JPS6344401Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はビジネスソツクス、カジユアルソツク
ス、ウオーキング或いはジヨギングをはじめあら
ゆるスポーツに好適なソツクス係り、着地からキ
ツクに至る一連の歩行動作において足底が受ける
地面からの突き上げを緩和し、立姿勢の安定性を
保ちかつ常時正しい歩行姿勢が維持できるソツク
スを提供せんとするものである。

従来より一般に着用されるソツクスは所謂肌着
としての機能、即ち足の保温、足と靴との接触に
よる足の汚れ防止、並びに靴との接触摩擦を防止
して足を保護する等の機能を有するものである
が、これら従来品は、そのほとんどが全体を均一
の厚みで編成しているため、例えば冬物のソツク
スのように全体を厚手生地で形成されているもの
では足裏面の微妙な感覚を損い、足の動きをシユ
ーズに伝達し難いという欠陥があり、また逆に全
体を薄手に編成したソツクスでは地面からの突き
上げを緩和し得ず、歩行による早期疲労をもたら
すという欠陥がある。即ち従来品では前述した単
なるソツクスの肌着的機能を越えたところに尚、
改良の余地を残すものである。

ところで歩行運動においては、第５図に示すよ
うに、先づかかとの着地に始まり、外ふまず
部を後部から除々につけていき、第５指のボー
ル部に達し、足底を横切つて第１指のボール部ま
でローリングさせそのまま第１指の反りなりにピ
ツチングさせて力を次第に第１指爪先部へ移し、
最後に各指で踏み出しを行い前進する。こうし
た歩行運動に際し正しく健康的に歩くには足の中
足趾関節の前方に位置する各足指を十分に使つて
歩くことが理想とされている。即ちこの各足指の
正しい位置での踏み出しができれば上体が十分に
伸び膝、股の各関節も自然に伸び、正しい姿勢が
維持できスムーズな歩行が可能になるとされてい
る。

更に身体の正しい姿勢は足の中足趾節関節から
先部分にある足指の支持力によつて維持される、
つまり各足指での地面保持力、所謂ふんばりが身
体の前傾、後傾、左右方向へのぶれ等全ゆる動き
にしたがつて作用し身体のバランスを保ち常時身
体の正しい姿勢を維持させる機能を有するもので
ある、即ち前述した如く足の最も屈曲の中心とな
る中足趾関節から先部辺の自由な動きを促進する
ことが正しい立位及び歩行姿勢を維持する要とな
るわけである。換言すれば係る部位での爪先の自
由な動きが阻害されるということは正しい歩行姿
勢及び正しい立位の妨げとなるということであ
る。

従つて本考案はこうした足の運動機能に着眼
し、正しい立位及び歩行姿勢を維持するための要
となる足の中足趾節関節を中心とする爪先部分の
自由な動きを促進させ、かつ地面からの突き上げ
を緩和し、歩行による早期疲労を軽減することが
できるソツクスを形成することを技術的課題とな
すものである。即ち本考案は前述した点に鑑みて
考案したものであつて、肉厚部分と伸縮性の良行
な肉薄部分で編成されたソツクスにおいて、前記
肉薄部分はその足底側では少くとも足の中足趾節
関節直下相当部より幾分前方寄り部辺、即ち足指
の付根沿い部辺から爪先端部に至る爪先部辺に設
け、かつ足甲側では中足趾節関節直上相当部から
やや後退した部辺から爪先端部に至る爪先部辺に
設けるとともに該肉薄部分を除く部辺を肉厚部分
にて編成して成ることを新規な構成となすソツク
スである。以下本考案の実施例を添付図面に基い
て説明すると、先づ第１図及び第３図に示すよう
に伸縮性の良好な薄手生地で編成した肉薄部分２
を足の中足趾節関節直下相当部からやや前方寄
り、即ち足指の付根沿い部辺３から爪先端部に至
る爪先部辺ａに設け、足甲側ロでは、第２図に示
すように中足趾節関節直上相当部からやや後退し
た部辺４から爪先端部に至る爪先部辺ｂに設ける
とともに該爪先部辺ａ及びｂを除く部位を厚手部
分１で編成したものである。

従つて本考案はこのように伸縮性の良好な肉薄
部分２を足の中足趾関節を中心として爪先部辺ａ
及びｂに設けているため、足の中足趾節関節から
前方に位置する足指の自由な運動を促進し、かつ
足指と接地面との接触感覚を鋭敏となし足指の地
面保持力、即ち身体の全ゆる方向へのぶれに追随
する各足指の“ふんばり”を十分に生かせるよう
にし、もつて身体のバランスを保ち立位、歩行姿
勢の安定性を測ることが出来たものである、しか
も該部分における足指の微妙な感覚をシユーズの
底面に有する凹凸に伝達することができて足とシ
ユーズとの一体感が得られ、着実なる歩行の感覚
が得られるという効果がある。また、足底側イの
爪先部辺ａを除く略全面部辺を肉厚部分１に形成
しているためソツクスＡのクツシヨン性を向上さ
せ、シユーズの底面に有するクツシヨンとの相乗
効果により、歩行による地面からの突き上げを緩
和し足の早期疲労を解消し得る。また、足甲側ロ
においてはその肉厚部分１がシユーズの靴紐の締
付けによる甲被の圧迫を緩和しシユーズと足との
接触感を良好になすという利点がある。尚この際
肉薄部分２を足の中足趾節関節直上相当部からや
や後退した部辺から爪先端部に至る爪先部辺ｂに
設けているのは、足指の自由な動きを阻害せず正
しい歩行姿勢を維持するためであることは勿論で
あるが、歩行に際し足指が中足趾節関節部を中心
として大きく屈曲した際、肉厚部分１が該中足節
関節部に大きくせり出し、該部分を強く圧迫しな
いように肉厚部１を若干後退させたものである。
また本考案は前述した実施例の他、肉厚部分１を
有する足底イを前記各爪先部辺ａ及びｂの肉薄部
分２より肉薄とならない限りにおいてその厚みに
種々変化を加えることも勿論可能である。例えば
第４図はその実施例であり、足の不踏部相当部
５を若干薄手に形成（勿論爪先部辺ａ及びｂより
は厚手である。）することも可能である。このよ
うにすればシユーズに設けられたアーチクツシヨ
ンと靴甲被との間に挟まれた該部分が強力な圧迫
を設けることを回避しシユーズのアーチクツシヨ
ンの機能を十分果すことができるという利点があ
る。更に第４図及びに示す如く、殊に歩行運
動に際し着地からキツクに至る過程において着用
者の重力の最もかかり易い踵踏付部６並びに母指
球直下部辺７を他の肉厚部１より若干厚くするこ
とも可能である。このようにすれば地面からの突
上げの緩衝効果を一層効果的に高めることが可能
である。

前述した本考案のソツクスはその肉厚部分２に
は天然、合成繊維をパイル編成したもの等弾性に
富む生地で形成することが望ましい。また肉薄部
分１には通気性が損われず伸縮性の良好なメリヤ
スその他の通気生地で形成することが望ましい。
このようにすれば殊に足ムレの生じ易い足指の付
根部分の通気が促進され水虫等の発生を未然に防
止できる利点もある。従つて本考案は、前述した
構成であるため殊に歩行の正しい姿勢が維持でき
る点よりしてビジネスソツクスとして或いはスポ
ーツソツクス等あらゆるソツクスとしても極めて
実用的価値が高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案のソツクスの一実施例を示し、第
１図はその足底側を示す底面図、第２図は足甲側
を示す平面図、第３図は足の内側面側を示す側面
図である。第４図乃至は修正型のものを示し
それぞれソツクスの足底側を示す底面図である。
第５図は歩行運動を示す説明図である。 符号の説明、Ａ……ソツクス、イ……足底側、
ロ……足甲側、ａ，ｂ……爪先部辺、１……肉厚
部分、２……肉薄部分、３……足指の付根沿い部
辺、４……中足指節関節直上相当部からやや後退
した部分、５……不踏部相当部、６……踵踏付
部、７……母指球直下部辺。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 肉厚部分と伸縮性の良好な肉薄部分で編成され
   たソツクスにおいて、前記肉薄部分はその足底側
   では少くとも足の中足趾節関節直下相当部より幾
   分前方寄り部辺、即ち足指の付根沿い部辺から爪
   先端部に至る爪先部辺に設け、かつ足甲側では中
   足趾節関節直上相当部からやや後退した部辺から
   爪先端部に至る爪先部辺に設けるとともに該肉薄
   部分を除く部辺を肉厚部分にて編成して成ること
   を特徴とするソツクス。