JPS6338331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関において、排気系に排気浄化
用二次エアを供給するための二次エアフイードパ
イプの取付装置に関するものである。

従来、機関本体の排気ポートに二次エアを供給
して排気中に含まれるHC，CO等の有害成分を酸
化消去するようにした、排気浄化装置において、
機関本体に、排気ポートに連通する二次エア通路
を形成し、この通路に大気に開口するエアフイー
ドパイプを接続し、このパイプの途中に介在され
るリード弁等の逆止弁を、排気系に発生する排気
脈動をもつて間歇的に開弁し、大気、すなわち二
次エアを排気系に供給し、排気中のHC，CO等の
未燃有害成分を酸化消去するようにしたものが知
られている。

ところで前記従来のものでは、二次エアフイー
ドパイプの端部に取付フランジを設け、これを機
関本体にボルト等の固着具によつて単独で固着す
るようにしていたので、部品点数が多くなるばか
りでなくその組付に手間がかゝり、その結果コス
トが嵩み、さらに機関全体の重量増を招く不都合
があつた。

本考案は上記実情にかんがみてなされたもの
で、機関本体に吸気管、もしくは排気管を固着す
るに際して、前記二次エアフイードパイプを同時
に機関本体に固着できるようにして二次エアフイ
ードパイプの組立性を向上させるとともに該パイ
プを固着するための部品点数を削減して全体とし
てコストを大幅に低減し、さらに機関重量の低減
を図るようにした内燃機関における排気浄化用エ
アフイードパイプ取付装置を提供することを目的
とするものである。

本考案によれば、前記目的達成のため、機関本
体に吸気管および排気管端部の取付フランジをそ
れぞれ固着し、燃焼室に通じる吸気ポートおよび
排気ポートの開口端を前記吸気管および排気管に
それぞれ連通してなる、内燃機関において、前記
機関本体に、前記排気ポートに連通する二次エア
通路を穿設し、該通路の開口端に、逆止弁を介し
て大気に連通する二次エアフイードパイプのジヨ
イントを抜差自在に接続し、該ジヨイントを、機
関本体に固着される、吸気管もしくは排気管端部
の前記取付フランジを以て固定したことを特徴と
する。

以下、図面により水平対向型４気筒内燃機関に
本考案を実施した場合の実施例について説明す
る。

第１図において、前記機関の機関本体Ｅは、略
水平なシリンダ軸線をもつシリンダブロツク１
と、該ブロツク１の端面にガスケツト３を介して
固着されるシリンダヘツド２とを備える。シリン
ダブロツク１のシリンダ孔４内にはピストン５が
略水平に摺動自在に嵌合され、このピストン５の
頂面に対面してシリンダヘツド２に燃焼室６が形
成される。燃焼室６には、吸気弁口７と排気弁口
８とが上下に相対向して開口され、それらの弁口
７，８は、シリンダヘツド２に摺動自在に支持さ
れる吸気弁９と排気弁１０によつて開閉され、吸
気弁９と排気弁１０は従来公知の動弁機構１１に
よつて作動される。前記吸、排気弁口７，８に
は、シリンダヘツド２に形成した吸、排気ポート
１２，１３がそれぞれ連通され、吸気ポート１２
の他端は、シリンダヘツド２の上面に形成される
吸気管Inの取付座１４に開口され、また排気ポー
ト１２の他端はシリンダヘツド２の下面に開口さ
れる排気管Exの取付座１５に開口される。吸気
ポート１２の他端は、シリンダヘツド２の上面に
形成される、吸気管Inの取付座１４に開口され、
また排気ポート１３の他端はシリンダヘツド２の
下面に形成される排気管Exの取付座１５に開口
される。

前記シリンダヘツド２上面の取付座１４には、
吸気管In端部の取付フランジ１６が連結ボルトを
以て結合され、またシリンダヘツド２下面の取付
座１５には排気管Ex端部の取付フランジ１７が
連結ボルトを以て結合される。またシリンダブロ
ツク１上において、吸気管Inの途中には、気化器
Caが介在され、さらにその端部にエアクリーナ
Acが接続される。

第２，３図に示すように、シリンダヘツド２に
は、二次エア通路１８が穿設される。この二次エ
ア通路１８はシリンダヘツド２の上面より下向き
に略垂直に穿設される第１通路１８₁と、シリン
ダヘツド２の側面より斜めに穿設される第２通路
１８₂とよりなり、この第２通路１８₂の開口外端
は盲栓３０によつて閉じられる。二次エア通路１
８の内端は、前記排気ポート１３の、燃焼室６近
傍部に連通され、またその外端はシリンダブロツ
ク１上の吸気管Inの取付座１４の端部に開口され
る。而して前記二次エア通路１８の外端、すなわ
ち前記取付座１４側開口端には、２つの段部１
９，２０を有して２段階に径を大きくした差込孔
２１が形成され、この差込孔２１は、吸気管Inの
取付座１４端部に開口し、またその一側には、シ
リンダヘツド２の、シリンダブロツク１側内面に
開口する切欠孔２２が連通される。

前記二次エア通路１８の差込孔２１には二次エ
アフイードパイプＰのジヨイント２４が抜差自在
に差込み接続される。前記二次エアフイードパイ
プＰは第１，６図に示すように鋼管等の金属パイ
プ２３をシリンダブロツク１の上面に沿うように
屈曲させ、その先端に略直角に前記ジヨイント２
４を固着して構成され、前記ジヨイント２４は前
記切欠孔２２を通して二次エア通路１８の差込孔
２１に抜差自在に挿嵌される。また二次エアフイ
ードパイプＰの基端は可撓性導管２５を介して逆
止弁、すなわちリード弁２６の出口に接続され、
さらに該リード弁２６の入口は前記吸気系のエア
クリーナAcのクリーン側に連通される。

而して前記リード弁２６はエアをエアクリーナ
Acから排気ポート１３へのみ流れるように作用
し、機関の運転時に排気ポート１３内に発生する
排気脈動によりエアクリーナAcからの清浄な二
次エアを、リード弁２６、可撓性導管２５、二次
エアフイードパイプＰ、および二次エア通路１８
を通して排気ポート１３へ間歇的に導入する。

第４図に示すように前記吸気管Inの取付フラン
ジ１６の端部には、抑え部１６ａが一体に延設さ
れており、該取付フランジ１６を、機関本体Ｅの
シリンダヘツド２上面に連結ボルトを以て連結し
た際に、前記抑え部１６ａは、前記二次エアフイ
ードパイプＰのジヨイント２４上面に当接され、
該ジヨイント２４を固定することができる。

第１，５図に示すように前記二次エアフイード
パイプＰの途中はシリンダブロツク１の上面に着
脱可能に保持される。すなわちシリンダブロツク
１の上面には断面チヤンネル状の台座２７が一体
に突設され、この台座２７には断面Ｍ状のマウン
トラバー２８が被冠される。マウントラバー２８
に形成される挟持溝２９には前記二次エアフイー
ドパイプＰの途中が抜差自在に差込み挟持され
る。而してこのように二次エアフイードパイプＰ
の途中をマウントラバー２８により挟持すること
により該パイプＰは両持ち支持されることにな
り、そのジヨイント２４の付根部の、振動による
応力集中を防止することができ、またマウントラ
バー２８は二次エアフイードパイプＰに作用する
振動を減衰してジヨイント２４部に与える振動の
影響を小さくすることが可能である。

次に本考案の実施例の作用について説明する。

いま内燃機関が運転によりその排気ポート１３
に排気脈動が発生すると、これにより該ポート１
３内には間歇的な吸気負圧が発生する。この吸気
負圧は、二次エア通路１８、二次エアフイードパ
イプＰおよび導管２５を通してリード弁２６に作
用して該リード弁２６を間歇的に開弁する。これ
によりエアクリーナAc内の清浄な二次エアは、
リード弁２６、導管２５、二次エアフイードパイ
プＰおよび二次エア通路１８を通つて排気ポート
１３内へ吸込まれる。排気ポート１３内に流入し
た二次エアは、排気管Exを流れる排ガス中に混
入し、排ガス中に含まれるHC，CO等の可燃有害
成分を酸化消去することができる。

なお、上記実施例では二次エアフイードパイプ
Ｐのジヨイント２４を吸気管Inの取付フランジ１
６によつて固着するようにしたものを説明した
が、前記ジヨイント２４を排気管Exの取付フラ
ンジによつて固着するようにしてもよい。

以上の実施例により明らかなように本考案によ
れば、機関本体に、排気ポートに連通する二次エ
ア通路を穿設し、該通路の開口端に、逆止弁を介
して大気に連通するエアフイードパイプのジヨイ
ントを抜差自在に接続し、該ジヨイントを、機関
本体に固着される吸気管、もしくは排気管端部の
取付フランジを以て固定したので、前記ジヨイン
トを単独で機関本体に固定するためのボルト、ナ
ツト等の固着具が不要となり従来の二次エアフイ
ードパイプのジヨイントを単独で機関本体に固定
するようにしたものに比べて部品点数が削減され
るとともに二次エアフイードパイプの組付がきわ
めて簡単となり、その結果大幅なコストダウンが
可能となるばかりでなく、機関全体の重量軽減に
寄与し得る。

尚、前記実施例のように二次エアフイードパイ
プを吸気管の取付フランジによつて固定するよう
にすれば、前記ジヨイントとエアクリーナ間の距
離が短くなり二次エアフイードパイプの全長を短
くできる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の実施例を示すもので、第１
図は本考案装置を備えた水平対向型内燃機関頭部
の縦断面図、第２図は第１図−線に沿うシリ
ンダヘツドの断面図、第３図は第１図−線よ
りみたシリンダヘツドの部分上面図、第４図は第
１図−線よりみた吸気管の取付フランジの端
面図、第５図は第１図−線断面図、第６図は
二次エアフイードパイプの側面図である。 Ｅ……機関本体、In……吸気管、Ex……排気
管、Ｐ……二次エアフイードパイプ、１２……吸
気ポート、１３……排気ポート、１６……取付フ
ランジ、１８……二次エア通路、２４……ジヨイ
ント、２６……リード弁（逆止弁）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関本体に吸気管および排気管端部の取付フラ
   ンジをそれぞれ固着し、燃焼室に通じる吸気ポー
   トおよび排気ポートの開口端を前記吸気管および
   排気管にそれぞれ連通してなる、内燃機関におい
   て、前記機関本体に、前記排気ポートに連通する
   二次エア通路を穿設し、該通路の開口端に、逆止
   弁を介して大気に連通する二次エアフイードパイ
   プのジヨイントを抜差自在に接続し、該ジヨイン
   トを、機関本体に固着される、吸気管、もしくは
   排気管端部の前記取付フランジを以て固定したこ
   とを特徴とする内燃機関における排気浄化用エア
   フイードパイプ取付装置。