JPS6341646Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、一般にマイクロフロツピーデイスク
と呼ばれている磁気デイスクカートリツジを使用
して信号の記録又は再生を行うための磁気デイス
ク装置の回転機構に関する。

従来の技術 第３図及び第４図に示す、マイクロフロツピー
デイスクと呼ばれている磁気デイスクカートリツ
ジ１は、直径86mm（約3.5インチ）の記録媒体デ
イスク２を比較的剛性の大きい合成樹脂ケース３
に収容することにより構成されている。このカー
トリツジ１のケース３の表面４と裏面５とには磁
気ヘツド挿入用開口６，７がそれぞれ設けられ、
非使用時にはこの開口６，７はスライド式のシヤ
ツタ８によつて閉じられている。シヤツタ８は第
１図で右方向にバネ（図示せず）によつて偏倚さ
れており、使用時にはこの偏倚力に抗してシヤツ
タ８を左に移動させる。ケース３に収容されたデ
イスク２は磁気シート２ａとこの中央に装着され
たステンレススチールのような磁性体金属製ハブ
２ｂとから成る。ケース３の裏面５の開口９から
露出するハブ２ｂにはスピンドル挿入孔１０と駆
動突起（駆動ピン）挿入孔１１とが設けられてい
る。このように形成されたデイスクカートリツジ
１を使用して磁気ヘツド（図示せず）でデータを
記録又は再生を行うためにデイスク２を回転駆動
する従来の回転機構は、第６図に示す如く、ステ
ンレス等の金属製デイスク支持台１２の中央にス
ピンドル１３を配し、ここに隣接する位置に一般
に駆動ピンと呼ばれているローラ付きの駆動突起
１４を設け、更にデイスク２の中央の金属製ハブ
２ｂを吸着するための略円弧状（馬てい形）永久
磁石１５を固定配置することにより構成されてい
る。なお、金属製のデイスク支持台１２で金属製
のハブ２ｂを直接に吸着支持すると、ハブ２ｂの
着脱を円滑に行うことが出来ないので、第６図に
示す如く、両面接着テープ１６によつて滑性の良
い樹脂シート１７を支持台１２に貼り付けること
もある。

この回転機構でデイスク２を回転する場合に
は、支持台１２の上にデイスク２のハブ２ｂの部
分を置き、第６図に示す如くデイスク２の下側か
らスピンドル１３と駆動突起１４をそれぞれの孔
１０，１１に挿入し、且つ磁石１５により金属製
のハブ２ｂを吸着し、モータ１８によつて支持台
１２及びデイスク２を駆動する。この時、ハブ２
ｂの孔１１に突起１４が最初から一致していない
場合には、ハブ２ｂが支持台１２上の樹脂シート
１７の上を滑りながら回転した後に孔１１に駆動
突起１４が入り込み、更に駆動突起１４が孔１１
内の所定位置まで移動する。

考案が解決しようとする問題点 ところで、第６図に示す従来の回転機構では、
樹脂シート１７を貼り付ける構成であるので、ハ
ブ２ｂを吸着する面の高さの精度及び平坦性が悪
いという欠点を有する。なお、デイスク支持台を
金属のみで構成する場合には、切削加工でデイス
ク当接面の高さ、平坦性等の精度を良くし、メツ
キによつてデイスク当接面を保護する。この結
果、機械的精度は良くなる。しかし、コスト高に
なるという欠点、及び金属製ハブ２ｂに金属製支
持台が接触するため、支持台にハブ２ｂが必要以
上に強く吸着する恐れがあるという欠点を有す
る。

そこで、本考案の目的は、デイスク支持台１２
に対するハブ２ｂの接離を容易に行うことが出来
且つコストの上昇を抑えることが出来るデイスク
回転機構を提供することにある。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための本考案は、理解を容
易にするために実施例に示す図面の符号を参照し
て説明すると、スピンドル挿入孔１０及び駆動突
起挿入孔１１を有する金属製ハブ２ｂと前記ハブ
２ｂに装着された記録媒体シート２ａとから成る
記録媒体デイスク２をケース３に回転自在に収容
したデイスクカートリツジ１における前記デイス
ク２を回転駆動するものであり、金属製の支持台
１２と、この支持台１２から突出するように設け
られ且つ前記スピンドル挿入孔１０に挿入するよ
うに配設されたスピンドル１３と、前記支持台１
２から突出するように設けられ且つ前記駆動突起
挿入孔１１に挿入するように配設された駆動突起
１４と、前記ハブ２ｂを吸引するための磁石１５
とを有しているデイスク回転機構において、前記
金属製の支持台１２にインサートモールドで一体
化した状態に樹脂部２０を設け、この樹脂部２０
に前記ハブ２ｂに対する当接面２１を設けたこと
を特徴とする磁気デイスク装置の回転機構に係わ
るものである。

作 用 上記考案によれば、支持台１２にインサートモ
ールドされた樹脂部２０を有するので、切削加工
等によつてハブ２ｂに対する当接面の精度を高め
ることが出来る。また、金属製ハブ２ｂを金属面
で支持せず樹脂部２０で支持するので、ハブ２ｂ
の接離を円滑に行うことが出来る。

実施例 次に、第１図〜第５図を参照して本考案の実施
例に係わる磁気デイスク装置の回転機構について
述べる。但し、第１図、第２図及び第５図におい
て、符号２，２ａ，２ｂ，１０〜１５で示すもの
は第６図で同一符号で示すものと実質的に同一で
あるので、その説明を省略する。

第１図及び第２図に示す回転機構は、第３図及
び第４図に示すデイスクカートリツジ１のデイス
ク２を回転するものである。本実施例のデイスク
支持台１２はその中央部１２ａの頂面がハブ２ｂ
に接触しないように構成され、この代りに溝１９
を有する環状突出部１２ｂを含むようにインサー
トモールドされた樹脂部２０がハブ２ｂに接触す
るように構成されている。溝１９はあり溝の半分
に相当するように形成されているので、樹脂部２
０は支持台１２に強固に一体化されている。樹脂
部２０はハブ２ｂに対する摩擦抵抗が小さく且つ
充分な硬度を有し且つ加工性の良いフツ素含有の
ポリアセタール樹脂で形成され、且つハブ２ｂを
所定の高さに安定的に支持するために表面が切削
加工されたハブ当接面２１を有している。環状に
突出する樹脂部２０のハブ当接面２１は金属製の
支持台１２の中央部１２ａの頂面よりも突出して
いるので、ハブ２ｂはデイスク２の外周端の樹脂
部２０で支持される。

第１図の回転機構に対するデイスク２の着脱は
第６図の場合と同様になされる。デイスク２を装
着する時に、孔１１と駆動突起１４とが不一致の
場合は、ハブ２ｂによつて突起１４が押圧され、
突起１４はこれを支持する板バネ１４ａと共に変
位し、ハブ２ｂは樹脂部２０の上を滑りながら回
転し、しかる後、突起１４が孔１１に入り込む。
この時、樹脂部２０のハブ当接面２１の滑性が大
であるので、ハブ２ｂは樹脂部２０上を円滑に回
転する。

ハブ２ｂを磁石１５で吸着保持した状態では、
第１図で垂直方向（上下方向）に磁化された磁石
１５とハブ２ｂと支持台１２の中央部１２ａとか
ら成る磁気閉回路がハブ２ｂの吸着に大幅に寄与
し、磁石１５とハブ２ｂと外周端突出部１２ｂと
から成る経路は吸着に殆んど寄与しない。即ち、
本実施例のデイスク支持台１２の中央部１２ａは
ハブ２ｂに接近配置され、外周端の突出部１２ｂ
は樹脂部２０の分だけハブ２ｂから離れている。
従つて、磁気抵抗の小さい中央部１２ａを含む磁
気回路を磁束の殆んどが通り、ハブ２ｂと外周端
突出部１２ｂとの間の漏洩磁束は殆んどない。従
つて、漏洩磁束がデイスク２の磁気シート２ａに
及ぶ影響は極めて少なくなる。

本実施例の樹脂部２０はインサートモールドで
形成され、突出部１２ｂに強固に一体化され、且
つ切削によつてハブ当接面２１の高さ及び平坦性
の精度が高められている。この結果、デイスク２
を安定的に支持することが出来る。

また、ハブ２ｂの外周端が支持されているの
で、磁気シート２ａにヘツド等で外力が作用して
も、支持点から外力作用点までの距離が第６図に
比較して短かくなるので、モーメントが小にな
り、デイスク２の回転の安定性が高くなる。

また、第１図の回転機構では、ステンレス製の
ハブ２ｂがステンレス製の支持台１２で直接に支
持されず、摩擦係数の小さい樹脂部２０で支持さ
れているので、両者が強固に結合した状態とはな
らない。従つて、デイスク２の離脱を円滑に行う
ことが出来る。

第５図は本考案の別の実施例に係わるデイスク
回転機構を示す。この例ではステンレス製のデイ
スク支持台１２の中央部１２ａにあり溝の半分に
相当する溝１９を設け、ここにインサートモール
ドで樹脂部２０を設けている。そして、中央の樹
脂部２０の頂面が切削加工され、ここにハブ２ｂ
が接触するように形成されている。

考案の効果 本考案では、ハブとの接触部がインサートモー
ルドによる樹脂部で構成されているので、精度の
高い接触面を容易得ることが出来る。また、金属
製ハブを金属で支持せず、樹脂部で支持している
ので、デイスクの着脱を円滑に行うことが出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係わる回転機構及び
デイスクを示す断面図、第２図は第１図の回転機
構の平面図、第３図は磁気デイスクカートリツジ
の平面図、第４図は第３図のカートリツジの底面
図、第５図は本考案の別の実施例に係わる回転機
構を示す断面図、第６図は従来の回転機構を示す
断面図である。 １……カートリツジ、２……デイスク、２ｂ…
…ハブ、１０……スピンドル挿入孔、１１……駆
動突起挿入孔、１２……支持台、１２ｂ……環状
突出部、１３……スピンドル、１４……駆動突
起、１５……磁石、１９……溝、２０……樹脂
部、２１……当接面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) スピンドル挿入孔１０及び駆動突起挿入孔１
   １を有する金属製ハブ２ｂと前記ハブ２ｂに装
   着された記録媒体シート２ａとから成る記録媒
   体デイスク２をケース３に回転自在に収容した
   デイスクカートリツジ１における前記デイスク
   ２を回転駆動するものであり、金属製の支持台
   １２と、この支持台１２から突出するように設
   けられ且つ前記スピンドル挿入孔１０に挿入す
   るように配設されたスピンドル１３と、前記支
   持台１２から突出するように設けられ且つ前記
   駆動突起挿入孔１１に挿入するように配設され
   た駆動突起１４と、前記ハブ２ｂを吸引するた
   めの磁石１５とを有しているデイスク回転機構
   において、前記金属製の支持台１２にインサー
   トモールドで一体化した状態に樹脂部２０を設
   け、この樹脂部２０に前記ハブ２ｂに対する当
   接面２１を設けたことを特徴とする磁気デイス
   ク装置の回転機構。 (2) 前記樹脂部２０は、前記ハブ２ｂに対する摩
   擦抵抗が小さく且つ硬い樹脂で形成された部分
   である実用新案登録請求の範囲第１項記載の回
   転機構。 (3) 前記樹脂部２０は前記支持台１２の外周部分
   に設けたものである実用新案登録請求の範囲第
   １項又は第２項記載の回転機構。