JPS6411669B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、多核ノボラツク樹脂にエチレンオキ
シド及び／又はプロピレンオキシドを付加して得
た、一般式（） （式中R¹は１乃至18個のＣ−原子を有する直
鎖又は枝分れアルキル残基を、R²は水素原子又
は１乃至18個のＣ−原子を有する直鎖又は枝分れ
アルキル残基を、Ｘはエチレン−及び／又はプロ
ピレン−残基を、ｍは６乃至100の数を、そして
ｎは１乃至12の数を意味する） で示される水溶性付加生成物を含有することを特
徴とする、アゾ染料及びキノフタロン染料よりな
る群から選ばれ、大気圧に於て150℃乃至220℃で
少くとも60％まで分解せずに昇華し得る分散染料
調合物に関する。 多核ノボラツク樹脂へのエチレンオキシド及
び／又はプロピレンオキシドの付加生成物を、界
面−及び表面活性物質として例えば解乳化剤及び
乳化剤として、或は羊毛又は木綿からなる繊維材
料用洗剤として、或は又皮革の加工、顔料の分散
及び染色の際の助剤として使用することが米国特
許第2454541号明細書に記載されており、この明
細書から上記の様な付加生成物を製造することも
公知である。顔料はDIN第55944号及び第55945
号により基体中で不溶の着色剤であるので、基
体、例えば合成樹脂又はラツカー中での顔料の微
細分散に対しては顔料分散剤に全く特別な要求が
なされている。 更にドイツ特許第2132405号明細書から、陰イ
オン分散剤を製造するための出発材料として式
（）の付加生成物を使用することが公知である。 それ故式（）のこの付加生成物の従来公知の
性質は、この付加生成物が−上記DIN−規格に
応ずる染料として−基体、通常ポリエステル中に
可溶であり、それ故分散剤に別の要求をする分散
染料のための優れた調合剤であることに就てなん
らの手がかりを示すものではない。驚くべきこと
に、この付加生成物は分散剤含量の少ない高濃度
の分散染料調合物の製造を可能にし、しかもこの
調合物は多数の有利な性質を示すことで優れてい
る。 従来公知の分散染料調合物は幾多の欠点を有す
るが、該欠点は本発明による調合物は示さない。
従つて高含有率の陰イオン分散剤（液体調整物中
では分散染料１重量部に対し0.5重量％又はそれ
以上、そして粉末調整物中では同染料１重量部に
対し１重量％又はそれ以上）を含有する慣用の分
散染料調合物は、合成糊剤を含む印捺ペーストを
撹拌する際望ましくない粘度の低下を生ぜしめ
る。通常磨砕−又は混練ペースト中での分散剤の
含有率が増加するにつれて調合物の粘度も著しく
高まるので、望ましくない場合就中多少高い温度
の場合には調整物は高粘稠又は固体にさえもな
る。他方陰イオン分散剤の含有率は任意には減少
させることができない。何となればさもないと不
安定な又は最初から下十分に微細分散した分散液
が得られるからである。 染色業に於て合理化の理由から染浴の益々短い
浴比が望まれている。このためにできるだけ高濃
度の染料調整物が好ましい。慣用の分散染料調合
物中の陰イオン分散剤の高含有率は、ジエツト−
染色に於ける如き現代染色法に於ては望ましくな
い泡形成を生ずる。しばしば染料の強い滞留、就
中パジング染色の際にそれも生じ、これも望まし
くない。プリント業に於て通常の分散染料調合物
中の高い分散剤含有率によつて、印捺ペーストの
粘度に対する上述の不都合な影響のほかに印捺物
の経費のかゝる後洗浄も必要となる。 本発明は、上記の欠点を有せずそして特に若干
の特殊な課題に適する分散染料調合物を製造する
ことを可能にする。従つて本発明により得られる
水性分散染料調合物は、品質の損失なしに粉末に
乾燥することができる。粉末も液体調整物も極め
て種々の材料の染色及び印捺に著しく適する。 以下に本発明の好ましい実施態様を詳細に説明
するが、その際百分率の記載は重量に関する： 式（）に於て、R¹が６乃至14個のＣ−原子
を有する直鎖又は枝分れアルキル残基を、R²が
水素原子を、Ｘがエチレン−及び／又はプロピレ
ン−残基を、ｍが10乃至30の数を、そしてｎが２
乃至９の数を意味する付加生成物が好ましい。 好ましい調合物は前記分散染料５乃至90特に30
乃至80％、１種又は多種の付加生成物（）２乃
至40％特に２乃至20％、陰イオン分散剤30％まで
及び水及び／又は通常の助剤70％までを含有す
る。更に本発明による調合物は、別の非イオン分
散剤及びこの様な調合物に通常の添加剤、例えば
保水剤として公知の吸湿剤、消泡剤、除塵剤又は
防腐剤を含有することができる。 特に好ましい調合物は、前記分散染料30乃至80
％、付加生成物（）３乃至12％、陰イオン分散
剤４％まで及び水及び／又は助剤４−67％、特に
保水剤例えばグリコール20％まで及び水約25乃至
約65％を含有する。 好ましい粉末調整物は前記分散染料約65乃至約
80％、付加生成物（）約５乃至約18％及び陰イ
オン分散剤約７乃至約30％を含有する。 できるだけ分散剤の少ない、高濃度の液体−及
び粉末調整物を用いた場合に特に良好な結果が得
られる。好ましい液体調整物の場合付加生成物
（）及び陰イオン分散剤の全含有率は約３乃至
約13％、特に約10％までである。好ましい粉末調
整物の場合この全含有率は約20乃至約35％、特に
約20乃至約30％である。それ故染料と分散剤のほ
かに無機塩の如き異物はそれ程は含まれていな
い。調合物がなお上記の又は別の通常の添加剤を
含有する場合には、これら添加剤は前記分散染料
の微細分散の前、間又は後に添加することができ
る。 エチレンオキシド−及びプロピレンオキシド−
単位Ｘを含有する付加生成物（）の場合、その
Ｘの配列は、製造の際エチレンオキシド及びプロ
ピレンオキシドよりなる混合物が使用されたか又
はこれらオキシドが個別的に順々に付加されたか
どうかに従つて、アルキレンオキシド鎖内で統計
的に又は「ブロツク」の形で与えられていること
ができる。 本発明による調合物が陰イオン分散剤を含有す
る場合には、これに対して通常使用される分散剤
が使用される。芳香族スルホン酸及びホルムアル
デヒドからなる縮合生成物、特にアルキルナフタ
リンスルホン酸、就中メチルナフタリンスルホン
酸及びホルムアルデヒドからなる縮合生成物−こ
れらは例えばドイツ特許第2442514号明細書から
公知である−が好ましい。場合により置換された
フエノールとホルムアルデヒド及び亜硫酸ナトリ
ウムとの縮合生成物並びにリグニンスルホン酸の
アルカリ塩も適する。 通常の分散染料調合物と比較して本発明による
調合物は表面活性物質の含量が非常に少ないこと
で優れている。更に本発明により使用すべき水溶
性付加生成物（）は良好な生物学的分解性を示
すことで優れているので、最少の廃水汚染の問題
が生ずるにすぎない。 表面活性物質の僅かな使用にも拘らず、非常に
高い着色剤含有率に於て良好な流動性及び貯蔵安
定性を有する本発明による調合物が得られる。 合成糊剤との良好な相溶性のために、該調合物
は非常に「浅い」彫りを有するローラー印刷のた
めの印刷インキに使用することができ、その際色
の濃い印刷物が得られる。同様に回転式スクリー
ン印刷に於ける使用が可能である。 本発明による調合物の製造は全ての公知方法に
より行うことができる。例えば前記分散染料又は
前記分散染料の混合物を１種又は多種の付加生成
物（）、場合により陰イオン分散剤並びに場合
により別の添加剤と混合し、そして機械的微粉砕
に付すことができる。この場合成分の添加の順序
は変えることもできる。機械的微粉砕は殊に混練
機、ボールミル、分散機、ビーズミル、サンドミ
ル又はアトリツター中で行われる。一般に約
3μm、殊に1μmの粒度の所望の微細化が達成され
たか否かはろ過試験又は顕微鏡により確認するこ
とができる。この様にして得られた調合物は着色
剤を安定で微細化した形で含有する。 この微細分散は、室温並びに50℃で数週間貯蔵
してもそのまゝ保持されており、そして又冷却作
用によつても害されない。 粉末状調合物を製造するためには水性調合物を
常法で例えば噴霧乾燥により乾燥することができ
る。この様にして得られる粉末状調合物は水又は
バインダー溶液に簡単に撹拌混入することにより
再分散させることができる。 表面活性物質の含有率が低いことにより本発明
による分散染料調合物を染浴又は印捺ペーストに
使用する場合に全く遅延作用は認められず、そし
て明るい色調が得られる。更に直接プリンテイン
グの場合必要な後洗滌は著しく短縮されるか又は
固体分の少ない糊剤を使用した場合には完全に省
くことができ、しかも印捺製品の手触りの著しい
悪化が生ずることはなく且つ又光沢や色調が悪影
響をうけることもない。この場合調合物は約６乃
至８のPH−値に調整するのが有利である。 この様にして得られる調合物は、サーモプリン
テイング用の転写紙を印刷するための印刷インキ
の製造に適する。 次の例に於て百分率の記載は、特記しない限り
重量に関する。 例 １ 式(1) の染料350部を、水300部及びエチレングリコール
150部中にエチレンオキシド105モルと反応させた
ノボラツク樹脂〔これは−CH₂−橋を介して結合
せる、平均７個のノニルフエノール残基からなる
−以下「付加生成物Ａ」と称する〕87部を含む溶
液に加え、ガラスビーズ（直径１mm）を含むビー
ズミル中で３時間冷却下磨砕する。この時間の後
粒子の90％以上が3μmより小さい、流動性の良い
分散液が得られる。この分散液に水を加えて1000
部となし、そしてビーズをろ別する。得られた調
合物は流動性が良好であり、長時間に亘つて室温
並びに50℃で貯蔵に安定であり、そして低温に対
し鈍感である。 例 ２ 式(1)の染料400部を、水300部及びエチレングリ
コール150部中にエチレンオキシド45モルと反応
させたノボラツク樹脂〔これは−CH₂−橋を介し
て結合せる、平均３個のノニルフエノール残基か
らなる−以下「付加生成物Ｂ」と称する〕100部
を含む溶液中に加え、ガラスビーズ（直径１mm）
を含むビーズミル中で３時間冷却下磨砕する。こ
の時間の後粒子の90％以上が3μmより小さい、流
動性の良好な分散液が得られる。この分散液に水
を加えて1000部となし、そしてビーズをろ別す
る。得られた調合物は流動性が良好であり、長時
間に亘つて室温並びに50℃で貯蔵に安定であり、
そして低温に対し鈍感である。 例 ３ 式(2) の乾燥せる染料400部を、付加生成物A40部、ド
イツ特許第2442514号明細書の例Ｄに記載の如き、
メチルナフタリンスルホ酸及びホルムアルデヒド
からなる縮合生成物〔以下陰イオン分散剤MNF
と称する〕20部、エチレングリコール150部、水
300部及び防腐剤としてのクロルアセトアミド２
部からなる溶液中に加え、ガラスビーズ（直径１
mm）を含むビーズミル中で冷却下磨砕する、磨砕
時間４時間の後粒子の90％以上が3μmより小さい
分散液が得られる。磨砕物に水を加えて1000部と
なし、そしてビーズをろ別する。かくして室温並
びに50℃で数週間貯蔵に安定であり、そして低温
に対し鈍感である、流動性の良好な調合物が得ら
れる。 例３に挙げた成分の代りに次表１に記載の染
料、分散剤及びそのほかの成分を使用し、そのほ
かは例３に準じて処理すれば、同様に流動性のよ
い、貯蔵に安定な水性調合物が得られる。

【表】 表１及び後記の表２に対する説明： ａ 染料３乃至９は次の式を有する： ｂ 付加生成物Ｃ−Ｌは次の組成を有する： Ｃはエチレンオキシド224モルと反応させたノ
ボラツク樹脂であり、これは−CH₂−橋を
介して結合せる、平均９個のノニルフエノ
ール残基からなる。 別の生成物は次の如き対応する組成を有
する： Ｄ：エチレンオキシド211モル、７個のノニル
フエノール残基 Ｅ：エチレンオキシド140モル、７個のドデシ
ルフエノール残基 Ｆ：エチレンオキシド108モル、９個のヘキシ
ルフエノール残基 Ｇ：エチレンオキシド18モル＋プロピレンオキ
シド18モル＋エチレンオキシド18モルから
なるブロツク重合体、９個のノニルフエノ
ール残基 Ｈ：エチレンオキシド80モル＋プロピレンオキ
シド25モルからなるブロツク重合体、７個
のノニルフエノール残基 Ｊ：エチレンオキシド90モル、７個のノニルフ
エノール残基 Ｋ：エチレンオキシド90モル、３個のノニルフ
エノール残基 Ｌはエチレンオキシド37.5モルと反応させたノ
ボラツク樹脂であり、これはイソオクチル
メチレン橋を介して結合せる、平均３個の
ｏ−クレゾール残基からなる。 ｃ 陰イオン分散剤の場合次の意味を有する： KF：クレゾール、ホルムアルデヒド及び亜硫
酸ナトリウムからなる縮合生成物（ドイツ
特許第2032926号明細書） LS：リグニンスルホネート ｄ 防腐剤： CA：クロルアセトアミド Ｐ：ペンタクロルフエノールナトリウム 例 30 式(1)の乾燥せる染料400部を、分散剤MNF30
部、付加生成物A30部及び水約300部からなる溶
液に加え、ガラスビーズ（直径１mm）を含むビー
ズミル中で磨砕する。 ３時間後大多数の粒子が3μmより小さい、流動
性の良好な分散液が得られる。更に分散剤
MNF135部及び必要の場合には水を添加し、つ
いで得られた水性ペーストを噴霧乾燥により乾燥
する。入口の温度は160−180℃でありそして出口
の温度は70−80℃である。染料含有率67％の、粉
塵の少ない粉末が得られ、これは原糊剤又は水性
染料浴に撹拌混入する際良好に分散させることが
できる。 例 31 固形分含有率34％の、式(3)の染料の湿つたプレ
スケーキ882部を、ガラスビーズ（直径１mm）を
含むビーズミル中で付加生成物A60部及び分散剤
40部と共に磨砕する。４時間後染料は微細に分散
し、その際大多数の粒子が3μmより小さい。得ら
れた水性ペーストを噴霧乾燥器により乾燥する。
その際入口の温度は160−180℃で、出口の温度は
70−80℃である。染料含有率75％の、粉塵の少な
いそして流動性のよい粉末が得られる。これは原
糊剤又は水性染浴に撹拌混入する際良好に分散さ
せることができる。 例31に於て挙げた成分の代りに次表２に記載の
染料、付加生成物及び陰イオン分散剤を使用し、
そしてそのほかは例31に準じて処理すると、上記
の染料含有率及び同様に良好な性質を有する粉末
状調合物が得られる。

【表】 例 37 例３，４又は９により製造された調合物150部
を、撹拌しながら直接水性合成ポリアクリレート
−原糊剤850部中に混入する。糊剤の粘度は1.5−
2Pas（Haake−粘度計VT02により測定）であり、
そして分散剤の少ない調合物を撹拌混入する際そ
の粘度は極めて僅かしか変化しない。紙又は別の
通常の中間キヤリヤー上に回転式スクリーンプリ
ンテイングに於けるプリンテイングペーストをプ
リントすると、転写プリントに於て普通の条件下
に昇華した後、ポリエステル材料上落ち着いた、
くつきりした、均一なプリントが得られる。 本発明による染料調合物の代りに陰イオン分散
剤の高い割合を含有する慣用の染料調合物を使用
すれば、プリンテイングペーストの粘度は使えな
くなるほど著しく低下する。 例 38 例１，13又は26により製造された調合物夫々
150部を急速撹拌器で撹拌しながら直接水性合成
ポリアクリレート原糊剤850部に混入する。予め
調整した粘度約1.5Pas（Haake粘度計）は分散剤
の少ない調合物の添加により非常に僅かしか変化
しない。この印捺インキはポリエステル材料の直
接印捺に適し、その際低い分散剤含有率のために
そのほかの場合には必要な後洗滌を省くことがで
きる。かくして良好な均一性を有する、濃い、堅
牢な印捺が得られる。 例 39 ポリエステル／羊毛−撚糸300ｇからなるクロ
スボビンを、染液の循環を変えながら１時間106
℃及びPH−値５で通常の染色助剤の使用下、水１
中例１又は13の調合物3.4ｇを含有する浴中で
染色する。糸巻体をすゝいだ後良好な摩擦堅牢性
を有する均一な濃い染色が得られる。 例 40 例１又は13に記載せる調合物を含有する染浴を
用いて、実際上普通の浴比（１：10−１：30）及
び染浴温度（125−135℃）でのHT−染色の際、
ポリエステル若しくはポリエステル混合織物上に
良好なビルドアツプで均一な濃い染色が得られ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一般式（） （式中R¹は１乃至18個のＣ−原子を有する直
   鎖又は枝分れアルキル残基を、R²は水素原子又
   は１乃至18個のＣ−原子を有する直鎖又は枝分れ
   アルキル残基を、Ｘはエチレン−及び／又はプロ
   ピレン−残基を、ｍは６乃至100の数を、そして
   ｎは１乃至12の数を意味する） で示される水溶性付加生成物を含有することを特
   徴とする、アゾ染料及びキノフタロン染料よりな
   る群から選ばれ、大気圧に於て150℃乃至220℃で
   少くとも60％まで分解せずに昇華し得る分散染料
   調合物。 ２ 式中、R¹が６乃至14個のＣ−原子を有する
   直鎖又は枝分れアルキル残基を、R²が水素原子
   を、Ｘがエチレン−及び／又はプロピレン−残基
   を、ｍが10−30の数を、そしてｎが２乃至９の数
   を意味する、特許請求の範囲第１項記載の調合
   物。 ３ 分散染料 ５−90％、 付加生成物（） ２−40％、 陰イオン分散剤 ０−30％及び 水及び／又は通常の助剤 ０−70％ を含有する、特許請求の範囲第１項又は第２項記
   載の調合物。 ４ 分散染料 30−80％、 付加生成物（） ３−12％、 陰イオン分散剤 ０−４％及び 水及び／又は通常の助剤 ４−67％ を含有する、特許請求の範囲第１項乃至第３項の
   いずれかに記載の調合物。 ５ 分散染料 65−80％、 付加生成物（） ５−18％及び 陰イオン分散剤 ７−30％ を含有する、特許請求の範囲第１項乃至第３項の
   いずれかに記載の調合物。