JPS6363226B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、哺乳動物特に人の外傷を保護するた
めの改善された医療用包帯（dressing）に関す
る。

火傷及びすり傷等の事故による創傷及び外科的
鋭浅裂等皮膚の意図的切開の保護及び治療、並び
に皮膚病による皮膚の疾患の治療用として各種の
包帯が提案されている。

この中で特に重要なものは、酸素と水蒸気を選
択的に透過させ、液体、病原微生物及び体塩液に
対し非浸透性の包帯である。これらの包帯には、
米国特許第3367329号に開示されているような、
包帯の周辺部でのみ皮膚に接着するものと、一方
米国特許第3645835号に開示されているような、
感圧接着剤が包帯の実質的に全ての体接着部を被
覆するものとがある。現在、後者の包帯の変形物
が多数使用されているが、包帯の接着剤側を保護
する剥離紙を除去するため及び／又は接着剤のな
い端部を裂き取る或いは切り取るために数段階を
必要としている。加うるにこの包帯は、接着剤表
面と施用者の手との接触による包帯の汚染が無い
ように、意図する皮膚部域に貼付けるのは容易で
はない。

従つて、本発明の主目的は、貼付けが容易なば
かりなでく、施用者による包帯接着剤の汚染接触
を防止する改善された外傷用包帯を提供すること
である。

皮膚から除去する際の痛みを減らすため、接着
性が低い部域で交互に隔てられた層状の接着剤を
有する包帯は、米国特許第3811438号及び同第
3885559号に開示されている。

斯かる改善された外傷用包帯は、第１面上に生
体適合性接着剤被膜を有する裏当て材の第１層；
接着剤と剥離可能な接触をなし、第１層を被覆す
る保護シート材の第２層、但し該第２層は１以上
の部分に第１層からの分離手段を有する：及び端
部が残りの接触域よりも分離に大きな力を要する
ようにした、包帯の一端部又は対向する端部対に
沿つて存在する剥離抑制手段からなる。

この剥離抑制手段は、多数の方法で付与され
る。例えば、第１層の裏当て材第２面に付着した
軟質テープのストリツプ；厚みを残りの部分より
も厚目にした第１層裏当て材のストリツプ；第１
層裏当て材の第１面上接着剤の靭性を該裏当て材
の残部を被う接着剤よりも大にしたストリツプ；
包帯端部上に延長して第１層裏当て材の第２面に
付着する第２層のストリツプ；又は第２層及び第
１層裏当て材の第２面に付着する軟質シート材の
ストリツプがある。

創傷部域の湿分を効果的に除去するため、包帯
の第１層は通気性を有すること及び包帯接着材も
吸水性を有することが好ましい。

通気性の第１層裏当て材は透明ポリウレタンフ
イルム、第２層はシリコーン剥離被覆紙なること
が好ましい。包帯は長方形をなし、包帯の対向す
る端部対に沿つて剥離抑制手段を有し、且つ、第
２層が実質的に等しい２部分からなり、各々その
内端部に引きタブが付いたものが好ましい。一端
に沿つた箱離抑制手段を有する包帯では、第２層
は、剥離抑制手段の反対側の包帯端部で第１層と
第２層の各々に引きタブが付いている単一部分か
らなる。

前記に加うる本発明の新規な特徴及び利点は、
付属図面と併せて、以下の詳細な説明を読むこと
により明らかになるであろう。

図１は、本発明に従う創傷包帯の上部平面図で
ある。

図２は、図１の線２−２に沿つて切断した創傷
包帯の断面図である。

図３−６は、図１創傷包帯変形物の側立面部分
拡大図である。

図７は、裏当て層から分離される剥離層を示す
図１及び２の創傷包帯の側立面図である。

図８は、図１及び２の創傷包帯を傷口上に当て
た点での側立面図である。

図９は、本発明に従う創傷包帯の第２実施態様
の上部平面図である。

図１０は、図９の線１０−１０に沿つて切断し
た創傷包帯の断面図であり、 図１１は、図９及び１０の創傷包帯を傷口上に
当てた点での側立面図である。

本発明の外傷包帯の一実施態様を図１及び２に
示す。

この包帯１００は長方形の形状をなし、生体適
合性接着剤１０４で一面を被覆された裏当てシー
ト材の第１層すなわち裏当て層を有し、該接着剤
１０４は更にそれと剥離可能な接触をなす第２層
すなわち剥離層にて保護される。剥離層１０６は
実質的に等しい２つの部分からなり、各々に接着
剤１０４からの剥離層１０６の分離を補助するた
めの引きタブが付いている。包帯１００は更に、
その対向する両端部の各々に沿つて裏当て材１０
２の第２面に付着した軟質テープのストリツプ１
１０を有し、ストリツプ１１０は接着剤１０４か
らの剥離層の分離をその端部にて抑制する手段と
して機能する。タブ１０８が剥離層１０６の各部
分に付着する場所は、該部分の内端部１１２に沿
つた個所である。

裏当て材１０２は、皮膚創傷の被覆に適当なも
のならば、いかなるシート材にても可である。し
かしながら、この裏当て材１０２は、耐水性且つ
呼吸性すなわち液体や微生物汚染に対しては不浸
透性で、水蒸気及び酸素には浸透性の透明若しく
は半透明のプラスチツクフイルムが好ましい。同
様に、裏当て材１０２の第１面の実質的に全体を
被覆する接着剤１０４も、同様な透明性と浸透特
性を有する感圧接着剤が好ましい。斯かる好適な
フイルム及び接着剤並びにその調製法は、例えば
米国特許第3645835号に記載されており、その内
容を引用する。これらの接着剤被覆フイルムは、
好ましくは少なくとも250ｇ／m²／24時間（40℃、
相対湿度80％）の水蒸気透過速度を有さねばなら
ない。特に好適なものは、透過速度約400乃至500
ｇ／m²／24時間の接着剤被覆フイルムであり、裏
当て材が、約25ミクロン（１ミル）の感圧性アク
リルエステル共重合物接着剤の層で被覆された厚
さ約13乃至51ミクロン（0.5乃至２ミル）の透明
ポリウレタンフイルムである。

接着剤被覆プラスチツクフイルムの通気性第１
層を、該通気性層の浸透速度以上の湿分吸収速度
の吸湿性接着剤混合物を接着した不浸透性フイル
ムの裏当て層にて置き換えた創傷包帯も本発明の
範囲に属する。斯かる吸湿性混合物は、皮膚に接
触する単一接着剤層の形態をとることも、或いは
通気性フイルムで使用したように接着剤で被覆さ
れた第２層の形態をとることもできよう。通気性
と吸湿性の両特徴を組合せた創傷包帯も考えられ
る。

剥離層１０６は、紙、ポリエチレン又はポリプ
ロピレン等の接着剤１０４を適当に保護し且つそ
れから適切に剥離するシート材ならいかなるもの
でもよい。好適剥離材の一例は、例えば、粘土等
の適当な仕上剤及びシリコーン等の剥離剤で一側
又は両側を被覆した秤量40乃至75ポンド（／3000
平方フイート、すなわち65乃至122ｇ／m²）の紙
である。剥離層１０６の厚みは、普通約51乃至
152ミクロン２乃至６ミル）であろう。剥離層１
０６の２部分各々の内端部１１２に付着した引き
タブ１０８は、同一材料製で且つ層１０６と一体
である。別法として、引きタブ１０８を別の適当
なシート材料で製り、感圧接着剤等適当な手段に
より剥離層１０６に付着させてもよい。同様に、
引きタブ１０８は、便宜上ひも又はストリツプ等
その他の形態をとるのもよい。

剥離抑制ストリツプ１１０は、以下で更に詳細
に説明するように、創傷域への包帯１００の貼付
けを容易にし、更に施用者による汚染を防止す
る。このストリツプ１１０は、傷に貼付ける間、
包帯１００がしつかりと支持されるような幅と厚
みを有していなければならない。すなわちストリ
ツプ１１０は普通、約１乃至３mmの幅と約25乃至
１０２ミクロン（１乃至４ミル）の厚みを有す
る。ストリツプ１１０は、任意の軟質シート材か
ら二次加工され、適当な手段で裏当て材１０２に
付着される。ストリツプ１１０は、感圧接着剤に
て裏当て材１０２に接着されたブラスチツクテー
プ製のものが好ましい。

本発明の剥離抑制手段は、図１及び２のストリ
ツプ１１０以外にも各種の形態をとる。該手段の
いくつかの変形物を図３−６に示す。

図３の当手段は、裏当て材３０２の残り部分よ
りも厚目でそれと一体をなす裏当て材３０２のス
トリツプ３１０からなる。更にストリツプ３１０
は通常、幅約１乃至３mmであり、裏当て材３０２
の残り部分の1.2乃至３倍の厚みを有する。創傷
包帯３００の接着剤被覆３０４と剥離層３０６
は、これまで述べたものと同一である。

図４では、創傷包帯４００の剥離抑制手段は、
靭性の大なる接着剤のストリツプ４１０により付
与され、従つて剥離層４０６からの分離に対する
抵抗は、裏当て材４０２の残りの部分を被覆する
接着剤被覆４０４よりも大である。この要求を満
足する生体適合性接着剤は任意の組合せで使用さ
れる。例えば、裏当て接着剤４０４はアクリルエ
ステル共重合物を基材とする接着剤であり、一方
ストリツプ接着剤４１０はゴムを基材とする接着
剤である。

図５の創傷包帯５００では、剥離層５０６を包
帯５００の端部上に延長し、それを適当な手段、
例えば接着剤又はヒートシールにて裏当て材５０
２の第２面に付着させることにより、接着剤被覆
５０４から剥離層５０６が分離する際の剥離抑制
手段が得られる。裏当て材５０２に付着した剥離
層５０６のストリツプ５１０の幅は普通約１乃至
３mmであり、剥離層５０６の通常の厚みは約51乃
至１５２ミクロン（２乃至６ミル）である。

図６では、創傷包帯６００の接着剤被覆６０４
から剥離層６０６が分離する際の剥離強化手段
は、剥離層６０６と裏当て材６０２の第２面の双
方に付着した軟質シート材のストリツプ６１０で
ある。また、この付着も接着剤又はヒートシール
等任意の適当な手段にて可である。ストリツプ６
１０は、厚み約25乃至152ミクロン（１乃至６ミ
ル）のポリエチレンフイルム等適当な軟質シート
材はいずれも可であり、裏当て材６０２に付着し
たストリツプ６１０の幅は、約１乃至３mmが好都
合である。

これまではつきりと開示した以外の剥離抑制手
段も考えられる。例えば、剥離層はその２部分の
各外端部上に、接触表面の残りの部分よりも粘着
性が大なる接着剤と接触した該層表面のストリツ
プを有するものでもよい。斯かる明らかな変形物
も、本発明の範囲に属する。

使用の際、施用者は標準的殺菌包装から創傷包
帯１００を取り出し、次に内端部１１２に沿つて
剥離層１０６に付着した引きタブ１０８を両手の
親指と人さし指の間にはさむ。図７に示すよう
に、施用者が両タブ１０８を互いに引き離すと、
箱離層１０６は両部分とも裏当て材１０２とその
接着剤被覆１０４から分離する。この分離は、ス
トリツプ１１０に達するまでは、ほとんど抵抗な
く進行する。この点で分離の進行は停止し、分離
力をかなり強めてかけるまで、裏当て材１０２は
強固に剥離層１０６に付着したままである。この
強固な抵抗力に匹敵する力で充分に剥離層１０６
を引張つて接着剤被覆１０４をしつかりと傷口に
固着させることができる。従つて図８に示すよう
に、剥離層１０６は、接着剤被覆１０４の最端部
を除く全ての部域から引きはがされ、続いて包帯
１００は注意深く且つ容易にしわをよせずに傷口
１１４に貼付けられる。

引きタブ１０８の各々を少し強く引張ると、剥
離層１０６の残りの部分がはがれるが、引きタブ
１０８は内端部に沿つて剥離層１０６にしつかり
と付着されたままであり、包帯１００は、手と接
着剤被覆１０４が接触せず且つしわを伴なうこと
なく、また本質的には無関係のタブその他の雑物
の除去にはさみを使用せずに、傷口１１４の上に
しつかりと位置を占める。

本発明の外傷包帯の第２実施態様を図９及び１
０に示すが、包帯９００は創傷包帯１００に関し
て開示したものと同一の材料から適当に二次加工
され、その開示のような各種剥離抑制手段を有す
る。この創傷包帯９００では、ストリツプ９１０
として示した剥離抑制手段では単一の端部に沿つ
て裏当て材９０２の第２面に付着し、接着剤被覆
９０４と剥離可能な接触をなす剥離層９０６は単
一の部分からなる。この創傷包帯９００には、剥
離層９０６と裏当て材９０２に、剥離抑制ストリ
ツプ９１０の反対側の端部９１２に沿つて付着す
る引きタブ９０８がある。

従つて図１１に示すように、施用者が両手で引
きタブ９０８をつまんでそれを互いに引離すと、
剥離層９０６は接着剤被覆９０４を伴なつた裏当
て材９０２から分離される。分離は剥離抑制スト
リツプ９１０に達するまで進行し、そこで分離に
対する抵抗が大になる。続いて施用者は包帯を傷
口９１４上に配置し、最後に剥離層９０６に付着
した引きタブ９０８をゆつくり引いて剥離層を分
離する。裏当て材９０２に付着する引きタブ９０
８は包帯に保持されるが、この引きタブ９０８は
剥離可能な形で裏当て材９０２に付着され、一回
引張れば分離されるようにしたものが好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に従う創傷包帯の上部平面図
である。第２図は、第１図の線２−２に沿つて切
断した創傷包帯の断面図である。第３図から第６
図は第１図の創傷包帯変形物の側立面部分拡大図
である。第７図は、裏当て層から分離される剥離
層を示す第１図及び第２図の創傷包帯の側立面図
である。第８図は、１図及び第２図の創傷包帯を
傷口上に当てた点での側立面図である。第９図
は、本発明に従う創傷包帯の第２実施態様の上部
平面図である。第１０図は、第９図の線１０−１
０に沿つて切断した創傷包帯の断面図であり、第
１１図は、第９図及び第１０図の創傷包帯を傷口
上に当てた点での側立面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (a) その第１面上に生体適合性接着剤被覆１
   ０４を有する裏当てシート材１０２の第１層１
   ０２，１０４及び (b) 前記接着剤被覆１０４と剥離可能な接触をな
   し、前記の第１層１０２，１０４を被覆する保
   護シート材の第２層１０６（但し該第２層１０
   ６は１以上の部分で前記第１層から分離するた
   めの手段１０８を有する）からなり、更に (c) 後記の包帯１００の一端部又は対向する端部
   対に沿い、前記諸層１０２，１０４；１０６を
   前記端部にて分離する力が、接触域の残りの部
   分にて分離する力よりも大となるようにした剥
   離抑制手段１１０を抱合することを特徴とする
   外傷包帯１００。 ２ 前記の剥離抑制手段が、前記裏当て材１０２
   の第２面に付着した軟質テープのストリツプ１１
   ０；前記裏当て材３０２の残りの部分よりも大な
   る厚みを有する前記裏当て材３０２のストリツプ
   ３１０；前記の裏当て材４０２第１面上の接着剤
   の靭性が、前記裏当て材４０２第１面上の残りの
   部分を被覆する接着剤被覆４０４のそれより大な
   る接着剤ストリツプ４１０；前記の包帯端部上に
   延長し且つ前記裏当て材５０２の第２面に付着す
   る前記第２層５０６のストリツプ５１０；又は前
   記の第２層６０６及び前記裏当て材６０２の第２
   面に付着する軟質シート材のストリツプ６１０か
   らなる特許請求の範囲第１項に記載の包帯１０
   ０，３００，４００，５００，６００）。 ３ 前記の第１層１０２，１０４が、通気性であ
   る特許請求の範囲第１項に記載の包帯１００。 ４ 前記の裏当て材１０２が、透明ポリウレタン
   フイルムである特許請求の範囲第３項に記載の包
   帯１００。 ５ 前記の接着剤被覆１０４が、吸水性である特
   許請求の範囲第１項に記載の包帯１００。 ６ 長方形をなす特許請求の範囲第１項に記載の
   包帯１００。 ７ 前記の第２層１０６が実質的に等しい２部分
   からなり、前記の各部分の内端部１１２に引きタ
   ブ１０８を付着することを特徴とする、前記包帯
   １００の対向する端部対に沿つて剥離抑制手段１
   １０を有する特許請求の範囲第１項に記載の包帯
   １００。 ８ 前記包帯９００の一端部に沿つて剥離抑制手
   段９１０を有する包帯９００に於て、前記の第２
   層９０６が、前記包帯９００の前記一端部に対向
   する端部で、前記の第１９０２，９０４と第２９
   ０６層の各々に付着された引きタブ１０８を有す
   る単一部分からなる特許請求の範囲第１項に記載
   の包帯９００。