JPWO2004078450A1 - シート状物の熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

シート状物の熱処理装置および熱処理方法 Download PDF

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Abstract

長方向の長さがシート状物の幅よりも大きいスリットノズルを備えたノズル箱の側壁と熱処理室の側壁との間の両側の間隙を各々閉塞する閉塞部を有し、スリットノズルから、スリットノズルの長手方向でガス速度±25%以内の均一性を有するガスを吹き出してシート状物の熱処理を行う、幅方向に温度むらが小さい、エネルギー的にもロスの少ない熱処理装置およびこの熱処理装置を用いた熱処理方法を提供する。

Description

本発明は、シート状物を連続的に加熱または冷却して熱処理を行う熱処理装置に関する。特に樹脂シート等のシート状物を幅方向に均一に加熱または冷却して連続的に熱処理を行うことのできる熱処理方法において有効に利用される。
従来、樹脂シートの熱処理においては、シート材料の表面と平行にガスを流す方式の処理装置が知られている(例えば、特開平4−363580号公報参照)。またシート状基材の両面にスリット状のノズルから熱風を吹き付ける方式の装置も知られている(例えば、特開2002−69832号公報参照)。なお、スリット状ノズルの一例が、特開平2001−54746号公報に、また、シート状物出入口からのガスの漏洩を防止するシート通路口のシール構造の一例が、特開平5−106964号公報に開示されている。
しかしながら、特開平4−363580号公報記載の方法では、樹脂シート近傍のガス相に形成される温度境界層の層厚が大きく、樹脂シートとガスの間の熱伝達が悪いといった欠点がある。このため、所望の温度で熱処理するには、熱処理装置内での樹脂シートの滞在時間を長くするか、熱風の温度を上げる必要があり、生産性、エネルギー効率の面で不利である。
また、特開2002−69832号公報に記載の方法では、熱伝達は改善されるものの、シート状物と閉塞部との高さおよび角度を常に一定に保つことは非常に困難であり、通常シート状物と閉塞板の高さにずれを生じて、樹脂シートの中央部と両側部とで風速分布が変化し、樹脂シートの幅方向に温度むらが発生するといった問題がある。樹脂シートの幅方向に温度むらが発生すると、樹脂シートの品質に悪影響を与えることが多く好ましくはない。
樹脂シートの幅方向の温度むらを改善するため、特開2002−69832号公報の発明では隣接するノズル箱の間に熱風を通過させるための還流空間を形成すること、および、この還流空間に整流格子を取り付けることにより、還流する熱風の風速を均一化することができることについて言及している。しかしながら、ガス速度、ガス温度、また装置の構造などによりガスの流れは大きく変化するので、隣接するノズル箱の間の還流空間に整流格子を設置するだけでは運転条件によって樹脂シートの幅方向の温度分布が変わってしまうという欠点があり、より簡便な方法で安定的に樹脂シートの幅方向の温度の均一化を達成した、熱処理したシート状物の幅方向の温度むらの少ない熱処理装置が望まれている。
上記従来技術の現状に鑑み、本発明は、熱処理したシート状物の幅方向の温度むらの少ない、エネルギー的にもロスの少ない熱処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討し、被熱処理物のシート状物の走行方向と概略直交する方向にスリット状にガスを吹き出す、長手方向がシート状物の走行方向と概略直交するように配置された、長手方向の長さが該シート状物の幅よりも大きいスリット状の形状のノズル(スリットノズルと表すことがある)を備えたノズル箱を有するガス導入部を設け、かつ、熱処理室内に、熱処理室の側壁とノズル箱の側壁との間の両側の間隙の各々を閉塞する閉塞部を両端外壁部間に延設することにより、熱処理したシート状物の幅方向の温度むらを少なくし、エネルギー的にもロスを少なくすることができることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、少なくとも、対向する両端外壁部にシート状物の出入口を有する熱処理室と、熱媒体のガスを該熱処理室に導入するためのガス導入部と、該ガスを該熱処理室から排気するためのガス排出部と、該シート状物の出入口間を結ぶ該熱処理室内の直線状の経路に沿って該シート状物を走行させる搬送手段とを備えた熱処理装置であって、前記ガス導入部が、前記シート状物の走行方向と概略直交する方向にスリット状にガスを吹き出す、長手方向が該シート状物の走行方向と概略直交するように配置された、長手方向の長さが該シート状物の幅よりも大きいスリットノズルを備えたノズル箱を有し、前記ノズル箱が、ノズルの長手方向でガス速度±25%以内の均一性を有するガスを吹き出し、かつ前記熱処理室が、該熱処理室の側壁と該ノズル箱の側壁との間の両側の間隙を各々閉塞する、該熱処理室の両端外壁部間に延設された閉塞部を有する熱処理装置である。
また、上記本発明の熱処理装置は、前記ガスが、所定の温度に調整した空気であることが好ましい。
さらに、上記本発明の熱処理装置は、ノズル箱内に、開孔率70%以上かつ開孔ピッチPが5〜50mmであり、その高さZがP≦Z≦10×Pを満たすような整流格子を設置することが好ましい。
さらに、上記整流格子がノズルとの最短距離Yが0.5×P≦Y≦10×Pとなるように設置されることが好ましい。
さらに、上記本発明の熱処理装置は、前記ガス導入部が、複数のノズル箱を有し、かつ、該ノズル箱が該ノズル箱の間にガスが通過する間隙を有するように配置されていることが好ましい。
さらに、上記本発明の熱処理装置は、前記ノズル箱が、該スリットノズルのスリット幅をD、該スリットノズルの先端から前記シート状物までの距離をhとしたとき、h≦40×Dを満たすように配置されていることが好ましい。
さらに、上記本発明の熱処理装置は、前記ノズル箱が、N個のスリットノズルを備えており、Nは2以上、29以下であって、かつ、N×D≦h≦30×Dを満たすように配置されていることが好ましい。
さらに、上記本発明の熱処理装置は、前記スリットノズルからシート状物側に向かう方向であって、スリットノズルの向きと平行な方向とシート状物の走行方向とのなす鋭角であるノズル角度が30°から90°の範囲となるように設けられたスリットノズルを備えることが好ましい。
さらに、本発明は前記の熱処理装置を用いて、ノズル箱のスリットノズルからガス速度1〜200m/sのガスを吹き出すことによってシート状物を熱処理するシート状物の熱処理方法である。
さらに、上記本発明の熱処理装置は、前記ガス導入部が、前記シート状物の上下両面にノズル箱を備えることが好ましい。
さらに、上記本発明の熱処理装置は、前記シート状物が、1組のベルトに挟まれたシート状の樹脂であることが好ましい。
さらに上記本発明の熱処理方法は、前記シート状物が、1組のベルトに挟まれたシート状の樹脂であることが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態の熱処理装置の縦断面の概略を示す図である。
図2は、図1の熱処理装置の平面図の概略を示す図である。
図3は、本発明の他の実施形態の熱処理装置の縦断面の概略を示す図である。
図4は、図3の熱処理装置の平面図の概略を示す図である。
図5は、本発明に使用することのできるノズル箱の一例の側面図の概略を示す図である。
図6は、図5のノズル箱の正面図の概略を示す図である。
図7は、図1のノズル周辺部を拡大してその概略を示した図である。
図8は、図7のノズルをさらに拡大してその概略を示した図である。
図9は、本発明における整流格子として使用できる整流格子の例を示す図である。
図10は、図6のノズル箱の整流格子周辺をさらに拡大してその概略を示した図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、これらの図において矢印はガスの流れまたはシート状物の走行を示す。
図1は、本発明の熱処理装置の実施の形態の一例を説明するための図であり、本発明の熱処理装置の縦断面の概略を示し、図2は、この熱処理装置の平面図の概略を示す。
本発明において、図1または図2に示されるシート状物7は、シート状の形状を有するものであれば特に制限はなく、本発明の熱処理装置1を用いて熱処理することができる。シート状物7の具体例としては、例えば、樹脂材料からなるシート状物、金属材料からなるシート状物、ガラス材料からなるシート状物、セラミック材料からなるシート状物、紙もしくは繊維材料からなるシート状物等を挙げることができる。また、金属製のベルトで挟まれたシート状の樹脂、前記シート状物を組み合わせたものであってもよい。そのベルトは公知のエンドレスベルトを用いた連続キャスト製板方法に用いられるエンドレスベルトであって、その製板方法におけるベルトに挟まれたシート状物の一部であってもよい。
なお本発明においては、フィルム状の薄いものであってもシート状物と称する。
前記シート状物7は、熱処理室2において断続的にまたは連続的に処理することができる。シート状物7の熱処理を断続的に行う場合には、熱処理室2の対向する両端外壁部2a,2bに1つまたは複数のシート状物の出入口を設け、シート状物入口8aからシート状物を熱処理室2内に搬送し、熱処理室2内に静置し、一定時間を経た時点でシート状物7をシート状物出口8bから取り出して熱処理を行うことができる。また、連続的に熱処理を行う場合は、熱処理室2の対向する両端外壁部2a、2bにシート状物7の出入口8a、8bを設け、その間を結ぶ直線状の経路に沿って、ノズル箱3と平行に、シート状物7を走行させて熱処理を行うことができる。なお、本発明においては、熱処理室2内におけるシート状物7の走行方向をMD方向、シート状物7の走行方向に直交する方向をTD方向と表すことがある。
シート状物の搬送手段は、特に限定されるものではなく、ローラー式、ベルトコンベア式等公知の搬送手段を用いることができる。
また本発明におけるガスは、シート状物7を加熱または冷却して熱処理を行うための熱媒体として用いられ、熱処理条件において気体状であるものであって、本発明の目的を達成することのできるものであれば特に限定されない。本発明の熱処理装置に用いるガスは、被熱処理物であるシート状物の特性、熱処理の目的、熱処理条件等に応じて好適なものを選択すればよい。本発明に用いることのできるガスとしては、空気、窒素等の不活性ガス、燃焼排ガス、加熱蒸気等のガスを挙げることができるが、通常は空気が好ましい。
ガスは、熱処理の目的に応じて、常温で、ヒーター等で加熱して、または、冷却器等で冷却して所定の温度に調整して用いられる。
本発明の熱処理装置により行うことのできる常温のガスを用いる熱処理の例としては、例えば樹脂製フィルムの延伸工程後の冷却、樹脂製シートの冷却、金属鋳造物シートの冷却、ガラスシートの冷却等を挙げることができる。
また、本発明の熱処理装置により行うことのできる加熱したガスを用いる熱処理の例としては、例えば樹脂製フィルムの延伸工程での加熱、樹脂製シートのアニール工程における加熱、ガラスシートの加熱等を挙げることができる。具体的には、例えば、ポリプロピレン製フィルムを延伸する場合にはガラス転移以上かつ溶融温度以下で処理する必要があるため、130〜170℃程度の温度域で処理される。
さらに、本発明の熱処理装置により行うことのできる冷却したガスを用いる熱処理の例としては、例えば樹脂シートの冷却、電子部品の冷却等を挙げることができる。具体的には、例えば、電子基板を窒素等の不活性ガスを循環利用して冷却する場合には、0℃〜常温程度までガスを冷却して使用する。
また、本発明の熱処理装置を用いて熱処理を行う場合においては、ノズル箱に備えられたノズルから吹き出すガスのノズル先端における速度(ガス速度と表すことがある)は、熱処理されるシート状物の種類によって選定される。通常、ガス速度は、1〜200m/sの範囲内で調整される。例えば、本発明の熱処理装置を用い、電子基板を冷却する場合には、1〜20m/s、また、金属鋳造シートを常温のガスにて冷却する場合には2〜200m/s、さらに、樹脂製シートの加熱では1〜50m/s程度のガス速度で熱処理される。
具体的には、例えば、本発明の熱処理装置を用い厚み300μm程度の樹脂フィルムを熱処理(50〜200℃のガスで加熱)する場合、吹き出すガスにより樹脂シートが変形する虞があるため、通常、1〜20m/s、好ましくは2〜15m/s、より好ましくは3〜10m/sのガス速度が選択される。一方、厚みが0.3〜20mm程度の樹脂シートを100〜200℃ガスでのアニール処理や常温のガスを使用しての冷却を行う場合、通常1〜100m/s、好ましくは3〜60m/s、さらに好ましくは5〜50m/sのガス速度が選択される。一方、厚みが5〜100mm程度の金属鋳造物シートの冷却を行う場合などは、通常、20〜200m/s、好ましくは30〜150m/s、より好ましくは50〜100m/sのガス速度が選択される。
本発明の熱処理装置におけるガス速度は、例えばガス導入部の流路内にダンパーを設け、その開度を変更することで調整するなど公知の方法を用いて調整すればよい。
また、本発明の目的であるシート状物の幅方向に均一な熱処理を行う為には、本発明の熱処理装置におけるガス速度は、ノズルの長手方向で±25%以内の均一性、より好ましくは±20%の均一性、さらに好ましくは±15%の均一性を有することが好ましい。前記ガス速度の均一性は、ノズルの長手方向の平均ガス速度に対しての偏差をいい、例えばノズルの長手方向を10点以上に等分し、それをガス速度の測定点とし、それらの測定点のガス速度を平均した上で、その平均速度からの偏差の最大最小を求めることにより定めることができる。
本発明の熱処理装置におけるガス速度の均一性は、日本機械学会編「機械工学便覧 新版6刷」、丸善株式会社出版、1993年7月30日、p.A5−85−86に記載の公知の方法を用いて達成すればよく、例えば金網、多孔板、整流格子をノズル箱内に設置し、所望の均一性を達成すればよい。
ただし、上記文献は均一性を達成する為のおおよその指針は与えるが本発明に使用するノズル箱について最適な設計指針を示すものでない。本発明におけるスリットノズル9においては、開孔率70%以上、好ましくは開孔率80%以上、より好ましくは開孔率90%以上の整流格子を開孔ピッチPが5〜50mm、好ましくは10〜40mm、より好ましくは15〜35mmであり、その高さZがP≦Z≦10×P、好ましくは1.5×P≦Z≦8×P、より好ましくは2×P≦Z≦6×Pを満たすような整流格子10を図10に示すようにノズル箱内に設置することで上記のガス流速の均一性を容易に達成することが出来る。ここで開孔率を70%以上とすると圧力損失が小さくなり、エネルギーロスを小さくすることができる。同様に開孔ピッチPを5mm以上にすることおよび高さZを10×P以下にすると圧力損失が減少しエネルギーロスを小さくすることができる。逆に開孔ピッチPを50mm以下にすることおよび高さZをP以上にすると十分な整流効果が得られ、所望のガスの均一性を達成することができる。
また前記整流格子とノズル9との最短距離Yは0.5×P≦Y≦10×P、好ましくは2×P≦Y≦8×P、より好ましくは3×P≦Y≦6×Pとなるように設置することで均一性に優れたガスを提供できる。ここでYを0.5×P以上にするとノズルに入るガスが整流格子により規定されずガス流量が均一に保たれ、Yを10×P以下にすると整流したガスが再び乱されることがなくガス速度にばらつきを生じることがない。
前記整流格子の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば図9に示すような円形、三角形、4角形、6角形等公知の形状が使用できる。
上記ガス速度の均一性を25%以内とするとシート状物の熱処理において温度むらを少なくすることができ、所望の幅方向の熱処理の均一化を達成することができる。なお、本発明におけるガス速度の均一性は、被加熱物が無い状態でスリットノズル先端の位置にてガス速度を測定して算出した。
本発明の熱処理装置のガス導入部は、少なくともシート状物の上側または下側に、一個または複数のノズル箱を有する。シート状物の上側のみにノズル箱を有してもよいし、下側のみにノズル箱を有してもよいし、図1に示したように、上下の両側にノズル箱を有していてもよい。熱効率の向上が容易となるところから、通常、シート状物の上側および下側の両側にノズル箱を有するガス導入部が好ましい。
本発明の熱処理装置において、シート状物の上側または下側に、複数のノズル箱を有するガス導入部を採用する場合には、ノズル箱を均等に配置する等してノズル箱間に適当な間隙を設け、これにより、熱処理室内におけるノズル箱間の間隙を経由するガスの排気が均一な流れを形成するようにするのが好ましい。
本発明で使用することのできるノズル箱3の形状はスリットノズルを備えるものであればどのような形状を有していてもよく、公知のノズル箱の中から、本発明に適したものを選択して用いることができる。例えば、上記特開平2001−54746号公報に開示されているガスノズルを本発明の熱処理装置のノズル箱3として用いることができる。また、本発明で適用できる他のノズル箱の例を図5および図6に示す。これらの図において10は金網、多孔板、整流格子等のガス速度の均一性を向上させるために使用する部材を示す。
スリットノズル先端からスリット状に吹き出されたガスは、シート状物に衝突すると流れの向きが変えられ、シート状物の表面に平行な方向に流れる。このシート状物へのガスの衝突によってシート状物表面付近の伝熱境界層を充分薄くすることができる。これにより、本発明の熱処理装置は、効率のよい伝熱を達成することができる。しかしながら、ノズル箱に設置されたスリットノズルの個数Nが2個以上である場合、ノズルから出たガスの流れは、他のノズルから吹き出されシートに平行に流れるガスにより影響を受ける。
スリットノズルのスリット幅Dに対し、ノズル先端からシート状物までの距離hが大きく、h≦40×Dとすると、スリットノズル先端から出たガスがシート状物表面に到達する以前にガスの拡散により衝突の際のエネルギーを減じることがなく、シート状物表面付近の伝熱境界層を充分薄くすることができ、効率的な熱伝達を達成することができる。それゆえ、本発明の熱処理装置のノズル箱は、h≦40×Dを満たすように配置するのが好ましい。また、本発明の熱処理装置のノズル箱は、より好ましくはh≦30×Dを満たすように、さらに好ましくはh≦20×Dを満たすように配置される。
なお、ノズル箱が、2個以上の数のスリットノズルを備えている場合は、スリットノズル先端からシート状物までの距離hが、ノズル箱に設置されているスリットノズルの個数Nとノズルのスリット幅Dとの積N×D未満となると、すなわちh<N×Dとなると、hを小さくしてもそれに応じてシート状物表面付近の伝熱境界層の層厚がさらに薄くならず、伝熱効率がこれに応じて向上しないところから、hがh≧N×Dを満たすようにノズル箱を配置するのが好ましい。また、h≧1.5×N×Dとするのがさらに好ましい。
このように、ノズル箱を配置すると、ガスにより製品が変形することもなく、ノズル先端とシート状物が接触し、製品不良が発生することもない。
本発明に用いることのできるノズル箱に設けられるノズルは、ノズル先端部からスリット状にガスを吹き出す。このノズルは、通常、その長手方向が、熱処理装置のMD方向、すなわち、熱処理室内において被熱処理物であるシート状物が走行する方向に概略直交するように配置される。図7は、本発明の熱処理装置のノズル箱に備えられたスリットノズルの配置の一実施形態の概要を示す図であり、図8は、図7のノズルをさらに拡大してその概要を示した図である。スリットノズル9のノズル角度θ(スリットノズルからシート状物側に向かう方向であって、スリットノズルの向きと平行な方向とシート状物7の走行方向とのなす鋭角)は、特に限定されないが、一般的には30°〜90°の範囲にあることが効率的な熱処理をする上で好ましい。さらに好ましいノズル角度θは、40°〜90°である。最も好ましいノズル角度θは40°〜80°である。
本発明のノズル箱に設けられたスリットノズルの長手方向の長さは、本発明の目的を達成することができる限り特に限定されないが、シート状物のTD方向の温度を均一にするのが容易となるところから、一般的には、熱処理対象物であるシート状物のTD方向全幅をカバーするのに必要な長さ以上の長さとするのが好ましい。また、スリットノズルのスリット幅Dも、本発明の目的を達成することができる限り特に限定されない。熱処理対象物のシート状物の形状や熱処理の目的に応じ、適したスリット幅とすればよい。
本発明の熱処理装置は、熱処理室の両側壁部2c、2dとノズル箱の側壁との間の両側の間隙を各々閉塞する、熱処理室2の両端外壁部2a、2b間に延設された閉塞部6aおよび6bを有する。ガス導入部がシート状物の上側と下側の両側にノズル箱を有する場合には、少なくとも上側または下側のノズル箱の側壁と、熱処理室の両側壁部2c、2dとの間の両側の間隙を各々閉塞する、熱処理室2の両端外壁部2a、2b間に延設された少なくとも一組の閉塞部6a、6bを有する。シート状物のTD方向の温度を均一にするのが容易となるところから、通常、上側および下側に設けたノズル箱両者の両側の各々に一組の閉塞部6a、6bを設けるのがより好ましい。
前記閉塞部の構造は、特に限定されるものではなく、熱処理室側壁部2cおよび2dからこれに対向するノズル箱の側壁に至る空間を、例えば、熱処理室の両端外壁部2aから2bの間の長さを有する厚さ数mmの平板で閉塞した構成の構造を有するものであってもよい。
熱処理室に閉塞部が設置されていない場合には、ノズル箱の側壁と熱処理室の側壁部との間の間隙部へ向かうガスの流れが形成され、シート状物の幅方向にガスの速度むらが形成され、結果的にシート状物の両側に加熱むら(または冷却むら)が発生する。しかしながら、ノズル箱3の側壁から熱処理室の両側壁部の間の間隙を閉塞する、熱処理室の両端外壁部にわたる閉塞部を設置すると、排気ガスの流路は、ノズル箱と熱処理室の両端外壁部との間隙に限定され、複数のノズル箱を有しこれらのノズル箱の間に間隙を設けたガス導入部の場合には、前記間隙とノズル箱とノズル箱との間の間隙に限定され、シート状物の両側方向へのガスの流れが抑制されシート状物の幅方向に均一な熱処理を行うことが可能となる。ただし前記特開2002−69832号公報記載の装置のように、閉塞部をシート状物の両側に設けた場合には、通常シート状物と閉塞部の高さにずれを生じるため幅方向にガスの流れを生じ均一な熱処理を行うことが困難となる。
上述したように、本発明の熱処理装置においては、ノズル先端からスリット状に吹き出されたガスの大部分はシート状物7に衝突すると流れの向きが変えられ、シート状物の表面に平行な方向に流れ、ノズル箱3と熱処理装置の両端外壁面の隙間を、複数のノズル箱を有しこれらのノズル箱の間に間隙を設けたガス導入部を有する場合には、前記ノズル箱とノズル箱との間隙およびノズル箱3と熱処理室の両端外壁面の隙間を、上昇もしくは下降しガス排出部5を通って排出される。
ガス排出部は、熱処理室上下外壁部2e、2fの少なくとも一方、熱処理室側壁部2c、2dの少なくとも一方または熱処理室両端外壁部2a、2bの少なくとも一方に設置することができる。また、排気ガスの流れをより均一にするために、複数箇所にガス排出部を設けてもよい。たとえば、熱処理室上下外壁部2e、2fの両壁部、熱処理室側壁部2c、2dの両側壁部または熱処理室両端外壁部2a、2bの両外壁部に設けることができる。熱処理室の高さに制限がある場合は、ガス排出部は、熱処理室の両端外壁部2a、2bに設ければよく、制限のない場合は上記のいずれの位置に設けてもよい。
ガス排出部から排出されたガスは外部へ廃棄されることもあるが、通常は、回収され再び所定の温度に調整された後、ファンなどを用いて再びガス導入部に送られ再利用される。この際、外部からガスを供給し回収されたガスと混合してガス導入部に供給し、または、回収ガスの一部を外部に放出しても何ら本発明の本質に影響するものではない。
本発明の熱処理装置は複数個並べて設置することができる。この場合、熱処理装置のガス導入部へのガスの供給は、同一ラインを使用してもよいし、各々個別のラインを使用してもよい。また、各々の熱処理室間で個別の制御を行ってもよい。また、複数のノズル箱を有するガス導入部の場合、各々のノズル箱ごとに個別の制御を行ってもよい。
ガス排出部についても同様に、同一ラインを使用してもよいし、各々個別のラインを使用してもよい。また、各々の熱処理室間で個別の制御を行ってもよい。
本発明の熱処理装置は、開放系の方式のものであってもよいが、エネルギー効率を考慮すると、半密封系の方式のものであるのが好ましい。また、対向する両端外壁部に設けたシート状物の出入口からのガスの漏洩、熱処理室内への外気の侵入を防止するために、前記対向する両端外壁部の熱処理室外側にシート状物の出入口を有するシール室をさらに設けてもよい。シール室の構成は特に限定されず、公知のもののなかから適したものを選択すればよい。また、例えば、シート状物出入口のシール性を高めるため前記特開平5−106964号公報に記載のシール構造など公知の技術を用いてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
本実施例において、ガス流速およびノズルの長手方向のガス速度の均一性は、次の方法により評価した。
[ガス流速]
本実施例において、ガス流速は、熱式風速計(日本カノマックス株式会社製、アネモマスター風速計 MODEL6162;商品名)を用いてノズルの長手方向に100mmごとにノズル先端部にプローブを接近させて測定した。
[ノズルの長手方向のガス速度の均一性]
本実施例において、ノズルの長手方向のガス速度の均一性は、前記ガス流速をノズルの長手方向に等間隔で30点測定し、そのガス流速の平均値を基準に、前記ガス流速の偏差の最大値と最小値により算出した。
また本実施例の平均伝熱係数Uの値は、本実施例の樹脂シート表面の入口温度と出口温度の測定値から、下記の式に基づいて算出した。
すなわち、平均伝熱係数Uを仮定し、この平均伝熱係数Uの仮定値を用いて、装置出口での樹脂シート温度を式2〜4の境界条件のもとで式1に基づいて計算し、この計算値と実測値との差を0.5℃以下とする前記平均伝熱係数Uの仮定値を本実施例の平均伝熱係数とした。この時、被加熱物の樹脂シートの上下での温度分布は厚み方向の中心位置に対して対称であるとした。
Figure 2004078450
上記式において、
λ:被加熱物の熱伝導率
ρ:被加熱物の密度
:被加熱物の比熱
T:被加熱物の温度
:被加熱物の初期温度
:ガス温度
δ:被加熱物の表面温度
t:熱風加熱装置入口に到達してからの時間
x:被加熱物の厚み方向の中心位置からの距離
x=0:被加熱物中心
x=δ:被加熱物表面
U:伝熱係数
本実施例に使用した熱処理装置の概要を、図1および図2に示す。
本実施例において使用した熱処理装置のガス導入部は、シート状物7の上側と下側の各々に同一形状のノズル箱3を有する。ノズル箱3の本体部は、直方体形状でMD方向の長さ1400mm、TD方向の幅3200mm、高さ800mmであり、第1のスリットはノズル箱の前端部から100mmの位置に、第10のスリットは後端部から100mmに位置するようにし、等間隔に配置されたスリットノズルを10個有している。前記スリットノズルは、長手方向の長さ3200mm、スリット幅Dを3mm、スリットノズル先端からシート状物までの距離hを40mm、ノズルの長手方向は、シート状物の走行方向と直交する方向に配置されており、スリットノズルからシート状物側に向かう方向であってスリットノズルの向きと平行な方向と、シート状物の走行方向とのなす鋭角であるノズル角度は60°となるように設けられている。
熱処理室は、前端外壁部2aから後端外壁部2bの長さが2000mm、側壁部2cから側壁部2dの間の長さが4000mmであり、熱処理室の側壁部2c、2dの各々から対向するノズル箱側壁への距離はそれぞれ400mmであり、熱処理室の両端外壁部2a、2bの各々から、対向するノズル箱端壁までの距離はそれぞれ300mmである。
熱処理室の側壁部2cおよび2dからこれらに対向する上側および下側のノズル箱側壁の間の間隙をそれぞれを、幅400mm、長さ2000mmの閉塞板6a、6bを用いて閉塞した。上側のノズル箱の側壁と熱処理室の側壁との間に設けた閉塞板は、ノズル箱の本体の上端から400mmの位置となるように、一方、下側のノズル箱の側壁と熱処理室の側壁との間に設けた閉塞板は、ノズル箱の本体の下端から400mmの位置となるように閉塞板を設置した。
シート状物7の上側および下側のノズル箱3のスリットノズルから吹き出す各々のガス速度を10m/s、ノズル箱3の各々の内部温度を100℃になるようガス導入部のガス導入口4から流入するガスを制御し、ノズル先端から熱処理室に導入したガスはガス排出部5から排気した。
ノズル箱内にはピッチPが20mm、長さZが50mm、開孔率が94.2%の正6角形の格子である整流格子をノズルとの距離Yを50mmとなるように設置した。このときP(20mm)<Z(50mm)<10×P(200mm)、0.5×P(10mm)<Y(50mm)<10×P(200mm)であり、またこのノズル箱のガス速度のノズル長手方向の均一度は±8%であった。
この熱処理装置に幅3100mm、厚み1.5mmのエンドレスSUSベルトに挟まれた幅3000mm、5mm厚の樹脂(PMMA)シートを、上側ノズル箱と下側ノズル箱との間の空間の中央部に位置する、シート状物出入口間を結ぶ直線状の経路に沿って、走行させ熱処理した。シート状物入口8aに30℃の均一温度を有する樹脂シートを2m/minのスピードで供給し、シート状物出口8bで樹脂シートの幅方向に対して均等に10分割した位置に接触式の熱伝対を設けてエンドレスSUSベルトの表面温度を計測し、その平均値からの偏差から温度むらを算出した。
樹脂シートの出口のエンドレスSUSベルトの表面温度平均値は46℃となり、幅方向の温度むらは±1℃以内となった。またこのときの平均伝熱係数Uの値は、40W/(m・K)であった。
本実施例に使用した熱処理装置の概要を、図3および図4に示す。
シート状物の上側および下側に同一形状のノズル箱5個をそれぞれ有するガス、導入部であって、各々のノズル箱3は、本体部が直方体形状MD方向の長さ300mm、TD方向の幅3200mm、高さ800mmであり、第1のスリットがノズル箱の前端部から100mmの位置に、第2のスリットが後端部から100mmの位置になるように配置されたスリットノズルを2個有しており、各々のノズル箱3はそれらの間の間隙が200mmとなるように配置されたガス導入部とした以外は、実施例1と同様にして熱処理を行った。尚このノズル箱のガス速度のノズル長手方向の均一度は±7%であった。
樹脂シートの出口温度平均値は45℃となり、幅方向の温度むらは±0.5℃以内となった。またこのときの平均伝熱係数Uの値は、37W/(m・K)であった。
シート状物を、厚み1.5mmのSUSベルトに挟まれた5mm厚の樹脂シートの替わりに、厚み150μmのPMMAフィルムとし、供給スピードを20m/minとした以外は実施例1と同様にして熱処理を行った。
PMMAフィルムの出口温度平均値は87℃となり、幅方向の温度むらは±0.5℃以内となった。またこのときの平均伝熱係数Uの値は、40W/(m・K)であった。
スリットノズルの先端からシート状物までの距離hを20mmに設定した以外は実施例1と同様にして熱処理を行った。樹脂シートの出口温度平均値は47℃となり、幅方向の温度むらは±1.0℃以内となった。またこのときの平均伝熱係数Uの値は、42W/(m・K)であった。このとき、h(20mm)<40D(120mm)であった。また、h(20mm)<N×D(30mm)<30×D(90mm)であった。
スリットノズルのノズル角度を20°に設定したノズル箱を使用した以外は実施例1と同様にして熱処理を行った。尚このノズル箱のガス速度のノズル長手方向の均一度は±7%であった。樹脂シートの出口温度平均値は40℃となり、幅方向の温度むらは±1.0℃以内となった。またこのときの平均伝熱係数Uの値は、22W/(m・K)であった。
スリットノズルの先端からシート状物までの距離hを150mmに設定した以外は実施例1と同様にして熱処理を行った。樹脂シートの出口温度平均値は35℃となり、幅方向の温度むらは±1.0℃以内となった。またこのときの平均伝熱係数Uの値は、12W/(m・K)であった。このとき、h(150mm)>40×D(120mm)であった。また、N×D(30mm)<30×D(90mm)<h(150mm)であった。
ノズル箱内に整流格子10を取り付けず、厚み1.5mm、孔径8mm、ピッチ20mm、開孔率14.4%の丸孔千鳥抜60度の多孔板をノズルとの距離Yが50mm、75mm、100mmの3箇所に設置した以外は実施例1と同様にして熱処理を行った。尚このノズル箱のガス速度のノズル長手方向の均一度は±11%であった。
樹脂シートの出口のエンドレスSUSベルトの表面温度平均値は46℃となり、幅方向の温度むらは±1.5℃以内となった。またこのときの平均伝熱係数Uの値は、40W/(m・K)であった。
[比較例1]
熱処理室に閉塞板6a、6bを取り付けなかった以外は実施例1と同様にして熱処理を行った。樹脂シートの出口温度平均値は45℃となり、幅方向の温度むらは±3.0℃となった。またこのときの平均伝熱係数Uの値は、37W/(m・K)であった。
[比較例2]
熱処理室に閉塞板6a、6bを取り付けなかった以外は実施例2と同様にして熱処理を行った。樹脂シートの出口温度平均値は44℃となり、幅方向の温度むらは±2.5℃となった。またこのときの平均伝熱係数Uの値は、34W/(m・K)であった。
[比較例3]
ノズル箱に整流格子10を取り付けなかった以外は実施例1と同様にして熱処理を行った。またこのノズル箱のガス速度のノズル長手方向の均一度は±30%であった。樹脂シートの出口温度平均値は46℃となり、幅方向の温度むらは±3.0℃となった。またこのときの平均伝熱係数Uの値は、40W/(m・K)であった。
産業上の利用の可能性
以上説明したように、本発明の熱処理装置を用いればシート状物の幅方向に温度むらがほとんど生じることなく熱処理を行え工業上有用である。

Claims (12)

  1. 少なくとも、対向する両端外壁部にシート状物の出入口を有する熱処理室と、熱媒体のガスを該熱処理室に導入するためのガス導入部と、該ガスを該熱処理室から排気するためのガス排出部と、該シート状物の出入口間を結ぶ該熱処理室内の直線状の経路に沿って該シート状物を走行させる搬送手段とを備えた熱処理装置であって、
    前記ガス導入部が、前記シート状物の走行方向と概略直交する方向にスリット状にガスを吹き出す、長手方向が該シート状物の走行方向と概略直交するように配置された、長手方向の長さが該シート状物の幅よりも大きいスリットノズルを備えたノズル箱を有し、
    前記ノズル箱が、ノズルの長手方向でガス速度±25%以内の均一性を有するガスを吹き出し、かつ前記熱処理室が、該熱処理室の側壁と該ノズル箱の側壁との間の両側の間隙を各々閉塞する、該熱処理室の両端外壁部間に延設された閉塞部を有する熱処理装置。
  2. 前記ガスが、所定の温度に調整した空気である請求項1記載の熱処理装置。
  3. 前記ノズル箱内に、開孔率70%以上かつ開孔ピッチPが5〜50mmであり、その高さZがP≦Z≦10×Pを満たすような整流格子を設置した請求項1に記載の熱処理装置。
  4. 前記整流格子がノズルとの最短距離Yが0.5×P≦Y≦10×Pとなるように設置された請求項3に記載の熱処理装置。
  5. 前記ガス導入部が、複数のノズル箱を有し、かつ、該ノズル箱が該ノズル箱の間にガスが通過する間隙を有するように配置されている請求項1に記載の熱処理装置。
  6. 前記ノズル箱が、該スリットノズルのスリット幅をD、該スリットノズルの先端から前記シート状物までの距離をhとしたとき、h≦40×Dを満たすように配置されている請求項1に記載の熱処理装置。
  7. 前記ノズル箱が、N個のスリットノズルを備えており、Nは2以上、29以下であって、かつ、N×D≦h≦30×Dを満たすように配置されている請求項6記載の熱処理装置。
  8. スリットノズルからシート状物側に向かう方向であって、スリットノズルの向きと平行な方向とシート状物の走行方向とのなす鋭角であるノズル角度が30°から90°の範囲となるように設けられたスリットノズルを備える請求項1記載の熱処理装置。
  9. 請求項1に記載の熱処理装置を用いて、ノズル箱のスリットノズルからガス速度1〜200m/sのガスを吹き出すことによってシート状物を熱処理するシート状物の熱処理方法。
  10. 前記ガス導入部が、前記シート状物の上下両面にノズル箱を備える請求項1に記載の熱処理装置。
  11. 前記シート状物が、1組のベルトに挟まれたシート状の樹脂である請求項1に記載の熱処理装置。
  12. 前記シート状物が、1組のベルトに挟まれたシート状の樹脂である請求項9に記載のシート状物の熱処理方法。
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