JPWO2001048216A1 - L−ピペコリン酸の生物学的な製造方法 - Google Patents

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Abstract

ピロリン−5−カルボン酸レダクターゼを用いてデルタ−1−ピペリデイン−6−カルボン酸の還元を行う工程を含んでなるL−ピペコリン酸の製造方法。この製造に用いられる組換え細菌も提供される。L−ピペコリン酸(または2−ピペリジンカルボン酸)の効率のよい生物学的な製造方法が提供できる。

Description

技術分野
本発明は、L−ピペコリン酸(または2−ピペリジンカルボン酸もしくはL−ホモプロリン)の生物学的な製造方法および該製造方法に都合よく用いることのできる組換え大腸菌またはコリネ型細菌に関する。
背景技術
L−ピペコリン酸は医薬品の合成原料として重要である。現在、L−ピペコリン酸はL−リジンからの合成法(J.Chem.Soc.Chem.Commun.1985年、633〜635頁)あるいは、ピコリン酸からの合成法によってつくられたDL−ピペコリン酸の光学分割によって製造されている(Method of Enzymol.17B、174〜188頁、1971年)。光学分割の方法としては、D−酒石酸を用いるジアステレオマー塩法と豚の肝臓由来のD−アミノ酸オキシダーゼによりD体を分解してL体を残す酵素法が知られている。
他方、L−ピペコリン酸は動物(J.Biol.Chem.、211巻、851頁、1954年)や植物(J.Amer.Chem.Soc.74巻、2949頁、1952年)、微生物(Biochemistry,1巻、606〜612頁、1926年;特開平6−38781号)において生成されることが知られているが、畜積量が少ないためこれらの生物を用いるL−ピペコリン酸の生産方法は実用化されるには至っていない。これまでのL−リジンの代謝研究から、L−リジンからリジン−6−アミノトランスフェラーゼ(以下、LATともいう)によるアミノ基転移反応(Biochemistry、7巻、4102〜4109頁、1968年)を介するか、あるいはL−リジン−6−デヒドロゲナーゼ(J.Biochem.、105巻、1002〜1008頁、1989年)によってデルタ−1−ピペリデイン−6−カルボン酸(以下、P6Cともいう)が生じることが知られている。
P6Cは酸化白金を用いた水素添加によって化学的にL−ピペコリン酸に変換できることが報告されている(Biochemistry、7巻、4102〜4109頁、1968年)が、P6Cの生物学的ないしは酵素的還元によるL−ピペコリン酸の生成については報告されていない。また、シュウドモナス・プチダ(Pseudomonas putida)がD−リジンからデルタ−1−ピペリデイン−2−カルボン酸を経由してL−ピペコリン酸を生成するとの代謝経路が推定されている(J.Bacteriology、149巻、864〜871頁、1982年)。このような生物学的な経路もL−ピペコリン酸の大量生産には利用が困難である。
前記した化学合成法によって製造したDL−ピペコリン酸を光学分割する方法では、使用する光学分割剤が高価でかつ操作が煩雑であり、また光学分割に酵素を用いる方法は精製した酵素を使用するためやはり高価となり、いずれもこれらの欠点のために工業的製法としては効率的でなくL−ピペコリン酸を安価に製造することができない。
また、従来の微生物を用いてL−ピペコリン酸を製造する方法は蓄積量が低いために実用化されていない。
発明の開示
本発明者らは、今回、下記のようにデルタ−1−ピロリン−5−カルボン酸をL−プロリン
Figure 2001048216
に還元するピロリン−5−カルボン酸レダクターゼ[EC 1.5.1.2]が、下記のようにP6Cをも対応するL−ピペコリン酸まで効率よく還元しうることを見出した。
Figure 2001048216
また、このような還元系は、別の生物学的なP6Cの生産系と都合よく組み合わせて使用できることも見出した。
本発明は、これらの知見に基くものであり、ピロリン−5−カルボン酸レダクターゼの作用を利用することにより、効率よくL−ピペコリン酸を製造するための手段を提供するものである。
したがって本発明は、ピロリン−5−カルボン酸レダクターゼを用いてデルタ−1−ピペリデイン−6−カルボン酸(P6C)の還元を行う工程を含んでなるL−ピペコリン酸の製造方法に関する。
本発明の好ましい態様では、P6Cの還元工程が、リジン−6−アミノトランスフェラーゼ(LAT)を用いるL−リジンからP6Cへの変換工程と組み合わされる。
また、本発明は、LATをコードする遺伝子を発現しうる形態で含んでなる組換え大腸菌またはコリネ型細菌にも関する。
発明を実施するための最良の形態
なお、本発明において、「外来の・・・遺伝子」という場合は、言及されている細胞または微生物に対して異種または同種であるかを問わず、言及されている細胞それ自体とは異なる細胞に由来する遺伝子を意味する。
本発明にいう、ピロリン−5−カルボン酸レダクターゼ(EC 1.5.1.2;以下、P5Cレダクターゼともいう)は、通常、アルギニン、グルタミン酸からプロリンを合成する代謝経路に関与する酵素として知られており、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)または還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)の助けにより、上記のとおり、デルタ−1−ピロリン−5−カルボン酸をプロリンに還元する活性を有する。P5Cレダクターゼは、広く各種細菌、植物や動物に分布することが知られている。
本発明において用いることのできるP5Cレダクターゼは、P6CをL−ピペコリン酸に還元する活性を有するものであれば、起源によって限定されるものでない。P5Cレダクターゼは、精製されたものおよび細胞の溶解物のような調製物、ならびに生きた細胞から選ばれるいずれの形態で存在するものであってもよい。なお、調製物を用いる場合、本発明に従う還元を行うには、場合によって、NADHもしくはNADPHを共存させる必要があろう。
ところで、本発明に従い、P5Cレダクターゼを用いて還元すべきデルタ−1−ピペリデイン−6−カルボン酸(P6C)は、L−リジンからリジン−6−アミノトランスフェラーゼ(LAT)の作用により生成する2−アミノアジピン酸6−セミアルデヒドが非酵素的に脱水閉環した形態に相当するものである。通常、該セミアルデヒドは、水溶液中でP6Cと平衡混合物と存在するものとみなされているので、本発明の反応系においては、P6Cと該セミアルデヒドは等価のものと理解されている。従って、本発明の反応系には、P6CをP6Cそれ自体、またはP6Cと該セミアルデヒドの混合物、あるいは該セミアルデヒドそれ自体を添加することができ、これらのいずれの態様も本発明に包含される。
P6C(または2−アミノアジピン酸6−セミアルデヒド)は、化学合成的および生物学的をはじめとする如何なる手段によって製造されたものも使用できるが、特定の光学異性体であるL−ピペコリン酸を経済的に製造するとの観点に立てば、L−ピペコリン酸に対応する立体配置(具体的には2位における不斉炭素において)をもつP6Cを使用することが好ましい。
本発明に従う、P6Cの還元を行う工程は、通常の酵素反応が進行する条件下でP6CにP5Cレダクターゼを作用させることによって実施する。前述のように、P5Cレダクターゼは、精製されたものおよび細胞の溶解物のような調製物、ならびに生きた細胞のいずれの形態でもP6Cに作用させることができる。しかし、該酵素反応に、例えばNADHもしくはNADPHのような補酵素が関与することを考慮すると、細胞の溶解物または生きた細胞そのものを使用することが好ましい。さらに細胞としては、P6CをL−ピペコリン酸に変換(すなわち、還元)する能力をもつP5Cレダクターゼ活性を示す微生物のうちで、特に大腸菌またはコリネ型細菌が好ましく使用できる。大腸菌には、P5Cレダクターゼをコードする遺伝子proCが存在することが知られており、しかもproCの配列とその発現についても報告されている(A.H.Deutch et al.,Nucleic Acids Research,vol.10、1982、7701−7714参照)。
したがって、本発明の好ましい態様では、P5Cレダクターゼ活性を有する大腸菌または上記遺伝子proCを発現しうる状態で含む大腸菌もしくはその他の微生物とP6Cとを、これらの微生物が生存し、P5Cレダクターゼ活性を生じる条件下でインキュベートすることによってP6CをL−ピペコリン酸に還元することができる。本明細書において、特定の遺伝子を発現しうる状態で含むまたは組み込むとは、該遺伝子が宿主細胞の染色体中に、必要によりプロモーター、レギュレーター等を伴った状態で組み込まれるか、あるいは発現ベクターに該遺伝子が適当なプロモーター等を伴って組み込まれた状態で、宿主細胞中に含まれることを意味する。上記のP5Cレダクターゼ活性を生じる条件とは、それぞれの微生物が生存し得る条件であって、好ましくは、増殖しうる培養条件下にあることをいう。これらの条件は当業者に周知のものであり、また、当業者であれば、後述する実施例を参照に容易に設定することができるであろう。
P6Cは、上記微生物の懸濁液または培養物に直接添加して目的の反応を行うことができるが、本発明によれば、リジン−6−アミノトランスフェラーゼ(LAT)を用いて、入手容易なL−リジンからP6Cへの変換工程を上記P5Cレダクターゼを用いる還元工程と組み合わせることにより、P6Cを還元工程に供給することが好ましい。このような組み合わせにおいて、P5Cレダクターゼ源として大腸菌を用いる場合、通常、大腸菌にはL−リジンからP6Cへの変換過程を触媒する酵素系が存在しないか、存在するとしても極めて活性が低いので異種細胞由来のLAT酵素系を該大腸菌の酵素系と組み合わせる必要がある。このような組み合わせに使用できるLATは、L−リジンをP6Cに変換する活性を有するものであれば起源によって限定されるものでないが、フラボバクテリウム・ルテセンス(Flavobacterium lutescens)由来のLATが、好ましいものとして挙げられる。この微生物の典型的なもの、例えばIFO 3084株は、通常、L−リジンのバイオアッセイに用いられており、LAT活性を有することが知られている(Soda et al.,Biochemistry 7(1968)、4102−4109、同4110−4119)。なお、一定のF. lutescensは、それが有するデルタ−1−ピペリデイン−6−カルボン酸デヒドロゲナーゼの作用によりP6Cをα−アミノアジピン酸まで酸化する能力をもつ(Biochem J.(1977)、327、59−64)。さらに、P5CレダクターゼまたはP6Cレダクターゼ活性によりP6Cから生成したL−ピペコリン酸は、さらなる代謝経路で他の化合物に変換される可能性がある。したがって、通常、この細菌の酵素系を用いるとL−リジンからL−ピペコリン酸までの変換ができないか、変換が生じてもL−ピペコリン酸が蓄積しない場合がある。したがって、本発明の目的を達成するには、上記のような、異種細胞(もしくは微生物)間の酵素系を組み合わせることが好ましい。このような酵素系の組み合わさった微生物としては、限定されるものでないが、上述の大腸菌に、例えばF. lutescensのLATをコードするlat遺伝子を発現しうる状態で組み込んだもの、逆に、大腸菌のproC遺伝子をF. lutescensに組み込んだもの、さらには、他の本発明の目的上、適宜使用できる宿主微生物に該latおよびproCを共に発現しうる状態で組み込んだものを挙げることができる。宿主への各遺伝子の組み込みは、組換えプラスミドを介して導入するか、あるいは宿主の染色体上へ直接発現しうる状態で組み込んでもよい。なお、F.lutescensを宿主とする場合、該微生物は生産されたL−ピペコリン酸をさらなる代謝経路で代謝する可能性があるので、必要により、かかる代謝経路をブロックした変異株を使用する必要があるかも知れない。 本発明に従って、L−リジンからL−ピペコリン酸までの変換を行うのに適する酵素系は、系の安定性、処理の容易さ、変換効率の高さ等から、宿主として大腸菌(場合によってproCの供給源ともなる)を用い、これに少なくともF. lutescenslatを組み込んで構築するものが都合よく使用できる。さらに宿主として大腸菌を使用する場合には、lat遺伝子の外に、外来のproC遺伝子を組み込んでもよいが、特に、出発原料であるL−リジンの菌体内への取り込みを容易にするため、外来の大腸菌のリジン特異的取り込み(または透過)酵素をコードする遺伝子(リジンの取り込みに関与する遺伝子ともいう)を組み込むことが好ましい。かような遺伝子の代表的なものとしては、限定されるものでないが、リジン特異的パーミアーゼをコードする遺伝子(lysP)やリジン、アルギニンおよびオルニチンの取り込みに関与するLAOシステムを構成するタンパク質をコードする遺伝子(argThisPおよびhisQ)を挙げることができる。例えば、J.Bacteriol.,vol.174、3242−3249、1992によると、遺伝子lysPをマルチコピープラスミドで導入した大腸菌はリジンの取り込み速度が20倍にも上昇することが示唆されている。
以上のような本発明で使用できる酵素系または遺伝子の組み合わせた系は、それ自体当業者に常用されている細胞生物学、細胞培養、分子生物学、微生物学、組換えDNAに関する技法に従い構築ないしは作成できる。このような技法は、例えば、Molecular cloning A Laboratory Manual,2nd Ed.,ed.by Sambrook,Fritsch and Maniatis(Cold Spring Harbor Laboratory Press:1989);DNA Cloning,Volumes I and II(D.N.Glover ed.,1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait ed.,1984);Mullis et al.米国特許第4,683,195号,Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins eds,1984)を参照できるであろう。
本発明において、特に好ましく用いることのできる酵素系または微生物の構築ないしは作成について、宿主として大腸菌(以下、E. coliと略記する)を用いる場合について、以下、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
宿主・ベクター系:
それぞれ市販されているものを適宜使用することができるが、ここでは、宿主として、大腸菌BL21(DE3)、大腸菌BL21または大腸菌C600株を、そしてベクターとしてpET系またはpUC系を使用する例を挙げる。その他のベクターとしては、通商産業省「組替えDNA技術工業化指針」指針第二章第三2.(2)に該当するベクターが好ましく使用できる。
lat遺伝子のクローニングおよび発現:
フラボバクテリウム・ルテセンス(F. lutescens)IFO 3084株の培養上清から疎水クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーによりLATを精製した。LATの酵素活性の測定はオルト−アミノベンズアルデヒドを用いる発色法(Biochemistry、7巻、4102〜4109頁、1968年)により行った。精製したLATのN末をKLLAPLAPLRAHAGTRLTQGLと決定し、このアミノ酸配列に基づいてミックスプライマーを設計しフラボバクテリウム・ルテセンスIFO 3084株のゲノムDNAからのPCR反応によるlatのDNA断片の増幅を行い、更に得られたDNA断片を基に逆PCR法によて約1.6kbpからなるlat遺伝子全体を取得した。latのDNA配列およびLATのアミノ酸配列を配列番号1に示す。なお、必要があれば、lat遺伝子のクローニングの詳細については、本願と同時係属中の国際出願PCT/J99/04197を参照することができる。
こうして決定されたlat遺伝子の塩基配列からlat遺伝子のN末端ATG付近をNdeIサイトに改変したForward DNA primer
Figure 2001048216
および終止コドン下流をBamHIに改変したReverse DNA primer
Figure 2001048216
を作成し、これを用いてPCR反応を行いlat遺伝子領域約1.6kbpを増幅した。この増幅断片を制限酵素NdeIとBamHIで消化したものをインサートDNA溶液とした。一方、発現ベクターpET11a(Novagen製)を制限酵素NdeIとBamHIで消化し、これとインサートDNA溶液とをLigation Kit version 2(TaKaRa製)を用いて連結反応したプラスミドをpETlatとした。pETlatは生来のLATタンパク質が発現するように設計したプラスミドである。このプラスミドでE. coli BL21(DE3)を形質転換した株をE. coli BL21(DE3)pETlat株とした。
発現ベクターpET11aに代えpUC19を、そして宿主E. coli BL21株を用いる場合には、上記lat遺伝子の塩基配列からlat遺伝子のN末端ATG付近をHindIIIサイトに改変したForward DNA primer
Figure 2001048216
および終始コドン下流をBamHIに改変したReverse DNA primer
Figure 2001048216
を作成し、これを用いてPCR反応を行いlat遺伝子領域約1.6kbpを増幅した。この増幅断片を制限酵素HindIIIとBamHIで消化したものをインサートDNA溶液とした。一方、ベクターpUC19を制限酵素HindIIIとBamHIで消化し、これとインサートDNA溶液とをLigation Kit version 2(TaKaRa製)を用いて連結反応したプラスミドをpUClat(図1参照)とした。pUClatはLacZ−LAT融合タンパク質が発現するように設計したプラスミドである。このプラスミドでE. coli BL21を形質転換した株をE. coli BL21pUClat株とした。
E. coli BL21(DE3)pETlat株およびE. coli BL21pUClat株を、それぞれL−リジンを添加した培地(Bacto tryptone 1.5%、酵母エキス3.0%、グリセリン0.5%、pH7)で培養したところ、それぞれ培地中にL−ピペコリン酸が蓄積したことが確認できた。このことはL−リジンからLATのアミノ基転移反応によって生じたP6Cを還元する酵素が宿主である大腸菌に存在していることを意味している。 このP6C還元酵素の探索を行った。大腸菌の全ゲノムの遺伝子情報からP5C還元酵素がP6Cをも還元していると推測して、proC欠損株であるproC32変異株のE. coli RK4904株(Yale UniversityのE. coli Genetic Stock Centerから取得)を用いてL−ピペコリン酸生産におけるproCの役割の検討を行った。まずproC(配列番号:5参照)の効果を調べるためにpUClatにproCを導入することを試みた。末端にKpnIサイトを付着させた、proCを含む約1.5Kbpを増幅させるDNA primer
Figure 2001048216
を作成し、これを用いてPCR反応を行った。この増幅断片約1.5Kbpを制限酵素KpnIで消化したものをインサートDNA溶液とした。一方、pUClatを制限酵素KpnIで消化し、これとインサートDNA溶液とをLigation Kit version 2(TaKaRa社)を用いて連結反応した。latproCが互いに順向きに連結されたプラスミドをpUClatproCとした。
このプラスミドでE. coli RK4904を形質転換した株をE. coli RK4904pUClat proC株とした。さらにproCのみが乗ったプラスミドを作成した。すなわち、pUClatproCを制限酵素BamHIとHindIIIで消化し、これをBlunting Kit(TaKaRa製)を用いて平滑化後、自己連結反応したプラスミドをpUCproCとした。このプラスミドでE. coli RK4904を形質転換した株をE. coli RK4904pUCproC株とした。こうして構築したE. coli RK4904pUC19株、E. coli RK4904pUClat株、E. coli RK4904pUCproC株、およびE. coli RK4904pUClatproC株を用いてL−ピペコリン酸の生産試験を行ったところ、E. coli RK4904pUClatproC株においてのみL−ピペコリン酸の蓄積が見られ、他の株ではL−ピペコリン酸の生産は見られなかった。
この結果はlatproC両者がE. coli内で発現したときはじめてL−ピペコリン酸が生産されること、さらには、proCがコードしているタンパク質であるP5CレダクターゼがP6Cをも還元していることを示している。本発明者らが知る限りでは、これまでにP6Cを還元する酵素は文献未載であり、本明細書により初めて開示される。
lysP遺伝子のクローニングおよびlat遺伝子との同時組み込み:
上述のJ.Bacteriol.,vol.174、3242−3249、1992によると、リジンの大腸菌内への取り込み速度が大腸菌によるL−ピペコリン酸の生産で生産速度の律速になっている可能性がある。そこで、以下、リジン特異的パーミアーゼをコードする遺伝子lysPをプラスミドpETlatに導入することを試みた。大腸菌のlysPの遺伝子配列情報(配列番号:8参照)から末端にBglII,BamHIサイトを付着させた、lysPを含む約2.2Kbpを増幅させるDNA primer
Figure 2001048216
を作成し、これらを用いてlysPをクローニングするためにPCR反応を行った。この増幅断片約2.2Kbpを制限酵素BglIIで消化したものをインサートDNA溶液とした。一方、pETlatを制限酵素BglIIで消化し、これとインサートDNA溶液とをLigation Kit version 2(TaKaRa社)を用いて連結反応した。こうして構築されたlatlysPが互いに逆向きに連結されたプラスミドをpETlatlysPとし、このプラスミドでE. coli BL21(DE3)を形質転換した株をE. coli BL21(DE3)pETlatlysP株とした。このE. coli BL21(DE3)pETlatlysP株と、他方、先に作成したpETlatで形質転換したE. coli BL21(DE3)pETlat株でL−ピペコリン酸の生産試験を行ったところ、E. coli BL21(DE3)pETlatlysP株はE. coli BL21(DE3)pETlat株よりもL−ピペコリン酸を3倍多く生産することが確認できる。
さらに上記の増幅断片約2.2Kbpを制限酵素BamHIで消化したものをインサートDNA溶液とした。一方、pUClatを制限酵素BamHIで消化し、これとインサートDNA溶液とをLigation Kit version 2(TaKaRa社)を用いて連結反応した。こうして構築されたlatlysPが互いに順向きに連結されたプラスミドをpUClatlysP(図1参照)とし、このプラスミドでE. coli BL21を形質転換した株をE. coli BL21pUClatlysP株とした。このE. coli BL21pUClatlysP株とE. coli BL21pUClat株でピペコリン酸の生産試験を行ったところ、E.coli BL21pUClatlysP株はE. coli BL21pUClat株よりもL−ピペコリン酸を3倍多く生産することが確認できる。こうして、宿主に大腸菌を用いる場合には、lysP遺伝子を増強することが望ましい。本発明に従う、E. coli BL21pUClatlysP株は、1999年12月20日付で日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託され、FERM P−17681で受託され、その後、所謂ブダペスト条約の規定の下に該研究所の国際寄託当局に上記寄託が移管され、FERM BP−7326で受託されている。
yeiE遺伝子の導入:
BL21pUClatlysP株のL−ピペコリン酸生産能を向上させるため、さらにlysP活性を上げることを試みた。E.coliのゲノムプロジェクトによりlysP周辺領域のDNAシークエンスも明らかにされている。これによるとlysPの上流にlysPとタンデムに並ぶ遺伝子yeiE(配列番号:11参照)が存在していた。yeiEはバクテリアでよく保存されているlysR型の転写調節配列であることがそのアミノ酸配列から示唆された。このyeiElysPの転写を制御していることが予想されたので、yeiElysPを共にプラスミド上に乗せることにより、lysPの転写量が増大し、L−リジンの取り込み能が上昇し、L−ピペコリン酸の生産能が向上することが期待された。
このプラスミドpUClatlysPLを次のように構築した。末端にBglII部位を付着させたForward DNA primer
Figure 2001048216
および末端kpnI siteを付着させたReverse DNA primer
Figure 2001048216
を用いてPCR反応を行いyeiElysPを含む約3Kbpを増幅した。この増幅断片を制限酵素BglIIとkpnIで消化したものをインサートDNAとした。一方、pUClatlysPを制限酵素BamHIとkpnIで消化し、これとインサートDNAとをLigation Kit version 2(TaKaRa社)を用いて連結反応したプラスミドをpUClatlysPLとした(図1参照)。このプラスミドでE.coli BL21を形質転換した株をE.coli BL21pUClatlysPL株とした。
argT遺伝子のクローニングおよび導入:
lysPはリジン濃度が高い時はその発現が抑制され低いときは誘導されることが知られている(J.Bacteriol.(1996)vol.178,5522−5528)。そこで、更にリジンの細胞内への取り込みに関与する遺伝子の導入を計画した。これまでに大腸菌にはリジン,アルギニン,オルニチンの菌体内への取り込みシステム(LAOシステム)が存在することが知られている(Jounal of Biological Chemistry,vol.265,p1783−1786(1990))。また、ゲノムプロジェクトにより明らかにされた大腸菌の遺伝子argTは、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)で明らかにされているLAOシステム(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,vol.78,p6038−6042(1981))に関与するargTと高い相同性を有していることから、大腸菌のargTもリジンの取り込みに関与する可能性が高いことが予想された。
そこで、argTの効果を調べるためにlatargTの乗ったプラスミドpUClatargTを以下のように構築した。
Figure 2001048216
を用い大腸菌のゲノムDNAをテンプレートにしてargTをPCR反応により増幅した。反応条件は98℃20s、60℃30s、68℃lminの25cycleとした。この増幅断片約1.5Kbpを制限酵素KpnIで消化し、pUClatlysPLのKpnIサイトに導入した。さらに得られたプラスミドのScaIサイトにテトラサイクリン耐性遺伝子を導入した。すなわち、pBR322をテンプレートにし、末端にScaIサイトを付加したプライマー
Figure 2001048216
を用いテトラサイクリン耐性遺伝子をPCR反応により増幅した。これをpUClatlysPLのアンピシリン耐性遺伝子内に存在するScaIサイトに導入したプラスミドをpUClatlysPLargT−tetとした。また、このプラスミドを大腸菌BL21株に導入したものをE. coli BL21 pUClatlysPLargT−tet株とした。argTのDNA配列およびアミノ酸配列は配列番号:18に示す。
コリネ型細菌でのlat形質転換株の構築と発現:
以上で述べたようにlat発現大腸菌を用いたL−リジンからL−ピペコリン酸への変換反応によるL−ピペコリン酸の生産系を確立することができた。この組み替え大腸菌の系ではL−リジンの菌体内への取り込みがピペコリン酸の生産の、場合により律速であることが示唆されたので、培養液中にL−リジンを添加せずに菌自身がL−リジンを生産してピペコリン酸に変換させるピペコリン酸直接生産菌を提供することも望ましいであろう。かような提供は、以下のような戦略に従うことができる。L−リジンはコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)により大量に発酵生産されている。そこで、C. glutamicumのベクター系として確立されているpC2プラスミド(PLASMID,vol.36,62−66(1996))にlatを乗せ、C. glutamicum ATCC31831に導入してlatを発現させることができれば、菌体内で生合成されたL−リジンをP6Cに変換し、さらに、C. glutamicumのゲノムにコードされているproCの発現によるピロリン−5−カルボン酸還元酵素によりP6Cがピペコリン酸に変換されうるであろう。かような戦略の有効性は、例えば以下の実験を行うことにより確認できる。
上記pC2プラスミドを用いlat発現プラスミドpClatを以下のように構築した。
Figure 2001048216
を用いフラボバクテリウム・ルテセンス(Flavobacterium lutescens)のゲノムDNAをテンプレートにしてlatをPCR反応により増幅した。反応条件は98℃20秒、68℃2分の25サイクルとした。この増幅断片約1.5KbpをKpnIとBamHIで消化し、pC2のKpnI、BamHIサイトに連結反応した(図2)。このプラスミドpClatを大腸菌JM109に導入した株を用いてL−リジンからピペコリン酸への変換反応が進行すること、つまりLAT活性を有することを確認した。
次にpClatによるC. glutamicumの形質転換法を行う。例えば、L培地3mlにC. glutamicumを植菌し、32℃で17時間振とう培養した。この培養液30μlをL培地3mlに植菌し、32℃で2.5時間振とう培養した。これにペニシリンGカリウム溶液(2mg/ml)を1.5μl加え、さらに1.5時間振とう培養した。全量を集菌し、10%グリセロール溶液5mlで洗浄し、10%グリセロール溶液700μlで懸濁したものをエレクトロセルとした。エレクトロセル200μlにTE溶液に溶けたプラスミド(200μg/ml)を0.5μl加え、12.5kV/cm,25uF,200Ωの条件でエレクトロポレーションを行なった。L培地1mlを加え、32℃で2時間振とう培養した後、カナマイシン10μg/mlを含むLプレートに塗布し、32℃で3日間培養して出現したコロニーを選抜することにより目的の形質転換株を提供できる。
本明細書において、コリネ型(coryneform)細菌とは、典型的にはコリネバクテリウム属(Corynebacterium)に属するL−リジンを生産し、本発明の目的に沿うものであればいかなる種のものをも包含する。
上記各遺伝子またはDAN配列の改変体
本発明に従えば、上記各酵素をコードする遺伝子またはDNAには、それら(例えば、配列番号:1、配列番号:5、配列番号:8、配列番号:11および配列番号:18参照)とそれぞれストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、そしてそれらが発現することにより産生されるポリペプチドが、それぞれ目的の酵素活性を有するものであれば如何なる改変体も本発明にいう、リジン−6−アミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子、ピロリン−5−カルボン酸レダクターゼをコードする遺伝子、リジン特異的取り込み酵素をコードする遺伝子、およびlysPの転写を調節する遺伝子に包含される。
ストリンジェントな条件は、当業者に周知であり、例えば、上述のSambrook et al.の9.31〜9.62ページに記載されている。これらの改変体は、それぞれ目的とする酵素活性に必須でないかまたは悪影響を及ぼさないとみなせる1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が欠失あるいは付加したものか、あるいは類似する側鎖を有するアミノ酸残基間、例えば、塩基性側鎖(リジン、アルギニン、ヒスチジン等)、酸性側鎖(アスパラギン酸、グルタミン酸等)、無荷電極性側鎖(グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン等)、非極性側鎖(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン等)、β−分枝した側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン等)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン等)を有するアミノ酸残基間で、それぞれ相互に置換されるか、等を指標にして、それ自体既知の点突然異変、部位特異的突然変異誘発法等、あるいは化学合成法等で作成できる。また、かような遺伝子による宿主細胞の形質転換またはトランスフォーメーションは、前述した操作または当業者に周知の方法によって行うことができる。
なお、生成したピペコリン酸がL体であることの確認はキラルカラムを用いたHPLC法(Agric.Biol.Chem.、52巻、1113〜1116頁、1988年)により行った。カラムはDAICEL CHIRAL PAK WH(4.6×250mm、ダイセル製)を用い、移動相は0.25mM硫酸銅水溶液を用い、カラム温度50℃、流速1.0ml/min、検出はUV243nmで行った。このHPLC条件でD体のピペコリン酸の保持時間は11.5分、L体のピペコリン酸の保持時間は15分であり、本発明による組換え大腸菌が生産するピペコリン酸を分析した結果、生産されたピペコリン酸は上記保持時間が15分であった。
実施例
以下実施例により本発明をより具体的に説明する。
実施例においてL−ピペコリン酸の定量はダンシル化した後、高速液体クロマトグラフィー(以下HPLCと略記)によってプロリンを内部標準として定量した。すなわち培養上清を蒸留水で100倍希釈し、内10μlをエッペンチューブに移し、ここに5μg/mlのプロリンを含む40mM炭酸リチウム緩衝液(pH9.5)200μlとアセトニトリルに溶かした3.0mg/mlのダンシルクロライド100μlを加え、撹拌し室温で暗所で2時間反応させた。2%のメチルアミン塩酸塩10μlを加えて撹拌し、その上清を分析サンプルとした。HPLC分析条件は、カラムはYMC−Pack ODS−A A−303(4.6×250mm、YMC製)を用い、移動相は0.003M L−プロリンと0.0015M硫酸銅と0.0039M 酢酸アンモニウムを含む33.2%アセトニトリル溶液(アンモニア水でpH7に調整)を用い、流速0.8ml/分、室温、検出は励起波長366nm、蛍光510nmで行った。この条件でL−ピペコリン酸の保持時間は13分であった。
実施例1
E.coli BL21pUClatlysP(FERM BP−7326)株、E. coli BL21(DE3)pETlatlysP株、E. coli C600pUClatlysP株およびE. coli BL21pUClatlysPL株についてL−ピペコリン酸の生産試験を行った。アンピシリンナトリウム50μg/mlを含むL培地(ポリペプトン1.0%、酵母エキス0.5%、NaCl 0.5%、グルコース0.1%、pH7.2)3mlにそれぞれの菌株を植菌し、32℃で一晩振盪培養した。これらを種菌として各275μlをアンピシリンナトリウム100μg/mlを含むTB培地(グリセリン0.44%、Bacto−トリプトン1.33%、Bacto−酵母エキス2.67%、KHPO 0.21%、KHPO 1.14%)27.5mlに植菌し、それそれ32℃で4.5時間振盪培養した。なお、E.coli BL21(DE3)pETlatlysPのようなpET型ベクターを使用した微生物の培養では、latを誘導するため100mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)275μlを加え、さらに4時間32℃で振盪培養した。これに対し、pUC型ベクターを使用した場合には、IPTGは添加不要である。これらにそれぞれ50%L−リジン塩酸塩500μlとリン酸緩衝液(pH6.8)に溶かした50%グリセリン250μlを加え、32℃で振盪培養をつづけた。L−リジン塩酸塩を添加後15時間、39時間、63時間、87時間、120時間、159時間でも50% L−リジン塩酸塩500μlとリン酸緩衝液(pH6.8)に溶かした50%グリセリン500μlを加えた。15時間、39時間、87時間、120時間、159時間、207時間で100μlをサンプリングし、HPLCでL−ピペコリン酸の定量を行った。これらの結果、各菌株は培養液中に次の濃度でL−ピペコリン酸を蓄積した:
Figure 2001048216
実施例2
P5CレダクターゼのL−ピペコリン酸生産における役割を明らかにするためにproC欠損株であるE. coli RK4904株を宿主とする組み替え株E. coli RK4904pUC19株、E. coli RK4904pUClat株、E. coli RK4904pUCproC株、およびE. coli RK4904pUClatproC株についてL−ピペコリン酸の生産性を調べた。アンピシリンナトリウム50μg/mlを含むL培地(ポリペプトン1.0%、酵母エキス0.5%、NaCl 0.5%、グルコース0.1%、pH7.2)3mlに植菌し、32℃で一晩振盪培養した。これを種菌としてその275μlをアンピシリンナトリウム50μg/mlを含むTB培地(グリセリン0.44%、Bacto−トリプトン1.33%、Bacto−酵母エキス2.67%、KHPO 0.21%、KHPO 1.14%)27.5mlに植菌し、32℃で8時間振盪培養した。これに50% L−リジン塩酸塩500μlとリン酸緩衝液(pH6.8)に溶かした50%グリセリン500μlを加え、32℃で振盪培養をつづけた。40時間で100μlをサンプリングし、HPLCでL−ピペコリン酸の定量を行った。その結果、E. coli RK4904pUClatproC株でのみ0.765g/lのL−ピペコリン酸の蓄積が見られたが、他の株ではピペコリン酸の蓄積は見られなかった。
実施例3
E. coli C600pUClatlysP株を用いて培地の炭素源の検討を行った。培地組成は、TB培地(グリセリン0.44%、Bacto−トリプトン1.33%、Bacto−酵母エキス2.67%、KHPO 0.21%、KHPO 1.14%)のグリセリンを各種炭素源で置き換えた培地を用いた。炭素源としては、グリセリン、ピルビン酸ナトリウム、クエン酸、プロピオン酸、マレイン酸、乳酸、DL−リンゴ酸について検討した。培養は250ml容のエルレンマイヤーフラスコに25mlの培地を入れて32℃で振盪培養を行った。培養24時間目でのL−ピペコリン酸の蓄積量はそれぞれ、4.8g/l、3.3g/l、2.8g/l、2.6g/l、3.5g/l、4.7g/l、4.7g/lであった。本発明では炭素源として有機酸も使用可能であることを示している。
実施例4 菌体破砕物によるL−ピペコリン酸の生産
アンピシリンナトリウム50μg/mlを含むL培地3mlにE. coli RK4904pUC19株、E. coli RK4904pUClat株、E. coli RK4904pUCproC株、およびE. coli RK4904pUClatproC株を植菌し、32℃で一晩振盪培養した。これらを種菌として275μlをアンピシリンナトリウム50μg/mlを含むL培地50mlにそれぞれ植菌し、32℃で8時間振盪培養した。この培養液を遠心し、菌体を0.85%NaClで洗い、BugBuster(Novagen)2mlを加えた上清を菌体破砕液とした。これらの菌体破砕液100μlにL−リジン−HCl 20μmol、2−ケトグルタール酸20μmol、ピリドキサール リン酸0.075μmol、およびβ−NAD200μmolを含む0.2M リン酸バッファー(pH7.2)を1ml加え、32℃で15時間放置した。これらの反応液5μlをTLCプレート(Merck Art.13143)にスポットし、展開液(1−ブタノール:酢酸:水=3:1:1)で展開後ニンドリン発色した。この結果E. coli RK4904pUClatproC株菌体破砕液にのみL−ピペコリン酸のスポットが確認された。このことはプラスミド上にコードされたlat遺伝子から生成したLATと、proCから生成したピロリン−5−カルボン酸レダクターゼにより、試験管内反応においてもL−ピペコリン酸が生産されることを示している。
実施例5
pUClatlysPLargT−tetと同様に、pUClatlysPLのScaIサイトにテトラサイクリン耐性遺伝子を導入したプラスミドpUClatlysPL−tetを構築し、以下の変換反応を行なった。
テトラサイクリン25μg/mlを含むL培地(3ml/遠沈管)に2菌株、E. coli BL21 pUClatlysPLargT−tet株とE. coli BL21 pUClatlysPL−tet株の凍結種母を植菌し32℃で18時間ロータリーシェーカー上で培養した。これらの種母をテトラサイクリン25μg/mlを含むTB培地(27.5ml/遠沈管)に500μl 植菌し32℃で24時間ロータリーシェーカー上で培養した。培養終了時の660nmのO.D.はそれぞれ3.98、9.38であった。それぞれの培養液4.71ml、2.00mlから遠心分離によって菌体を回収し、回収した菌体に25mMリン酸緩衝液(pH6.8)1mlを加え、更に20%L−リジン溶液20μl、20%グリセロール20μlを添加して32℃で変換反応を開始した。反応開始2時間後、7時間後、24時間後にそれぞれ100μlづつサンプリングしピペコリン酸とリジンの量をHPLCを用いて定量した。
変換反応2時間後、7時間目、24時間目でのピペコリン酸の蓄積量はそれぞれE. coli BL21 pUClatlysPLargT−tet株が0.36g/l、0.73gl1、2.0g/lに対し、E. coli BL21 pUClatlysPL−tet株では0.88g/l、1.3g/l、1.4g/lであった。このようにE. coli BL21 pUClatlysPL−tet株はピペコリン酸生産速度が徐々に鈍るのに対し、E. coli BL21 pUClatlysPLargT−tet株は出足のピペコリン酸生産速度は若干劣るものの、ほぼ一定のピペコリン酸生産速度を維持した。このピペコリン酸生産速度はリジン減少速度に完全に対応していた。この実験結果より、ピペコリン酸生産におけるargT遺伝子の効果を確認した。
実施例6
コリネ型細菌のlat形質転換株C. glutamicum ATCC31831 pClat株の培養試験を行った。対照としてlatが挿入されてないプラスミドを保持するC.glutamicum ATCC31831 pC2株も同様に試験した。2株の寒天平板上のコロニーをカナマイシン20μg/mlを含むL培地3mlを入れた試験管にそれぞれ植菌し、32℃で18時間ロータリーシェーカー上で培養した。得られた培養液275μlをそれぞれをカナマイシン20μg/mlを含むTB培地27.5mlが入った250ml容のエルレンマイヤーフラスコに植菌し、32℃でロータリーシェーカー上で本培養して、培養開始後5、15、39、63時間でリン酸緩衝液(pH6.8)に溶かした50%グリセリンを550μlづつ添加した。グリセリンの添加を開始してから135時間後に培養を終了し、培養上清中のピペコリン酸をHPLCを用いて定量した。その結果、C. glutamicum ATCC31831 pClat株は最初のグリセリン添加後135時間で約0.7g/lのピペコリン酸を蓄積した。一方、対照のC. glutamicum ATCC31831 pC2株ではピペコリン酸の生産は見られなかった。このことは、コリネ型細菌においてもプラスミドで導入したlat遺伝子が発現すること、およびコリネ型細菌のピロリン−5−カルボン酸還元酵素(遺伝子、proC)がLATによってリジンから変換されたP6Cをピペコリン酸へ還元することを示している。
【配列表】
Figure 2001048216
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【図面の簡単な説明】
図1は大腸菌中でL−リジンからL−ピペコリン酸を生産するための本発明に関連するプラスミドの略図である。
図2は、コリネ型細菌中でL−ピペコリン酸を生産するための本発明に関連するプラスミドの略図である。

Claims (11)

  1. ピロリン−5−カルボン酸レダクターゼを用いて、デルタ−1−ピペリデイン−6−カルボン酸の還元を行う工程を含んでなるL−ピペコリン酸の製造方法。
  2. ピロリン−5−カルボン酸レダクターゼが大腸菌(Escherichia coli)またはコリネ型(coryneform)細菌に由来する請求項1記載の製造方法。
  3. デルタ−1−ピペリデイン−6−カルボン酸がリジン−6−アミノトランスフェラーゼを用いるL−リジンからの変換工程により得られる請求項1または2記載の製造方法。
  4. リジン−6−アミノトランスフェラーゼがフラボバクテリウム・ルテセンス(Flavobacterium lutescens)に由来する請求項3記載の製造方法。
  5. デルタ−1−ピペリデイン−6−カルボン酸の還元を行う工程およびリジン−6−アミノトランスフェラーゼを用いるL−リジンからL−ピペコリン酸への変換工程が、リジン−6−アミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子で形質転換されたピロリン−5−カルボン酸レダクターゼ活性を有する大腸菌またはコリネ型細菌を用いて実施される請求項3または4記載の製造方法。
  6. 大腸菌またはコリネ型細菌が、外来のピロリン−5−カルボン酸レダクターゼをコードする遺伝子および外来のリジンの取り込みに関与する遺伝子からなる群より選ばれる少なくとも1つの遺伝子を含む請求項5記載の製造方法。
  7. リジン−6−アミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子を発現しうる形態で含んでなる組換え大腸菌またはコリネ型細菌。
  8. 外来のピロリン−5−カルボン酸レダクターゼをコードする遺伝子および外来のリジンの取り込みに関与する遺伝子からなる群より選ばれる少なくとも1つの遺伝子を発現しうる形態でさらに含む請求項7記載の組換え大腸菌。
  9. リジンの取り込みに関与する遺伝子が、リジン特異的パーミアーゼをコードする遺伝子である請求項8記載の組換え大腸菌。
  10. リジンの取り込みに関与する遺伝子が、リジン特異的パーミアーゼをコードする遺伝子であり、そしてその上流にタンデムに並ぶ転写調節因子をコードする配列をさらに含む請求項8記載の組換え大腸菌またはコリネ型細菌。
  11. 請求項7ないし10のいずれかに記載の組換え大腸菌またはコリネ型細菌をL−リジン含有培地で培養し、次いで培養物中に蓄積したL−ピペコリン酸を採取する工程を含んでなるL−ピペコリン酸の製造方法。
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