JPS637462Y2

JPS637462Y2 -

Info

Publication number: JPS637462Y2
Application number: JP11283U
Authority: JP
Priority date: 1983-01-06
Filing date: 1983-01-06
Publication date: 1988-03-03
Also published as: JPS59109422U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は走間式切断装置の刃物冷却装置に関す
るものである。

走間式切断装置は連続鋳造ラインの途中に設け
られ、搬送されてくる連続した鋼片（スラブ）の
搬送速度に合わせて移動しつつ鋼片を切断する。
従つて鋼片を停止させることなく切断できる。

この切断装置は上下の刃物を有し、上刃物を昇
降自在に設けた形式のものや、下刃物を昇降自在
に設けたもの、あるいは、上下の刃物を昇降自在
に設けた形式のものがある。本実施例では、上刃
物を昇降自在に設け、下刃物を固定させた形式の
走間式切断装置に刃物冷却装置を設けた場合を説
明する。

ところで、連続鋳造鋼片の温度は約900〜1000
度の高温であるため下降しつつ切断を行なう上刃
物は高温となり、刃物の切れ味が悪くなつてしま
う。

そこで、上刃物が取付けられた上側刃物台に冷
却水の循環水路を設け、冷却水を循環させ、上刃
物の冷却を行なう構造が提案されている。

しかし、このような構造を採用しても上刃物の
冷却は刃物台を介しての間接冷却であり上刃物を
充分に冷却することができなかつた。

上刃物を充分に冷却するためには直接的に冷却
水を噴き付ければよいが、上刃物は高温の鋼片の
上側にあるため噴き付けられた水が高温の鋼片の
上に降りかかつてしまう。

高温の鋼片に水が掛かると鋼片の温度が下がる
だけでなく、いわゆる焼入れ状態が生じたり、ク
ラツクが生じることになり、不良品が発生してし
まう等の不都合を生じる。

本考案は以上のような事情に鑑みなされたもの
で、冷却水を上刃物に直接散水でき、しかも冷却
水が鋼片に掛からないように構成した走間式切断
装置の刃物冷却装置を提供することを目的として
いる。

本考案においては上記の目的を達成するために
上刃物部に冷却水の散水装置を設け、走間式切断
装置に隣接させて集水といを鋼片の搬送方向と直
角な水平方向に移動自在に設け、この集水といを
上昇位置にある上刃物と鋼片との間に出し入れ可
能に設けた構造を採用した。

以下、図面に示す実施例に基いて本考案を詳細
に説明する。

第１図以下は本考案の一実施例を説明するもの
で、図において符号１で示すものは走間式切断装
置のフレームで、このフレーム内には図示してい
ない油圧装置によつて昇降されるラム２が鋼片３
の走行路の上側に位置しており、ラム２の下端に
は上刃スライド２９が取付けられている。さらに
上刃スライド２９の下端には上側刃物台４がクラ
ンプ装置５によつて着脱可能に取付けられてお
り、この刃物台４には上刃物６が固定されてい
る。

鋼片３の搬送路の下側には下側刃物台７がクラ
ンプ装置８により着脱可能に取付けられており、
この刃物台７には下刃物９が固定されている。

また、フレーム１の片側には後述する刃物交換
装置や集水といが挿入される窓１ａが対向した位
置に形成されている。

一方、走間式切断装置に隣接して刃物台交換装
置１０が設けられている。刃物台交換装置１０は
鋼片３の走行方向に沿つて移動できるスライドベ
ース１１を有し、このスライドベース１１はシリ
ンダ１２によつて移動される。符号１３で示すも
のはガイドで、スライドベース１１を案内する。
スライドベース１１上には使用済みの刃物台の取
出装置１４と新らしい刃物台の供給装置１５が設
けられている。

刃物台の取出装置１４および供給装置１５は、
第１図および第４図に示すように、おのおの上刃
物台４用のビーム２４および下刃物台７用の受台
２５を有し、ビーム２４はスライドベース１１上
に固定された支持板２７に回転自在に軸承された
上下のローラ２６により摺動自在に挟持されてい
る。そして、ビーム２４の下方のスライドベース
１１上にはビーム２４を移動させるシリンダ２１
が取付けられており、そのピストンロツド２１ａ
の先端はビーム２４の端部へ連結されている。こ
れらの装置１４，１５により上下の刃物台４，７
は上下の刃物６，９をラツプさせた状態で取出し
たり、装入させたりする。

これらの装置１４，１５と並んでスライドベー
ス１１上には本考案に係る刃物冷却装置１６が設
けられている。集水とい１８は断面が略コ字状で
細長く形成されており、支持板２２に回転自在に
軸承された上下のローラ２３により摺動自在に挟
持されている。そして、集水とい１８の下部のス
ライドベース１１上には集水とい１８を移動させ
るシリンダ１７が設けられている。シリンダ１７
のピストンロツド１７ａの先端には集水とい１８
の後端が回動自在に連結されている。

ところで第３図に拡大して示すように、上側刃
物台４の上方において上刃スライド２９には散水
装置１９が設けられており、この散水装置１９か
ら冷却水を直接的に上刃物６に散水できる構造と
されている。

なお、第４図に符号２０で示すものは上下の刃
物台をビーム２４に連結する連結装置２８を駆動
するシリンダであり、これらはおのおの刃物台の
交換装置１４および供給装置１５の移動ビーム２
４に設けられている。また、シリンダ１２を作動
させることにより、冷却装置１６および刃物台交
換装置１０を刃物位置に対応させた位置へ移動さ
せることができる。

次に以上のように構成された本実施例の動作を
説明する。

通常の切断作業時においては所定の速度で送ら
れてくる鋼片３の走行速度に合わせて切断装置全
体を移動させつつ上刃物６を下降させ、下刃物９
と共に鋼片３に剪断力を作用させ鋼片３の切断を
行なう。

１回の切断が終了すると切断装置は元の位置に
戻る。そして、１回の切断が終了して上刃物６が
上昇限に達した後、シリンダ１７が作動し、ロツ
ド１７ａを後退させ、切断装置から離れた位置に
ある集水とい１８を第２図の２点鎖線および第３
図に示すようにフレーム１の窓１ａから鋼片３と
上刃物６との間に挿入し、完全に挿入し終わつた
と同時に散水装置１９から冷却水を散水し、上刃
物６を直接的に冷却する。

散水された冷却水は上刃物６を冷却した後、集
水とい１８上に落下して集水されるため鋼片３に
降り掛かることはない。集水とい１８上に落下し
た冷却水は図示していない排水口へと導かれる。

冷却作業が終わると同時にシリンダ１７が作動
しピストンロツド１７ａが前進して集水とい１８
は第２図に示すような元の位置に戻り、次の切断
作業が行なわれる。

このようにして上刃物６は充分な冷却作用を受
けしかも高温の鋼片３には何等悪影響を与えな
い。

なお、この上刃物の冷却動作は例えば２分に１
回のサイクル（切断サイクル）で頻繁に行なわれ
るが、上下の刃物の交換は１カ月に数回行なわれ
る。

以上の説明から明らかなように本考案によれば
切断装置に隣接して集水といを鋼片の搬送方向と
直交した水平方向に移動自在に設け、この集水と
いを上昇位置にある上刃物と、鋼片との間に出し
入れ自在に設け、上刃物に直接散布される冷却水
を受ける構造を採用しているため、冷却水が高温
の鋼片に降り掛かることがなく、鋼片の温度を低
下させることはない。また、鋼片にクラツクが生
じたり、焼入れ等が生じたりして製品の品質を低
下させることはない。

さらに、上刃物は充分に冷却されるため常に切
れ味が良く鋼片の切断は確実に行なえる。なお、
刃物冷却装置を刃物台交換装置のスライドベース
上に設ければ、装置が簡単になり、設置面積も節
約されることになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を説明するもので、第
１図は正面図、第２図は第１図の−線矢視
図、第３図は第２図の−線拡大断面図、第４
図は第１図の−線矢視図である。１……走間切断装置用フレーム、２……ラム、
３……鋼片、４……上側刃物台、６……上刃物、
７……下側刃物台、９……下刃物、１０……刃物
台交換装置、１１……スライドベース、１２，１
７，２０，２１……シリンダ、１６……刃物冷却
装置、１８……集水とい、１９……散水装置、２
３……ローラ、２９……上刃スライド。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

下刃物と、昇降自在な上刃物を有する走間式切
断装置の上刃物部に冷却水用散水装置を設け、前
記走間式切断装置に隣接させて集水といを被切断
材の搬送方向と直角な水平方向へ移動自在に設
け、この集水といを上昇位置にある前記上刃物と
前記被切断材との間に出し入れ可能に設けたこと
を特徴とする走間式切断装置の刃物冷却装置。