JPS638507Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車の警告表示装置に関する。

一般に、自動車において運転者がブレーキを踏
むと制動ランプが点灯して後続車に知らせるよう
になつている。しかしながら単一の制動ランプの
みでは比較的ゆるやかなブレーキでもまた急ブレ
ーキ（急制動）の場合も区別がつかず、後続車は
非常に神経を使つていた。この問題を解決するた
め従来は急制動を油圧の変化や、感圧素子により
検知して、通常の制動ランプと区別して別のラン
プを点灯する方法が提案されている。しかし上記
従来の油圧変化や感圧素子による急制動の検知
は、ブレーキ踏み込みによつてのみ行なうもので
あるから、それ以外のたとえばエンジンブレーキ
による急制動に対しては、対応できないものであ
つた。

それゆえにこの考案の目的は上記従来の警告表
示装置の欠点を解消し、急制動の生じるすべての
場合にこれを表示し得る警告表示装置を提供する
ことである。

この考案の表示装置は上記目的を達成するため
に、車の自動急制動検知手段と、手動操作手段の
いずれかよりの信号で表示器を点灯駆動させるよ
うにしたものである。

以下図面に示す実施例とともにこの考案を詳細
に説明する。

第１図はこの考案の一実施例を示す電気的回路
のブロツク図である。

第１図において１は踏み込みブレーキによる急
制動検出回路であつて、ブレーキが一定以上の速
さで踏み込まれると出力信号を出す回路である。
２は運転者がブレーキの踏み込みを開始した時に
一定幅のタイム信号を出す回路である。３は運転
者がブレーキの踏み込みを終了した時に同様の一
定幅のタイム信号を出す回路である。４はその入
力端にタイム信号発生回路２及び３が接続される
アンド回路、５は手動操作によりオンされるスイ
ツチ、６は速度メータに関連して速度変化を求め
る計算回路であつて、単位時間毎の速度のマイナ
スの変化割合を算出し、その変化割合の絶対値が
一定値を越えると、信号を出す回路である。７は
アンド回路４、手動スイツチ５、計算回路６の出
力を入力に受けるオア回路である。オア回路７の
出力はフリツプフロツプ回路８のセツト入力端に
接続されている。フリツプフロツプ回路８のセツ
ト出力端は急制動表示灯１０の点灯駆動回路９に
接続されるとともにタイマ回路１１、タイマオン
オフスイツチ１２を介して自身のリセツト入力端
に接続されている。

なお、第１図の回路においてタイム信号発生回
路２及び３の信号発生開始は、第２図に示すよう
に、ブレーキペタル２１の近傍に光電スイツチ２
２と２３を設け、踏み込み開始でブレーキペタル
２１が光電スイツチ２２を横切る時、信号発生回
路２のタイム信号を発生し、踏み込み終了でブレ
ーキペタル２１が２１′の位置に来て、光電スイ
ツチ２３を横切る時、信号発生回路３のタイム信
号を発生するようにしている。

次に第１図実施例回路の動作について説明す
る。

先ず比較的ゆつくりブレーキを踏み込んだ場合
は、第３図（い）で示すように、踏み開始時のタ
イム信号発生器２のタイム信号出力Ｔ１は、踏み
込み終了時のタイム信号発生器３のタイム信号出
力Ｔ２と離れており信号は重複しないので、アン
ド回路４の出力〈Ｃに示す〉は“０”である。し
たがつてフリツプフロツプ８はセツトされず、よ
つて急制動表示灯１０も点灯されない。

一方ブレーキを急激に踏み込み急制動をかけた
場合は、第３図（ろ）に示すようにタイム信号発
生器２のタイム信号Ｔ１とタイム信号発生器３の
タイム信号Ｔ２は重複部分を有する。そのためア
ンド回路４は出力ｔ〈Ｃに示す〉を得る。この信
号によりオア回路７を介してフリツプフロツプ回
路８がセツトされる。フリツプフロツプ回路８の
セツト出力により点灯駆動回路９が駆動され急制
動表示灯１０が点滅点灯する。この点灯はタイマ
回路１１の出力端にフリツプフロツプ回路８のセ
ツト出力が導出され、フリツプフロツプ回路８が
リセツトされるまで継続される。

又運転者がブレーキ踏み込みをしようとする瞬
間、あるいはエンジンブレーキをかけようとする
時に手動操作スイツチ５をオンすることによつて
もオア回路７を経てフリツプフロツプ回路８のセ
ツト入力端に信号が加えられ上記と同様に急制動
表示灯１０が点滅点灯される。この手動操作スイ
ツチ５の取付けは運転席の計器パネル面かあるい
はハンドル上に設けるとよい。

さらにまたブレーキ踏み込みあるいはエンジン
ブレーキ等の如何にかゝわらず、現実に速度が急
激にダウンした場合は、計算回路６で減速割合が
計算され、減速割合が一定以上の場合はやはり、
オア回路７を通してフリツプフロツプ回路８に信
号を送りセツトして上記と同様、急制動表示灯１
０を点滅点灯する。

なお上記実施例において手動スイツチ５は押ボ
タン式のものを考えたが、ギア切換レバーに連動
してシフトダウンを検出して、スイツチがオンす
るようにし、ギア切換レバーの手動操作によるス
イツチオンであつてもよい。またギア切換レバー
とは別の特別レバーをハンドル近くに設けてもよ
い。

さらにまた上記実施例における手動スイツチ５
は走行中にオンするものであるが、高速道路で故
障修理等で停車する場合等にこれをオンして、急
制動表示灯１０を点滅点灯させ、後続車にこれを
知らせることができる。この場合タイマオンオフ
スイツチ１２はオフしておく。

以上のようにこの考案の警告表示装置によれ
ば、急制動自動検知手段と手動操作手段を備え、
いずれか一方よりの信号で急制動表示灯を駆動せ
しめるようにしているので、急制動をかける場
合、あるいはかけた時により正確に後続車に危険
を知らせ追突防止の確度をより向上させることが
できる。また手動操作手段は走行中のみならず、
停車中でもこれを操作することにより、急制動用
の表示灯を点灯することができるので、停車中の
後続車による衝突防止も併せはかることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す電気的回路
のブロツク図、第２図は第１図の実施例を補充す
るブレーキペタルの踏み込み状態を示す図、第３
図は第１図実施例の動作を説明するに供する波形
図である。 １……急制動検出回路、５……手動スイツチ、
６……急制動計算回路、１０……急制動表示灯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブレーキ踏み込み開始を検知して一定時間信号
   を発生する第１信号発生器と、ブレーキ踏み込み
   終了を検知して一定時間信号を発生する第２信号
   発生器と、前記第１信号発生器及び前記第２信号
   発生器の出力信号を受けるアンド回路と、手動操
   作によりオンされるスイツチと、車の減速度が一
   定値を越えると信号を出す計算回路と、前記アン
   ド回路、前記スイツチ及び前記計算回路からの出
   力信号を受けるオア回路と、前記オア回路の出力
   端にセツト入力端を接続したフリツプフロツプ回
   路と、前記フリツプフロツプ回路のセツト出力端
   に接続された急制動表示灯回路と、前記フリツプ
   フロツプ回路のセツト出力端及びそのリセツト入
   力端の間に直列に接続されたタイマ回路及びタイ
   マオンオフスイツチとを有することを特徴とする
   自動車の警告表示装置。