JPS6350427Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は各シリンダの燃焼室に対して２個の吸
気弁と２個の排気弁とを具えた４バルブエンジン
（内燃機関）、特にそのアイドル時の燃焼安定性を
向上せしめる装置に関する。

４バルブ式内燃機関は各シリンダの燃焼室に対
して２個の吸気弁と２個の排気弁とを設けたもの
であり、両吸気弁は夫々の独立した吸気通路を介
して吸気管のサージタンクに連結される。吸気通
路の一方には機関回転数、機関負荷、或いは吸入
空気量が予め定められた設定値を越えたとき開弁
する制御弁が設けられ、低中回転域のトルクの向
上を得ている。夫々の吸気通路は吸気弁近傍に形
成された合流部により連通せしめられ、燃料噴射
弁は一般にこの合流部において両吸気弁の中央の
シリンダヘツド部に設けられてその噴射方向が両
吸気弁に向つて均等になるようにしてある。この
ように、吸気通路の吸気弁近傍に合流部を設ける
ことにより、１個の燃焼噴射弁で効率良く両吸気
通路に燃料を噴射することが出来る。合流部がな
い独立した吸気通路の場合には、夫々の吸気通路
に燃料噴射弁（計２個）を設けなければならな
い。また、吸気通路が合流部により連結されてい
ると、それだけ通路面積が大きくなり、従つて、
吸気抵抗が小さくなり、その結果、充填効率が高
くなる。

また、このように、吸気通路の合流部を設け、
吸気制御弁を作用させることにり吸気慣性効果の
発生域を変化させ、特に、低、中回転域のトルク
特性を改善することが出来る。

本考案はこのように種々の利点を備えた、合流
部により連結された２個の独立吸気通路を有する
タイプの４バルブエンジンへの適用を前提とする
ものである。

而て一般に多気筒内燃機関においては吸気弁と
排気弁の開弁時期はオーバラツプしている。即ち
或る吸気弁と或る排気弁の開弁時期は必らずオー
バラツプしている。そのために排気行程時に排気
ガスの一部が吸気弁を介して吸気側に吹き返され
ることになる。そして吸、排気弁の開口面積の大
きい４バルブエンジンでは吸入空気量が小さく開
口時間面積の大きいアイドル運転時には、所謂内
部EGR（排気ガス再循環）過大の状態になり、所
謂内部EGR（排気ガス再循環）過大の状態にな
り、燃焼が不安定になり、エンジンストールが発
生し易くなつていた。斯かる排気ガスの吸気側へ
の吹き返しを防止するために従来はバルブオーバ
ラツプ量を小さく設定することにより対処してい
たが、このような対処法では特に高負荷高回転時
の吸入空気の充填効率が低下し出力トルクの低下
という犠性を伴うものであつた。

斯かる点に鑑み本考案は従来の如く出力トルク
の低下を伴うことなくアイドル時の燃焼安定性を
向上せしめることを目的とするものである。

上述の目的を達成するために本考案によれば排
気通路の一方にアイドル時のみ閉弁する第２の制
御弁が設けられ、この第２制御弁により排気ガス
の吸気側への吹き返しを防止せんとするものであ
る。

以下、添付図面を参照して本考案の好ましい実
施例につき説明する。

シリンダヘツド１９に形成される各燃焼室には
２個の吸気弁７ａ，７ｂと２個の排気弁９ａ，９
ｂが設けられる。尚、１１は排気管、１３は点火
栓を夫々示す。両吸気弁７ａ，７ｂは隔壁２０に
より分離される夫々の吸気通路２１ａ，２１ｂを
介してサージタンク（図示せず）に連結される。
両吸気通路の管長及び内径は好ましくは等しく吸
気脈動の干渉を防ぐ、両吸気通路２１ａ，２１ｂ
は吸気弁７ａ，７ｂの近傍で合流せしめられる。
この合流部２５のシリンダヘツド壁部には燃料噴
射弁１７が取り付けられる。燃料噴射弁１７はそ
の噴射方向が両吸気弁７ａ，７ｂの中心に向くよ
うに取り付けられ燃焼室内での混合気の均一ミキ
シングを確保する。

吸気通路２１ａ，２１ｂの一方例えば２１ａに
は第１の吸気制御弁２７が設けられる。制御弁２
７を閉じ、吸気通路面積を絞ることにより吸気流
速を高めそれにより燃焼速度の増大を計りまた音
響学的な等価管長、径を変え吸気慣性効果の発生
を低速側に移し、低、中速域の出力トルクの向上
を達成するものであるが、具体的には吸気弁のチ
ヨーキングが生じない低、中回転域で閉じられる
ような方法で制御される。制御弁２７は吸気慣性
効果に基いて予め定められた設定回転数、負荷或
いは吸入空気量を越えたときに開放された吸気通
路面積を最大にして充填効率の増大をはかるもの
である。

以上の如き４バルブエンジンにおいて、従来技
術によれば前述の如くバルブタイミングのオーバ
ラツプによる排気ガスの吸気側への吹き返しが生
じ、特に燃焼不安定なアイドル時の燃焼安定性を
損うという問題があつた。このような問題を解決
するために本考案によれば排気弁９ａ，９ｂに対
応する排気通路の一部が隔壁３０によつて仕切ら
れ、その一方、例えば排気通路３１ｂ内にアイド
ル安定性を向上するための第２の制御弁４７が設
けられる。第２制御弁４７は独立した排気通路の
一方内であればシリンダヘツド内でもあるいは排
気管内でもいずれに取付けてもよい。第２制御弁
４７はアイドル時のみ閉弁せしめられる排気ガス
の吸気側への吹き返し量を低減する。理論的には
第２制御弁４７により排気通路の一方を閉じるこ
とにより吹き返し量は半減せしめられる。第２制
御弁４７を閉鎖せしめるためのアクチユエータと
して例えば負圧作動式のダイヤフラム装置５０が
第２制御弁４７にリンク結合される。ダイヤフラ
ム装置５０はアイドル信号Ｓにより制御される負
圧切替弁５１を介して大気あるいは負圧領域に選
択的に連通せしめられる。アイドル信号Ｓは例え
ば吸気管６０に設けられる負荷制御用のスロツト
ルバル６１の弁開度を検出する公知のマイクロス
イツチ等のアイドルセンサ６２により検出でき
る。

尚、第２制御弁４７は排気通路３１ｂの代りに
排気通路３１ａ内に図示実施例と対称的な位置に
設けてもよく、その場合にも全く同様の目的を達
成し得ることは理解されよう。

以上の如く本考案によればアイドル時に閉弁し
て排気ガスの吸気吹き返し量を低減せしめる第２
制御弁を設けることにより高負荷、高回転時の出
力トルクを低減させることなく冒頭に述べた如き
問題を解消することができる。

更にまた本考案によればバルブタイミングのオ
ーバラツプを従来よりも大きくすることもでき高
負荷、高回転時の出力トルクの一層の増大を計れ
る。

尚、アイドル状態を検知する手段としては図示
の如きマイクロスイツチによる機械的なものに限
らずスロツトル開度を電気的に検出するものやあ
るいはその他の如何なるスロツトル開度センサで
もよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る装置の壱実施例を示す部分
断面図。 ５…燃焼室、７ａ，７ｂ…吸気弁、９ａ，９ｂ
…排気弁、２１ａ，２１ｂ…吸気通路、２７…第
１制御弁、３１ａ，３１ｂ…排気通路、４７…第
２制御弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各気筒に対して２個の吸気弁と、夫々の吸気弁
   に連通する独立した吸気通路とを有し、これら両
   吸気通路の吸気弁近傍に合流部を形成してこの合
   流部に燃料噴射弁を設け、かつ上記合流部の上流
   側を再び独立した吸気通路として、その吸気通路
   の一方内に機関回転数、機関負荷が所定値以下の
   ときに吸気慣性効果の発生域を低速側に移行する
   第１の開閉弁を配設して成る２吸気弁式内燃機関
   において、いずれか一方の排気通路内にアイドル
   運転時のみ閉弁する第２の制御弁を設けたことを
   特徴とする４バルブエンジンにおけるアイドル燃
   焼安定装置。