JPWO2004029943A1 - 光記録媒体及び光記録媒体の記録装置 - Google Patents

光記録媒体及び光記録媒体の記録装置 Download PDF

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Abstract

DVD等の光記録媒体は、データの書き換えが可能なデータ記録領域(103)と、追記のみでデータの消去が行えないライトワンス領域(104)とを有する。ライトワンス領域(104)に光ディスクに固有の番号である媒体固有番号情報(105)が記録され得る。データ記録領域(103)においてデータ記録部分とデータ未記録部分の反射率は異なり、ライトワンス領域(104)に形成された記録ピットの反射率はデータ記録領域(103)のデータ記録部分とデータ未記録部分の反射率のうちの高い方の反射率よりも高い。ライトワンス領域(104)へのデータの記録は、データ記録領域(103)に書き換え可能なデータを記録するのに必要な熱量の3倍〜25倍の熱量のレーザ光をライトワンス領域(104)に照射することにより行う。

Description

本発明は、光学的に情報を記録する光ディスク等の光記録媒体、並びにその光記録媒体に対して情報の記録、再生を行う装置に関する。
近年、光ディスクのAV(オーディオ・ビジュアル)機器やPC(パーソナル・コンピュータ)への応用が非常に活発である。例えば音楽用に開発されたCD(Compact Disc)は、PC用のプログラムやアプリケーションを提供するための再生専用型CD−ROMに展開され、さらにはデータの追記ができるCD−Rやデータの書き換えができるCD−RWが開発され、これらはAV分野やPC分野で広く普及した光ディスク・フォーマットとなっている。また、近年の高密度化技術の進歩で、映画などの映像を納められる再生専用のDVD(Digital Versatile Disc)フォーマットが急速に普及し、DVDもまたDVD−R、DVD−RAM、DVD−RWといった追記型や書き換え型のフォーマットが開発され、普及が加速されつつある。今後、さらに高密度化の技術開発が進むことで、より大容量の光ディスク・フォーマットや、同じ容量でもより小型の光ディスク・フォーマットが開発され、新たなAV用途を開拓する光ディスク・システムとして登場することが期待されている。
これらの技術分野においては、著作権保護の観点からデータの不正コピーを防止する技術の重要性が高まっている。著作権を保護する仕組みとしてディスク1枚毎に固有の情報を製造時に記録し、この固有の情報を用いて記録媒体に記録するデータの暗号化を行う方法が多くの記録型記録媒体で用いられており、一般的な方法として普及している。このような技術として、参考文献1にユーザが書き換えできない媒体固有番号に基づいてデータを暗号化して記録するデータ記録装置が開示されている。
以下、この従来技術について図24を用いて簡単に説明を行う。データ書き込み装置2404は、暗号化器2405と個別鍵生成器2406とで構成され、データ読み取り装置2407は、暗号復号化器2408と個別鍵生成器2406とで構成される。
データ書き込み装置2404は、媒体固有番号2402を読み出し、個別鍵生成器2406によって媒体固有番号2402から記録媒体2401に固有の暗号鍵を生成し、この鍵を用いて電子データを暗号化器2404で暗号化し、暗号化電子データ2403として記録媒体2401に電子データの記録を行う。データ読み取り装置2407は、記録プロセスと同様に媒体固有番号2402から記録媒体2401に固有の暗号鍵を生成し、この鍵を用いて電子データを暗号復号化器2408で暗号を復号し電子データの再生を行う。
この様なシステムでは、暗号化記録データ2403は記録媒体2401に固有の情報となる。暗号化記録データ2403が他の記録媒体にコピーされても媒体固有番号2402がコピーされなければ、暗号化記録データ2403を暗号復号化するための鍵を得ることができず、コピーされた記録媒体ではデータの正しい再生を行うことはできず不法なコピーから著作権を保護できる。
この参考文献1で開示されている不正コピー防止の技術は、媒体固有番号2402が一意的に特定される情報であり、しかもユーザにより書き換えやコピーができないという機能によって実現されている。仮に何だかの手段を用いて媒体固有番号2402がコピーされた場合には、不正なコピーが実現可能となる。
媒体固有番号2402のコピーや改竄の防止技術が非常に重要となる。媒体固有番号の記録技術としては、バーコード状のマークをディスクの一部に記録する技術が一般的に用いられており、参考文献2や参考文献3で開示されている。
以下、参考文献2で開示されている媒体固有番号の記録技術について、図25を用いて簡単に説明する。
図25において、光ディスク2501は厚さ0.6mmの2枚のディスクを張り合わせて構成されている。この光ディスク2501の内周部には、バーコード状のマーク2503を形成するためのBCA領域2502が設けられている。参考文献2ではBCA領域2502は、凹凸形状のピットで構成されており、凹凸形状のピット上にはアルミ膜による反射膜が形成されている。このBCA領域2502に高出力のYaGレーザを用い反射膜を融解して除去するレーザトリミングによってバーコード状のマーク2503が形成される。このバーコード状のマーク2503で媒体固有番号2402が記録される。
この様に形成されたバーコード状のマーク2503を再生した場合の再生信号の様子を図26に示す。図26において、信号2601はバーコード記録領域2502の再生信号であり、信号2602はバーコード状のマーク2503の再生信号である。バーコード状のマーク2503はレーザトリミングによって反射膜が除去されているので、反射光が検出系に戻らないために信号2602に示すようにバーコード部分で再生信号が大きく低下し、それ以外の部分では凹凸形状のピットからの再生信号2603が発生する。この再生信号はローパスフィルターによって凹凸形状のピットからの再生信号2603が除去されバーコード状のマーク2503が検出され復調される。
参考文献2で開示されている媒体固有番号の記録方法は、レーザトリミングを用いて反射膜を除去して記録を行うライトワンス記録であるので書き換えが不可能であり、媒体固有番号の記録方式として最適である。
また、参考文献3で開示されている方式は、相変化型の書き換え記録媒体に媒体固有番号を記録する方法であり、書き換え型の相変化記録媒体に置いて広く用いられている。媒体固有番号の記録を行う領域および記録されるマークの形態は、参考文献2と同様であるので詳しい説明は省略する。
参考文献3は、相変化ディスクの製造工程の中で、記録層を結晶化する工程、いわゆる初期化工程においてBCA領域2502に結晶化を一部中断することにより結晶化部と未結晶化部からなるバーコード状のマーク2503と同様の反射率の異なるマークを形成する方式である。この方式における再生信号を図27に示す。初期化工程に置いて初期化を中断した領域は未結晶化部となり、光学設計により無反射条件を満たすように積層膜が設定されているために反射率が低い領域となるので、バーコード状のマーク2503部で再生信号2702を得ることができる。この方式の場合、結晶化部と未結晶化部を用いてバーコード状のマークを形成するために、書き換え型の記録装置を用いてバーコード状のマークを改竄することが可能である。これを防止するためにBCA領域2502を平板で構成し、記録用の光ビームのトラッキングを困難しており、これによって記録装置での改竄を難しくしている。
上述した媒体固有番号記録方式が広く用いられているが、ライトワンスの記録が行える記録媒体ならびに記録方式であれば、データの改竄を防止しながら媒体固有番号の記録を行うことができる。
ライトワンスの記録を行う方式としては以下のように幾つかの方法がある。
▲1▼基板上に有機色素を主成分とする記録層を担持し、記録層の背面側に金属材料よりなる反射層を積層した構造を有し、記録層がレーザ光を吸収して発熱したとき、その熱によって記録層を融解又は分解すると共に基板を軟化し、基板と記録層との界面に記録層材料と基板材料の混合物を形成することで記録ピットを形成するといった記録メカニズムを有するもの(参考文献4参照)。
▲2▼前記と同様の構造を有し、記録層がレーザ光を吸収して発熱したとき、その熱によって記録層を分解し、基板と記録層との界面に記録層材料の分解物を残留させることで記録ピットを形成するといった記録メカニズムを有するもの(参考文献5参照)。
▲3▼前記と同様の構造を有し、記録層がレーザ光を吸収して発熱したとき、その熱によって記録層を分解してガスを発生し、記録層内に空隙を形成することで記録ピットを形成するといった記録メカニズムを有するもの(参考文献5参照)。
▲4▼前記と同様の構造を有し、記録層がレーザ光を吸収して発熱したとき、その熱によって記録層を分解してガスを発生し、そのガス圧にて反射層を凸状に変形することで記録ピットを形成するといった記録メカニズムを有するもの(参考文献6、7参照)。
▲5▼前記と同様の構造を有し、記録層がレーザ光を吸収して発熱したとき、その熱によって記録層を分解すると共に基板を軟化し、記録層が分解することで発生したガス圧にて基板及び反射層を変形することで記録ピットを形成するといった記録メカニズムを有するもの(参考文献6、7参照)。
上述したライトワンス記録方法は、記録ピットを基板等の変形によって記録する方式であり、再生信号は記録ピットからの再生信号はいずれも反射光量が減少する信号として検出される。
<参考文献>
参考文献1:日本国特許第318493号明細書
参考文献2:日本国特許第3097917号明細書
参考文献3:日本国特許出願、特開2002−50088号公報
参考文献4:日本国特許出願、特開平2−168446号公報
参考文献5:日本国特許出願、特開平2−244437号公報
参考文献6:日本国特許出願、特開平3−63943号公報
参考文献7:日本国特許出願、特開平3−58333号公報
(発明が解決しようとする技術的課題)
上記のような媒体固有番号の記録方式では、媒体固有番号が改竄されるという課題があった。
参考文献3では、結晶化部と未結晶化部を用いてバーコード状のマークを形成するために、書き換え型の記録装置を用いてバーコード状のマークを改竄することが可能である。これを防止するためにBCA領域2502を平板で構成し、記録用の光ビームのトラッキングを困難している。しかしながら精密な送り機構を持った装置を用い、記録用の光ビームで相変化型の記録膜に再記録を行い結晶部と非結晶部を形成することによって、溝によるトラッキング制御を行わずにバーコード状のマークを書き換える事は可能である。これによって、本来記録媒体毎に固有の番号であるはずの媒体固有番号の変更が可能となり不正なコピーが横行する事になりうる。
参考文献1では、反射膜をレーザトリミングで除去してバーコード状のマークを記録しているので改竄を行うことは困難であるが、その再生波形が図26に示したようにバーコード状のマーク部分で反射光量が減少する信号となる。この再生信号は参考文献3で開示されている記録方式による再生信号と非常に酷似している。BCA領域2502を凹凸ピットで構成して、参考文献3で開示されている記録方式によって結晶化部と未結晶化部を用いてバーコード状のマークを形成すれば殆ど同一の信号を得ることができる。
この場合、記録再生装置はレーザトリミングで除去されたバーコード状のマークなのか未結晶化部によるマークであるかの判断は非常に困難となる。特に記録再生装置では多くの記録媒体の記録再生をサポートする必要がありこれらの互換性を考慮した場合、レーザトリミングで除去されたバーコード状のマークと未結晶化部によるバーコード状のマークを区別することは殆ど不可能となる。
これは参考文献1に開示する装置に、BCA領域2502に未結晶化部によるバーコード状のマークを形成した不正なディスクを用いても正規のディスクとして動作することを意味する。前述したように未結晶化部によるバーコード状のマークは、書き換えや改竄を行うことが可能であるので参考文献1の場合においても不正なコピーが横行する事になり得る。
(その解決方法)
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、書き換えや改竄を防止したい情報を有効に保護し得る光記録媒体であって、例えば、著作権保護に好適な光記録媒体、並びにそのような光記録媒体に対して情報の記録、再生を行う光ディスク装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光記録媒体は、データの書き換えが可能なデータ記録領域と、追記のみでデータの消去が行えないライトワンス領域とを有する。データ記録領域においてデータ記録部分とデータ未記録部分の反射率は異なる。ライトワンス領域に形成された記録ピットの反射率は、データ記録領域のデータ記録部分とデータ未記録部分の反射率のうちの高い方の反射率よりも高い。
この様な構成の記録媒体によれば、ライトワンス領域に反射率が増加する記録ピットを記録することが可能である。このために、データ記録領域に記録される記録ピットの反射光量が未記録時に比して低下するのに対し、ライトワンス領域の記録ピットとは反射率が増加するので、両者は区別でき、媒体固有番号情報の改竄検出が簡単にできる。このために媒体固有番号を相変化の結晶と非結晶の状態で記録された不正なディスクを簡単に検出できる。よって本発明方法で記録した光ディスクならびに光ディスク記録再生装置を用いることによって著作権保護やコンテンツ配信などの課金情報などの記録に対して非常にセキュリティの高いシステムを実現することができる。
本発明に係る光ディスク装置は、データの書き換え可能なデータ記録領域と、追記のみでデータの消去が行えないライトワンス領域とを有する光記録媒体に対してデータ記録を行う光ディスク装置である。光ディスク装置は、光記録媒体に対してレーザ光を照射してデータを記録する光ヘッドと、光ヘッドによるデータの記録動作を制御するレーザ駆動手段と、レーザ駆動手段の動作を制御するコントローラとを備える。コントローラは、データ記録領域に書き換え可能なデータを記録するのに必要な熱量の3倍〜25倍の熱量のレーザ光を、ライトワンス領域に照射してデータの記録を行うよう、レーザ駆動手段を制御する。
また、本発明に係る別の光記録媒体は、記録媒体に固有に割り当てられた媒体固有番号が、該媒体固有番号が記録される位置に関する情報と、秘密鍵とから生成された公開鍵によって暗号化されて記録されている。このような光記録媒体によっても、著作権保護等に対して非常にセキュリティの高いシステムを実現することができる。
(従来技術より有利な効果)
本発明によれば、ライトワンス領域に記録されたデータと、書き換え可能なデータ領域に記録されたデータの区別が可能となるために、ライトワンス領域に媒体固有番号を記録すれば不法なコピーからデータの保護が行え、かつ、書き換え可能な記録媒体を提供することができる。また、媒体固有番号を媒体固有番号が記録される位置情報によって暗号化することによって、光ディスク装置の不正な変更による媒体固有情報の改竄からもシステムを保護することができる。またライトワンス領域を媒体固有情報のみならず課金やコンテンツ管理の情報として用いることも可能であり、この時ライトワンス領域に記録されるデータを媒体固有番号で暗号化することによってライトワンス領域に記録されたデータの改竄をも防止できる。
図1は、本発明の実施形態における光ディスクの領域を示す図である。
図2は、本発明の実施形態における光ディスクの原盤作成行程を示す図である。
図3は、本発明の実施形態における光ディスクの作製行程を示す図である。
図4は、本発明の実施形態における、媒体固有番号の記録を行う光ディスク装置のブロック図である。
図5Aは、ライトワンス領域に記録されるデータのECCブロック(記録ブロック)の記録フォーマットを示す図である。
図5Bは、n個の記録ブロックを繰り返した場合の構造を示す図である。
図6は、ライトワンス領域に記録されるデータに付加されるシンクデータを示すテーブルである。
図7は、ライトワンス領域に記録されるデータの変調則を示すテーブルである。
図8は、ライトワンス領域に記録されるデータのセクタへの配置状態を示す図である。
図9Aはライトワンス領域に記録されるデータ、図9Bは記録マーク、図9Cは記録のためのレーザ光の波形とをそれぞれ対応させて示した図である。
図10Aは、ライトワンス領域に記録されたデータの再生波形を示す図である。
図10Bは、書き換え可能なデータ記録領域に記録されたデータの再生波形を示す図である。
図11Aは、ライトワンス領域において記録ピットをトラック溝内に記録した状態を示した図である。
図11Bは、ライトワンス領域において記録された記録ピットの断面の状態を示した図である。
図12は、ライトワンス領域に記録されるデータピット形成時の記録パワーと再生信号量の関係を示す図である。
図13は、ライトワンス領域に記録されたデータとデータ記録領域に記録されたデータの記録再生を行う光ディスク装置のブロック図である。
図14は、ライトワンス信号復調器を詳しく示すブロック図である。
図15は、本発明の実施形態2における光ディスク装置のブロック図である。
図16Aは、溝のウォブルに最大変化位置に同期させてデータピットを記録した場合の再生信号を示す図である。
図16Bは、溝のウォブルのゼロクロス位置に同期させてデータピットを記録した場合の再生信号を示す図である。
図17は、本発明の実施形態3における光ディスク装置のブロック図である。
図18は、媒体固有番号の暗号化と暗号復号化の仕組みを示す図である。
図19は、実施形態3における、ライトワンス領域に記録されたデータとデータ記録領域に記録されたデータの記録再生を行う光ディスク装置のブロック図である。
図20は、媒体固有番号の有無を判別する処理のフローチャートである。
図21は、従来の、鍵束領域を含む光ディスク内の各領域の配置状態を示す図である。
図22は、本発明の実施形態5における記録媒体を示す図である。
図23は、実施形態6におけるライトワンス領域に記録されたデータとデータ記録領域に記録されたデータの記録再生を行う光ディスク装置のブロック図である。
図24は、従来の媒体固有番号による著作権保護の仕組みを示す図である。
図25は、従来の媒体固有番号が記録された従来の光ディスクを示す図である。
図26は、レーザトリミングで記録された従来の媒体固有番号の再生信号を示す図である。
図27は、相化膜の初期化処理によって記録された従来の媒体固有番号の再生信号を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
最初に、本発明の第1の実施形態である書き換えできない媒体固有番号を持った書き換え型光記録媒体として、ディスク形状の記録媒体を例にその概要を説明する。次にその作成方法をディスク原盤の作製工程、ディスクの作製工程、媒体固有番号の記録方法ならびに記録装置、媒体固有番号の再生方法ならびに再生装置の順に説明を行う。
(光ディスクの構造)
図1に本発明に係る光ディスクを示す。本発明に係る光ディスクは、相変化型の記録膜で構成されており、略直径50mm、内径11mm、厚さ略0.8mmであり、厚み略0.1mmの透明基板を通して、波長405nm、開口数(NA)略0.85の光ヘッドを用いて情報の記録再生を行う。
図1において、光ディスク101は、光ディスクをコントロールするための制御情報や交替情報などシステム的に必要な情報を記録したリードイン領域102、ユーザのデータを記録するためのデータ記録領域103を有する。リードイン領域102は、改竄不可能なデータを記録するためのライトワンス記録領域104を含む。
データ記録領域103はデータが書き換え可能な領域である。ライトワンス記録領域104は、一度のみデータの記録が可能であり、一旦記録したデータの消去は不可能な領域である。特に、本発明では、このライトワンス記録領域104において、光ディスクに固有の番号である媒体固有番号情報105がライトワンス情報として記録される。
データ記録領域103は半径23.8mmから半径12.25mmの範囲である。リードイン領域102は0.5mmの幅を持ち、半径12.25mmから半径11.75mmの範囲である。リードイン領域102内に設けられたライトワンス領域104は半径11.95mmから半径11.75mmである。リードイン領域102およびデータ記録領域103のトラックは、連続的な螺旋状の溝で構成されている。リードイン領域102のトラックピッチ(溝と溝の間隔)は0.35μmであり、データ領域103のトラックピッチは0.32μmで、リードイン領域102とデータ領域103の境界において略30μmの範囲でトラックピッチは連続的に変化しているがトラックは連続した螺旋状の溝である。トラックにはアクセスを行うためのアドレスが溝のウォブルによって記録される。
データ記録領域103においては、書き換え可能な記録データは、溝中にアモルファス状の記録ピットとして記録される。このアモスファス状の記録ピットは、書き換え型のDVDなどで用いられているものと同様の方法で形成される。すなわち、記録レーザ光をマルチパルスで強度変調して記録膜を急冷することによって形成される。
リードイン領域102には、光ディスクの記録パワーや記録パルスタイミングなどをコントロールするための制御情報が予め溝のウォブルで記録された領域や記録パワーの学習を行うためのテスト領域など光ディスクの動作を行うためにシステム的に必要な情報や領域で構成されている。
リードイン領域102のトラックピッチがデータ記録領域103のトラックピッチより広いのは、トラックの溝のウォブルで記録された制御情報を安定に読み出すためである。
(光ディスクの作製工程)
次に、本発明の実施形態における光ディスクの作製工程について説明する。まず図2を用いて光ディスク原盤作製工程を説明する。
感光材料としてポジ型フォトレジストを均一に塗布したガラス板201を用意する。波長248nmの遠視外線レーザを用いたカッティングマシーン202によって所望の溝パターンを露光する。このときカッティングマシーン202はフォーマッタからの信号に基づいて光ビームをウォブリングしながらアドレスならびにリードイン領域102の一部に制御情報を記録する。リードイン領域102とデータ領域103の間ではカッティングマシーンの送り量を変化させてトラックピッチを変化させる。データ領域103の再外周まで達した時点で露光は完了する。
上記の工程によって所望の溝パターンの潜像203がガラス板201に記録される。このガラス板を回転させながら現像し乾燥することによってグルーブパターン204が形成されたディスク原盤205が作製される。ディスク原盤205にスパッタリング法でニッケル膜206を形成してこれを電極としてニッケルメッキを行ってニッケルの薄板207を作製し、これを剥離、レジスト除去を行って裏面を研磨した後に所望の形状に打ち抜くことによってスタンパ208が作製される。
次に図3を用いて光ディスク101の作製工程について説明を行う。
上記の方法で作成したスタンパ208を射出成型機に取り付け、ポリカーボネイトを材料とした射出成形を行ってスタンパ208の溝形状が転写された厚さ0.7mmの成形基板301を作製する。この基板301の溝が転写された面にスパッタ法によって厚さ80nmのAgの反射層302、厚さ20nmのZnSの誘電体層303、10nmの厚さの(Ge,Sn)SbTeの記録層304、厚さ57nmのZnSの誘電体層305を積層する。この上に厚み略90μmのポリカーボネートシート306をスピンコータ上で紫外線硬化樹脂307を滴下し、誘電体層305に紫外線硬化樹脂を塗布したポリカーボネートシート306を重ねた後、スピンコータを回転させて余分な紫外線樹脂を振り切り紫外線樹脂の厚みが略10μmとなった時点でスピンコータの回転を停止し、紫外線源308から紫外線を照射して樹脂307を硬化させる。
これらの工程によって光ディスク101が形成される。上記光ディスク101の記録層304はスパッタ法により形成された状態では全面がアモルファス状態であり、一般的に初期化工程と呼ばれる記録層304の結晶化処理が必要となる。この結晶化処理は通常650nm程度波長の高出力のレーザ光を搭載した初期化装置で全面均一な光で走査することにより行われる。この処理によって記録膜304は反射率が約20%となる。これらの工程が終了後、媒体固有番号情報105の記録が行われる。
(光ディスク装置)
図4は、本発明に係る媒体固有番号情報を記録する光ディスク装置の構成を説明した図である。
図4において、モータ402は媒体固有番号情報105を格納する光ディスク401を回転させる。光ヘッド403は光ディスク401に媒体固有番号情報105の記録を行う。送り機構404は光ヘッド403を半径方向に移動させる。フォーカス・トラッキングドライバ405は光ヘッド403のフォーカスおよびトラッキングアクチュエータを駆動する。送りドライバ406は、送り機構404を駆動する。制御部407はフォーカス・トラッキングドライバ405と送りドライバ406とモータ402を制御する。PLL408は、溝からのプッシュプル信号からアドレス読み出し用クロックを生成する。アドレスデコーダ409は、溝からのプッシュプル信号からウォブルで記録されたアドレス情報を復調する。レーザドライバ410は媒体固有番号情報105を記録するために光ヘッド403のレーザのパワー変調を行う。レーザパワー制御部411は、レーザドライバ410のパワー制御を行う。記録タイミング生成器412は媒体固有番号情報105の記録タイミングを生成する。ECCエンコーダ413は媒体固有番号にエラー訂正コードを付加する。データ変調部414はECCエンコーダ413の情報を記録するビットデータに変換する。マルチパルス生成器415はデータ変調部414のビットデータをマルチマルス化してレーザ変調データを生成する。コントローラ416は、媒体固有番号情報105の記録を行うためのトータルのコントロールをマイクロコンピュータで構成される。データの記録を行う光ヘッド403の光学的なパラメータは、NA=0.85、レーザ波長405nmである。
(媒体固有番号情報)
媒体固有番号は、ECCエンコーダ414でブロック化されパリティーデータが付加され、ECCブロックとなる。ECCブロックはデータ変調器414でPE変調され、プレアンブルおよびシンクパターンが付加される。図5Aにプレアンブルおよびシンクパターンが付加されてPE変調された記録ブロック501の構造を示す。I〜I15は媒体固有番号であり、16バイトの情報量を持つ。C〜C15はI〜I15のパリティである。これらのデータブロックの先頭に0で構成されるプリアンブルが付加される。
図7に示す法則に従ってC〜C15、I〜I15およびプリアンブル部はPE変調されており、1バイトの情報は2倍のビット数になるために、C〜C15、I〜I15およびプリアンブル部の各シンボル長は16ビットとなる。この様に、PE変調し記録することによって、媒体固有番号情報105の再生信号から再生クロックの抽出を容易にしている。
図5Aに示すように、各行の最初にシンクマークSB、RS〜RSが付加されている。シンクマークSB、RS〜RSのビットパターンを図6に示す。シンクマークは16ビットで構成され変調後のピット列にはPE変調で出現しない0が2ビット以上連続で出現するパターンを持ち、容易に再生信号からシンクパターンを検出できる。図5Aの記録ブロック501の構造を複数回繰り返して、16バイトの整数倍の単位で記録することも可能である。図5Bに記録ブロック501をn個繰り返した場合の構造を示す。プリアンブルのマーカとしてシンクコードSBが、記録データのマーカとしてRSが、パリティのマーカとしてRSが、データの終了のマーカとしてRSが付加された構造である。媒体固有番号の情報を含んだ記録ブロック501は、光ディスク101のライトワンス記録領域104の所定アドレスに記録される。
図8に、光ディスク101に記録された媒体固有番号情報105の構造を示す。ライトワンス記録領域104中の記録トラック801において、セクタ804〜806が媒体固有番号情報105が記録されるセクタである。1セクタは複数の記録ブロックからなる。実施形態1では、媒体固有番号情報105は、2個のセクタに跨って記録されるが、セクタ804から連続して記録されるわけではなく、1セクタ分記録した後に、記録を行わないセクタ805を置いて次のセクタ806に記録されている。この理由は後で詳述する。
(媒体固有番号情報の記録)
媒体固有番号情報105の具体的な記録の方法について説明する。媒体固有番号情報105は所定のブロック単位(記録ブロック)に分割されて記録される。
コントローラ416は、アドレスデコーダ409によって読み出されたアドレスに基づき送りドライバ404、フォーカス・トラッキングドライバ405を制御部407を介して制御することにより、媒体固有番号情報105を記録する所定のセクタ(図8ではアドレスMのセクタ)にシークして、記録タイミング生成器412のタイミングに基づいて所定のセクタの開始位置に同期して記録ブロック501を記録する。また、アドレスM−1の領域803では媒体固有番号情報105を復調するための基準レベルを提供するために、その領域803の記録膜304は結晶化状態に初期化される。記録層を結晶化状態に初期化することにより、データ記録領域の記録層の結晶状態より反射率の高いライトワンス領域の記録ピットを検出するためのリファレンスレベルを、再生するセクタの前のセクタの再生レベルから容易に抽出できるために復調回路を簡単に構成できる。この詳細は後述の媒体固有番号情報105の再生方法の説明で詳述する。
本実施形態では、ライトワンス記録領域104とデータ領域103は同じセクタ構造とする。ライトワンス記録領域104に記録されるデータの記録開始位置はセクタの開始位置と一致させる。これらのセクタは溝のウォブルにアドレス情報を変調して記録することによって識別される。データの記録を行うためのクロックもウォブル信号からPLL408によって生成される。なお、必ずしもライトワンス領域とデータ領域でセクタの構造を同一にする必要はないが、ライトワンス領域104とデータ記録領域103もしくはリードイン領域102でアドレスの記録方式や変調周波数などが変化した場合、ぞれぞれの境界付近において偏芯によりアドレスの識別が複雑となり好ましくない。
ライトワンス領域104とデータ記録領域103とは記録フォーマットが異なるが、ライトワンス領域104とデータ記録領域103とで、アドレスのフォーマットを同一とする。これによりシークの高速性が実現できる。ただし、このような構成により、ライトワンス領域104とデータ記録領域103の記録密度及び記録フォーマットが異なるため、図8に示すように、セクタ領域に記録を行わない部分807が生じる。このように、セクタ領域において未記録領域部分807を許容することにより、記録ブロック501の開始位置をアドレスの開始位置と一致させることが可能となり、開始位置を容易に検出できるようになる。
また、記録ブロック501のサイズが大きく、複数のセクタ領域に跨る場合には、図8に示すように、固有番号情報が記録されていないセクタ805を、媒体固有番号情報105が記録されたセクタ804、806の間に設けるようにする。これは、記録ピット902の記録によってその部分の反射率が増加するためにアドレスの復調が困難となるためである。固有番号情報が記録されていないセクタを設けることにより、そのセクタでは確実にアドレスの読み出しができるため、アドレスの読み出せる領域が、媒体固有番号情報105の記録されている領域中に存在することになる。このため、読み出し中にトラックの傷などで別のトラックに間違って移動した場合でもアドレスの情報が確認でき、安定な再生が実現できる。また、媒体固有番号情報105が記録された領域中にアクセスを行うのも容易となる。以上が媒体固有番号情報105の記録フォーマットである。
(ライトワンス領域での記録ピットの形成)
次に、ライトワンス領域104へのデータ記録方法(記録ピット形成方法)について説明する。
データ変調器414で生成された記録ブロック501は、マルチパルス生成器415で1つのビットを複数回のマルチパルスに分割してレーザを照射することによって記録される。図9にデータ「1」および「0」を記録する場合のレーザパルス波形、記録ビット列及び記録マークを示す。図9Aは記録すべき記録データ、図9Bは光ディスク401上に形成される記録ピット、図9Cは記録ピット902を形成するための記録レーザ波形をそれぞれ示す。記録レーザ波形はピークパワー904、ボトムパワー905、バイアスパワー906を有する。
本実施形態では、記録ピット902を形成するのに6個のマルチパルスにて記録を行う。記録を行った光ディスク401の線速度を1m/s、マルチパルスのピークパワー904の幅を40ns、マルチパルスの間隔を80ns、ボトムパワー905を0.1mW、バイアスパワー906を2mWとした場合、記録のピークパワー904は9mW〜11mWの範囲で良好な記録が行えた。
上記の方法によって記録された記録ピット902の再生信号を図10Aに示す。図10Aにおいて、信号1001は媒体固有番号情報105を記録した時の再生信号、レベル1002は結晶化状態の記録層304からの再生信号レベル、レベル1003は記録ピット902の再生信号レベル、レベル1004は光ディスクからの反射光がゼロとなる再生レベルである。
光ディスクに上記記録方法による記録を行うと、記録ピット902からの再生信号1003は、未記録時に比して反射光量が増大するように発生する。図10Bは、従来の書き換え型の記録方法で、1−7の変調則に従ってアモルファス状態の記録ピットを記録層304に記録した場合の再生信号である。図10Bにおいて、信号1005は書き換え型の情報記録方法で記録された場合の再生信号を示し、信号1006はアモルファス状態にある記録ピットの再生レベルである。書き換え型の情報記録処理を、線速度5m/s、記録のピークパワー4.8mW、バイアスパワー2.4mW、ボトムパワー0.1mWで行った。書き換え型の情報はアモルファス状態の記録ピットとして記録されるために、反射光量が減少する方向に発生する。
従来の書き換え可能な記録ピットは、未記録時の結晶状態からデータが記録されるとアモルファス状態となり、その記録ピットからの反射光量は未記録時より減少する。これに対し、本実施形態の光ディスクにおけるライトワンス領域に形成された記録ピット902はその反射光量が未記録時より増大する。このため、本発明の光ディスクを用いれば、その反射光量に基づきデータ再生時に、そのデータが書き換え可能な領域から読み出されたのか、ライトワンス領域から読み出されたのかを容易に区別することができる。また、本実施形態の光ディスクのライトワンス領域の記録ピット902の部分の反射光量は、相変化記録における結晶化状態で得られる反射光量よりも更に高い反射光量となるようにする。これにより、ライトワンス領域からの反射光量を、書き換え型の相変化記録で実現することは不可能である。
上記の方法でライトワンス領域に形成された記録ピット902の状態について図11A、図11Bを用いて説明する。図11Aは、記録ピット902をトラック溝内に記録した状態を示した図であり、図11Bは、図11Aの線1102での、記録ピット902の断面の状態を示した図である。図11Aに示すように、データの記録を行うための記録溝1101内に記録ピット902が形成されている。
図11Bにおいて、反射層302、保護層303、記録層304、保護層305がこの順で積層されている。記録ピット902が形成された領域では、記録層1103を中心に変形が発生し、記録層1103の厚さが減少している。記録層の厚さが薄くなった部分では、記録層による光の吸収量が減少するためにより多くの光が反射層302に到達し、到達した光は反射層302によって反射される。このために記録ピット902の部分では反射光量が増大する。この記録モードは、記録層304の変形による不可逆変化でありライトワンス記録となる。この記録層304の変形は、光ディスク401を1m/sという低い線速度で回転させて単位体積あたりに、通常の書き換え型の記録時のパワーよりも5〜10倍程度の大きなレーザパワーを注入することによって引き起こされるものである。
図12にライトワンス領域の記録ピット902の再生信号量と記録パワーとの関係を示す。図12の横軸は、ライトワンス記録のピットを形成するためにレーザ照射によって単位体積あたりに注入される熱量と相変化の書き換え型の記録ピットを形成するのに最適なレーザ照射によって単位体積あたりに注入される熱量との比である。単位体積あたりに注入される熱量は、照射されるレーザパワーとレーザの照射時間に比例し、記録時の記録層304の移動速度である線速度に反比例する。図12の縦軸は、ライトワンス記録によって形成されたピット902の反射率と記録膜304が結晶状態にある時の反射率の差、つまりライトワンス記録による再生信号量である。
図12に示されたように、単位体積あたりに注入される熱量比が2倍から記録が行われ、約4倍程度でほぼ飽和し20倍程度までほぼ一定の信号量を示す。さらに注入熱量を増大させると反射層302の破壊が起こり、レーザ光が反射されなくなるために信号量は低下する。
この様に、本発明の反射光が増大する記録ピット902を形成するのに必要な熱量は、相変化の書き換え型の記録ピットを形成するのに好適なレーザ照射によって単位体積あたりに注入される熱量の2倍から22倍程度が適切であり、さらに良好なピットを形成するという意味においては4倍から20倍が最適な範囲となる。
従来のレーザトリミングによる記録方法では保護膜を破壊するために十分な信頼性を得ることが困難であった。これに対し、本発明によれば、ピット902の記録による保護膜の破壊がないために、従来の光ディスクと同等の信頼性を確保することができた。具体的には、温度80、湿度80%の環境の加速試験においても2000時間以上腐食等の信頼性の低下は観測されなかった。この様に環境信頼性に優れた光記録媒体が実現できる。
なお、本実施形態では記録マークの形状を安定にするためにマルチパルス記録を行ったが、必ずしもマルチパルス記録を行う必要はなく、図12に示された熱量を注入できればライトワンスの記録を行うことが可能である。また、本実施形態では光ディスク上の記録媒体を用いたが、必ずしもディスクの形状に限定されるものではない。また、上記のピット形成方法は、記録により反射率を未記録時より高くしたい場合のライトワンスデータの記録方法として適用可能である。
(媒体固有番号情報の再生)
次に、媒体固有番号情報105の再生方法について説明を行う。図13に媒体固有番号情報105の再生を行う光ディスク装置の構成図を示す。
図13に示す光ディスク装置において、モータ1301は光ディスク101を回転させる。光ヘッド1302はデータの記録再生を行う。送り機構1303は光ヘッド1302を半径方向に移動させる。ドライバ1304はモータ1301を駆動する。ドライバ1305はフォーカス・トラッキングを行うために光ヘッド1302のアクチュエータを駆動する。レーザドライバ1306は光ヘッド1302のレーザを駆動して記録もしくは再生を行う。位相ドライバ1307は送り機構1303を駆動する。レーザ制御部1308はレーザのパワーコントロールを行う。サーボ制御部1309はモータドライバ1304およびフォーカス・トラッキングドライバ1305および位相ドライバ1307の制御を行い任意のアドレスにシークしたりフォーカス・トラッキング制御等を行う。サーボ信号検出器1310はサーボ制御用の信号を演算する。アドレス復調器1311はプッシュプル信号からアドレスの復調を行う。書き換え信号変調器1312は書き換えが型の情報を相変化の記録ピットとして記録を行うためにデータの変調を行う。書き換え信号復調器1313は書き換えが型の情報である相変化の記録ピット信号を復調する。ライトワンス信号復調器1314はライトワンス信号の復調を行う。ECCエンコーダ・デコーダ1315は書き換え型信号のエラー訂正およびリードソロモン符号化を行う。ECCデコーダ1316は、ライトワンス情報として記録された媒体固有番号情報のエラー訂正を行う。暗号化器1317は媒体固有番号を用いて記録データの暗号化および再生データの暗号復号化を行う。コントローラ1318はシステムのコントロールを行うマイクロコンピュータで構成される。ホストインターフェース1319はホストとのインターフェースを制御する。
光ディスク101が光ディスク装置にセットされると、コントローラ1317は、媒体固有番号が記録されているアドレスMの1つ前のアドレスM−1に、サーボ制御部1307を通じて位相ドライバ1307を制御して位相系をアドレスM近傍に移動させる。その後フォーカス・トラッキング制御を行って現在のアドレスをアドレス復調器1311で読み出し、読み出したアドレスとアドレスM−1との差からマルチジャンプおよび1トラックジャンプ制御をサーボ制御部1309により行い、アドレスM−1へのシークを完了する。アドレスM−1の領域803は、前述したようにその記録膜304が消去レベルに初期化されている。このレベルを基準にライトワンス信号復調器1314はライトワンス情報として記録された記録ピット902の復調を行う。
図14にライトワンス信号復調器1314の詳細な構成を示す。
ライトワンス信号復調器1314は、結晶化状態の反射率レベルを記憶するするサンプリングホールド1401、サンプリングホールド1401の出力を所定数(本例では1.3)倍するアンプ1402、アンプ1402の出力とライトワンス信号のとの比較を行う2値化器1403、シンクコードの検出を行ってデータのPE復調を行うPE復調器1404、及び、アドレスの情報からサンプリングホールド1401とPE復調器1404の動作をコントロールするタイミング信号生成器1405を含む。アドレスM−1の領域においてサンプリングホールド1401は信号のレベルをサンプリングする。この時サンプリングされる信号レベルは、アドレスM−1の領域が消去レベルに初期化されているために、結晶状態の反射光量レベルとなる。
次のアドレスMで、サンプリングホールド1401はホールド状態となり、サンプリングされた結晶状態の反射光量はアンプ1402によって1.3倍され、入力信号と比較され、その結果が2値化される。アドレスMには記録媒体固有番号情報が上述したようにライトワンス記録されており、記録ピット形成部で反射光量が増大する。この増大した反射光量のレベルと結晶化状態のときの反射光量の1.3倍のレベルとを、2値化器1403で比較することにより記録ビットストリームとなる。さらに、この記録ビットストリームは、PE復調器1404にてシンクコードが検出されるとともにPE復調される。PE復調されたピットストリームデータはECCエンコーダ1316でエラー訂正され媒体固有番号が再生される。
復調された媒体固有番号は、ホストからの指示によって記録再生されるデータを暗号化もしくは復号化を行う暗号化・復号器1318で記録データの暗号化と暗号復号化を行うための鍵として用いられる。書き換え型のデータの記録再生は5m/sの線速度でデータの転送レート36Mbps、レーザの記録パワーは9.6mWバイアスパワーは4.5mWで行われる。
この様に本実施形態の光ディスクにおいては、媒体固有番号情報を反射率が増加する記録ピットとして記録することが可能であるので、その復調は書き換え可能な情報として記録された場合の復調に対する回路とは異なった特別な回路が必要となる。このために、例えば相変化による書き換え可能なピットで媒体固有情報を偽造しても再生を行うことが不可能となるので非常に高いセキュリティレベルを実現できる。媒体固有番号情報の復調部を変更して相変化による書き換え可能なピットで偽造した信号を復調する方法も考えられるが、復調部をデジタル化してLSIの中に埋め込むことによって、その変更は殆ど不可能とすることができる。
以上のように、本発明の媒体固有番号情報を記録した光ディスクならびに光ディスク記録再生装置を用いることによって著作権保護に対して非常にセキュリティの高いシステムを実現することができる。また、トラッキングを行って媒体固有番号情報を記録するために、この情報を記録するための幅は数ミクロンで十分であり、書き換え型のデータの記録を広く取れるために記録容量の増大にも大きな効果がある。この特徴は直径の小さな光ディスクに本用いた場合に最も効果がある。また、書き換え不能なライトワンス領域にデータとして情報を書き込めるため、BCAを用いる場合に比して、種々の改竄を防止したい情報を書き込める。
実施の形態2
実施形態1に示すような方法で改竄不可能な記録ピット902を形成した場合、記録後の反射光量は記録前に比して増大する。このためにプッシュプル信号から生成されるウォブル信号も記録ピット902が形成された部分は信号量が増大する。また、ウォブル信号のゼロクロス位置にアドレス情報を変調して記録した光ディスクにおいて、記録ピット902の形成によってゼロクロス位置からの再生信号が影響を受けた場合、アドレスの再生が不可能となる。アドレスの再生が行えないと、媒体固有番号情報105の再生を行う場合、媒体固有番号情報105が記録されたアドレス(実施形態1では、アドレスM)より1つ手前のアドレスM−1にシークして、次のアドレスに媒体固有情報105が記録されているとしてアドレスの確認をせずに再生を行う必要がある。実施形態1では、図8に示したように、セクタに跨って媒体固有情報105を記録する場合には、記録を行わないセクタ805を設けることによって再生時の信頼性を向上していた。
しかし、上記の方法では、媒体固有番号の情報はアドレスの確認なしでデータを再生する必要があり再生の信頼性が低下する。また記録を行わないセクタ領域805を設ける必要があるために記録の密度も低下する。
本実施形態では上記の問題を解決するために、アドレス読み出しが可能な媒体固有番号情報105の記録を行う手段を提供する。
図15を用いて、本実施形態における媒体固有番号情報の記録方法ならびに記録装置について説明する。図15は本実施形態における媒体固有番号情報の記録装置の構成図である。図15において基本的な構成は実施形態1と同様であり、同様の機能をもつ部分については図4と同一の記号で示してある。同一記号で示した部分は、実施形態1と同様であるのでその説明は省略する。
図15において、PLL1501はウォブル信号に対してロックする機能を有する。マルチパルス発生器1502はウォブルに同期してマルチパルスを発生してピットを形成する。PLL1501はウォブルに同期したPLLという点では実施形態1と同様であるが、媒体固有番号情報を記録するピットの位置をウォブルに同期するために、マルチパルス発生器1502にウォブル位相位置を出力しており、マルチパルス発生器1502はこの信号に基づいて溝の記録溝1101のウォブルに同期したピットをディスク上に記録する。
図16A、16Bに、本実施形態の記録方法によって媒体固有番号情報の記録ピット902が記録溝1101のウォブルに同期して記録されたトラックの状態と、この時の記録溝1101から再生されるウォブル信号を示す。図16Aは、溝のウォブル量が最大となる位置に同期をして記録ピット902の形成を行った場合を示す。本発明の方法によって改竄不可能な記録ピット902を形成した場合、反射光量が増大する。このためにプッシュプル信号から生成されるウォブル信号も記録ピット902が形成された部分は信号量が増大する。
溝のウォブル量か最大となる位置に同期をしてピット記録を行った場合、ウォブル信号は図16Aの下段に示す信号1601に示すような信号となる。本実施形態の光ディスクは、ウォブル信号のゼロクロス位置にアドレス情報を変調して記録しているが、図16Aのウォブル再生信号1601に示したように溝のウォブル量か最大の位置に同期をして記録ピット902を形成すれば、ウォブル信号のゼロクロス位置は影響を受けず安定にアドレスを検出できる。
また、図16Bのウォブル再生信号1602に示したように溝のウォブル量かゼロとなる位置に同期をして記録ピット902を形成してもよい。この場合も同様に、ウォブル信号のゼロクロス位置は影響を受けず安定にアドレスを検出できる。
以上の様に、溝のウォブルに同期して記録ピット902を形成すれば、記録ピット902の形成によって反射率が変化しても確実なアドレス再生が可能となる。上記のようなウォブルに同期した記録を行うことによって、媒体固有番号情報105を再生する場合、光ディスク上の媒体固有番号情報の記録領域においてアドレスの復調が可能となり、高速シークと高い信頼性の読み出し動作が実現できる。さらに、アドレスを構成するウォブル情報に同期すると共に、アドレスの情報に対しても完全に同期して記録が行われているために、その再生時においてアドレスの同期情報から媒体固有番号情報105の同期を確保することも可能となる。
なお、実施の形態1では、シンクコードSB,RS〜RSから媒体固有番号情報105の再生の同期を行っていたが実施形態2では、このシンクコード利用しなくてもよく、媒体固有番号情報105の記録密度を向上させることができる。
実施の形態3
前述の実施形態では、セキュリティーを十分に確保できないケースがある。例えば、光ディスク装置のシステムコントローラのプログラムを改竄された場合、前述の実施形態では媒体固有番号の改竄が可能となってしまう。
実施の形態1,2では、媒体固有番号情報105は、ディスク上の所定のアドレス(実施の形態1ではアドレスM)に記録されており、ドライブはアドレスMに書かれた情報を読み出すことによって媒体固有番号を得る。仮に、アドレスMと異なるアドレスNに、新たに偽の媒体固有番号情報を記録し、システムコンドローラのプログラムのごく一部を変更し媒体固有番号を読み出すアドレスをNとすれば、アドレスNの媒体固有番号を正しい媒体固有番号として認識し、光ディスク装置は正常に動作する。ドライブのシステムコントローラプログラムの改竄は、ある程度の技術が必要ではあるが、昨今のハッカーによるセキュリティー攻撃の事例を考えると十分に可能であると考えるべきである。本実施形態3は上記問題点を解決するものである。
図17を用いて、本実施形態における媒体固有番号情報105の記録方法ならびに記録装置について説明を行う。図17は実施形態3における媒体固有番号情報105の記録装置の構成図である。図17において基本的な構成は実施形態1,2と同様であり、同様の機能をもつ部分については図4,15と同一の記号で示してある。同一記号で示した部分は、実施形態1,2と同様であるのでその説明は省略する。
実施形態3では、図17に示したように暗号化器1701を設けたところに大きな特徴がある。暗号器1701は、コントローラ416から与えられる鍵に基づいて媒体固有番号の暗号化を行う。このように媒体固有番号を暗号化することによって、上述したセキュリティーホールに対して大きな効果がある。この点について図18を用いて更に詳しく説明を行う。なお、書き換え型のデータの記録再生は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
図18は、媒体固有番号の暗号化と暗号復号化の仕組みを説明したものである。図18において、著作権管理機構1801はコンテンツの著作権の管理を行う機関である。記録媒体製造メーカ1802は媒体固有番号の記録された記録媒体101を製造するメーカである。記録再生装置製造メーカ1803は光ディスク装置や光ディスク装置用のLSIを製造するメーカである。著作権管理機構1801は媒体固有番号を暗号化するための秘密暗号鍵1804、媒体固有番号が記録された位置を表す情報1805、秘密暗号鍵1804と媒体固有番号記録位置情報1805のセットを鍵として生成された公開鍵1806、秘密暗号鍵1804と媒体固有番号記録位置情報1805のセットから媒体固有番号を暗号復号化する、モジュール化された暗号復号化器1807を有する。記録再生装置製造メーカ1803は、暗号化復号化器1809が埋め込まれた記録再生装置1808を製造する。
著作権管理機構1801は、秘密鍵1804と媒体固有番号が記録されているアドレス位置情報1805をペアーとした鍵に基づいて、記録媒体製造メーカ1802に公開する公開鍵の複数のセット1806を作成する。公開鍵セット1806の1つが記録媒体製造メーカ1802に配布される。記録媒体製造メーカ1802は、公開鍵セット1806中の公開鍵を用いて予め決められたアルゴリズムに従って媒体固有番号を暗号化して光ディスク101に記録を行う。
一方、光ディスク装置や光ディスク装置用のLSIを製造する記録再生装置製造メーカ1803には、秘密鍵1804と媒体固有番号が記録されている位置情報1805とをペアーとした鍵を用いて暗号化された媒体固有番号を暗号復号化する回路の部品、もしくはLSIに組み込める形にモジュール化された暗号復号化器が供給される。この回路部品もしくはモジュール化された暗号復号化器は、秘密鍵1804を含んでおり、媒体固有番号が記録されている位置情報1805があれば媒体固有番号を暗号復号化できる。
ここで用いられている、媒体固有番号の記録位置情報1805は、媒体固有番号が記録されている場所を一義的に特定できる情報であれよく、この情報は媒体固有番号が記録されている場所に同時に記録されている必要がある。たとえば光ディスク101のアドレス情報の一部にこの情報を埋め込むことも可能である。またアドレス情報をそのまま用いることも可能である。
この様な仕組みで記録された媒体固有番号情報105の読み出し方法ならびに読み出し装置について図19を用いて説明する。
図19は実施形態3における媒体固有番号情報105の再生を行う光ディスク装置の構成図を示す。図19において基本的な構成は実施形態1と同様であり、同様の機能をもつ部分については図13と同一の記号で示してある。同一記号で示した部分は、実施形態1と同様であるのでその説明は省略する。
光ディスク101がセットされると、コントローラ1317は光ヘッド1302を媒体固有番号が記録されているアドレスMの1つ手前であるアドレスM−1に移動させるために、まず、サーボ制御部1307を通じて位相ドライバ1307を制御して位相系をアドレスM近傍に移動させる。その後、フォーカス・トラッキング制御を行って現在のアドレスをアドレス復調器1311で読み出し、読み出したアドレスとアドレスM−1との差からマルチジャンプおよび1トラックジャンプ制御をサーボ制御系1307より行いアドレスM−1へのシークを完了する。アドレスM−1の領域803は、前述したようにその記録膜が消去レベルに初期化されている。このレベルを基準にライトワンス信号復調器1314はライトワンス情報として記録された記録ピット902の復調を行う。ライトワンス信号復調器1314によって復調された媒体固有番号は暗号化されており、復号(解読)を行う必要がある。
本実施形態では、著作権管理機構1801が暗号化の鍵として用いた媒体固有番号記録位置情報1805は、媒体固有番号が記録されているセクタ(アドレスM)の1つ手前のセクタのアドレス番号M−1としている。
この暗号化の復号は復号化器1808により行われる。暗号復号化器1808は、アドレスデコーダ1311によって読み出されたアドレス情報を受けて、読み出されたアドレス情報と、暗号復号化器1808の内部に保持する秘密鍵1804とをペアーで用いて、暗号化された媒体固有番号の復号に必要な鍵のセットを復元し、それを用いて媒体固有番号を復号する。
そして、暗号化復号器1318にて、復号された媒体固有番号を用いて、媒体固有番号を用いて暗号化されたコンテンツを復号する。
従来の光ディスク装置において、アドレスMと異なった位置にアドレスNに新たに別の媒体パターンを解読してコピーを作成し、システムコントローラのプログラムのごく一部を改竄し媒体固有番号を読み出すアドレスをNとした場合であっても、アドレスNに記録された偽りの媒体固有番号を正しい媒体固有番号として光ディスク装置は動作する。これに対し、本実施形態の光ディスク装置では、媒体固有番号に暗号化が行われており、その媒体固有番号の暗号復号化には媒体固有番号が記録された位置情報1805(本実施形態では、アドレス番号M−1)が必要となる。よって、システムコントローラのプログラムのごく一部を改竄され、かつ上記のような改竄された光ディスクが挿入された場合で、アドレスNに他の媒体からコピーされ記録された媒体固有番号の暗号復号化を行おうとすると、暗号復号化器1808には媒体固有番号の記録位置としてN−1が供給されるので、正しい暗号復号化は行えない。このアドレス番号が供給される仕組みを改竄することも原理的には可能だが、現実的にはこの部分はLSIの内部ハードウエアーの変更が必要となるために不可能である。
以上の様に、媒体固有番号を媒体固有番号が記録された位置情報を鍵の一部として暗号化することによって、改竄に対しての耐性が大幅に強くなり、著作権を強力に守る仕組みを構築することが可能となる。
実施の形態4
実施の形態3の仕組みを用いても十分に媒体固有番号の改竄を防止出来ないケースがある。例えば、媒体固有番号が記録されていると考えられるアドレス(上記の例では、アドレスM)に何も記録されていない記録媒体については、この部分に容易に媒体固有番号を記録することが可能になる。著作権の保護を必要としない情報を記録するための記録媒体には、媒体固有番号は必要なく、媒体固有番号が記録されていない記録媒体はその製造工程において記録行程をなくすことができ製造コストを低減でき、ユーザの大きなメリットになる。
よって媒体固有番号が記録された記録媒体と、記録されていない記録媒体の双方が望まれる。しかし、媒体固有番号が記録されていない記録媒体を供給すると媒体固有番号が記録されるべき位置に、偽の媒体固有番号の記録が可能となるのでセキュリティーホールとなってしまう。媒体固有番号が記録されていない記録媒体では、媒体固有番号が記録されるべきアドレスがなければ上記の様な改竄は不可能となる。これは、実施の形態3に示したような媒体固有番号を暗号化して媒体固有番号記録位置情報と共に記録を行う方法に対しては、特に有効な方法となる。しかしながら、光ディスク装置は媒体固有番号が記録されたディスクと記録されていないディスクの判別を行う必要があるが、媒体固有番号が記録されるべきアドレスが存在しないと、媒体固有番号が記録されるべきアドレスが読み出せずにその判定が不可能となる。本実施形態ではこの課題を解決する。
本実施形態の光ディスクは、光ディスクをコントロールするための制御情報や交替情報などシステム的に必要な情報を記録したリードイン領域102に媒体固有番号が記録されているかどうかを示す情報(以下「媒体固有番号フラグ」という。)を保持する。そのような光ディスクからデータを再生する場合は、媒体固有番号フラグを参照し、その値が「真」の場合は、媒体固有番号が記録される所定のアドレスが存在し、その値が「偽」の場合は、媒体固有番号が記録される所定のアドレスが存在しないと判断する。この動作を図20に示す。
光ディスクが挿入されると、まずリードイン領域102にアクセスを行う(ステップS2001)。そして、媒体固有番号フラグを読み出す(ステップS2002)。媒体固有番号フラグを参照し、挿入された光ディスクに媒体固有番号が記録されているのか否かを判断する(ステップS2003)。媒体固有番号フラグの値が「偽」、すなわち、媒体固有番号が記録されていない場合、処理を終了する。
媒体固有番号フラグの値が「真」、すなわち、媒体固有番号が記録されている場合、光ディスク装置は媒体固有番号アドレスにシークし、(ステップS2004)、その位置で媒体固有番号の読み出しを行う(ステップS2005で)。
このように、媒体固有番号の有無を示す媒体固有番号フラグをリードイン領域102に設けることによって、媒体固有番号が記録されておらず媒体固有番号が記録されたアドレスが存在しないディスクが挿入されても、媒体固有番号が記録されたアドレスへのシークを行わないドライブが実現でき、光ディスク装置の動作を完結することができる。
これによって、媒体固有番号が記録されていない記録媒体の供給によるセキュリティーホールの問題を解決することができ、セキュリティーの向上が図れる。
実施の形態5
著作権を保護する仕組みとして、機器のリボークを行うために鍵束情報を用いた方法が提案されている。この鍵束情報は、著作権管理され暗号化処理を行われた情報を読み出す場合に必要な鍵を複数個束にして記録された領域である。光ディスク装置は、鍵束情報中の複数の箇所を読み出すことによって、暗号化復号を行うための鍵を手に入れることができる。これによって、著作権管理され暗号化された情報を復号し再生できる。もし不正な処理を行う装置が横行し著作権が侵された場合、鍵束情報において、不正な処理を行う装置が読み出している鍵を削除する。これによって、不正な機器は再生用の鍵を得ることができないためにデータの再生が不能となる。この様に鍵束情報を著作権管理に用いることによって不正な処理を行う機器毎に動作不能とすることができる。
従来の光ディスクでは、媒体固有番号はディスクの最内周のデータ領域として使用しない領域に記録を行っていた。しかしながら、本発明の光ディスクはトラッキングを行って固有のアドレスに媒体固有番号が記録される。このためにアドレスを読み出す必要が生じる。
この様な構造の媒体固有番号を記録する位置をディスクの最内周とした場合、アドレスが付加された記録領域を最内周に設ける必要が生じる。一方、鍵束の情報は数メガバイト程度必要であり、改竄を防止するためにもピットや溝を高速でウォブリングした形態で記録される。このために溝の形態が記録再生領域やライトワンス領域と異なる。そのような構成の従来の光ディスクにおいて鍵束領域を確保すると図21に示したような構成にする必要がある。
図21に示すように、ディスク外周から内周に向かい、書き換え可能なデータを記録するデータ記録領域103、ディスクのコントロール情報を記録したリードイン領域102、第1バッファ領域2101、リボークを行うための鍵束領域2102、第2バッファ領域2103、媒体固有番号を記録するライトワンス領域105が設けられている。第1バッファ領域2101と第2バッファ領域2103とが鍵束領域2102の境界に確保されている。これは、鍵束領域2102はスタンピング可能な情報で数メガバイトのデータを記録する必要があるからである。
鍵束領域2102のトラック構造は、データの記録を行うデータ記録領域103や媒体固有番号を記録するライトワンス領域104とは異なり、ピットによるトラックや高速のウォブリングでデータを記録した溝となる。この鍵束領域2102に偏芯やアクセス誤差があっても安定にアクセスするために、第1のバッファ領域2101と第2のバッファ領域2103が必ず必要となる。この領域は、最低数100μm程度必要であり記録容量を低下させる原因となる。これは、ディスクの外形が小さいディスクにおいてはかなり深刻な問題となる。本実施形態ではこの課題を解決している。
図22に本実施形態における光ディスクを示す。本実施形態の光ディスクの構成は基本的には実施形態1のものと同様である。実施の形態1と同様の部分は同一の記号で示し、説明は省略する。図22において、光ディスクは、第1バッファ領域2201、光ディスク装置のリボークに用いる鍵束情報2202を持つ。第1バッファ領域2201は本実施例では幅150μmである。
本実施形態の光ディスクでは、鍵束領域2202をディスクの最内周に配置したところに大きな特徴がある。この様な配置を行うことによって、従来は図21に示すように2カ所のバッファ領域2101、2103が必要であったが、バッファ領域を1つに削減でき、記録容量を増加させることができる。
実施の形態6
上述した実施形態はいずれもライトワンス情報として記録固有番号の記録を行う形態であり、ライトワンス情報は記録媒体を製造するメーカが出荷時に行うものであった。しかしながら近年ネットワーク技術の進歩によって、ネットワークを通じてコンテンツを電子配信し、光ディスクに記録するケースが増大しており、今後更にこれらの分野の進展が考えられる。
この分野に書き換え型の光ディスクを用いる場合、課金や再生回数の情報やデータの移動などの情報を光ディスク上に記録する必要が生じる。しかしながら書き換え型の光ディスクに置いて、書き換えが可能な情報としてこれらの情報を記録すると、その改竄が可能となり不正なディスクが横行する可能性がある。よりセキュリティーの高い電子配信用途に書き換え型の光ディスクを用いるためには、データの改竄が不可能な記録領域が必要となる。本実施形態はこの課題を解決する仕組みを提供する。
図23は本実施形態における媒体固有番号情報の再生を行う光ディスク装置の構成図である。本実施形態では、ライトワンス記録領域105に光ディスク装置による記録を行う。図23に示す光ディスク装置の基本的な構成は、実施の形態3のものと同様である。同様の機能をもつ部分については図13および図19と同一の記号で示してあり、その説明は省略する。なお本実施形態では、波長405nm、開口数(NA)略0.85の光ヘッド1302を用いている。書き換え型のデータの記録再生は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
図23において、ライトワンス信号変調器2301は、ECCエンコーダ1315の記録データをマルチパルスのデータに変換をして記録データ列に変調を行う。切り替えスイッチ2302はライトワンス信号と書き換え可能信号とを切り替える。ディスク装着時に媒体固有番号を読み出す処理は実施の形態3と同様である。
以下、ライトワンス領域へのデータ記録処理について説明する。
ホストよりインターフェース1319を介して、ライトワンス領域へのデータの記録を指示するコマンドが発行される。コントローラ1319はこのコマンドを受け取ると、サーボ制御部1307を通じて位相ドライバ1307を制御して、送り機構1303をライトワンス領域104に移動させる。また、コントローラ1319は、サーボ制御部1307を通じてSPMドライバを制御し、モータの回転数をデータ記録領域103の再生時の回転数(例えば、線速度5m/s)よりも低い回転数(例えば、線速度1m/s)にする。ホストよりインターフェース1319を介して、ライトワンスで記録するデータが送られる。送られたデータは、暗号化器1318により、記録媒体の媒体固有情報によって暗号化され、ECCエンコーダ1315によってエラー訂正コードが付加される。エラー訂正コードが付加されたデータは、ライトワンス信号変調器2301により、記録するレーザ変調信号に変換される。このとき、切り替え器2302はライトワンス信号変調器側に切り替えられている。レーザドライバ1306が駆動され、レーザ変調信号により記録が行われる。
ライトワンス信号の記録パターンは実施の形態1と同様であり、記録時のピークパワーは11mWである。ライトワンスデータの記録時は、ピークパワーを押さえるためにモータ1301の回転数を低下させ線速を1m/sで記録を行った。この場合、通常モータの回転数を低下させるとモータが不安定となるために大きく回転数を低下できない。このために本実施形態ではライトワンス領域をディスク内周側に配置してモータの大きな回転数の低下を防いでいる。上記のような構成によって記録を行い、ライトワンス領域にデータを媒体固有番号で暗号化して記録することによって非常に高い記録データに対する信頼性を確保することができる。この点について以下に詳しく説明する。
背景技術において説明したが、書き換え可能な記録媒体において媒体固有番号で記録データを暗号化することによってデータを他の記録媒体にコピーを行ってもデータの暗号復号化が行えず著作権を保護することが可能である。しかしながら記録されたデータが改竄されているかどうかについては、十分な信憑性を得ることはできない。それは、データを一度消去して再度記録を行えば簡単に新しいデータに書き換えることが可能であるためである。よって、課金や再生回数の情報や、データの他のメディアへの移動情報などを、媒体固有番号で暗号化して書き換え型の情報として記録を行っても改竄の危険を回避することができない。
しかしながら、本発明(実施の形態3)の記録媒体は、媒体固有番号で暗号化してデータの消去や書き換えが行えないライトワンス情報としてデータ記録を行うことができるために、記録されたデータはすべてディスク上に残り変更は不可能となる。また媒体固有番号で暗号化を行っており、媒体固有番号が同一の記録媒体は存在しないために、新たな記録されていないディスクに記録を行って再度データを記録し直すことによって新たなディスクを作成しても、新たなディスクの媒体固有番号は暗号化に用いる媒体固有番号と異なるために、ディスクの真偽の区別が非常に簡単となる。このためデータの改竄に対して非常に強力なセキュリティーを持ったシステムとすることができる。
データの改竄から保護する必要のある情報は、課金に関する情報、書き換え回数やデータの移動状態などごく限られた情報であり、記録されるAVデータ等の実体は消去や書き換えが行えることが望ましい。たとえば予め与えられたデータの再生回数だけデータを再生した場合には、データの消去を行う等のケースが考えられる。
本発明の記録媒体ならびにデータの記録装置を用いれば、データの書き換えを可能としつつ、書き換え不可能な領域を持つことによって改竄から保護されるべき情報は十分なセキュリティーで保護され、また記録されたデータは自由に消去や移動などが行えるなど、コンテンツ配信等の要求を満足できる優れたシステムの提供が可能となる。
また、ライトワンスで記録される情報としてコンテンツ配信に関する情報を説明したが、ライトワンスで記録される情報はコンテンツ配信に関わる情報に限られない。例えば、パーソナルコンピュータにおいては、ソフトがPCにインストールされたか否かの情報などにも用いることもできる。また、実施の形態5で記載した鍵束の情報を記録する領域として用いることも可能である。また、ネットワークを介して鍵束の情報を変更してもよく、これによって従来対応が困難であった、すでに配布された媒体に対する鍵束の変更が可能となる。これにより非常に優れたリボーク能力を持ったシステムの構築が可能となる。
本発明は光記録媒体に記録された情報の書き換えや改竄をより確実に防止でき、例えば、著作権の保護が高度に要求されるDVD等の光記録媒体、並びにその光記録媒体に対してデータの記録、再生を行う光ディスク装置に適用できる。
本発明は、特定の実施形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の開示に限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定され得る。
なお、本出願は日本国特許出願、特願2002−277257号(2002年9月24日提出)に関連し、それらの内容は参照することにより本文中に組み込まれる。
本発明は、光学的に情報を記録する光ディスク等の光記録媒体、並びにその光記録媒体に対して情報の記録、再生を行う装置に関する。
近年、光ディスクのAV(オーディオ・ビジュアル)機器やPC(パーソナル・コンピュータ)への応用が非常に活発である。例えば音楽用に開発されたCD(Compact Disc)は、PC用のプログラムやアプリケーションを提供するための再生専用型CD−ROMに展開され、さらにはデータの追記ができるCD−Rやデータの書き換えができるCD−RWが開発され、これらはAV分野やPC分野で広く普及した光ディスク・フォーマットとなっている。また、近年の高密度化技術の進歩で、映画などの映像を納められる再生専用のDVD(Digital Versatile Disc)フォーマットが急速に普及し、DVDもまたDVD−R、DVD−RAM、DVD−RWといった追記型や書き換え型のフォーマットが開発され、普及が加速されつつある。今後、さらに高密度化の技術開発が進むことで、より大容量の光ディスク・フォーマットや、同じ容量でもより小型の光ディスク・フォーマットが開発され、新たなAV用途を開拓する光ディスク・システムとして登場することが期待されている。
これらの技術分野においては、著作権保護の観点からデータの不正コピーを防止する技術の重要性が高まっている。著作権を保護する仕組みとしてディスク1枚毎に固有の情報を製造時に記録し、この固有の情報を用いて記録媒体に記録するデータの暗号化を行う方法が多くの記録型記録媒体で用いられており、一般的な方法として普及している。このような技術として、特許文献1にユーザが書き換えできない媒体固有番号に基づいてデータを暗号化して記録するデータ記録装置が開示されている。
以下、この従来技術について図24を用いて簡単に説明を行う。データ書き込み装置2404は、暗号化器2405と個別鍵生成器2406とで構成され、データ読み取り装置2407は、暗号復号化器2408と個別鍵生成器2406とで構成される。
データ書き込み装置2404は、媒体固有番号2402を読み出し、個別鍵生成器2406によって媒体固有番号2402から記録媒体2401に固有の暗号鍵を生成し、この鍵を用いて電子データを暗号化器2404で暗号化し、暗号化電子データ2403として記録媒体2401に電子データの記録を行う。データ読み取り装置2407は、記録プロセスと同様に媒体固有番号2402から記録媒体2401に固有の暗号鍵を生成し、この鍵を用いて電子データを暗号復号化器2408で暗号を復号し電子データの再生を行う。
この様なシステムでは、暗号化記録データ2403は記録媒体2401に固有の情報となる。暗号化記録データ2403が他の記録媒体にコピーされても媒体固有番号2402がコピーされなければ、暗号化記録データ2403を暗号復号化するための鍵を得ることができず、コピーされた記録媒体ではデータの正しい再生を行うことはできず不法なコピーから著作権を保護できる。
この特許文献1で開示されている不正コピー防止の技術は、媒体固有番号2402が一意的に特定される情報であり、しかもユーザにより書き換えやコピーができないという機能によって実現されている。仮に何だかの手段を用いて媒体固有番号2402がコピーされた場合には、不正なコピーが実現可能となる。
媒体固有番号2402のコピーや改竄の防止技術が非常に重要となる。媒体固有番号の記録技術としては、バーコード状のマークをディスクの一部に記録する技術が一般的に用いられており、特許文献2や特許文献3で開示されている。
以下、特許文献2で開示されている媒体固有番号の記録技術について、図25を用いて簡単に説明する。
図25において、光ディスク2501は厚さ0.6mmの2枚のディスクを張り合わせて構成されている。この光ディスク2501の内周部には、バーコード状のマーク2503を形成するためのBCA領域2502が設けられている。特許文献2ではBCA領域2502は、凹凸形状のピットで構成されており、凹凸形状のピット上にはアルミ膜による反射膜が形成されている。このBCA領域2502に高出力のYaGレーザを用い反射膜を融解して除去するレーザトリミングによってバーコード状のマーク2503が形成される。このバーコード状のマーク2503で媒体固有番号2402が記録される。
この様に形成されたバーコード状のマーク2503を再生した場合の再生信号の様子を図26に示す。図26において、信号2601はバーコード記録領域2502の再生信号であり、信号2602はバーコード状のマーク2503の再生信号である。バーコード状のマーク2503はレーザトリミングによって反射膜が除去されているので、反射光が検出系に戻らないために信号2602に示すようにバーコード部分で再生信号が大きく低下し、それ以外の部分では凹凸形状のピットからの再生信号2603が発生する。この再生信号はローパスフィルターによって凹凸形状のピットからの再生信号2603が除去されバーコード状のマーク2503が検出され復調される。
特許文献2で開示されている媒体固有番号の記録方法は、レーザトリミングを用いて反射膜を除去して記録を行うライトワンス記録であるので書き換えが不可能であり、媒体固有番号の記録方式として最適である。
また、特許文献3で開示されている方式は、相変化型の書き換え記録媒体に媒体固有番号を記録する方法であり、書き換え型の相変化記録媒体に置いて広く用いられている。媒体固有番号の記録を行う領域および記録されるマークの形態は、特許文献2と同様であるので詳しい説明は省略する。
特許文献3は、相変化ディスクの製造工程の中で、記録層を結晶化する工程、いわゆる初期化工程においてBCA領域2502に結晶化を一部中断することにより結晶化部と未結晶化部からなるバーコード状のマーク2503と同様の反射率の異なるマークを形成する方式である。この方式における再生信号を図27に示す。初期化工程に置いて初期化を中断した領域は未結晶化部となり、光学設計により無反射条件を満たすように積層膜が設定されているために反射率が低い領域となるので、バーコード状のマーク2503部で再生信号2702を得ることができる。この方式の場合、結晶化部と未結晶化部を用いてバーコード状のマークを形成するために、書き換え型の記録装置を用いてバーコード状のマークを改竄することが可能である。これを防止するためにBCA領域2502を平板で構成し、記録用の光ビームのトラッキングを困難しており、これによって記録装置での改竄を難しくしている。
上述した媒体固有番号記録方式が広く用いられているが、ライトワンスの記録が行える記録媒体ならびに記録方式であれば、データの改竄を防止しながら媒体固有番号の記録を行うことができる。
ライトワンスの記録を行う方式としては以下のように幾つかの方法がある。
(1)基板上に有機色素を主成分とする記録層を担持し、記録層の背面側に金属材料よりなる反射層を積層した構造を有し、記録層がレーザ光を吸収して発熱したとき、その熱によって記録層を融解又は分解すると共に基板を軟化し、基板と記録層との界面に記録層材料と基板材料の混合物を形成することで記録ピットを形成するといった記録メカニズムを有するもの(特許文献4参照)。
(2)前記と同様の構造を有し、記録層がレーザ光を吸収して発熱したとき、その熱によって記録層を分解し、基板と記録層との界面に記録層材料の分解物を残留させることで記録ピットを形成するといった記録メカニズムを有するもの(特許文献5参照)。
(3)前記と同様の構造を有し、記録層がレーザ光を吸収して発熱したとき、その熱によって記録層を分解してガスを発生し、記録層内に空隙を形成することで記録ピットを形成するといった記録メカニズムを有するもの(特許文献5参照)。
(4)前記と同様の構造を有し、記録層がレーザ光を吸収して発熱したとき、その熱によって記録層を分解してガスを発生し、そのガス圧にて反射層を凸状に変形することで記録ピットを形成するといった記録メカニズムを有するもの(特許文献6、7参照)。
(5)前記と同様の構造を有し、記録層がレーザ光を吸収して発熱したとき、その熱によって記録層を分解すると共に基板を軟化し、記録層が分解することで発生したガス圧にて基板及び反射層を変形することで記録ピットを形成するといった記録メカニズムを有するもの(特許文献6、7参照)。
上述したライトワンス記録方法は、記録ピットを基板等の変形によって記録する方式であり、再生信号は記録ピットからの再生信号はいずれも反射光量が減少する信号として検出される。
日本国特許第318493号明細書 日本国特許第3097917号明細書 日本国特許出願、特開2002−50088号公報 日本国特許出願、特開平2−168446号公報 日本国特許出願、特開平2−244437号公報 日本国特許出願、特開平3−63943号公報 日本国特許出願、特開平3−58333号公報
上記のような媒体固有番号の記録方式では、媒体固有番号が改竄されるという課題があった。
特許文献3では、結晶化部と未結晶化部を用いてバーコード状のマークを形成するために、書き換え型の記録装置を用いてバーコード状のマークを改竄することが可能である。これを防止するためにBCA領域2502を平板で構成し、記録用の光ビームのトラッキングを困難している。しかしながら精密な送り機構を持った装置を用い、記録用の光ビームで相変化型の記録膜に再記録を行い結晶部と非結晶部を形成することによって、溝によるトラッキング制御を行わずにバーコード状のマークを書き換える事は可能である。これによって、本来記録媒体毎に固有の番号であるはずの媒体固有番号の変更が可能となり不正なコピーが横行する事になりうる。
特許文献1では、反射膜をレーザトリミングで除去してバーコード状のマークを記録しているので改竄を行うことは困難であるが、その再生波形が図26に示したようにバーコード状のマーク部分で反射光量が減少する信号となる。この再生信号は特許文献3で開示されている記録方式による再生信号と非常に酷似している。BCA領域2502を凹凸ピットで構成して、特許文献3で開示されている記録方式によって結晶化部と未結晶化部を用いてバーコード状のマークを形成すれば殆ど同一の信号を得ることができる。
この場合、記録再生装置はレーザトリミングで除去されたバーコード状のマークなのか未結晶化部によるマークであるかの判断は非常に困難となる。特に記録再生装置では多くの記録媒体の記録再生をサポートする必要がありこれらの互換性を考慮した場合、レーザトリミングで除去されたバーコード状のマークと未結晶化部によるバーコード状のマークを区別することは殆ど不可能となる。
これは特許文献1に開示する装置に、BCA領域2502に未結晶化部によるバーコード状のマークを形成した不正なディスクを用いても正規のディスクとして動作することを意味する。前述したように未結晶化部によるバーコード状のマークは、書き換えや改竄を行うことが可能であるので特許文献1の場合においても不正なコピーが横行する事になり得る。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、書き換えや改竄を防止したい情報を有効に保護し得る光記録媒体であって、例えば、著作権保護に好適な光記録媒体、並びにそのような光記録媒体に対して情報の記録、再生を行う光ディスク装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光記録媒体は、データの書き換えが可能なデータ記録領域と、追記のみでデータの消去が行えないライトワンス領域とを有する。データ記録領域において、データ記録部分の反射率はデータ未記録部分の反射率よりも低い。ライトワンス領域において不可逆変化として形成された記録ピットの反射率は、ライトワンス領域のデータ未記録部分の反射率よりも高い。
この様な構成の記録媒体によれば、ライトワンス領域に反射率が増加する記録ピットを記録することが可能である。このために、データ記録領域に記録される記録ピットの反射光量が未記録時に比して低下するのに対し、ライトワンス領域の記録ピットとは反射率が増加するので、両者は区別でき、媒体固有番号情報の改竄検出が簡単にできる。このために媒体固有番号を相変化の結晶と非結晶の状態で記録された不正なディスクを簡単に検出できる。よって本発明方法で記録した光ディスクならびに光ディスク記録再生装置を用いることによって著作権保護やコンテンツ配信などの課金情報などの記録に対して非常にセキュリティの高いシステムを実現することができる。
本発明に係る光ディスク装置は、データの書き換え可能なデータ記録領域と、追記のみでデータの消去が行えないライトワンス領域とを有する光記録媒体に対してデータ記録を行う光ディスク装置である。光ディスク装置は、光記録媒体に対してレーザ光を照射してデータを記録する光ヘッドと、光ヘッドによるデータの記録動作を制御するレーザ駆動手段と、レーザ駆動手段の動作を制御するコントローラとを備える。コントローラは、データ記録領域に書き換え可能なデータを記録するのに必要な熱量の3倍〜25倍の熱量のレーザ光を、ライトワンス領域に照射してデータの記録を行うよう、レーザ駆動手段を制御する。
また、本発明に係る別の光記録媒体は、記録媒体に固有に割り当てられた媒体固有番号が、該媒体固有番号が記録される位置に関する情報と、秘密鍵とから生成された公開鍵によって暗号化されて記録されている。このような光記録媒体によっても、著作権保護等に対して非常にセキュリティの高いシステムを実現することができる。
本発明によれば、ライトワンス領域に記録されたデータと、書き換え可能なデータ領域に記録されたデータの区別が可能となるために、ライトワンス領域に媒体固有番号を記録すれば不法なコピーからデータの保護が行え、かつ、書き換え可能な記録媒体を提供することができる。また、媒体固有番号を媒体固有番号が記録される位置情報によって暗号化することによって、光ディスク装置の不正な変更による媒体固有情報の改竄からもシステムを保護することができる。またライトワンス領域を媒体固有情報のみならず課金やコンテンツ管理の情報として用いることも可能であり、この時ライトワンス領域に記録されるデータを媒体固有番号で暗号化することによってライトワンス領域に記録されたデータの改竄をも防止できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
最初に、本発明の第1の実施形態である書き換えできない媒体固有番号を持った書き換え型光記録媒体として、ディスク形状の記録媒体を例にその概要を説明する。次にその作成方法をディスク原盤の作製工程、ディスクの作製工程、媒体固有番号の記録方法ならびに記録装置、媒体固有番号の再生方法ならびに再生装置の順に説明を行う。
(光ディスクの構造)
図1に本発明に係る光ディスクを示す。本発明に係る光ディスクは、相変化型の記録膜で構成されており、略直径50mm、内径11mm、厚さ略0.8mmであり、厚み略0.1mmの透明基板を通して、波長405nm、開口数(NA)略0.85の光ヘッドを用いて情報の記録再生を行う。
図1において、光ディスク101は、光ディスクをコントロールするための制御情報や交替情報などシステム的に必要な情報を記録したリードイン領域102、ユーザのデータを記録するためのデータ記録領域103を有する。リードイン領域102は、改竄不可能なデータを記録するためのライトワンス記録領域104を含む。
データ記録領域103はデータが書き換え可能な領域である。ライトワンス記録領域104は、一度のみデータの記録が可能であり、一旦記録したデータの消去は不可能な領域である。特に、本発明では、このライトワンス記録領域104において、光ディスクに固有の番号である媒体固有番号情報105がライトワンス情報として記録される。
データ記録領域103は半径23.8mmから半径12.25mmの範囲である。リードイン領域102は0.5mmの幅を持ち、半径12.25mmから半径11.75mmの範囲である。リードイン領域102内に設けられたライトワンス領域104は半径11.95mmから半径11.75mmである。リードイン領域102およびデータ記録領域103のトラックは、連続的な螺旋状の溝で構成されている。リードイン領域102のトラックピッチ(溝と溝の間隔)は0.35μmであり、データ領域103のトラックピッチは0.32μmで、リードイン領域102とデータ領域103の境界において略30μmの範囲でトラックピッチは連続的に変化しているがトラックは連続した螺旋状の溝である。トラックにはアクセスを行うためのアドレスが溝のウォブルによって記録される。
データ記録領域103においては、書き換え可能な記録データは、溝中にアモルファス状の記録ピットとして記録される。このアモスファス状の記録ピットは、書き換え型のDVDなどで用いられているものと同様の方法で形成される。すなわち、記録レーザ光をマルチパルスで強度変調して記録膜を急冷することによって形成される。
リードイン領域102には、光ディスクの記録パワーや記録パルスタイミングなどをコントロールするための制御情報が予め溝のウォブルで記録された領域や記録パワーの学習を行うためのテスト領域など光ディスクの動作を行うためにシステム的に必要な情報や領域で構成されている。
リードイン領域102のトラックピッチがデータ記録領域103のトラックピッチより広いのは、トラックの溝のウォブルで記録された制御情報を安定に読み出すためである。
(光ディスクの作製工程)
次に、本発明の実施形態における光ディスクの作製工程について説明する。まず図2を用いて光ディスク原盤作製工程を説明する。
感光材料としてポジ型フォトレジストを均一に塗布したガラス板201を用意する。波長248nmの遠視外線レーザを用いたカッティングマシーン202によって所望の溝パターンを露光する。このときカッティングマシーン202はフォーマッタからの信号に基づいて光ビームをウォブリングしながらアドレスならびにリードイン領域102の一部に制御情報を記録する。リードイン領域102とデータ領域103の間ではカッティングマシーンの送り量を変化させてトラックピッチを変化させる。データ領域103の再外周まで達した時点で露光は完了する。
上記の工程によって所望の溝パターンの潜像203がガラス板201に記録される。このガラス板を回転させながら現像し乾燥することによってグルーブパターン204が形成されたディスク原盤205が作製される。ディスク原盤205にスパッタリング法でニッケル膜206を形成してこれを電極としてニッケルメッキを行ってニッケルの薄板207を作製し、これを剥離、レジスト除去を行って裏面を研磨した後に所望の形状に打ち抜くことによってスタンパ208が作製される。
次に図3を用いて光ディスク101の作製工程について説明を行う。
上記の方法で作成したスタンパ208を射出成型機に取り付け、ポリカーボネイトを材料とした射出成形を行ってスタンパ208の溝形状が転写された厚さ0.7mmの成形基板301を作製する。この基板301の溝が転写された面にスパッタ法によって厚さ80nmのAgの反射層302、厚さ20nmのZnSの誘電体層303、10nmの厚さの(Ge,Sn)SbTeの記録層304、厚さ57nmのZnSの誘電体層305を積層する。この上に厚み略90μmのポリカーボネートシート306をスピンコータ上で紫外線硬化樹脂307を滴下し、誘電体層305に紫外線硬化樹脂を塗布したポリカーボネートシート306を重ねた後、スピンコータを回転させて余分な紫外線樹脂を振り切り紫外線樹脂の厚みが略10μmとなった時点でスピンコータの回転を停止し、紫外線源308から紫外線を照射して樹脂307を硬化させる。
これらの工程によって光ディスク101が形成される。上記光ディスク101の記録層304はスパッタ法により形成された状態では全面がアモルファス状態であり、一般的に初期化工程と呼ばれる記録層304の結晶化処理が必要となる。この結晶化処理は通常650nm程度波長の高出力のレーザ光を搭載した初期化装置で全面均一な光で走査することにより行われる。この処理によって記録膜304は反射率が約20%となる。これらの工程が終了後、媒体固有番号情報105の記録が行われる。
(光ディスク装置)
図4は、本発明に係る媒体固有番号情報を記録する光ディスク装置の構成を説明した図である。
図4において、モータ402は媒体固有番号情報105を格納する光ディスク401を回転させる。光ヘッド403は光ディスク401に媒体固有番号情報105の記録を行う。送り機構404は光ヘッド403を半径方向に移動させる。フォーカス・トラッキングドライバ405は光ヘッド403のフォーカスおよびトラッキングアクチュエータを駆動する。送りドライバ406は、送り機構404を駆動する。制御部407はフォーカス・トラッキングドライバ405と送りドライバ406とモータ402を制御する。PLL408は、溝からのプッシュプル信号からアドレス読み出し用クロックを生成する。アドレスデコーダ409は、溝からのプッシュプル信号からウォブルで記録されたアドレス情報を復調する。レーザドライバ410は媒体固有番号情報105を記録するために光ヘッド403のレーザのパワー変調を行う。レーザパワー制御部411は、レーザドライバ410のパワー制御を行う。記録タイミング生成器412は媒体固有番号情報105の記録タイミングを生成する。ECCエンコーダ413は媒体固有番号にエラー訂正コードを付加する。データ変調部414はECCエンコーダ413の情報を記録するビットデータに変換する。マルチパルス生成器415はデータ変調部414のビットデータをマルチマルス化してレーザ変調データを生成する。コントローラ416は、媒体固有番号情報105の記録を行うためのトータルのコントロールをマイクロコンピュータで構成される。データの記録を行う光ヘッド403の光学的なパラメータは、NA=0.85、レーザ波長405nmである。
(媒体固有番号情報)
媒体固有番号は、ECCエンコーダ414でブロック化されパリティーデータが付加され、ECCブロックとなる。ECCブロックはデータ変調器414でPE変調され、プレアンブルおよびシンクパターンが付加される。図5(a)にプレアンブルおよびシンクパターンが付加されてPE変調された記録ブロック501の構造を示す。I0〜I15は媒体固有番号であり、16バイトの情報量を持つ。C0〜C15はI0〜I15のパリティである。これらのデータブロックの先頭に0で構成されるプリアンブルが付加される。
図7に示す法則に従ってC0〜C15、I0〜I15およびプリアンブル部はPE変調されており、1バイトの情報は2倍のビット数になるために、C0〜C15、I0〜I15およびプリアンブル部の各シンボル長は16ビットとなる。この様に、PE変調し記録することによって、媒体固有番号情報105の再生信号から再生クロックの抽出を容易にしている。
図5(a)に示すように、各行の最初にシンクマークSB、RS0〜RS2が付加されている。シンクマークSB、RS0〜RS2のビットパターンを図6に示す。シンクマークは16ビットで構成され変調後のピット列にはPE変調で出現しない0が2ビット以上連続で出現するパターンを持ち、容易に再生信号からシンクパターンを検出できる。図5(a)の記録ブロック501の構造を複数回繰り返して、16バイトの整数倍の単位で記録することも可能である。図5(b)に記録ブロック501をn個繰り返した場合の構造を示す。プリアンブルのマーカとしてシンクコードSBが、記録データのマーカとしてRS0が、パリティのマーカとしてRS1が、データの終了のマーカとしてRS2が付加された構造である。媒体固有番号の情報を含んだ記録ブロック501は、光ディスク101のライトワンス記録領域104の所定アドレスに記録される。
図8に、光ディスク101に記録された媒体固有番号情報105の構造を示す。ライトワンス記録領域104中の記録トラック801において、セクタ804〜806が媒体固有番号情報105が記録されるセクタである。1セクタは複数の記録ブロックからなる。実施形態1では、媒体固有番号情報105は、2個のセクタに跨って記録されるが、セクタ804から連続して記録されるわけではなく、1セクタ分記録した後に、記録を行わないセクタ805を置いて次のセクタ806に記録されている。この理由は後で詳述する。
(媒体固有番号情報の記録)
媒体固有番号情報105の具体的な記録の方法について説明する。媒体固有番号情報105は所定のブロック単位(記録ブロック)に分割されて記録される。
コントローラ416は、アドレスデコーダ409によって読み出されたアドレスに基づき送りドライバ404、フォーカス・トラッキングドライバ405を制御部407を介して制御することにより、媒体固有番号情報105を記録する所定のセクタ(図8ではアドレスMのセクタ)にシークして、記録タイミング生成器412のタイミングに基づいて所定のセクタの開始位置に同期して記録ブロック501を記録する。また、アドレスM−1の領域803では媒体固有番号情報105を復調するための基準レベルを提供するために、その領域803の記録膜304は結晶化状態に初期化される。記録層を結晶化状態に初期化することにより、データ記録領域の記録層の結晶状態より反射率の高いライトワンス領域の記録ピットを検出するためのリファレンスレベルを、再生するセクタの前のセクタの再生レベルから容易に抽出できるために復調回路を簡単に構成できる。この詳細は後述の媒体固有番号情報105の再生方法の説明で詳述する。
本実施形態では、ライトワンス記録領域104とデータ領域103は同じセクタ構造とする。ライトワンス記録領域104に記録されるデータの記録開始位置はセクタの開始位置と一致させる。これらのセクタは溝のウォブルにアドレス情報を変調して記録することによって識別される。データの記録を行うためのクロックもウォブル信号からPLL408によって生成される。なお、必ずしもライトワンス領域とデータ領域でセクタの構造を同一にする必要はないが、ライトワンス領域104とデータ記録領域103もしくはリードイン領域102でアドレスの記録方式や変調周波数などが変化した場合、ぞれぞれの境界付近において偏芯によりアドレスの識別が複雑となり好ましくない。
ライトワンス領域104とデータ記録領域103とは記録フォーマットが異なるが、ライトワンス領域104とデータ記録領域103とで、アドレスのフォーマットを同一とする。これによりシークの高速性が実現できる。ただし、このような構成により、ライトワンス領域104とデータ記録領域103の記録密度及び記録フォーマットが異なるため、図8に示すように、セクタ領域に記録を行わない部分807が生じる。このように、セクタ領域において未記録領域部分807を許容することにより、記録ブロック501の開始位置をアドレスの開始位置と一致させることが可能となり、開始位置を容易に検出できるようになる。
また、記録ブロック501のサイズが大きく、複数のセクタ領域に跨る場合には、図8に示すように、固有番号情報が記録されていないセクタ805を、媒体固有番号情報105が記録されたセクタ804、806の間に設けるようにする。これは、記録ピット902の記録によってその部分の反射率が増加するためにアドレスの復調が困難となるためである。固有番号情報が記録されていないセクタを設けることにより、そのセクタでは確実にアドレスの読み出しができるため、アドレスの読み出せる領域が、媒体固有番号情報105の記録されている領域中に存在することになる。このため、読み出し中にトラックの傷などで別のトラックに間違って移動した場合でもアドレスの情報が確認でき、安定な再生が実現できる。また、媒体固有番号情報105が記録された領域中にアクセスを行うのも容易となる。以上が媒体固有番号情報105の記録フォーマットである。
(ライトワンス領域での記録ピットの形成)
次に、ライトワンス領域104へのデータ記録方法(記録ピット形成方法)について説明する。
データ変調器414で生成された記録ブロック501は、マルチパルス生成器415で1つのビットを複数回のマルチパルスに分割してレーザを照射することによって記録される。図9にデータ「1」および「0」を記録する場合のレーザパルス波形、記録ビット列及び記録マークを示す。図9(a)は記録すべき記録データ、図9(b)は光ディスク401上に形成される記録ピット、図9(c)は記録ピット902を形成するための記録レーザ波形をそれぞれ示す。記録レーザ波形はピークパワー904、ボトムパワー905、バイアスパワー906を有する。
本実施形態では、記録ピット902を形成するのに6個のマルチパルスにて記録を行う。記録を行った光ディスク401の線速度を1m/s、マルチパルスのピークパワー904の幅を40ns、マルチパルスの間隔を80ns、ボトムパワー905を0.1mW、バイアスパワー906を2mWとした場合、記録のピークパワー904は9mW〜11mWの範囲で良好な記録が行えた。
上記の方法によって記録された記録ピット902の再生信号を図10(a)に示す。図10(a)において、信号1001は媒体固有番号情報105を記録した時の再生信号、レベル1002は結晶化状態の記録層304からの再生信号レベル、レベル1003は記録ピット902の再生信号レベル、レベル1004は光ディスクからの反射光がゼロとなる再生レベルである。
光ディスクに上記記録方法による記録を行うと、記録ピット902からの再生信号1003は、未記録時に比して反射光量が増大するように発生する。図10(b)は、従来の書き換え型の記録方法で、1-7の変調則に従ってアモルファス状態の記録ピットを記録層304に記録した場合の再生信号である。図10(b)において、信号1005は書き換え型の情報記録方法で記録された場合の再生信号を示し、信号1006はアモルファス状態にある記録ピットの再生レベルである。書き換え型の情報記録処理を、線速度5m/s、記録のピークパワー4.8mW、バイアスパワー2.4mW、ボトムパワー0.1mWで行った。書き換え型の情報はアモルファス状態の記録ピットとして記録されるために、反射光量が減少する方向に発生する。
従来の書き換え可能な記録ピットは、未記録時の結晶状態からデータが記録されるとアモルファス状態となり、その記録ピットからの反射光量は未記録時より減少する。これに対し、本実施形態の光ディスクにおけるライトワンス領域に形成された記録ピット902はその反射光量が未記録時より増大する。このため、本発明の光ディスクを用いれば、その反射光量に基づきデータ再生時に、そのデータが書き換え可能な領域から読み出されたのか、ライトワンス領域から読み出されたのかを容易に区別することができる。また、本実施形態の光ディスクのライトワンス領域の記録ピット902の部分の反射光量は、相変化記録における結晶化状態で得られる反射光量よりも更に高い反射光量となるようにする。これにより、ライトワンス領域からの反射光量を、書き換え型の相変化記録で実現することは不可能である。
上記の方法でライトワンス領域に形成された記録ピット902の状態について図11(a)、図11(b)を用いて説明する。図11(a)は、記録ピット902をトラック溝内に記録した状態を示した図であり、図11(b)は、図11(a)の線1102での、記録ピット902の断面の状態を示した図である。図11(a)に示すように、データの記録を行うための記録溝1101内に記録ピット902が形成されている。
図11(b)において、反射層302、保護層303、記録層304、保護層305がこの順で積層されている。記録ピット902が形成された領域では、記録層1103を中心に変形が発生し、記録層1103の厚さが減少している。記録層の厚さが薄くなった部分では、記録層による光の吸収量が減少するためにより多くの光が反射層302に到達し、到達した光は反射層302によって反射される。このために記録ピット902の部分では反射光量が増大する。この記録モードは、記録層304の変形による不可逆変化でありライトワンス記録となる。この記録層304の変形は、光ディスク401を1m/sという低い線速度で回転させて単位体積あたりに、通常の書き換え型の記録時のパワーよりも5〜10倍程度の大きなレーザパワーを注入することによって引き起こされるものである。
図12にライトワンス領域の記録ピット902の再生信号量と記録パワーとの関係を示す。図12の横軸は、ライトワンス記録のピットを形成するためにレーザ照射によって単位体積あたりに注入される熱量と相変化の書き換え型の記録ピットを形成するのに最適なレーザ照射によって単位体積あたりに注入される熱量との比である。単位体積あたりに注入される熱量は、照射されるレーザパワーとレーザの照射時間に比例し、記録時の記録層304の移動速度である線速度に反比例する。図12の縦軸は、ライトワンス記録によって形成されたピット902の反射率と記録膜304が結晶状態にある時の反射率の差、つまりライトワンス記録による再生信号量である。
図12に示されたように、単位体積あたりに注入される熱量比が2倍から記録が行われ、約4倍程度でほぼ飽和し20倍程度までほぼ一定の信号量を示す。さらに注入熱量を増大させると反射層302の破壊が起こり、レーザ光が反射されなくなるために信号量は低下する。
この様に、本発明の反射光が増大する記録ピット902を形成するのに必要な熱量は、相変化の書き換え型の記録ピットを形成するのに好適なレーザ照射によって単位体積あたりに注入される熱量の2倍から22倍程度が適切であり、さらに良好なピットを形成するという意味においては4倍から20倍が最適な範囲となる。
従来のレーザトリミングによる記録方法では保護膜を破壊するために十分な信頼性を得ることが困難であった。これに対し、本発明によれば、ピット902の記録による保護膜の破壊がないために、従来の光ディスクと同等の信頼性を確保することができた。具体的には、温度80、湿度80%の環境の加速試験においても2000時間以上腐食等の信頼性の低下は観測されなかった。この様に環境信頼性に優れた光記録媒体が実現できる。
なお、本実施形態では記録マークの形状を安定にするためにマルチパルス記録を行ったが、必ずしもマルチパルス記録を行う必要はなく、図12に示された熱量を注入できればライトワンスの記録を行うことが可能である。また、本実施形態では光ディスク上の記録媒体を用いたが、必ずしもディスクの形状に限定されるものではない。また、上記のピット形成方法は、記録により反射率を未記録時より高くしたい場合のライトワンスデータの記録方法として適用可能である。
(媒体固有番号情報の再生)
次に、媒体固有番号情報105の再生方法について説明を行う。図13に媒体固有番号情報105の再生を行う光ディスク装置の構成図を示す。
図13に示す光ディスク装置において、モータ1301は光ディスク101を回転させる。光ヘッド1302はデータの記録再生を行う。送り機構1303は光ヘッド1302を半径方向に移動させる。ドライバ1304はモータ1301を駆動する。ドライバ1305はフォーカス・トラッキングを行うために光ヘッド1302のアクチュエータを駆動する。レーザドライバ1306は光ヘッド1302のレーザを駆動して記録もしくは再生を行う。位相ドライバ1307は送り機構1303を駆動する。レーザ制御部1308はレーザのパワーコントロールを行う。サーボ制御部1309はモータドライバ1304およびフォーカス・トラッキングドライバ1305および位相ドライバ1307の制御を行い任意のアドレスにシークしたりフォーカス・トラッキング制御等を行う。サーボ信号検出器1310はサーボ制御用の信号を演算する。アドレス復調器1311はプッシュプル信号からアドレスの復調を行う。書き換え信号変調器1312は書き換えが型の情報を相変化の記録ピットとして記録を行うためにデータの変調を行う。書き換え信号復調器1313は書き換えが型の情報である相変化の記録ピット信号を復調する。ライトワンス信号復調器1314はライトワンス信号の復調を行う。ECCエンコーダ・デコーダ1315は書き換え型信号のエラー訂正およびリードソロモン符号化を行う。ECCデコーダ1316は、ライトワンス情報として記録された媒体固有番号情報のエラー訂正を行う。暗号化器1317は媒体固有番号を用いて記録データの暗号化および再生データの暗号復号化を行う。コントローラ1318はシステムのコントロールを行うマイクロコンピュータで構成される。ホストインターフェース1319はホストとのインターフェースを制御する。
光ディスク101が光ディスク装置にセットされると、コントローラ1317は、媒体固有番号が記録されているアドレスMの1つ前のアドレスM−1に、サーボ制御部1307を通じて位相ドライバ1307を制御して位相系をアドレスM近傍に移動させる。その後フォーカス・トラッキング制御を行って現在のアドレスをアドレス復調器1311で読み出し、読み出したアドレスとアドレスM−1との差からマルチジャンプおよび1トラックジャンプ制御をサーボ制御部1309により行い、アドレスM−1へのシークを完了する。アドレスM−1の領域803は、前述したようにその記録膜304が消去レベルに初期化されている。このレベルを基準にライトワンス信号復調器1314はライトワンス情報として記録された記録ピット902の復調を行う。
図14にライトワンス信号復調器1314の詳細な構成を示す。
ライトワンス信号復調器1314は、結晶化状態の反射率レベルを記憶するするサンプリングホールド1401、サンプリングホールド1401の出力を所定数(本例では1.3)倍するアンプ1402、アンプ1402の出力とライトワンス信号のとの比較を行う2値化器1403、シンクコードの検出を行ってデータのPE復調を行うPE復調器1404、及び、アドレスの情報からサンプリングホールド1401とPE復調器1404の動作をコントロールするタイミング信号生成器1405を含む。アドレスM−1の領域においてサンプリングホールド1401は信号のレベルをサンプリングする。この時サンプリングされる信号レベルは、アドレスM−1の領域が消去レベルに初期化されているために、結晶状態の反射光量レベルとなる。
次のアドレスMで、サンプリングホールド1401はホールド状態となり、サンプリングされた結晶状態の反射光量はアンプ1402によって1.3倍され、入力信号と比較され、その結果が2値化される。アドレスMには記録媒体固有番号情報が上述したようにライトワンス記録されており、記録ピット形成部で反射光量が増大する。この増大した反射光量のレベルと結晶化状態のときの反射光量の1.3倍のレベルとを、2値化器1403で比較することにより記録ビットストリームとなる。さらに、この記録ビットストリームは、PE復調器1404にてシンクコードが検出されるとともにPE復調される。PE復調されたピットストリームデータはECCエンコーダ1316でエラー訂正され媒体固有番号が再生される。
復調された媒体固有番号は、ホストからの指示によって記録再生されるデータを暗号化もしくは復号化を行う暗号化・復号器1318で記録データの暗号化と暗号復号化を行うための鍵として用いられる。書き換え型のデータの記録再生は5m/sの線速度でデータの転送レート36Mbps、レーザの記録パワーは9.6mWバイアスパワーは4.5mWで行われる。
この様に本実施形態の光ディスクにおいては、媒体固有番号情報を反射率が増加する記録ピットとして記録することが可能であるので、その復調は書き換え可能な情報として記録された場合の復調に対する回路とは異なった特別な回路が必要となる。このために、例えば相変化による書き換え可能なピットで媒体固有情報を偽造しても再生を行うことが不可能となるので非常に高いセキュリティレベルを実現できる。媒体固有番号情報の復調部を変更して相変化による書き換え可能なピットで偽造した信号を復調する方法も考えられるが、復調部をデジタル化してLSIの中に埋め込むことによって、その変更は殆ど不可能とすることができる。
以上のように、本発明の媒体固有番号情報を記録した光ディスクならびに光ディスク記録再生装置を用いることによって著作権保護に対して非常にセキュリティの高いシステムを実現することができる。また、トラッキングを行って媒体固有番号情報を記録するために、この情報を記録するための幅は数ミクロンで十分であり、書き換え型のデータの記録を広く取れるために記録容量の増大にも大きな効果がある。この特徴は直径の小さな光ディスクに本用いた場合に最も効果がある。また、書き換え不能なライトワンス領域にデータとして情報を書き込めるため、BCAを用いる場合に比して、種々の改竄を防止したい情報を書き込める。
実施の形態2
実施形態1に示すような方法で改竄不可能な記録ピット902を形成した場合、記録後の反射光量は記録前に比して増大する。このためにプッシュプル信号から生成されるウォブル信号も記録ピット902が形成された部分は信号量が増大する。また、ウォブル信号のゼロクロス位置にアドレス情報を変調して記録した光ディスクにおいて、記録ピット902の形成によってゼロクロス位置からの再生信号が影響を受けた場合、アドレスの再生が不可能となる。アドレスの再生が行えないと、媒体固有番号情報105の再生を行う場合、媒体固有番号情報105が記録されたアドレス(実施形態1では、アドレスM)より1つ手前のアドレスM−1にシークして、次のアドレスに媒体固有情報105が記録されているとしてアドレスの確認をせずに再生を行う必要がある。実施形態1では、図8に示したように、セクタに跨って媒体固有情報105を記録する場合には、記録を行わないセクタ805を設けることによって再生時の信頼性を向上していた。
しかし、上記の方法では、媒体固有番号の情報はアドレスの確認なしでデータを再生する必要があり再生の信頼性が低下する。また記録を行わないセクタ領域805を設ける必要があるために記録の密度も低下する。
本実施形態では上記の問題を解決するために、アドレス読み出しが可能な媒体固有番号情報105の記録を行う手段を提供する。
図15を用いて、本実施形態における媒体固有番号情報の記録方法ならびに記録装置について説明する。図15は本実施形態における媒体固有番号情報の記録装置の構成図である。図15において基本的な構成は実施形態1と同様であり、同様の機能をもつ部分については図4と同一の記号で示してある。同一記号で示した部分は、実施形態1と同様であるのでその説明は省略する。
図15において、PLL1501はウォブル信号に対してロックする機能を有する。マルチパルス発生器1502はウォブルに同期してマルチパルスを発生してピットを形成する。PLL1501はウォブルに同期したPLLという点では実施形態1と同様であるが、媒体固有番号情報を記録するピットの位置をウォブルに同期するために、マルチパルス発生器1502にウォブル位相位置を出力しており、マルチパルス発生器1502はこの信号に基づいて溝の記録溝1101のウォブルに同期したピットをディスク上に記録する。
図16に、本実施形態の記録方法によって媒体固有番号情報の記録ピット902が記録溝1101のウォブルに同期して記録されたトラックの状態と、この時の記録溝1101から再生されるウォブル信号を示す。図16(a)は、溝のウォブル量が最大となる位置に同期をして記録ピット902の形成を行った場合を示す。本発明の方法によって改竄不可能な記録ピット902を形成した場合、反射光量が増大する。このためにプッシュプル信号から生成されるウォブル信号も記録ピット902が形成された部分は信号量が増大する。
溝のウォブル量か最大となる位置に同期をしてピット記録を行った場合、ウォブル信号は図16(a)の下段に示す信号1601に示すような信号となる。本実施形態の光ディスクは、ウォブル信号のゼロクロス位置にアドレス情報を変調して記録しているが、図16(a)のウォブル再生信号1601に示したように溝のウォブル量か最大の位置に同期をして記録ピット902を形成すれば、ウォブル信号のゼロクロス位置は影響を受けず安定にアドレスを検出できる。
また、図16(b)のウォブル再生信号1602に示したように溝のウォブル量かゼロとなる位置に同期をして記録ピット902を形成してもよい。この場合も同様に、ウォブル信号のゼロクロス位置は影響を受けず安定にアドレスを検出できる。
以上の様に、溝のウォブルに同期して記録ピット902を形成すれば、記録ピット902の形成によって反射率が変化しても確実なアドレス再生が可能となる。上記のようなウォブルに同期した記録を行うことによって、媒体固有番号情報105を再生する場合、光ディスク上の媒体固有番号情報の記録領域においてアドレスの復調が可能となり、高速シークと高い信頼性の読み出し動作が実現できる。さらに、アドレスを構成するウォブル情報に同期すると共に、アドレスの情報に対しても完全に同期して記録が行われているために、その再生時においてアドレスの同期情報から媒体固有番号情報105の同期を確保することも可能となる。
なお、実施の形態1では、シンクコードSB,RS0〜RS2から媒体固有番号情報105の再生の同期を行っていたが実施形態2では、このシンクコード利用しなくてもよく、媒体固有番号情報105の記録密度を向上させることができる。
実施の形態3
前述の実施形態では、セキュリティーを十分に確保できないケースがある。例えば、光ディスク装置のシステムコントローラのプログラムを改竄された場合、前述の実施形態では媒体固有番号の改竄が可能となってしまう。
実施の形態1,2では、媒体固有番号情報105は、ディスク上の所定のアドレス(実施の形態1ではアドレスM)に記録されており、ドライブはアドレスMに書かれた情報を読み出すことによって媒体固有番号を得る。仮に、アドレスMと異なるアドレスNに、新たに偽の媒体固有番号情報を記録し、システムコントローラのプログラムのごく一部を変更し媒体固有番号を読み出すアドレスをNとすれば、アドレスNの媒体固有番号を正しい媒体固有番号として認識し、光ディスク装置は正常に動作する。ドライブのシステムコントローラプログラムの改竄は、ある程度の技術が必要ではあるが、昨今のハッカーによるセキュリティー攻撃の事例を考えると十分に可能であると考えるべきである。本実施形態3は上記問題点を解決するものである。
図17を用いて、本実施形態における媒体固有番号情報105の記録方法ならびに記録装置について説明を行う。図17は実施形態3における媒体固有番号情報105の記録装置の構成図である。図17において基本的な構成は実施形態1,2と同様であり、同様の機能をもつ部分については図4,15と同一の記号で示してある。同一記号で示した部分は、実施形態1,2と同様であるのでその説明は省略する。
実施形態3では、図17に示したように暗号化器1701を設けたところに大きな特徴がある。暗号器1701は、コントローラ416から与えられる鍵に基づいて媒体固有番号の暗号化を行う。このように媒体固有番号を暗号化することによって、上述したセキュリティーホールに対して大きな効果がある。この点について図18を用いて更に詳しく説明を行う。なお、書き換え型のデータの記録再生は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
図18は、媒体固有番号の暗号化と暗号復号化の仕組みを説明したものである。図18において、著作権管理機構1801はコンテンツの著作権の管理を行う機関である。記録媒体製造メーカ1802は媒体固有番号の記録された記録媒体101を製造するメーカである。記録再生装置製造メーカ1803は光ディスク装置や光ディスク装置用のLSIを製造するメーカである。著作権管理機構1801は媒体固有番号を暗号化するための秘密暗号鍵1804、媒体固有番号が記録された位置を表す情報1805、秘密暗号鍵1804と媒体固有番号記録位置情報1805のセットを鍵として生成された公開鍵1806、秘密暗号鍵1804と媒体固有番号記録位置情報1805のセットから媒体固有番号を暗号復号化する、モジュール化された暗号復号化器1807を有する。記録再生装置製造メーカ1803は、暗号化復号化器1809が埋め込まれた記録再生装置1808を製造する。
著作権管理機構1801は、秘密鍵1804と媒体固有番号が記録されているアドレス位置情報1805をペアーとした鍵に基づいて、記録媒体製造メーカ1802に公開する公開鍵の複数のセット1806を作成する。公開鍵セット1806の1つが記録媒体製造メーカ1802に配布される。記録媒体製造メーカ1802は、公開鍵セット1806中の公開鍵を用いて予め決められたアルゴリズムに従って媒体固有番号を暗号化して光ディスク101に記録を行う。
一方、光ディスク装置や光ディスク装置用のLSIを製造する記録再生装置製造メーカ1803には、秘密鍵1804と媒体固有番号が記録されている位置情報1805とをペアーとした鍵を用いて暗号化された媒体固有番号を暗号復号化する回路の部品、もしくはLSIに組み込める形にモジュール化された暗号復号化器が供給される。この回路部品もしくはモジュール化された暗号復号化器は、秘密鍵1804を含んでおり、媒体固有番号が記録されている位置情報1805があれば媒体固有番号を暗号復号化できる。
ここで用いられている、媒体固有番号の記録位置情報1805は、媒体固有番号が記録されている場所を一義的に特定できる情報であれよく、この情報は媒体固有番号が記録されている場所に同時に記録されている必要がある。たとえば光ディスク101のアドレス情報の一部にこの情報を埋め込むことも可能である。またアドレス情報をそのまま用いることも可能である。
この様な仕組みで記録された媒体固有番号情報105の読み出し方法ならびに読み出し装置について図19を用いて説明する。
図19は実施形態3における媒体固有番号情報105の再生を行う光ディスク装置の構成図を示す。図19において基本的な構成は実施形態1と同様であり、同様の機能をもつ部分については図13と同一の記号で示してある。同一記号で示した部分は、実施形態1と同様であるのでその説明は省略する。
光ディスク101がセットされると、コントローラ1317は光ヘッド1302を媒体固有番号が記録されているアドレスMの1つ手前であるアドレスM−1に移動させるために、まず、サーボ制御部1307を通じて位相ドライバ1307を制御して位相系をアドレスM近傍に移動させる。その後、フォーカス・トラッキング制御を行って現在のアドレスをアドレス復調器1311で読み出し、読み出したアドレスとアドレスM−1との差からマルチジャンプおよび1トラックジャンプ制御をサーボ制御系1307より行いアドレスM−1へのシークを完了する。アドレスM−1の領域803は、前述したようにその記録膜が消去レベルに初期化されている。このレベルを基準にライトワンス信号復調器1314はライトワンス情報として記録された記録ピット902の復調を行う。ライトワンス信号復調器1314によって復調された媒体固有番号は暗号化されており、復号(解読)を行う必要がある。
本実施形態では、著作権管理機構1801が暗号化の鍵として用いた媒体固有番号記録位置情報1805は、媒体固有番号が記録されているセクタ(アドレスM)の1つ手前のセクタのアドレス番号M−1としている。
この暗号化の復号は復号化器1808により行われる。暗号復号化器1808は、アドレスデコーダ1311によって読み出されたアドレス情報を受けて、読み出されたアドレス情報と、暗号復号化器1808の内部に保持する秘密鍵1804とをペアーで用いて、暗号化された媒体固有番号の復号に必要な鍵のセットを復元し、それを用いて媒体固有番号を復号する。
そして、暗号化復号器1318にて、復号された媒体固有番号を用いて、媒体固有番号を用いて暗号化されたコンテンツを復号する。
従来の光ディスク装置において、アドレスMと異なった位置にアドレスNに新たに別の媒体パターンを解読してコピーを作成し、システムコントローラのプログラムのごく一部を改竄し媒体固有番号を読み出すアドレスをNとした場合であっても、アドレスNに記録された偽りの媒体固有番号を正しい媒体固有番号として光ディスク装置は動作する。これに対し、本実施形態の光ディスク装置では、媒体固有番号に暗号化が行われており、その媒体固有番号の暗号復号化には媒体固有番号が記録された位置情報1805(本実施形態では、アドレス番号M−1)が必要となる。よって、システムコントローラのプログラムのごく一部を改竄され、かつ上記のような改竄された光ディスクが挿入された場合で、アドレスNに他の媒体からコピーされ記録された媒体固有番号の暗号復号化を行おうとすると、暗号復号化器1808には媒体固有番号の記録位置としてN−1が供給されるので、正しい暗号復号化は行えない。このアドレス番号が供給される仕組みを改竄することも原理的には可能だが、現実的にはこの部分はLSIの内部ハードウエアーの変更が必要となるために不可能である。
以上の様に、媒体固有番号を媒体固有番号が記録された位置情報を鍵の一部として暗号化することによって、改竄に対しての耐性が大幅に強くなり、著作権を強力に守る仕組みを構築することが可能となる。
実施の形態4
実施の形態3の仕組みを用いても十分に媒体固有番号の改竄を防止出来ないケースがある。例えば、媒体固有番号が記録されていると考えられるアドレス(上記の例では、アドレスM)に何も記録されていない記録媒体については、この部分に容易に媒体固有番号を記録することが可能になる。著作権の保護を必要としない情報を記録するための記録媒体には、媒体固有番号は必要なく、媒体固有番号が記録されていない記録媒体はその製造工程において記録行程をなくすことができ製造コストを低減でき、ユーザの大きなメリットになる。
よって媒体固有番号が記録された記録媒体と、記録されていない記録媒体の双方が望まれる。しかし、媒体固有番号が記録されていない記録媒体を供給すると媒体固有番号が記録されるべき位置に、偽の媒体固有番号の記録が可能となるのでセキュリティーホールとなってしまう。媒体固有番号が記録されていない記録媒体では、媒体固有番号が記録されるべきアドレスがなければ上記の様な改竄は不可能となる。これは、実施の形態3に示したような媒体固有番号を暗号化して媒体固有番号記録位置情報と共に記録を行う方法に対しては、特に有効な方法となる。しかしながら、光ディスク装置は媒体固有番号が記録されたディスクと記録されていないディスクの判別を行う必要があるが、媒体固有番号が記録されるべきアドレスが存在しないと、媒体固有番号が記録されるべきアドレスが読み出せずにその判定が不可能となる。本実施形態ではこの課題を解決する。
本実施形態の光ディスクは、光ディスクをコントロールするための制御情報や交替情報などシステム的に必要な情報を記録したリードイン領域102に媒体固有番号が記録されているかどうかを示す情報(以下「媒体固有番号フラグ」という。)を保持する。そのような光ディスクからデータを再生する場合は、媒体固有番号フラグを参照し、その値が「真」の場合は、媒体固有番号が記録される所定のアドレスが存在し、その値が「偽」の場合は、媒体固有番号が記録される所定のアドレスが存在しないと判断する。この動作を図20に示す。
光ディスクが挿入されると、まずリードイン領域102にアクセスを行う(ステップS2001)。そして、媒体固有番号フラグを読み出す(ステップS2002)。媒体固有番号フラグを参照し、挿入された光ディスクに媒体固有番号が記録されているのか否かを判断する(ステップS2003)。媒体固有番号フラグの値が「偽」、すなわち、媒体固有番号が記録されていない場合、処理を終了する。
媒体固有番号フラグの値が「真」、すなわち、媒体固有番号が記録されている場合、光ディスク装置は媒体固有番号アドレスにシークし、(ステップS2004)、その位置で媒体固有番号の読み出しを行う(ステップS2005で)。
このように、媒体固有番号の有無を示す媒体固有番号フラグをリードイン領域102に設けることによって、媒体固有番号が記録されておらず媒体固有番号が記録されたアドレスが存在しないディスクが挿入されても、媒体固有番号が記録されたアドレスへのシークを行わないドライブが実現でき、光ディスク装置の動作を完結することができる。
これによって、媒体固有番号が記録されていない記録媒体の供給によるセキュリティーホールの問題を解決することができ、セキュリティーの向上が図れる。
実施の形態5
著作権を保護する仕組みとして、機器のリボークを行うために鍵束情報を用いた方法が提案されている。この鍵束情報は、著作権管理され暗号化処理を行われた情報を読み出す場合に必要な鍵を複数個束にして記録された領域である。光ディスク装置は、鍵束情報中の複数の箇所を読み出すことによって、暗号化復号を行うための鍵を手に入れることができる。これによって、著作権管理され暗号化された情報を復号し再生できる。もし不正な処理を行う装置が横行し著作権が侵された場合、鍵束情報において、不正な処理を行う装置が読み出している鍵を削除する。これによって、不正な機器は再生用の鍵を得ることができないためにデータの再生が不能となる。この様に鍵束情報を著作権管理に用いることによって不正な処理を行う機器毎に動作不能とすることができる。
従来の光ディスクでは、媒体固有番号はディスクの最内周のデータ領域として使用しない領域に記録を行っていた。しかしながら、本発明の光ディスクはトラッキングを行って固有のアドレスに媒体固有番号が記録される。このためにアドレスを読み出す必要が生じる。
この様な構造の媒体固有番号を記録する位置をディスクの最内周とした場合、アドレスが付加された記録領域を最内周に設ける必要が生じる。一方、鍵束の情報は数メガバイト程度必要であり、改竄を防止するためにもピットや溝を高速でウォブリングした形態で記録される。このために溝の形態が記録再生領域やライトワンス領域と異なる。そのような構成の従来の光ディスクにおいて鍵束領域を確保すると図21に示したような構成にする必要がある。
図21に示すように、ディスク外周から内周に向かい、書き換え可能なデータを記録するデータ記録領域103、ディスクのコントロール情報を記録したリードイン領域102、第1バッファ領域2101、リボークを行うための鍵束領域2102、第2バッファ領域2103、媒体固有番号を記録するライトワンス領域105が設けられている。第1バッファ領域2101と第2バッファ領域2103とが鍵束領域2102の境界に確保されている。これは、鍵束領域2102はスタンピング可能な情報で数メガバイトのデータを記録する必要があるからである。
鍵束領域2102のトラック構造は、データの記録を行うデータ記録領域103や媒体固有番号を記録するライトワンス領域104とは異なり、ピットによるトラックや高速のウォブリングでデータを記録した溝となる。この鍵束領域2102に偏芯やアクセス誤差があっても安定にアクセスするために、第1のバッファ領域2101と第2のバッファ領域2103が必ず必要となる。この領域は、最低数100μm程度必要であり記録容量を低下させる原因となる。これは、ディスクの外形が小さいディスクにおいてはかなり深刻な問題となる。本実施形態ではこの課題を解決している。
図22に本実施形態における光ディスクを示す。本実施形態の光ディスクの構成は基本的には実施形態1のものと同様である。実施の形態1と同様の部分は同一の記号で示し、説明は省略する。図22において、光ディスクは、第1バッファ領域2201、光ディスク装置のリボークに用いる鍵束情報2202を持つ。第1バッファ領域2201は本実施例では幅150μmである。
本実施形態の光ディスクでは、鍵束領域2202をディスクの最内周に配置したところに大きな特徴がある。この様な配置を行うことによって、従来は図21に示すように2カ所のバッファ領域2101、2103が必要であったが、バッファ領域を1つに削減でき、記録容量を増加させることができる。
実施の形態6
上述した実施形態はいずれもライトワンス情報として記録固有番号の記録を行う形態であり、ライトワンス情報は記録媒体を製造するメーカが出荷時に行うものであった。しかしながら近年ネットワーク技術の進歩によって、ネットワークを通じてコンテンツを電子配信し、光ディスクに記録するケースが増大しており、今後更にこれらの分野の進展が考えられる。
この分野に書き換え型の光ディスクを用いる場合、課金や再生回数の情報やデータの移動などの情報を光ディスク上に記録する必要が生じる。しかしながら書き換え型の光ディスクに置いて、書き換えが可能な情報としてこれらの情報を記録すると、その改竄が可能となり不正なディスクが横行する可能性がある。よりセキュリティーの高い電子配信用途に書き換え型の光ディスクを用いるためには、データの改竄が不可能な記録領域が必要となる。本実施形態はこの課題を解決する仕組みを提供する。
図23は本実施形態における媒体固有番号情報の再生を行う光ディスク装置の構成図である。本実施形態では、ライトワンス記録領域105に光ディスク装置による記録を行う。図23に示す光ディスク装置の基本的な構成は、実施の形態3のものと同様である。同様の機能をもつ部分については図13および図19と同一の記号で示してあり、その説明は省略する。なお本実施形態では、波長405nm、開口数(NA)略0.85の光ヘッド1302を用いている。書き換え型のデータの記録再生は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
図23において、ライトワンス信号変調器2301は、ECCエンコーダ1315の記録データをマルチパルスのデータに変換をして記録データ列に変調を行う。切り替えスイッチ2302はライトワンス信号と書き換え可能信号とを切り替える。ディスク装着時に媒体固有番号を読み出す処理は実施の形態3と同様である。
以下、ライトワンス領域へのデータ記録処理について説明する。
ホストよりインターフェース1319を介して、ライトワンス領域へのデータの記録を指示するコマンドが発行される。コントローラ1319はこのコマンドを受け取ると、サーボ制御部1307を通じて位相ドライバ1307を制御して、送り機構1303をライトワンス領域104に移動させる。また、コントローラ1319は、サーボ制御部1307を通じてSPMドライバを制御し、モータの回転数をデータ記録領域103の再生時の回転数(例えば、線速度5m/s)よりも低い回転数(例えば、線速度1m/s)にする。ホストよりインターフェース1319を介して、ライトワンスで記録するデータが送られる。送られたデータは、暗号化器1318により、記録媒体の媒体固有情報によって暗号化され、ECCエンコーダ1315によってエラー訂正コードが付加される。エラー訂正コードが付加されたデータは、ライトワンス信号変調器2301により、記録するレーザ変調信号に変換される。このとき、切り替え器2302はライトワンス信号変調器側に切り替えられている。レーザドライバ1306が駆動され、レーザ変調信号により記録が行われる。
ライトワンス信号の記録パターンは実施の形態1と同様であり、記録時のピークパワーは11mWである。ライトワンスデータの記録時は、ピークパワーを押さえるためにモータ1301の回転数を低下させ線速を1m/sで記録を行った。この場合、通常モータの回転数を低下させるとモータが不安定となるために大きく回転数を低下できない。このために本実施形態ではライトワンス領域をディスク内周側に配置してモータの大きな回転数の低下を防いでいる。上記のような構成によって記録を行い、ライトワンス領域にデータを媒体固有番号で暗号化して記録することによって非常に高い記録データに対する信頼性を確保することができる。この点について以下に詳しく説明する。
背景技術において説明したが、書き換え可能な記録媒体において媒体固有番号で記録データを暗号化することによってデータを他の記録媒体にコピーを行ってもデータの暗号復号化が行えず著作権を保護することが可能である。しかしながら記録されたデータが改竄されているかどうかについては、十分な信憑性を得ることはできない。それは、データを一度消去して再度記録を行えば簡単に新しいデータに書き換えることが可能であるためである。よって、課金や再生回数の情報や、データの他のメディアへの移動情報などを、媒体固有番号で暗号化して書き換え型の情報として記録を行っても改竄の危険を回避することができない。
しかしながら、本発明(実施の形態3)の記録媒体は、媒体固有番号で暗号化してデータの消去や書き換えが行えないライトワンス情報としてデータ記録を行うことができるために、記録されたデータはすべてディスク上に残り変更は不可能となる。また媒体固有番号で暗号化を行っており、媒体固有番号が同一の記録媒体は存在しないために、新たな記録されていないディスクに記録を行って再度データを記録し直すことによって新たなディスクを作成しても、新たなディスクの媒体固有番号は暗号化に用いる媒体固有番号と異なるために、ディスクの真偽の区別が非常に簡単となる。このためデータの改竄に対して非常に強力なセキュリティーを持ったシステムとすることができる。
データの改竄から保護する必要のある情報は、課金に関する情報、書き換え回数やデータの移動状態などごく限られた情報であり、記録されるAVデータ等の実体は消去や書き換えが行えることが望ましい。たとえば予め与えられたデータの再生回数だけデータを再生した場合には、データの消去を行う等のケースが考えられる。
本発明の記録媒体ならびにデータの記録装置を用いれば、データの書き換えを可能としつつ、書き換え不可能な領域を持つことによって改竄から保護されるべき情報は十分なセキュリティーで保護され、また記録されたデータは自由に消去や移動などが行えるなど、コンテンツ配信等の要求を満足できる優れたシステムの提供が可能となる。
また、ライトワンスで記録される情報としてコンテンツ配信に関する情報を説明したが、ライトワンスで記録される情報はコンテンツ配信に関わる情報に限られない。例えば、パーソナルコンピュータにおいては、ソフトがPCにインストールされたか否かの情報などにも用いることもできる。また、実施の形態5で記載した鍵束の情報を記録する領域として用いることも可能である。また、ネットワークを介して鍵束の情報を変更してもよく、これによって従来対応が困難であった、すでに配布された媒体に対する鍵束の変更が可能となる。これにより非常に優れたリボーク能力を持ったシステムの構築が可能となる。
本発明は、特定の実施形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の開示に限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定され得る。
なお、本出願は日本国特許出願、特願2002−277257号(2002年9月24日提出)に関連し、それらの内容は参照することにより本文中に組み込まれる。
本発明は光記録媒体に記録された情報の書き換えや改竄をより確実に防止でき、例えば、著作権の保護が高度に要求されるDVD等の光記録媒体、並びにその光記録媒体に対してデータの記録、再生を行う光ディスク装置に適用できる。
本発明の実施形態における光ディスクの領域を示す図である。 本発明の実施形態における光ディスクの原盤作成行程を示す図である。 本発明の実施形態における光ディスクの作製行程を示す図である。 本発明の実施形態における、媒体固有番号の記録を行う光ディスク装置のブロック図である。 (a)ライトワンス領域に記録されるデータのECCブロック(記録ブロック)の記録フォーマットを示す図である。(b)n個の記録ブロックを繰り返した場合の構造を示す図である。 ライトワンス領域に記録されるデータに付加されるシンクデータを示すテーブルである。 ライトワンス領域に記録されるデータの変調則を示すテーブルである。 ライトワンス領域に記録されるデータのセクタへの配置状態を示す図である。 (a)ライトワンス領域に記録されるデータと、(b)記録マークと、(c)記録のためのレーザ光の波形とをそれぞれ対応させて示した図である。 (a)ライトワンス領域に記録されたデータの再生波形を示す図である。(b)書き換え可能なデータ記録領域に記録されたデータの再生波形を示す図である。 (a)ライトワンス領域において記録ピットをトラック溝内に記録した状態を示した図である。(b)ライトワンス領域において記録された記録ピットの断面の状態を示した図である。 ライトワンス領域に記録されるデータピット形成時の記録パワーと再生信号量の関係を示す図である。 ライトワンス領域に記録されたデータとデータ記録領域に記録されたデータの記録再生を行う光ディスク装置のブロック図である。 ライトワンス信号復調器を詳しく示すブロック図である。 本発明の実施形態2における光ディスク装置のブロック図である。 (a)溝のウォブルに最大変化位置に同期させてデータピットを記録した場合の再生信号を示す図である。(b)溝のウォブルのゼロクロス位置に同期させてデータピットを記録した場合の再生信号を示す図である。 本発明の実施形態3における光ディスク装置のブロック図である。 媒体固有番号の暗号化と暗号復号化の仕組みを示す図である。 実施形態3における、ライトワンス領域に記録されたデータとデータ記録領域に記録されたデータの記録再生を行う光ディスク装置のブロック図である。 媒体固有番号の有無を判別する処理のフローチャートである。 従来の、鍵束領域を含む光ディスク内の各領域の配置状態を示す図である。 本発明の実施形態5における記録媒体を示す図である。 実施形態6におけるライトワンス領域に記録されたデータとデータ記録領域に記録されたデータの記録再生を行う光ディスク装置のブロック図である。 従来の媒体固有番号による著作権保護の仕組みを示す図である。 従来の媒体固有番号が記録された従来の光ディスクを示す図である。 レーザトリミングで記録された従来の媒体固有番号の再生信号を示す図である。 相化膜の初期化処理によって記録された従来の媒体固有番号の再生信号を示す図である。
符号の説明
101、401 光ディスク
403、1302 光ヘッド
410、1306 レーザドライバ
412 記録タイミング生成器
416、1317 コントローラ
415 マルチパルス生成器
103 データ記録領域
104 ライトワンス領域
105 媒体固有番号情報

Claims (23)

  1. データの書き換えが可能なデータ記録領域と、追記のみでデータの消去が行えないライトワンス領域とを有し、
    前記データ記録領域においてデータ記録部分とデータ未記録部分の反射率は異なり、
    前記ライトワンス領域に形成された記録ピットの反射率が、前記データ記録領域のデータ記録部分とデータ未記録部分の反射率のうちの高い方の反射率よりも高いことを特徴とする光記録媒体。
  2. 光記録媒体に固有の番号である媒体固有番号が、前記ライトワンス領域に記録されたことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 記録層と、該記録層よりも光投入面に対して遠い位置に配された反射層とを含み、前記ライトワンス領域においてデータが、前記記録膜の変形による厚さの減少によって記録されることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  4. 前記ライトワンス領域の記録ピットが、前記データ記録領域の記録ピットを書き換えるために必要な熱量の2倍から4倍の熱量で記録されたことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  5. 前記ライトワンス領域において記録ピットが、マルチパルス状のレーザを照射して形成されることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  6. 前記ライトワンス領域と前記データ記録領域が同じセクタ構造を持ち、前記ライトワンス領域に記録されるデータの記録開始位置が前記セクタの開始位置と一致することを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  7. 前記ライトワンス領域においてデータを記録するセクタの1つ前のセクタの記録層が結晶化状態に初期化されていることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  8. 前記ライトワンス領域のアドレスが溝のウォブル変調で記録されており、前記ライトワンス領域において記録ピットは、前記溝のウォブル量が最大となる位置に同期して記録されることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  9. 前記ライトワンス領域のアドレスが溝のウォブル変調で記録されており、前記ライトワンス領域において記録ピットは、前記溝のウォブル量が最小となる位置に同期して記録されることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  10. 前記媒体固有番号が、該媒体固有番号が記録される位置に関する情報と、秘密鍵とから生成された公開鍵によって暗号化されて記録されていることを特徴とする請求項2記載の光記録媒体。
  11. 所定の制御情報を格納するリードイン領域を有し、該リードイン領域に、光記録媒体が前記媒体固有番号を有するか否かを示す判定情報を格納したことを特徴とする請求項2記載の光記録媒体。
  12. 光記録媒体の内周から、リーボークに用いる鍵束の情報を記録する領域、前記ライトワンス領域、所定の制御情報を格納するリードイン領域、前記データ記録領域がこの順に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  13. データの書き換え可能なデータ記録領域と、追記のみでデータの消去が行えないライトワンス領域とを有する光記録媒体に対してデータ記録を行う装置であって、
    光記録媒体に対してレーザ光を照射してデータを記録する光ヘッドと、
    光ヘッドによるデータの記録動作を制御するレーザ駆動手段と、
    前記レーザ駆動手段の動作を制御するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、前記データ記録領域に書き換え可能なデータを記録するのに必要な熱量の2倍〜4倍の熱量のレーザ光を、前記ライトワンス領域に照射してデータの記録を行うよう制御する、ことを特徴とする記録装置。
  14. 前記コントローラは、光記録媒体に固有の番号である媒体固有番号が、前記ライトワンス領域に記録するよう制御を行う、ことを特徴とした請求項13記載の記録装置。
  15. 記録ピットを形成する際にレーザ光を複数のパルスで出力するマルチパルス生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項13記載の記録装置。
  16. 前記ライトワンス領域と前記データ記録領域が同じセクタ構造を持ち、前記ライトワンス領域に記録されるデータの記録開始位置が前記セクタの開始位置と一致するように記録タイミングを生成する記録タイミング生成手段をさらに備えたことを特徴とする請求項13記載の記録装置。
  17. 前記ライトワンス領域においてデータが記録されたセクタを再生する際にその再生すべきセクタの1つ前のセクタに光ヘッドを移動させる手段と、1つ前のセクタの再生レベルを保持し、該保持した再生レベルの所定数倍のレベルを基準としてデータの再生を行うライトワンス信号復調手段をさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の記録装置。
  18. 前記ライトワンス領域の溝のウォブルからクロックを抽出するPLLと、該PLLからウォブルに同期した信号を生成し、生成した信号を前記ウォブルのウォブル量が最大となる位置に同期して記録するパルス生成手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の記録装置。
  19. 前記ライトワンス領域の溝のウォブルからクロックを抽出するPLLと、該PLLからウォブルに同期した信号を生成し、生成した信号を前記ウォブルのウォブル量が最小となる位置に同期して記録するパルス生成手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の記録装置。
  20. 前記媒体固有番号が記録される位置に関する情報と秘密鍵とから生成された公開鍵によって前記媒体固有番号を暗号化する暗号化手段をさらに備え、前記媒体固有番号は暗号化した後に記録されることを特徴とする記録する請求項14に記載の記録装置。
  21. 前記媒体固有番号で記録データを暗号化する暗号化手段をさらに備え、前記記録データは暗号化された後に前記ライトワンス領域に記録されることを特徴とする請求項13に記載の記録装置。
  22. 前記ライトワンス領域のデータを再生する手段と、該再生したデータを前記媒体固有番号で復号する復号手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載の記録装置。
  23. 前記コントローラは、前記ライトワンス領域再生時の光ディスクの回転数を、前記データ記録領域再生時の回転数よりも遅くすることを特徴とする請求項13に記載の記録装置。
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