JPS6363061B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、特に地中埋設管や集合配管等のよう
に、多量のガス流量を保持する必要のあるガス配
管のガス漏れ検出装置に関する。

従来、ガス配管からのガス漏れ検出装置として
は、ガス元栓並びに各ガス器具の器具栓を閉鎖し
た後の、配管内残留ガス圧の低下状態を検出する
ことによりガス漏れを検知するものが知られてい
る。

上記装置は、一般家庭用等、比較的ガス流量の
少ない小径の配管には有効であるが大量のガス流
量を保持する必要のある大径ガス配管に適用する
には極めて不便なものである。即ち、大径のガス
配管の上流側と下流側に遮断弁を設けて、この遮
断弁を閉鎖した後の管内残留ガス圧の低下状態を
検出しようとすると、残留ガス量が極めて多量で
あるため、微小な割れ等によるガス漏れをも確実
に検出しようとすると、極めて長時間を要するこ
とになる。従つて、ガス漏れの検出のために長時
間ガスの供給をストツプしなければならず、実用
上このような装置でガス漏れを検出するのは困難
である。上記検出のための時間は、配管の径や長
さにもよるが、一般的なマンシヨン等の４インチ
の配管で、14〜20時間もガスの供給をストツプし
なければ確実なガス漏れ検出はできないものであ
る。

本発明は、上記従来の欠点を解消するもので、
使用に必要なガスの供給をストツプさせることな
く常にガス漏れに対する安全を図れるようにする
ことを目的とする。

即ち、本発明は、従来単一直列の配管であるこ
とが常識となつているガス配管の考え方を基本的
に変えて、複数本を並列させたガス配管とするこ
とによつて上記目的を達成したものである。

以下、図面を参照しつつ本発明を更に詳細に説
明する。

第１図は、本発明に係るガス漏れ検出装置の一
実施例を示す説明図である。

図中１ａ，１ｂはガス配管で、各々が使用に必
要なガス流量を保持し得る径を有するものであ
る。各ガス配管１ａ，１ｂの上流側と下流側に
は、各々電磁弁２ａ，２′ａ，２ｂ，２′ｂが設け
られている。また、ガス配管１ａの両電磁弁２
ａ，２′ａ間には、圧力スイツチ３ａが設けられ
ており、ガス配管１ｂの両電磁弁２ｂ，２′ｂ間
には、圧力スイツチ３ｂが設けられている。

上記ガス配管１ａ，１ｂに設けられた電磁弁２
ａ，２′ａ，２ｂ，２′ｂ及び圧力スイツチ３ａ，
３ｂは、電気的に制御器４に接続されている。制
御器４は、あらかじめ設定された時間及び圧力ス
イツチ３ａ，３ｂからの電気信号に基づいて電磁
弁２ａ，２′ａ，２ｂ，２′ｂを開閉制御するもの
である。

この制御器４による電磁弁２ａ，２′ａ，２ｂ，
２′ｂの開閉制御について説明すると、まず、制
御器４からの信号により、ガス配管１ａの電磁弁
２ａ，２ａは開放状態のまま、ガス配管１ｂの電
磁弁２ｂ，２′ｂが閉鎖まれる。そして、この電
磁弁２ｂ，２′ｂの閉鎖中であつても、電磁弁２
ａ，２′は開放されているので、必要なガスはガ
ス配管１ａにより供給されることになる。

電磁弁２ｂ，２ｂの閉鎖は、あらかじめ制御器
４に設定された一定時間継続されるもので、その
間に両電磁弁２ｂ，２′ｂ間の残留ガス圧が低下
するか否かが圧力スイツチ３ｂにより確認され
る。即ち、両電磁弁２ｂ，２′ｂ間のガス配管１
ｂに割れ等の損傷があつてガス漏れを生じている
と、両電磁弁２ｂ，２′ｂの閉鎖後に両電磁弁２
ｂ，２′ｂ間のガス配管１ｂ中の残留ガス圧が低
下し、それを圧力スイツチ３ｂが検出して制御器
４に信号を送る。当該信号を受けた制御器４は、
直ちにガス漏れ発生の警報を発してその旨を知ら
せるものである。

上記電磁弁２ｂ，２′ｂの閉鎖時間は、対象と
なるガス配管１ｂの径や、両電磁弁２ｂ，２′ｂ
間の距離によつて、微細な割れ等からのガス漏れ
をも検知できるよう適宜定めればよい。また、制
御器４から発せられる警報は、ブザー、ランプ表
示等の他、離れた監視場所へ連絡するための電波
等、最終的に人間の五感へ訴えるものであればよ
い。更には、ガス漏れが検出されたときには、当
該ガス配管１ｂを閉鎖している電磁弁２ｂ，２′
ｂが開状態へ戻らないようロツクしてしまう回路
を制御器４に内蔵させてもよい。

一方、所定時間内に電磁弁２ｂ，２′ｂ間のガ
ス配管１ｂ内残留ガス圧の低下が検出されない場
合には、閉状態にある電磁弁２ｂ，２′ｂを開放
し、これに代つてガス配管１ａの両電磁弁２ａ，
２′ａを閉鎖する。そして、この両電磁弁２ａ，
２′ａ間のガス配管１ａ中の残留ガス圧の低下を、
前述と同様にして監視し、ガス漏れが検出されな
いときには再びガス配管１ａの両電磁弁２ａ，
２′ａを開放し、代りにガス配管１ｂの両電磁弁
２ｂ，２′ｂを閉鎖し、以後これを順次繰返すも
のである。

尚、安全に確実を期すために、どちらか一方の
ガス配管１ａ又は１ｂにガス漏れが検出されたと
きに、両ガス配管１ａ，１ｂの全電磁弁２ａ，
２′ａ，２ｂ，２′ｂを閉状態にロツクするように
してもよい。

第２図は、他の実施例を示す説明図で、３本の
ガス配管１１ａ，１１ｂ，１１ｃが並列して配管
されている。そして、このガス配管１１ａ，１１
ｂ，１１ｃは、各々単独では使用上必要な十分な
ガスを供給できないが、２本同時に開放すれば、
使用に必要な十分な量のガス流量を確保し得る径
となつている。

ガス配管１１ａの上流側と下流側には、電磁弁
１２ａ，１２′ｂが設けられており、両電磁弁１
２ａ，１２′ａ間には、圧力スイツチ１３ａが設
けられている。また、他のガス配管１１ｂ，１１
ｃにも同様に電磁弁１２ｂ，１２′ｂ，１２ｃ，
１２′ｃ及び圧力スイツチ１３ｂ，１３ｃが設け
られている。そして、これらの電磁弁１２ａ，１
２′ａ，１２ｂ，１２′ｂ，１２ｃ，１２′ｃ及び
圧力スイツチ１３ａ，１３ｂ，１３ｃは、全て電
気的に制御器１４に接続されているものである。

この場合の制御器１４による電磁弁１２ａ，１
２′ａ，１２ｂ，１２′ｂ，１２ｃ，１２′ｃの開
閉制御について説明すると、まずガス配管１１
ａ，１１ｂの両電磁弁１２ａ，１２′ａ，１２ｂ，
１２′ｂは開放状態のままガス配管１１ｃの両電
磁弁１３ｃ，１３′ｃのみを閉鎖する。そして、
第１図で説明したと同様にして両電磁弁１２ｃ，
１２′ｃ間のガス配管１１ｃ内の残留ガス圧の低
下を一定時間圧力スイツチ１３ｃで監視する。所
定時間内にガス漏れが検出されないときには、ガ
ス配管１１ｃの両電磁弁１２ｃ，１２′ｃを開放
すると共にガス配管１１ａの両電磁弁１２ａ，１
２′ａを閉鎖して、ガス配管１１ａのガス漏れの
有無を検査する。更に、ガス配管１１ａについて
も異常が検出されないときには、電磁弁１２ａ，
１２′ａを開放し、これに代つてガス配管１１ｂ
の両電磁弁１２ｂ，１２′ｂを閉鎖してガス配管
１１ｂのガス漏れの有無を確認し、異常が発見さ
れなければ順次同様の動作を繰返す。また、ガス
漏れが検出された際には、第１図で説明したもの
と同様に、制御器１４によつて警報が発せられる
ものである。

次に本発明の効果について説明する。

前述の説明からも明らかなように、本発明によ
れば、必要なガスの供給をストツプさせることが
ないので、ガス漏れの検出に長時間を要しても実
用上何の不便も生じない。特に第２図に示した実
施例のように、並列させるガス配管を比較的小径
のものとしておけば、１本のガス配管についての
ガス漏れ有無の確認に要する時間を短縮し得る利
点がある。

本発明は、並列された複数のガス配管につい
て、交互もしくは順次ガス漏れの検査をしていく
ものであるが、複数のガス配管が一度に損傷され
ることは、大きな地震等特別な場合以外考えられ
ないので、常に一定時間毎に検査が繰返されるこ
とにより、安全性を大幅に向上し得るのである。

また、並列されたガス配管の一部に損傷による
ガス漏れが生じた際にも、残りのガス配管からガ
スを供給しつつ修復工事を行ない得るので、修理
作業も時間の制約を受けずに行ないやすい利点が
ある。

更に本発明によれば、マンシヨン、雑居ビル等
の集中配管部分のガス漏れの有無を、管理室に居
ながらにして監視できるばかりか、地中埋設管に
ついても、一定地区ごとに電磁弁を設けておくこ
とにより、集中してガス漏れの監視を行ない得る
等、多大な利益が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る装置の一実施例を示す説
明図、第２図は他の実施例を示す説明図である。 １ａ，１ｂ，１１ａ〜１１ｃ：ガス配管、２
ａ，２ｂ，２′ａ，２′ｂ，１２ａ〜１２ｃ，１
２′ａ〜１２′ｃ：電磁弁、３ａ，３ｂ，１３ａ〜
１３ｃ：圧力スイツチ、４，１４：制御器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数本並列されたガス配管と、各ガス配管の
   上流側と下流側に設けられた電磁弁と、両電磁弁
   間に設けられた圧力スイツチと、電磁弁の開閉を
   制御する制御器とから成り、制御器は、必要なガ
   ス流重を保持し得る１本又は２本以上のガス配管
   を残して、前記並列されたガス配管から選択され
   る任意のガス配管の両電磁弁を閉鎖し、一定時間
   残留ガス圧の低下が圧力スイツチにより検出され
   ない場合に電磁弁を開放する操作を順次各ガス配
   管について行なうと共に、残留ガス圧の低下が圧
   力スイツチにより検出されたときにはそれを知ら
   せる警報を発するものであることを特徴とするガ
   ス漏れ検出装置。