JPS633915Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、燃料タンクの内面に形成される波
立ち防止板の改良に関するもので、その目的とす
るところは、構造が簡単で、しかも燃料タンクの
内面に取付やすい構造の波立ち防止板を得ること
にある。

〔従来の技術〕

従来、燃料タンクの内面に波立ち防止板を溶接
して設けることは、実公昭46−5362号公報その他
によつて公知である。

自動二輪車の燃料タンクは車両が加速、減速す
る際、内部の燃料が慣性で前後に移動し、車両の
重心を移動させるので、その対策として燃料タン
クの内面に波立ち防止板を設けている。近年、自
動二輪車は長距離運転に適した大型の燃料タンク
を装備したものが実用化されており、波立ち防止
板も第５図で示すように、燃料タンク内を縦横に
向けて設けられている。

〔考案の目的、概要〕

この考案は、上記波立ち防止板の構成を簡単に
し、製造の容易と、軽量化とを目的とするもので
あり、燃料タンクの車両の中央部に車両の左右方
向に波型に屈曲させた一体形の波立ち防止板４を
立設した点に特徴がある。

〔実施例〕

以下、図示の実施例によつてこの考案を説明す
ると、図中、１は自動二輪車の車体枠であり、そ
の上面には燃料タンク２と乗員の座席３とが設け
られている。

燃料タンク２は、車体枠１を避けて作られた中
高の底板２ａと、その上面を覆う半球上の上板２
ｂとを溶接結着してなり、底板２ａの上面に波立
ち防止板４が溶着されている。なお、上板２ｂは
左右の半部を溶着して一体に形成されている。

波立ち防止板４は、鋼板を屈曲して波形とな
し、燃料タンク２の中央部に車両の前後方向に長
く設置される。波立ち防止板４は車両の左右方向
に屈曲する波型の突部４ａを形成する。４ｂは波
立ち防止板４の下側を屈曲して設けた溶接代であ
る。

斯くて、波立ち防止板４は全体として燃料タン
ク２内を左右に二分すると共に、屈曲によつて形
成された突部４ａにより、燃料タンク２内を前後
方向に数個の室に区画する。なお、波立ち防止板
４それ自体は上板２ｂの内面とは接触しておら
ず、燃料は各区画された室の間を流通可能であ
る。

燃料タンク２を構成する鋼板製の上板２ａは、
外面を合成樹脂製のカバー５によつて覆われてい
る。カバー５は鋼板をプレス成型したものでもよ
く、これの装着によつて、燃料タンク２が保護さ
れ、且つカバー５を取り替えるのみで、色彩や形
状の異なる燃料タンクとすることが出来る。ま
た、カバー５は左右の各半部からなり、それらは
上端に設けた凹凸状の係止部５ａで、係脱可能に
係止されると共に、下端に設けた係止部５ｂが、
前記上板２ｂと底板２ａとの溶接ビード６に係止
されている。７は上板２ｂの外面と合成樹脂製の
カバー５との間に介在させたクツシヨンゴムであ
り、車両の走行中に振動によつて騒音を生じるの
を防止する。８は燃料注入口を開閉するキヤツプ
である。

この実施例によれば、車両が走行し、加減速や
転向するときに、燃料タンク２中の燃料が慣性で
前後或いは左右に移動しようとすると、車両の前
後方向に長く配置された波立ち防止板４に阻止さ
れ、前後方向に移動しようとすると、左右方向に
伸びる波立ち防止板４の突部４ａに阻止されて急
激に流動することはない。なお、前記したよう
に、波立ち防止板４と燃料タンクの内面とは接触
しておらず、燃料が各室間を流動する空間が設け
られているので、燃料が特定の区画内に溜つてし
まうことはない。

〔考案の効果〕

この考案は以上のように、燃料タンク２の中央
部に車両の左右方向に波型に屈曲させた一体形の
波立ち防止板４を立設したものであるから、波立
ち防止板４を多数の板片で構成するものに比し、
部品点数が少なく、加工や溶接等の作業が容易で
あると共に重量の軽減を達成し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すものであり、
第１図は燃料タンクの側面図、第２図はその平面
図、第３図はその−断面図、第４図は−
断面図、第５図は従来の燃料タンクを示す平面図
である。 ２……燃料タンク、４……波立ち防止板、５…
…カバー、７……クツシヨンゴム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 燃料タンク２の中央部に車両の左右方向に波
   型に屈曲させた一体形の波立ち防止板４を立設
   してなる燃料タンクの波立ち防止装置。 (2) 波型の波立ち防止板は鋼板で作られ、燃料タ
   ンク１の底面に溶接されている実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の燃料タンクの波立ち防止
   装置。