JPWO2005105853A1 - βキチン複合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、シクロデキストリンをホストとし、その疎水領域の空洞内に、プロスタグランジン、脂溶性ビタミンなどの酸化・加水分解を受け易い生理活性物質や、溶解性や吸湿性の激しい医薬品、その他の揮発性物質などをゲストとして包接させたシクロデキストリン複合体も、ドラッグデリバリーシステムとして知られている。
しかしながら、製剤技術に基づくドラッグデリバリーシステムは、対象とする医薬や農薬などの剤形や使用する材質などに依存するので、限界がある。また、上記シクロデキストリン複合体などの包接化合物は、ホスト(例えばシクロデキストリン)が有する分子規模の空間内にゲスト化合物を包接するものであるから、包接されるゲスト化合物の化学的性質がホストの化学的性質と適合し、さらに、ゲスト化合物の大きさ、形状などがこの空間に適合する必要がある。従って、化学的性質、大きさ、形状などが極めて多様な医薬品、農薬などの個々の薬剤に対して最適なホストを見出して、包接化合物を形成させることは極めて困難である。そのため、新たな包接化合物を形成し得るシステムが望まれている。
新たな包接化合物を形成するためのホストとして、シート状のキチン分子鎖が積層された構造を有しているβキチン(β−1,4−ポリ−N−アセチル−D−ダルコサミンのβ型結晶)が注目されている。βキチンに関しては、Biopolymer,第7巻,281頁(1969年)に水の包接現象が報告され、また、ADVANCES IN CHITIN SCIENCE,第2巻,507−512頁(1997年)に種々の直鎖アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、およびn−オクタノール)の溶媒和結晶(crystallosolvates)が報告されている。本発明者らは、このβキチンのシート間にゲスト化合物を包接することを検討し、アクリル酸、炭素数3〜9の直鎖モノアミン、および炭素数2〜10の直鎖ジアミンをゲスト化合物とした包接化合物からなるβキチン複合体の合成に成功した(例えば、キチン・キトサン研究,第8巻(No.2),186頁(2002年)、キチン・キトサン研究,第9巻(No.2),100頁(2003年)、Biomacromolecules,第4巻,944−949頁(2003年))。
しかし、上記文献ではβキチンに包接されるゲスト化合物が限られている、あるいは包接化合物の製造方法が限られているなどの問題がある。
本発明は、βキチンをホストとし、該βキチンの水酸基および/またはアミド基と水素結合を形成し得る官能基を有し、融点が60℃以上である化合物をゲスト化合物として形成された包接化合物からなる、βキチン複合体を提供する。
一つの実施態様においては、前記ゲスト化合物が有機化合物または有機金属化合物である。
別の実施態様においては、前記官能基が酸素、窒素、硫黄およびハロゲン原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を有している。
さらに別の実施態様では、前記官能基が水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、ケタール結合、アミノ基、アミジノ基、イミノ結合、ジアゾ結合、アミド基、アミド結合、イミノエーテル結合、メルカプト基、チオカルボニル基、チオアルデヒド基、チオエステル基、チオエーテル結合、チオケタール結合、およびハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基である。
さらに別の実施態様では、前記ゲスト化合物が複数の官能基を有する。
また、異なる実施態様では、前記ゲスト化合物が複数の水酸基を有する糖類である。
さらに別の実施態様では、前記ゲスト化合物がビタミン、補酵素、ホルモン、抗生物質、神経伝達物質、細胞間情報物質、免疫反応抑制因子、免疫反応促進因子、酵素阻害剤、有機生理活性物質、殺虫剤、抗菌剤、芳香剤、香辛料、および調味料からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である。
本発明は、また、βキチンの水酸基および/またはアミド基と水素結合を形成し得る官能基を有し、融点が60℃以上であるゲスト化合物を融点以上かつ250℃未満に加熱して、ゲスト化合物の溶融物を調製する工程;および、該溶融物中に無水βキチンを浸漬する工程;を含む、βキチンをホストとする包接化合物からなるβキチン複合体の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、βキチンの水酸基および/またはアミド結合と水素結合を形成し得る官能基を有するゲスト化合物を溶剤中に溶解または懸濁させてゲストキャリヤ溶液を調製する工程;および該ゲストキャリヤ溶液中にβキチンを浸漬する工程;を含む、βキチンをホストとする包接化合物からるβキチン複合体の製造方法を提供する。
一つの実施態様においては、前記溶剤が、ゲスト化合物に対して貧溶媒である。
また、べつの実施態様では、前記溶剤に対するゲスト化合物の溶解度が5質量%以下である。
さらに別の実施態様では、前記溶剤が、有機溶剤である。
本発明は、さらに、βキチンに、所望しないゲスト化合物を予め包接させる工程;および、所望のゲスト化合物を添加し、該所望しないゲスト化合物と置換して、該所望の化合物を包接する工程;を含む、βキチンをホストとする包接化合物からなるβキチン複合体の製造方法を提供する。
一つの実施態様においては、前記所望のゲスト化合物と前記所望しないゲスト化合物との置換が、所望のゲスト化合物を溶剤に溶解または懸濁させてゲストキャリヤ液を調製する工程;および該ゲストキャリヤ液中に前記所望しないゲスト化合物を包接したβキチンを浸漬する工程;を含む工程で行われる。
図2は、無水ピロメリット酸をゲスト化合物とした場合の、X線回折データを示すチャートである。
キチンは、β−1,4−ポリ−N−アセチル−D−ダルコサミンであり、α型結晶構造を有するαキチン、β型結晶構造を有するβキチンなどが含まれる。本発明においては、β型結晶構造を有するβキチンが用いられる。このβキチンは、全てのキチン分子鎖が互いに平行にかつ同じ方向を向いており、キチン分子鎖間のファンデルワールス(Van der Waals)力と水素結合によりキチン分子鎖がシートを形成している。そして、この各シートが、疎水結合により積層した構造(シート状の積層構造)を有している。そして、これらシート間の結合はシート内の結合よりずっと弱いので、ある種の低分子物質はβキチン結晶と接触すると上記のキチンシート間に入り込み、比較的安定な包接化合物を形成することができる。
本発明に用いられるβキチンの分子量に、特に制限はない。βキチンの重合度は50以上であることが好ましく、100以上が好ましい。重合度は500以上、あるいは1000以上であってもよい。あまり大きいと取り扱いが困難になる傾向にあるので、重合度は2000以下であることが好ましい。藻類の培養物をホモジナイズして得られるβキチンの重合度は、ほぼ1000前後であり、好ましく用いられる。
本発明で用いるβキチンは、その一部のアセチル基が脱離していてもよい。
βキチンは、市販されているものを用いてもよい。あるいは、タラシオシラ属に属する藻類(珪藻)を培養し、生産されるβキチンを回収し、精製したものを用いてもよい。また、βキチンは、一般には水和物として存在するが、無水βキチンとして用いてもよい。
また、βキチンの錯体を形成させて、これをホストとして使用することもできる。βキチンと錯体を形成し得る物質として、ヘキシルアミン、水、エタノール、ジメチルスルホキシドなどが好ましく用いられる。
(ゲスト化合物)
本発明に用いられるゲスト化合物としては、βキチンの水酸基および/またはアミド結合と水素結合を形成し得る官能基を有する化合物が用いられる。ゲスト化合物としては、融点が60℃以上である化合物が好ましく、100℃以上である化合物がさらに好ましい。融点が60℃より低い化合物は、βキチンと包接化合物を形成させてβキチン複合体とする意義に乏しい。
キチン分子と強く結合できるという観点から、ゲスト化合物の官能基は非共有電子対を有する酸素、窒素、硫黄およびハロゲン原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を有することが好ましい。このような原子を有する官能基としては、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、ケタール結合、アミノ基、アミジノ基、イミノ結合、ジアゾ結合、アミド基、アミド結合、イミノエーテル結合、メルカプト基、チオカルボニル基、チオアルデヒド基、チオエステル基、チオエーテル結合、チオケタール結合、ハロゲン化アルキル基などが挙げられる。ゲスト化合物は、このような官能基を1または2以上含む。2以上の官能基を有することが、キチン分子との親和性の点から好ましい。
ゲスト化合物は、有機化合物や有機金属化合物であることが好ましいが、無機化合物であってもよい。
ゲスト化合物として用いられる有機化合物を例示すると、以下の通りである:ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンH(ビタミンB複合体のp−アミノ安息香酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンPQQ(ピロロキノリンキノリン)などのビタミン類;ニコチンアミド、ビオシチン、チアミン二リン酸などの補酵素類;エビネフリン(副腎ホルモン剤)、エストロン(ステロイド系発情ホルモン)、プロゲステロン(ステロイド系黄体ホルモン)などのホルモン類;硫酸ペプロマイシン、マイトマイシンCなどの抗生物質類;インドメタシン(非ステロイド系消炎鎮痛剤)、ジアゼパム(抗不安薬、催眠薬、骨格筋弛緩薬、抗痙攣薬)などの神経伝達物質類;サイトカイン、ケモカインなどの細胞間情報物質類;メソトレキサート(代謝桔抗抗がん剤)、フルタミド(ホルモン系抗がん剤)などの免疫反応抑制因子類;インターロイキンなどの免疫反応促進因子;アンジオテンシン変換酵素阻害剤などの酵素阻害剤類;核酸合成系、タンパク質合成系を活性化するスペルミンなどの有機生理活性物質類;農薬;農業用あるいは家庭用の殺虫剤、殺菌剤、抗菌剤、殺黴剤などの抗菌性物質類;芳香剤;香辛料;および調味料。
有機金属化合物としては、カルボプラチン(白金錯体系抗がん剤)およびネダプラチン(白金錯体系抗がん剤)などを挙げることができる。
無機化合物としては、シスプラチン(白金錯体系抗がん剤)などが挙げられる。
上記化合物は、同じ用途に使用する場合、あるいは複数の効果を期待して、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(包接化合物の製造方法)
βキチンにゲスト化合物を包接させる方法としては、ゲスト化合物の溶融物中にβキチンを浸漬する方法(溶融物中浸漬法)、ゲスト化合物の溶解液または分散液中にβキチンを浸漬する方法(溶解液中浸漬法)、いったん所望しないゲスト化合物をキチン中に包接させて、βキチンのキチン分子鎖シート面間隔を広げ、次いで所望のゲスト化合物を添加し、この所望しないゲスト化合物と置換して、所望の化合物を包接させる方法(ゲスト置換法)などが挙げられる。
(1.溶融物中浸漬法)
この方法は、ゲスト化合物の融点が60℃以上であり、かつ、融点以上に加熱しても熱的に安定で容易に溶融物となる場合、このゲスト化合物をその融点以上の温度で、かつゲスト化合物およびβキチンの分解温度以下の温度で加熱して溶融物とし、得られた溶融物中に無水βキチンを浸漬する方法である。βキチンは250℃以上では炭化されやすくなる。従って、この方法を用いる場合、ゲスト化合物の融点は250℃以下であることが好ましい。200℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがさらに好ましい。この方法によれば、ゲスト化合物とホストであるβキチンとを、直接かつ高濃度で接触させることができ、速やかに複合体を形成できるという利点がある。
なお、この方法においては、βキチンは、無水物であってもよく、水和物であってもよい。βキチンは、一般的には水和物として存在する。無水βキチンは、βキチン水和物を105℃で2時間乾燥させることにより、得られる。
(2.溶解液中浸漬法)
この方法は、ゲスト化合物を溶剤中に溶解または懸濁させてゲスト化合物の溶液(ゲストキャリヤ溶液)を調製し、このゲストキャリヤ溶液中にβキチンを浸漬し、ゲスト化合物を包接させる方法である。用いる溶剤は、ゲスト化合物およびβキチンとの反応性がなく、そして、βキチンを溶解しない溶媒であることが必要である。ゲストキャリヤ溶液は、ゲスト化合物の全てが溶剤中に完全に溶解した溶液であってもよく、ゲスト化合物の一部が溶剤中に溶解した懸濁液であってもよい。
ゲストキャリヤ溶液中のゲスト化合物の濃度は、用いるゲスト化合物および溶剤との組合せによって種々変動し得る。使用する溶剤に対するゲスト化合物の溶解性は、特に制限がない。ゲスト化合物を容易に溶解し得る溶媒(易溶性溶媒)であってもよく、ゲスト化合物が溶解しにくい溶媒(難溶性溶媒)であってもよい。
ゲスト化合物の溶解度が低いほど、ゲストキャリア溶液は容易に飽和し、ゲスト化合物がβキチンに包接され易くなる。従って、ゲスト化合物をβキチンに効率良く包接させるために、難溶性溶媒を用いることが好ましい。溶剤に溶解するゲスト化合物の濃度が5.0質量%以下、より好ましくは0.2〜2.0質量%の範囲であることが好ましい。
さらに、ゲストキャリヤ溶液を懸濁液の状態で使用すると以下の利点が生じる。すなわち、溶解したゲスト化合物がβキチンに包接されると、懸濁液中のゲスト化合物が溶剤中に溶解して飽和状態が維持される。そのため、ゲスト化合物がより効率良くβキチンに包接される。
このように、ゲスト化合物に対して貧溶媒である溶媒を用いてゲスト化合物とβキチンとを反応させ、βキチン複合体を形成させる方法は、希少な生理活性物質などをゲスト化合物とする場合に特に有用である。この方法を採用することにより、ゲスト化合物の使用量が少なくて済み、また、製造工程での損失を可及的に低減できるという利点があるからである。さらに、この方法は、包接されるゲスト化合物の量を調整できるので、包接化合物が薬剤である場合、薬剤量を調整することができる。従って、特に医薬のドラッグデリバリーシステムに有用であり得る。また、この方法は、ゲスト化合物の融点に左右されることがない。従って、上記溶融物中浸漬法では使用できない高い融点の物質、例えば無水ピロメリット酸(融点286℃)などの包接に、有効である。
この溶解液中浸漬法で用いる溶剤は、ホスト化合物の種類や溶解度などに応じて適宜選択することができる。このような溶剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリンなどの一価または多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;モノクロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;メチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミンなどのアミン類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルイミダゾリジンなどの非プロトン極性溶剤;などを例示することができる。
(3.ゲスト置換法)
この方法は、βキチンに、まず、所望しないゲスト化合物を予め包接させる工程、ついで、所望のゲスト化合物を添加し、所望しないゲスト化合物と置換して、所望の化合物を包接する工程の2つの工程を含む方法である。この2つの工程には、それぞれ独立に、上記溶融物中浸漬法あるいは溶解液中浸漬法を適用することができる。
この方法においては、上記2つの工程を繰り返し、多段階ゲスト置換法としてもよい。例えば、最も包接し易い、所望しないゲスト化合物をまず包接させ、ついで、次に包接しやすい、所望しないゲスト化合物に置換し、最終的に所望のゲスト化合物を包接させることもできる。特に、所望しないゲスト化合物を、所望のゲスト化合物で置換する方法として溶解液中浸漬法を適用する場合、溶剤として、所望しないゲスト化合物に対しては比較的易溶性であり、所望するゲスト化合物に対しては比較的難溶性の溶剤を用いることにより、より効率良く所望しないゲスト化合物を所望のゲスト化合物と置換することができる。
この多段階ゲスト置換法においては、順次、シート間の間隔が大きくなるように、所望しないゲスト化合物を選択して用い、最後の所望のゲスト化合物で置換する方法が好ましい。
(βキチン複合体)
本発明のβキチン複合体は、βキチンをホストとし、また、種々の化合物をゲスト化合物とする包接化合物である。このβキチン複合体(包接化合物)は、キチンの結晶格子を形成するキチン分子鎖シート面の間にゲスト化合物が挟み込まれた層間化合物である。このような構造を有するβキチン複合体は、ゲスト化合物が周囲の液体に溶解し易い場合、このβキチン複合体は、易溶性のゲスト化合物が周囲の液体に溶解して拡散する速度を制御し得る。また、反対に、ゲスト化合物が周囲の液体に溶解しにくいため、溶液あるいは懸濁液として投与することが難しい場合、βキチンを粉末、フィルム、繊維状成形物などの形状とし、これにゲスト化合物を包接させて、βキチン複合体とすることができる。このようなβキチン複合体は、生体に供給した場合、散逸あるいは組織への刺激などの望ましくない現象を抑制することができる。そのため、例えば生理活性物質をゲスト化合物としたドラッグデリバリーシステムを構築する上で極めて有用であると考えられる。従って、本発明のβキチン複合体は、医薬や農薬を始めとして、農業用や家庭用などの殺菌剤、殺黴剤、殺虫剤、食品、芳香剤などとして有用である。
(調製例:βキチンの調製)
中心目珪藻であるタラシオシラ・ワイスフロギイ(Thalassiosira weissflogii;CCMP 1051)株を用いた。人工海水培地(f/2培地)に同株を接種し、25℃で、通気しながら、5000ルクスの照度で2週間培養した。なお、f/2培地の組成は以下の表1に示す通りである。
得られた精製βキチンを室温で乾燥し、βキチン水和物を得た。無水βキチンは、βキチン水和物を105℃で2時間乾燥させることにより、調製した。
X線回折分析用のサンプルは、以下のようにして調製した。まず、乾燥βキチン5mgを水7mlに分散させた。このβキチンの分散液に、1質量%のフィブリノーゲン水溶液3mlを加え、ゆっくりと混合した。この混合液に濃トロンビン水溶液(約2質量%)を数滴滴下し、ついで、混合して、シャーレに広げてゲル化させた。ゲル化により、厚さ約3mmのゲルが得られた。このゲルを5mm×50mmの短冊状に切り、ろ紙上で水を除きながら、手で3倍程度にゆっくりと延伸した。延伸したゲルを1%水酸化カリウム水溶液に浸漬し、フィブリノーゲンを緩ませ、さらに1.5〜2倍(もとの4.5〜6倍)に延伸した。得られた糸状の試料を2cm程度に切断し、10mlの5%水酸化カリウム溶液に浸漬した。水酸化カリウム溶液を加温し、50℃で10分間保持することにより、フィブリノーゲンを溶解させた。次いで、糸状のキチン試料を10mlの蒸留水に浸漬し、水を数回交換してKOHを除去し、乾燥した。このキチン試料を、X線回折分析装置を用いて分析した。
(実施例1:p−フェニレンジアミンのβキチン複合体Aの調製)
ゲスト化合物であるp−フェニレンジアミン(融点140℃)を150℃に加熱して溶融した。この溶融物中に上記調製例で調製した無水βキチンを30分間浸漬した。ついで、βキチンを溶融物中から引き上げ、ろ紙で素早くβキチンの表面を拭って、βキチンの外表面に付着した溶融物を取り除いた。これにより、p−フェニレンジアミンを包接したβキチン複合体(βキチン複合体A)が得られた。
p−フェニレンジアミンが包接されたことの確認は、X線回折分析によりβキチンの結晶構造におけるキチン分子鎖シート面間隔(シート面間隔)を測定することによって、行った。
無水βキチンのシート面間隔に対応するピークの回折角(2θ)は、9.6度であった。この値から、無水βキチンのシート面間隔(d)を、ブラッグの式(2dsinθ=λ)から求めると0.92nmであった。なお、λは測定に用いたX線の波長0.154nmである。
他方、βキチン−p−フェニレンジアミン複合体Aのシート面間隔に対応するピークの回折角(2θ)は、7.1度であった。この値から計算すると、βキチン複合体Aのシート面間隔(d)は、1.296nmであった。このX線回折分析の結果から、βキチン複合体Aは、無水βキチンのキチン分子鎖シート面間が広がっており、p−フェニレンジアミンが包接されていることが確認された。
p−フェニレンジアミンの包接量(ゲスト包接量)は、βキチン複合体Aを適量のエタノールに浸漬してp−フェニレンジアミンを抽出し、ガスクロマトグラフィーで分析して求めた。βキチン複合体Aのゲスト包接量は、キトビオース単位当りp−フェニレンジアミン1分子(ゲスト/βキチン=108/406=0.266)であった。
(実施例2:p−フェニレンジアミンのβキチン複合体Bの調製)
p−フェニレンジアミン(ゲスト化合物)を1質量%となるようにベンゼンに溶解してゲストキャリヤ溶液を調製した。このゲストキャリヤ溶液中に、上記調製例で調製したβキチン水和物を25℃で30分間浸漬し、ゲストキャリヤ溶液中から引き上げた。βキチンの表面をろ紙で素早く拭ってβキチンの外表面に付着したゲストキャリヤ溶液を取り除き、p−フェニレンジアミンを包接したβキチン(βキチン複合体B)を得た。
得られたβキチン複合体Bについて、実施例1と同様にして、X線回折分析によりβキチン複合体Bのシート面間隔を測定した。βキチン複合体Bのシート面間隔は、1.30nmであり、無水βキチンのシート面間隔0.92nmより大きくなっていた。この結果から、βキチンをホストとし、p−フェニレンジアミンをゲストとする包接化合物であるβキチン複合体Bが得られたことが判明した。
この複合体Bは、実質的に実施例1の複合体Aと同一である。従って、この実施例2の方法は、ゲスト化合物であるp−フェニレンジアミンを、150℃という高温に加熱することなく、室温で、溶液からβキチンに包接させることができるという、優れた効果を発揮できる。
(実施例3:p−フェニレンジアミンのβキチン複合体Cの調製)
ゲストキャリヤ溶液を調製するための溶剤としてエタノールを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、βキチン複合体Cを得た。βキチン複合体CのX線回折分析のデータを、図1に示す。βキチン複合体Cのシート面間隔は、無水βキチンのシート面間隔より大きくなっていた。
(実施例4:アクリルアミドのβキチン複合体Dの調製)
融点が86℃のアクリルアミド(ゲスト化合物)を0.3質量%となるようにベンゼンに溶解してゲストキャリヤ溶液を調製した。このゲストキャリヤ溶液中に、上記調製例で調製したβキチン水和物を30分間浸漬し、ゲストキャリヤ溶液中から引き上げた。引き上げたβキチンの表面をろ紙で素早く拭ってβキチンの外表面に付着したゲストキャリヤ溶液を取り除き、アクリルアミドを包接したβキチン(βキチン複合体D)を得た。
得られたβキチン複合体Dについて、実施例1と同様にして、X線回折分析によりβキチンのシート面間隔を測定した。βキチン複合体Dのシート面間隔は1.27nmであり、無水βキチンのシート面間隔0.92nmよりも大きくなっていた。この結果から、βキチンをホストとし、アクリルアミドをゲストとする包接化合物であるβキチン複合体Dが得られたことが判明した。
(実施例5:アクリルアミドのβキチン複合体Eの調製)
実施例4のゲストキャリヤ溶液を50℃に維持し、βキチンのヘキシルアミン錯体を浸漬してβキチン複合体を調製したこと以外は、上記実施例4と同様にして、アクリルアミドを包接したβキチン複合体Eを得た。βキチン複合体Eのシート面間隔は無水βキチンのシート面間隔よりも大きくなっていた。このβキチン複合体EのX線回折分析のデータを図1に示す。なお、βキチンのヘキシルアミン錯体は、βキチンを室温のヘキシルアミンに浸漬して、調製した。
(実施例6:p−アミノ安息香酸のβキチン複合体Fの調製)
融点が186℃のp−アミノ安息香酸(ゲスト化合物)を0.2質量%となるようにベンゼンに溶解してゲストキャリヤ溶液を調製した。このゲストキャリヤ溶液中に、上記調製例で調製したβキチン水和物を50℃で30分間浸漬し、ゲストキャリヤ溶液中から引き上げた。引き上げたβキチンの表面をろ紙で素早く拭ってβキチンの外表面に付着したゲストキャリヤ溶液を取り除き、p−アミノ安息香酸を包接したβキチン(βキチン複合体F)を得た。
得られたβキチン複合体Fについて、実施例1と同様にして、X線回折分析によりβキチンのシート面間隔を測定した。βキチン複合体Fのシート面間隔は1.31nmであり、無水βキチンのシート面間隔0.92nmよりも大きくなっていた。この結果から、βキチンをホストとし、p−アミノ安息香酸をゲストとする包接化合物であるβキチン複合体Fが得られたことが判明した。このβキチン複合体FのX線回折分析のデータを図1に示す。
(実施例7:α−D−グルコースのβキチン複合体Gの調製)
融点が146℃の無水α−D−グルコース(ゲスト化合物)を7質量%となるようにピリジンに溶解してゲストキャリヤ溶液を調製した。このゲストキャリヤ溶液中に、上記調製例で調製したβキチン水和物を室温で30分間浸漬し、ゲストキャリヤ溶液中から引き上げた。引き上げたβキチンの表面をろ紙で素早く拭ってβキチンの外表面に付着したゲストキャリヤ溶液を取り除き、α−D−グルコースを包接したβキチン(βキチン複合体G)を得た。
得られたβキチン複合体Gについて、実施例1と同様にして、X線回折分析によりβキチンのシート面間隔を測定した。βキチン複合体Gのシート面間隔は1.31nmであり、無水βキチンのシート面間隔0.92nmよりも大きくなっていた。この結果から、βキチンをホストとし、α−D−グルコースをゲストとする包接化合物であるβキチン複合体Gが得られたことが判明した。このβキチン複合体GのX線回折分析のデータを図1に示す。
(実施例8:無水ピロメリット酸のβキチン複合体Hの調製)
ゲスト化合物である無水ピロメリット酸(融点285℃)の飽和アセトン溶液を調製した。この飽和アセトン/無水ピロメリット酸溶液に、βキチンのヘキシルアミン錯体を1時間浸漬した。ついで、βキチンを溶融物中から引き上げ、ろ紙で素早くβキチンの表面を拭って、βキチンの外表面に付着した溶融物を取り除いた。これにより、無水ピロメリット酸を包接したβキチン複合体(βキチン複合体H)が得られた。
得られたβキチン複合体Hについて、実施例1と同様にして、X線回折分析によりβキチンのシート面間隔を測定した。βキチン複合体Hのシート面間隔は1.29nmであり、無水βキチンのシート面間隔0.92nmよりも大きくなっていた。この結果から、βキチンをホストとし、無水ピロメリット酸をゲストとする包接化合物であるβキチン複合体Hが得られたことが判明した。βキチン複合体HのX線回折分析のデータを図2に示す。なお、βキチンのヘキシルアミン錯体を無水ピロメリット酸に浸漬したときのβキチン複合体H0のX線回折分析のデータを図2に示す。
また、本発明のβキチン複合体の製造方法は、このようなβキチン複合体を工業的に容易に製造することができるものであり、産業上、特に医薬や農薬の分野で極めて有用なものである。
Claims (14)
- βキチンをホストとし、該βキチンの水酸基および/またはアミド基と水素結合を形成し得る官能基を有し、融点が60℃以上である化合物をゲスト化合物として形成された包接化合物からなる、βキチン複合体。
- 前記ゲスト化合物が有機化合物または有機金属化合物である、請求項1に記載のβキチン複合体。
- 前記官能基が酸素、窒素、硫黄およびハロゲン原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を有する、請求項1または2に記載のβキチン複合体。
- 前記官能基が水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、ケタール結合、アミノ基、アミジノ基、イミノ結合、ジアゾ結合、アミド基、アミド結合、イミノエーテル結合、メルカプト基、チオカルボニル基、チオアルデヒド基、チオエステル基、チオエーテル結合、チオケタール結合、およびハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基である、請求項1から3のいずれかの項に記載のβキチン複合体。
- 前記ゲスト化合物が複数の官能基を有する、請求項1から4のいずれかの項に記載のβキチン複合体。
- 前記ゲスト化合物が複数の水酸基を有する糖類である、請求項1から5のいずれかの項に記載のβキチン複合体。
- 前記ゲスト化合物がビタミン、補酵素、ホルモン、抗生物質、神経伝達物質、細胞間情報物質、免疫反応抑制因子、免疫反応促進因子、酵素阻害剤、有機生理活性物質、殺虫剤、抗菌剤、芳香剤、香辛料、および調味料からなる群から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1から6のいずれかの項に記載のβキチン複合体。
- βキチンの水酸基および/またはアミド基と水素結合を形成し得る官能基を有し、融点が60℃以上であるゲスト化合物を融点以上かつ250℃未満に加熱して、ゲスト化合物の溶融物を調製する工程;および、該溶融物中に無水βキチンを浸漬する工程;を含む、βキチンをホストとする包接化合物からなるβキチン複合体の製造方法。
- βキチンの水酸基および/またはアミド基と水素結合を形成し得る官能基を有するゲスト化合物を溶剤中に溶解または懸濁させてゲストキャリヤ溶液を調製する工程;および
該ゲストキャリヤ溶液中にβキチンを浸漬する工程;を含む、βキチンをホストとする包接化合物からなるβキチン複合体の製造方法。 - 前記溶剤が、ゲスト化合物に対して貧溶媒である、請求項9に記載のβキチン複合体の製造方法。
- 前記溶剤に対するゲスト化合物の溶解度が5質量%以下である、請求項9または10に記載のβキチン複合体の製造方法。
- 前記溶剤が、有機溶剤である請求項9から11のいずれかの項に記載のβキチン複合体の製造方法。
- βキチンに、所望しないゲスト化合物を予め包接させる工程;および、
所望のゲスト化合物を添加し、該所望しないゲスト化合物と置換して、該所望の化合物を包接する工程;を含む、βキチンをホストとする包接化合物からなるβキチン複合体の製造方法。 - 前記所望のゲスト化合物と前記所望しないゲスト化合物との置換が、所望のゲスト化合物を溶剤に溶解または懸濁させてゲストキャリヤ液を調製する工程;および該ゲストキャリヤ液中に前記所望しないゲスト化合物を包接したβキチンを浸漬する工程;を含む工程で行われる、請求項13に記載のβキチン複合体の製造方法。
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