JPS6349504Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はフラツシユドアに関するものであ
る。

従来のフラツシユドアでは、表裏一対のドアパ
ネルで補強縁枠を挟み、ドアパネルの上下左右周
縁を補強縁枠に結合して一体化していた。

しかしながら、このような構成ではドア表面に
溶接圧痕ができるため外観を悪くするという欠点
を有する。また、表裏ドアパネルのほか、補強縁
枠を形成しなければならず、製造工程が複雑にな
り組立作業にも時間がかかるなどの問題点を有す
る。

前記構成のフラツシユドアに替えて、第１図に
示すように表裏ドアパネルＡ，A′の各側縁部に、
ドアパネルＡ，A′の内向面側にそれぞれ断面Ｌ
字状の屈曲板部Ｂ，B′を一体形成して、これら
屈曲板部Ｂ，B′の側面板片ａ，a′を重ね合せ、そ
の重合部で栓溶接Ｃまたはリベツト結合すること
により表裏ドアパネルＡ，A′を一体化し、表裏
ドアパネルＡ，A′の側縁の屈曲重合部ｂ，b′を強
度メンバーとして補強縁枠の省略をはかつたもの
も開発されている。

ところが、この従来例の場合、屈曲板部Ｂ，
B′の側面板片ａ，a′を重合させる構成であるた
め、板素材を余分に必要とするうえ、溶接による
結合処理の場合には、ドア全体が熱変形しパネル
表面に歪が発生するという欠点を有する。

この考案は、従来例における如上の問題点を解
消し、表面に溶接圧痕などの結合処理部が露出せ
ず外観美に優れ、製造も容易なドアパネルを提供
することを目的とするものである。

この考案の一実施例を第２図ないし第６図に基
づいて説明すれば、このフラツシユドアは、表裏
一対のドアパネル１，１の各側縁部に、ドアパネ
ル１，１の内向面側に屈曲して屈曲基端を湾曲さ
せた屈曲板部１ａと、この屈曲板部１ａの先端を
相手ドアパネルの内向面側に向けて直角に折り返
した側面板部１ｂと、この側面板部１ｂの先端を
ドアパネル平面部と平行に外向きに折り曲げた突
合せ板部１ｃとをそれぞれ形成して、各ドアパネ
ル１，１の互に対向し合う突合せ板部１ｃ，１ｃ
同士を溶接することにより、表裏ドアパネル１，
１を重合した状態に結合する一方、表裏ドアパネ
ル１，１の各上下縁部に、相手ドアパネルに向け
て水平に折り曲げた端面板部１ｄ，１ｄ，１d′，
１d′をそれぞれ形成して、各ドアパネル１，１の
互に対向し合う端面板部１ｄ，１d′同士を重ね合
せ、リベツトまたは溶接によつて結合し、前記屈
曲板部１ａ，１ａ、側面板部１ｂ，１ｂ、上下の
端面板部１ｄ，１d′、１ｄ，１d′で囲まれて形成
される側部凹溝２に、断面コ字状の側面化粧カバ
ー３をその両側片部３ａ，３ａが各屈曲板部１
ａ，１ａに圧接するように圧入して嵌着したもの
である。

表裏ドアパネル１，１の一方には、第２図に示
すように製造されるドアの厚みにほぼ等しい厚み
の補強骨４…を複数列縦設し、これら補強骨４…
に対向する相手ドアパネル１の内向面に突設した
嵌合部材５…と前記補強骨４…とを嵌め合せ、ス
ペーサとして働く補強骨４…によつて、フラツシ
ユドア表面が全面にわたつて平面状に保たれるよ
うにしている。

補強骨４…および嵌合部材５…はともに断面概
形がコ字状で、それぞれの両側片４ａ，４ａ、５
ａ，５ａが突出するように中間面部を各ドアパネ
ル１，１の内向面に溶接して取付ける。溶接は内
向面側より行うので、ドアパネル１，１の表面に
溶接圧痕は生じない。補強骨４の両側片４ａ，４
ａには係合突条６，６を縦設し、嵌合部材５の両
側片５ａ，５ａに縦設した係合凹条７，７を前記
係合突条６，６に弾性係合させることにより、補
強骨４と嵌合部材５との嵌合をはかつている。補
強骨４の係合突条６，６はリブとして働くため、
補強骨４の強度向上にも寄与する。

端面板部１ｄ，１ｄ，１d′，１d′については、
一方のドアパネル１の端面板部１ｄの所定先端域
にドアパネル板厚分だけドア内方に向けて凹陥段
差部８を形成し、相手ドアパネル１の端面板部１
d′をこの凹陥段差部８に重ねることによつて、一
方のドアパネル１の上下端面板部１d′，１d′間に
相手ドアパネル１を挟み、ドア上下端面が面一に
仕上るようにしている。

屈曲板部１ａ，１ａについては、その屈曲基端
の湾曲形状が、ドアパネル表面に対し内側より接
する円の円弧であるように、換言すると屈曲基端
の湾曲部がドアパネル表面より外側にはみ出さな
いように形成する一方、屈曲板部１ａの先端をド
アパネル１，１の内向面に漸近させ、側面凹溝２
の断面概形が蟻溝形になるようにしている。前記
屈曲板部１ａの屈曲基端によつて形成される断面
ヘアピン状の部分は強度メンバーとして機能し、
得られるフラツシユドアの側縁部が補強される。

このほか側面化粧カバー３の前記側面凹溝２へ
の嵌着を一層強固にするため、例えば第７図に示
すように側面化粧カバー３の両側片部３ａ，３ａ
の先端側を拡開形成し、圧入された両側片部３
ａ，３ａが側面凹溝２の拡開奥部で十分密嵌合し
うるようにしてもよい。

また側面化粧カバー３の嵌着強度を高めるの
に、第７図に示すように側面化粧カバー３の内向
面側に弾性嵌合片３ｂ，３ｂを突設し、この弾性
嵌合片３ｂ，３ｂで突合せ板部１ｃ，１ｃを挟着
するようにしてもよい。この場合、突合せ板部１
ｃの先端に係合突部を形成し、弾性嵌合片３ｂに
形成した係合凹部と前記係合突部とを嵌め合せる
ようにすれば、嵌着強度が一層向上する。

端面板部１ｄ，１d′の重合個所は、リベツトや
溶接により結合するが、上下端面は使用状態にお
いて目に触れないので外観を悪くすることがな
い。

この考案のフラツシユドアによれば、表裏ドア
パネル１，１の各側縁部に、ドアパネル１の内向
面側に屈曲して屈曲基端を湾曲させた屈曲板部１
ａ、この屈曲板部１ａの先端を相手ドアパネル１
の内向面側に向けて折り返した側面板部１ｂ、こ
の側面板部１ｂの先端をドアパネル平面部と平行
に外向きに折り曲げた突合せ板部１ｃを形成し
て、互に対向し合う突合せ板部１ｃ，１ｃ同士を
結合するとともに、表裏ドアパネル１，１の各上
下縁部に、相手ドアパネル１に向けて水平に折り
曲げた端面板部１ｄ，１ｄ，１d′，１d′を形成し
て、互に対向し合う端面板部１ｄ，１d′同士を重
ね合せ、前記屈曲板部１ａ，１ａ、側面板部１
ｂ，１ｂ、上下端面板部１ｄ，１ｄ，１d′，１
d′で囲まれて形成される側部凹溝２に、断面コ字
状の側面化粧カバー３をその両側片部３ａ，３ａ
が各屈曲板部１ａ，１ａに圧接するように嵌着し
たため、次に挙げるような効果が得られる。

(イ) 表裏ドアパネル１，１を側部の突合せ板部１
ｃ，１ｃで結合するようにしたので、表裏面に
溶接圧痕などの結合処理部が露出しないうえ、
屈曲板部１ａ，１ａ、側面板部１ｂ，１ｂ、上
下端面板部１ｄ，１ｄ，１d′，１d′で囲まれる
側面凹溝２へ嵌着する側面化粧カバー３により
結合個所が隠ぺいされ、ドア側面にも結合跡が
できず、外観の優美なフラツシユドアとするこ
とができる。

(ロ) また突合せ板部１ｃ，１ｃで表裏ドアパネル
１，１間を結合処理するので、第１図に示す従
来例の場合のように板素材を余分に必要とせ
ず、最少量の板素材でまかなうことができると
ともに、ドア周辺の補強縁枠を省略したにもか
かわらず、周辺におけるドア厚を正確に設定す
ることができる。さらに結合手段として溶接処
理を採用する場合でも、結合個所として突合せ
板部１ｃ，１ｃの先端を選べるので、第１図に
示す従来例にみられるようなドア全体への熱影
響が少く、表裏パネル１，１に歪が生じるのを
防止することができ、溶接作業の自動化が容易
になる。

(ハ) 屈曲板部１ａの基端湾曲部が、従来例におけ
る補強縁枠に代り強度メンバーとして機能する
ので、補強縁枠を省略したにもかかわらず十分
な強度を付与することができる。

(ニ) 溶接などによる結合処理は表裏ドアパネル
１，１間に施すだけであり、側部における結合
処理個所の隠ぺいも側面化粧カバー３を側面凹
溝２に嵌着するだけでよいので、組立作業を大
幅に簡略化しうる。

(ホ) とくに側面化粧カバー３は側面凹溝２に嵌着
して取付けるので、上下端が端面板部１ｄ，１
d′，１ｄ，１d′で保持され、十分な取付強度を
与えることができる。溶接などによりドアパネ
ル１，１に結合する場合には、例えば上下の端
面板部１ｄ，１d′，１ｄ，１d′の表側より処理
することにより、結合処理部が目に触れるのを
回避することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す要部水平断面図、第２図
はこの考案の一実施例を示す正面図、第３図は要
部水平断面図、第４図は縦断面図、第５図は要部
拡大水平断面図、第６図は部分破断分解斜視図、
第７図は他の実施例の要部拡大分解断面図であ
る。 １……ドアパネル、１ａ……屈曲板部、１ｂ…
…側面板部、１ｃ……突合せ板部、１ｄ，１d′…
…端面板部、２……側面凹溝、３……側面化粧カ
バー、３ａ……側片部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 表裏ドアパネルの各側縁部に、ドアパネルの
   内向面側に屈曲して屈曲基端を湾曲させた屈曲
   板部、この屈曲板部の先端を相手ドアパネルの
   内向面側に向けて折り返した側面板部、この側
   面板部の先端をドアパネル平面部と平行に外向
   きに折り曲げた突合せ板部を形成して、互に対
   向し合う前記突合せ板部同士を結合するととも
   に、表裏ドアパネルの各上下縁部に、相手ドア
   パネルに向けて水平に折り曲げた端面板部を形
   成して、互に対向し合う前記端面板部同士を重
   ね合せ、前記屈曲板部、側面板部、上下の端面
   板部で囲まれて形成される側部凹溝に、断面コ
   字状の側面化粧カバーをその両側片部が各屈曲
   板部に圧接するように嵌着したことを特徴とす
   るフラツシユドア。 (2) 表裏ドアパネルの一方は、その内向面に補強
   骨を有し、表裏ドアパネルの他方は、その内向
   面に前記補強骨に弾性嵌合する嵌合部材を有す
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のフラツ
   シユドア。