JPS641898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は運転席の上部を覆うルーフパネル
を、車体側に対して着脱可能にした、自動車屋根
の取付装置に関するものである。

「従来の技術」 自動車には、運転室の上部を覆うルーフパネル
を、車体側に対して着脱できるように取付けたも
のがある。これはルーフパネルを合成樹脂で成形
した自動車において採られる構造である。ルーフ
パネルは上方から降下する雨水を車室に入れない
ためのものであるから、このように車体とは別体
でルーフパネルを形成し、これを車体側に取付け
るようにしたものでは、その取付部から車室内に
水の浸入がないようにしなければならない。一
方、ルーフパネルは外観上円滑面で形成されるこ
とが望ましく、段部などは無い方がよい。

「考案が解決しようとする問題点」 上述のようにルーフパネルを合成樹脂で製作
し、これを車体側に対して着脱可能に取付けたも
のでは、外観上ルーフパネルを円滑面で形成する
と、このルーフパネルを車体側部材に取付ける部
分で雨水に対するシール性が悪くなり、またシー
ル性を高めるために組付け性が悪くなる問題があ
る。さらにこれに関連してルーフパネルを成形す
る際の型が複雑となる問題もある。

「問題点を解決するための手段」 この考案は、運転室の上部両側に車体の前後方
向に延びるルーフサイドレールを設け、この両側
のルーフサイドレールの間に両縁部を下方に凹ま
せて凹条部としたルーフパネルを載置して凹条部
においてスクリユで固定し、この凹条部をルーフ
サイドレールとは別体のサイドカバーで覆つた構
成として、上述の問題点を解決する手段としたも
のである。

「実施例」 次にこの考案の一実施例を図について説明する
と、第１図において１は自動車であつて、２は運
転室の上部を覆うルーフパネル、３はフロントピ
ラー、４はセンターピラー、５はロールバー、６
は運転室の後部車体を覆うカバーである。ルーフ
パネル２は合成樹脂の成形によつて製作されてお
り、運転室の上部両側に車体の前後方向に延びる
ように設けられたルーフサイドレール７（第２図
参照）の左右間に載架されるものである。

第２図に示すように、ルーフサイドレール７は
アウタパネル８とインナパネル９とが縁部におい
て接合され、断面箱状に形成されたものである。
ルーフパネル２の両縁部は下方に凹ませて凹条部
１０に形成されており、この部分が、シールパツ
キン１１を介してルーフサイドレール７が載架さ
れている。凹条部１０にはボス１２が設けられて
おり、このボス１２には、外周をフランジ状に形
成したキヤツプ１３が、シールパツキン１４を介
して挿通されたスクリユ１５によつて取付けられ
ている。スクリユ１５はアウタパネル８の内側に
溶接によつて取付けられたナツト１６に螺合され
ている。

１７はサイドカバーであつて、このサイドカバ
ー１７は外側形状が円弧状になつており、内側に
設けられた爪１８，１９をキヤツプ１３に係合さ
せることにより取付けられたとき、ルーフパネル
２の凹条部１０を覆い、連続した円滑な曲面を形
成するようになつている。サイドカバー１７も合
成樹脂で製作されており、爪１８，１９は適度の
弾力でキヤツプ１３に係合することになる。サイ
ドカバー１７の取付けは、この弾力を利用し、上
方から押圧するのみで行なうことができる。ボス
１２はルーフサイドレール７の前端近傍と後端近
傍に２個設ければよいが、数を更に増せばサイド
カバー１７の取付けが強固になる。

「考案の効果」 この考案は上述のように、ルーフパネル２の両
縁部を凹条部１０に形成し、この部分でルーフサ
イドレール７に取付け、その後、凹条部１０をサ
イドカバー１７で覆うようにしたものであるか
ら、雨水に対するシール性が向上する上に、組付
性も向上し、さらにルーフパネル２の成型時の型
数も少なくできる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を施す自動車の要部の斜視
図、第２図は第１図の−線に沿つた断面図で
ある。 １……自動車、２……ルーフパネル、７……ル
ーフサイドレール、１０……凹条部、１５……ス
クリユ、１７……サイドカバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 運転室の上部両側に車体の前後方向に延びるル
   ーフサイドレールを設け、該両側のルーフサイド
   レールの間に両縁部を下方に凹ませて凹条部とし
   たルーフパネルを載置して前記凹状部においてス
   クリユで固定し、該凹条部を前記ルーフサイドレ
   ールとは別体のサイドカバーで覆つたことを特徴
   とする自動車屋根の取付装置。