JPS6340126B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はエアクリーナに関するものであり、特
に取入口及び取出口を備えたケーシングと、当該
ケーシング内側において装着されたひだを付けた
紙フイルタ要素にして使用時において空気が当該
要素を経て取入口から取出口へと流れるようにさ
れた紙フイルタ要素とを有するタイプのエアクリ
ーナに関するものである。より具体的には、本発
明はエアクリーナにおいてフイルタ要素が切頭円
錐の形態で全体として管状をなしており、円錐の
開口端部がケーシングとシール関係をなして当該
ケーシングの相対する端部と接するように配設さ
れており、取入口から取出口へと流れる空気は前
記要素の管状壁中を通過するよう拘束されている
エアクリーナに関するものである。

前記フイルタ要素自体は通常取換え可能であ
り、ケーシングは規則的に行なわれるか又は単に
空気中から過される汚染物によつてフイルタ要
素がつまつた時に行なわれるこのフイルタ要素交
換を可能とするために分割可能である。そのよう
な引続く取換えの間の時間間隔を最大にするため
に要素の壁は取入口又は取出口を不当に妨害する
ことなく汚染物を収納するための利用可能な表面
積を最大限に備えることが極めて望ましく、かつ
又汚染された空気の流れはこの表面積上に均等に
分布されることが極めて望ましい。これらの要求
条件の内最初の条件は要素の外側を汚染された空
気に対する取入口側とすることで部分的に満足さ
せることが出来るが、ケーシングの寸法が与えら
れたものである時には、前記第２の必要条件は要
素の最大可能径を制限してしまう。不幸にして、
ケーシングの寸法も又それを収納するのに利用出
来るスペースによつて極めてしばしば制限される
ものであり、このことは特に自動車産業において
はクリーナメーカのコントロール外の因子となつ
ている。

フイルタ要素の厚味を半径方向内向きに増大す
れば表面積は確かに増大するが、ケーシングの寸
法が限定されているので厚さ増大は又取出口が少
なくとも部分的に占拠されるばかりでなく要素を
横切つての圧力低下が過度となる結果を招く。

ひだを付けた紙を用いる場合には別の複雑な問
題が生ずる。ひだの頂部及び谷部は通常要素の軸
線方向に延びており、ひだの深さが要素の半径方
向厚味を決定している。明らかにひだの間隔及び
それらの深さはクリーナ内の紙の合計利用可能表
面積に大きな影響を及ぼすが、もつて重要な実際
上の考慮すべき観点は汚染粒子がひだ内に進入出
来る容易さである。間隔がせますぎるか及び／又
はひだが深過ぎると大きな表面積は得られるがこ
の表面積は良好に利用することが出来ない。とい
うのはひだを画成する壁特にそれらの半径方向最
内側領域はあまりにも密接し過ぎているからであ
る。

（所定の出力に対して）エアクリーナケーシン
グの直径を減少した場合には圧力低下が増大する
問題と、要素のまわりに過度の空気速度が発生す
る問題が要素表面上での非対称的塵介分布の問題
と重なり合つて生じてくる。圧力低下が増大する
問題が最も深刻であり、特にケーシング内の第１
の開口が接線方向に向いている場合にそうなる。

本発明によれば、管状ケーシング内に装着され
た切頭円錐の形態をしたひだをつけた紙フイルタ
要素を採用した種類のエアクリーナであつて、前
記ケーシングは前記切頭円錐の相対的に幅広の端
部において前記要素の内側と導通するケーシング
軸線方向の第１の開口と、前記要素の相対的に幅
狭の端部付近において前記要素の外側と導通す
る、前記ケーシングの円筒状壁内に設けられた第
２の開口とを備え、前記要素の軸線は前記ケーシ
ングの軸線に関して前記第２の開口から離れるよ
う傾斜しており、かくて前記フイルタ要素と前記
開口との間の半径方向間隙はケーシングの寸法を
増大させることなく与えられたフイルタ要素に対
して増大されることを特徴とするエアクリーナが
提供されている。

好ましくは、前記第２の開口はエアクリーナへ
の取入口として用いられており、前記取出口は要
素の内側と導通する軸線方向開口である。このよ
うな構造とすることによりフイルタ要素を構成す
るひだ紙の全領域をより良好に利用することが出
来る。というのは要素の外側表面は塵介に対し
て、特にひだの底部に関してより接近し易くなる
からである。

本発明による修整構造によれば主としてフイル
タ要素上の圧力損失乃至低下が顕著に減少する
が、本発明の構造は又紙の全領域にわたる塵介の
（より一様な）分布を与えるとともに要素のまわ
りの空気速度を減少させる効果がある。しかしな
がらこれらの後者の２つの効果は幾分顕著さが少
ない。所定の要素及びケーシング寸法（長さ及び
直径）に対してかつ標準体積出力に対しては前述
の効果はフイルタ要素の利用可能寿命の増大とな
つてあらわれる。このことは物理的制限条件によ
り大きな径のケーシングを用いることが出来ない
時に顕著となる。もちろん適正に選べば同一の要
素使用寿命に対してはかなり大きな出力を達成す
ることが出来る。

本発明は要素アスペクト比及び包含角度に関し
ての同一日付の特許出願第 号明細書に記載の
発明と組合せることが出来る。実際そうすること
が好ましいのである。というのはその組合せによ
りいづれか１つの発明のみによるより良好な性能
が得られるからである。

本発明について言えば、フイルタ要素軸線の所
望の傾斜は少なくとも２つの態様で達成すること
が出来る。第１に、フイルタ要素の相対する端部
は要素の軸線に垂直な面にある角度をなす平行平
面内に存在するよう配設することが出来る。第２
に、ケーシング自体の端部壁部分をある形状にし
て通常の対称要素を傾斜軸線姿勢に収納、定置せ
しめることが出来る。こうする方が好ましい。と
いうのは要素の製造が著しく簡単化されるからで
ある。

前記フイルタ要素は又部分的に入れ子関係で組
付けられた２つのひだ紙切頭円錐要素部分の形態
にすることも出来、この場合２つの部分のオーバ
ラツプした端部はそれらの間の環状スペースを経
ての漏洩を防止するために非透過性部材によつて
結合されている。そのような実施例は以下に第３
図を参照して説明する。図示された好ましい構造
においては２つの切頭円錐要素部分が前述したよ
うにケーシングの軸線に関して傾斜した共通の軸
線を備えることが要求される。

以下付図を参照して本発明のより具体的な説明
を行なう。

第１図及び第２図の構造を最初に説明すること
とし、両図における類似の部品は相対応している
ので、実用上問題の無い限りにおいて同様の参照
符号を用いることにする。これらの図を参照する
と、エアフイルタは円筒壁２内に半径方向の開口
１を備え、１つの端部壁４内に軸線方向の開口３
を備えた円筒状ケーシングを有している。他方の
端部は着脱可能なカバー５によつて閉じられてお
り、当該カバーはケーシング内に装着されたフイ
ルタ要素への接近を可能としている。カバー５の
取付けの方法の詳細は本発明にとつて重要ではな
く、詳細な説明は省略する。前記フイルタ要素は
それぞれ穿孔金属によつて構成された内側及び外
側チユーブ８，９によつて支持されたひだ付紙フ
イルタ媒体７からなつている。前記ひだ及びチユ
ーブの端部は端部キヤツプ１０，１１内にシール
されている。前記キヤツプ１１には通常の環状外
側ガスケツト１２が設けられており、当該ガスケ
ツトはフイルタ要素の内側と外側が（フイルタ媒
体以外は）導通するのを防止している。キヤツプ
１０はガスケツト１２と同一の目的を果す中央板
金プレート１３を含んでいる。

第１図を参照すると、フイルタ要素６はほぼ切
頭円錐形状をしているが、端部は円錐の軸線と垂
直をなす面とわずかな角度をなした平行平面内に
存在している。フイルタ要素のケーシング内への
装着はその一方の側がケーシングの半径方向開口
１と反対側の壁と実質的に平行となるように行な
われる。こうすることによりフイルタ要素の軸線
はケーシングの軸線に関してわずかに傾斜し、開
口１とフイルタ要素の外側穿孔金属支持チユーブ
９の間の半径方向間隙は増大する。

次に第２図を参照すると、この図はケーシング
内に装着された切頭円錐フイルタ要素を示してお
り、当該要素においては端部壁４及びカバー５自
体がケーシング軸線と垂直をなす面に関して傾斜
した平行平面内に配設されている。効果は第１図
の場合と全く同一であるが、フイルタ自体は対称
的即ち慣用のものであり、その両端部は円錐の軸
線に実質的に垂直な平面内に存在している。この
構造にはケーシングのみを変更すれば良いという
利点があるが、第１図のクリーナの場合には正確
に装着すべき特殊な要素が必要とされる。第２図
の要素はオペレータが間違うことなく正しい姿勢
に自動的に装着される。但しカバー５の再装着に
は注意を払わなくてはならない。というのはカバ
ー５は適正な装着を保証するためにケーシングに
キー止めしなければならないからである。第２図
に示した要素が比較的に製造容易であることを考
えるとこの形状の方が第１の図の形状よりも好ま
しい。前述したように、ケーシング内の第１の開
口はクリーナへの取入口であり、軸線方向開口が
取出口であるのが好ましい。というのはこのよう
な形状とすることによりフイルタ要素内の紙の面
積を最有効に利用することが出来るからである。

第２図のエアクリーナがフイルタ要素の軸線が
ケーシングの軸線に関して傾いていない類似なエ
アクリーナと比較された。他の点ではこれらのク
リーナは等しく、次の概略の寸法を備えていた。

ケーシング長さ47cm ひだの数は160で、 ケーシング径22cm ひだの深さは3.8cm 要素長さ46cm 定格は17m³／分 各要素はその相対的に幅広の端部において21cm
の外径を有しており、その比較的に幅狭の端部は
18cmの外径を有していた。ケーシングの取入口及
び取出口の両方は直径が13cmよりわずかに小さか
つた。

定格出力における試験において慣用のクリーナ
の圧力低下は約12cm水柱であつたが、本発明のク
リーナの圧力低下は約８cm水柱であつた。この圧
力低下の減少はクリーナの幾何形状を比較的わず
かに変更した割には顕著なものであつた。

クリーナを横切つての圧力低下を最小にするた
めには、ケーシング内の第１の開口の径を当該開
口に接するフイルタ要素の内径に実質的に等しい
ものとすべきであることが理解されよう。同様に
して第２の開口もまた少なくとも同一の径にすべ
きである。

次に第３図を参照すると、エアクリーナは円筒
状壁２１内に半径方向開口２０と、一方の端部壁
内に軸線方向開口２２とを備えた円筒状ケーシン
グを有している。反対側の端部は着脱自在のカバ
ー２４により閉じられており、当該カバーはケー
シング内に装着されたフイルタ要素に対する接近
を可能ならしめている。カバーのケーシングへの
取付けの詳細は本発明にとつて重要ではないので
詳細な説明は不要であろう。フイルタ要素は２つ
のひだ状にされた紙切頭円錐部分２５及び２６を
それぞれ備えており、各部分はちようど第１図及
び第２図に関連して前述したのと同様にして穿孔
金属の内側及び外側チユーブ（図示せず）によつ
て支持されている。前記切頭円錐部分は部分的に
入れ子関係にて組付けられており、それらのオー
バラツプした端部は前記部分間の環状スペースを
経ての漏洩を防止するために非透過性の部材２７
によつて結合されている。前記部分の端部はそれ
らの支持チユーブとともにそれぞれエンドキヤツ
プ２８，２９，３０及び３１へとシールされてい
る。前記キヤツプ２８は軸線方向開口２２のまわ
りに環状シーリングガスケツト３２を備えてい
る。キヤツプ３１は要素の端部を閉じるための中
央板金プレート３３を内蔵している。前記両部分
は円錐台形の形態を備えており、ケーシングの軸
線に対して傾斜する共通軸線を備えている。この
ことはケーシングの端部壁の形状の故に達成され
ており、当該端部壁はケーシングの軸線に垂直な
面に対してある角度をなした平行平面内に存在し
ている。こうすることによりフイルタ要素は対称
にすることが出来、製造が簡単な形態となる。第
３図の実施例は与えられたケーシングの軸線方向
寸法に対して大量のフイルタ紙を収能するばかり
でなく、個々の要素部分内のひだスペースも最適
化され、得られる余分な紙領域を最も有効に利用
することが出来る。

前述の実施例においてはケーシングに対して半
径方向の取入口が設けられているが、本発明は又
接線方向の取入口を設けた場合にも有効である。
実際、接線方向の取入口に関して本発明には顕著
な利点が含まれている。何故ならば本発明の構造
に接線方向取入口が誘起する問題点を減少させる
のに有効だからである。即ち、接線方向取入口に
よつて誘起される（要素のまわりの）渦流は要素
の外側表面上の静圧へと変換されないということ
である。代りに、前記渦流は要素のまわりにおい
て漸進的に消失し、典型的には2.5cm水柱ともな
る約20％迄のオーダの圧力低下の増大（拘束）が
生じてしまう。要素軸線が傾斜するということ
は、要素のまわりの流れを制限し空気の移動に対
して失速効果を生じさせることによりこの損失に
対抗することとなる。接線方向取入口を用いるこ
とは美観の点からいつてしばしば望ましいことで
ある。即ちこのような取入口を採用することによ
つて例えば車両キヤブの後壁に沿つてよりきれい
な配管組立体を設けることがしばしば可能とな
る。本発明の原理を採用することによつてそうで
ない場合にはクリーナの性能が好ましくなるよう
な状況においても接線方向取入口を用いることが
可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るエアクリーナの１つの形
態の図式的側横断面図、第２図は本発明の別の好
ましい実施例の図式的側横断面図、第３図は本発
明の別の実施例を示す図である。 １：半径方向開口、３：軸線方向開口、２：ケ
ーシング円筒壁、４：端部壁、５：カバー、７：
フイルタ要素、１０，１１：端部キヤツプ、１
２：ガスケツト、１３：中央板金プレート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 管状ケーシング内に装着された切頭円錐の形
   態をしたひだをつけた紙フイルタ要素を採用した
   種類のエアクリーナであつて、前記ケーシングは
   前記切頭円錐の相対的に幅広の端部において前記
   要素の内側と導通するケーシング軸線方向の第１
   の開口と、前記要素の相対的に幅狭の端部付近に
   おいて前記要素の外側と導通する、前記ケーシン
   グの円筒状壁内に設けられた第２の開口とを備
   え、前記要素の軸線は前記ケーシングの軸線に関
   して前記第２の開口から離れるよう傾斜してお
   り、かくて前記フイルタ要素と前記開口との間の
   半径方向間隙はケーシングの寸法を増大させるこ
   となく与えられたフイルタ要素に対して増大され
   ることを特徴とするエアクリーナ。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載のエアクリーナ
   において、前記第２の開口は使用時において取入
   口であり、前記軸線方向開口は取出口であること
   を特徴とするエアクリーナ。 ３ 特許請求の範囲第１項又は第２項に記載のエ
   アクリーナにおいて、前記フイルタ要素軸線の相
   対的傾きは前記要素の相対する端部が当該要素の
   軸線に垂直でない平行な平面内に存在するように
   することで提供されていることを特徴とするエア
   クリーナ。 ４ 特許請求の範囲第１項又は第２項に記載のエ
   アクリーナにおいて、前記フイルタ要素軸線の傾
   きはケーシングの端部壁部分の形状によつて提供
   されており、前記部分はケーシングの軸線に垂直
   ではないが当該ケーシング内に装着された時のフ
   イルタ要素の軸線に対しては垂直な平行平面内に
   存在するようにされていることを特徴とするエア
   クリーナ。 ５ 特許請求の範囲第１項から第４項のいづれか
   １つの項に記載のエアクリーナにおいて、前記要
   素は部分的に入れ子関係で組付けられた２つの切
   頭円錐部分の形態をなしており、前記２つの部分
   のオーバラツプした端部は前記部分間の環状スペ
   ースを経ての漏洩を防止するように非透過性の部
   材により結合されていることを特徴とするエアク
   リーナ。 ６ 特許請求の範囲第１項から第５項のいづれか
   １つの項に記載のエアクリーナにおいて、前記ケ
   ーシング内の前記第１の開口はこれに近接するフ
   イルタ要素の内径に実質的に等しい直径を備えて
   いることを特徴とするエアクリーナ。 ７ 特許請求の範囲第１項から第６項のいづれか
   １つの項に記載のエアクリーナにおいて、前記第
   ２の開口がケーシングの接線方向に向けられてい
   ることを特徴とするエアクリーナ。