JPS6333546Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば弁当や惣菜の如き食品等を詰め
た内容器を収納してワンタツチでロツクし、内容
物の保護等の種々な効果を有する取り扱いの便利
な外容器に関するものである。

近年、科学技術の発展に伴い、様々な素材の容
器が使用されるようになつて来た。例えばプラス
チツクで成形された容器や、更にアルミニウム層
の設けられた容器等は弁当の如き飲食物や日用小
間物等の容器として現在最も多く使用されてい
る。しかしながら、これらの容器の多くはコスト
低減等のため可能な限り薄い厚さで成形されてい
るので、容器の上面周囲に鍔部を設ける等の工夫
がなされているにも拘わらず形状安定性に乏し
く、外部からの僅かな力で変形して内容物が破損
する等保護作用が不充分であつたり、蓋を被せて
積み重ねたときに少しの動揺で崩れる等の欠点が
ある他、プラスチツクの成形品には着色や印刷を
行なうことが困難なため、無色透明又は単一色が
殆んどで意匠効果に乏しく、内容物を表示したり
意匠効果を高めるためには別に印刷した紙を容器
毎に貼り付ける等の手数を要する欠点があつた。

本考案は、上記の如き容器の欠点を補完するた
めに、従来の容器又はそれから蓋を外したものを
内容器として簡単な操作でこれを収納，ロツクす
ることができ、そして強化された形状安定性を有
し、併せて意匠効果を高めることのできる外容器
を提供することを目的とする。

すなわち本考案は、上面周囲に鍔部を有する内
容器を１個以上収納するための比較的腰のある素
材より成る上板、側板及び底板を備えた横置式筒
状外容器であつて、少なくとも一端に存する開口
部の少なくとも底板の両側のコーナにおいて該コ
ーナを形成する底板と側板とに跨つて開口部の端
縁近傍に該開口部内に飛移り状に折り込まれて内
容器の端部近傍側面を保持する保持部を形成する
切込みが設けられていることを特徴とする外容器
に関するものである。

以下、本考案を図面によつて詳細に説明する。

第１図は本考案の１実施例の斜視図、第２図は
第１図の実施例で保持部を形成せしめた状態を示
す斜視図、第３図及び第４図はそれぞれ第１図の
実施例に内容器を収納した状態を示す正面説明図
及び側面説明図、第５図は本考案の他の実施例で
あつて内容器を収納した状態を示す側面説明図、
第６図及び第７図は本考案の更に他の実施例であ
つて内容器を収納した状態を示す正面説明図及び
側面説明図である。

図面中、１は本考案に係る外容器であつて上面
周囲に鍔部２ａを有する内容器２を１個以上収納
するために使用される。外容器１は横置式筒状を
成しており、比較的腰のある素材より成る上板１
ａ、側板１ｂ及び底板１ｃを備えている。このよ
うな素材としては例えば紙，板紙，紙を含む複合
素材などの腰のあるものが使用される。外容器１
は少なくとも一端に開口部１ｄを有しており、他
端にも第１図，第７図の如く開口部１ｄを有する
場合の他、第５図の如く他端に例えば係止片付側
板の如き内容器２の脱出防止体１ｅが設けられて
いる場合がある。外容器１の底板１ｃは静置安定
可能な形状を有していることは当然である。上板
１ａの形状は各図に示す実施例のいずれも平板状
であつて開口部１ｄは長方形又は正方形である
が、例えば開口部１ｄが上方に凸な形状をなすよ
うに上板１ａが湾曲又は折曲されたものであつて
も良く、収納される内容器２の形状と所定数を収
納したときの全体形状に対応して定められる。

本考案における最大の特徴は、開口部１ｄの少
なくとも底板１ｃの両側のコーナにおいて該コー
ナを形成する底板１ｃと側板１ｂとに跨つて開口
部１ｄの端縁近傍にその開口内に飛移り状に折り
込まれて既に収納されている内容器２の端部近傍
側面を保持する保持部１ｈを形成する切込み１ｆ
を設けられていることである。このような切込み
１ｆは第３図に見られるように底板１ｃの両側コ
ーナにだけ設けられている場合の他、更に加えて
上板１ａの一端のコーナや第６図の如く両側コー
ナに設けられる場合があり、内容器２の高さや外
容器１への収納状態が単層であるか２層重ねであ
るか等により適宜定めることができる。保持部１
ｈを形成する部分の両端には折れ目線１ｇを設け
ておくとよい。そして上板１ａや側板１ｂには、
内容器２の内容物が見えるような窓を必要なら透
明フイルムを張着して設けても良く、また種々な
色彩，文字，模様等意匠効果を高める印刷を予め
付しておくことができる。また、簡単に分割し得
るように切れ目によつて形成したジツパーを設け
ておくこともできる。

上記の如く構成された本考案に係る外容器１は
次のように使用される。収納対象である内容器２
は鍔部２ａを有しているから、蓋なしで使用して
も外容器１の上板１ａの内側面と面接触状態とな
つて内容物の脱出はないが、蓋付きで収納対象と
しても勿論差し支えはない。しかしながら蓋なし
で内容器２を収納する場合において、内容器２内
に収納される物が食品である場合には食品が面す
る上板１ａの裏面には耐水性等を有する素材が存
在していることが好ましい。内容器２は１個以上
を外容器１の開口部１ｄから収納する。開口部１
ｄが第４図の如く外容器１の両端にあるときは他
方の開口部１ｄで保持部１ｈを形成させておく。
収納状態には第３図，第４図の如く１個だけを収
納した状態、第５図の如く単層で複数個収納した
状態、第６図，第７図の如く２層に重ねた状態等
種々あり、外容器１は上記各図に示す如く予め所
定寸法の内容器２の定められた収納状態に適合す
るように寸法及び切込１ｆが設定されているか
ら、その定められた収納状態に内容器２を収納す
る。内容器２を２層に重ねるときは、上下の内容
器２の接触部で積み重ねられるように整合された
形状のものか、少なくとも下側の内容器２として
蓋２ｂ付きのものが使用される。内容器２の所定
数を外容器１に収納した後に、開口部１ｄの切込
み１ｆの部分をワンタツチで飛移り状に折り込ん
で保持部１ｈを形成せしめる。このようにして内
容器２を収納された外容器１では、両端とも保持
部１ｈによるか、又は片側で保持部１ｈによりそ
して他側で脱出防止体１ｅにより、内容器２の脱
出を防止しているのである。又、外容器１は内容
器２を内側に収納していることによる内容物の保
護効果に加え、その上板１ａ，側板１ｂ，底板１
ｃには比較的腰のある素材が使用されているから
形状安定性が強化されていて保護作用が一層増大
していると共に、上板１ａが平板状で内容器２を
収納した状態で積み重ねられたときでも多少の動
揺にも崩れる心配は全くない。更に、外容器１に
組み立てる前の素材の状態で実施の容易な印刷に
より、意匠効果を高めたり、内容物の表示や宣伝
を容易に行なうことができる。

以上の如く本考案に係る外容器は、比較的腰の
ある素材を用いてその開口部にワンタツチで保持
部を形成させる切込みを設けたことにより、内容
器の収納，ロツク操作が簡単で強化された形状安
定性を有して保護作用に優れ、併わせて意匠効果
を高めることのできる価値あるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の斜視図、第２図は
第１図の実施例で保持部を形成せしめた状態を示
す斜視図、第３図及び第４図はそれぞれ第１図の
実施例に内容器を収納した状態を示す正面説明図
及び側面説明図、第５図は本考案の他の実施例で
あつて内容器を収納した状態を示す側面説明図、
第６図及び第７図は本考案の更に他の実施例であ
つて内容器を収納した状態を示す正面説明図及び
側面説明図である。 １……外容器、１ａ……上板、１ｂ……側板、
１ｃ……底板、１ｄ……開口部、１ｅ……脱出防
止体、１ｆ……切込み、１ｇ……折れ目線、１ｈ
……保持部、２……内容器、２ａ……鍔部、２ｂ
……蓋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上面周囲に鍔部２ａを有する内容器２を１個
   以上収納するための比較的腰のある素材より成
   る上板１ａ、側板１ｂ及び底板１ｃを備えた横
   置式筒状外容器であつて、少なくとも一端に存
   する開口部１ｄの少なくとも底板１ｃの両側の
   コーナにおいて該コーナを形成する底板１ｃと
   側板１ｂとに跨つて開口部１ｄの端縁近傍に該
   開口部１ｄ内に飛移り状に折り込まれて内容器
   ２の端部近傍側面を保持する保持部１ｈを形成
   する切込み１ｆが設けられていることを特徴と
   する外容器１。 ２ 上板１ａが平板状である実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の外容器１。