JPS638597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はカメラ、テープレコーダ、ラジオ等
の比較的小型な製品の包装容器に関する。

従来、この種の包装容器は発泡スチロール等を
被包装物本体の外形に合せて成形したものを用
い、これに被包装物本体を入れて包装するように
しているが、カメラ、テープレコーダ等の機械的
製品は使用説明書、その他の付随部品等を必ずと
もなつて販売されるため、これらの付随物を被包
装物本体の上方、下方等にやや無理な状態で詰め
込んでいるため、被包装物本体の十分な保護に欠
けたり、付随物の損傷、紛失のおそれがあるなど
の問題があつた。さらに、従来の包装容器におい
ては被包装物を陳列する場合、これを包装容器か
ら取り出して陳列しなければならず、面倒となる
だけでなく製品の汚れ、損傷の原因となるなどの
問題もあつた。

この考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
つて、被包装物品本体のみならずその付随物を十
分に保護した状態で収容することができ、かつ、
そのまま被包装物品が見える状態で陳列すること
ができる包装容器を提供することを目的とする。

すなわち、この考案はシート状上蓋基板と、シ
ート状下蓋基板と；これら双方の基板の一側辺を
介してこれら基板相互を連結するヒンジシート
と；下縁が上記上蓋基板に接着された外側壁部
と、容器天井面と連続する内側壁部とを有する２
重側壁を有し、上記内側壁部と容器天井面で囲ま
れた内面形状が被収容物品の上部と嵌合する形状
を有する上蓋容器と；下縁が上記下蓋基板に接着
された外側壁部と、容器底面と連続する内側壁部
とを有する２重側壁を有し、上記内側壁部と容器
底面で囲まれた内面形状が被収容物品の下部と嵌
合する形状を有する下蓋容器とを具備し；上記上
蓋基板と上蓋容器との間、又は上記下蓋基板と下
蓋容器との間に被収容物品の付随物品を収容する
スペースが設けられ、上記上蓋容器と下蓋容器と
の組合せにより被収容物品を収容、保護するよう
にしたことを特徴とする包装容器を提供するもの
である。

以下、この考案を図示の実施例を参照して説明
する。

第１図は本考案に係わる包装容器を示すもので
あつて、たとえば、必要に応じ表面に印刷、化粧
等を施した厚紙からなり、中央に厚紙を切り取つ
て形成された窓１ａを有するシート状上蓋基板１
と、同様の厚紙からなるシート状下蓋基板２と、
これら双方の基板１，２の対向側辺を連結する同
様の厚紙からなるヒンジシート３と、たとえばポ
リスチレンの真空成形物からなる上蓋容器４と、
同じくポリスチレン真空成形物からなる下蓋容器
５とからなつている。

なお、この包装容器は被包装物を収容したのち
は、上蓋容器４と下蓋容器５との間が開かないよ
うに、たとえば第２図に示す一側が開口する箱型
のケース１７内に収納するか、あるいは他の適当
な手段で上蓋容器４と下蓋容器５との閉合を保持
させてもよい。

この上蓋容器４および下蓋容器５について第３
図以下を参照して、さらに説明すると、まず、上
蓋容器４は外側壁部６と内側壁部７とからなる２
重側壁を有している。外側壁部６はその下縁に沿
つて鍔８が形成されていて上蓋基板１の周辺部に
ヒートシールされている。内側壁部７はその下縁
を介して容器天井面９に連続して設けられ、その
上縁には下蓋容器５の上縁と嵌合する形状の段部
１０が形成されている。この内側壁部７と容器天
井面９で囲まれる空間は被包装物１１の上部外観
形状とほぼ嵌合するようにして形成されている。

次に下蓋容器５は上蓋容器４と基本的構成は全
く同じであり、外側壁部１２と内側壁部１３とか
らなる２重側壁を有し、外側壁部１２下縁の鍔８
を介して下蓋基板２の周辺部にヒートシールされ
ている。内側壁部１３はその下縁を介して容器底
面１４に連続し、その上縁近傍には上蓋容器４の
上縁と嵌合する段部１５が形成されている。この
内側壁部１３と容器底面１４で囲まれる空間は被
包装物１１の下部外観形状にほぼ対応し、これと
嵌合するようにして形成されている。

さらに容器底面１４はそのほぼ中央が凸状に形
成されていて、下蓋基板２との間に被包装物１１
の付随物（たとえばアダプター、説明書、手提ケ
ース等）１５を収納し得るようになつている。

この包装容器から被包装物１１を取り出す場合
は、まず、ケース１６から包装容器を引き出し、
ついで、第４図に示す如く、上蓋容器４と下蓋容
器５とを開けばよい。また、付随物１６を取り出
す場合は、たとえば下蓋基板２の所定個所にミシ
ン目１８を予め形成しておき、このミシン目１８
を破れば容易に取り出すことができる。

この包装容器内の被包装物１１を陳列、展示す
る場合は、特に被包装物１１を容器から取り出す
ことなく窓１ａを上にしてそのまま陳列すれば被
包装物１１を窓１ａおよび透明な上蓋容器４を通
して容易に見ることができる。

なお、上記実施例においては被包装物の付随物
を下蓋容器５の中央部と下蓋基板２との間の空間
に収納する例について述べたが、これに限らず、
上蓋容器４と上蓋基板１との間、下蓋容器５側面
と外側壁部１２との間など適当な空間を利用して
１又は複数個所に収納するようにしてもよい。ま
た、上蓋基板１、下蓋基板２およびヒンジシート
３の材質としては厚紙に限らず透明又は不透明な
プラスチツクシートを使用してもよい。

以上詳述したように本考案によれば、被包装物
の外観形状に合せて立体的に成形した容器と、平
坦なシートとの組合せにより、それらの間に多く
の空間を形成させ、これに被包装物の付随物を収
納するようにしたから、無理なく、かつ安全、確
実な状態で被包装物本体並びに多量の付随物を包
装することができる。しかも、被包装物を外から
容易に見える窓を形成するようにしたから、包装
したままの状態で陳列、展示することも可能とな
るなど多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる包装容器の１例を示す
斜視図、第２図は第１図に示す容器を収納するた
めのケースの斜視図、第３図は第１図に示す容器
の−線断面図、第４図は第３図に対する断面
図であつて、容器の開放時の状態を示す図、第５
図は第１図に示す包装容器の裏面を示す斜視図で
ある。 １……上蓋基板、２……下蓋基板、３……ヒン
ジシート、４……上蓋容器、５……下蓋容器、６
……外側壁部、７……内側壁部、８……鍔、９…
…容器天井面、１０……段部、１１……被包装
物、１２……外側壁部、１３……内側壁部、１４
……容器底面、１５……段部、１６……付随物、
１７……ケース、１８……ミシン目。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シート状上蓋基板と、シート状下蓋基板と；
   これら双方の基板の一側辺を介してこれら基板
   相互を連結するヒンジシートと；下縁が上記上
   蓋基板に接着された外側壁部と、容器天井面と
   連続する内側壁部とを有する２重側壁を有し、
   上記内側壁部と容器天井面で囲まれた内面形状
   が被収容物品の上部と嵌合する形状を有する上
   蓋容器と；下縁が上記下蓋基板に接着された外
   側壁部と、容器底面と連続する内側壁部とを有
   する２重側壁を有し、上記内側壁部と容器底面
   で囲まれた内面形状が被収容物品の下部と嵌合
   する形状を有する下蓋容器とを具備し；上記上
   蓋基板と上蓋容器との間、又は上記下蓋基板と
   下蓋容器との間に被収容物品の付随物品を収容
   するスペースが設けられ、上記上蓋容器と下蓋
   容器との組合せにより被収容物品を収容、保護
   するようにしたことを特徴とする包装容器。 (2) 上蓋容器が透明プラスチツク材料からなり、
   シート状上蓋基板の一部に開口窓部を形成した
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の包装容
   器。