場合、つまり対数変換モード由来の電気信号が撮像素子2から出力される場合には、撮像素子2からの出力信号を基準変換テーブル31aに出力し、変曲出力信号値H以下の場合には出力部31cに出力するようになっている。
基準変換テーブル31aは、図3に矢印Zで示すように、撮像素子2から出力される電気信号のうち、対数変換モード由来の電気信号を、入射光から線形変換された状態、つまり線形変換モード由来の状態に特性変換するものである。この基準変換テーブル31aの変換特性は、撮像素子2の駆動条件が所定の基準条件である場合、本実施の形態においては画素G11〜Gmnの露光時間が前記基準露光時間t1である場合に当該撮像素子2から対数変換モードで出力される電気信号が正確に線形変換モード由来の状態となるように設定されている。
出力部31cは、セレクタ31bまたは基準変換テーブル31aから入力される電気信号を出力するものである。
変動補正部30は、撮像素子2の前記駆動条件、本実施の形態においては画素G11〜Gmnの露光時間に起因して当該撮像素子2の入出力特性が変動する場合に、この撮像素子2から出力される電気信号の変動補正を行うものである。
この変動補正部30は、図7に示すように、係数導出部32と演算処理部33とを備えている。
係数導出部32は、画素G11〜Gmnの露光時間についての露光時間情報と、画素G11〜Gmnについての画素情報とに基づいて画素G11〜Gmnごとに補正係数α11〜αmnを導出するものであり、本実施の形態においては、露光時間情報及び画素情報の入力によって補正係数α11〜αmnを算出するルックアップテーブル32aを備えている。
ここで、例えば撮像時の露光時間が前記露光時間t2(変数)(図4参照)である場合には、補正係数αはα=cLn(a1/a2)=cLn(t1/t2)で示される値であり、換言すれば、図8(a)に示すように、露光時間t2の駆動条件下で撮像素子2から対数変換モードで出力される電気信号が正確に線形変換モード由来の状態となるような変換特性を有する仮想の変換テーブル(図中の点線参照)と、前記基準変換テーブル31a(図中の実線参照)との入力軸(図中のx軸)上での距離である。なお、このような仮想の変換テーブルは、実験や理論計算などによって求めることができ、仮想の変換テーブルと基準変換テーブル31aとは、互いに平行な関係となっている。また、図8(a)中では、線形領域に対する各変換テーブルの図示を省略している。
また、画素情報としては、各画素G11〜GmnのIDナンバー等の固有情報や、撮像素子中での位置情報などが用いられている。
演算処理部33は、係数導出部32で導出された補正係数α11〜αmnに基づいて、画素G11〜Gmnごとに前記変動補正を行うものであり、本実施の形態においては、対数変換モードによって各画素G11〜Gmnより出力される電気信号から、補正係数α11〜αmnを減算するようになっている。これにより、変動補正された対数変換モード由来の電気信号は、前記基準変換テーブル31aによって正確に線形変換モード由来の電気信号に特性変換可能な状態となる。
具体的には、例えば上述の図8(a)に示すように、露光時間t2(図4参照)の駆動条件下で画素G11〜Gmnから対数変換モードで出力される電気信号の信号値がX2であるとする。この場合、対数変換モード由来の信号値X2が正確に線形変換モード由来の状態の電気信号に特性変換されるとき、つまり、信号値X2が前記仮想の変換テーブルで特性変換されるときには、特性変換後の出力信号値はY2である。これに対し、信号値X2をそのまま基準変換テーブル31aによって特性変換すると、特性変換後の信号値はY1であるが、信号値X2を補正係数αで減算した信号値X1(=X2−α)を基準変換テーブル31aによって特性変換したときには、特性変換後の信号値はY2である。つまり、対数変換モード由来の信号値X2を補正係数αで減算することにより、減算後の電気信号は前記基準変換テーブル31aによって正確に線形変換モード由来の電気信号に特性変換可能な状態となる。
この信号処理部3には、図1に示すように、変曲信号導出部34及び画像処理部4がそれぞれ接続されている。
変曲信号導出部34は、前記露光時間情報と前記画素情報とに基づいて前記変曲出力信号値Hを導出するものであり、本実施の形態においては、図7に示すように、露光時間情報及び画素情報の入力によって変曲出力信号値Hを導出するルックアップテーブル34aを備えている。
画像処理部4は、画素G11〜Gmnからの電気信号全体によって構成される画像データに対して画像処理を行うものであり、AWB(Auto White Balance)処理部40、色補間部41、色補正部42、階調変換部43及び色空間変換部44を備えている。これらAWB処理部40、色補間部41、色補正部42、階調変換部43及び色空間変換部44は、信号処理部3に対してこの順に接続されている。
AWB処理部40は画像データに対してホワイトバランス処理を行うものであり、色補間部41は、同色の前記フィルタが設けられた複数の近接画素からの電気信号に基づいて、これら近接画素間に位置する画素について、この色の電気信号を補間演算するものである。色補正部42は画像データの色合いを補正するものであり、より詳細には、各色の電気信号を他の色の電気信号に基づき画素G11〜Gmnごとに補正するものである。階調変換部43は画像データの階調変換を行うものであり、色空間変換部44はRGB信号をYCbCr信号に変換するものである。
また、信号処理部3には、評価値算出部5及び制御装置46がこの順に接続されている。
評価値算出部5は、AWB処理部40でのホワイトバランス処理(AWB処理)に用いられるAWB評価値や、露光制御処理部47での露出制御処理(AE処理)に用いられるAE評価値を算出するものである。
制御装置46は、撮像装置1の各部を制御するものであり、図1に示すように、上述のアンプ12、黒基準設定部14、信号処理部3、変曲信号導出部34、AWB処理部40、色補間部41、色補正部42、階調変換部43及び色空間変換部44と接続されている。また、制御装置46は、露光制御処理部47を介して絞り11と接続され、信号生成部48を介して撮像素子2及びADコンバータ13と接続されている。
続いて、本実施の形態における画素G11〜Gmnについて説明する。
各画素G11〜Gmnは、図6に示すように、フォトダイオードP及びトランジスタT1〜T3を備えている。なお、トランジスタT1〜T3は、バックゲートの接地されたNチャネルのMOSトランジスタである。
フォトダイオードPには、レンズ群10及び絞り11を通過した光が当たるようになっている。このフォトダイオードPのカソードPkには直流電圧VPDが印加されており、アノードPAにはトランジスタT1のドレインT1D及びゲートT1Gと、トランジスタT2のゲートT2Gとが接続されている。
トランジスタT1のソースT1Sには信号印加ラインLC(図2のLC1〜LCnに相当)が接続されており、この信号印加ラインLCから信号φVPSが入力されるようになっている。ここで、信号φVPSは2値の電圧信号であり、より詳細には、入射光量が所定値を超えたときにトランジスタT1をサブスレッショルド領域で動作させるための電圧値VHと、トランジスタT1を導通状態にする電圧値VLとの2つの値をとるようになっている。
また、トランジスタT2のドレインT2Dには直流電圧VPDが印加されており、トランジスタT2のソースT2Sは行選択用のトランジスタT3のドレインT3Dに接続されている。
このトランジスタT3のゲートT3Gには信号印加ラインLA(図2のLA1〜LAnに相当)が接続されており、この信号印加ラインLAから信号φVが入力されるようになっている。また、トランジスタT3のソースT3Sは信号読出ラインLD(図2のLD1〜LDmに相当)に接続されている。
なお、以上のような画素G11〜Gmnとしては、特開2002−77733号公報に開示のものを用いることができる。
ここで、上述の図4で示したように露光時間が短くなるほど線形変換モードの割合が大きくなるのは、露光時間が短くなるほど、トランジスタT2のゲートT2GとソースT2Sとの間のポテンシャルの差が大きくなり、トランジスタT2がカットオフ状態で動作する被写体輝度の割合、つまり線形変換する被写体輝度の割合が大きくなるためである。また、図4では図示していないが、撮像素子2に対する制御電圧、つまり、信号φVPSの電圧値VL,VHの差が大きくなる場合や、温度が低くなる場合にも、線形変換する被写体輝度の割合は大きくなる。そのため、これら制御電圧や露光時間、温度などを変化させることによって、画像信号のダイナミックレンジや、前記変曲点での前記所定入射光量th,前記変曲出力信号値Hを制御することができる。具体的には、例えば、被写体の輝度範囲が狭い場合には電圧値VLを低くして線形変換する輝度範囲を広くするとともに、被写体の輝度範囲が広い場合には電圧値VLを高くして対数変換する輝度範囲を広くすることで、画素G11〜Gmnの光電変換特性を被写体の特性に合わせることができる。更に、電圧値VLを最小とするときには常に画素G11〜Gmnを線形変換する状態とし、電圧値VLを最大とするときには常に画素G11〜Gmnを対数変換する状態とすることもできる。
続いて、撮像装置1の撮像動作について説明する。
まず、撮像素子2が各画素G11〜Gmnへの入射光を光電変換し、線形変換モードまたは対数変換モード由来の電気信号をアナログ信号として出力する。具体的には、上述のように各画素G11〜Gmnが信号読出ラインLDに電気信号を出力すると、この電気信号を定電流源Dが増幅し、選択回路Sが順にサンプルホールドする。そして、サンプルホールドされた電気信号が選択回路Sから補正回路23に送出されると、補正回路23がノイズを除去して電気信号を出力する。
次に、撮像素子2から出力されたアナログ信号をアンプ12が増幅し、ADコンバータ13がデジタル信号に変換する。次に、黒基準設定部14がデジタル信号の最低レベルを設定した後、図9に示すように、当該デジタル信号を信号処理部3の線形化部31及び変動補正部30に送信する(ステップT1,ステップU1)。また、制御装置46が撮像素子2の各画素G11〜Gmnの露光時間情報と、画素情報とを変動補正部30及び変曲信号導出部34に送信する(ステップU1,ステップS1)。
露光時間情報及び画素情報を受信したら、変曲信号導出部34は、ルックアップテーブル34aによって変曲出力信号値Hを導出し(ステップS2)、変動補正部30と線形化部31のセレクタ31bとに送信する(ステップS3)。このように、ルックアップテーブル34aが露光時間及び画素情報に基づいて変曲出力信号値Hを導出するので、変曲出力信号値Hの導出が正確に行われる。また、ルックアップテーブル34aによって変曲出力信号値Hを導出するので、演算によって導出する場合と比較して、変曲信号導出部34の構成が簡素化されるとともに、導出処理が高速化される。
変曲信号導出部34からの変曲出力信号値Hを受信したら(ステップU2)、変動補正部30は画素G11〜Gmnからの出力信号の信号値と変曲出力信号値Hとの大小を比較し(ステップU3)、画素G11〜Gmnからの出力信号の信号値が変曲出力信号値H以下である場合、つまり画素G11〜Gmnからの出力信号が線形変換モード由来の電気信号である場合(ステップU3;Yes)には、変動補正部30は処理を終了する。一方、ステップU3において画素G11〜Gmnからの出力信号が変曲出力信号値Hより大きい場合(ステップU3;No)には、変動補正部30は、ルックアップテーブル32aによって画素G11〜Gmnごとに補正係数α11〜αmnを導出し(ステップU4)、演算処理部33によって画素G11〜Gmnごとに変動補正を行った後(ステップU5)、変動補正後の電気信号を線形化部31のセレクタ31bに送信する(ステップU6)。
このように、画素G11〜Gmnの露光時間に起因して当該画素G11〜Gmnの入出力特性が変動する場合に、この画素G11〜Gmnから出力される電気信号の変動補正を変動補正部30が行うので、駆動条件によって入出力特性が変動する場合であっても、基準露光時間t1における出力値と、画素G11〜Gmnの実際の出力値とのズレが補正される。また、係数導出部32が撮像時の露光時間及び画素情報に基づいて補正係数α11〜αmnを導出するので、導出される補正係数α11〜αmnを演算処理部33が用いることによって、露光時間や画素G11〜Gmnに起因する撮像素子2の入出力特性の変動が正確に補正される。また、ルックアップテーブル32aによって補正係数α11〜αmnを導出するので、演算によって補正係数α11〜αmnを導出する場合と比較して、係数導出部32の構成が簡素化されるとともに、導出処理が高速化される。また、画素G11〜Gmnからの出力信号が対数変換モード由来の電気信号である場合にのみ変動補正を行うので、出力信号が線形変換モード由来の電気信号である場合、つまり、対数変換モードに由来の電気信号を他方の変換モードに由来の状態に変換する必要のない場合には無駄に変動補正が行われないこととなり、その結果、信号処理が高速化される。
また、変曲信号導出部34からの変曲出力信号値Hを受信したら(ステップT2)、線形化部31のセレクタ31bは画素G11〜Gmnからの出力信号の信号値と変曲出力信号値Hとの大小を比較し(ステップT3)、画素G11〜Gmnからの出力信号が変曲出力信号値H以下である場合(ステップT3;Yes)には、出力部31cを介して画素G11〜Gmnからの出力信号をそのまま出力する(ステップT4)。一方、画素G11〜Gmnからの出力信号が変曲出力信号値Hより大きい場合(ステップT3;No)には、セレクタ31bは変動補正部30から変動補正後の電気信号を受信し(ステップT5)、この電気信号に対して基準変換テーブル31aに特性変換を行わせた後(ステップT6)、出力部31cを介して出力する(ステップT7)。
このように、画素G11〜Gmnからの出力信号が対数変換モード由来の電気信号である場合にのみ特性変換を行うので、出力信号が線形変換モード由来の電気信号である場合、つまり、対数変換モードに由来の電気信号を他方の変換モードに由来の状態に変換する必要のない場合には無駄に特性変換が行われないこととなり、その結果、信号処理が高速化される。
次に、線形化部31から出力される電気信号に基づいて評価値算出部5が前記AWB評価値,AE評価値を算出する。
次に、算出されたAE評価値に基づいて制御装置46が露光制御処理部47を制御し、撮像素子2に対する露光量を調節させる。
また、AWB評価値や、前記黒基準設定部14で設定された前記最低レベル等に基づいて制御装置46がAWB処理部40を制御し、信号処理部3から出力される画像データに対してホワイトバランス処理を行わせる。
そして、AWB処理部40から出力される画像データに基づいて色補間部41、色補正部42、階調変換部43及び色空間変換部44がそれぞれ画像処理を行った後、画像データを出力する。
以上の撮像装置1によれば、駆動条件によって入出力特性が変動する場合であっても、従来と異なり、基準露光時間t1における出力値と、実際の出力値とのズレを補正することができるため、線形化部31での特性変換によって電気信号を正確に線形変換モード由来の状態に統一することができる。
また、複数の画素G11〜Gmnに対して変動補正部30を1つのみ備えるので、各画素G11〜Gmnに対応付けて複数の変動補正部30を備える場合と比較して、撮像装置1の構成を簡素化することができる。
[実施の形態の変形例]
次に、上記実施の形態の変形例について説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
[実施の形態の変形例]
次に、上記実施の形態の変形例について説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例における変動補正部30は、各画素G11〜Gmnの制御電圧に起因して画素G11〜Gmnの入出力特性が変動する場合に、この画素G11〜Gmnから出力される電気信号の変動補正を行うようになっている。
具体的には、変動補正部30の係数導出部32は、図5,図8(b)に示すように、所定入射光量thが最も小さいときの制御電圧V1を基準制御電圧とし、制御電圧V2(変数)の駆動条件に対応する仮想の変換テーブルと、基準制御電圧V1の駆動条件に対応する基準変換テーブル31aとの入力軸(図8(b)中のx軸)上での距離X2−X1=d2−d1=m2V2−m1V1(但し、m2=d2/V2、m1=d1/V1)を補正係数αとして用いるようになっている。
このような場合であっても、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記第1の実施の形態及び変形例においては、変動補正部30は線形化部31の前段に配設されることとして説明したが、後段に配設されることとしても良いし、係数導出部30を線形化部31の前段に、演算処理部33を後段に設けることとしても良い。
また、撮像素子2の駆動条件として露光時間や制御電圧を用いることとして説明したが、温度を用いることとしても良い。
また、変動補正部30は、変動補正後の電気信号を導出する演算処理部33を備えることとして説明したが、駆動条件や画素情報、撮像素子2から出力される電気信号等の入力によって変動補正後の電気信号を導出するルックアップテーブルを備えることとしても良い。この場合には、上記実施の形態と同様の効果を得ることができ、また、演算によって変動補正後の電気信号を導出する場合と比較して変動補正部30の構成を簡素化することができる。
また、変動補正部30及び線形化部31は1つのみ設けられていることとして説明したが、各画素G11〜Gmnに対応付けて複数設けられることとしても良い。特に、線形化部31が複数設けられる場合には、画素G11〜Gmnごとに光電変換の変換特性が異なる場合であっても、電気信号全体を正確に線形変換モードまたは対数変換モード由来の状態に統一することができる。また、変動補正部30が複数設けられる場合には、画素G11〜Gmnごとに入出力特性の変動量が異なる場合であっても、正確に変動補正を行うことができる。
また、係数導出部32は、駆動条件と画素情報とに基づいて画素G11〜Gmnごとに補正係数α11〜αmnを導出することとして説明したが、駆動条件のみに基づいて、画素G11〜Gmnに共通の補正係数αを導出することとしても良い。
また、係数導出部32は、補正係数を導出する基準変換テーブル31aを備えることとして説明したが、駆動条件などの入力によって補正係数を導出する演算器を備えることとしても良い。
また、本発明における特性変換部を、対数変換モード由来の電気信号を線形変換によって生成された状態に特性変換する線形化部31として説明したが、線形変換モード由来の電気信号を対数変換モード由来の状態に特性変換するものとしても良い。
また、変曲信号導出部34は、駆動条件と画素情報とに基づいて変曲出力信号値Hを導出することとして説明したが、駆動条件のみに基づいて導出することとしても良い。また変曲信号導出部34は、変曲出力信号値Hを導出するルックアップテーブル34aを備えることとして説明したが、変曲出力信号値Hを導出する演算器を備えることとしても良い。
また、線形化部31,36は、基準変換テーブル31aによって特性変換を行うこととして説明したが、指数変換する等の演算によって行うこととしても良い。
また、画素G11〜Gmnは図6のような構成を有することとして説明したが、線形変換モードと対数変換モードとを切り換え可能であれば、例えば上述の特許文献1に示されるような構成を有することとしても良い。
更に、各画素G11〜GmnにRGBフィルタを設けることとして説明したが、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)及びイエロー(Yellow)などの他の色フィルタを設けることとしても良い。
Claims (16)
- 入射光を電気信号に線形変換する線形変換モードと、入射光を電気信号に対数変換する対数変換モードとを入射光量に基づいて切り換える複数の画素を有する撮像素子と、
撮像素子から対数変換されて出力された基準電気信号を、対数変換する前の電気信号を線形変換して得られる電気信号に変換して出力する変換部と、
撮像素子から対数変換されて出力される電気信号が、前記基準電気信号からずれている場合、前記基準電気信号に合うように補正する補正部と、
補正された電気信号を前記変換部に与える回路と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第1項に記載の撮像装置において、
前記補正部は、撮影素子の駆動条件に基づいて、撮像素子から対数変換されて出力される電気信号を前記基準電気信号に合うように補正することを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第2項に記載の撮像装置において、
前記補正部は、前記駆動条件の入力によって、補正係数を出力するルックアップテーブルを有していることを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第1項に記載の撮像装置において、
前記補正部は、撮像素子の各画素毎に補正することを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第1項に記載の撮像装置において、
前記補正部は、前記駆動条件および撮像素子から対数変換されて出力される電気信号の入力によって、補正後の電気信号を出力するルックアップテーブルを有していることを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第1項に記載の撮像装置において、
前記回路は、撮像素子の各画素毎に備えていることを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第1項に記載の撮像装置において、
前記駆動条件は、撮影時の温度と、前記画素の露光時間と、前記画素に対する制御電圧とのうち少なくとも1つであることを特徴とする撮像装置。 - 所定光量までの間、入射光量に基づいた電気信号に線形変換して出力し、その後、入射光量に基づいた電気信号に対数変換して出力する複数の画素を有する撮像素子と、
撮像素子から対数変換されて出力された基準電気信号を、対数変換する前の電気信号を線形変換して得られる電気信号に変換して出力する変換部と、
撮像素子から対数変換されて出力される電気信号が、前記基準電気信号からずれている場合、前記基準電気信号に合うように補正する補正部と、
補正された電気信号を前記変換部に与える回路と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第8項に記載の撮像装置において、
前記補正部は、撮影素子の駆動条件に基づいて、撮像素子から対数変換されて出力される電気信号を前記基準電気信号に合うように補正することを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第9項に記載の撮像装置において、
前記補正部は、前記駆動条件の入力によって、補正係数を出力するルックアップテーブルを有していることを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第8項に記載の撮像装置において、
前記補正部は、撮像素子の各画素毎に補正することを特徴とする撮像装置。 - 所定光量までの間、入射光量に基づいた電気信号に線形変換して出力し、その後、入射光量に基づいた電気信号に対数変換して出力する複数の画素を有する撮像素子と、
線形変換から対数変換に切り換わる点での変曲点信号を導出する導出部と、
導出部で導出された変曲点信号と撮像素子から出力された電気信号とを比較する比較部と、
比較の結果、変曲点信号が大きい場合、撮像素子から対数変換されて出力された基準電気信号を、対数変換する前の電気信号を線形変換して得られる電気信号に変換して出力する変換部と、
撮像素子から対数変換されて出力される電気信号が、前記基準電気信号からずれている場合、前記基準電気信号に合うように補正する補正部と、
補正された電気信号を前記変換部に与える回路と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第12項に記載の撮像装置において、
前記導出部は、撮影素子の駆動条件に基づいて前記変曲点信号を導出することを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第13項に記載の撮像装置において、
前記導出部は、撮影素子の駆動条件の入力によって前記変曲点信号を導出するルックアップテーブルを有することを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第13項に記載の撮像装置において、
前記導出部は、撮影素子の駆動条件と各画素の特性に基づいて前記変曲点信号を導出することを特徴とする撮像装置。 - 請求の範囲第12項に記載の撮像装置において、
前記駆動条件は、撮影時の温度と、前記画素の露光時間と、前記画素に対する制御電圧とのうち少なくとも1つであることを特徴とする撮像装置。
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