JPS6346840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ガラス電極式のPH計における指示
計、ガラス電極の劣化、及び変換器の点検又は校
正を行なうPH計用校正装置に関する。

PH計として被測定液に入れたガラス電極センサ
の電圧を検出してPH値を検出するガラス電極式PH
計があるが、ガラス電極の性能劣化や指示計の誤
差等によりPH計の信頼性が低下することがある。

そこで、従来、PH計の指示計を校正するため
に、基準電圧を発生する基準電圧設定器を設け、
スイツチの切換えによりガラス電極から発生する
各PH値に対応した正確な校正用電圧を選択して出
力端子からPH計の電極接続用端子に印加する校正
装置が開発されている。さらに、ガラス電極のチ
エツカーとして、所定PH値の液体中に入れたガラ
ス電極の出力電圧を可動線輪形指示計で表示する
チエツカーが開発されているが、この種の校正装
置やチエツカーはそれぞれ個別の機能しか持た
ず、取扱いが不便であると共に、自己校正機能を
もたないため、校正やチエツク時の精度確認を行
なうことができない欠点があつた。

この考案は、上記の欠点に着目し、PH計の指示
計の校正、ガラス電極等の性能劣化の検査を１台
の装置で機能的に行なうことができ、さらに、装
置自体の自己校正を可能としたPH計用校正装置を
提供することを目的とする。

このために、本考案は、PH値に対応する基準電
圧を発生し選択スイツチを介して出力する基準電
圧発生器と、この基準電圧をガラス電極の起電力
に対応したPH値毎の電圧信号に変換するレベル変
換器と、該レベル変換器から出力される電圧信号
を切換え可能な高抵抗を介して被校正PH計のガラ
ス電極端子に送る出力端子と、被検査ガラス電極
の起電力を入力する入力端子と、入力端子から入
力された電圧信号のインピーダンスを変換するイ
ンピーダンス変換器と、インピーダンス変換した
入力電圧信号をPH値を示す電圧に変換する電圧−
PH変換器と、インピーダンス変換器、電圧−PH変
換器、及び前記基準電圧発生器からの電圧信号を
PH値又は電圧値として選択的に表示するデジタル
電圧計とを備えて構成した。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図はPH計用校正装置の外観図を、第２図は
その電気回路のブロツク図を示している。１はPH
値に対応する基準電圧を発生する基準電圧発生器
で、PH１〜PH13を選択する選択スイツチ２を介し
て基準電圧を出力する。３はこの基準電圧を入力
しガラス電極の起電力に対応したPH値毎の検査電
圧に変換するレベル変換器で、例えばガラス電極
によりPHを20℃で測定したとき、ガラス電極に発
生する理論値としての電圧を発生する。この電圧
信号は、0.1MΩ〜500MΩの高抵抗５を切り換え
る切換スイツチ４を介して出力端子６から被校正
PH計に出力されるように出力回路が形成される。

７はガラス電極の性能劣化を検査する際に使用
する入力端子で、入力端子７にはインピーダンス
変換器８が接続され、さらに、インピーダンス変
換器８の出力側には入力した電圧信号をPH値に対
応した電圧（PH値として表示するための電圧）に
変換する電圧−PH変換器９が接続される。１０は
デジタル電圧計で、検査したガラス電極の起電力
をそのままmVの単位で表示すると共に、その電
圧信号を電圧−PH変換器９で変換したPH値用電圧
信号を入力してPH値としても表示する。１１はこ
のmV表示とPH表示を切り換える表示切換スイツ
チで、基準電圧発生器１から出力されるPH値に対
応した基準電圧値をそのまま表示する「OUT」
の切換接点をも備えている。１３は乾電池を備え
た電源回路で、基準電圧発生器１、デジタル電圧
計１０、電圧−PH変換器９、及びインピーダンス
変換器８に定電圧電源を供給する。１２はPH値を
デジタル電圧計で表示するときのゼロ調整器で、
PH７を検出したときのガラス電極の起電力が零と
いう点に着目し、入力端子７と共通端子１４を短
絡し、切換スイツチ１１をPH位置としたときのデ
ジタル電圧計１０の表示が7.00となるように調整
する。

次に、上記構成のPH計用校正装置の使用態様を
説明する。

先ず、PH計の指示計や変換器の校正を行なう場
合、校正装置の出力端子６と共通端子１４を被校
正PH計のガラス電極端子と比較電極端子に接続
し、切換スイツチ１１を「OUT」の位置にし、
抵抗用の切換スイツチ４を「100MΩ」の位置に
セツトし、この状態で選択スイツチ２をPH１〜PH
13まで切り換えながらPH計の指示計器に指示され
るPH値の読みを記録する。この時、校正装置のデ
ジタル電圧計１０には基準電圧発生器１から発生
した１PH当り100mVの基準電圧が入り、例えば
PH４に選択スイツチ２が選択されている場合には
400mVを4.00PHとして表示する。したがつて、基
準電圧発生器１の機能をチエツクすることがで
き、この表示がずれていれば、基準電圧発生器１
内の可変抵抗を調整してこれを校正することにな
る。一方、PH計の指示計が示したPH値が選択スイ
ツチ２によつて選択された値とずれがある場合に
はPH計を再調整してこのずれを補正する。なお、
選択スイツチ２をPH１又はPH13にした状態で切換
スイツチ４を100MΩから500MΩに順次切り換え
た時、PH計の指示計に0.5PH以上の変化がある場
合は、その指示計の入力回路に絶縁不良などの異
常があると判断できる。

次に、ガラス電極の性能劣化の検査を行なう場
合、ガラス電極のリード線を入力端子７に、比較
電極のリード線を共通端子１４に接続し、切換ス
イツチ１１を「mV」の位置に又はPH表示を行な
う場合「PH」の位置にセツトする。そこで、ガラ
ス電極および比較電極が既知の液体例えばPH７の
蒸りゆう水中に浸漬されているとき、デジタル電
圧計１０の表示が7.00であるか否かをチエツクし
た所定の誤差以上のずれがあればガラス電極の劣
化があると判定する。

なお、インピーダンス変換器５と電圧−PH変換
器６を含む入力系の自己校正又はセルフチエツク
は、校正装置の出力端子６と入力端子７を短絡
し、切換スイツチ１１を「PH」の位置にすること
により容易に行なうことができる。この場合、基
準電圧発生回路１から例えばPH４に対応した基準
電圧がレベル変換器３に送られ、レベル変換器３
からはPH４のときのガラス電極の起電力に対応し
た電圧信号が出力端子６、入力端子７を介してイ
ンピーダンス変換器８に入力され、ここでインピ
ーダンス変換された電圧信号は、電圧−PH変換器
９に送られ、対応したPH値を表示するための電圧
信号に変換された後、デジタル電圧計１０に印加
される。このようにしてデジタル電圧計１０に
は、校正装置が正常に機能しているとき、選択ス
イツチ２で選択した4.00PHの表示がなされるが、
表示されたPH値がずれているときにはレベル変換
器３や電圧−PH変換器６などの回路を再調整して
校正を行なう。

以上説明したように、この考案のPH計用校正装
置によれば、１台の装置でPH計の校正とガラス電
極のチエツクが各種の態様で容易に行なうことが
できると共に、高抵抗の切換えによりPH計の入力
回路や指示計の絶縁不良をチエツクできる。さら
に、基準電圧発生回路の自己校正が容易に可能と
なると共に、出力端子と入力端子を短絡すること
により、校正装置内の各回路の機能をチエツクで
きると共に、他の計器を使用せずこれらの回路の
自己校正を簡単に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図はPH計用
校正装置の外観斜視図、第２図は同装置の電気回
路のブロツク図である。 １……基準電圧発生回路、３……レベル変換
器、５……高抵抗、６……出力端子、７……入力
端子、８……インピーダンス変換器、９……電圧
−PH変換器、１０……デジタル電圧計。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. PH値に対応する基準電圧を発生し選択スイツチ
   を介して出力する基準電圧発生器と、該基準電圧
   をガラス電極の起電力に対応したPH値毎の電圧信
   号に変換するレベル変換器と、該レベル変換器か
   ら出力される電圧信号を切換え可能な高抵抗を介
   して被校正PH計のガラス電極端子に送る出力端子
   と、被検査ガラス電極の起電力を入力する入力端
   子と、該入力端子から入力された電圧信号のイン
   ピーダンスを変換するインピーダンス変換器と、
   インピーダンス変換した入力電圧信号をPH値を示
   す電圧に変換する電圧−PH変換器と、インピーダ
   ンス変換器、電圧−PH変換器、及び前記基準電圧
   発生器からの電圧信号を電圧値又はPH値として選
   択的に表示するデジタル電圧計を備えたことを特
   徴とするPH計用校正装置。