JPS647754B2

JPS647754B2 -

Info

Publication number: JPS647754B2
Application number: JP61141626A
Authority: JP
Inventors: Satoru Fujita; Hiroshi Edo
Original assignee: Asahi Denka Kogyo KK; Nippon Shoji Co Ltd
Current assignee: Adeka Corp; Nippon Shoji Co Ltd
Priority date: 1986-06-18
Filing date: 1986-06-18
Publication date: 1989-02-09
Also published as: CA1309614C; JPS63185350A; US4794015A

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本発明は食品の呈味剤として古来優れた性質を
有する醤油に対し、呈味効果や食品の物性改良効
果を有する食用油脂を水中油型に安定に乳化する
方法に関するものである。〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題
点〕近年、醤油を基剤とし、液状油入りのドレツシ
ングの需要が高まつている。又、従来から煎餅、
あられ、おかき、その他のスナツク菓子の加工用
に醤油と油脂を別々に塗布する方法が採られてい
る。前者のドレツシングについては、一般的には水
相と油相の２相に分離したものを、使用時に振つ
て均一化して用いられており、多量の糊剤等によ
り高粘性としたもの以外は常時安定な水中油型乳
化のものは見当たらない。後者の加工用材料としては、スプレイ法等によ
り簡単に塗布出来るような低粘度で、且つ常時安
定な乳化物は得られていない。一般的に、醤油は食塩分を15〜17重量％含有
し、PHも５付近と低く、油脂の乳化は極めて困難
である。従来から醤油に食用油脂を安定に水中油型に乳
化しようとする試みが多数なされたが、未だに満
足すべき製品が得られていない。係る従来の例と
しては、ゼラチン、天然ガム質を含む水相を醤油
に添加して液体油脂を乳化する方法（特公昭52−
2999号）、乳化剤としてジアセチル酒石酸モノグ
リセリド、蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステルの一種または二種以上を使用する
か、或いは更にα化澱粉、カゼインナトリウム等
の安定剤を使用する方法（特開昭59−45854号）
等がある。しかしながら、これらの方法によつて製造され
た乳化液は、一定温度で静置されれば比較的安定
であるが、輸送や日常の取り扱い中に受ける振
動、撹拌、温度変化、長期の保管等実際の商品流
通条件下では安定性に劣り、油分の分離や凝集を
起こし実用的ではない。〔問題点を解決するための手段〕本発明の目的は、実際の商品としての流通条件
下および過酷な使用条件下でも十分安定な乳化状
態を保ち、流動性を失わず、乳化粒子がクリーミ
ングアツプしても簡単な撹拌乃至振盪で容易に安
定な再分散状態に戻すことが可能な醤油を主成分
とする水相中への油脂の乳化方法を提供すること
にある。本発明の醤油を主成分とする水相への油脂の乳
化法は、醤油を主成分とする水相と油脂を水中油
型に乳化するに際し、乳化剤の少なくとも一成分
としてリゾフオスフアチドを油脂に対し重量割合
で0.1〜５％添加することを特徴とするものであ
る。本発明で使用される醤油としては、特に限定無
く、一般的には大豆、小麦、魚等を原料とし、濃
厚な食塩の存在下で醗酵してえられる醸造食品で
あり、例えばこいくち醤油、うすくち醤油、たま
り醤油或いはしよつつるの如き魚醤が挙げられ
る。本発明で使用される油脂としては、乳化時に液
体であれば特に限定されず、例えば、大豆油、コ
ーン油、ゴマ油、ナタネ油、パーム油、ヤシ油、
綿実油等の植物油脂、牛脂、魚油、豚脂、乳脂等
の動物油脂、およびこれらの油脂の部分水添油等
が挙げられる。本発明で用いられる乳化剤の必須の構成成分で
あるリゾフオスフアチドは、構成脂肪酸としては
炭素原子数８以上が好ましく、アシル基の位置は
α、βのいずれでも良い。かかるリゾフオスフア
チドとしては天然のＬ型のもの、合成のラセミ体
のもの、いずれも使用できる。天然物由来のリゾフオスフアチドは、生物体内
にジアシルフオスフアチドに伴つて存在すること
が知られており、例えば大豆、ナタネ、小麦等の
穀物の脂質、動物細胞の脂質中に含有されてお
り、また、卵黄等の動物脂質や大豆等の植物脂質
中のジアシルフオスフアチドに豚の膵液や蛇毒中
のフオスフオリパーゼＡ−２、または細菌等のフ
オスフオリパーゼＡ−１を作用させて加水分解
し、発生した脂肪酸をアセトン等で除去し、要す
ればシリカゲルクロマト等によつて精製して製造
することもできる（特開昭46−13263、同52−
136966、同58−51853）。この場合、得られたリゾ
フオスフアチドを適当な溶媒中でニツケル等の触
媒の存在下水素添加を行えば、より酸化安定性の
良い界面活性剤が得られる。また、ジヤーナル・オブ・アメリカン・オイ
ル・ケミスト・ソサイアテイ1981年10月号886〜
888頁にはフオスフオリパーゼＡ−２を作用させ
る条件を種々変化させて各種組成のリゾフオスフ
アチドが得られることが記載されている。更に、エチルアルコール等の溶媒を使用してジ
アシルフオスフアチドを分画し、これを原料とし
てリゾフオスフアチドを得ることもできる。その
他、ジヤーナル・オブ・バイオロジカル・ケミス
トリー188巻471〜476頁（1951）に記載の卵黄か
らフオスフアチジルコリンを得る方法、特公昭60
−16、同59−42655、同57−123496、同56−23997
に記載の方法によるフオスフアチジルコリンを得
る方法等も本発明に応用できる。この様な天然型
のリゾフオスフアチドは光学活性が左旋性であ
り、動物に対する経口投与の場合の安定性も確認
されている（ジヤーナル・サイエンス・オブ・フ
ード・アンド・アグリカルチヤー、32巻451〜458
頁）。また、本発明で用いるフオスフアチド類の分析
法としては、シンレイヤークロマト法、TLC−
FID法（イヤトロスキヤン法）、高速液体クロマ
ト法等がある。本発明で用いるリゾフオスフアチドは、上記の
ようにして得ることができるが、本発明において
は、リゾフオスフアチド(a)が実質的にリゾフオス
フアチジルコリンからなるものを用いるのが好ま
しく、更にリゾフオスフアチド(a)はリゾフオスフ
アチジルエタノールアミンを含有していても良
く、又、少量のリゾフオスフアチジルイノシトー
ル、リゾフオスフアチジン酸、リゾフオスフアチ
ジルセリンからなる群から選ばれる一種以上のリ
ゾフオスフアチドを含有していても良い。更に天
然物からリゾフオスフアチド(a)を製造する場合
は、製造法の特質上、通常上記リゾフオスフアチ
ド(a)と対応するジアシルフオスフアチド(b)を含有
する場合が多いが、これらを含有する場合はフオ
スフアチド全量〔(a)＋(b)〕に対してリゾフオスフ
アチド(a)の量が40重量％以上、なるべくは50重量
％以上であるものを使用するのが良い。尚、比較的純度の高いリゾフオスフアチドと油
分を含む粗大豆燐脂質を併用しても良く。この場
合はリゾフオスフアチドは水相に、油分を含む粗
大豆燐脂質は油相に分散させて使用するのが良
い。本発明で用いる乳化剤は上記のとおりリゾフオ
スフアチドを必須の成分として含有するものであ
るが、併用が好ましい乳化剤として、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル或いはグリセリンモノ脂肪
酸エステルが挙げられ、これらを併用すると比較
的安価に本発明の目的を達成することができる。併用が好ましい乳化剤であるポリグリセリン脂
肪酸エステルとしては、重合度４〜10のポリグリ
セリンと炭素原子数14〜22の飽和および／または
不飽和の脂肪酸とのモノ、ジ、またはポリエステ
ルの一種または二種以上の混合物が好ましい。炭
素原子数13以下の脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸
エステルは苦みを有する場合があり、一方炭素原
子数23以上の脂肪酸はあまり一般的でない。また、併用が好ましい乳化剤である蔗糖脂肪酸
エステルとしては、炭素原子数12〜22の飽和およ
び／または不飽和の脂肪酸と蔗糖のモノ、ジ、ま
たはポリエステルの一種または二種以上の混合物
が好ましい。炭素原子数11以下の脂肪酸の蔗糖脂
肪酸エステルは乳化効果が乏しい場合があり、一
方炭素原子数23以上の脂肪酸はあまり一般的でな
い。また、併用が好ましい乳化剤であるソルビタン
脂肪酸エステルとしては、炭素原子数12〜22の飽
和および／または不飽和の脂肪酸とソルビトー
ル、ソルビタン、ソルバイドの一種または二種以
上の混合物とのモノ、ジ、またはポリエステルの
一種または二種以上の混合物が好ましい。炭素原
子数11以下の脂肪酸のソルビタン脂肪酸エステル
は乳化効果が乏しい場合があり、一方炭素原子数
23以上の脂肪酸はあまり一般的でない。また、併用が好ましい乳化剤であるグリセリン
モノ脂肪酸エステルとしては、炭素原子数12〜22
の飽和および／または不飽和の脂肪酸とグリセリ
ンとのモノエステルが好ましく、若干量のジエス
テル、トリエステルを含有していてもよい。炭素
原子数11以下の脂肪酸のグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルは乳化効果が乏しい場合があり、一方炭素
原子数23以上の脂肪酸はあまり一般的でない。これらの併用される乳化剤はリゾフオスフアチ
ド／併用乳化剤＝30／70〜100／０（ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステルの場合）、50／50〜100／０
（グリセリンモノ脂肪酸エステルの場合）の重量
割合で使用できる。リゾフオスフアチドがこれ以
下の割合では、本発明の効果は不十分である。リゾフオスフアチドの使用量は油脂に対して
0.1〜５重量％であり、0.1重量％より少ないと本
発明の効果が得られない。およそ0.1〜0.5重量％
の添加の場合は乳化粒子が比較的大きく、増粘剤
や乳化安定剤を比較的多く使用する場合に適して
おり、0.5〜５重量％の添加の場合は乳化粒子が
細かい場合に適している。又、乳化系中の油分が
少ない場合は対油脂での添加量は多い方が良い。
５重量％より多くても効果は変わらないが、不経
済であり、風味の変化を来す場合もある。一般的にはリゾフオスフアチドの純度が高い
程、添加効果は少量で現れる傾向がある。上記の乳化剤を併用する場合、この混合乳化剤
の添加量は総量として油脂に対して0.1〜５重量
％である。５重量％より多く添加しても効果は変
わらないが、不経済であり、風味の変化を来す場
合もある。本発明の方法では本発明の目的を逸脱しない範
囲でその他の界面活性剤を乳化剤として併用でき
る。また、ゼラチン等の可溶性蛋白質、水溶性ポリ
ペプチド等のペプチド、化工澱粉等の多糖類、ア
ラビアガム、トラガントガム等のガム質が共存す
るとクリーミングアツプを遅らせ、乳化粒子の凝
集をより抑制できるので上記乳化剤にそれらを共
存させるのが好ましい。本発明においては、上記水相と上記油脂とを乳
化する際に、香辛料、香料、調味料、糖類、ビタ
ミン類、精油、保存料、その他の食品添加物を本
発明の目的の範囲内で添加することができる。本発明の乳化法の概略は以下のとおりである。即ち、リゾフオスフアチドおよび必要なら上記
の併用し得る界面活性剤を醤油を主成分とする水
相或いは油脂に、好ましくは親水性界面活性剤は
水相に、親油性界面活性剤は油脂に溶解乃至分散
させ、所望により蛋白質その他の成分を添加し、
所望により加温撹拌して、予備乳化し、高速撹拌
による乳化、加圧式ホモゲナイザーによる乳化、
その他コロイドミル、超音波等或いはこれらを組
み合わせて乳化を行い、目的物を得ることができ
る。又、必要に応じて、乳化前或いは乳化後にパ
ステライザー、プレート式熱交換機等によつて加
熱殺菌を行うこともできる。〔実施例〕以下に本発明の実施例を示すが、本発明は実施
例に制限されるものではない。尚、フオスフアチドとはリゾフオスフアチドと
ジアシルフオスフアチドとを主成分とするフオス
フアチドを意味する。実施例１市販大豆燐脂質からアセトン沈澱、含水エタノ
ール分画により70％のジアシルフオスフアチジル
コリンを含有するフオスフアチドを得、これに豚
膵臓フオスフオリパーゼＡ−２（ノボ社製、レシ
ターゼ10L）を作用させ、発生脂肪酸をアセトン
で除去しアルコールにより分画し、珪酸カラムと
アルコールにより更に分画してリゾフオスフアチ
ジルコリン95％、リゾフオスフアチジルエタノー
ルアミン２％、総リゾフオスフアチド含量97％の
フオスフアチドを得た。このフオスフアチド0.5ｇを水５mlに溶解し、
塩分15重量％のこいくち醤油51ｇ、コーンサラダ
油50ｇを加えて55℃で日本精機製ホモゲナイザー
AM−８により13000回転／分、６分間乳化した。
乳化液をガラスシリンダーに取り20℃と35℃を１
日に各１回サイクルする恒温槽中に保存して乳化
の安定性を観察した。 90日後も油層分離はなく、クリーミング層は全
体の80％で均一であり、下部水層は20％で全体は
流動性に富み、振盪により容易に再分散し、再分
散後１日を経ても水層の分離は殆ど無かつた。実施例２実施例１のフオスフアチド0.5ｇを水５mlに溶
解し、塩分15重量％のこいくち醤油70ｇ、精製ゴ
マ油25ｇに市販大豆燐脂質（アセトン不溶分61
％）を０、0.25、0.5或いは0.75ｇ加えて実施例１
と同様に乳化した。室温で２ケ月放置したところ、フオスフアチド
のみのものは油層0.3％が分離し、また市販大豆
燐脂質0.75ｇを加えたものは油層0.2％が分離し、
他のものは油層の分離は認められなかつた。６ケ月後にはフオスフアチドのみの場合は油層
２％が分離しクリーミング層は29％であつた。市販大豆燐脂質0.25ｇを含むものは微量の油層
が認められ、クリーミング層は33％であつた。市販大豆燐脂質0.5ｇを含むものは油層分離が
無く、クリーミング層は33％であつた。市販大豆燐脂質0.75ｇを含むものは油層分離
1.5％、クリーミング層は33％であつた。何れのものも、流動性に富み、振盪により容易
に再分散し、均一な乳化液となつた。実施例３大豆燐脂質からアセトン沈澱を行つて脱脂燐脂
質を得、これにレシターゼ10Lを作用させた後、
イソプロピルアルコール・ヘキサン混合溶媒でフ
オスフアチドを抽出し、アセトン処理して脱脂肪
とする。これをアルコールで抽出してリゾフオス
フアチドを多く含むフオスフアチドを得た。この
フオスフアチドはリゾフオスフアチジルコリン48
％、リゾフオスフアチジルエタノールアミン11％
を主とし、総リゾフオスフアチド含量62％のフオ
スフアチドであつた。このフオスフアチド0.5ｇを水５mlに溶解し、
塩分15重量％のこいくち醤油51ｇ、コーンサラダ
油50ｇ（リゾフオスフアチドの対油脂使用量は
0.62％）を加えて実施例１と同様に乳化し、試験
した。 90日後も殆ど油層分離はなく、クリーミング層
は全体の74％であり、振盪により容易に再分散
し、再分散後１日を経てのクリーミング層は97％
で良好な乳化を示した。実施例４大豆燐脂質からアセトン沈澱を行つて脱脂燐脂
質を得、これにレシターゼ10Lを作用させた後、
再びアセトンを加え脱脂肪する。ここで用いた含
水アセトン層を乾固後再びアセトン沈澱を行つて
溶出したリゾフオスフアチドを回収し、本体に混
合してからこれをエタノールで分画してリゾフオ
スフアチドを多く含むフオスフアチドを得た。こ
のフオスフアチドはリゾフオスフアチジルコリン
56％、リゾフオスフアチジルエタノールアミン13
％を主とし、総リゾフオスフアチド含量71％のフ
オスフアチドであつた。このフオスフアチド１ｇ（リゾフオスフアチド
の対油脂使用量は1.4％）を使用して実施例１と
同様に乳化し、試験した。 90日後も殆ど油層分離はなく、クリーミング層
は全体の79％であり、流動性に富み振盪により容
易に再分散し、再分散後１日を経ても下部水層の
分離は殆ど認められなかつた。実施例５実施例４のフオスフアチド80ｇ（リゾフオスフ
アチドの対油脂使用量は１％）を水160mlに溶解
してペーストとし、こいくち醤油４Kg、精製ゴマ
油5.6Kg、α化澱粉（王子ナシヨナル社製化工α
化澱粉インスタントクリアジエル）80ｇ、ゼラチ
ンの部分分解ポリペプチド（新田ゼラチン社製
UA2）80ｇを混合し小型パステライザー中で60
℃で30分間撹拌して予備乳化と殺菌を行つた後、
45℃で三和機械製高圧ホモゲナイザー3205−
200LHを用いて１段目350Kg／cm²、２段目50Kg／
cm²で均質化を行つた。実施例１と同様の試験と共に室温、40℃、冷蔵
室の条件で保存し試験した。何れの条件でも３ケ月後も下部水層の分離は殆
どなく流動性を保つていた。実施例６レシノール10E（水素添加されフオスフアチジ
ルコリン81％とフオスフアチジルエタノールアミ
ン９％を含み沃素価が７のフオスフアチド、日本
サーフアクタント社製）にレシターゼ10Lを作用
させた後、アセトンを加え脱脂肪酸し、これをエ
タノールで分画してリゾフオスフアチドを含むフ
オスフアチドを得た。このフオスフアチドはリゾ
フオスフアチジルコリン41％、リゾフオスフアチ
ジルエタノールアミン３％を主とし、総リゾフオ
スフアチド含量45％のフオスフアチドであつた。このフオスフアチド15ｇ（リゾフオスフアチド
の対油脂使用量は1.3％）を水50mlに溶解しコー
ン白絞油500ｇ、ゼラチンの部分分解ポリペプチ
ド22ｇ、こいくち醤油500ｇを混合し60℃で30分
間撹拌して殺菌を行つた後、特殊機化工業製TK
ホモミキサーHV−Ｍ型にて予備乳化を行い、次
いで40℃でマントンゴーリン社製小型ホモゲナイ
ザー15M−8BA型を用いて１段目300Kg／cm²、２
段目50Kg／cm²で２回均質化を行つた。実施例１と同様に試験した所、２ケ月後も殆ど
油層分離はなく、クリーミング層は71％であつ
た。実施例７〜32、比較例１〜11 実施例１、３、４、６で用いたフオスフアチド
に対し、下記表−１に示すその他の乳化剤を下記
表−１に示す割合で混合して実施例１と同様に試
験した。但し、フオスフアチドおよびHLB8以上
の乳化剤は水５mlに溶解乃至ペースト化して使用
し、HLB7以下の乳化剤は油脂中に溶解乃至分散
させて使用した。又、併用した乳化剤を単独で使用した場合につ
いて比較例として試験した。結果を下記表−１に示す。尚、下記表−１の分離油層の％はクリーミング
層中に発生した大型油滴の量も含めて示した。

【表】

〔発明の効果〕

本発明の効果は実際の商品としての流通条件下
および過酷な使用条件下でも十分安定な乳化状態
を保ち、流動性を失わず、乳化粒子がクリーミン
グアツプしても簡単な撹拌乃至振盪で容易に安定
な再分散状態に戻すことが可能な醤油を主成分と
する水相中への油脂の乳化方法を提供したことに
ある。特に本発明の効果はコロイド物質や増粘剤を必
須成分とすることなく、食用に適する界面活性剤
のみで長期間安定な醤油と油脂の乳化物を得る方
法を提供したことにある。

Claims

【特許請求の範囲】１醤油を主成分とする水相と油脂を水中油型に
乳化するに際し、乳化剤の少なくとも一成分とし
てリゾフオスフアチドを油脂に対し重量割合で
0.1〜５％添加することを特徴とする醤油を主成
分とする水相への油脂の乳化法。２リゾフオスフアチド(a)が、リゾフオスフアチ
ジルコリンを主成分とし、リゾフオスフアチジル
エタノールアミンを含有し、且つリゾフオスフア
チジルイノシトール、リゾフオスフアチジン酸、
リゾフオスフアチジルセリンからなる群から選ば
れる一種以上のリゾフオスフアチドを含有するも
のであり、これらリゾフオスフアチド(a)が該リゾ
フオスフアチド(a)と対応するジアシルフオスフア
チド(b)を更に含む場合はフオスフアチド全量〔(a)
＋(b)〕に対してリゾフオスフアチド(a)の量が40重
量％以上である事を特徴とする特許請求の範囲第
１項記載の醤油を主成分とする水相への油脂の乳
化法。３リゾフオスフアチド(a)が、実質的にリゾフオ
スフアチジルコリン（モノアシルフオスフアチジ
ルコリン）であり、該リゾフオスフアチド(a)がジ
アシルフオスフアチド(b)を更に含む場合は、フオ
スフアチド全量〔(a)＋(b)〕に対してリゾフオスフ
アチド(a)の量が40重量％以上である事を特徴とす
る特許請求の範囲第１項記載の醤油を主成分とす
る水相への油脂の乳化法。４乳化剤として、リゾフオスフアチドと、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選
ばれた一種または二種以上の乳化剤とを、重量割
合〔前者／後者〕で30／70〜100／０の割合で混
合した混合乳化剤を、油脂に対し重量割合で0.1
〜５％添加することを特徴とする特許請求の範囲
第１項記載の醤油を主成分とする水相への油脂の
乳化法。５乳化剤としてリゾフオスフアチドと、グリセ
リンモノ脂肪酸エステルとを、重量割合〔前者／
後者〕で50／50〜100／０の割合で混合した混合
乳化剤を、油脂に対し重量割合で0.1〜５％添加
することを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
の醤油を主成分とする水相への油脂の乳化法。