JPWO2006033188A1 - 光学的情報記録方法、光学的情報記録装置および光学的情報記録媒体 - Google Patents

光学的情報記録方法、光学的情報記録装置および光学的情報記録媒体 Download PDF

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Abstract

光学的情報記録媒体に対して、広い線速度範囲で、データを信号品質良く記録することを課題とする。前述の課題を解決するために、光学的情報記録装置のレーザ駆動回路(5)において、再生信号品質が、しきい値となるパワーに対する記録パワーの比を低線速では相対的に小さく、高線速では相対的に大きくする。

Description

本発明は、光学的にデータを記録再生する光学的情報記録媒体に対する記録方法とその記録装置、および記録媒体に関するもので、特に、複数の異なる線速度で記録する光学的情報記録媒体に対する記録方法に関連する。
近年、光学的にデータを記録する媒体として、光ディスク、光カード、光テープなどが提案・開発されている。その中でも光ディスクは、大容量かつ高密度にデータを記録・再生できる媒体として注目されている。
例えば相変化型光ディスクの場合、以下に述べる方法でデータの記録再生が行われている。光ヘッドにより集束させた、再生パワーより強いレーザ光(このパワーレベルを記録パワーといい、Ppで表す)を光ディスクの記録膜に照射して記録膜の温度を融点を越えて上昇させると、レーザ光の通過とともに溶融部分は急速に冷却されて非晶質(アモルファス)状態のマークが形成される。また、記録膜の温度を結晶化温度以上融点以下の温度まで上昇させる程度のレーザ光(このパワーレベルを消去パワーといい、Pbで表す)を集束して照射すると、照射部の記録膜は結晶状態になる。このようにして、光ディスクにはデータ信号に対応した非晶質領域であるマークと結晶領域であるスペースとからなる記録パターンが形成される。そして結晶と非晶質との反射率の相違を利用して、データの再生が行われる。
上で述べたように、媒体にマークを形成するためには、レーザ光のパワーレベルを少なくとも消去パワーと記録パワーとの間で変調して発光させることが必要である。この変調動作に用いるパルス波形を記録パルスと呼ぶ。1つのマークを複数の記録パルスで形成する記録方法もすでに多数開示されている。この複数の記録パルスを記録パルス列と呼ぶ。記録パルス列の例を図10(a)に示す。記録パルス列の先頭部にあるパルスを前端パルス501、最後部にあるパルスを後端パルス503、前端パルスと後端パルスとの間にあるパルスをマルチパルス502と呼ぶ。記録パルス列を構成する記録パルスの数は記録符号長(すなわち、チャネルクロック周期Twに対する記録符号の長さ)によって変化し、最短符号長では記録パルスの数が1個になる場合もある。この記録パルス列に基づいて、レーザ光の強度を図10(b)のように変調する。その結果、図10(c)に示すようにトラック301上にマーク302が形成される。なお、記録パルス列を用いる代わりに、図11に示すような先頭部と最後部のパワーレベルを変化させたレーザ発光波形によりマークを形成する方法も開示されている。
現在、DVDなどの光学的情報記録媒体では、主としてCLV(等線速度)記録が用いられている。これは、媒体全面にわたって線速度・転送レート・線密度をほぼ同じにして記録する方式である。したがって、記録再生時にレーザ光の照射条件や加熱・冷却条件が変化しない利点がある。その一方で、媒体の回転速度は、媒体中の記録再生位置(すなわち半径位置)によって変化するため、スピンドルモータの回転変速制御が不可欠となる。
これに対して、媒体の回転速度と線密度を媒体全面にわたってほぼ一定とする、CAV(等角速度)記録方式が提案されている。CLV記録方式に比べると、CAV記録方式では媒体を回転させるスピンドルモータの回転変速制御が不要なため、スピンドルモータおよびその制御回路を低コストで作製できる利点がある。また、記録再生位置のシーク動作後、所定の回転速度になるまで記録再生動作を待つ必要がないので、媒体に対するアクセス速度を短くすることが可能である。その一方で、CAV記録方式では、媒体中に記録再生を行う位置によって媒体の線速度と転送レートが変化する。したがって、記録再生を行う位置によって、媒体におけるレーザ光の照射条件や加熱・冷却条件は変化することになる。
これらいずれの方式においても、記録された信号品質を良くすることは、大容量かつ高密度にデータを記録・再生するために重要である。そのため、ある特定の線速度(CAV記録方式の場合は記録再生位置)に対して、記録パワーを調整することで信号品質を良くする方法がこれまでにも開示されている。その1つとして、記録パワーや消去パワーを変化させてテスト信号を記録し、記録されたテスト信号をもとに再生信号のアシメトリ値や変調度が最適条件となるように、各パワーを決定する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来の記録方法では、CAV記録方式において変化させる線速度の範囲が広い場合、線速度によって最適条件が異なるために、データ信号を品質良くかつ安定に記録できないという課題を有していた。以下、その課題について説明する。
高線速度で記録する場合には、スピンドルモータは高速で回転する。そのため、ディスクにわずかな面ぶれや偏芯があると、それらがサーボ動作に与える影響が大きくなる。すなわち、ディスクに面ぶれが存在すると、光ヘッドのアクチュエータは光軸方向に強く振られる。また、ディスクに偏芯が存在すると、アクチュエータはディスクの面と平行な方向に強く振られることになる。この振られがアクチュエータの応答特性以上に強くなると、アクチュエータがディスクの面ぶれや偏芯に追従しきれなくなり、デフォーカスやオフトラックが生じて信号が安定に記録できなくなる。
一方、低線速度で記録するときには、レーザスポットと媒体との相対速度が遅く、レーザ照射による溶融後の冷却速度も遅くなるので、溶融部周辺から再結晶化が進行して残った部分がマークになる。そのため、図12に示すように、マーク302の大きさよりも溶融領域303は大きくなり、溶融領域の端はトラック301(すなわちガイド溝またはランド)の壁304にまで達する。その結果、壁304の微細な形状(がたつき)に影響を受けて、壁304に達した溶融領域の一部で再結晶化が起こらず、マークの一部分が壁304に貼り付く現象が生じた。そのためにマーク形状が歪んで再生信号の品質が低下する課題があった。
特開平10−64064号公報
本発明は上記従来の課題を解決するもので、同一の媒体に対し広い線速度範囲に渡って安定かつ良好な信号品質でデータを記録再生できる光学的情報記録方法、光学的情報記録装置および光学的情報記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2として、前記記録パワーが(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように制御することを特徴とする。
この方法によれば、低線速度では歪みのないマークを形成することができるとともに、高線速度ではパワーマージンを確保して記録することができるので、広い線速度範囲にわたって信号品質良くデータを記録することが可能となる。
上記発明において、再生信号の品質は、再生信号のジッタであっても良い。
上記発明において、再生信号の品質は、再生信号のエラーレートであっても良い。
上記発明において、再生信号の品質は、再生信号の変調度に基づく値であっても良い。
これらいずれの場合においても、信号品質良くデータを記録することが可能になる。
本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2として、前記記録パワーが(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように制御することを特徴とする。
この方法によっても、低線速度では歪みのないマークを形成することができるとともに、高線速度ではパワーマージンを確保して記録することができるので、広い線速度範囲にわたって信号品質良くデータを記録することが可能となる。
本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワー含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの再生信号のアシメトリをa1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの前記再生信号のアシメトリをa2として、前記記録パワーがa1<a2を満たすように制御することを特徴とする。
また、本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの再生信号のアシメトリをa1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの再生信号のアシメトリをa2として、前記記録パワーがa1<a2を満たすように制御することを特徴とする。
これらの方法によっても、低線速度では歪みのないマークを形成することができるとともに、高線速度ではパワーマージンを確保して記録することができるので、広い線速度範囲にわたって信号品質良くデータを記録することが可能となる。
本発明の光学的情報記録方法は、記録方式がCAV記録方式であることを特徴とする。
この方法により、媒体中の記録再生位置がどの場所であっても、信号品質良くデータを記録することが可能になる。
本発明の光学的情報記録方法は、第1の線速度v1と前記第2の線速度v2との間の値である線速度vでの記録パワーをPpとしたとき、線速度vの増大に応じてPpを増大させるように前記記録パワーを制御することを特徴とする。
この方法により、中間の線速度での記録パワーを容易に決定することができる。
本発明の光学的情報記録方法は、記録パルス間におけるパワーレベルが前記消去パワーと異なるよう制御することを特徴とする。
また、本発明の光学的情報記録方法は、記録パワーをPp、消去パワーをPb、記録パルス間のパワーレベルをPbtmとし、記録パルス間パワー係数αをα=(Pbtm−Pb)/(Pp−Pb)としたとき、線速度v2における記録パルス間パワー係数が、線速度v1における記録パルス間パワー係数より高くなるよう制御することを特徴とする。
これらの方法により、線速度に応じて記録時の冷却速度を最適に制御できるため、信号品質良くデータを記録することが可能になる。
上記目的を達成するために、本発明の光学的情報記録媒体は、Pp1/Ppth1およびPp2/Ppth2の値を表す情報が記録されていることを特徴とする。
また、本発明の光学的情報記録媒体は、Pp1およびPp2の値を表す情報が記録されていることを特徴とする。
また、本発明の光学的情報記録媒体は、a1およびa2の値を表す情報が記録されていることを特徴とする。
これらの媒体により、媒体を光学的情報記録装置に装着後、すぐに線速度に応じた記録パワーを決定することができる。
上記光学的情報記録媒体は、記録膜が相変化材料からなり、相変化材料は、GeとTeを含み、さらにSnとBiのうちいずれかを含むことを特徴とする。
この媒体により、高線速度の記録でオーバーライト時の消し残りを少なくできるので、さらに信号品質良くデータを記録することが可能になる。
本発明の光学的情報記録媒体は、複数のセクタに分割されたトラックを有し、セクタと前記セクタとの間にエンボストラックを有し、トラックが、エンボストラックの中心と前記セクタの記録トラックの中心とをずらすようにして形成されたことを特徴とする。
この媒体により、高線速度の記録時にエンボストラックと記録トラックとの境界でアクチュエータが振られてオフトラックが生じても、安定に記録することが可能になる。
上記目的を達成するために、本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と、再生信号の品質を検出する品質検出回路とを備え、第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2とすると、前記レーザ駆動回路は、(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように前記記録パワーを制御することを特徴とする。
本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、前記線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、前記記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と、再生信号の品質を検出する品質検出回路とを備え、第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2とすると、前記レーザ駆動回路は、(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように前記記録パワーを制御することを特徴とする。
本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、前記線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、前記記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と再生信号のアシメトリを検出するアシメトリ検出回路を備え、第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号のアシメトリをa1、v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号のアシメトリをa2とすると、前記レーザ駆動回路は、a1<a2を満たすように前記記録パワーを制御することを特徴とする。
本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワー含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、前記線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、前記記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と再生信号のアシメトリを検出するアシメトリ検出回路を備え、第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号のアシメトリをa1、v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号のアシメトリをa2とすると、前記レーザ駆動回路は、a1<a2を満たすように前記記録パワーを制御することを特徴とする。
これらの装置によれば、低線速度では歪みのないマークを形成することができるとともに、高線速度ではパワーマージンを確保して記録することができるので、広い線速度範囲にわたって信号品質良くデータを記録することが可能となる。
本発明の光学的情報記録方法によれば、広い線速度範囲にわたって信号品質良く情報を記録することができる。
本発明の第1実施形態に係る記録装置の構成を示すブロック図。 本発明の第1実施の形態に係る記録装置の動作を説明するフローチャート。 第1実施形態において、低線速度記録時の記録パワーとジッタ、記録トラックの状態の関係を説明する図。 第1実施形態において、高線速度記録時の記録パワーとジッタ、記録トラックの状態の関係を説明する図。 第1実施形態において、変調度からしきい値を求める方法の一例を説明する図。 本発明の第2実施形態に係る記録装置の構成を示すブロック図。 本発明の第2実施形態に係る記録装置の動作を説明するフローチャート。 本発明の実施例において、記録パワーとジッタとの関係を示す図。 本発明の実施例において、低線速度の記録でレーザ光を変調してマークを記録する一例を示す信号波形図および説明図。 従来例における、記録パルス信号とレーザ発光波形、記録状態の関係を説明する図。 従来例における、レーザ発光波形の別の例を示す図。 従来例における、低線速度記録時のマーク歪みの状態を示す図。
符号の説明
1 光ディスク
2 システム制御回路
3 変調回路
4 記録パルス発生回路
5 レーザ駆動回路
6 光ヘッド
7 線速度設定回路
8 スピンドルモータ
9 再生信号処理回路
10 ジッタ検出回路
11 パワー設定信号
12 変調信号
13 記録パルス信号
14 レーザ光
301 トラック
302 マーク
303 溶融領域
304 壁
601 アシメトリ検出回路
1001 前端パルス
1002 後端パルス
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る第1実施形態における光学的情報記録方法において、テスト記録を行って記録パワーを求める場合の動作を図1〜図4を用いて説明する。この時、消去パワーは固定されている。また、本実施形態では、再生信号の品質としてジッタを用いて説明する。
図1は、本実施形態の記録装置の概略構成を示すブロック図である。
1はデータを記録再生する光ディスクで、2は記録装置全体を制御するシステム制御回路である。3は記録する情報に応じて2値化された記録データ信号を発生させる変調回路で、4は記録データ信号に応じてレーザを駆動するパルスを発生させる記録パルス発生回路である。
5は記録パルス生成回路が出力するパルスに応じて、光ヘッド6内のレーザを駆動させる電流を変調するレーザ駆動回路である。光ヘッド6は、レーザ光を集束して光ディスク1に照射する。7は光ディスク1の線速度(すなわち、回転数)を制御する線速度設定回路、8は光ディスク1を回転させるスピンドルモータである。9は光ディスク1からの反射光に基づく再生信号の波形処理を行なう再生信号処理回路であり、10は再生信号の品質を検出する回路、すなわちここでは、ジッタ値を得るためのジッタ検出回路である。
次に、図2のフローチャート、および図3、図4の動作図を用いて、本実施形態の記録装置の動作について説明する。
図2は本実施形態でテスト記録するときの動作を示すフローチャートである。図3は本実施形態で線速度を低くして記録する場合の、記録パワーとジッタおよびトラックの状態の関係を示す図である。図4は線速度を高くして記録する場合の、記録パワーとジッタおよびトラックの状態の関係を示す図である。
図3および図4の各図において、(a)は記録パワーとジッタとの関係を示すグラフ、(b)は記録パワーを変化させたときのトラックへの記録状態である。
記録時には、まず、線速度設定工程ステップ201(以下、S201のように略記する)により、システム制御回路2の命令に基づいて線速度設定回路7がスピンドルモータ8の回転数を制御し、光ディスク1を所定の線速度で回転させる。シーク動作工程S202により、光ヘッド7が光ディスク1上の所定のテスト記録領域にシークする。
まず、本実施形態で低線速度v1で記録する(すなわち、低い転送レートで記録する)場合のテスト記録動作について説明する。
パワー設定工程S203により、システム制御回路2が、記録パワーと消去パワーを初期値に設定して、レーザ駆動回路6にパワー設定信号11を送出する。この初期値は、記録装置があらかじめ持っている値であっても良い。また、光ディスク1のコントロールトラック領域上に、初期値のパワーを表す情報が記録されているのであれば、この情報を読み出すことにより設定するものであっても良い。
テスト信号記録工程S204により、システム制御回路2からのテスト信号情報が、図変調回路3により変調される。変調回路3は、所定の変調則で変調して、記録パルス発生回路4に変調信号12を送出する。記録パルス発生回路4は変調信号12をもとにして、記録パルスまたは記録パルス列からなる記録パルス信号13をレーザ駆動回路5に送出する。レーザ駆動回路5はレーザ光14のパワーレベルを変調させ、レーザ光14がトラック上にテスト信号に対応するマークを形成する。
記録信号再生工程S205により、テスト信号を記録したトラックを再生する。再生信号には再生信号処理回路9でイコライズや2値化等の信号処理が施される。
ジッタ検出工程S206により、信号処理した再生信号のジッタ値を検出する。
しきい値判定工程S207により、システム制御回路2にて、検出したジッタ値が所定のしきい値であるか否かを判定する。このときのしきい値としては、十分に大きなマークが形成されてジッタが最良になる値付近の値よりは、マークが形成し始める付近の値の方が好ましい。これは記録パワー変化に対するジッタの変化が大きいため、検出誤差やばらつきの影響を受けることなく、マークが形成され始めるしきい値が明瞭に検出できるからである。
もしジッタ値がしきい値に等しくない場合は、記録パワー変化工程S208により、記録パワーを所定の間隔で変化させて、再度テスト記録工程S204に戻る。ジッタ値がしきい値に十分近い値になるまで、テスト記録工程S204〜記録パワー変化工程S208を繰り返す。
ジッタ値がしきい値に十分近い値に達すれば、記録パワー決定工程S209により、実際に情報を記録する時の記録パワーPp1を求める。このために、まずジッタ値がしきい値に十分近い値になったときの記録パワー(これをPpth1とする)を求める。この値から、Pp1は次のようにして計算する。
Pp1=Ppth1×C1
ここでC1は、低線速度記録の場合に対応する一定の係数である。
これで記録パワーを求めるテスト記録は終了し、求めた記録パワーPp1を用いて、実際の情報を光ディスク1に記録することになる。
本実施形態で高線速度v2で記録する(すなわち、高い転送レートで記録する)場合の、テスト記録動作については、基本的には上述の低線速度v1の場合と同様である。低線速度の場合と異なるのは、線速度設定工程S201によりスピンドルモータ8を高線速度で回転させること、テスト信号記録工程S204により高い転送レートに対応したテスト信号を記録すること、しきい値判定工程S207によりジッタ値がしきい値に十分近い値になったときの記録パワー(これをPpth2とする)を求め、この値から、記録パワーPp2を次のようにして計算することである。
Pp2=Ppth2×C2
ここでC2は、高線速度記録の場合に対応する一定の係数である。
ここで、高線速度記録時の係数C2は低線速度記録時の係数C1より大きくすることが望ましい。このことを図3および図4を用いて説明する。
図3および図4は、それぞれ低線速度v1と高線速度v2で記録する場合に、ジッタ、溶融領域およびマーク形状が記録パワーに依存して変化する状態を説明する図である。図3(a)と図4(a)はジッタの変化を、図3(b)と図4(b)はトラック301上のマーク302と溶融領域303の形状の変化を示す。
低線速度v1で記録するときには、レーザ光による照射で溶融した後、溶融領域303周辺から再結晶化が進行する。記録パワーをしきい値Ppth1から増大させていくと溶融領域303が拡大するが、同時に再結晶化領域(すなわち、溶融領域303からマーク302の領域を除いた部分)も拡大する。したがって記録パワーの増大に伴うマーク302の拡大の度合は、溶融領域の拡大する度合よりも緩やかになる。その結果、ジッタ値も緩やかに良くなる傾向を示す(図3の(A)点から(B)点へのジッタ変化および記録状態の変化を参照)。
しかし、さらに記録パワーを増大させると、溶融領域303がトラックの壁304に達する。その結果、壁の微細な形状(がたつき)に影響を受けて、壁に達した溶融領域の一部で再結晶化が起こらず、マーク302の一部分が壁304に貼り付いて形状の歪みが生じる。これにより、記録パワーを増大させたときのジッタ値は一転して急激に悪化することになる(図3の(B)点から(C)点へのジッタ変化および記録状態の変化を参照)。それゆえ、低線速度v1で良好なジッタで記録するためには、ジッタがしきい値となるPpth1に対してあまり高い記録パワーに設定できないことがわかる。
一方、高線速度v2で記録するときにはレーザスポットと媒体との相対速度が速いために、レーザ光による照射で溶融した後、急冷でアモルファスが形成されやすい。すなわち、溶融領域303周辺からの再結晶化は進行しにくく、記録パワーをしきい値Ppth2から増大させても再結晶化領域はあまり拡大しない。したがって、記録パワーを増大させると、溶融領域303の拡大にほぼ比例してマーク302の大きさも拡大する。その結果、低線速度v1の記録と比較するとジッタ値は急激に良くなる傾向を示す(図4の(A)点から(B)点へのジッタ変化および記録状態の変化を参照)。
高線速度記録の場合には再結晶化領域が拡大しにくいので、さらに記録パワーを増大させてマーク302を大きくしても溶融領域303は壁304に達しない。そのため、ジッタの悪化は小さい(図4の(B)点から(C)点へのジッタ変化および記録状態の変化を参照)。
高線速度で安定に情報を記録するために問題となるのは、記録膜の溶融−マーク形成過程よりも、むしろ光ディスク1の機械的な特性である。前述したように、ディスクにわずかな面ぶれや偏芯があると、ディスクが高速で回転した時に、アクチュエータを動かすサーボがその面ぶれや偏芯に追従しきれなくなり、結果的にデフォーカスやオフトラックといった現象を引き起こす。これらの現象は、本来レーザ光を照射してマークを形成しようとしている部分に与える、実効的なパワーを低下させることになる。
高線速度v2で記録する際にこのような現象が生じた場合でも、安定かつジッタを良好に記録するためには、ジッタがしきい値となるPpth1に対して、低線速度v1に比べ相対的に高い記録パワーに設定するのが望ましい。高線速度記録の場合は、高い記録パワーで記録してもマークが壁に貼り付くことによるジッタの悪化は生じない。したがって、実効的なパワーが低くなってもジッタを良好に記録できるように、余裕を持った高い記録パワーで記録するのが良いことになる。
以上述べたように、本実施形態のポイントは、ジッタがしきい値となるパワーに対する記録パワーの比を低線速度では相対的に小さく、高線速度では相対的に大きくする。すなわち(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)としていることである。
これにより、低線速度記録ではマークの壁への貼り付きを抑制して歪みのないマークを形成する。それとともに、高線速度では面ぶれや偏芯に起因してデフォーカス・オフトラックが生じてもジッタを悪化させることなく安定に記録することができるので、広い線速度範囲にわたって信号品質良く情報を記録できるという特別の効果を奏する。
なお本実施形態では、ジッタ検出回路10で再生信号のジッタを検出するものとしたが、ジッタ検出回路10の代わりにエラーレート検出回路を設け、エラーレートがしきい値となる記録パワーから情報を記録するときの記録パワーを求めるものであっても良い。一般的な記録装置では、エラーレートを検出する機能は再生信号から情報を復調する回路に備わっているので、特別な付加回路を必要としないメリットがある。
また、ジッタ検出回路10の代わりの代わりに変調度検出回路を設け、変調度がしきい値となる記録パワーから情報を記録するときの記録パワーを求めるものであっても良い。このときの変調度のしきい値としては、変調度の絶対値をしきい値として用いる方法の他に、(変調度/記録パワー)の微分係数をしきい値として用いる方法でも良い。すなわち図5(a)に示すように、(変調度/記録パワー)の微分係数α=dm/dPpを求める。図5(b)に示すように記録パワーが変化したときのαの変化を求め、αがしきい値αthになる記録パワーをPpth1またはPpth2とする。この方法でも、しきい値を正確に求めることができる。
変調度に基づく値をしきい値とする別の形態として、図5(c)に示すように(変調度×記録パワー)の値をβとし、記録パワーが変化したときのβの変化を求め、βがしきい値βthになる記録パワーを各線速で求めるものであっても、しきい値を正確に求めることができる。
上記の他にも、各線速で所定の大きさのマークが形成され始める記録パワーPpth1またはPpth2が求めることができるものであれば、どんなしきい値を用いるものであっても本発明に適用させることが可能である。
(第2実施形態)
次に、図6の記録装置の構成、および図7のフローチャートを用いて、本発明に係る第2実施形態の記録装置の動作について説明する。
図6は本実施形態の記録装置の概略構成を示すブロック図である。第1実施形態と異なるのは、ジッタ検出回路10の代わりにアシメトリ検出回路601を設けていることである。
図7は本実施形態でテスト記録するときの動作を示すフローチャートである。
テスト記録のスタート後、記録信号再生工程S705までは第1実施形態と同様である。異なるのはアシメトリ検出工程S706により、アシメトリ検出回路601が再生信号のアシメトリを検出することである。アシメトリは再生信号の非対称性を示す値である。アシメトリを求める方法を図8を用いて説明する。図8(a)(b)はそれぞれアシメトリが大きい場合と小さい場合の再生波形とトラック上の記録状態を示す図である。再生信号振幅の上のレベルをIH、下のレベルをIL、中央のレベルをIc、平均レベルをIaとすると、アシメトリaは以下の式により求められる。
a=(Ic−Ia)/(IH−IL)
すなわち、マークが長く(大きく)なるとアシメトリは大きくなることになる。
低線速度v1のアシメトリの所定値a1とし、高線速度v2のアシメトリを所定値a2とする。このとき、a1よりもa2を大きい値とすることが必要である。そしてテスト記録工程S704〜記録パワー変化工程S708を繰り返して、低線速度v1でアシメトリがa1となる記録パワーを求める。
記録パワー決定工程S709により、実際に情報を記録するときの記録パワーPp1はアシメトリa1となる記録パワーとする。これで、低線速度で記録パワーを求めるテスト記録は終了する。
高線速度v2の場合も同様にして、アシメトリがa2となる記録パワーPp2を求め、このパワーを実際に情報を記録するときの記録パワーとする。
このようにして、再生信号のアシメトリを低線速度では相対的に小さく、高線速度では相対的に大きくする。これにより、第1実施形態と同様に、低線速度記録ではマークの壁への貼り付きを抑制して歪みのないマークを形成し、高線速度では面ぶれや偏芯に起因してデフォーカス・オフトラックが生じてもジッタを悪化させることなく安定に記録することができる。それゆえ、広い線速度範囲にわたって信号品質良く情報を記録できるという特別の効果を奏する。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、消去パワーを固定して記録パワーを変化させるものとしたが、消去パワーと記録パワーの比を一定にして変化させてしきい値を得るものであっても、上述と同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では、v1とv2における記録パワーはテスト記録から決定するものとしたが、v1とv2における各々の記録パワーPp1、Pp2、もしくは各々の係数C1、C2、または各々のアシメトリa1、a2を媒体のコントロールトラック(すなわち、媒体に関する情報を記録する領域)に記録しておけば、媒体を光学的情報記録装置に装着後、すぐに線速度に記録パワーを決定することができる利点が生ずる。このパワーレベルの情報は、光学的情報記録装置が媒体に記録するものであってもよいし、媒体の製造時にあらかじめ記録するものであってもよい。
上記各実施形態における媒体は、記録膜が相変化材料からなり、GeとTeを含み、さらにSnとBiのうちいずれかを含むことがより好ましい。この場合、高線速度の記録でオーバーライト時の消し残りを少なくできるので、さらに信号品質良くデータを記録することが可能となる利点を生ずる。
さらに、上記各実施形態における媒体は、媒体のトラックが複数のセクタに分割され、前記セクタと前記セクタとの間にエンボストラックを有し、前記エンボストラックの中心と各前記セクタの記録トラックの中心とをずらすように形成されたものであることがより好ましい。この場合、高線速度の記録時にエンボストラックと記録トラックとの境界でアクチュエータが振られてオフトラックが生じても、安定に記録することが可能となる利点を生ずる。
上記各実施形態は、CAV記録方式の媒体に記録するものであっても良い。
さらに、上記各実施形態では、低線速度v1と高線速度v2の2種類で記録するものとしたが、CAV記録方式では、媒体中の記録再生位置によって線速度と転送レートが連続的に変化する。このような場合には、低線速度v1での記録パワーと高線速度v2での記録パワーをなめらかまたは段階的につなぐことにより、容易に中間の線速度での記録パワーを決定する方法であることが好ましい。すなわち、例えば、中間の線速度の増大に応じてその記録パワーも増大するように中間の線速度での記録パワーを決定すればよい。
上記各実施形態では、記録パルス間におけるパワーレベルが前記消去パワーと異なるよう制御することが好ましい。この場合、線速度に応じて記録時の冷却速度を最適に制御できるため、信号品質良くデータを記録することができる。
さらに、上記各実施形態では、レーザ発光波形のパワーレベルを記録パワーPpと消去パワーPbの2レベルで変化させるものとしたが、3レベル以上で変化させても良い。例えば、各記録パルス間のパワーレベル(ボトムレベルともいう)をPbより高いレベルとしても良いし、Pbよりも低くしても良い。ここで、記録パワーをPp、消去パワーをPb、記録パルス間のパワーレベルをPbtmとし、記録パルス間パワー係数αをα=(Pbtm−pb)/(Pp−Pb)としたとき、記録パルス間パワー係数を線速度の増大に応じて高くするように設定した方が、高線速度での記録時に冷却速度が過剰にならず、オーバーライト時の消し残りが少なくなる点でより好ましい。
また、上記の各実施形態において、記録パルスまたは記録パルス列の後に冷却パルスを付加した記録パルス列としても、上記と同様の効果が得られる。
なお、上記の変調方式、各パルスの長さ・位置等は上述の各実施形態で示したものに限るわけではなく、記録条件や媒体に応じて適切なものを設定することが可能である。また、マーク同士の熱干渉の影響を避けるため、記録パルスのエッジ位置を補正するものであってもよい。
また、上記の光ディスクは相変化材料、光磁気材料や色素材料等、マークとスペースで光学的特性の異なる媒体であればいずれも上記の方法を適用することができる。
さらに、本発明の光学的情報記録方法、光学的情報記録装置および光学的情報記録媒体を用いたパーソナルコンピュータ、サーバ、レコーダでも上述と同様の効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態について、より具体的な実施例を説明する。
光ディスク1の基板には、直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂を用いた。この基板には、凸凹形状のピットをあらかじめコントロールトラック領域としてプリフォーマットした。
コントロールトラック領域には、ディスクが対応している記録線速度を表す情報を識別子として記録した。本実施例では、このディスクは線速度24.6m/sから線速度65.6m/sの範囲の記録に対応するものとした。
樹脂基板のデータ領域内には記録用ガイド溝を形成した。ガイド溝のピッチは0.6μmである。なお、データ領域内にセクタを設ける構造として、セクタとセクタの間にアドレス情報を表すピットを形成する形態としてもかまわない。
基板上に保護膜、記録膜、保護膜、反射膜をスパッタリング法により4層成膜し、その上に保護基板を接着した。保護膜としてZnS−SiO、記録膜としてGeSbBiTe、反射膜としてAlを用いた。
データ領域の半径位置は21.9mmから58.4mmの範囲とし、テスト記録領域はデータ領域の内周側と外周側の2カ所に設けた。すなわち、テスト記録領域の半径位置は21.8mmから21.9mmの範囲、および58.4mmから58.5mmの範囲とした。
このディスクを一定回転数10727rpm(すなわち等回転速度)で回転させると、データ領域の最内周(すなわち半径21.9mm)では線速度24.6m/sで、最外周(すなわち半径58.4mm)では線速度65.6m/sで記録再生することになる。
内周から外周にわたっての線速度の変化に対応してチャネルクロック周期を変化させることにより、線密度を一定にして記録するのがCAV記録方式である。本実施例では情報の変調方式は(8−16)パルス幅変調とし、最短マーク長が0.40μmとなるようにチャネルクロック周期を設定した。
まず、ディスクを24.6m/sでの線速度で回転させ、フォーカスおよびトラッキングサーボを動作させてフォーカスエラー信号を観察したが、特に目立った変動は見られなかった。フォーカスエラー信号の最大の残差を測定し、アクチュエータの光軸方向の移動量に換算すると、0.1μm(ゼロ−ピーク振幅)であった。
次にこのディスクを65.6m/sで回転させると、局所的にフォーカスエラー信号がスパイク状に乱れる箇所が発生した。この乱れた部分の最大の残差を測定すると、1.2μmであった。この局所的な乱れの長さはトラック方向1回転のうちの約10分の1の長さであり、それ以外の箇所では目立った変動は見られず、残差は最大で0.2μmであった。
このディスクに対して、フォーカスエラー信号残差が乱れていない箇所を選び、最低線速度の24.6m/s、最高線速度の65.6m/sの2点で、消去パワーを固定して記録パワーを変化させ、記録パワーとジッタとの関係を測定した。ここで、消去パワーは24.6m/sのとき8mW、65.6m/sのとき11mWとした。
その測定結果を図9に示す。図9(a)は線速度24.6m/sの測定結果、図9(b)は線速度65.6m/sの測定結果である。ジッタのしきい値を13%とすると、しきい値となる記録パワーは、24.6m/sで14mW、65.6m/sで21mWであった。これらのパワーをもとに、係数C1またはC2を1.2としたときの記録パワーとジッタ、係数を1.3としたときの記録パワーとジッタを求めると、表1および表2に示すようになった。
Figure 2006033188
Figure 2006033188
これらの表からわかるように、線速度24.6m/sではC1=1.2の場合に対してC1=1.3では急激にジッタが悪化している。一方、線速度65.6m/sではC2を1.2から1.3に高くしてもジッタの悪化は小さかった。
次に、フォーカスエラー信号が乱れている箇所のみを選んで、C2=1.2と1.3の場合の記録パワーで記録したときのジッタを測定した。その結果を表3に示す。また、記録パワーとジッタとの関係の測定結果を図9(c)に示す。
Figure 2006033188
C2=1.3の場合は表2とジッタが変化していないのに対し、C2=1.2ではジッタが悪化している。このC2=1.2で記録したトラックの再生信号を観察したところ、フォーカスエラー信号が局所的に乱れているのと同じ箇所で信号振幅が小さくなっていた。このことから、デフォーカスが局所的に発生している箇所で実効的な照射エネルギーの低下が生じたために、パワーが低下したときに余裕のないC2=1.2の条件でジッタが悪化したものと考えられる。
以上のことから、このディスクでは、線速度24.6m/sではC1=1.2に、線速度65.6m/sではC2=1.3とする(すなわち、C1<C2とする)ことで、最低線速度でも最高線速度でも安定に良好なジッタで記録できることがわかった。
さらに、このディスクの再生信号を復調して、データのビットエラーレートを測定した。ジッタとビットエラーレートの相関を求めると、ジッタが9.5%以下の時にはビットエラーが発生しなかった。
このことから、ジッタが9.5%以下になるC1、C2の範囲ではより高品質に再生でき、より好ましいことがわかった。これらの範囲は、図9(a)の結果から、線速度24.6m/sでは1.14≦C1≦1.24、線速度65.6m/sでは1.25≦C2≦1.33であった。
本発明の光学的情報記録方法、光学的情報記録装置および光学的情報記録媒体は、パーソナルコンピュータ、サーバ、レコーダにも適用可能であり、上述の効果と同様の効果を得ることができる。
本発明は、光学的にデータを記録再生する光学的情報記録媒体に対する記録方法とその記録装置、および記録媒体に関するもので、特に、複数の異なる線速度で記録する光学的情報記録媒体に対する記録方法に関連する。
近年、光学的にデータを記録する媒体として、光ディスク、光カード、光テープなどが提案・開発されている。その中でも光ディスクは、大容量かつ高密度にデータを記録・再生できる媒体として注目されている。
例えば相変化型光ディスクの場合、以下に述べる方法でデータの記録再生が行われている。光ヘッドにより集束させた、再生パワーより強いレーザ光(このパワーレベルを記録パワーといい、Ppで表す)を光ディスクの記録膜に照射して記録膜の温度を融点を越えて上昇させると、レーザ光の通過とともに溶融部分は急速に冷却されて非晶質(アモルファス)状態のマークが形成される。また、記録膜の温度を結晶化温度以上融点以下の温度まで上昇させる程度のレーザ光(このパワーレベルを消去パワーといい、Pbで表す)を集束して照射すると、照射部の記録膜は結晶状態になる。このようにして、光ディスクにはデータ信号に対応した非晶質領域であるマークと結晶領域であるスペースとからなる記録パターンが形成される。そして結晶と非晶質との反射率の相違を利用して、データの再生が行われる。
上で述べたように、媒体にマークを形成するためには、レーザ光のパワーレベルを少なくとも消去パワーと記録パワーとの間で変調して発光させることが必要である。この変調動作に用いるパルス波形を記録パルスと呼ぶ。1つのマークを複数の記録パルスで形成する記録方法もすでに多数開示されている。この複数の記録パルスを記録パルス列と呼ぶ。記録パルス列の例を図10(a)に示す。記録パルス列の先頭部にあるパルスを前端パルス501、最後部にあるパルスを後端パルス503、前端パルスと後端パルスとの間にあるパルスをマルチパルス502と呼ぶ。記録パルス列を構成する記録パルスの数は記録符号長(すなわち、チャネルクロック周期Twに対する記録符号の長さ)によって変化し、最短符号長では記録パルスの数が1個になる場合もある。この記録パルス列に基づいて、レーザ光の強度を図10(b)のように変調する。その結果、図10(c)に示すようにトラック301上にマーク302が形成される。なお、記録パルス列を用いる代わりに、図11に示すような先頭部と最後部のパワーレベルを変化させたレーザ発光波形によりマークを形成する方法も開示されている。
現在、DVDなどの光学的情報記録媒体では、主としてCLV(等線速度)記録が用いられている。これは、媒体全面にわたって線速度・転送レート・線密度をほぼ同じにして記録する方式である。したがって、記録再生時にレーザ光の照射条件や加熱・冷却条件が変化しない利点がある。その一方で、媒体の回転速度は、媒体中の記録再生位置(すなわち半径位置)によって変化するため、スピンドルモータの回転変速制御が不可欠となる。
これに対して、媒体の回転速度と線密度を媒体全面にわたってほぼ一定とする、CAV(等角速度)記録方式が提案されている。CLV記録方式に比べると、CAV記録方式では媒体を回転させるスピンドルモータの回転変速制御が不要なため、スピンドルモータおよびその制御回路を低コストで作製できる利点がある。また、記録再生位置のシーク動作後、所定の回転速度になるまで記録再生動作を待つ必要がないので、媒体に対するアクセス速度を短くすることが可能である。その一方で、CAV記録方式では、媒体中に記録再生を行う位置によって媒体の線速度と転送レートが変化する。したがって、記録再生を行う位置によって、媒体におけるレーザ光の照射条件や加熱・冷却条件は変化することになる。
これらいずれの方式においても、記録された信号品質を良くすることは、大容量かつ高密度にデータを記録・再生するために重要である。そのため、ある特定の線速度(CAV記録方式の場合は記録再生位置)に対して、記録パワーを調整することで信号品質を良くする方法がこれまでにも開示されている。その1つとして、記録パワーや消去パワーを変化させてテスト信号を記録し、記録されたテスト信号をもとに再生信号のアシメトリ値や変調度が最適条件となるように、各パワーを決定する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−64064号公報
しかしながら、上記従来の記録方法では、CAV記録方式において変化させる線速度の範囲が広い場合、線速度によって最適条件が異なるために、データ信号を品質良くかつ安定に記録できないという課題を有していた。以下、その課題について説明する。
高線速度で記録する場合には、スピンドルモータは高速で回転する。そのため、ディスクにわずかな面ぶれや偏芯があると、それらがサーボ動作に与える影響が大きくなる。すなわち、ディスクに面ぶれが存在すると、光ヘッドのアクチュエータは光軸方向に強く振られる。また、ディスクに偏芯が存在すると、アクチュエータはディスクの面と平行な方向に強く振られることになる。この振られがアクチュエータの応答特性以上に強くなると、アクチュエータがディスクの面ぶれや偏芯に追従しきれなくなり、デフォーカスやオフトラックが生じて信号が安定に記録できなくなる。
一方、低線速度で記録するときには、レーザスポットと媒体との相対速度が遅く、レーザ照射による溶融後の冷却速度も遅くなるので、溶融部周辺から再結晶化が進行して残った部分がマークになる。そのため、図12に示すように、マーク302の大きさよりも溶融領域303は大きくなり、溶融領域の端はトラック301(すなわちガイド溝またはランド)の壁304にまで達する。その結果、壁304の微細な形状(がたつき)に影響を受けて、壁304に達した溶融領域の一部で再結晶化が起こらず、マークの一部分が壁304に貼り付く現象が生じた。そのためにマーク形状が歪んで再生信号の品質が低下する課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、同一の媒体に対し広い線速度範囲に渡って安定かつ良好な信号品質でデータを記録再生できる光学的情報記録方法、光学的情報記録装置および光学的情報記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2として、前記記録パワーが(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように制御することを特徴とする。
この方法によれば、低線速度では歪みのないマークを形成することができるとともに、高線速度ではパワーマージンを確保して記録することができるので、広い線速度範囲にわたって信号品質良くデータを記録することが可能となる。
上記発明において、再生信号の品質は、再生信号のジッタであっても良い。
上記発明において、再生信号の品質は、再生信号のエラーレートであっても良い。
上記発明において、再生信号の品質は、再生信号の変調度に基づく値であっても良い。
これらいずれの場合においても、信号品質良くデータを記録することが可能になる。
本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2として、前記記録パワーが(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように制御することを特徴とする。
この方法によっても、低線速度では歪みのないマークを形成することができるとともに、高線速度ではパワーマージンを確保して記録することができるので、広い線速度範囲にわたって信号品質良くデータを記録することが可能となる。
本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの再生信号のアシメトリをa1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの前記再生信号のアシメトリをa2として、前記記録パワーがa1<a2を満たすように制御することを特徴とする。
また、本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの再生信号のアシメトリをa1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの再生信号のアシメトリをa2として、前記記録パワーがa1<a2を満たすように制御することを特徴とする。
これらの方法によっても、低線速度では歪みのないマークを形成することができるとともに、高線速度ではパワーマージンを確保して記録することができるので、広い線速度範囲にわたって信号品質良くデータを記録することが可能となる。
本発明の光学的情報記録方法は、記録方式がCAV記録方式であることを特徴とする。
この方法により、媒体中の記録再生位置がどの場所であっても、信号品質良くデータを記録することが可能になる。
本発明の光学的情報記録方法は、第1の線速度v1と前記第2の線速度v2との間の値である線速度vでの記録パワーをPpとしたとき、線速度vの増大に応じてPpを増大させるように前記記録パワーを制御することを特徴とする。
この方法により、中間の線速度での記録パワーを容易に決定することができる。
本発明の光学的情報記録方法は、記録パルス間におけるパワーレベルが前記消去パワーと異なるよう制御することを特徴とする。
また、本発明の光学的情報記録方法は、記録パワーをPp、消去パワーをPb、記録パルス間のパワーレベルをPbtmとし、記録パルス間パワー係数αをα=(Pbtm−Pb)/(Pp−Pb)としたとき、線速度v2における記録パルス間パワー係数が、線速度v1における記録パルス間パワー係数より高くなるよう制御することを特徴とする。
これらの方法により、線速度に応じて記録時の冷却速度を最適に制御できるため、信号品質良くデータを記録することが可能になる。
上記目的を達成するために、本発明の光学的情報記録媒体は、Pp1/Ppth1およびPp2/Ppth2の値を表す情報が記録されていることを特徴とする。
また、本発明の光学的情報記録媒体は、Pp1およびPp2の値を表す情報が記録されていることを特徴とする。
また、本発明の光学的情報記録媒体は、a1およびa2の値を表す情報が記録されていることを特徴とする。
これらの媒体により、媒体を光学的情報記録装置に装着後、すぐに線速度に応じた記録パワーを決定することができる。
上記光学的情報記録媒体は、記録膜が相変化材料からなり、相変化材料は、GeとTeを含み、さらにSnとBiのうちいずれかを含むことを特徴とする。
この媒体により、高線速度の記録でオーバーライト時の消し残りを少なくできるので、さらに信号品質良くデータを記録することが可能になる。
本発明の光学的情報記録媒体は、複数のセクタに分割されたトラックを有し、セクタと前記セクタとの間にエンボストラックを有し、トラックが、エンボストラックの中心と前記セクタの記録トラックの中心とをずらすようにして形成されたことを特徴とする。
この媒体により、高線速度の記録時にエンボストラックと記録トラックとの境界でアクチュエータが振られてオフトラックが生じても、安定に記録することが可能になる。
上記目的を達成するために、本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と、再生信号の品質を検出する品質検出回路とを備え、第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2とすると、前記レーザ駆動回路は、(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように前記記録パワーを制御することを特徴とする。
本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、前記線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、前記記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と、再生信号の品質を検出する品質検出回路とを備え、第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2とすると、前記レーザ駆動回路は、(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように前記記録パワーを制御することを特徴とする。
本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、前記線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、前記記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と再生信号のアシメトリを検出するアシメトリ検出回路を備え、第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号のアシメトリをa1、v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号のアシメトリをa2とすると、前記レーザ駆動回路は、a1<a2を満たすように前記記録パワーを制御することを特徴とする。
本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、前記線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、前記記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と再生信号のアシメトリを検出するアシメトリ検出回路を備え、第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号のアシメトリをa1、v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号のアシメトリをa2とすると、前記レーザ駆動回路は、a1<a2を満たすように前記記録パワーを制御することを特徴とする。
これらの装置によれば、低線速度では歪みのないマークを形成することができるとともに、高線速度ではパワーマージンを確保して記録することができるので、広い線速度範囲にわたって信号品質良くデータを記録することが可能となる。
本発明の光学的情報記録方法によれば、広い線速度範囲にわたって信号品質良く情報を記録することができる。
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る第1実施形態における光学的情報記録方法において、テスト記録を行って記録パワーを求める場合の動作を図1〜図4を用いて説明する。この時、消去パワーは固定されている。また、本実施形態では、再生信号の品質としてジッタを用いて説明する。
図1は、本実施形態の記録装置の概略構成を示すブロック図である。
1はデータを記録再生する光ディスクで、2は記録装置全体を制御するシステム制御回路である。3は記録する情報に応じて2値化された記録データ信号を発生させる変調回路で、4は記録データ信号に応じてレーザを駆動するパルスを発生させる記録パルス発生回路である。
5は記録パルス生成回路が出力するパルスに応じて、光ヘッド6内のレーザを駆動させる電流を変調するレーザ駆動回路である。光ヘッド6は、レーザ光を集束して光ディスク1に照射する。7は光ディスク1の線速度(すなわち、回転数)を制御する線速度設定回路、8は光ディスク1を回転させるスピンドルモータである。9は光ディスク1からの反射光に基づく再生信号の波形処理を行なう再生信号処理回路であり、10は再生信号の品質を検出する回路、すなわちここでは、ジッタ値を得るためのジッタ検出回路である。
次に、図2のフローチャート、および図3、図4の動作図を用いて、本実施形態の記録装置の動作について説明する。
図2は本実施形態でテスト記録するときの動作を示すフローチャートである。図3は本実施形態で線速度を低くして記録する場合の、記録パワーとジッタおよびトラックの状態の関係を示す図である。図4は線速度を高くして記録する場合の、記録パワーとジッタおよびトラックの状態の関係を示す図である。
図3および図4の各図において、(a)は記録パワーとジッタとの関係を示すグラフ、(b)は記録パワーを変化させたときのトラックへの記録状態である。
記録時には、まず、線速度設定工程ステップ201(以下、S201のように略記する)により、システム制御回路2の命令に基づいて線速度設定回路7がスピンドルモータ8の回転数を制御し、光ディスク1を所定の線速度で回転させる。シーク動作工程S202により、光ヘッド7が光ディスク1上の所定のテスト記録領域にシークする。
まず、本実施形態で低線速度v1で記録する(すなわち、低い転送レートで記録する)場合のテスト記録動作について説明する。
パワー設定工程S203により、システム制御回路2が、記録パワーと消去パワーを初期値に設定して、レーザ駆動回路6にパワー設定信号11を送出する。この初期値は、記録装置があらかじめ持っている値であっても良い。また、光ディスク1のコントロールトラック領域上に、初期値のパワーを表す情報が記録されているのであれば、この情報を読み出すことにより設定するものであっても良い。
テスト信号記録工程S204により、システム制御回路2からのテスト信号情報が、図変調回路3により変調される。変調回路3は、所定の変調則で変調して、記録パルス発生回路4に変調信号12を送出する。記録パルス発生回路4は変調信号12をもとにして、記録パルスまたは記録パルス列からなる記録パルス信号13をレーザ駆動回路5に送出する。レーザ駆動回路5はレーザ光14のパワーレベルを変調させ、レーザ光14がトラック上にテスト信号に対応するマークを形成する。
記録信号再生工程S205により、テスト信号を記録したトラックを再生する。再生信号には再生信号処理回路9でイコライズや2値化等の信号処理が施される。
ジッタ検出工程S206により、信号処理した再生信号のジッタ値を検出する。
しきい値判定工程S207により、システム制御回路2にて、検出したジッタ値が所定のしきい値であるか否かを判定する。このときのしきい値としては、十分に大きなマークが形成されてジッタが最良になる値付近の値よりは、マークが形成し始める付近の値の方が好ましい。これは記録パワー変化に対するジッタの変化が大きいため、検出誤差やばらつきの影響を受けることなく、マークが形成され始めるしきい値が明瞭に検出できるからである。
もしジッタ値がしきい値に等しくない場合は、記録パワー変化工程S208により、記録パワーを所定の間隔で変化させて、再度テスト記録工程S204に戻る。ジッタ値がしきい値に十分近い値になるまで、テスト記録工程S204〜記録パワー変化工程S208を繰り返す。
ジッタ値がしきい値に十分近い値に達すれば、記録パワー決定工程S209により、実際に情報を記録する時の記録パワーPp1を求める。このために、まずジッタ値がしきい値に十分近い値になったときの記録パワー(これをPpth1とする)を求める。この値から、Pp1は次のようにして計算する。
Pp1=Ppth1×C1
ここでC1は、低線速度記録の場合に対応する一定の係数である。
これで記録パワーを求めるテスト記録は終了し、求めた記録パワーPp1を用いて、実際の情報を光ディスク1に記録することになる。
本実施形態で高線速度v2で記録する(すなわち、高い転送レートで記録する)場合の、テスト記録動作については、基本的には上述の低線速度v1の場合と同様である。低線速度の場合と異なるのは、線速度設定工程S201によりスピンドルモータ8を高線速度で回転させること、テスト信号記録工程S204により高い転送レートに対応したテスト信号を記録すること、しきい値判定工程S207によりジッタ値がしきい値に十分近い値になったときの記録パワー(これをPpth2とする)を求め、この値から、記録パワーPp2を次のようにして計算することである。
Pp2=Ppth2×C2
ここでC2は、高線速度記録の場合に対応する一定の係数である。
ここで、高線速度記録時の係数C2は低線速度記録時の係数C1より大きくすることが望ましい。このことを図3および図4を用いて説明する。
図3および図4は、それぞれ低線速度v1と高線速度v2で記録する場合に、ジッタ、溶融領域およびマーク形状が記録パワーに依存して変化する状態を説明する図である。図3(a)と図4(a)はジッタの変化を、図3(b)と図4(b)はトラック301上のマーク302と溶融領域303の形状の変化を示す。
低線速度v1で記録するときには、レーザ光による照射で溶融した後、溶融領域303周辺から再結晶化が進行する。記録パワーをしきい値Ppth1から増大させていくと溶融領域303が拡大するが、同時に再結晶化領域(すなわち、溶融領域303からマーク302の領域を除いた部分)も拡大する。したがって記録パワーの増大に伴うマーク302の拡大の度合は、溶融領域の拡大する度合よりも緩やかになる。その結果、ジッタ値も緩やかに良くなる傾向を示す(図3の(A)点から(B)点へのジッタ変化および記録状態の変化を参照)。
しかし、さらに記録パワーを増大させると、溶融領域303がトラックの壁304に達する。その結果、壁の微細な形状(がたつき)に影響を受けて、壁に達した溶融領域の一部で再結晶化が起こらず、マーク302の一部分が壁304に貼り付いて形状の歪みが生じる。これにより、記録パワーを増大させたときのジッタ値は一転して急激に悪化することになる(図3の(B)点から(C)点へのジッタ変化および記録状態の変化を参照)。それゆえ、低線速度v1で良好なジッタで記録するためには、ジッタがしきい値となるPpth1に対してあまり高い記録パワーに設定できないことがわかる。
一方、高線速度v2で記録するときにはレーザスポットと媒体との相対速度が速いために、レーザ光による照射で溶融した後、急冷でアモルファスが形成されやすい。すなわち、溶融領域303周辺からの再結晶化は進行しにくく、記録パワーをしきい値Ppth2から増大させても再結晶化領域はあまり拡大しない。したがって、記録パワーを増大させると、溶融領域303の拡大にほぼ比例してマーク302の大きさも拡大する。その結果、低線速度v1の記録と比較するとジッタ値は急激に良くなる傾向を示す(図4の(A)点から(B)点へのジッタ変化および記録状態の変化を参照)。
高線速度記録の場合には再結晶化領域が拡大しにくいので、さらに記録パワーを増大させてマーク302を大きくしても溶融領域303は壁304に達しない。そのため、ジッタの悪化は小さい(図4の(B)点から(C)点へのジッタ変化および記録状態の変化を参照)。
高線速度で安定に情報を記録するために問題となるのは、記録膜の溶融−マーク形成過程よりも、むしろ光ディスク1の機械的な特性である。前述したように、ディスクにわずかな面ぶれや偏芯があると、ディスクが高速で回転した時に、アクチュエータを動かすサーボがその面ぶれや偏芯に追従しきれなくなり、結果的にデフォーカスやオフトラックといった現象を引き起こす。これらの現象は、本来レーザ光を照射してマークを形成しようとしている部分に与える、実効的なパワーを低下させることになる。
高線速度v2で記録する際にこのような現象が生じた場合でも、安定かつジッタを良好に記録するためには、ジッタがしきい値となるPpth1に対して、低線速度v1に比べ相対的に高い記録パワーに設定するのが望ましい。高線速度記録の場合は、高い記録パワーで記録してもマークが壁に貼り付くことによるジッタの悪化は生じない。したがって、実効的なパワーが低くなってもジッタを良好に記録できるように、余裕を持った高い記録パワーで記録するのが良いことになる。
以上述べたように、本実施形態のポイントは、ジッタがしきい値となるパワーに対する記録パワーの比を低線速度では相対的に小さく、高線速度では相対的に大きくする。すなわち(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)としていることである。
これにより、低線速度記録ではマークの壁への貼り付きを抑制して歪みのないマークを形成する。それとともに、高線速度では面ぶれや偏芯に起因してデフォーカス・オフトラックが生じてもジッタを悪化させることなく安定に記録することができるので、広い線速度範囲にわたって信号品質良く情報を記録できるという特別の効果を奏する。
なお本実施形態では、ジッタ検出回路10で再生信号のジッタを検出するものとしたが、ジッタ検出回路10の代わりにエラーレート検出回路を設け、エラーレートがしきい値となる記録パワーから情報を記録するときの記録パワーを求めるものであっても良い。一般的な記録装置では、エラーレートを検出する機能は再生信号から情報を復調する回路に備わっているので、特別な付加回路を必要としないメリットがある。
また、ジッタ検出回路10の代わりの代わりに変調度検出回路を設け、変調度がしきい値となる記録パワーから情報を記録するときの記録パワーを求めるものであっても良い。このときの変調度のしきい値としては、変調度の絶対値をしきい値として用いる方法の他に、(変調度/記録パワー)の微分係数をしきい値として用いる方法でも良い。すなわち図5(a)に示すように、(変調度/記録パワー)の微分係数α=dm/dPpを求める。図5(b)に示すように記録パワーが変化したときのαの変化を求め、αがしきい値αthになる記録パワーをPpth1またはPpth2とする。この方法でもしきい値を正確に求めることができる。
変調度に基づく値をしきい値とする別の形態として、図5(c)に示すように(変調度×記録パワー)の値をβとし、記録パワーが変化したときのβの変化を求め、βがしきい値βthになる記録パワーを各線速で求めるものであっても、しきい値を正確に求めることができる。
上記の他にも、各線速で所定の大きさのマークが形成され始める記録パワーPpth1またはPpth2が求めることができるものであれば、どんなしきい値を用いるものであっても本発明に適用させることが可能である。
(第2実施形態)
次に、図6の記録装置の構成、および図7のフローチャートを用いて、本発明に係る第2実施形態の記録装置の動作について説明する。
図6は本実施形態の記録装置の概略構成を示すブロック図である。第1実施形態と異なるのは、ジッタ検出回路10の代わりにアシメトリ検出回路601を設けていることである。
図7は本実施形態でテスト記録するときの動作を示すフローチャートである。
テスト記録のスタート後、記録信号再生工程S705までは第1実施形態と同様である。異なるのはアシメトリ検出工程S706により、アシメトリ検出回路601が再生信号のアシメトリを検出することである。アシメトリは再生信号の非対称性を示す値である。アシメトリを求める方法を図8を用いて説明する。図8(a)(b)はそれぞれアシメトリが大きい場合と小さい場合の再生波形とトラック上の記録状態を示す図である。再生信号振幅の上のレベルをIH、下のレベルをIL、中央のレベルをIc、平均レベルをIaとすると、アシメトリaは以下の式により求められる。
a=(Ic−Ia)/(IH−IL)
すなわち、マークが長く(大きく)なるとアシメトリは大きくなることになる。
低線速度v1のアシメトリの所定値a1とし、高線速度v2のアシメトリを所定値a2とする。このとき、a1よりもa2を大きい値とすることが必要である。そしてテスト記録工程S704〜記録パワー変化工程S708を繰り返して、低線速度v1でアシメトリがa1となる記録パワーを求める。
記録パワー決定工程S709により、実際に情報を記録するときの記録パワーPp1はアシメトリa1となる記録パワーとする。これで、低線速度で記録パワーを求めるテスト記録は終了する。
高線速度v2の場合も同様にして、アシメトリがa2となる記録パワーPp2を求め、このパワーを実際に情報を記録するときの記録パワーとする。
このようにして、再生信号のアシメトリを低線速度では相対的に小さく、高線速度では相対的に大きくする。これにより、第1実施形態と同様に、低線速度記録ではマークの壁への貼り付きを抑制して歪みのないマークを形成し、高線速度では面ぶれや偏芯に起因してデフォーカス・オフトラックが生じてもジッタを悪化させることなく安定に記録することができる。それゆえ、広い線速度範囲にわたって信号品質良く情報を記録できるという特別の効果を奏する。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、消去パワーを固定して記録パワーを変化させるものとしたが、消去パワーと記録パワーの比を一定にして変化させてしきい値を得るものであっても、上述と同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では、v1とv2における記録パワーはテスト記録から決定するものとしたが、v1とv2における各々の記録パワーPp1、Pp2、もしくは各々の係数C1、C2、または各々のアシメトリa1、a2を媒体のコントロールトラック(すなわち、媒体に関する情報を記録する領域)に記録しておけば、媒体を光学的情報記録装置に装着後、すぐに線速度に記録パワーを決定することができる利点が生ずる。このパワーレベルの情報は、光学的情報記録装置が媒体に記録するものであってもよいし、媒体の製造時にあらかじめ記録するものであってもよい。
上記各実施形態における媒体は、記録膜が相変化材料からなり、GeとTeを含み、さらにSnとBiのうちいずれかを含むことがより好ましい。この場合、高線速度の記録でオーバーライト時の消し残りを少なくできるので、さらに信号品質良くデータを記録することが可能となる利点を生ずる。
さらに、上記各実施形態における媒体は、媒体のトラックが複数のセクタに分割され、前記セクタと前記セクタとの間にエンボストラックを有し、前記エンボストラックの中心と各前記セクタの記録トラックの中心とをずらすように形成されたものであることがより好ましい。この場合、高線速度の記録時にエンボストラックと記録トラックとの境界でアクチュエータが振られてオフトラックが生じても、安定に記録することが可能となる利点を生ずる。
上記各実施形態は、CAV記録方式の媒体に記録するものであっても良い。
さらに、上記各実施形態では、低線速度v1と高線速度v2の2種類で記録するものとしたが、CAV記録方式では、媒体中の記録再生位置によって線速度と転送レートが連続的に変化する。このような場合には、低線速度v1での記録パワーと高線速度v2での記録パワーをなめらかまたは段階的につなぐことにより、容易に中間の線速度での記録パワーを決定する方法であることが好ましい。すなわち、例えば、中間の線速度の増大に応じてその記録パワーも増大するように中間の線速度での記録パワーを決定すればよい。
上記各実施形態では、記録パルス間におけるパワーレベルが前記消去パワーと異なるよう制御することが好ましい。この場合、線速度に応じて記録時の冷却速度を最適に制御できるため、信号品質良くデータを記録することができる。
さらに、上記各実施形態では、レーザ発光波形のパワーレベルを記録パワーPpと消去パワーPbの2レベルで変化させるものとしたが、3レベル以上で変化させても良い。例えば、各記録パルス間のパワーレベル(ボトムレベルともいう)をPbより高いレベルとしても良いし、Pbよりも低くしても良い。ここで、記録パワーをPp、消去パワーをPb、記録パルス間のパワーレベルをPbtmとし、記録パルス間パワー係数αをα=(Pbtm−Pb)/(Pp−Pb)としたとき、記録パルス間パワー係数を線速度の増大に応じて高くするように設定した方が、高線速度での記録時に冷却速度が過剰にならず、オーバーライト時の消し残りが少なくなる点でより好ましい。
また、上記の各実施形態において、記録パルスまたは記録パルス列の後に冷却パルスを付加した記録パルス列としても、上記と同様の効果が得られる。
なお、上記の変調方式、各パルスの長さ・位置等は上述の各実施形態で示したものに限るわけではなく、記録条件や媒体に応じて適切なものを設定することが可能である。また、マーク同士の熱干渉の影響を避けるため、記録パルスのエッジ位置を補正するものであってもよい。
また、上記の光ディスクは相変化材料、光磁気材料や色素材料等、マークとスペースで光学的特性の異なる媒体であればいずれも上記の方法を適用することができる。
さらに、本発明の光学的情報記録方法、光学的情報記録装置および光学的情報記録媒体を用いたパーソナルコンピュータ、サーバ、レコーダでも上述と同様の効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態について、より具体的な実施例を説明する。
光ディスク1の基板には、直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂を用いた。この基板には、凸凹形状のピットをあらかじめコントロールトラック領域としてプリフォーマットした。
コントロールトラック領域には、ディスクが対応している記録線速度を表す情報を識別子として記録した。本実施例では、このディスクは線速度24.6m/sから線速度65.6m/sの範囲の記録に対応するものとした。
樹脂基板のデータ領域内には記録用ガイド溝を形成した。ガイド溝のピッチは0.6μmである。なお、データ領域内にセクタを設ける構造として、セクタとセクタの間にアドレス情報を表すピットを形成する形態としてもかまわない。
基板上に保護膜、記録膜、保護膜、反射膜をスパッタリング法により4層成膜し、その上に保護基板を接着した。保護膜としてZnS−SiO2、記録膜としてGeSbBiTe、反射膜としてAlを用いた。
データ領域の半径位置は21.9mmから58.4mmの範囲とし、テスト記録領域はデータ領域の内周側と外周側の2カ所に設けた。すなわち、テスト記録領域の半径位置は21.8mmから21.9mmの範囲、および58.4mmから58.5mmの範囲とした。
このディスクを一定回転数10727rpm(すなわち等回転速度)で回転させると、データ領域の最内周(すなわち半径21.9mm)では線速度24.6m/sで、最外周(すなわち半径58.4mm)では線速度65.6m/sで記録再生することになる。
内周から外周にわたっての線速度の変化に対応してチャネルクロック周期を変化させることにより、線密度を一定にして記録するのがCAV記録方式である。本実施例では情報の変調方式は(8−16)パルス幅変調とし、最短マーク長が0.40μmとなるようにチャネルクロック周期を設定した。
まず、ディスクを24.6m/sでの線速度で回転させ、フォーカスおよびトラッキングサーボを動作させてフォーカスエラー信号を観察したが、特に目立った変動は見られなかった。フォーカスエラー信号の最大の残差を測定し、アクチュエータの光軸方向の移動量に換算すると、0.1μm(ゼロ−ピーク振幅)であった。
次にこのディスクを65.6m/sで回転させると、局所的にフォーカスエラー信号がスパイク状に乱れる箇所が発生した。この乱れた部分の最大の残差を測定すると、1.2μmであった。この局所的な乱れの長さはトラック方向1回転のうちの約10分の1の長さであり、それ以外の箇所では目立った変動は見られず、残差は最大で0.2μmであった。
このディスクに対して、フォーカスエラー信号残差が乱れていない箇所を選び、最低線速度の24.6m/s、最高線速度の65.6m/sの2点で、消去パワーを固定して記録パワーを変化させ、記録パワーとジッタとの関係を測定した。ここで、消去パワーは24.6m/sのとき8mW、65.6m/sのとき11mWとした。
その測定結果を図9に示す。図9(a)は線速度24.6m/sの測定結果、図9(b)は線速度65.6m/sの測定結果である。ジッタのしきい値を13%とすると、しきい値となる記録パワーは、24.6m/sで14mW、65.6m/sで21mWであった。これらのパワーをもとに、係数C1またはC2を1.2としたときの記録パワーとジッタ、係数を1.3としたときの記録パワーとジッタを求めると、表1および表2に示すようになった。
Figure 2006033188
Figure 2006033188
これらの表からわかるように、線速度24.6m/sではC1=1.2の場合に対してC1=1.3では急激にジッタが悪化している。一方、線速度65.6m/sではC2を1.2から1.3に高くしてもジッタの悪化は小さかった。
次に、フォーカスエラー信号が乱れている箇所のみを選んで、C2=1.2と1.3の場合の記録パワーで記録したときのジッタを測定した。その結果を表3に示す。また、記録パワーとジッタとの関係の測定結果を図9(c)に示す。
Figure 2006033188
C2=1.3の場合は表2とジッタが変化していないのに対し、C2=1.2ではジッタが悪化している。このC2=1.2で記録したトラックの再生信号を観察したところ、フォーカスエラー信号が局所的に乱れているのと同じ箇所で信号振幅が小さくなっていた。このことから、デフォーカスが局所的に発生している箇所で実効的な照射エネルギーの低下が生じたために、パワーが低下したときに余裕のないC2=1.2の条件でジッタが悪化したものと考えられる。
以上のことから、このディスクでは、線速度24.6m/sではC1=1.2に、線速度65.6m/sではC2=1.3とする(すなわち、C1<C2とする)ことで、最低線速度でも最高線速度でも安定に良好なジッタで記録できることがわかった。
さらに、このディスクの再生信号を復調して、データのビットエラーレートを測定した。ジッタとビットエラーレートの相関を求めると、ジッタが9.5%以下の時にはビットエラーが発生しなかった。
このことから、ジッタが9.5%以下になるC1、C2の範囲ではより高品質に再生でき、より好ましいことがわかった。これらの範囲は、図9(a)の結果から、線速度24.6m/sでは1.14≦C1≦1.24、線速度65.6m/sでは1.25≦C2≦1.33であった。
本発明の光学的情報記録方法、光学的情報記録装置および光学的情報記録媒体は、パーソナルコンピュータ、サーバ、レコーダにも適用可能であり、上述と同様の効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る記録装置の構成を示すブロック図。 本発明の第1実施の形態に係る記録装置の動作を説明するフローチャート。 第1実施形態において、低線速度記録時の記録パワーとジッタ、記録トラックの状態の関係を説明する図。 第1実施形態において、高線速度記録時の記録パワーとジッタ、記録トラックの状態の関係を説明する図。 第1実施形態において、変調度からしきい値を求める方法の一例を説明する図。 本発明の第2実施形態に係る記録装置の構成を示すブロック図。 本発明の第2実施形態に係る記録装置の動作を説明するフローチャート。 本発明の実施例において、記録パワーとジッタとの関係を示す図。 本発明の実施例において、低線速度の記録でレーザ光を変調してマークを記録する一例を示す信号波形図および説明図。 従来例における、記録パルス信号とレーザ発光波形、記録状態の関係を説明する図。 従来例における、レーザ発光波形の別の例を示す図。 従来例における、低線速度記録時のマーク歪みの状態を示す図。
符号の説明
1 光ディスク
2 システム制御回路
3 変調回路
4 記録パルス発生回路
5 レーザ駆動回路
6 光ヘッド
7 線速度設定回路
8 スピンドルモータ
9 再生信号処理回路
10 ジッタ検出回路
11 パワー設定信号
12 変調信号
13 記録パルス信号
14 レーザ光
301 トラック
302 マーク
303 溶融領域
304 壁
601 アシメトリ検出回路
1001 前端パルス
1002 後端パルス

Claims (27)

  1. 光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、
    第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2として、前記記録パワーが(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように制御する、
    光学的情報記録方法。
  2. 前記再生信号の品質は、再生信号のジッタである、請求項1に記載の光学的情報記録方法。
  3. 前記再生信号の品質は、再生信号のエラーレートに基づく値である、請求項1に記載の光学的情報記録方法。
  4. 前記再生信号の品質は、再生信号の変調度に基づく値である、請求項1に記載の光学的情報記録方法。
  5. 光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、
    第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2として、前記記録パワーが(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように制御する、
    光学的情報記録方法。
  6. 光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、
    第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの再生信号のアシメトリをa1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの前記再生信号のアシメトリをa2として、前記記録パワーがa1<a2を満たすように制御する、光学的情報記録方法。
  7. 光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録方法であって、
    第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの再生信号のアシメトリをa1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの再生信号のアシメトリをa2として、前記記録パワーがa1<a2を満たすように制御する、光学的情報記録方法。
  8. 記録方式が、CAV記録方式である、請求項1から7のいずれか1項に記載の光学的情報記録方法。
  9. 前記第1の線速度v1と前記第2の線速度v2との間の値である線速度vでの記録パワーをPpとしたとき、線速度vの増大に応じてPpを増大させるように前記記録パワーを制御する、請求項1から8のいずれか1項に記載の光学的情報記録方法。
  10. 前記記録パルス間におけるパワーレベルが前記消去パワーと異なるよう制御する、請求項1から9のいずれか1項に記載の光学的情報記録方法。
  11. 記録パワーをPp、消去パワーをPb、記録パルス間のパワーレベルをPbtmとし、記録パルス間パワー係数αをα=(Pbtm−Pb)/(Pp−Pb)としたとき、
    前記第2の線速度v2における記録パルス間パワー係数が、前記第1の線速度v1における記録パルス間パワー係数より高くなるよう制御する、請求項1から10のいずれか1項に記載の光学的情報記録方法。
  12. 請求項1から5に記載の方法で情報を記録する光学的情報記録媒体であって、
    Pp1/Ppth1およびPp2/Ppth2の値を表す情報が記録されている、光学的情報記録媒体。
  13. 請求項1から5に記載の方法で情報を記録する光学的情報記録媒体であって、
    Pp1およびPp2の値を表す情報が記録されている、光学的情報記録媒体。
  14. 請求項6または7に記載の方法で情報を記録する光学的情報記録媒体であって、
    a1およびa2の値を表す情報が記録されている、光学的情報記録媒体。
  15. 前記記録膜が相変化材料からなり、
    前記相変化材料は、GeとTeを含み、さらにSnとBiのうちいずれかを含む、請求項12から14のいずれか1項に記載の光学的情報記録媒体。
  16. 複数のセクタに分割されたトラックを有し、
    前記セクタと前記セクタとの間にエンボストラックを有し、
    前記トラックが、前記エンボストラックの中心と前記セクタの記録トラックの中心とをずらすようにして形成された、請求項12から15のいずれか1項に記載の光学的情報記録媒体。
  17. 光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、
    異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、
    前記線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、
    前記記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と、
    再生信号の品質を検出する品質検出回路とを備え、
    第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2とすると、前記レーザ駆動回路は、(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように前記記録パワーを制御する、光学的情報記録装置。
  18. 前記品質検出回路は、再生信号のジッタを検出するジッタ検出回路である、請求項17に記載の光学的情報記録装置。
  19. 前記品質検出回路は、再生信号のエラーレートを検出するエラーレート検出回路である、請求項17に記載の光学的情報記録装置。
  20. 前記品質検出回路は、再生信号の変調度を検出する変調度検出回路である、請求項17に記載の光学的情報記録装置。
  21. 光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、
    異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、
    前記線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、
    前記記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と、
    再生信号の品質を検出する品質検出回路とを備え、
    第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth1、前記第1の線速度v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、前記再生信号の品質が所定の値を下回る前記記録パワーのしきい値をPpth2、前記第1の線速度v1で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp1、前記第2の線速度v2で前記情報を記録するときの前記記録パワーをPp2とすると、前記レーザ駆動回路は、(Pp1/Ppth1)<(Pp2/Ppth2)を満たすように前記記録パワーを制御する、光学的情報記録装置。
  22. 光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、
    異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、
    前記線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、
    前記記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と
    再生信号のアシメトリを検出するアシメトリ検出回路を備え、
    第1の線速度v1で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号のアシメトリをa1、v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーを固定し前記記録パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号のアシメトリをa2とすると、前記レーザ駆動回路は、a1<a2を満たすように前記記録パワーを制御する、光学的情報記録装置。
  23. 光学的情報記録媒体にレーザ光を照射し、記録膜の光学的特性を変化させてマークまたはスペースを形成し、少なくとも記録パワーと消去パワーを含む、複数のパワーレベルの間で前記レーザ光のパワーを切り換えた記録パルスまたは記録パルス列で前記マークを形成し、異なる2種類の線速度で、情報を記録する光学的情報記録装置であって、
    異なる2種類の線速度を設定する線速度設定回路と、
    前記線速度設定回路の設定結果に応じて前記記録パルスまたは前記記録パルス列を発生する記録パルス発生回路と、
    前記記録パルス列に基づき前記複数のパワーレベルで前記レーザ光を照射するレーザ駆動回路と
    再生信号のアシメトリを検出するアシメトリ検出回路を備え、
    第1の線速度v1で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させてテスト信号を記録したときの、再生信号のアシメトリをa1、v1より高い第2の線速度v2で、前記消去パワーと前記記録パワーとの比が一定となるよう前記各パワーを変化させて前記テスト信号を記録したときの、前記再生信号のアシメトリをa2とすると、前記レーザ駆動回路は、a1<a2を満たすように前記記録パワーを制御する、光学的情報記録装置。
  24. CAV記録方式により記録を行う、請求項17から23のいずれか1項に記載の光学的情報記録装置。
  25. 前記第1の線速度v1と前記第2の線速度v2との間の値である線速度vでの記録パワーをPpとしたとき、線速度vの増大に応じてPpを増大させるように前記記録パワーの制御が行われる、請求項17から24のいずれか1項に記載の光学的情報記録装置。
  26. 前記記録パルス間におけるパワーレベルが前記消去パワーと異なるよう制御が行われる、請求項17から25のいずれか1項に記載の光学的情報記録装置。
  27. 記録パワーをPp、消去パワーをPb、記録パルス間のパワーレベルをPbtmとし、記録パルス間パワー係数αをα=(Pbtm−Pb)/(Pp−Pb)としたとき、
    前記第2の線速度v2における記録パルス間パワー係数が、前記第1の線速度v1における記録パルス間パワー係数より高くするよう制御が行われる、請求項17から26のいずれか1項に記載の光学的情報記録装置。
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