JPS641150Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用シートに係り、さらに詳し
くはバケツト型および深いホールド型の自動車用
シートに関する。

バケツト型および深いホールド型の自動車用シ
ートでは、乗降時にドア側のアームレスト部分を
含むシートクツシヨンの一方の上方に突出するサ
イドが障害になり、乗降時に不便を期たしてい
る。

本考案の目的は、かかる不都合を解消し、乗降
車を簡便になしうる自動車用シートを提供するも
ので、シートクツシヨンがシートクツシヨン本体
と、該シートクツシヨン本体の一方のサイド側の
一部分とに分割形成され、前記シートクツシヨン
本体は他方のサイドに予め付設された上方に突出
するサイド部を有し、前記一方のサイド側の一部
分にはシートクツシヨン本体のメイン部より上方
に突出するサイド部が形成され、該サイド側の一
部分がドアに取り付けられ、該ドアの閉状態で前
記一方のサイド側の一部分に形成されたサイド部
と、前記シートクツシヨン本体の他方のサイドに
予め付設されたサイド部とによりホールド型のシ
ートクツシヨンが形成されると共に、ドアの開状
態で前記シートクツシヨン本体の一方のサイド側
の一部分が分離されて上方に突出するサイド部が
ドアと共に移動するようになされていることを特
徴とするものである。

以下図面を参照して詳述するところより明らか
となるであろう。

第１図ないし第４図は本考案の第１の実施例を
示す。

この第１の実施例に示されるシートのシートク
ツシヨン４はシートクツシヨン本体５と、このシ
ートクツシヨン本体５の一方のサイド側の一部分
７とに分割形成されている。そしてドア１の車室
内側に、シートクツシヨン本体５のドア側のサイ
ド部８とアームレスト９とを含む一部分７が取り
付けられている。そして、前記ドア１に取り付け
られたシートクツシヨン４の一部分７は、シート
クツシヨン本体５に連結された状態では、シート
クツシヨン本体５上の一方のサイドに予め付設さ
れた上方に突出するサイド部６と、前記シートク
ツシヨン４の一部分７のサイド部８とにより、深
いホールド感を呈するホールド型でかつ一方のサ
イドにアームレスト９を有するシートクツシヨン
４を構成しうるようになつている。

前記ドア１に取り付けられたシートクツシヨン
４の一部分７は、スライド機構１０を介してドア
１に対しシートの前後方向にスライドしうるよう
に装着され、またロツク機構１４を介してシート
クツシヨン本体５またはシートバツク等に連結し
うるように構成されている。

前記スライド機構１０は、第２図に示されるご
とく、ドア１に水平に固定されたレール１１と、
前記シートクツシヨンの一部分７に取り付けられ
かつ前記レール１１に嵌合されたスライダ１２と
を有して構成されている。前記スライダ１２は、
引つ張りばね１３，１３′によりシートの前後方
向の前方側に進出付勢されている。

前記ロツク機構１４は、第３図および第４図に
示されるごとくシートクツシヨン本体５の後側部
のシートバツク側より突出されたバツクピン１５
と、前記スライダ１２にピン１７を介して取り付
けられかつ前記バツクピン１５に係合しうるロツ
ク爪１６とを備えている。前記ロツク爪１６は、
引つ張りばね１８によりロツク方向に付勢され、
またこの実施例ではケーブル１９を通じてドアロ
ツク２に連係されている。そして、このロツク機
構１４はシートクツシヨン４の一部分７をシート
の前後方向の後方に移動させると、ロツク爪１６
がバツクピン１５とロツク爪１６の外端面とのカ
ム作用で自動的にせり上げられたのちバツクピン
１５に係合し、ドアロツク２を引き上げると、ケ
ーブル１９を通じてロツク爪１６がバツクピン１
５から外れる方向に回動するように構成されてい
る。

なお、第１図中２０はシートスライド装置のロ
アレール、２１はシートスライド装置のアツパレ
ールである。

つぎに、第１の実施例の作用を説明する。

ドア１を閉めると、ドア１に取り付けられたシ
ートクツシヨン４の一部分７は、シートクツシヨ
ン本体５の上方において、一方のサイドにおける
シートの前後方向の前方位置に配置される。

この位置から、シートクツシヨン４の一部分７
を第３図に矢印ａで示されるように、シートの前
後方向の後方に押進し、移動させると、ロツク機
構１４のロツク爪１６の外端面がバツクピン１５
に当接し、ついで第３図に仮想線で示されるよう
に、バツクピン１５とロツク爪１６の外端面との
カム作用でロツク爪１６が引つ張りばね１８のば
ね力に抗してせり上げられ、バツクピン１５を乗
り越えた位置で引つ張りばね１８の作用でロツク
爪１６がバツクピン１５に係合され、シートクツ
シヨン４の一部分７がシートクツシヨン本体５の
ドア側サイドに結合され、使用状態に組み立てら
れ、通常の深いホールド型でかつアームレスト９
を有するシートとして使用される。

この使用状態において、シートクツシヨン４全
体をシートスライド装置を介して前後方向にスラ
イドさせたときは、シートクツシヨン４の一部分
７もスライド機構１０のレール１１とスライダ１
２との作用によりシートクツシヨン４と一体に移
動する。

ついで、着座者が降車するときは、ドアロツク
２を引き上げると、ケーブル１９を通じて第４図
に示されるように、ロツク爪１６が引つ張りばね
１８のばね力に抗してバツクピン１５から外れる
方向に回動されて解錠され、かつスライダ１２の
引つ張りばね１３，１３′の作用によりスライダ
１２を介してシートクツシヨン４の一部分７がシ
ートクツシヨン本体５の前方に進出操作され、こ
の状態でドア１を開けると、シートクツシヨン４
の一部分７がドア１と一緒に回動し、シートクツ
シヨン本体５のドア側サイドが解放される。した
がつて、簡便に降車できる。また、乗車時にはシ
ートクツシヨン４の一部分７がシートクツシヨン
本体５から外れているので、簡便に乗車できる。

つぎに、第５図、第６図は本考案の他の実施例
を示すもので、第５図に示されるものはシートク
ツシヨン本体５のドア側のサイドを階段状に切欠
し、ドア１に取り付けられるシートクツシヨンの
一部分２３を、前記階段状の切欠部２２を補完し
た上面がフラツトなシートクツシヨンを形成する
サイド部分２４とアームレスト２５とを有するＬ
型に形成しており、第６図に示されるものはシー
トクツシヨン本体５のドア側サイドを斜面２６に
形成し、ドア１に取り付けられるシートクツシヨ
ンの一部分２７を、前記斜面２６に重合して側面
が傾斜するシートクツシヨンを形成するサイド部
分２８とアームレスト２９とを有する形状に形成
している外は、第５図、第６図に示される両実施
例とも前記第１図〜第４図に示される実施例と同
じである。

なお、本考案ではロツク機構１４をドアロツク
２に連係するものに代えて、第１図にケーブル１
９の一部を仮想線で示すように、ドアハンドル３
に連係してもよい。さらに、ロツク機構１４は図
示実施例のものに限らないし、また本考案はシー
トスライド装置を有しないシートにも適用でき、
またサイド側の一部分７はアームレスト９を有し
ないサイド部８だけであつてもよい。

以上が本考案に係る自動車用シートの一実施例
の構成であるが、かかる構成によればシートクツ
シヨンのサイド側の一部分を、ドアに取り付け、
ドアを開けることによつてシートクツシヨンの一
部分がドアと一緒に移動し、シートクツシヨン本
体のドア側サイドが解放されるので、バケツト型
および深いホールド型のシートであつても、乗降
車を簡便に行いうる効果がある。

また、本考案ではシートクツシヨンの一部分を
ドアに取り付けてもシートクツシヨンの着座感を
損う懸念は全くない。

なお、以上は本考案の一実施例を示したに留ま
り、本考案の精神を脱することなしに種々の変
形、変更をなし得ること明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示
し、第１図は斜視図、第２図はスライド機構とロ
ツク機構の斜視図、第３図はシートクツシヨンの
一部分とロツク機構との作用説明図、第４図はロ
ツク機構の作用説明図、第５図および第６図はそ
れぞれ本考案の他の実施例の斜視図である。 図中、１……ドア、２……ドアロツク、３……
ドアハンドル、４……シートクツシヨン、５……
シートクツシヨン本体、７……シートクツシヨン
の一部分、８……サイド部、１０……シートクツ
シヨンの一部分のスライド機構、１４……シート
クツシヨンの一部分のロツク機構、１９……ドア
ロツクまたはドアハンドルとロツク機構とを連係
するケーブル、２０，２１……シートスライド装
置を構成する部材、２３，２７……シートクツシ
ヨンの一部分、２４，２８……サイド部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シートクツシヨンがシートクツシヨン本体
   と、該シートクツシヨン本体の一方のサイド側
   の一部分とに分割形成され、前記シートクツシ
   ヨン本体は他方のサイドに予め付設された上方
   に突出するサイド部を有し、前記一方のサイド
   側の一部分にはシートクツシヨン本体のメイン
   部より上方に突出するサイド部が形成され、該
   サイド側の一部分がドアに取り付けられ、該ド
   アの閉状態で前記一方のサイド側の一部分に形
   成されたサイド部と、前記シートクツシヨン本
   体の他方のサイドに予め付設されたサイド部と
   によりホールド型のシートクツシヨンが形成さ
   れると共に、ドアの開状態で前記シートクツシ
   ヨン本体の一方のサイド側の一部分が分離され
   て上方に突出するサイド部がドアと共に移動す
   るようになされていることを特徴とする自動車
   用シート。 (2) ドアに取り付けられたシートクツシヨンの前
   記一部分を、ロツク機構を介してシートクツシ
   ヨン本体に連結し、前記ロツク機構をドアロツ
   クまたはドアハンドルに連係し、該ドアロツク
   またはドアハンドルを操作することにより解錠
   しうるように構成したことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の自動車用シー
   ト。 (3) 前後方向にスライドするシートと一体に、ド
   アに取り付けられたシートクツシヨンの前記一
   部分を、スライドしうるように構成したことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第２項記載
   の自動車用シート。