JP3113042B2 - 水中油型乳化物の製造法 - Google Patents

水中油型乳化物の製造法

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JP3113042B2 JP04044635A JP4463592A JP3113042B2 JP 3113042 B2 JP3113042 B2 JP 3113042B2 JP 04044635 A JP04044635 A JP 04044635A JP 4463592 A JP4463592 A JP 4463592A JP 3113042 B2 JP3113042 B2 JP 3113042B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、豊かな乳味感、こく味
感を有するクリーム等に用いられる水中油型乳化物の製
造法に関する。更に詳しくは、コーヒークリーム、ホイ
ップクリーム、アイスクリーム等のクリーム類に用いら
れる水中油型乳化物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】牛乳を
遠心分離して得られる生クリームは、天然の好ましい乳
味感、こく味感に代表される風味を有し、ホイップ用や
コーヒー用、アイスクリーム用などに幅広く用いられて
いる。また近年、食生活の洋風化並びに高級志向などの
影響として、前記用途の他に料理、調理用としての需要
が増加する傾向がある。しかしながら、生クリームは高
価であるだけでなく、品質的にも一定なものにするのが
難しいとか、あるいは天然物であるが故に物性の面で欠
点を有しており、使用上も制約される。例えば、コーヒ
ー用のクリームではコーヒーに加えた時に油分離が起こ
り易く、またホイップ用生クリームでは良好なホイップ
状態を保つ時間が短く、オーバーホイップとなり、水分
離が起こり易く、水中油型(O/W 型)分散の安定性の面
からも問題がある。
【0003】これらの品質上、物性上及び価格上の問題
を解消する目的で、動植物性食用油脂を用いた合成クリ
ームが開発されており、生クリームあるいは乳脂肪を含
んだコンパウンドクリームが広く利用される様になって
いる。しかしながら、その様に生クリーム、乳脂肪を含
んだコンパウンドクリームも、生クリームの有する乳味
感、こく味を発現させるためには、多量の生クリーム或
いは乳脂肪を用いなければならず、必ずしも風味的に満
足するものが得られ難いのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の様な状況に基づ
き、本発明者らは少量の乳成分においても、十分な乳味
感、こく味感を有するクリーム類に用いられる水中油型
乳化物を得るため鋭意研究した結果、脂質と蛋白質との
結合体である脂質蛋白質複合体を配合した水中油型乳化
物を用いることにより、クリーム類の乳味感、こく味感
が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成するに
到った。即ち本発明は、食用油脂、乳化剤、乳成分及び
/又は糖類を含む水中油型乳化物を製造するに際し、脂
質と蛋白質との結合体である脂質蛋白質複合体を配合す
ることを特徴とする水中油型乳化物の製造法を提供する
ものである。
【0005】脂質と蛋白質が強い親和力により脂質蛋白
質複合体を形成する事は従来公知であり(例えば特開昭
60−95000 号)、特に、食品分野において新しい食品素
材としていくつかの用途も見出されている(例えば特開
昭62−241511号〔食品用消泡剤〕、同62−58960 号〔揚
物用添加剤〕など)。他方、脂質蛋白質複合体は生体に
おいて、例えば脂肪球皮膜構成要素として存在する事か
ら、これら脂質蛋白質複合体を含む生体組織そのものを
食品の改質に用いる試みもなされている(特開昭58−21
6659号、同57−26540 号など)。しかしながら、水中油
型乳化物中に、脂質と蛋白質より形成される脂質蛋白質
複合体を配合することにより、乳味感、こく味感が飛躍
的に向上する事については未だ報告等は認められない。
【0006】以下、本発明について詳述する。本発明の
脂質蛋白質複合体の製造に用いられる蛋白質は水溶性蛋
白質である。蛋白質としては、乳蛋白質、植物性蛋白
質、動物性蛋白質など、或いはこれらからなる蛋白製
剤、例えば、脱脂粉乳、全脂粉乳、カゼイン、ホエー蛋
白、大豆粉末、血清蛋白、魚肉粉末、卵白粉末、卵黄粉
末等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられるが、特
に粉末及び/又は液状の乳蛋白質、その分画物及び/又
は乳蛋白剤が好ましい。
【0007】本発明の脂質蛋白質複合体の製造に用いら
れる脂質としては、モノグリセリド、ジグリセリド、ト
リグリセリド、糖脂質、リン脂質等が挙げられる。モノ
グリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドとしては、
例えば、炭素数8〜24の飽和脂肪酸残基、不飽和脂肪酸
残基を含有するものが挙げられる。糖脂質としては、例
えば、天然物由来のモノガラクトシドモノグリセリド(M
GMG)、モノガラクトシドジグリセリド(MGDG)、ジガラク
トシドモノグリセリド(DGMG)、ジガラクトシドジグリセ
リド(DGDG)などが挙げられる。リン脂質としては、植物
あるいは動物起源のレシチンあるいはそれらを精製処
理、或いは酵素分解処理して得られるものが挙げられ
る。これらの脂質の中でも好ましくはレシチン等のリン
脂質が好適である。
【0008】ここで用いられるレシチンとは大豆、卵
黄、牛脂、なたね、ひまわり、サフラワー、綿実、とう
もろこし、アマニ、ゴム、オリーブ、米、きり、グレー
プ、アボガド、ヤシ、パーム等の動植物レシチンをい
い、特定のレシチンに限られるものではない。しかし、
価格、原料、風味の面から植物性レシチン、特に大豆レ
シチンが望ましい。近年レシチンの精製技術の進歩に伴
い、精製度合によりペースト状、粉末状、ガム状、塊状
等、様々なタイプのレシチンが開発されており、どのタ
イプのものも本発明に使用できるが、作業性を考えると
き、粉末タイプが好ましい。
【0009】本発明でいう脂質と蛋白質との結合体であ
る脂質蛋白質複合体は、レシチンと蛋白質が強い親和力
を示し、レシチン−蛋白質複合体を形成するとの知見に
基づいて、以下の方法で得られるものである。第1の方
法は、蛋白質、脂質、更に必要によりその他の成分を水
に分散させ、機械的手段及び/又は超音波処理等で乳化
することによって得られる乳化組成物を脱水乾燥処理し
て脂質蛋白質複合体を調製する方法である。ここで得ら
れる乳化組成物中には、本発明でいう脂質蛋白質複合体
が存在するが、取扱いや効果の点で脱水乾燥処理して調
製した複合体の方がより好ましい。
【0010】乳化組成物の乳化形態については、水中油
型(O/W 型)、油中水型(W/O 型)、油中水中油型(O/
W/O 型)等の多相乳化型などが挙げられるが、いずれの
形態でもよい。蛋白質と脂質からなる混合物と、水との
配合比率は1/99〜99/1(重量比)が好ましく、更に
好ましくは10/90〜50/50(重量比)である。乳化組成
物の粒子径は0.1 〜100 μが好ましく、更に好ましくは
0.5 〜10μである。蛋白質及び脂質を含有する乳化組成
物中の蛋白質と脂質の配合比率は1/2〜100 /1(重
量比)が好ましく、更に好ましくは1/1〜10/1(重
量比)である。上記比率が1/2未満では、目的とする
水中油型乳化物の豊かな乳味感、こく味感の発現が十分
でなく、また100 /1を越えるような蛋白質が過剰とな
る系では効果が頭打ちとなる。
【0011】本発明に用いられる脂質蛋白質複合体は、
上記のようにして得られた乳化組成物を脱水乾燥処理す
ることによって得られる。脱水乾燥処理方法としては、
噴霧乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥、流動乾燥、気流乾燥な
ど公知の方法を用いることができる。但し、食品の風味
に係わる処理条件としては、高温下での処理は、黄変、
炭化などの問題を招き易いため、温度条件としては40℃
を越えない範囲での処理が好ましい。得られる脂質蛋白
質複合体の形状は、粉末状、顆粒状又はペースト状の形
状が挙げられ、これは脂質蛋白質複合体の水分含量に依
存する。上記形状の大きさについては、使用上の利便を
考え塊状であったりすると取り扱い上不都合であるよう
なものを除けば、特に限定されるものではない。本発明
に用いられる脂質蛋白質複合体の水分含有量について
は、20重量%以下、好ましくは12重量%以下、更に好ま
しくは10重量%以下である。本発明においては、上記凍
結乾燥処理後、更に当該分野で常用されるような粉砕処
理をすることもできる。
【0012】本発明に用いることができる脂質蛋白質複
合体を得る別の方法は、例えば、特開平3−251143号に
開示されている、牛乳クリームからバターを採取する際
に副生するバターミルクを限外濾過又は等電沈澱させて
牛乳脂肪球皮膜を得る方法である。
【0013】上記のようにして得られた脂質蛋白質複合
体は、本発明に係る水中油型乳化物中に0.05〜10重量%
配合することが好ましく、0.1 〜3重量%配合すること
が更に好ましい。配合量が0.05重量%未満であると乳味
感、こく味感の発現が不十分となり、10重量%を越える
範囲では効果が頭打ちとなる。脂質蛋白質複合体を配合
する際の形状は特に限定されないが、取扱上、粉末状或
いは顆粒状のものが好ましい。本発明の水中油型乳化物
は従来公知の方法で製造することができる。即ち、食用
油脂(油性液)と、乳成分を含む水性液、或いは糖類及
び乳成分を含む水性液とを混合乳化(予備乳化工程)し
た後、以下の通常の工程(均質化、殺菌、冷却、エージ
ング化)を経て調製される。本発明において、脂質蛋白
質複合体は、油相、水相のいずれの相に添加しても良い
が、好ましくは水相に添加するのがよい。
【0014】本発明に用いられる食用油脂としては、天
然起源の油脂、例えば、サラワー油、オリーブ油、綿実
油、ナタネ油、コーン油、大豆油、パーム油、ヤシ油等
の植物油脂、更にはラード、牛脂、魚油、バター脂等の
動物油脂或いはそれらの硬化油、分別油、ランダムエス
テル交換油から選ばれた1種又は2種以上の油脂が挙げ
られる。本発明で得られる水中油型乳化物中の油相の割
合は20〜60重量%、即ち、油相/水相の重量比が20/80
〜60/40となる割合が好ましく、更に好ましくは25/75
〜55/45となる割合である。
【0015】本発明の水中油型乳化物の水相中に含まれ
る乳成分とは、生乳、脱脂乳、全脂粉乳、乳脂肪、乳
清、生クリーム、チーズ類、ヨーグルト類、バター、バ
ターミルク又はそれらを濃縮加工したものを意味する
(或いはミルクフレーバー、バターフレーバー等、乳製
品に用いられる呈味剤、フレーバーをも意味する。)。
この乳成分の含有量は水相中 0.1重量%以上が好まし
く、より好ましくは 0.2〜30重量%である。乳成分の含
有量が0.1 重量%未満の場合には、乳味感、こく味感の
発現が不十分となって効果が現れず、30重量%を越える
場合には効果が頭打ちとなる。上記乳成分の中で特に乳
蛋白質が好ましい。乳蛋白質は、例えば、生乳、濃縮
乳、脱脂乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、ホエーパウダーなど
を供給源として、通常乳蛋白質固形分として、全乳化物
中に0.5 〜10重量%程度配合される。
【0016】また本発明に用いられる糖類としては、シ
ョ糖、ブドウ糖、果糖、液糖、麦芽糖、水飴などが上げ
られ、通常、全乳化物中に5〜20重量%程度配合され
る。なお、通常、ホイップクリーム用の水中油型乳化物
の調製においては、乳成分を含む水性液が使用され、糖
類はこの乳化物をホイップする際に他の添加剤などと一
緒に添加される場合が多い。しかし、水中油型乳化物に
乳成分とともに糖類を含ませても構わない。
【0017】本発明の水中油型乳化物の調製に際して
は、公知の乳化剤が使用される。乳化剤としては、例え
ば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
ステルを挙げることができる。これらの中から、親油性
の物と親水性の物とを組み合わせて使用すれば良い。特
に本発明においては、レシチン、モノグリセリド及びシ
ョ糖脂肪酸エステルを併用することが好ましい。これら
の乳化剤はその1種又は2種以上の合計含有量が、全乳
化物に対して0.1 〜2.5 重量%となるような範囲で使用
されることが好ましい。
【0018】なお、本発明の水中油型乳化物には、安定
剤、呈味剤などの公知の添加剤が含まれていても良い。
これらを添加する場合にも、上記と同様に親油性の添加
物は油性液中に、また親水性の添加物は水性液中にそれ
ぞれ添加される。
【0019】上記製造工程における予備乳化は、約65〜
70℃にて約15分間行われる。均質化は、ホモジナイザー
を用いて、通常15〜100 kg/cm2 の圧力下で行われる。
均質化は、殺菌処理後に再度行っても良い(再均質
化)。殺菌処理後、5〜10℃まで急冷却し、更に15時間
以上エージングして、本発明の水中油型乳化物を得るこ
とができる。このようにして得た本発明の水中油型乳化
物は、比較的粘度が低く(30〜300 cp)、外部環境に対
して高い乳化安定生を有している。
【0020】上記のようにして得た本発明の水中油型乳
化物は、これを乾燥させることによって得た粉末(粒状
物、或いは粉状物、粉末のクリームという場合もある)
であっても良い。粉末化する方法は、スプレードライ
法、真空乾燥法、粉砕などを組み合わせた従来行われて
いる方法が利用できる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、例中の部は重量基準である。
【0022】製造例1 ホエー蛋白(商品名ミルプローH:三栄化学(株)製)
200 gと大豆レシチン(商品名SLPホワイト:ツルレ
シチン(株)製)80gとを混練し、2リットルの水に分
散後ホモミキサーにて均質化した。得られた乳化物を0.
1Torr で減圧脱水し、固形物中の水分10.8重量%にし
た。このものを粉砕し、20メッシュの篩で篩過して脂質
蛋白質複合体(以下試料−1と略記)250 gを得た。
【0023】上記の原料蛋白質であるホエー蛋白、ホエ
ー蛋白と大豆レシチンとの乳化物、及び得られた試料−
1、それぞれのゲル濾過パターンを比較した。ゲル濾過
はトヨパールHW−65を充填剤として使用し、移動媒体
として0.1 Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.0 )を用い
た。この結果を図1に示す。図1から、試料−1が効率
良く複合体を形成していることが明らかである。
【0024】また、本発明者らは、蛋白質と脂質の複合
体化を簡易的に定量化する手法として、蛋白質と脂質が
結合することによりn−ヘキサンに抽出される脂質量が
減少することに着目した。蛋白質−脂質組成物からなる
試料2gを密栓付三角フラスコに秤量し純水15ml、n−
ヘキサンを加え、20℃で15分間攪拌し、静置後、上層
(ヘキサン層)を10ml分取し、ヘキサン留去後、固形物
重量を精秤する。得られたヘキサン可溶物重量より、 遊離脂質率(%)=(n−ヘキサン可溶物重量×1.5)/
(試料2g中の脂質重量) と定義する。上記の原料であるホエー蛋白と大豆レシチ
ンとを混練して得られた混練品、その混練品を分散後、
均質化して得られた乳化物、及び試料−1の遊離脂質率
を測定したところ表1に示す結果が得られた。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1 下記配合及び製法に従い、ホイップクリームを製造し、
クリーム風味を比較した。 <配合> (油相) ナタネ硬化油(融点32.8℃) 20 部 ヤシ硬化油(融点34.5℃) 6 部 バター脂(融点32.4℃) 14 部 レシチン 0.28 部 (水相) 水 54.5 部 脱脂粉乳 4 部 蔗糖脂肪酸エステル(HLB 11) 0.2 部 ヘキサメタリン酸塩 0.1 部 試料−1 0.5 部 <製法>油相と水相それぞれを溶解ないし分散させて調
製後、予備乳化、高圧均質化、滅菌処理し、常法に従い
クリーム状油脂組成物を得た。この組成物1リットルに
グラニュー糖80gを混合し、クリームミキサーにてホイ
ップを行いホイップクリームを得た。
【0027】比較のために、試料−1を無添加のもの、
試料−1に代えて実施例1で用いたホエー蛋白 0.5部を
添加したもの、及び試料−1に代えて実施例1で用いた
ホエー蛋白と大豆レシチンとを混練して得られた混練品
0.5 部を添加したものを上記と同様に製造した。試料−
1を無添加のクリームを対照としてクリーム風味の官能
評価を行った。結果を表2に示す。試料−1添加品はミ
ルク風味が強く、コクのあるクリームであった。
【0028】
【表2】
【0029】注) *:風味ランクは専門パネラー20名により、 対照の方が良い 1点 対照の方がやや良い 2点 対照と同等 3点 対照よりやや良い 4点 対照より良い 5点 のランク付けの合計点数で示した。
【0030】製造例2 脱脂粉乳(商品名脱脂粉乳:雪印乳業(株)製)400 g
を2リットルの水に分散溶解したものを遠心分離処理
し、その上清に大豆レシチン(商品名エピクロン200 :
ルーカスマイヤー製)80gを添加しホモミキサーにて均
質化した。得られた乳化物を0.1 Torrで減圧脱水し、固
形物中の水分7.0 重量%にした。このものを粉砕し、20
メッシュの篩で篩過して脂質蛋白質複合体(以下試料−
2と略記)180 gを得た。製造例1に従って遊離脂質率
を求めたところ5.8 %であった。
【0031】実施例2 下記配合及び製法に従い、コーヒーホワイトナーを製造
し、コーヒー風味の評価比較を行った。 <配合> (油相) 大豆硬化油(融点32.0℃) 25 部 グリセリン脂肪酸エステル 0.02 部 (水相) 水 71 部 脱脂粉乳 4 部 蔗糖脂肪酸エステル(HLB 14) 0.2 部 第2リン酸ナトリウム 0.02 部 試料−2 0.5 部 <製法>油相と水相それぞれを溶解ないし分散させて調
製後、予備乳化、高圧均質化、滅菌処理し、常法に従い
クリーム状油脂組成物を得た。
【0032】この合成クリームを用いてコーヒーテスト
を行った。インスタントコーヒー2gを水100 mlに溶解
して80℃に加温し、その中に合成クリーム10mlを入れて
官能評価を行った。対照として、試料−2無添加の合成
クリームを製造した。試料−2の添加により、コーヒー
の苦みが緩和され、コクのあるコーヒー風味が強調され
た。
【0033】
【発明の効果】本発明の方法により得られる水中油型乳
化物は、脂質と蛋白質との結合体である脂質蛋白質複合
体を含むことにより、コーヒー用クリーム、ホイップク
リーム、アイスクリーム等のクリーム類に用いた場合、
乳味感やこく味感が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で行ったホエー蛋白、ホエー蛋白と大
豆レシチンとの乳化物、及び試料−1のゲル濾過パター
ンを示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 稲岡 説二郎 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1−8762− 23 花王土合寮 (72)発明者 打越 正延 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1−8762− 23 花王土合寮 (56)参考文献 特開 平3−251143(JP,A) 特開 昭60−95000(JP,A) 特公 昭41−13779(JP,B1) 特公 昭49−11430(JP,B1) 乳技協資料,Vol28.No.3, 1978,「牛乳のフレーバ」の項(2頁− 13頁) J.Agric.Food.Che m.1988.36(729−732) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/19 A23C 11/00 A23D 9/02 A23G 9/02 B01J 13/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用油脂、乳化剤、乳成分及び/又は糖
    類を含む水中油型乳化物を製造するに際し、脂質と蛋白
    質との結合体である脂質蛋白質複合体を配合することを
    特徴とする水中油型乳化物の製造法。
  2. 【請求項2】 蛋白質が、粉末及び/又は液状の乳蛋白
    質、その分画物及び/又は乳蛋白剤である請求項1記載
    の製造法。
  3. 【請求項3】 脂質が、モノグリセリド、ジグリセリ
    ド、トリグリセリド、糖脂質又はリン脂質である請求項
    1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 水中油型乳化物が乳蛋白質を含有するも
    のである請求項1記載の製造法。
JP04044635A 1992-03-02 1992-03-02 水中油型乳化物の製造法 Expired - Lifetime JP3113042B2 (ja)

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