JPS6345308B2 - - Google Patents
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- JPS6345308B2 JPS6345308B2 JP56108724A JP10872481A JPS6345308B2 JP S6345308 B2 JPS6345308 B2 JP S6345308B2 JP 56108724 A JP56108724 A JP 56108724A JP 10872481 A JP10872481 A JP 10872481A JP S6345308 B2 JPS6345308 B2 JP S6345308B2
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- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
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-
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Description
本発明は、飛翔的液滴を形成して記録を行う液
体噴射記録法、殊に、熱エネルギーによつて飛翔
液滴を形成する液体噴射記録法に関する。 ノンインパクト記録法は、記録時に於ける騒音
の発生が無視し得る程度に極めて小さいという点
に於いて、最近関心を集めている。その中で、高
速記録が可能であり、而も所謂普通紙に定着とい
う特別な処理を必要とせずに記録を行える所謂イ
ンクジエツト記録法（液体噴射記録法）は、極め
て有力な記録法であつて、これ迄にも様々な方式
の提案とそれを具現化する装置が考案され、改良
が加えられて商品化されたものもあれば、現在も
尚実用化への努力が続けられているものもある。 その中で、例えば特開昭54―51837号公報、ド
イツ公開（DOLS）第2843064号公報に記載され
てある液体噴射記録法は、熱エネルギーを液体に
作用させて、液滴吐出の為の原動力を得るという
点に於いて、他の液体噴射記録法とは、異なる特
徴を有している。 即ち、上記の公報に開示されてある記録法は、
熱エネルギーの作用を受けた液体が急峻な体積の
増大を伴う状態変化を起し、該状態変化に基く作
用力によつて、記録ヘツド部先端のオリフイスよ
り液滴が吐出、飛翔して被記録部材に付着し記録
が行われるという特徴である。 殊に、POLS2843064号に開示されている液体
噴射記録法は、所謂drop―on demand記録法に
極めて有効に適用されるばかりではなく、所録ヘ
ツド部をfull lineタイプで高密度マルチオリフイ
ス化として容易に具現化出来るので、高解像度、
高品質の画像を高速で得られるという特徴を有し
ている。 この様に、上記の液体噴射記録法は、優れた特
徴を有するものであるが、さらに高信頼度の記録
を可能にするためには、電気熱変換体のピーク温
度を下げ、その劣化を防ぐ必要がある。 詰り、上記の液体噴射記録法は、熱作用による
気泡の発生とその急峻な体積の増大と減衰に基く
急激な状態変化によつて、記録ヘツドのオリフイ
スより液滴を飛翔的に吐出させて記録するが、こ
の時、電気熱変換体にON―OFF動作で画素信号
に対して１つのパルス信号を与えて、熱作用部に
於いて気泡を発生・成長・減少させると電気・熱
変換体の熱作用面のピーク温度が必要以上に高く
なる。この点を第１図を参照し乍ら説明する。 ON―OFF動作で時刻t0に電気・熱変換体に電
気信号Ｐが入力されると、電気・熱変換体は、そ
の信号Ｐに応じた熱エネルギーを発生する。この
熱エネルギーは液体と電気・熱変換体とが接触す
る面としての熱作用面上に於いて、液体の気化す
る温度TBに至る時刻t1まで、液体を暖める。時刻
t1から液体は潜熱をもらい、気化し始めて液中に
気泡が形成される。気泡の体積Ｖは液体が熱をも
らい続ける以上膨張し続ける。この時信号Ｐが
OFFされる時刻t2に於いて熱作用面の温度は最高
値Tpとなり、その後減衰的に減少する。このと
き、TB以上の温度では、熱作用面上に気泡が存
在し、断熱に近い状態となつている。 従つて、熱作用面上に形成される気泡が必要以
上に熱作用面上に存在していると、熱作用面の温
度が必要以上に急速に高まり過剰なピーク温度を
与える様になる。この過剰なピーク温度は電気・
熱変換体の耐久寿命の劣化を早めるだけでなく、
インク成分の熱分解、不溶生成物の生成等が起り
やすくさせている。このことが記録画像の品質低
下、強いては、記録停止の原因となる。また、断
熱状態での熱エネルギーは液滴形成の為のエネル
ギーに効率良く、変換されにくく、消費電力の増
加を招く。 本発明は、この点に鑑み成されたものであつ
て、従来法に較べ連続的長時間記録に於いて、常
時安定して、且つ高品質の画像記録を維持するこ
とが出来る高信頼性の液体噴射記録法を提案する
事を目的とする。 本発明の液体噴射記録法は、液体を吐出して飛
翔的液滴を形成する為に設けられたオリフイス
と、該オリフイスに連通し、液体を吐出する為の
熱エネルギーが液体に作用する部分である熱作用
部とを有する液吐出部と、熱エネルギーを発生す
る手段としての電気・熱変換体とを具備する記録
ヘツドを使用する液体噴射記録法に於いて、前記
電気・熱変換体に入力する一画素信号を複数のパ
ルス信号で構成し、一画素信号の入力に対して一
液滴を形成する事を特徴とする。 以下、本発明を図面に従つて、更に具体的に説
明する。 第１図ａは、本発明が適用される液体噴射記録
ヘツドの１つのオリフイス側から見た正面部分
図、第１図ｂは、第１図ａに一点鎖線XYで示す
部分で切断した場合の切断面部分図である。 図に示される記録ヘツド１は、その表面に電
気・熱変換体２が設けられている基板３の表面
に、所定の線密度で所定の巾と深さの溝が所定数
設けられている溝付板４で覆う様に接合すること
によつて、オリフイス５と液吐出部６が形成され
た構造を有している。図に示す記録ヘツドの場
合、オリフイス５を複数有するものとして示され
てあるが、勿論本発明は、これに限定されるもの
ではなく単一オリフイスの場合の記録ヘツドへの
適用の場合も本発明の範疇に這入るものである。 液吐出部６は、その終端に液滴を吐出させる為
のオリフイス５と、電気・熱変換体２より発生さ
れる熱エネルギーが液体に作用して気泡を発生
し、その体積の膨張と収縮に依る急激な状態変化
を引起す処である熱作用部７とを有する。 熱作用部７は、電気・熱変換体２の熱発生部８
の上部に位置し、熱発生部８の液体と接触する熱
作用面９をその底面としている。 熱発生部８は、基板３上に設けられた下部層１
０、該下部層１０上に設けられた発熱抵抗層１
１、該発熱抵抗層１１上に設けられた上部層１２
とで構成される。発熱抵抗層１１には、熱を発生
させる為に該層１１に通電する為の電極１３，１
４がその表面に設けられてある。電極１３は、各
液吐出部の熱発生部に共通の電極であり、電極１
４は、各液吐出部の熱発生部を選択して発熱させ
る為の選択電極であつて、液吐出部の流路に沿つ
て設けられてある。 上部層１２は、発熱抵抗層１１を、使用する液
体から化学的・物理的に保護する為に発熱抵抗層
１１と液吐出部６にある液体とを隔絶すると共
に、液体を通じて電極１３，１４間が短絡するの
を防止する発熱抵抗層１１の保護的機能を有して
いる。 上部層１２は、上記の様な機能を有するもので
あるが、発熱抵抗層１１が、耐液性があり、且つ
液体を通じて電極１３，１４間が電気的に短絡す
る心配が全くない場合には、必ずしも設ける必要
はなく、発熱抵抗層１１の表面に直ちに液体が接
触する構造の電気・熱変換体として設計しても良
い。 下部層１０は、主に熱流量制御機能を有する。
即ち、液滴吐出の際には、発熱抵抗層１１で発生
する熱が基板３側の方に伝導するよりも、熱作用
部７側の方に伝導する割合が出来る限り多くな
り、液滴吐出後、詰り発熱抵抗層１１への通電が
OFFされた後には、熱作用部７及び熱発生部８
にある熱が速かに基板３側に放出されて、熱作用
部７にある液体及び発生した気泡が急冷される為
に設けられる。 本発明の液体噴射記録法は、この様な記録ヘツ
ドに於いて、第３図に示すように、電気・熱変換
体２へ一画素信号を複数のパルス信号で構成し、
この一画素信号を、即ち、一画素信号を複数に分
割したパルス波形信号として入力する。ここで、
第１パルスは、熱作用面に於いて、液体の気化す
る温度TBからそれより20％高い温度Tpに至る時
刻以内でOFFし、熱作用面の温度がTBまで冷却
される間放置する。再び、熱作用面上の温度が
TBに至つた時、第２パルスをONし、第１パルス
と同様、Tpに至ると同時にOFFする。第３パル
ス以降は第２パルスと同様にし、最終パルスの
OFFする時刻が気体が凝縮し終わる時刻t7を越え
ないような時間幅に於いて、一画素信号を複数の
パルス信号に分解して記録ヘツドを駆動する。 このことにより、電気・熱変換体２の熱作用面
９のピーク温度は低下し、TB以上の熱エネルギ
ーが同一の場合、供給する熱エネルギーを少なく
押えることができる。従つて、記録ヘツドの耐久
寿命が向上し、省電力向けの記録ヘツドの設計が
可能となる。 第４図乃至第６図には、本発明に於ける一画素
信号を構成する複数のパルス信号の好適な波形例
が示される。 第４図に示される波形例は、一画素信号をパル
ス幅、パルス間隔を等しくした信号レベルの異な
るパルス信号P1，P2，P3で構成した場合である。
図に於いて、第２パルス信号P2と第３パルス信
号P3とは同一信号レベルを有しており、第１パ
ルス信号P1の信号レベルがこれ等２つの信号の
信号レベルよりも一段と高くなつている。 第５図に示される波形例は、第２パルス信号
P2が第１パルス信号P1に較べて、パルス幅が４
倍、信号レベルが約1/3とされた一画素信号の例
である。 第６図は、一画素信号を信号レベルもパルス幅
も各々異なる３つのパルス信号P1，P2，P3で構
成した波形例である。 以下、本発明を実施例に従つて具体的に説明す
る。 実施例 シリコン基板上にSiO2層（下部層）をスパツ
タリングにより3μｍ厚に形成、続いて発熱抵抗
層としてHfB2を1000Å厚に、アルミニウムを電
極として3000Å厚に積層した後、選択エツチング
によつて80μｍ×200μｍの発熱抵抗体パターンを
形成した。次にSiO2層をスパツタリングにより
0.5μｍ厚に保護層（上部層）として積層して基板
上に電気・熱変換体を形成した後、幅80μｍ×深
さ80μｍの溝を刻んだガラス板を溝と発熱抵抗体
が合致するように接合した。引続いて発熱抵抗体
の先端とオリフイスの距離が300μｍになるよう
オリフイス端面を研磨して記録ヘツドを作成し
た。この記録ヘツドに黒色染料とエタノールを主
成分とするインクを0.01気圧の背圧で熱作用部に
供給しながら、第１パルスとして10μs、40V、第
２パルスとして2μs、40V、第３パルスとして
2μs、40V、また、第１パルスと第２パルス、第
２パルスと第３パルスの間隔は3μsとした。連続
矩形電圧印字信号を200μsの同期で電気・熱変換
体２に24時間連続して印加したところ20μs、40V
の矩形電圧パルス信号を200μsの周期で24時間連
続印加した場合に比べ、その画質及びヘツド寿命
ともに向上した。 第１表には、上記の条件で上記と同様にして作
成したヘツド50サンプルについての画像の評価を
経時的に行つた結果が示されている。 また、第２表には、上記の50サンプル中の断線
状態を経時的に調べた結果を示す。 尚、表において、画像評価の基準は、〇…極め
て高品質、△…実用的に充分通用する品質、×…
実用的に不適な品質である。 また、ヘツド寿命評価の基準は、〇…50サンプ
ル中断線０％、△…50サンプル中断線率５％以
内、×…50サンプル中断線率10％以内である。 ここで、前記実施例中の第１パルス信号の電圧
を50Vに高めると、熱作用面上の温度上昇率が増
加し、TBに到達する時間が短縮できる。従つて、
第１パルスの幅を短かくすることが可能となり、
ヘツド噴射の応答性を一層向上させることが出来
る。 さらに、第４図に示すように各パルス幅を同じ
にとつた場合、そのパルス信号ごとの印加電圧を
変えてやれば上記と同様な効果が期待できる。 以上説明したように、電気・熱変換体に入力す
る一画素信号で液体を気化させることで飛翔的な
液滴を形成する液体噴射記録法において、その一
画素信号を気体が凝縮して液体になり終わるまで
の時刻内で分割して複数のパルス信号とし、これ
等の複数のパルス信号を一画素信号として電気・
熱変換体に入力して、飛翔的液滴を形成するとそ
の記録ヘツドの耐久寿命が著しく伸び、消費エネ
ルギーも少なくなる効果がある。 さらには、画像の品質も、長時間の連続吐出に
おいて著しく向上する。
体噴射記録法、殊に、熱エネルギーによつて飛翔
液滴を形成する液体噴射記録法に関する。 ノンインパクト記録法は、記録時に於ける騒音
の発生が無視し得る程度に極めて小さいという点
に於いて、最近関心を集めている。その中で、高
速記録が可能であり、而も所謂普通紙に定着とい
う特別な処理を必要とせずに記録を行える所謂イ
ンクジエツト記録法（液体噴射記録法）は、極め
て有力な記録法であつて、これ迄にも様々な方式
の提案とそれを具現化する装置が考案され、改良
が加えられて商品化されたものもあれば、現在も
尚実用化への努力が続けられているものもある。 その中で、例えば特開昭54―51837号公報、ド
イツ公開（DOLS）第2843064号公報に記載され
てある液体噴射記録法は、熱エネルギーを液体に
作用させて、液滴吐出の為の原動力を得るという
点に於いて、他の液体噴射記録法とは、異なる特
徴を有している。 即ち、上記の公報に開示されてある記録法は、
熱エネルギーの作用を受けた液体が急峻な体積の
増大を伴う状態変化を起し、該状態変化に基く作
用力によつて、記録ヘツド部先端のオリフイスよ
り液滴が吐出、飛翔して被記録部材に付着し記録
が行われるという特徴である。 殊に、POLS2843064号に開示されている液体
噴射記録法は、所謂drop―on demand記録法に
極めて有効に適用されるばかりではなく、所録ヘ
ツド部をfull lineタイプで高密度マルチオリフイ
ス化として容易に具現化出来るので、高解像度、
高品質の画像を高速で得られるという特徴を有し
ている。 この様に、上記の液体噴射記録法は、優れた特
徴を有するものであるが、さらに高信頼度の記録
を可能にするためには、電気熱変換体のピーク温
度を下げ、その劣化を防ぐ必要がある。 詰り、上記の液体噴射記録法は、熱作用による
気泡の発生とその急峻な体積の増大と減衰に基く
急激な状態変化によつて、記録ヘツドのオリフイ
スより液滴を飛翔的に吐出させて記録するが、こ
の時、電気熱変換体にON―OFF動作で画素信号
に対して１つのパルス信号を与えて、熱作用部に
於いて気泡を発生・成長・減少させると電気・熱
変換体の熱作用面のピーク温度が必要以上に高く
なる。この点を第１図を参照し乍ら説明する。 ON―OFF動作で時刻t0に電気・熱変換体に電
気信号Ｐが入力されると、電気・熱変換体は、そ
の信号Ｐに応じた熱エネルギーを発生する。この
熱エネルギーは液体と電気・熱変換体とが接触す
る面としての熱作用面上に於いて、液体の気化す
る温度TBに至る時刻t1まで、液体を暖める。時刻
t1から液体は潜熱をもらい、気化し始めて液中に
気泡が形成される。気泡の体積Ｖは液体が熱をも
らい続ける以上膨張し続ける。この時信号Ｐが
OFFされる時刻t2に於いて熱作用面の温度は最高
値Tpとなり、その後減衰的に減少する。このと
き、TB以上の温度では、熱作用面上に気泡が存
在し、断熱に近い状態となつている。 従つて、熱作用面上に形成される気泡が必要以
上に熱作用面上に存在していると、熱作用面の温
度が必要以上に急速に高まり過剰なピーク温度を
与える様になる。この過剰なピーク温度は電気・
熱変換体の耐久寿命の劣化を早めるだけでなく、
インク成分の熱分解、不溶生成物の生成等が起り
やすくさせている。このことが記録画像の品質低
下、強いては、記録停止の原因となる。また、断
熱状態での熱エネルギーは液滴形成の為のエネル
ギーに効率良く、変換されにくく、消費電力の増
加を招く。 本発明は、この点に鑑み成されたものであつ
て、従来法に較べ連続的長時間記録に於いて、常
時安定して、且つ高品質の画像記録を維持するこ
とが出来る高信頼性の液体噴射記録法を提案する
事を目的とする。 本発明の液体噴射記録法は、液体を吐出して飛
翔的液滴を形成する為に設けられたオリフイス
と、該オリフイスに連通し、液体を吐出する為の
熱エネルギーが液体に作用する部分である熱作用
部とを有する液吐出部と、熱エネルギーを発生す
る手段としての電気・熱変換体とを具備する記録
ヘツドを使用する液体噴射記録法に於いて、前記
電気・熱変換体に入力する一画素信号を複数のパ
ルス信号で構成し、一画素信号の入力に対して一
液滴を形成する事を特徴とする。 以下、本発明を図面に従つて、更に具体的に説
明する。 第１図ａは、本発明が適用される液体噴射記録
ヘツドの１つのオリフイス側から見た正面部分
図、第１図ｂは、第１図ａに一点鎖線XYで示す
部分で切断した場合の切断面部分図である。 図に示される記録ヘツド１は、その表面に電
気・熱変換体２が設けられている基板３の表面
に、所定の線密度で所定の巾と深さの溝が所定数
設けられている溝付板４で覆う様に接合すること
によつて、オリフイス５と液吐出部６が形成され
た構造を有している。図に示す記録ヘツドの場
合、オリフイス５を複数有するものとして示され
てあるが、勿論本発明は、これに限定されるもの
ではなく単一オリフイスの場合の記録ヘツドへの
適用の場合も本発明の範疇に這入るものである。 液吐出部６は、その終端に液滴を吐出させる為
のオリフイス５と、電気・熱変換体２より発生さ
れる熱エネルギーが液体に作用して気泡を発生
し、その体積の膨張と収縮に依る急激な状態変化
を引起す処である熱作用部７とを有する。 熱作用部７は、電気・熱変換体２の熱発生部８
の上部に位置し、熱発生部８の液体と接触する熱
作用面９をその底面としている。 熱発生部８は、基板３上に設けられた下部層１
０、該下部層１０上に設けられた発熱抵抗層１
１、該発熱抵抗層１１上に設けられた上部層１２
とで構成される。発熱抵抗層１１には、熱を発生
させる為に該層１１に通電する為の電極１３，１
４がその表面に設けられてある。電極１３は、各
液吐出部の熱発生部に共通の電極であり、電極１
４は、各液吐出部の熱発生部を選択して発熱させ
る為の選択電極であつて、液吐出部の流路に沿つ
て設けられてある。 上部層１２は、発熱抵抗層１１を、使用する液
体から化学的・物理的に保護する為に発熱抵抗層
１１と液吐出部６にある液体とを隔絶すると共
に、液体を通じて電極１３，１４間が短絡するの
を防止する発熱抵抗層１１の保護的機能を有して
いる。 上部層１２は、上記の様な機能を有するもので
あるが、発熱抵抗層１１が、耐液性があり、且つ
液体を通じて電極１３，１４間が電気的に短絡す
る心配が全くない場合には、必ずしも設ける必要
はなく、発熱抵抗層１１の表面に直ちに液体が接
触する構造の電気・熱変換体として設計しても良
い。 下部層１０は、主に熱流量制御機能を有する。
即ち、液滴吐出の際には、発熱抵抗層１１で発生
する熱が基板３側の方に伝導するよりも、熱作用
部７側の方に伝導する割合が出来る限り多くな
り、液滴吐出後、詰り発熱抵抗層１１への通電が
OFFされた後には、熱作用部７及び熱発生部８
にある熱が速かに基板３側に放出されて、熱作用
部７にある液体及び発生した気泡が急冷される為
に設けられる。 本発明の液体噴射記録法は、この様な記録ヘツ
ドに於いて、第３図に示すように、電気・熱変換
体２へ一画素信号を複数のパルス信号で構成し、
この一画素信号を、即ち、一画素信号を複数に分
割したパルス波形信号として入力する。ここで、
第１パルスは、熱作用面に於いて、液体の気化す
る温度TBからそれより20％高い温度Tpに至る時
刻以内でOFFし、熱作用面の温度がTBまで冷却
される間放置する。再び、熱作用面上の温度が
TBに至つた時、第２パルスをONし、第１パルス
と同様、Tpに至ると同時にOFFする。第３パル
ス以降は第２パルスと同様にし、最終パルスの
OFFする時刻が気体が凝縮し終わる時刻t7を越え
ないような時間幅に於いて、一画素信号を複数の
パルス信号に分解して記録ヘツドを駆動する。 このことにより、電気・熱変換体２の熱作用面
９のピーク温度は低下し、TB以上の熱エネルギ
ーが同一の場合、供給する熱エネルギーを少なく
押えることができる。従つて、記録ヘツドの耐久
寿命が向上し、省電力向けの記録ヘツドの設計が
可能となる。 第４図乃至第６図には、本発明に於ける一画素
信号を構成する複数のパルス信号の好適な波形例
が示される。 第４図に示される波形例は、一画素信号をパル
ス幅、パルス間隔を等しくした信号レベルの異な
るパルス信号P1，P2，P3で構成した場合である。
図に於いて、第２パルス信号P2と第３パルス信
号P3とは同一信号レベルを有しており、第１パ
ルス信号P1の信号レベルがこれ等２つの信号の
信号レベルよりも一段と高くなつている。 第５図に示される波形例は、第２パルス信号
P2が第１パルス信号P1に較べて、パルス幅が４
倍、信号レベルが約1/3とされた一画素信号の例
である。 第６図は、一画素信号を信号レベルもパルス幅
も各々異なる３つのパルス信号P1，P2，P3で構
成した波形例である。 以下、本発明を実施例に従つて具体的に説明す
る。 実施例 シリコン基板上にSiO2層（下部層）をスパツ
タリングにより3μｍ厚に形成、続いて発熱抵抗
層としてHfB2を1000Å厚に、アルミニウムを電
極として3000Å厚に積層した後、選択エツチング
によつて80μｍ×200μｍの発熱抵抗体パターンを
形成した。次にSiO2層をスパツタリングにより
0.5μｍ厚に保護層（上部層）として積層して基板
上に電気・熱変換体を形成した後、幅80μｍ×深
さ80μｍの溝を刻んだガラス板を溝と発熱抵抗体
が合致するように接合した。引続いて発熱抵抗体
の先端とオリフイスの距離が300μｍになるよう
オリフイス端面を研磨して記録ヘツドを作成し
た。この記録ヘツドに黒色染料とエタノールを主
成分とするインクを0.01気圧の背圧で熱作用部に
供給しながら、第１パルスとして10μs、40V、第
２パルスとして2μs、40V、第３パルスとして
2μs、40V、また、第１パルスと第２パルス、第
２パルスと第３パルスの間隔は3μsとした。連続
矩形電圧印字信号を200μsの同期で電気・熱変換
体２に24時間連続して印加したところ20μs、40V
の矩形電圧パルス信号を200μsの周期で24時間連
続印加した場合に比べ、その画質及びヘツド寿命
ともに向上した。 第１表には、上記の条件で上記と同様にして作
成したヘツド50サンプルについての画像の評価を
経時的に行つた結果が示されている。 また、第２表には、上記の50サンプル中の断線
状態を経時的に調べた結果を示す。 尚、表において、画像評価の基準は、〇…極め
て高品質、△…実用的に充分通用する品質、×…
実用的に不適な品質である。 また、ヘツド寿命評価の基準は、〇…50サンプ
ル中断線０％、△…50サンプル中断線率５％以
内、×…50サンプル中断線率10％以内である。 ここで、前記実施例中の第１パルス信号の電圧
を50Vに高めると、熱作用面上の温度上昇率が増
加し、TBに到達する時間が短縮できる。従つて、
第１パルスの幅を短かくすることが可能となり、
ヘツド噴射の応答性を一層向上させることが出来
る。 さらに、第４図に示すように各パルス幅を同じ
にとつた場合、そのパルス信号ごとの印加電圧を
変えてやれば上記と同様な効果が期待できる。 以上説明したように、電気・熱変換体に入力す
る一画素信号で液体を気化させることで飛翔的な
液滴を形成する液体噴射記録法において、その一
画素信号を気体が凝縮して液体になり終わるまで
の時刻内で分割して複数のパルス信号とし、これ
等の複数のパルス信号を一画素信号として電気・
熱変換体に入力して、飛翔的液滴を形成するとそ
の記録ヘツドの耐久寿命が著しく伸び、消費エネ
ルギーも少なくなる効果がある。 さらには、画像の品質も、長時間の連続吐出に
おいて著しく向上する。
【表】
第１図は、記録ヘツドに１パルス信号で構成さ
れた一画素信号を入力する時の電気・熱変換体の
熱作用面の表面温度Ｔ、及び形成される気泡の体
積Ｖの時間的変化を示すタイミング図、第２図ａ
は、本発明の適用される液体噴射記録ヘツドの好
適な実施態様の１つのオリフイス側からの正面部
分図、第２図ｂは、第２図ａの一点鎖線XYで示
す部分で切断した場合の切断面部分図、第３図
は、本発明を説明する為のものであつて記録ヘツ
ドに一画素信号としてマルチパルス信号を入力し
た時の電気・熱変換体２の熱作用面９の表面温度
Ｔ、及び気泡体積Ｖの時間的変化を示すタイミン
グ図、第４図乃至第６図は、夫々本発明に於ける
一画素信号の構成例を示す図である。 １…液体噴射記録ヘツド、２…電気・熱変換
体、３…基板、４…溝付板、５…オリフイス、６
…液吐出部、７…熱作用部、８…熱発生部、９…
熱作用面、１０…下部層、１１…発熱抵抗層、１
２…上部層、１３…共通電極、１４…選択電極。
れた一画素信号を入力する時の電気・熱変換体の
熱作用面の表面温度Ｔ、及び形成される気泡の体
積Ｖの時間的変化を示すタイミング図、第２図ａ
は、本発明の適用される液体噴射記録ヘツドの好
適な実施態様の１つのオリフイス側からの正面部
分図、第２図ｂは、第２図ａの一点鎖線XYで示
す部分で切断した場合の切断面部分図、第３図
は、本発明を説明する為のものであつて記録ヘツ
ドに一画素信号としてマルチパルス信号を入力し
た時の電気・熱変換体２の熱作用面９の表面温度
Ｔ、及び気泡体積Ｖの時間的変化を示すタイミン
グ図、第４図乃至第６図は、夫々本発明に於ける
一画素信号の構成例を示す図である。 １…液体噴射記録ヘツド、２…電気・熱変換
体、３…基板、４…溝付板、５…オリフイス、６
…液吐出部、７…熱作用部、８…熱発生部、９…
熱作用面、１０…下部層、１１…発熱抵抗層、１
２…上部層、１３…共通電極、１４…選択電極。
Claims (1)
- １ 液体を吐出して飛翔的液滴を形成する為に設
けられたオリフイスと、該オリフイスに連通し、
液体を吐出する為の熱エネルギーが液体に作用す
る部分である熱作用部とを有する液吐出部と、熱
エネルギーを発生する手段としての電気・熱変換
体とを具備する記録ヘツドを使用する液体噴射記
録法に於いて、前記電気・熱変換体に入力する一
画素信号を複数のパルス信号で構成し、一画素信
号の入力に対して一液滴を形成する事を特徴とす
る液体噴射記録法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10872481A JPS5811169A (ja) | 1981-07-10 | 1981-07-10 | 液体噴射記録法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10872481A JPS5811169A (ja) | 1981-07-10 | 1981-07-10 | 液体噴射記録法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5811169A JPS5811169A (ja) | 1983-01-21 |
| JPS6345308B2 true JPS6345308B2 (ja) | 1988-09-08 |
Family
ID=14491939
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10872481A Granted JPS5811169A (ja) | 1981-07-10 | 1981-07-10 | 液体噴射記録法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5811169A (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0643128B2 (ja) * | 1983-02-05 | 1994-06-08 | キヤノン株式会社 | インクジェットヘッド |
| JPS59146861A (ja) * | 1983-02-14 | 1984-08-22 | Canon Inc | インクジェットヘッド |
| US4503444A (en) * | 1983-04-29 | 1985-03-05 | Hewlett-Packard Company | Method and apparatus for generating a gray scale with a high speed thermal ink jet printer |
| JPS60120067A (ja) * | 1983-12-01 | 1985-06-27 | Canon Inc | 液体噴射記録ヘツド |
| JPH062416B2 (ja) * | 1984-01-30 | 1994-01-12 | キヤノン株式会社 | 液体噴射記録ヘッドの製造方法 |
| JPS6287354A (ja) * | 1985-10-15 | 1987-04-21 | Sanyo Electric Co Ltd | インクジエツトプリンタの温度制御装置 |
| JP2793622B2 (ja) * | 1988-12-27 | 1998-09-03 | 株式会社リコー | 液体噴射記録装置 |
| DE69409020T2 (de) * | 1993-02-05 | 1998-07-02 | Hewlett Packard Co | System zur Reduzierung der Antriebsenergie in einem thermischen Tintenstrahlschnelldrucker |
| JP2612232B2 (ja) * | 1994-02-14 | 1997-05-21 | コニカ株式会社 | オンデマンドインクジェット記録装置用パルス電圧発生回路 |
| US6109732A (en) * | 1997-01-14 | 2000-08-29 | Eastman Kodak Company | Imaging apparatus and method adapted to control ink droplet volume and void formation |
| EP0867284A3 (en) * | 1997-03-26 | 1999-08-25 | Eastman Kodak Company | Imaging apparatus and method adapted to control ink droplet volume and void formation |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5463295A (en) * | 1977-10-28 | 1979-05-22 | Canon Inc | Thermal head |
| JPS55161665A (en) * | 1979-06-01 | 1980-12-16 | Canon Inc | Liquid injection recording method |
| JPS5617276A (en) * | 1979-07-20 | 1981-02-19 | Mitsubishi Electric Corp | Heat-sensitive recording system |
-
1981
- 1981-07-10 JP JP10872481A patent/JPS5811169A/ja active Granted
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5463295A (en) * | 1977-10-28 | 1979-05-22 | Canon Inc | Thermal head |
| JPS55161665A (en) * | 1979-06-01 | 1980-12-16 | Canon Inc | Liquid injection recording method |
| JPS5617276A (en) * | 1979-07-20 | 1981-02-19 | Mitsubishi Electric Corp | Heat-sensitive recording system |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5811169A (ja) | 1983-01-21 |
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