JPS6337092Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、塗料を数〜数十Kg／cm²程度の比較的
高圧のもとに噴霧するようにすると共に、前記噴
霧の基端周側から一〜数Kg／cm²程度の比較的低圧
の空気流を霧化促集のため供給することにより、
エアスプレー式とエアレススプレー式との長所を
機能的に結合するようにした塗装用噴霧装置に関
するものである。

従来のこの種の加圧気液併用型塗装用噴霧装置
は、塗料ノズルとして概ねオリフイス型平吹きノ
ズルを使用しているが、これでは円錐噴霧による
円形パターンを得ることが困難であり、しかして
円形噴霧用塗料ノズルを採捉すればよいが、吐出
量が比較的少なくかつ大きい噴霧角を得るのは困
難であり、しかも塗料ノズル先端付近に塗料が固
化し易い傾向がある。

これに鑑み本考案は、旋回効率のよい塗料ノズ
ルとして接線方向の流入路がある旋回室を設けた
ノズルを採捉すると共に、霧化促進用空気ノズル
を塗料ノズルの前方周側に開口し、かつ塗料ノズ
ルの構造を簡単にしたことを特徴とするものであ
つて、以下添付図面に例示する態様について詳細
に説明する。

図示のように、中心に塗料流路１がある筒状の
主体２の先端に弁座３を保持筒４に圧挿したまま
この保持筒４をテーパー部において嵌合すると共
に、これに対し弁５を後方から対接させて適時的
に進退させることができるように設け、かつ保持
筒４の前端には、周側に通気部材６をテーパー部
において嵌合してこの部材６に保持される状態の
もとに円環状の間座７を保持筒４の前端に対接し
たまま更にその前端に筒状のノズルホルダー８を
嵌合し、ノズルホルダー８には、噴口９とその後
方のテーパー部付きの後方開放型旋回室１０とこ
の旋回室に接線関係の流入路１１とがある超硬合
金あるいはセラミツクス等の超硬質材製の塗料噴
霧ノズル１２を嵌着すると共に、ノズル１２の背
後には旋回室１０用の蓋部材１３を間座７の中央
孔からノズル１２の流入路１１への通液路１４が
形成される状態のもとに螺着し、なお蓋部材１３
の少なくとも先端部はこれをノズル１２と同様に
超硬質材製とするのが望ましく、またノズルホル
ダー８の先端寄り外周には、円形噴気口１５とそ
の外側に配設される少なくとも一対の斜め内向き
の噴霧パターン変更用噴気ノズル１６，１６とを
前向きに開設した噴気ノズル部材１７をテーパー
部により同軸心関係のもとに嵌合して前記ノズル
ホルダー８の先端外周との間に環状スリツトによ
る霧化促進用の噴気ノズル１８を特に塗料噴口９
よりも前方に開口するように形成し、なお噴気ノ
ズル部材１７はこれを主体２に対する取付用ナツ
ト１９の螺装により前記ホルダー８、間座７、通
気部材６を挾圧状態に取り付けるようにする。

前記主体２には霧化促進用加圧空気流入口２０
および噴霧パターン変更用加圧空気流入口２１を
設けて、その一方の流入口２０から噴気ノズル１
８へ通じるように、通気路２２、環状通気溝２３
を設けると共に、保持筒４に環状通気溝２４、通
気路２５を設け、間座７に環状通気溝２６、通気
路２７を設け、更にノズルホルダー８には環状通
気溝２８、通気路２９、環状通気溝３０を順次設
け、以つて加圧空気源（図示せず）から流入口２
０へ適時的に加圧空気を供給することにより、噴
気ノズル１８から先細り傾向のもとに筒状に加圧
空気を適時的に噴出することができるようにし、
また他方の流入口２１から一対の噴気ノズル１
６，１６へ通じるように、主体２に通気路３１、
環状通気溝３２を設け、保持筒４に環状通気溝３
３、通気路３４、環状通気溝３５を設け、かつ通
気部材６には環状通気溝３６、通気路３７を設
け、なお噴気ノズル部材１７に通気路３８を順次
に設け、以つて加圧空気源（図示せず）から流入
口２１へ適時的に加圧空気を供給することにより
噴気ノズル１６，１６から加圧空気を適時的に噴
出することができるようにする。

以上の構成のもとに、主体２の後方ら塗料を例
えば数〜数十Kg／cm²の圧力のもとに塗料流路１に
供給しつつ、必要に応じ弁４を開くことにより弁
座３、間座７、通液路１４を経てノズル１２にお
ける流入路１１から旋回室１０へ加圧塗料を供給
して旋回室１０において高速旋回させた後噴口９
から円錐状のもとに噴霧するようにするほか、主
体２における流入口２０に例えば一〜数Kg／cm²の
加圧空気を導入して環状スリツトによる噴気ノズ
ル１８から筒状空気流を噴出することにより、噴
口９から噴射される塗料噴霧の外周から空気を衝
触させつつ霧化を促進し、かつ必要に応じ主体２
における流入口２１に一〜数Kg／cm²の加圧空気を
導入して噴気ノズル１６，１６から前記噴霧の扁
平化に適応する空気流を噴出するようにし、これ
により扇形噴霧を生成して長円パターンを得るこ
とができるのである。

前記蓋部材１３は例えば第２図および第３図の
ように大径ねじ部に切欠き部１４′，１４′を形成
して通液路に充当するようにするほか、着脱のた
めの溝３９を後端面に刻設し、かつ先端に超硬質
材製の蓋片４０をろう付けするのが適当であり、
また塗料噴霧ノズル１２における流入路１１は第
４図および第５図のように複数本設けてもよいの
である。

以上のほか、第６図のように蓋部材１３に前方
へ突出する針状電極４１を植設してこれをノズル
１２の中心に貫通させたまま前方へ突出するよう
にし、かつこの針状電極４１に導線４２およびこ
れに電気的に接続する導線を経て高電圧源（図示
せず）から例えば負極の高電圧を供給し、これに
より噴霧に対し静電荷を帯電させて静電塗装に適
応させることができ霧化および被着効率を助長す
ることができるのであり、なおその他の部分は第
１図におけると同一であるから符号を付して説明
は省略する。しかして針状電極を設けることな
く、第１図において、塗料噴霧ノズル１２とホル
ダー８との一方もしくは両方を導電性材料により
製作してこれらの一方もしくは両方を電極に充当
してもよく、その場合噴気ノズル部材１７、ナツ
ト１９、主体２等は絶縁性材料により製作するの
がよいこと当然であり、また噴霧装置が手持ち式
とは異なり固定設置式あるいは塗装ロボツトに取
り付ける場合には、ホルダー８、噴気ノズル部材
１７を含む少なくとも先端寄り部分を導電材によ
り構成して噴霧装置全体を電極に充当してこれに
高電圧を印加するようにしてもよいのである。

以上説明したように、本考案によれば次のよう
な効果が得られる。

(a) 加圧塗料による円錐噴霧の周側から加圧空気
を衝触させるようにしたから、低圧のもとに霧
化を促進した円錐噴霧が容易に得られる。

(b) 塗料噴霧ノズル１２について、噴口９の後方
に旋回室１０を設けると共に接線関係の流入路
１１を設けたから、旋回効率を向上し吐出量の
少ない場合および広角噴霧に適応させることが
でき、しかも蓋部材１３との軸心関係に高精度
を要しないばかりか、製作に当つても放電加工
による流入路の形成が容易である等、構造が簡
単かつ安価に製作である。

(c) 加圧気液併用型塗装に当つては霧化が良好で
あるから、溶剤を節約した高粘度塗料を使用す
る場合が多い関係上、従来装置においては概ね
塗料の噴口に霧化促進用空気が直接摺過しある
いは噴口に著しく近い部位に霧化促進用空気が
衝触するのがあるから、塗料噴口周辺において
噴霧中においても塗料が固化付着し易く、従つ
てその固化した塗料が剥離して噴霧に混入した
まま塗膜に被着する重大欠陥があるのに対し、
本考案においては、加圧空気供給用噴気ノズル
１８を塗料噴口９よりも前方に開口させたこと
により、塗料噴口９付近における塗料の固化付
着を簡単な構造のもとに容易に防止することが
できるのである。

(d) 噴霧パターン変更用噴気ノズル１６，１６を
設けると、必要に応じ扇形噴霧による長円パタ
ーンを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面において、第１図は一実施態様における本
考案の加圧気液併用型塗装用噴霧装置を示す縦断
側面図、第２図は第１図中の線−における縦
断正面図、第３図は蓋部材だけの斜面図、第４図
および第５図はそれぞれ他の態様における塗料噴
霧ノズルだけを各別に示す背面図、また第６図は
更に他の態様を示す要部だけの縦断側面図であ
る。 ９……噴口、１０……旋回室、１１……流入
路、１２……塗料噴霧ノズル、１３…蓋部材、１
６……噴気ノズル、１８……噴気ノズル、４１…
…電極。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 塗料を比較的高圧のもとに噴霧すると共に、
   前記噴霧の基端周側から比較的低圧のもとに空
   気流を霧化促進用として供給するようにした加
   圧気液併用型塗装用の噴霧装置であつて、噴口
   ９とテーパー部付きの旋回室１０とこの旋回室
   に接線関係の流入路１１とがある塗料噴霧ノズ
   ル１２を設けるほか、この塗料噴霧ノズル１２
   の周側に環状スリツトによる噴気ノズル１８を
   前記噴口９よりも前方に開口するように設けて
   なる加圧気液併用型塗装用噴霧装置。 ２ 噴気ノズル１８の外側に少なくとも一対の斜
   め内向きの噴霧パターン変更用噴気ノズル１
   ６，１６を設けてなる実用新案登録請求の範囲
   第１項に記載の加圧気液併用型塗装用噴霧装
   置。 ３ 後方開放型旋回室１０がある塗料噴霧ノズル
   １２を採択すると共に、この塗料噴霧ノズル１
   ２の後方から蓋部材１３を対接させるようにし
   た実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   に記載の加圧気液併用型塗装用噴霧装置。 ４ 塗料噴霧に静電荷を帯電させるための電極を
   設けてなる実用新案登録請求の範囲第１項また
   は第２項に記載の加圧気液併用型塗装用噴霧装
   置。