JPS6336856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両のバンパコーナ部の取付構造に関
するものである。

［従来の技術］ 例えば実開昭57−108459号公報に開示されるよ
うに、バンパコーナ部の車体に対する取付構造
は、は、バンパコーナ部の内面に一体に設けた補
強リブを、フエンダのアウタパネルに結合した取
付金具に係止するか、または補強リブに結合した
ステイフナをアウタパネルにボルトにより固定
し、バンパコーナ部の上縁および下縁をフエンダ
のアウタパネルに密接させるのが一般的である。

従来の取付構造では、フエンダのアウタパネル
に取付金具を支持するための窪みを設けるか、ま
たは補強リブの係止部を長く突出する必要があ
る。エンジンルームの前端部が低く傾斜している
（ノーズの低い）形式の車両のように、フエンダ
のアウタパネルの上下方向の寸法が短く、バンパ
コーナ部の上縁と下縁を重ね合せるだけの板面が
ない場合は、バンパコーナ部の補強リブをアウタ
パネルの下側で支持しなければならない。そこ
で、第１図に示すように、バンパコーナ部１の上
縁１ａおよび下縁１ｂよりもバンパコーナ部１の
内面から長く突出する突片２ａを補強リブ２と一
体に形成しければならない。

ところが、補強リブ２と突片２ａを一体に成形
することは、成形型が複雑で成形加工に要する時
間が長くなるばかりでなく、第２図に示すよう
に、突片２ａが製品の重合せの妨げになり、広い
格納スペースを必要とするなどの問題がある。

実公昭55−31735号公報）に開示されるバンパ
支持構造では、Ｕ字形に湾曲された板材の内面に
爪フツクを設けたクリツプを、弾性的に押し拡げ
て、バンパのリブの両面に係合しているが、クリ
ツプの弾性力により爪フツクをリブに食い込ませ
るだけであるから、爪フツクの食い込みが弱い
と、車体振動などにより外れる恐れがあり、また
クリツプの取付位置にバラツキが生じやすい。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案の目的は上述の問題に鑑み、バンパコー
ナ部の補強リブに突出部を設けないでも、補強リ
ブとステイフナとの確実な結合が得られ、バンパ
コーナ部がステイフナにより車体壁部に支持され
るバンパコーナ部の取付構造を提供することにあ
る。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案の構成は折
り重ねられた１対の板の内面に爪片を形成しなる
金属製ステイフナの間に、樹脂製バンパコーナ部
の水平な補強リブを挟み、補強リブの切欠縁部に
係合しかつ１対の板を貫通するボルトにより爪片
を補強リブに食い込ませ、ステイフナの折返し部
を車体の水平壁部に重ね合せて螺着したものであ
る。

［作用］ バンパコーナ部１は補強リブ２に突出部がなく
ても、ステイフナ３の爪片７を有する上下１対の
板３ａで挟持され、ボルト１８により締め付けら
れる。ステイフナ３の折返し部３ｂがフエンダの
アウタパネル１３の下縁部１３ａに重ね合され、
ボルト４により螺着される。

ステイフナ３の１対の板３ａは補強リブ２に強
く押し付けられ、爪片７が補強リブ２に食い込
む。

１対の板３ａを挟持するボルト１８は、補強リ
ブ２の切欠縁部８に係合してステイフナ３を位置
決めする。

［考案の実施例］ 第３図に示すように、エンジンルームは上方を
エンジンフード１２により、側方をフエンダのイ
ンナパネル１４によりそれぞれ閉鎖される。イン
ナパネル１４は車体のサイドメンバ１５に結合さ
れる。インナパネル１４に車輪の上側を覆うアウ
タパネル１３が結合される。

第３図に示す実施例では、ノーズが低くなつて
いる車両の場合を示し、アウタパネル１３の上下
方向の寸法が短いので、バンパコーナ部１は上縁
１ａをアウタパネル１３の外面に重ね合されるだ
けで、下縁１ｂは自由状態になつている。上段の
補強リブ２がステイフナ３により挟まれ、かつボ
ルト１８（第４図）により固定される。

ステイフナ３はアウタパネル１３の水平に延び
る下縁部１３ａに重ね合され、かつインナパネル
１４から側方へ突出されるブラケツト６と重ね合
されてボルト４およびナツトにより固定される。

第４図に示すように、補強リブ２の縁部にボル
ト１８を係合するための半円形をなす１対の切欠
８が設けられる。一方、ステイフナ３は金属板を
折り重ねて、上下１対の板３ａの内面に爪片７
（第５図）を切り起して構成される。１対の板３
ａの間に補強リブ２を挟み、ボルト穴１６に挿通
したボルト１８を切欠８に係合し、ボルト１８に
ナツトを締め付けて固定される。この時、板３ａ
の爪片７が補強リブ２に食い込む。

一方、ステイフナ３の折返し部３ｂが前述した
ブラケツト６およびアウタパネル１３の下縁部１
３ａに重ね合され、ボルト穴１６を貫通するボル
ト４およびナツトにより固定される。

［考案の効果］ 本考案は上述のように、折り重ねられた１対の
板の内面に爪片を形成しなる金属製ステイフナの
間に、樹脂製バンパコーナ部の水平な補強リブを
挟み、補強リブの切欠縁部に係合しかつ１対の板
を貫通するボルトにより爪片を補強リブに食い込
ませ、ステイフナの折返し部を車体の水平壁部に
重ね合せて螺着したものであり、ステイフナの１
対の板の内面に設けた爪片が、ボルトを締め付け
るだけで補強リブに食い込むので、補強リブに突
出部がなくてもステイフナとの安定した結合が得
られる。

１対の板を挟持するボルトと補強リブの切欠縁
部との係合により、ステイフナが簡単に位置決め
される。

補強リブに結合されたステイフナは、車体の水
平壁部に上下方向のボルトにより支持されるの
で、バンパコーナ部が障害物に接触した場合に、
バンパコーナ部がボルトを中心として回動し、バ
ンパコーナ部の自由な変形により、衝突エネルギ
が有効に吸収され、バンパコーナ部の損傷が抑え
られる。

バンパコーナ部の補強リブに突出部を必要とし
ないので、金型の構成が簡単となり、金型寿命が
延長され、維持経費が節減され、成形品の保管の
格納スペースが節減される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の樹脂製バンパコーナ部を示す斜
視図、第２図は同バンパの格納状態を示す平面
図、第３図は本考案に係るバンパコーナ部の取付
構造を示す正面断面図、第４図は同分解斜視図、
第５図はステイフナの側面図である。 １：バンパコーナ部、１ａ：上縁、１ｂ：下
縁、３：ステイフナ、７：爪片、１３：アウタパ
ネル、１４：インナパネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折り重ねられた１対の板の内面に爪片を形成し
   なる金属製ステイフナの間に、樹脂製バンパコー
   ナ部の水平な補強リブを挟み、補強リブの切欠縁
   部に係合しかつ１対の板を貫通するボルトにより
   爪片を補強リブに食い込ませ、ステイフナの折返
   し部を車体の水平壁部に重ね合せて螺着したこと
   を特徴とするバンパコーナ部の取付構造。