JPS636003B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、未切断フアスナーチエーンにスライ
ダーを装着する装置に関する。

ここにいう未切断フアスナーチエーンとは、務
歯植設部と務歯欠如部とが交互に設けられた１対
のストリンガーを噛合させ、各務歯植設部の一端
に下止を打つた長尺のフアスナーチエーンのこと
である。本発明は、この長尺のフアスナーチエー
ンの各務歯植設部にスライダーを装着する装置に
関するものである。スライダーの装着を終えた長
尺のフアスナーチエーンは、各務歯欠如部におい
て切断され、あるいは必要に応じて上止めを取付
けた後切断されてフアスナーチエーンの完成品と
なる。

従来のスライダー装着装置としては、特公昭48
−26466号、特公昭50−25854号、特開昭56−
109601号公報などに記載されているものが知られ
ているが、何れも未切断フアスナーチエーンの開
拡部材として複数の要素から構成されたものを使
用しているためその構造が複雑であつた。

本発明の目的は、シユートから運ばれてきたス
ライダーを確実かつ安定した状態でスライダーポ
ケツトブロツク上に保持するためホルダーケース
内にスライダーポケツトブロツクを納め、これを
コンパクトにまとめられた作動機構によつて効率
よく駆動する装置を提供することである。

本発明にかかるスライダー装着装置の特徴は、
未切断フアスナーチエーン移送路の下方に位置す
る基台に対し、上下方向に限定された範囲内で往
復駆動されるホルダーケース； 該ホルダーケース内において上下方向に限定さ
れた範囲内で移動しうるように保持され、かつ上
向きにスプリングによつて付勢されたスライダー
ポケツトブロツク；をそなえ、 前記スライダーポケツトブロツクは、その上端
に、スライダーの後口を前面に向けて水平に保持
するに適し、かつスライダーの引手を下方に垂下
させたまま側方から挿入出来るくぼみを有し；さ
らに、 前記くぼみに保持されたスライダーの引手を押
えるために、前記スライダーポケツトブロツクの
前面に枢着され上端を内方に向けてスプリングに
よつて付勢された引手押えレバー； 前記スライダーポケツトブロツクの前面に固定
された、該引手押えレバーの下端と協同してその
上端とスライダーの引手との係脱を制御するカ
ム；および 前記スライダーポケツトブロツクをその下限付
近で係止する方向に、スプリングによつて付勢さ
れ、スライダーを前記スライダーポケツトブロツ
クへと移送するスライドブロツクによつて与えら
れる衝撃によつて前記係止を解かれるように、前
記スライダーポケツトブロツクの前面に枢着され
ている係止レバー；をそなえることである。

以下、図示の実施例について、本発明にかかる
装置を説明する。

第１図ａは、左方から右方に向けて移送されて
きた未切断フアスナーチエーンＣの務歯欠如部Ｂ
がスライダー装着ステーシヨンの上方において停
止した状態を示す平面図であり、Ａは務歯植設
部、Ｅは下止金具である。

第１図ｂは、務歯欠如部にスライダーＳを位置
決めするために、フアスナーチエーンの務歯欠如
部を開拡した状態を示す平面図であり、この開拡
は、第２図に正面図を示す開拡ロツド１の広幅部
３（幅W₁）を該務歯欠如部の左右ストリンガー
のすき間に挿入することによつて達成される。

第１図ｃは、スライダーをフアスナーチエーン
の務歯植設部に滑らかに係合させるため、開拡ロ
ツド１を上昇させて、狭幅部４（幅W₂）を左右
ストリンガーのすき間に位置させた状態を示して
いる。この時、スライダーの後口付近の左右スト
リンガーは、後述する揺動ガイド（点線で示し
た）を閉じることによつて、そのすき間を閉ざさ
れ、務歯植設部を滑らかにスライダーの後口から
導入する準備が整えられる。

第１図ｄは、未切断フアスナーチエーンの右方
への移送が開始され、務歯植設部へのスライダー
導入が開始されてしばらくした時の状態を示して
おり、この時、開拡ロツド１は再び下降して、そ
の広幅部３がスライダー内へ挿通された務歯植設
部の務歯列を割つて開き、開かれた務歯列がスラ
イダーの左右両肩口から引き出されやすいように
左右ストリンガーを左右に押広げて開離してい
る。

第１図ｅは開拡ロツド１がさらに下降して務歯
列から完全に脱出し、スライダーが未切断フアス
ナーチエーンとともに移送され始める瞬間を示し
ている。

以上の方法をとることによつて、未切断フアス
ナーチエーンが、スライダーの後口に導入される
前にいわゆるチエーン割れを起すことを防ぎ、ス
ライダー内に導入された後の務歯列先頭部分とス
ライダーとの衝突を防止し摩擦抵抗を小さくする
ことができる 第３図は、以上の方法を実施するに便利なシス
テム全体の斜視図であつて、未切断フアスナーチ
エーンを間欠的に移送する未切断フアスナーチエ
ーン移送装置１００、スライダー供給装置２０
０、開拡ロツド１やスライダーポケツトブロツク
３１０などを含む本発明のスライダー装着装置３
００および芯寄せ機構４００から構成されてい
る。

先ず、第３図について、未切断フアスナーチエ
ーン移送装置１００の構成および機能を説明す
る。

１０１は未切断フアスナーチエーンの移送路で
あつて、該チエーンの中心線の通路を１点鎖線で
代表させて示してある。１１０は上面にエレメン
トガイド溝１１１をそなえたサポートブロツクで
あり、その上には下面にエレメントガイド溝１１
３をそなえたガイドブロツク１１２が載置されて
いる。１１４は、スリツトであつて、ピン１１７
により支持された感知レバー１１６の一端に回転
自在に保持された感知ロール１１５がこのスリツ
トを通してエレメントガイド溝を移送される未切
断フアスナーチエーンと接触して転動する。未切
断フアスナーチエーンの務歯欠如部がこの感知ロ
ール１１５に到達すると、感知ロール１１５は務
歯欠如部に落込み僅かに下降し、感知レバー１１
６はこの感知ロール１１５の運動に応答して停止
信号を発する。

１１８は下止停止シユーであつて、前記信号に
応答して作動する第１エアシリンダー１１９のピ
ストンの上昇により、下止停止シユー１１８は未
切断フアスナーチエーンを台板１２０に押圧して
移送を停止させる。１２１は下止金具が係合する
ための係止溝である。１２２は駆動ロール、１２
３は押圧ロールであつて、未切断フアスナーチエ
ーンはこれらのロールによつて駆動される。

次に、スライダー供給装置２００の構成および
作用を説明する。２０１はスライダーシユート、
２０２，２０３は送り爪、２０４は送り爪ホルダ
ー、２０５はスライダーホルダー、２０６は揺動
レバー、２０７は受け板、２０８は第２エアシリ
ンダー、２０９はスライドブロツク、２１０はガ
イドレールである。

多数のスライダーＳはスライダーシユート２０
１よりその縦方向に列をなして送り込まれるが、
未切断フアスナーチエーンの移送と停止との繰返
しに連動して往復運動する送り爪ホルダー２０４
によつて保持された１対の送り爪２０２，２０３
（１個でもむろん差支えない）によつて、１個づ
つスライダーホルダー２０５の受け板２０７に送
り込まれる。受け板２０７はスライダーＳの上翼
のフランジと下翼のフランジとのすき間に入り込
むような位置に設けられているために、安定した
ガイドが行われる。スプリングによつて内向きに
付勢されている揺動レバー２０６が側方からスラ
イダーＳの脱落を防止する。スライダーＳがスラ
イダーホルダー２０５に保持されると、第２シリ
ンダー２０８がスライダーホルダー２０５を不動
の基台（図示せず）に固定されたガイドレール２
１０に沿つて矢印の方向へ送る。その目的は、ス
ライドホルダー２０５の下方に垂下し、該スライ
ダーホルダー２０５とともに移動するスライドブ
ロツク２０９の機能とともに後述する。

第４図および第５図は、スライダー供給装置の
変形例のそれぞれ平面図および背面図である。第
３図に対応する部分が示されているものに対して
は、第３図と同一の符号を付して示したので説明
を省略する。ガイドレール２１０はスライダーホ
ルダー２０５に固定されていて、第２エアシリン
ダー２０８が固定されている不動の基台２１３の
貫通孔に案内される点で第３図に示したものと相
違するが機能上全く差異のないことは容易に理解
できよう。２１１は第３図では図示を省略した第
３エアシリンダーで、送り爪ホルダー２０４を、
基台２１３に固定されたガイドレール２１２に沿
つて往復駆動するためのものである。第４図の下
部に300代の符号を付して２点鎖線で示した部分
は、以下に説明するスライダー装着装置の一部の
平面図である。第４図は、後にスライダー装着装
置の構成、作用との関連において、再び説明され
るであろう。

第６図、第７図および第８図は、それぞれ本発
明にかかるスライダー装着装置の一実施例の一部
破断側面図、正面図（未切断フアスナーチエーン
移送路上流側からみた図）および要部の平面図で
ある。また、第９図ａおよびｂは、芯寄せ機構の
構成と作用を示す図である。

図において、３１０はスライダーポケツトブロ
ツク、３１１は第４エアシリンダー、３１２は不
動の基台、３１３はスライドホルダーケース、３
１４は係止レバー、３１５および３１６はそれぞ
れ該係止レバー上端のフツク部およびスライダー
ポケツトブロツク３１０の肩部、３１７は圧縮ス
プリング、３１８は引手押えレバー、３１９は該
引手押え下端のローラー、３２０はカム、３２１
は該カムの平面部、３２２は引手押えレバーの
爪、３２３は第５エアシリンダーである。スライ
ダーポケツトブロツク３１０の側面に設けられた
くぼみ３３１はスライダーＳの引手Ｐを下方に垂
下させたまま側方から挿入するために設けられた
ものである。４０１，４０２はそれぞれＬ型の揺
動ガイド、４０３は支軸、４０４は両揺動ガイド
を開く方向に付勢するコイルバネである。

第９図および第１０図について、第１図を参照
しつつ、本発明にかかるスライダー装着装置の作
用を以下に説明する。

（） 第４エアシリンダー３１１により、不動
の基台３１２に対して上下に駆動されるスライ
ダーホルダーケース３１３は下死点位置にあ
る。係止レバー３１４は、第７図に実線で示す
ように上端のフツク部３１５がスライダーポケ
ツトブロツク３１０の前方に突出した肩部３１
６と係合し、スプリング３１７の上向き弾発力
に抗してスライダーポケツトブロツク３１０を
下方位置に係止している。この時、スライダー
ポケツトブロツク３１０に軸支されている引手
押えレバー３１８の下端に装着されているロー
ラー３１９は、カム３２０の平面部３２１に乗
り上げているため、上端の爪３２２は後退位置
をとつている。また、第５エアシリンダー３２
３によつて、スライダーホルダーケース３１３
に対して上下方向に駆動される開拡ロツド１も
下死点位置にある。揺動ガイド４００は開いて
おり、未切断フアスナーチエーンは矢印方向に
移送されている。

（） スライダーシユート２０１を経てスライ
ダーホルダー２０５に送られ、さらにガイドレ
ール２１０に案内されて、移送されてきたスラ
イダーＳがスライダーポケツト３３０に移され
るとともに、スライダーホルダー２０５の下方
に垂下しているスライドブロツク２０９（第５
図）は係止レバー３１４の上端にあるローラー
３２４をたたいて係止レバー３１４とスライダ
ーポケツトブロツク３１０の前面の肩部３１６
との係合を解き、スライダーポケツトブロツク
３１０をスプリング３１７の弾発力により上昇
させる。その結果、引手押えレバー３１８の下
端のローラー３１９は、カム３２０の上斜面と
係合する位置に移るので、上端の爪３２２がス
ライダーＳの引手Ｐの方向に回動してこれを押
える。したがつて、スライダーホルダー２０５
がスライダーシユートの方向に復帰するときに
は、揺動レバー２０６が開いて、スライダーＳ
をスライダーポケツト３３０内に残す。この時
には、未切断フアスナーチエーンはなお移送中
であつてもよい。

（） 感知レバー１１６が未切断フアスナーチ
エーンの務歯欠如部の通過を感知して停止信号
を発し、下止停止シユー１１８と台板１２０と
で未切断フアスナーチエーンの移送を停止させ
た時には、務歯欠如部がスライダーポケツト３
３０の上に位置しているように調節してあるの
で、第５エアシリンダー３２３の作動によつて
開拡ロツド１は、先端の矢状部２でストリンガ
ーを左右に押拡げながら上昇し、矢状部につづ
く広幅部３がストリンガー相互のすき間を最も
広くするように押広げる。第４エアシリンダー
３１１も引きつづきスライダーホルダーケース
３１３を押上げるが、スライダーポケツトブロ
ツク３１０は天井台４１０に衝接して停止す
る。しかしながら、スライダーホルダーケース
３１３の脚の上端３２５，３２６は１対のＬ型
揺動ガイド４０１，４０２をコイルバネ４０４
の弾発力に抗してやがて閉じるべく上昇をつづ
ける。これは、第１図ｂの段階に相当する。

（） スライダーホルダーケース３１３が上死
点に達するとロール３１９はカム３２０の平面
部３２１を通り越して谷間に落ち込み、引手押
えレバー３１８は右に回動して再びスライダー
Ｓの引手Ｐを押える。同時に、スライダーホル
ダーケース３１３の脚の上端３２５，３２６は
揺動ガイド４００の１対のＬ型片４０１，４０
２を押上げて第９図ｂの状態に閉じさせる。一
方開拡ロツド１は依然上昇をつづけ、狭幅部４
が両ストリンガーのすき間位置に到達する。し
たがつて、この場合の未切断フアスナーチエー
ンは第１図ｃの段階にあることになる。その
後、下止停止シユー１１８が下降し、駆動ロー
ル１２２が回転して、フアスナーチエーンの送
りが開始され、務歯植設部がスライダー内部に
進入してくる。務歯植設部の先端務歯がスライ
ダー内に進入した後、開拡ロツド１のみが第５
エアシリンダー３２３により下降され開拡ロツ
ド１の広幅部３により、務歯植設部の噛み合つ
た務歯列が開離される。スライダーＳにフアス
ナーチエーンが開離されながら挿通され、第１
図ｅの位置までスライダーが通されると駆動ロ
ール１２２が停止してフアスナーチエーンの送
りが停止される。

（） 次にスライダーホルダーケース３１３は
再び下降を開始し、脚の上端３２５，３２６が
揺動ガイド４００から離脱するので、揺動ガイ
ド４００は再び第９図ａの状態に戻る。しかし
ながら、務歯列はすでにスライダーＳの後口に
導入され、肩口に抜けており、第１図ｅの段階
にあるので、脚の上端３２５，３２６が下降し
ても、スライダーＳが落下することはない。

（） スライダーホルダーケース３１３および
開拡ロツド１はさらに下降して（）の状態に
戻る。スライダー３１３の下降中にスライダー
ポケツトブロツク３１０から完全にスライダー
Ｓが離脱すると、スライダーＳは第１図ｅの状
態で未切断フアスナーチエーンとともに再び移
送される。以上の説明からわかるように、本願
発明の装置は上記の構成と作用を有するので、
スライダーホルダーによつてシユートから運ば
れてきたスライダーを確実かつ安定した状態で
スライダーポケツトブロツク上に保持できると
共にスライダーポケツトブロツク上へのスライ
ダーの保持・開放機構が簡単になり、未切断フ
アスナーチエーンに効率よくスライダーを装着
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ乃至ｅは、未切断フアスナーチエーン
にスライダーを装着する方法の原理説明図、第２
図は、開拡ロツド先端の正面図、第３図は第１図
に示す方法を実施するに適するシステム全体の斜
視図、第４図はスライダー供給装置の一例を示す
平面図、第５図はその背面図、第６図、第７図お
よび第８図はそれぞれ、本発明にかかるスライダ
ー装着装置の一実施例の一部破断側面図、正面
図、および要部の平面図、第９図ａ，ｂは芯寄せ
機構の構成と作用の説明図、第１０図はスライダ
ー装着装置の作用説明図である。 主要な符号の説明、１：開拡ロツド、２：矢状
部、３：広幅部、４：狭幅部、１００：未切断フ
アスナーチエーン移送装置、２００：スライダー
供給装置、３００：スライダー装着装置、３１
０：スライダーポケツトブロツク、３１３：（ス
ライダー）ホルダーケース、３１４：係止レバ
ー、３１８：引手押えレバー、３２０：カム、３
３１：くぼみ、４００：芯寄せ機構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 未切断フアスナーチエーン移送路の下方に位
   置する基台に対し、上下方向に限定された範囲内
   で往復駆動されるホルダーケース； 該ホルダーケース内において上下方向に限定さ
   れた範囲内で移動しうるように保持され、かつ上
   向きにスプリングによつて付勢されたスライダー
   ポケツトブロツク；をそなえ、 前記スライダーポケツトブロツクは、その上端
   に、スライダーの後口を前面に向けて水平に保持
   するに適し、かつスライダーの引手を下方に垂下
   させたまま側方から挿入出来るくぼみを有し；さ
   らに、 前記くぼみに保持されたスライダーの引手を押
   えるために、前記スライダーポケツトブロツクの
   前面に枢着され上端を内方に向けてスプリングに
   よつて付勢された引手押えレバー； 前記スライダーポケツトブロツクの前面に固定
   された、該引手押えレバーの下端と協同してその
   上端とスライダーの引手との係脱を制御するカ
   ム；および 前記スライダーポケツトブロツクをその下限付
   近で係止する方向に、スプリングによつて付勢さ
   れ、スライダーを前記スライダーポケツトブロツ
   クへと移送するスライドブロツクによつて与えら
   れる衝撃によつて前記係止を解かれるように、前
   記スライダーポケツトブロツクの前面に枢着され
   ている係止レバー；をそなえることを特徴とする
   スライダー装着装置。