JPS638803B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は下水、食物の加工工程、製紙工程に
おける含パルプ状物質スラツジから、パルプ状物
質を除去するのに適した液体瀘過装置に関する。

すなわち、本発明は特殊形状のフイルターエレ
メントを内蔵した液体瀘過装置に関し、詳しくは
構造が簡単で大量生産を行うことができ、フイル
ターエレメントに目詰まりが生じても瀘過作業を
中断することなく一方で瀘過作業、他方で逆洗作
業が行える液体瀘過装置の提供を目的としてい
る。

また本発明は、容量の割合に小型で故障が少な
く、特にパルプ状物質を含むスラツジの瀘過を効
果的に行い得る液体瀘過装置を提供せんとするも
のである。

従来の液体瀘過装置では、フイルターエレメン
トの瀘過面に詰まつた夾雑物をナイフ状のスクレ
パーにより掻き取つて瀘過面の再生を行つてい
た。

従来この種の液体瀘過装置においては、フイル
ターエレメントの回転方向に対して設けたスクレ
パーに夾雑物の付着部分を通過させ、この夾雑物
を掻き取る構造になつている。しかしながらこの
夾雑物がパルプ状物質の場合には、第１３図及び
第１４図に示すように、フイルターエレメント１
を構成するバー２間の複数の開口部分３にまたが
つて滞留している夾雑物４は、スクレパー６に掻
き取られないでスクレパー６をかいくぐつてその
裏側にもぐり込んだり、フイルターエレメント１
の表面上を単に移動するだけで、特にフイルター
エレメント１を螺旋状に巻回したワイヤで形成し
た場合には、夾雑物４は矢印７方向に集められて
より目詰まりを起こし勝ちである。

したがつて本発明は、上記欠点を除去するた
め、各バー間の限定した開口を横断する複数本の
凹溝を形成したフイルターエレメントを用い、上
記フイルターエレメントに外接するとともにその
回転方向に前記ヘツドボツクスから離隔して設け
た第１のスクレパーと、その後方に設けた第２の
スクレパーとを有するもので、フイルターエレメ
ント外周上の夾雑物を強制的に排出するための手
段を有する液体瀘過装置を提供することである。

この発明の他の目的は、フイルターエレメント
が逆洗機能を有してこれを効果的に逆洗するとと
もに、目詰りを防止して長期間連続運転できるよ
うにした液体瀘過装置を提供することを目的とし
ている。

従来の液体瀘過装置はフイルターエレメント外
周面に近接して設置したスクレパーが、液流入側
に詰まつた夾雑物を掻き取ることにより滞留防止
を図つていたが、この液体瀘過装置においては、
夾雑物がパルプ状物質の場合にはスクレパーによ
る掻き取り手段や、瀘過済みの原水によつて行う
逆洗手段が、フイルターエレメントに効果的に作
用しないという欠点があつた。本発明はこの点に
着目し鋭意研究の結果、フイルターエレメントの
形状を特殊なものとすることにより、フイルター
エレメントの夾雑物を効果的に掻き取りかつ逆洗
することを可能としたものである。

以下図面により本発明の実施例について説明す
る。第１図乃至第１２図において、１は円筒状の
フイルターエレメントで、一定間隔をもつてほぼ
平行に配設された多数のバー２で構成されてい
る。このフイルターエレメント１を構成するバー
２は、隣接したバーどうしで限定された開口（ス
リツト）３を有し、外周面が平滑で、隣接した対
向側部間に内方に拡がるテーパー面を形成されて
いる。このフイルターエレメント１は、開口を有
するドラム外周に所定のピツチでワイヤをスパイ
ラルに巻装し、このワイヤ表面を切断研磨して内
方に拡がりを有するよう形成する方法、また貫通
するＶカツト溝を所定間隔に穿設し、このＶカツ
ト溝を不連続に形成して枠部を一体的に形成した
自己保持能を有するスリツト板を、該溝が内方に
拡がりを有するよう円筒形に成形する方法、等に
より形成することができる。

上記フイルターエレメント１はまた、平滑な外
周面上に所定間隔で、各バー２間の限定した開口
３を横断する凹溝１１を有し、凹溝１１は上記不
連続部に形成されている。この凹溝１１は上記ス
リツト板を切削加工し、この凹溝１１を有するス
リツト板を円筒形に成形することにより、容易に
作製することができる。また凹溝１１はフイルタ
ーエレメント１の回転方向の前方においてはその
接線に対してほぼ直角に、後方においては緩やか
に傾斜している。特に直角面には上記開口３と連
通する切込み１２が形成され、緩傾斜面は連続平
滑面である。

上記したフイルターエレメント１の瀘過表面
（バーの外周面）は、平滑でかつ表面メツシユと
なつている。フイルターエレメント１はその表面
に近接して設置した第１のスクレパー６に対して
相対的に回転させ、スクレパー６が開口３間にま
たがつてメツシユに詰つた夾雑物４を上記凹溝１
１まで押し進める。次いで一旦フイルターエレメ
ント１を逆転し、スクレパー６に付着した夾雑物
４を凹溝１１内に払い落とした後、第２のスクレ
パー１３で凹溝１１内の夾雑物４を除去すること
により（第９図乃至第１２図参照）、瀘過面を再
生することができる。

上記第１のスクレパー６は、フイルターエレメ
ント１の外周に立設した取付枠１４に取着され、
かつフイルターエレメント１表面より離れる方向
に弾性支持されるとともに、シユーター１５によ
つてフイルターエレメント１に当接するよう固定
される。第２のスクレパー１３はこれとは逆に取
付枠１４にフイルターエレメント１側に向かつて
使用するよう弾性支持され、そのナイフ状先端は
上記凹溝１１の直角面に沿つて摺動しつつ、夾雑
物４をすくい取る。

１６は第２のスクレパー１３の下部に設置され
たシユーターである。

上記フイルターエレメント１を水平軸２１によ
り横置型で収納する本体２０は、フイルターエレ
メント１の片側にヘツドボツクス２２を有する。
このヘツドボツクス２２内には液入口２３を通つ
て夾雑物４のスラツジが流入し、テーブル２４上
を経てフイルターエレメント１で液体を瀘過した
後、フイルターエレメント１内へ瀘過済みの液体
を送り込む。その間フイルターエレメント１は原
動機Ｍにより低速回転している。本体２０の底面
に流下した液体は、液出口２６から排出される。

２５はフイルターエレメント１を軸支する水平
軸２１に回動自在に取付けられ、常態ではその先
端がフイルターエレメント１内面の最下面に当接
するよう垂下させているブラシである。このブラ
シ２５は、フイルターエレメント１の回転に応じ
て揺動しつつ、その内周面を適宜ブラツシングす
るとともに、スライム（水藻）の発生を防止す
る。なお２７は、ヘツドボツクス２２のほぼ中ほ
どに垂設し、下部に通水部分を有する衝撃吸収板
である。

次に本発明の作用について説明する。

上記凹溝１１は、フイルターエレメント１の外
周上において90゜間隔でその軸方向に４本設けて
ある。勿論その本数等はフイルターエレメント１
の径に応じて適宜増減しても良く、いずれの場合
もフイルターエレメント１は凹溝１１が第１のス
クレパー６を通過後に逆転して凹溝１１を再び第
１のスクレパー６上に戻し、次いで第１及び第２
のスクレパー６，１３を通つて回転する。

その際パルプ状の夾雑物４を混入したスラツジ
を液入口２３を通してヘツドボツクス２２に送
る。そこで、フイルターエレメント１を低速回転
させると、テーブル２４を経てスラツジがフイル
ターエレメント１上に送り込まれる。このフイル
ターエレメント１の回転につれて夾雑物４が第１
のスクレパー６上に運ばれる間に、第３図の矢印
に示すように瀘過後の液体は、上記フイルターエ
レメント１内を通つて滝のようにその底面に落下
し、フイルターエレメント１を逆洗する。

以上の構成からなる本発明において、フイルタ
ーエレメント１の再生機構を説明すると、第１の
スクレパー６に送られた夾雑物４は、ここで掻き
取られシユーター１５へ落下する。この時フイル
ターエレメント１の各開口３に亘つてメツシユに
詰つたパルプ状の夾雑物４は、第１のスクレパー
６先端に引掛つて凹溝１１に押し出され、フイル
ターエレメント１の逆転によつてスクレパー６か
ら取り除かれる。次いで、各スクレパー６，１３
部分を通過させる間に第２のスクレパー１３を凹
溝１１の直角面に沿つて摺動させ、凹溝１１内に
滞留する夾雑物４を根こそぎ掻き落とす。そして
以上の操作を各凹溝１１部分で繰り返す。

なお本発明で使用されるフイルターエレメント
１は真円形状のみならず多角形状であつても良
く、スクレパー６に対し円滑に作動してフイルタ
ーエレメント１外周上の夾雑物を除去するととも
に、フイルターエレメント１側からの集中的な液
流により効果的に瀘面が再生される。勿論各開口
３を特に、Ｖカツト溝を形成して得たフイルター
エレメント１を用いてその軸方向に直角に形成す
れば、従来のような夾雑物４の横移動は防止でき
る。

以上のように、本発明に係る液体瀘過装置は、
フイルターエレメント１の内周を効果的に逆洗す
るので、スリツトの目づまりが長期にわたつて防
止できる。したがつて小型の瀘過装置で、自動連
続的に長期間瀘過作業を行うことができる。

更にフイルターエレメントを特殊形状に加工す
ることが非常に簡単で、しかも瀘面が極めて高い
平滑性を有するため、パルプ状物質を含む夾雑物
４の掻き取りが極めて効果的に行い得る。また第
１及び第２のスクレパー６，１３を用い、特殊形
状のフイルターエレメント１上を作動させるだけ
で、スクレパーによる夾雑物の除去効率を飛躍的
に向上させることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明の液体瀘過装置を示
すそれぞれ正面図、側面図及び断面図、第４図は
本発明の液体瀘過装置に用いられるフイルターエ
レメントの一例を示す斜視図、第５図乃至第７図
はフイルターエレメントの要部を示す縦断面図、
斜視図及び横断面図、第８図は本発明の液体瀘過
装置のスクレパー部分を示す要部断面図、第９図
乃至第１２図は夾雑物４の掻き取り工程を示す断
面図、第１３図乃至第１４図は従来例におけるフ
イルターエレメントの斜視図及び断面図である。 １……フイルターエレメント、２……バー、３
……開口、４……夾雑物、５……矢印、６……ス
クレパー、１１……凹溝、１２……切込み、１３
……スクレパー、２２……ヘツドボツクス、２３
……液入口、２４……テーブル、２５……ブラ
シ、２６……液出口、Ｍ……駆動装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一定間隔をもつてほぼ平行に配設され、かつ
   隣接した対向側部間に内方に拡がるテーパー面を
   形成した多数のバーで構成するとともに、平滑な
   外周面上に所定間隔で、各バー間の限定した開口
   を横断する複数本の凹溝を形成したフイルターエ
   レメントと、このフイルターエレメントを支持し
   回転する装置と、前記フイルターエレメントに向
   つて開口しているヘツドボツクスと、上記フイル
   ターエレメントに外接するとともにその回転方向
   に前記ヘツドボツクスから離隔して設けた第１の
   スクレパーと、その後方に設けた第２のスクレパ
   ーとを有することを特徴とする液体瀘過装置。 ２ フイルターエレメントが、軸方向に対して直
   角の、自己保形能を有する多数のバーで構成され
   てなる特許請求の範囲第１項記載の液体瀘過装
   置。 ３ フイルターエレメント上に形成した凹溝が、
   フイルターエレメントの回転方向の前方において
   はその接線に対してほぼ直角に、後方においては
   緩やかに傾斜させてなる特許請求の範囲第１項ま
   たは第２項記載の瀘過装置。 ４ 凹溝が、直角面側に各バー間の開口と連通す
   る開口を有し、緩傾斜面側を平面としてなる特許
   請求の範囲第３項記載の液体瀘過装置。 ５ 第１のスクレパーが、フイルターエレメント
   外周上にその接線に対して鋭角をなすよう当接さ
   れ、第２のスクレパーが、フイルターエレメント
   外周上にその接線に対してほぼ直角に設けられ、
   凹溝内に進退自在に当接してなる特許請求の範囲
   第１項乃至第４項のいずれかに記載の液体瀘過装
   置。 ６ フイルターエレメントが、正回転中に凹溝が
   第１のスクレパーを通過した後、その凹溝が第１
   のスクレパーの前に戻るまで逆回転する運転軌跡
   を有してなる特許請求の範囲第１項乃至第５項の
   いずれかに記載の液体瀘過装置。 ７ フイルターエレメントが、同軸かつ自由支持
   したブラシを内周面に当接するよう内装してなる
   特許請求の範囲第１項乃至第６項のいずれかに記
   載の液体瀘過装置。