JPS64589B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は複式吸気通路内燃機関における排気
再循環装置に係り、特に低負荷用１次吸気通路お
よび高負荷用２次吸気通路の夫々の通路に排気ガ
スの一部を還流させた内燃機関の排気再循環装置
に関する。

排気清浄化のために開発された排気再循環装置
においては、難燃生混合気の燃焼状態を良好とす
るため、燃焼室内に渦流を生起させることが行わ
れ、この渦流生成のため吸気流速を大とすること
が行われる。そして、低負荷用１次吸気通路と高
負荷用２次吸気通路とを有するいわゆる複式吸気
路内燃機関は、吸気流速を大とし、燃料の霧化・
気化を良好とし、また渦流を強化せんとして開発
されたものである。しかし、該複式吸気路機関の
排気再循環においては、従来、低負荷用１次吸気
通路のみに排気ガスの還流を行つているため、高
負荷用２次吸気通路用の還流ガス分も該１次吸気
通路中を流通させる必要から該低負荷用１次吸気
通路は比較的大径にする必要がある。そのため、
１次吸気通路中の吸気流速を高くすることができ
ず、燃料の霧化・気化が不良で、燃焼室内での渦
流生成を強化し得ず、機関の運転性を悪化させる
ものであつた。また更に上述の弊害は、一方の吸
気通路、つまり１次吸気通路へのみ還流ガスの供
給を行うため、還流ガスの吸気との混合が不充分
となり、燃焼室中で排気還流ガスが偏在するとい
う構造上回避し得ぬ欠点が生ずるものでもある。

また、低負荷用１次吸気通路及び高負荷用２次
吸気通路の両通路の夫々に排気ガスの一部を還流
する装置がある（実開昭54−127019号、特公昭55
−15632号）。しかし、これらの装置においては、
低負荷用１次吸気通路に設けたセンシングポート
から取出した一つの制御用負圧によつて、低負荷
用１次吸気通路及び高負荷用２次吸気通路の夫々
に還流する排気ガス制御用の２つEGR制御弁を
制御している。したがつて、２次吸気通路に還流
する排気ガス制御用のEGR制御弁は、２次吸気
通路に設けた１次絞り弁の開閉に同期して制御さ
れることになる。このため、２次絞り弁の開閉に
同期して２次吸気通路に排気ガスを還流させ得
ず、２次吸気通路によつて供給される吸気に還流
排気ガスを適切に混合させ得ず、燃焼性の悪化を
招いて排気の清浄化を果し得ない不都合がある。

そこでこの発明の目的は、１次絞り弁及び２次
絞り弁の開閉に同期して１次のみならず２次吸気
通路へも排気ガスの還流を為し、これにより、吸
気そのものの排気ガスとの混合状態を改善し、ま
た、１次吸気通路を小径に形成し得ることから、
吸気流速を高くし、渦流発生を強化する等により
燃焼状態を改善し、排気の清浄化及び運転性の向
上を果し、更に燃費向上をも果し得る内燃機関の
排気再循環装置を実現するにある。

以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且
つ具体的に説明する。

図において、２は低負荷用１次気化器、４は高
負荷用２次気化器、６は低負荷用１次絞り弁８は
高負荷用２次絞り弁、１０は低負荷用１次吸気通
路、１２は高負荷用２次吸気通路、１４は吸気
弁、１６は燃焼室、１８は排気弁、そして２０は
排気通路である。該排気通路２０には排気ガスの
一部を導入するための導入口２２を設け、実線に
示す還流通路２４に連通し、三方分岐路２６にお
いて介装されたEGR第１制御弁２８及びEGR第
２制御弁３０により制御し、夫々実線に示す第
1EGR通路３１および第2EGR通路３２に分岐す
る。該第1EGR通路３１は、前記１次吸気通路１
０の１次絞り弁６付近に設けた１次還流口３３に
連通終端する。また、同様に前記第2EGR通路３
２は、前記２次吸気通路１２の２次絞り弁８付近
に設けた２次還流口３４に連通終端する。該２次
還流口３４は、スロツトルボデー３５に設けた主
通路３７から夫々の気筒の２次吸気通路１２に分
岐させて形成する。前記第１制御弁２８の負圧室
には破線に示す第１シグナル負圧通路３６が、ま
た前記第２制御弁３０の負圧室には破線に示す第
２シグナル負圧通路３８が夫々連通される。該第
１シグナル負圧通路３６は、前記１次吸気通路１
０の１次絞り弁６付近に設けた第１センシングポ
ート４０に連通し、また前記第２シグナル負圧通
路３８は、前記２次吸気通路１２の２次絞り弁８
付近に設けた第２センシングポート４２に連通す
る。そしてまた、EGR第１、第２の制御弁２８，
３０には、更に制御用の例えば図示せぬBPV（排
圧トランスデユーサ）等と適宜組合せて、より適
正な還流ガスの制御を行うよう構成することも勿
論可能である。

次に作用について説明する。低負荷運転域にお
いては、１次絞り弁６の開閉に同期して１次吸気
通路１０のみから混合気が吸入される。そしてこ
の時、第１センシングポート４０から作用する１
次吸気通路１０の負圧によつてEGR第１制御弁
３０が開閉動作することにより、１次絞り弁６の
開閉に同期して排気ガスの一部を１次吸気通路１
０に還流する。この１次吸気通路１０は２次吸気
通路１２中を流れる混合気へ混入するための還流
ガス流通用のスペースを持つ必要が無く、該２次
吸気通路１２には別に還流ガスが２次還流口３４
から供給されるように構成されているので、該１
次吸気通路１０を極めて小径に形成することがで
きる。このため、１次吸気通路１０中の吸気流は
高速となり、燃焼室１６中での渦流を強化するこ
とができる。

次いで、中・高負荷域に到ると、２次絞り弁８
が開放を開始し、この２次絞り弁８付近に設けた
第２センシングポート４２からの負圧により、第
２制御弁３０が開放作動し、還流ガスを２次吸気
通路１２に、該２次絞り弁８の開放動作に同期し
て供給開始する。

つまり、１次および２次の各吸気通路は、夫々
独自に還流ガスとの合流を各吸気通路において行
うものであり、従来の如く、例えば１次吸気通路
のみに還流ガスの供給をし、２次吸気通路１２分
の還流ガスをも１次吸気通路１０が負担する構成
では無いのである。

以上の説明から明らかなように、この発明によ
れば以下の効果を奏することができる。

(1) １次吸気通路及び２次吸気通路への還流ガス
の還流制御を、１次及び２次絞り弁付近に設け
た第１及び第２センシングポートからの負圧信
号により行う構成としているので、簡単な構成
でありながら、１次絞り弁及び２次絞り弁の開
放動作に確実に同期させて１次吸気通路及び２
次吸気通路への還流ガスの供給が可能となる。

(2) １次吸気通路および２次吸気通路の夫々に排
気の一部を還流させる構成としたので、該１次
吸気通路は従来機関の如く、２次吸気通路分の
還流ガスの供給分を負担する必要が無く、極め
て小径に形成し得るもので、吸気流速を大とす
ることができ、燃料の霧化・気化を促進し、渦
流を強化することができ、混合気性状を改善
し、燃焼を早め、希薄限界やEGR限界を改善
し、排気の清浄化及び運転性を向上させ、更に
燃費の改善をも果すことができる。

(3) 上述(1)の如く構成したので、中および高負荷
域の２次吸気通路の稼動領域においても、還流
ガスの温度により燃料の霧化・気化が促進さ
れ、また還流ガスとの混合が促進され、燃焼室
内での還流ガスの偏在を防止することができ
る。

(4) また、１次吸気通路を小径に形成し得るの
で、実用領域の過渡運転時には２次吸気通路が
主に稼動することとなり、また該２次吸気通路
から燃焼室に供給される吸気は既に還流ガスと
の混合状態が充分なものであるので、機関全体
のバランスが良好となり、滑らかな継ぎ特性が
得られ、運転性が向上する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示す縦断面側面図で
ある。 図において、１０は１次吸気通路、１２は２次
吸気通路である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 低負荷用１次吸気通路と高負荷用２次吸気通
   路とを有する複式吸気路内燃機関において、排気
   通路に設けた導入口に連通始端する還流通路を三
   方分岐路において第1EGR通路及び第2EGR通路
   に分岐し、前記第1EGR通路は前記低負荷用１次
   吸気通路の１次絞り弁付近に設けた１次還流口に
   連通終端するとともに前記第2EGR通路は前記高
   負荷用２次吸気通路の２次絞り弁付近に設けた２
   次還流口に連通終端し、前記第1EGR通路に介装
   したEGR第１制御弁の負圧室には前記１次絞り
   弁付近に設けた第１センシングポートに連通始端
   する第１シグナル負圧通路を連通するとともに前
   記第2EGR通路に介装したEGR第２制御弁の負圧
   室には前記２次絞り弁付近に設けた第２センシン
   グポートに連通始端する第２シグナル負圧通路を
   連通し、前記１次絞り弁及び２次絞り弁の開閉に
   同期して排気ガスの一部を低負荷用１次吸気通路
   と高負荷用２次吸気通路との両通路の夫々に還流
   させるようにしたことを特徴とする内燃機関の排
   気再循環装置。