JPS6344274B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は加熱室内に載置された被調理食品が
ヒータまたは高周波によつて加熱調理される高周
波加熱装置の改良に関する。

〔発明の技術的背景〕

第１図乃至第３図は従来の高周波加熱装置，例
えばオーブンレンジを示すもので、１は外箱であ
る。この外箱１の前面には扉２が設けられている
とともに、この扉２の右側には表示板や各種の操
作釦等が配設された操作部３が設けられている。
また、外箱１の内部には扉２によつて開閉される
加熱室４が設けられている。この加熱室４の内部
には上部ヒータ５および下部ヒータ６の各発熱部
５ａ，６ａがそれぞれ配設されている。これらの
上部，下部ヒータ５，６はそれぞれ前記発熱部５
ａ，６ａと接続端部５ｂ，６ｂとから形成されて
いる。そして、上部ヒータ５の接続端部５ｂは加
熱室４の背板７に設けられた取付孔を介して加熱
室４の後方に導出され、リード線等に接続された
状態で固定されている。さらに、下部ヒータ６の
接続端部６ｂは加熱室４の背板７に設けられた取
付孔を介して加熱室４の後方に導出され、背板７
の外面に取付けられたヒータ取付具８に着脱自在
に接続されている。また、外箱１の内部には加熱
室４の右側で、かつ操作部３の内側に電気部品の
収納室９が設けられている。この収納室９の内部
にはマグネトロン（高周波発振器）１０が配設さ
れている。このマグネトロン１０から出力された
高周波は導波管１１を介して導かれ、加熱室４の
天井板１２に設けられた励振口から加熱室４の内
部に導入されるようになつている。さらに、収納
室９の内部にはマグネトロン１０とともに高圧ト
ランス１３，コンデンサ１４，整流器１５等の高
周波発振用の高圧電気部品やこれらの高圧電気部
品を冷却する冷却フアン１６および高圧電気部
品，フアン１６，ヒータ５，６等の動作を制御す
るリレー等の制御用電気部品１７やプリント基板
１８等の各種の電気部品がそれぞれ装着されてい
る。また、加熱室４の右側板１９の外側には右側
板１９に対し適宜間隔を存して遮熱板２０が配設
されており、この遮熱板２０によつて加熱室４側
の熱が収納室９側に直接輻射されることが防止さ
れるようになつている。一方、加熱室４の背板７
の下部中央には第４図に示すように支持脚２１の
上端部がスポツトウエルド等の手段で固着されて
いる。この支持脚２１の下端部は外箱１の底板２
２に設けられた切起こし部２３に係合された状態
で固定されており、この支持脚２１によつて加熱
室４の背部が支持されている。

〔背景技術の問題点〕

加熱室４の背部を支持する支持脚２１はコスト
低下を図るために横方向の長さ寸法が比較的小さ
いものであつたが、このような支持脚２１でも加
熱室４に作用する力が上，下方向の場合には充分
な強さで加熱室４を支持することができるように
なつていた。しかしながら、加熱室４に作用する
力が前後方向の場合には支持脚２１の強度は不充
分なものであり、扉２の開閉により第５図に示す
ように加熱室４および外箱１が前後方向に変形す
るおそれがあつた。このように加熱室４に前後方
向の力が作用する場合には遮熱板２０によつて支
持脚２１の強度を補なうようになつていた。しか
し、この遮熱板２０は加熱室４の右側面に取付け
られていたので、加熱室４の支持強度は左右の強
さが不均一であり、扉２の開閉操作時に生じる前
後方向の衝撃力，或いは熱膨張により加熱室４が
左右方向に不均一な状態に変形し、加熱室４内の
高周波が外部に漏洩するおそれがあり、危険であ
つた。また、扉２の開閉によつて加熱室４の前板
が変形し、この前板に取付けられている電源ON
―OFF用のロツクスイツチ等を誤動作させるお
それがあつた。さらに、重量の大きい高圧トラン
ス１３が外箱１の底板２２の上に取付けられてい
るので、輸送中の振動や落下等により底板２２が
変形し、この底板２２の変形により高圧トランス
１３が破損するおそれもあつた。

〔発明の目的〕

この発明は加熱室に前後方向の力が作用した場
合であつても加熱室および外箱等の変形を防止す
ることができ、加熱室内から高周波が外部に漏れ
るおそれがないうえ、各電気部品の誤動作および
破損等を防止することができる安全な高周波加熱
装置を提供することを目的とするものである。

〔発明の概要〕

前面に扉が設けられた外箱の内部に形成された
加熱室の背板と略平行に支持体を固着し、この支
持体の下端部を外箱の底板に固着してこの支持体
によつて加熱室の背部を支持するとともに、この
支持体と略垂直に配設された補強部材の一側部を
支持体，他端部を外箱の後板，下端部を外箱の底
板にそれぞれ取付けるようにしたものである。

〔発明の実施例〕

第６図乃至第１２図はこの発明の一実施例を示
すものである。第６図はオーブンレンジの外観を
示すもので、３１は外箱である。この外箱３１の
前面には扉３２が設けられているとともに、この
扉３２の下方には表示板や各種の操作釦等が配設
された操作部３３が設けられている。また、外箱
３１の内部には扉３２によつて開閉される加熱室
３４が設けられている。この加熱室３４の内部に
は上部ヒータ３５および下部ヒータ３６の各発熱
部３５ａ，３６ａがそれぞれ配設されている。こ
れらの上部ヒータ３５，３６は前記発熱部３５
ａ，３６ａと接続端部３５ｂ，３６ｂとから形成
されている。そして、上部ヒータ３５の接続端部
３５ｂは加熱室３４の背板３７に設けられた取付
孔を介して加熱室３４の後方に導出され、リード
線等に接続された状態でヒータ取付具３５ｃに固
定されている。さらに、下部ヒータ３６の接続端
部３６ｂは加熱室３４の背板３７に設けられた取
付孔を介して加熱室３４の後方に導出され、背板
３７の外面に取付けられたヒータ取付具３８に着
脱自在に接続されている。このヒータ取付具３８
の周囲にはフエライト等の電波吸収体３９が取付
けられている。また、外箱３１の内部には加熱室
３４の背板３７と外箱３１の後板４０との間に電
気部品の収納室４１が形成されている。この収納
室４１の内部にはマグネトロン（高周波発振器）
４２が配設されている。このマグネトロン４２は
導波管４３の基端部に取付けられており、マグネ
トロン４２から出力された高周波は導波管４３を
介して導かれ、加熱室３４の天井板４４に設けら
れた励振口４４ａから加熱室３４の内部に導入さ
れるようになつている。さらに、収納室４１の内
部にはマグネトロン４２とともに高圧トランス４
５，コンデンサ４６，整流器４７等の高周波発振
用で発熱量の大きい高圧電気部品（第１の電気部
品）４８およびこれらの高圧電気部品４８を冷却
する冷却フアン４９が配設されている。また、加
熱室３４の背板３７の外側にはこの背板３７より
大きい遮熱板（支持体）５０が配設されている。
この遮熱板５０は加熱室３４の背板３７と略平行
に配設されている。また、この遮熱板５０には第
１１図に示すように複数の切起こし片５１…が形
成されており、加熱室３４の背板３７に対し所定
間隔離間させた状態でねじ５２…によつてこれら
の切起こし片５１…を介して遮熱板５０が加熱室
３４に固着されている。さらに、この遮熱板５０
の下端部は第１０図に示すように外箱３１の底板
５３に切起こしによつて形成された複数の突起部
５４…にねじ５５…によつて固着されている。し
たがつて、この遮熱板５０によつて加熱室３４の
背部が支持されるとともに、加熱室３４側の熱が
収納室４１側に輻射されることが防止されるよう
になつている。また、この収納室４１の略中央に
は第１２図に示すように収納室４１の内部を第
１，第２の収納部５６，５７に仕切る仕切板（補
強部材）５８が配置されている。この仕切板５８
は遮熱板５０に対し略垂直に配置されており、こ
の仕切板５８の一側部は遮熱板５０に取着されて
いる。さらに、仕切板５８の他側部は外箱３１の
後板４０にねじ止めされるとともに、下端部は外
箱３１の底板５３にねじ止めされている。また、
この仕切板５８には上部に円形の通風口５９が形
成されており、この通風口５９に対応させた状態
で冷却フアン４９が取付板６０によつて取付けら
れている。さらに、前記第１の収納部５６の内部
にはマグネトロン４２，コンデンサ４６，整流器
４７がそれぞれ配設されており、第２の収納部５
７の内部には高圧トランス４５が配設されてい
る。また、高圧トランス４５は加熱室３４の底板
６１，一方の側板６２および背板３７がそれぞれ
接合される角部と対向させた状態で外箱３１の底
板５３上に取付けられており、外箱３１の底板５
３，一方の側板６３および後板４０によつて形成
される角部近傍に配置されている。この場合、高
圧トランス４５の一部は第６図および第７図に示
すように加熱室３４の底板６１の下方に突出させ
た状態に配置されている。そのため、遮熱板５０
には高圧トランス４５の上面と加熱室３４の角部
との間に配置された逆Ｌ字状の漏水防止部６４が
形成されている。この漏水防止部６４の下方には
開口部（導入口）６５が形成されており、通風可
能になつている。

一方、前記操作部３３の内側の外箱３１の底板
５３上には高圧電気部品４８，フアン４９，ヒー
タ３５，３６等の動作を制御するリレー等の制御
用電気部品６６やプリント基板６７等の発熱量の
小さい第２の電気部品６８が配設されている。こ
れらの第２の電気部品６８の各リード線は遮熱板
５０の下部に設けられた透孔６９を介して収納室
４１側に導出され、収納室４１内の各高圧電気部
品４８と接続されている。さらに、外箱３１の底
板５３には第２の収納部５７の内部に多数の吸入
口７０…が形成されており、冷却フアン４９の駆
動により、これらの吸入口７０…から吸入された
冷却風は収納室４１の第２の収納部５７内に導入
され、高圧トランス４５を冷却したのち通風口５
９から第１の収納室５６側に導かれ、マグネトロ
ン４２に吹き付けられるようになつている。そし
て、マグネトロン４２に吹き付けられた冷却風の
一部はダクト７１を介して加熱室３４の内部に導
かれ、残りは外箱３１の後板４０に形成された多
数の排気口７２…から外部に排出されるようにな
つている。

また、外箱３１の後板４０は底板５３および天
井板７３の折曲縁部５３ａ，７３ａにそれぞれね
じ７４…によつて着脱可能に取付けられている。
さらに、この後板４０には収納室４１内の電気部
品の一部を収容する凹陥部７５が形成されてお
り、外箱３１から後板４０を取外すことにより、
収納４１内の電気部品の一部が外方に露出される
ようになつている。

そこで上記構成のものにあつては加熱室３４の
背板３７に取付けられた遮熱板５０の下端部が外
箱３１の底板５３に固着され、この遮熱板５０に
よつて加熱室３４の背部が支持されているととも
に、この遮熱板５０に対して略垂直に配設された
仕切板５８の一側部が遮熱板５０，他側部が外箱
３１の後板４０，下端部が外箱３１の底板５３に
それぞれ固着され、遮熱板５０と外箱５１の後板
４０とともに略Ｈ字形を形成する仕切板５８によ
つて遮熱板５０の前後方向の強度が補強されるよ
うになつているので扉３２の開閉時に加熱室３４
に前後方向の衝撃力が作用しても、加熱室３４お
よび外箱３１が変形するおそれがない。そのた
め、扉の開閉時にロツクスイツチ等が誤動作を起
こすおそれを少なくすることができる。また仕切
板５８は収納室４１の内部の中間部に配設されて
いるので、加熱室３４に作用する前後方向の力は
左右略均一に加わるようになつている。したがつ
て、加熱室３４に前後方向の力が作用したり、或
いは熱膨張が生じた場合であつても従来のように
加熱室３４が左右方向に不均一な状態に変形する
おそれがなく、加熱室３４内の高周波の漏洩を防
止することができる。さらに、加熱室３４の後方
の機械的強度が高くなるので、輸送中の振動や落
下時外箱３１の底板５３を変形しにくくすること
ができ、高圧トランス４５の破損を防止すること
ができる。

また、高周波による加熱調理に冷却フアン４９
が回転駆動されると、外箱３１の底板５３に形成
されている各吸入口７０…から収納室４１の第２
の収納部５７内に外気が吸入され、高圧トランス
４５に沿つて上昇するようになつている。したが
つて、高圧トランス４５は各吸入口７０…から吸
入される冷却風によつて冷却されるようになつて
いる。そして、冷却風は高圧トランス４５を冷却
したのち通風口５９からマグネトロン４２に吹き
付けられてマグネトロン４２が冷却され、さらに
マグネトロン４２を冷却した冷却風の一部はダク
ト７１を介して加熱室３４の内部に導かれ、残り
が後板４０の排気口７２…から外部に排出される
ようになつている。この場合、収納室４１の内部
は仕切板５８によつて第１，第２の両収納部５
６，５７に仕切られ、第１の収納部５６側から第
２の収納部５７側に冷却風が逆流することが確実
に防止されるようになつているので、冷却風を第
２の収納部５７内に円滑に通風させることができ
るとともに、加熱室３４側から輻射される熱が遮
熱板５０によつて遮熱されるようになつているの
で、高圧トランス４５の冷却効率を著しく高める
ことができる。さらに、通風口５９から送り出さ
れた冷却風の大部分がマグネトロン４２に吹き付
けられるようになつているので、マグネトロン４
２を効果的に冷却することもできる。また、外箱
３１の側板６３には従来のような通風孔が設けら
れていないので、据付け時には装置本体の横を壁
等に付けた状態で据付けることができ、従来に比
べて据付けスペースを小さくすることができる。

〔発明の効果〕

この発明によれば、加熱室の背板と略平行に支
持体を固着し、この支持体の下端部を外箱の底板
に固着してこの支持体によつて加熱室の背部を支
持するとともに、この支持体と略垂直に配設され
た補強部材の一側部を支持体、他側部を外箱の後
板、下端部の外箱の底板にそれぞれ取付け、この
補強部材によつて支持体の前後方向の強度を補強
するようにしたので、加熱室に前後方向の力が作
用した場合であつても加熱室および外箱等の変形
を防止することができ、加熱室内からの高周波の
漏洩、各電気部品の誤動作および破損等を防止す
ることができ、安全性を著しく高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は従来例を示すもので、第１
図は全体の横断面図、第２図は第１図の―線
断面図、第３図は第１図の―線断面図、第４
図は加熱室の背部の支持構造を示す斜視図、第５
図は加熱室の前後方向の衝撃力が作用した状態を
示す概略構成図、第６図乃至第１２図はこの発明
の一実施例を示すもので、第６図は全体の外観を
示す斜視図、第７図は全体の横断面図、第８図は
第７図の―線断面図、第９図は第７図の―
線断面図、第１０図は要部の斜視図、第１１図
は遮熱板の取付状態を示す斜視図、第１２図は仕
切板の取付状態を示す横断面図である。 ３１…外箱、３２…扉、３…加熱室、３７…背
板、４０…後板、４２…マグネトロン（高周波発
振器）、４５…高圧トランス、５０…遮熱板（支
持体）、５３…底板、５８…仕切板（補強部材）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前面に扉が設けられた外箱と、この外箱の内
   部に設けられ前記扉によつて開閉される加熱室
   と、この加熱室内に導入される高周波を出力する
   高周波発振器と、前記加熱室の背板と略平行に配
   設され下端部が前記外箱の底板に固着されるとと
   もに前記加熱室に固着され前記加熱室の背部を支
   持する支持体と、この支持体に略垂直に配設され
   一側部が支持体、他端部が前記外箱の後板にそれ
   ぞれ取付けられるとともに下端部が前記外箱の底
   板に取付けられた補強部材とを具備したことを特
   徴とする高周波加熱装置。 ２ 補強部材は加熱室の後方に形成される電気部
   品の収納室内を高周波発振器が配置される第１の
   収納部側と前記高周波発振器を駆動する高圧トラ
   ンスが配置される第２の収納部側とを仕切る仕切
   壁を兼ねるとともに、冷却フアンの駆動により前
   記高圧トランスが取付けられている外箱の底板に
   設けられた吸入口から吸入される冷却風を前記第
   １の収納部側に導く通風路を形成するための通風
   口を備え、前記第１の収納部側から前記第２の収
   納部側への冷却風の逆流を防止するものであるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の高周
   波加熱装置。